★警察官や検察官は「法律を扱う」ということと「強制力」を伴う行為を特に求められる公務員ということで、退職後は、その職務経験は高く買われる事が多いです。そのため、定年退職や早期退職後は、企業の「渉外担当」や法務担当などの重要なポストに就くことが多く、企業のコンプライアンスなどや危機に迫ったときは強い味方として大きく貢献する事をどの企業経営者も期待しています。そのため「高待遇」で迎えられることも少なくありません。
  しかし、公務員時代とは違い企業の「不正」の一躍をになってしまう事も少なくありません。警察官や検察官は特に上席に対して忠実に従う種類の職種です。検察官も独立性があるとはいえ、特にチームを組んで捜査を行う「特捜部」という組織においては上下関係は激しいものです。

 ところで、今回発覚したことは、「地方公務員法違反」の守秘義務違反とはいえ、かなり酷い違反行為となってしまっています。前回そのような事がおこなったのが平成10年の大和証券事件以来というのですから13年振りの大きな事件と言えるでしょう。

 こうなってしまうと「医療過誤」という民事裁判ではとても立証が難しいといえる活動にも支障が起こり、被害者の補償に関しても大きくぶれてしまう事にもなりかねません。こういう事件の立証や被害者の補償をめぐる証拠となるのは捜査機関の捜査結果を民事裁判に持ち込む事が大きなポイントとなっています。
 刑法第134条との兼ね合いがあるように見えますが、これは特に「公務員」を対象にしていないことと、地方公務員法に公務員の情報漏えいをあつかっているので「地方公務員法違反」ということで処理されることとなります。




捜査資料流出、警視庁捜査1課警部とOB2人を逮捕〜地方公務員法第34条第1項 守秘義務違反 
2011.7.22 08:25

逮捕された白鳥陽一容疑者

 品川美容外科(東京都港区)の医師が逮捕・起訴された医療過誤事件の捜査資料コピーが病院側に流出していた問題で、警視庁捜査1課の現職捜査官が病院側にコピーを渡していた疑いが強まり、警視庁は22日、地方公務員法違反(守秘義務違反)などの容疑で同課特殊犯捜査3係長の白鳥陽一容疑者(58)=千葉県印西市=を逮捕した。

 また、白鳥容疑者にコピーを渡すように求めたとして、同法違反(そそのかし)容疑で、元同病院渉外担当で警視庁OBの中道宜昭容疑者(53)と石原三八一容疑者(61)も逮捕した。

 捜査情報の流出をめぐって、警視庁の現職警察官が逮捕されるのは、平成10年に捜査2課の警部が大和証券幹部から現金を受け取ったとして逮捕されて以来。

 捜査関係者によると、白鳥容疑者は昨年、品川美容外科の事件を担当していた際、同病院に再就職した中道容疑者らの求めに応じて、捜査資料コピーを渡した疑いが持たれている。中道容疑者らは、資料のコピーを病院実質トップの総院長に手渡したとみられている。

 捜査関係者や病院関係者によると、白鳥容疑者は、中道容疑者の捜査1課時代の同僚。以前から親しく付き合っており、昨年3月、先に退官していた中道容疑者らを捜査対象だった品川美容外科に斡旋(あっせん)し、再就職させていた。

 捜査資料は、平成21年12月、同病院で脂肪吸引手術を受けた患者が死亡した事故の経緯や死因の所見、捜査の進捗(しんちょく)状況をまとめた内容だった。

 当時は、医師逮捕などの捜査方針が決まっていなかったことから、警視庁では、資料の内容を把握した病院側が、事情聴取などへの対応を変えるなどして捜査に影響を与えていなかったか調べている。

 病院関係者によると、総院長は警視庁などに対し「資料の中身には関心がなく、見なかった」という趣旨の説明をしたという。

 捜査関係者によると、白鳥容疑者は警視庁の内部調査に対し、関与を否定。産経新聞の取材にも「資料の中身も知らないし、渡したこともない」と否定していた。中道容疑者も「資料は誰かが封筒に入れて郵送してきた。誰が送ってきたかは知らない」と否定していた。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110722/crm11072208260004-n1.htm



刑法 第134条(秘密を侵す罪)
第1項 「医師、歯科医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」
第2項 「宗教、祈祷若しくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときも、前項と同様とする。」

国家公務員法 第100条
第1項 「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。」と定めている。違反者は最高1年の懲役又は最高50万円の罰金に処せられる。

地方公務員法 第34条
第1項 「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。」と定められている。違反者は最高1年の懲役又は最高3万円の罰金に処せられる。


第13章 秘密を侵す罪/133-135
(信書開封)
第133条 正当な理由がないのに、封をしてある信書を開けた者は、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
(秘密漏示)
第134条 医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
《改正》平13法153
2 宗教、祈祷若しくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときも、前項と同様とする。
(親告罪)
第135条 この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
http://www.houko.com/00/01/M40/045.HTM#s2.13