昨日はとても良い出来だったのだが、今日は違う作品『ドーナツトーク』の初日。
朝から小屋入りするも、体力はとっくに限界なので、ぶどう糖を大量に接種してドーピング。
ゲネ。稽古、稽古、稽古…本番。
この『ドーナツトーク』はフリッパーズギターの歌詞「意味の無いドーナツトーク」から取り、先に『タバコトーク』を作ったという経緯がある。
今回は滞在中に起こったことを中心に物語を展開させていった。
僕の処女作は高校生三年生の時に文化祭で発表したのだが、話こそ違え、それと同じ構成になっている。
幾つか、金杉忠男や菅間勇の作品からモチーフを頂いているので、多分解らない方は解らないだろうと思いながらも、そのままにしている箇所ばかりだ。
新作だが、演出や劇作的には何か特別なことをしている訳ではない。
演劇にとって「上手さ」「声の良さ」「身体の確かさ」「台詞テンポの速さ」に価値があるのならその反対にある「技術のなさ」「身体の平凡さ」「台詞の遅さ」などは、本当の意味では等価値に置かれても良いのではないか。
もちろんそんなことは観客には届かないし解らないのだが、僕にとっては大きな問題だ。
さて、男性一人女性七人の座組なのだがこちらは色々と辛い思いをした。
まず話を聞いてくれない…。着替える時には稽古場の外に出される。一人々々だととても可愛いのに、集団になると手が終えない…。
本当に女は女であり、男は適わないなと再確認した。
ただ、男が疲れた時に帰る場所はやはり女である。
それもそのまま作品に投影してある。
こちらの初日もとても良かった。
『タバコトーク』は完成されすぎて一つのミスが、構成や戯曲で立て直せる設計図がしっかりと引かれているが、変更できない箇所が多い。
が、こちらの『ドーナツトーク』では、一つのミスが気にならないように思える。
そしてまだ、当たり前だが、伸びしろはある。
一ヶ月で二本の作品を仕上げるということは、単純に半月で一本作るということだ。
良い仕事をした。
そう思い、この日にやっと祝杯をあげることができた。
不安要素は動員の問題。
二週間手応えのある作品を続けて動員が伸びないのなら、色々と今後の計画を見直さなければならないだろう。
まあ、そんなことは終わった後に考えれば良いのだ。
avec・ビーズのお姉さまがたから褒めて頂いたので一安心。
酔い潰れて寝る。
今日は金杉忠男の命日であり、結婚記念日だった。