2012年06月16日

スペイン危機の本質

ユーロ圏第4位の経済規模を持ちます【スペイン】ですが、スペインの金融機関がどれだけ海外に融資(与信)を与えているか、これを見れば先般、合意されました10兆円支援策が如何に少ないか、わかります。

与信額残高 1兆2000億ユーロ

100円で計算すれば、120兆円にもなります。

そしてその与信を与えている先は、スペイン語圏内、ポルトガルと言った経済規模が小さいところであり、今の
金融収縮で、一斉に金融危機に陥り始めているところなのです。

120兆円の与信の「もと」になっているスペインの金融機関の自己資本ですが、今や不動産価格下落(ピークから21%)等で、この自己資本を失う事態に直面しており、格付けも下がりあと一段階格下げになればスペインは、ジャンク債になり、120兆円の与信を解消せざると得ない事態に陥るのです。

これはスペインの金融機関にとり悪夢ですが、スペインより悪夢に陥るのは世界の金融機関です。

スペインの金融機関が120兆円もの融資・与信を解消せざるを得なくなり、実際これを実行し始めれば、必ず返済できない国・金融機関が出てきます。

これを誰が肩代わりするのか、という問題が発生するのです。

120兆円の「つけ」を誰が負担するのか。

そして問題はこの120兆円だけではすまず、ほかの国もジャンク債に格下げされた場合、世界中で膨らんだ債務総額、3京とも5京とも言われていますが、これが毀損する事態に発展するのです。

数百兆円では済まない、数千兆円の債務が不履行になる事態に陥り始めているのです。

これはリーマンショックの前にワールドレポートで指摘してきたことですが、リーマンショックで解決したのではなく、リーマンショックでさらに債務を増やしてしまい、今やこれを誰も払えない事態に陥っているのです。

ギリシャ危機など大した問題でなく、それを解決できないユーロ諸国の首脳は、本当に頭がよいのか?とも思えますが、あるヘッジファンドの幹部はこのようにうそぶいています。

『彼らのおかげでずいぶん儲けさせてもらっている。ありがたい、ありがたい』。

ユーロ圏首相は「確信犯的に処理をしていないのではないか」とも思える程ですが、確信犯であろうが、無能であろうが関係なく、今や事態は誰もが思わなかった方向に進み始めているのです。

メルトダウンです。

ワールドレポートをお読みいただいてきましたお客様からしますと『ようやくこの事態がきましたね。準備はほぼ終わっており、後は少しの調整だけになっています』となっていますが、本当の危機は、ギリシャではなく、スペイン語圏の金融危機・崩壊が始まったときです。

その時期が迫ってきており、スペイン・ポルトガル語圏諸国発の金融メルトダウンに備えるべき時に来ています。

即ち、これは世界金融市場の崩壊を意味します。

スペイン語圏の金融市場が崩壊することを誰も想定していませんが、今起こっているスペイン危機は、
スペイン語圏崩壊危機であり、最低でも120兆円、連鎖分を含めれば先進国の債務を除外しましても
数百兆円のお金が「消滅」する事態になりかねないのです。

10兆円というスズメの涙ほどの金額で金融市場が収まる話でもなく、仮に週明けに中央銀行が一斉に金融緩和に動き、株が急騰するようなことがあれば、それが「最後」になります。






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