2007年08月

2007年08月11日

高尾山心中

俳句仲間と2人で高尾山へ登ることになった。折しも時期はペルセウス座流星群。流星群吟行としゃれこもうじゃないか、という趣向。

ミシュランの観光地ガイドで星まで取った高尾山。東京出身ではない私は、行くのが初めて。小学生以来だという仲間も数十年(!? )は来ていない勘定。いくつかある中で、麓から沢の脇を登るコースを選ぶ。たぶん、これ、ちょっときついよ。

登り始めたのが午後4時くらい。麓はあんなに暑かったのに、沢のおかげか木々の影のおかげか、肌寒さも感じるほど。だんだん、あたりは暮れていく。暗くなっていく。下山する人としかすれ違わない。

「俺たち、心中しに行くんだと思われていたりしてね」

仲間のこのひとことで、甘美に酔いしれる。バカだなあ、やっぱり女性はイメージに生きる動物だ。「西鶴の女みな死ぬ夜の秋」という長谷川かな女の句を思い出す。

頂上は明るく、軽い格好をした人がみな涼しげにくつろいでいる。なんということはない、私たちが選ばなかったもっともメジャーな登山道は、ケーブルカーで途中まで登り、あとは緩い舗装道というコース。ハイキング気分で登れるのだった。

でもまあ、暮れゆく険しい道を登り、沢の音を聞き、汗をかいて頂上に達した、その体験はこの夏を彩る素敵なものだったよ。このいちにちを提案してくれた仲間に感謝。

心中をするなら月夜の晩がいい 美樹

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2007年08月05日

友は空の果て

いつも一緒に歌っている友人が病気で亡くなっていたことを知る。つい先日、会ったばかりのようだったのに!

ほとんど誰にも告げず、自分の運命を静かに受け入れ、歌仲間にメッセージを残して去っていったという。最後までカッコよすぎ! いいとこばっかり持っていって! と、仲間達と泣き笑いをする。

9月の頭に大きなイベントを控え、私たち歌仲間はスパートをかけ始めたばかりだった。彼のソロパートももちろんあった。でも、それを見ることのできる日は二度と来ない。

でも、悲しむことはきっと彼の本意ではなかろう。小さい頃から、長いこと持病を患っていた人だった。遠い北陸の実家と東京の仕事場を新幹線で往復しながらビジネスホテルに泊まって仕事を続け、無理ばかりしていた。

明るすぎるふるまいの影にどれだけの苦しい素顔が隠れていたことだろう。尋ねてもきっと「ぜんっぜんそんなことはないよ!」と答えたに決まっているけれど。

これで彼は永遠に楽になれたのだ、と信じたい。さよならは言わないよ。Forever free!

歌声はどこまで届く夜の秋 美樹


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2007年08月03日

夜の聞茶

いつもの定例ワイン会で、夏でもあるし、緑冷茶の聞茶をしようじゃないかということになる。お茶の専門家が仲間にいるからだ。

さまざまな冷茶を、湯飲み椀ではなくテイスティンググラスに入れて味わう。色、味、香り、ワインの場合いろいろポイントはあるのだが、お茶の場合は「香り」なのですって。お茶のテイスティングは初めてとあって、皆、言葉を探すのに苦労している様子がおかしかった。「セントラルパークの芝生」「代々木公園の芝生」と場所に例える輩がいたりね(いやでも、この発想って天才的だと思うけど)。

私が苦手だなあ、と思ったお茶がじつは一番高級な京都産のもので、「庶民の舌」と皆に指摘を受ける。しかし、一番好きだったお茶はいま注目されている品種で、鹿児島産なのであった。先見の明があると言ってくれないかなあ。

特別振る舞いとして、人間国宝に指定されている技術で作ったという「手もみ」のお茶を味わう。ええっ、1グラム1万円!? 市場に出回らない少量生産の高級品!? それを聞いていようともいなくとも、舌先でとろけるような甘みと深い香りのある素晴らしい味わい。喉が渇いたときにがぶがぶ飲むものではなく、まさに愛でるように味わうべきお茶だった。いい経験をさせてもらった。

茶の味を何に例ふる夜の秋 美樹

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