2012年10月

2012年10月31日

不思議な決算(住友化学)

住友化学の決算が発表されましたが、不思議な内容になっています。

平成24年4月1日から9月30日

売上     961,383(百万円) −3.7%
営業利益   24,481(百万円) −54.7%
経常利益   18,948(百万円) −61.3%
純益    −13,114(百万円)  赤字

まさにガタガタになっている決算と言え、最終では赤字になっていますが、では通期はどうでしょうか?

売上     2,020,000(百万円) +3.7%
営業利益     65,000(百万円) +7.1%    (会社四季報:80,000)
経常利益     62,000(百万円) +22.3%   (会社四季報:75,000)
純益        10,000(百万円) +79.0%   (会社四季報:30,000)


恐ろしいまでもの「強気」決算となっていますが、会社四季報予想からは大幅に減額しています。
住友化学は、前期半年は景気は悪かったものの、後期の世界経済はバラ色になり、上記の通りの数字に
なるとしているのです。
ところが、配当は未定としており、数字だけ強気を打ち出している姿があります。

いまどき、このようなバラ色決算を打ち出す会社は世界でもそうあるものではなく、今回あえて指摘させて
頂きましたが、この住友化学の会長は経団連の米倉氏であり、先日、中国との領土問題で物議をかもした人物です。

有利子負債が1兆円を越えており、剰余金は4,800億円しかなく、絶対に赤字には出来ないという事なのかも知れませんが、投資家からすれば、とても危なくて近寄れない会社となります。

また、前期は一株利益3.4円で9円配当をして、「たこ足配当」を行っていましたが、今期も今のところ、一株利益は6.12円ですから同じ9円配当を行えば、「たこ足配当」となり、更に資金の社外流出を招きます。

住友化学は決算を終えれば、半期の131億円の赤字の何倍、何十倍もの赤字に転落し、剰余金を食いつぶす事態になるかも知れません。

今から危機的な予想を立てて対処するようであれば、赤字もそれほど拡大することはないでしょうが、今の世界経済を見て、バラ色の数字を出すようであれば、経済の認識が実態と違ったとして想像を絶する赤字になる可能性もあるのです。

どのような決算を出すか、またアナリストがどのような分析をするか、見ていきたいと思っております。







nevada_report at 19:11|Permalink

恐慌前夜とも言える状況になってきたユーロ圏景気

10月のユーロ圏景況感指数が8カ月連続低下し84.5となり、この水準は3年1ケ月振りの低い水準となっています。
しかもこの10月の落ち方が9月比で0.7ポイントの低下と比較的大きな落ち方となっており、かつドイツ・フランスと言った今まで景気を下支えしてきた国の景気の悪化が進んでおり、次第に景気後退が全てのユーロ圏に波及する事態になっており、恐慌前夜とも言える状況になってきていると言えるのです。

4−6月期のユーロ圏GDPは修正後で−0.2%となっていますが、7−9月期のGDPは0.5%以上のマイナス、10−12月期は1%を超えるマイナスになる恐れもあり、次第に景気悪化スピードが増すという状況になってきているのです。

しかも、このマイナスは修正後であり修正していない名目ベースでは既に年率5%を超えるマイナス成長に陥ってきているかも知れません。

ヨーロッパの自動車分野では年率20%を超えるマイナス成長(売上減少)になりつつあり、日本以外の世界中の自動車メーカーは一斉に工場閉鎖や人員削減等対策に乗り出しています。

金融市場は金融緩和を謳歌していますが、既報の通り、スイスのUBSは債券部門を「廃止」し、1万人以上の人員削減を行うように、今後の金利急騰・国債暴落=金融恐慌を読みはじめており、実態経済面では風雲急を告げています。

株式市場しか見ない投資家は、今の状況は理解できないでしょうが、企業業績が底抜けはじめており、金融緩和だけで株を買うことが出来ないと分かった時、総投げが市場を襲い大暴落となり、最悪の場合、株式市場の暴落と国債の暴落が市場を襲い金融市場はマヒすることになります。












nevada_report at 18:43|Permalink

とうとう62年ぶりの無配に転落するパナソニック

パナソニックは決算見通しを発表し、62年ぶりに無配となると発表しています。
とうとうパナソニックのお尻に火がつき始めたものですが、業績見通しも500億円の黒字から7650億円の赤字になるとしており、前期は7721億円の赤字でしたので、これでこの2年間で1兆5,000億円もの赤字になることになります。

では、この赤字が最大でしょうか?
違います。

実際には更に赤字が膨らむ要因が多々あり、1兆円を優に超える赤字になることもあり得るのです。

現在、連結余剰金が1.5兆円となっている今、今期はこの半分を「消す」としていますが、最悪の場合、この1.5兆円を全て消えるような赤字になることもあり得、パナソニックは経営上重大な局面に突入したことになります。

何せ負債が1.5兆円を超えている中、余剰金が今回の予想で7,500億円程にまで減少してしまえば、
格付けも当然下がり、仮に1兆円を超える赤字となれば、余剰金5,000億円、負債1.5兆円となり、
破たんまで一直線となりかねません。

シャープに続き、パナソニックよお前もか、となりつつありますが、会社の規模がパナソニックの方が大きいだけに
パナソニックの方が余計に扱いに厄介と言えます。

メインバンクの三井住友はパナソニックと心中する覚悟で支援を続けるか、ここで一線を画すか非常に厳しい
立場に追い込まれたと言えますが、関電の赤字・無配と言い、関西企業は持ちあいをしている企業が多いですが、持合いがあだになり業績がガタガタになりつつあります。












nevada_report at 16:28|Permalink

関電の給料引き下げと不況の深刻化

関電は上期だけで1,167億円の赤字を計上しており、20%程の電気料金値上げを希望していますが、問題は
関電社員の給料をどこまで引き下げるかになってきています。

現在、関電社員の平均給与は805万円となっており、これを従業員1000人以上の企業の平均給与である600万円以下に引き下げることが条件になると言われており、かつ分厚い交際費・福利厚生費も大幅にカットされる筈であり、今、東電の交際費・給与カットで不況に陥っています銀座・新橋界隈の飲食店と同じような状況が大阪の新地に吹き荒れることになりますが、既に新地はシャープ・パナソニック等の大企業の赤字もあり、接待が激減していると言われており、そこに関電不況が襲えば経営が成りたたない飲食店が更に増加することになります。

今や日本全国で電力会社の赤字で歓楽街が不況に陥っていると言われていますが、今後本格的な電力料金値上げ=給与・福利厚生費・交際費カットが進めば、地方経済は一層苦境に陥ります。





nevada_report at 12:25|Permalink

中国企業業績の悪化と中国製品排除

今、鉄鋼・アルミニウム価格が急落してきており、【中国アルミ】社の業績は4期連続の<赤字>となっていますが、
この下落は半端な下落率ではなく、高値から約30%もの下落となっているのです。
同社をはじめ、世界中のメーカーは減産を続けていますが、過剰在庫は未だに増え続けており、この間、需要は日に日に減少していっており、今後企業倒産や過剰在庫処分が起これば価格は暴落することもあり得ます。

鉄鋼製品も世界中で過剰生産が続いており、中国では景気が良かった時に膨大な鉄鋼設備投資を行い、今では
粗鋼生産で2億トンもの過剰生産設備を抱えているとも言われており、この2億トンは日本の鉄鋼メーカーの生産設備の2倍を超える膨大な量となっています。

今後、中国から膨大な過剰在庫が世界市場に流れ込んできますので、世界中はとてつもないデフレに陥ります。

これを防ぐにはダンピングとして中国製品輸入を止める必要が出てきます。

即ち、世界中で中国製品排除運動です。

中国製品輸入禁止処置が中国経済大崩壊を引き起こしますが、これが結果的に世界規模での貿易戦争を巻き起こすことになり、これは世界経済を破壊させる程のインパクトを持ちます。








nevada_report at 11:34|Permalink