上関原発 情報ストック

山口県熊毛郡上関町(かみのせきちょう)に中国電力が計画中の上関原子力発電所に関する情報を紹介。現地の状況、関連ニュース、イベント、裁判情報など、マスメディアでは広く報道されない情報を記録し、ストックしています。
※当ブログ記事は上関町周辺に住む複数の有志記者によって作成しています。※リンクや記事引用はフリー。写真は無償提供も可能ですのでご相談下さい。※掲載内容に不都合や間違いがあればご指摘下さい。※お問い合わせはnew.kaminosekiアットマークgmail.comまで。

経済産業省

経産副大臣、二井知事に対し従来通り原発推進を明言

 1月22日、二井関成・山口県知事は、社民党が上関原発計画の中止を申し入れていることを踏まえ、昨年11月30日に政府に対し上関原発への統一見解を求めた件で、回答がないため経済産業省を直接訪問し、増子輝彦副大臣と面会したようです。
 二井知事によると、「上関原発を含め、新政権として原子力政策にどう取り組むのか」と問いただしたところ、増子副大臣は「これからも変わらずに進めていきたい」と説明、二酸化炭素抑制の効果がある点からも旧政権の政策を引き継ぐと明言したそうです。
 二井知事は面会後の記者会見で、「私も従来の考え方で対応する」などと表明、原発建設を進める上関町の意向を尊重するとし、住民の抗議活動が続いていることについては「原発は国の政策として進められており、国としてしっかり対応してほしい」などと述べたようです。

●中国新聞(10.01.23)上関原発推進 経産省が方針

着工2年延期 中電が原子炉設置許可を国に申請

 12月18日、中国電力は上関原発計画1号機の原子炉設置許可申請を、経済産業省に提出したようです(参考:中国電力「原子炉設置許可申請について(概要)」)。これにあわせて電力供給計画の変更届を提出し、1号機の着工と運転開始予定をそれぞれ約2年延期し、2012年度6月着工、2018年3月運転開始とし、2号機の予定も2年延期し、2017年度着工、2022年度運転開始としたようです(参考:中国電力「供給計画変更届出における工事計画の内容」)。上関原発1号機の着工延期は、1994年に最初の着工計画を発表して以来8度目で、共有地をめぐる訴訟や貴重生物の発見、活断層の再調査、住民の反対運動などで大幅に遅れ、現時点で当初計画(2001年着工)より11年遅れとなります。

 このニュースは大手新聞各社で全国報道され、山口県内の各紙では多くの特集記事が組まれたようです。また、これと同時に発電所用地内の取付道路計画の見直しも発表されたようです(参考:中国電力「取付道路変更計画の概要」)。原子炉設置許可申請後の流れについては、中国電力の報道資料上関原発計画のホームページ内にも紹介されています。

 上関原発予定地の長島・田ノ浦では、現在も反対派住民らによる監視や抗議活動が続いており、27年前から反対運動を続けてきた予定地対岸の祝島住民をはじめ、地元住民とのまともな対話や合意を得られないままの原子炉設置許可申請となりました。

●毎日新聞(09.12.18)中国電力:山口の上関原発 設置許可を申請
●読売新聞(09.12.18)中国電力、上関原発の原子炉設置許可を申請
●共同通信47NEWS(09.12.18)上関原発の設置許可を申請 12年着工、18年運転開始
●時事通信(09.12.18)原子炉設置許可を申請=山口県の原発建設計画で−中国電力
●MSN産経ニュース(09.12.18)上関原発で中国電力社長、安全と環境配慮を強調
●朝日新聞(09.12.19)上関原発に許可申請 計画27年、「活断層問題ない」
●中国新聞(09.12.19)原子炉設置許可を申請 中電、上関原発
●山口新聞(09.12.19)上関原発、中電が許可申請 1号機12年6月着工
●中国新聞(09.12.19)【解説】上関原発、根強い反対 なお曲折も
●中国新聞(09.12.19)原子炉申請に期待と不安の声
●毎日新聞(09.12.19)山口・上関原発建設計画:原子炉設置許可、国に申請 祝島島民、反発強める
●読売新聞(09.12.19)上関原発の原子炉設置を申請、12年にも着工

上関原発建設予定地田ノ浦の状況(09.12.14)

上関原発中止を求め 署名61万2,613筆を国へ提出

1003署名提出
(左)山積みされた署名用紙の入った箱。(右)署名提出に応対した国の担当者ら。

 10月2日、上関原発計画の中止を求める署名を集めていた5団体は、東京の参議院会館に訪れ、全国から集まった署名61万2,613人分を経済産業省宛に提出しました。
 『上関町の「原発建設計画中止!」を求める署名』と題したこの署名は、山口県内5団体「原発に反対する上関町民の会」「上関原発を建てさせない祝島島民の会」「原発いらん!山口ネットワーク」「長島の自然を守る会」「原水爆禁止山口県民会議」が今年5月から集めていたもので、この日の提出は全国からの支援者らも参加し総勢約100人になりました。上関原発計画に関して国へ署名を提出したのはこれが初めてのようです。



 署名を手渡した原水禁山口県民会議の岡本議長は、「この署名は県内は元より全国で大変な苦労をして集めたもの。ぜひこの重みを受け止めていただきたい」と訴え、現在も埋め立て工事の阻止行動が続いている状況について、中国電力に埋立工事の一時中止を要請し、祝島住民らの理解、合意を得るよう国側に要望したようです。

 これに対し、署名を受け取った資源エネルギー庁の担当者は、「大臣にちゃんと伝える」「上関の現状は逐次聞いている」などと話した一方で、「国としても上関原発の建設を進めるということは、エネルギー政策上、非常に重要と認識している」「原発建設は上関町の判断を尊重する立場」などと話し、不測の事態が起こらないよう経産省から中電社長に口頭で要請したこと、国から工事の一時中止を働きかけるつもりはないこと、などを述べたようです。

 上関原発を建てさせない祝島島民の会代表の山戸氏は、「好きでも嫌いでも、毎朝毎晩、原発を強制的に見させられる住民の気持ちをどう考えますか」「漁業補償金ももらっていないのに、何でその仕事場の海を壊せるのか」「地域ぐるみで反対しているのに、原発をつくった例があるのか」などと問いただしたようですが、こうした質問に対し国の担当者が「持ち帰って答える」「分からない」などと答えると、会場からはヤジが飛び交い騒然となる場面もあったようです。

 山戸氏は提出後のマスコミ取材に対し、「中国電力が地元を挑発してこれだけ長期化したのだから、責任がどうのこうの言う前に、いったん作業の中止を指導するのが当然じゃないか。はっきり言ってこのままでは危ない。」「国というのは現実的には各地の状況を把握していないし、知ろうともしていないことがわかった。山口県も無責任だが国は輪をかけて無責任」などと批判したようです。

 なお、この署名は今後も2010年3月まで収集を続けられるようです。

1002田名英
風雨が強まるなか田名埠頭に訪れた作業船とそれを阻止するカヤックや漁船。

 一方、平生町の田名埠頭はこの日は雨模様で、大雨・雷・洪水注意報が発令される中、午前9時頃に中国電力側のクレーン台船が訪れましたが、祝島の漁船や有志のシーカヤックがこれを阻止し、午後2時前に中電側は作業船を引きあげました。この間、原発推進派の山口県漁協平生町支店など周辺6支店の運営委員長らが、漁船2隻で現地を訪れ、祝島の漁船に退去を求め抗議するシーンもあったようですが、大きな動きはなかったようです。
 中国電力側はマスコミの取材に対し、「阻止行動があり作業は難しいと判断した」「注意報は出たが視界はよく作業できる気象条件だった」「現段階では説得を続けるしかない」などと話しているようです。
 
1002推進漁船
原発推進派の漁業関係者らも現地に訪れ、阻止活動に対して抗議した。

●朝日新聞(09.10.03)原発反対 61万人署名
●毎日新聞(09.10.03)関原発建設計画:反対団体、経産省に中止署名を提出 全国から61万人分
●中国新聞(09.10.03)上関原発建設中止を申し入れ
上関原発問題について


 上関原発は、山口県上関町長島の田ノ浦(上写真)を埋め立てて建設予定の原発計画です。1982年に計画浮上して以来、賛成・反対で地元は分裂し、対岸の祝島(写真右)住民を中心に反対運動が続けられ、着工はこれまで8度延期されています。
 周辺にはスナメリやカンムリウミスズメなど数々の絶滅危惧種が生息する瀬戸内海随一の自然が残り、埋立中止を求める裁判が係争中です。県外ではほとんど報道されないこの問題を、電力を使う全ての人に知ってほしいと思います。

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