2007年11月

2007年11月18日

木枯らしの吹いた日

村上春樹の『走ることについて語るときに僕の語ること』を読み終えた。

村上春樹の本はずっと読んでいるし彼が走っていることも知っていた、けれど、私はランナーではないので、走ることについて彼が何を語るのか、については「そのうち読めばいいかな」くらいの興味に留まっていた。木枯らし一号が東京に吹いた今日、バンホーテンのココアを豆乳でいれ、ブランケットを膝にかけて「さあ読書でも」と思い、手に取ってみた。

結論。この本は、走ることについて語りながらも、彼が文中で何度も書いているように「村上春樹という人間のメモワール」なのだった。もともと自分の中に深く深く降りていく、という作業を繰り返してきていると思う彼だが、この本ではそれがフィクションではなく、そのままの自分を描いていることが非常に興味深かった。

年齢はずいぶん違うんだけれど、彼の「自分という人間」についての考察には、私の中にことばにならず形になっていなかった思いや感情に近いものがときどきあって、しばしば本を読む手を休めて深く私も「自分という人間」について思いをめぐらせた。

気がつくとあたりが暗くなっていた。木枯らしが吹いていた。

そんな日曜日。

木枯しの誰にも会はず眠りけり 美樹

走ることについて語るときに僕の語ること


newdelhi at 22:10|Permalinkclip!書評 

2007年11月01日

近づく冬

表参道、ビブレ跡(古い!)、いや、エスキス跡にオープンする新ビル「GYRE」のプレオープニング。

「BVLGARI」の前に作られたお立ち台のような派手な有名人撮影スポットの前をこそこそと通り抜けて内覧する。ああいうところで呼び止めて写真を撮られる価値と、プライベートが脅かされることとは等価なのだろうなあ。もちろん私には価値がないわけなのだけれども。そのほうがきっと気楽。

「CHANEL」や、上の階のショップ、レストラン、地下の食料品店などを見る。なんとなく、入っているショップのコンセプトが一致していないような印象を受ける。

今年はさまざまなオープニングに行った。東京ミッドタウン、新丸ビル、銀座ベルビア館、銀座マロニエゲート、有楽町イトシア、そして今日。夜になるとどの店もウェルカムシャンパーニュ(スプマンテ、カバのようなスパークリングの場合もあるけれど)を手渡してくれる。

オープニングにいつも一緒に出かける仕事仲間とはワイン仲間でもある。そのシャンパーニュの銘柄が何であるかを観察するのがじつは我々の密かな趣味である。「オープニングシャンパン観察ブログでも書こうか」なんて盛り上がってみる。

バッタリ会った人たちと代々木上原のビストロまでタクシーを飛ばして食事。とはいえ、ご一緒した人々は私より一回り以上も年齢が上の、仕事上の大先輩。恐縮しつつ、お二人のパリ出張の話など聞きながら、ビオワインを2本も空けてしまう。ビストロでは最後までテラス席だった。寒かった。いよいよ冬が近づいてきているのだと実感する。

ポケットの中でつなぐ手冬を待つ 美樹

newdelhi at 23:37|Permalinkclip!