2007年08月04日

みなさん、こんにちは!株式会社Newhandsの鈴木です。

今回は『匠が魅せる映画館』の記念すべき第二回目、【シアター・イメージフォーラム】編です。
青山学院大学に程近い場所で、確固たる信念に基づいて珠玉の作品を上映されているシアター・イメージフォーラムさん。一体どのような取り組みをされているのでしょうか・・・


シアター・イメージフォーラムの運営方針についてお聞かせください。

image_forum1もともと私たちは映像作家たちが集まってできた集団で、70年代頃から自分たちの作品を上映する場所が無くて、そういう人間の集まりで始まりました。映画館に話を持ちかけたり自分たちで上映していくうちに、他の作家たちも仲間に加わるようになって、徐々に全国に作品を配給するようになりました。
今では年に一回、実験的な映像の映画祭を開いたり、それにまつわる出版物を出したりしています。映画館自体は2000年にオープンしてまして、表現の場としての映画館というのが基本理念ですね。ですので作家性や個人的なパーソナルな視点で描かれた作品や、斬新な表現のものを追及していく映画館でもあると思います。


▼表現の場として突き詰めていった形が、今の映画館ということですか?

突き詰めるというか、表現の場はいくつもあったほうがいいと思っていて、ここにはイメージフォーラム付属映像研究所というワークショップを併設しています。新しい映像作家の育成を目的として、1977年に設立されました。映画プログラムにもそれは反映されていますね。

▼映像研究所で作られた映像が映画館で上映されることはありますか?

可能性はありますね。映像研究所があると映像に幅が生まれます。個人の映像表現を追及する場なので、実際に撮影する人もいれば、台本などの企画を書く人もいるので、一概に映像研究所で作った作品を映画館で流すとは言い切れないけど、可能性としてはありますね。ただし、映像研究所で作ったから映画館で流すというのではなく、映画監督というものより少し大きな視点での育成を考えています。

▼表現の場というコンセプトで、映画館ではどのようなサービスを提供していますか?

そうですね、他では観られないような作品やなかなか観られないようなクオリティーの作品を上映したいと思っていますね。いろいろな個性や価値観の作品をたくさん観て欲しいという想いから、メンバーズカードを作り、会員は1000円で観られるようになっています。

▼表現と収支という部分は、どのように折り合いをつけているのですか?

やはり経営という部分も考えなくてはならないので、すばらしい映像作品だからといってお客さんが入ってくれるわけではないので、どうやって配給していくか、宣伝していくということは考えますね。素晴らしい作品でも人が入らない作品はあるので、素晴らしい作品の中から映画館で上映しても成立する作品を選んでいます。


≪プロモーションについて≫
▼表現重視の映像作品でターゲットも別の形で絞られてきますが、どのようなプロモーションをやっていますか?

Web上で呼びかけたり、チラシやポスターを配布したりはしますね。作品のターゲットを想定して、そこに呼びかけるという面では他と同じだと思います。うちならではということだと、映像研究所で一週間に一度全く違う映像作品を上映したり、映画祭を開催することで、他では全くやってないような作品にふれることができるという場を作ることはあると思います。ここに来れば、他とは違う作品に触れることができると思ってもらいたいですね。

イメージフォーラムフェスティバルでは観客動員はどれくらいありましたか?

4月下旬から新宿パークタワーで10日間ほどやって、全国で7箇所ツアーしていくフェスティバルなんですけど、20プログラムを用意して放送作家に応募してもらってグランプリを決めたり、作品を上映したりもしました。ただ映画を観にいくだけではなくて、自分もクリエイターとして参加できる映画祭として、観客にもクリエイターにもなれる可能性がある場だと思います。作品的にはいろいろあって、youtubeなど方法はある中で、作品を作りたいけど、どうしていいか分からないということがあるのと同時に、それを観たい人もいるので、それを繋げるという意味では唯一な存在だと思います。

▼Youtubeに対してどのようなお考えがありますか?

個人的に言えばエンドレスに観られるし、面白いなと思いますけど、パソコンの画面で観る人と、劇場で映画を観るのでは、感覚が全然違うと思うので、そこの環境の違いは意識しますね。映画の場合、わざわざ足を運んで暗い劇場の中でじっと画面を観ないといけない。反対にパソコンで観ることとは違うと思うんですね。いろんな映像を観せられる可能性があるというのは、youtubeの魅力の一つだと思いますし、映画館というのも強力なメディアの一つだと思います。両方とも大事ということですね。

▼Web上で何かしたいというお考えはありますか?

今まで映画雑誌や本が支配的に力を持っていて、映画とリンクしていた部分があったのですが、webはまた新たな可能性があるのではと思うので、これから着目していきたいと思います。例えば、誰かのブログで話題になって、お客さんが来るといったこともありますので、作品的な広がりもwebではあると思うので、考えていきたいと思います。

▼改善したい部分、逆に伸ばしていきたい部分はありますか?

やはりwebの部分は伸ばしていきたいですね。各映画館を見ても、もうちょっと広がっていく部分はあると思うので、単純に情報としてだけではなく、もう少し蓄積して深い部分でつながったり、共有できる入り口というか窓口があればいいなあと思いますね。

▼今後やってみたいと思うプロモーションなどはありますか?

image_forum2Webの部分の強化というか、そういう媒体を作るということですね。


<<これまでの映画館の経緯>>
▼最近の映画館としての流れを教えてください。

2000年にオープンして、現在に至るという感じなんですけど。そんな感じですかね。

▼渋谷ならではのエピソードがあれば教えていただきたいのですが。

渋谷の中では新しい方の映画館だと思います。ミニシアター系の映画館がたくさんあるということが定着してきているので、渋谷に来ればいろんな映画館があるということが定着していることは確かだと思います。
最初は渋谷ということもあり、若者が主なお客さんだったのですが、ここに来てシニア層の方のお客さんが増えていますね。去年大ヒットした映画で「ありの兵隊」という映画があったのですが、それは終戦後中国軍に参加しろという命令で、3,4年中国で戦い、帰国後あなたは自分の意思で残って戦ったのだから、恩給は出ないということになり、それはおかしいということで、国を相手に訴えた方のドキュメンタリー作品だったのですが、若者もたくさん観に来てくれたのですが、やはり年配の方が多かったですね。そういう方のアンテナがここまで反応するようになったことを感じました。


▼辛かった部分があれば教えて下さい。

辛かったときはたくさんありますが(笑)。お客さんが多ければ嬉しいし、少なければ辛いですかね。仕事で色々やって、お客さんが少ないとやっぱり辛いなと思いますね。


≪今後の展望≫
▼今後どのような映画館にしていきたいですか?

youtubeの存在などで映像に触れる機会は確実に増えている中で、映画館というものが暗闇の中で映像を一緒に共有できるという強力なメディアであることはみなさん認識されているのと思うので、映画館ならではの映画館でしか体験できないことを今後提供していきたいなと考えています。
イメージフォーラム全体としては、映像に関わること全てに関わっていきたいと思います。Web上であったり、映像に触れる機会を増やして行きたいと思います。


▼8月以降で上映される映画はどんなものがありますか?

ベトナムは社会主義国で、国が映画を作って配給するのが基本なのですが、この監督が資金を集めて作った初のインディペンデント映画ですね。
あとこれは木村威夫さんという有名な美術監督さんなのですが、映画作品を作ったという作品ですね。こちらはトランシルバニアというルーマニアのほうなんですけど、ジプシー音楽がたくさん使われているエスニックな世界を舞台にした、80年代のオカルト映画ですね。当時インデペンデント映画としてかなりの衝撃を与えた「なんだこれは!?」というものですね。まだチラシができてないのですが、韓国のインデペンデント映画の特集をしようとしています。韓国は今すごく社会情勢が変化しようとしている時なので、いろんな表現が生まれているんですね。低予算で作られた映画でも斬新な表現の映画はたくさんあるので、そういった作品を特集しようと考えています。表現という意味で、もっと多くの映画を提供できたらいいなと思います。


▼映画を愛する人にメッセージをお願いします。
 
image_forum3映画を好きな人は映画館で映画を観て欲しいですね。DVDで観てもいいんですけど、映画館で観るからこそ観えてくるものがやはりあるので、そういうのを発見してほしいですね。新しい発見がある作品はイメージフォーラムにはたくさんあるので。


image_forum4シアター・イメージフォーラム
所在地:渋谷区渋谷2-10-2
連絡先:03-5766-0114
アクセス:渋谷駅より徒歩8分。
URL:http://www.imageforum.co.jp/



…今回、お忙しい中インタビューにお答えいただいたのは、山下さん。落ち着いた佇まいの中に、映画にかける並々ならぬ想いを感じ取ることが出来ました。ありがとうございました!


聞き手:株式会社Newhands松村、鈴木

(03:33)

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔