2012年08月04日

株高と格下げ

雇用統計の改善で株が一斉に買われていますが、S&Pはイタリアの15の金融機関の格下げを実施しており、
イタリアで3番目に大きい【モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行】の格付けを投資適格では最低の<BBB−>に格下げしており、もう後がない状態に追い込んでいます。

イタリア最大の【ウニクレディト】は<BBB+>で変わらずとなっていますが、最低格の<BBB>であり、イタリアのメガバンクが後がない格付けまで格下げされています。

昨日の株高は、良くみますと矛盾に富んだ内容となっており、雇用統計が改善(ただし失業率は上昇)となり、景気は良い、だから株を買う、となっていますが、企業業績は悪化の一途をたどっており、ドイツでは世界的勝ち組企業である【BMW】の4−6月期の決算は売上高は7%増加したものの営業利益は28%減益となっており、ニューヨークでは小売販売店が破産し、1,000人以上の解雇が想定されていたり、若者向け高級ブランド店(アバクロ)の株価が急落したりと「異変」があちらこちらで見られるようになっており、とても株を買い上げるだけの材料はありません。
*中国でも減益が広がっており、工業分野(1−6月期)は2.2%減益になっており、製鉄56%減、化学原料分野22%減、外資系企業13.4%減となっています。
全体の統計が2.2%減にとどまっていることに疑問がわきますが、中国国家統計でもあり、全体統計は無視して個別の統計(大幅な減益)を見ておけば実態が分かります

雇用統計も速報段階では、これほどぶれが激しい統計はなく、速報と確定値が大きく違うことは当たり前のように起こっており、これをもって指数を買い上げるのは無理があります。

この雇用統計ですが、失業率が4月は<8.1%>、5月・6月は<8.2%>となり、そして7月は<8.3%>とじわりじわりと上昇してきており、ここで大企業による大量の解雇が相次いでいる今、今後更に失業率が上昇していくことになるのは避けられません。

また、米国労働省の分類で「U‐6」と呼ばれる広義の失業率は15%に上昇しており、7月のアメリカの雇用統計改善は統計の「あや」と言えるのです。

専門家ならこのような分析を一瞬で行い、雇用統計改善=景気回復、などとは言えない筈ですが、株をあげるためには、黙って市場の動きにあわせているのです。


ドラギECB総裁発言、今回のアメリカ雇用統計と、惑わす発言・発表が相次いでおり、余程しっかりした分析を見ていませんと、事実を間違うことになりかねません。



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