●以前「教員免許状」の更新制度というのが話題になり、現役の教師の間で大きな困惑が起こりました。
教員免許状というものは、通常教育学部がある大学で履修して取得するか大学に併設される「教職過程」というものを履修して申請すれば、卒業時に教員免許状というものを授与される仕組みになっています。教育学部に所属する学生はその教職過程が学校の単位(卒業をするのに必要な)として認められているのですが、教育学部や教員養成学部ではないそれ以外の学部になると、あくまでも本業とはずれるものなので、教職過程は、卒業に必要な単位として認められない事が通常です。
 例えば、大学教育学部中学校数学教員養成過程では、教職課程も卒業単位のひとつとして認められますが、大学理学部数学科では、教職課程はあくまでも付属なものなので、単位として認められないのが実情です。

 ところで今回発覚した件は、商学部卒の人で採用時には英語の教員免許状をもっていたのだが、更新免許制度を契機になぜか数学の免許まで偽造して提出したということです。無免許実施だったのですが、この更新を契機に数学の免許がないのに教えていたという事が発覚すれば、やはり違法になるわけですからそれを恐れて偽造のものを提出してしまったのではないかと思います。塾や予備校やさらに大学では教員免許状がなくても数学は教えられるのですが、通常の中学高校などは、免許状が必要なので、こういった事件となっているわけです。
 但しこれが事件として警察で扱うかどうかは不明ですが、強制捜査をすることは可能です。実質的にこういった経緯もあり、本人も反省しているなどそういった理由で事件化されないことも充分にありえます。 






「東大理学部卒」 横浜の高校副校長が学歴詐称/刑法155条公文書偽造等
教員免許状を偽造、停職6カ月に
2011/7/30 11:20

 横浜市教育委員会は29日、市立横浜サイエンスフロンティア高校(同市鶴見区)の川井幸男副校長(54)が採用時に自身の卒業証明書を偽造した上、免許がないのに数学の授業をしていたとして、停職6カ月の懲戒処分にした。川井副校長は同日付で依願退職した。

 同校は2009年開校で、理数系に力を入れている。市教委によると、川井副校長は前任の神奈川県立高校で「数学の指導力が優れている」と評判で、今年4月、2代目の副校長に就任。3年生の数学を教えていた。

 市などによると、副校長採用時に、実際は横浜市立大商学部卒なのに、東大理学部を卒業し東大大学院などに在籍したよう偽造した証明書を市に提出した。市は県教委や東大に照会せず、偽造を見抜けなかった。

 川井副校長は1984年、英語教諭として県教委に採用された。数学の教員免許は持っていないのに、09年に始まった教員免許の更新制度に伴う手続きで今年6月、東大が発行したよう偽造した数学の免許状を県教委に提出。過去の登録内容と異なり、不審に思った県教委が東大に照会して発覚した。〔共同〕
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819695E0EBE2E09B8DE1E2E2E5E0E2E3E39191E2E2E2E2
(2011/7/30/日本経済新聞)


第十七章 文書偽造の罪(154-161の2)

(詔書偽造等)
第百五十四条  行使の目的で、御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造し、又は偽造した御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2  御璽若しくは国璽を押し又は御名を署した詔書その他の文書を変造した者も、前項と同様とする。
(公文書偽造等)
第百五十五条  行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
2  公務所又は公務員が押印し又は署名した文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
3  前二項に規定するもののほか、公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は公務所若しくは公務員が作成した文書若しくは図画を変造した者は、三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
(虚偽公文書作成等)
第百五十六条  公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、前二条の例による。
(公正証書原本不実記載等)
第百五十七条  公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2  公務員に対し虚偽の申立てをして、免状、鑑札又は旅券に不実の記載をさせた者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
3  前二項の罪の未遂は、罰する。
(偽造公文書行使等)
第百五十八条  第百五十四条から前条までの文書若しくは図画を行使し、又は前条第一項の電磁的記録を公正証書の原本としての用に供した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は不実の記載若しくは記録をさせた者と同一の刑に処する。
2  前項の罪の未遂は、罰する。
(私文書偽造等)
第百五十九条  行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
2  他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
3  前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
(虚偽診断書等作成)
第百六十条  医師が公務所に提出すべき診断書、検案書又は死亡証書に虚偽の記載をしたときは、三年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。
(偽造私文書等行使)
第百六十一条  前二条の文書又は図画を行使した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、又は虚偽の記載をした者と同一の刑に処する。
2  前項の罪の未遂は、罰する。
(電磁的記録不正作出及び供用)
第百六十一条の二  人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2  前項の罪が公務所又は公務員により作られるべき電磁的記録に係るときは、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
3  不正に作られた権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を、第一項の目的で、人の事務処理の用に供した者は、その電磁的記録を不正に作った者と同一の刑に処する。
4  前項の罪の未遂は、罰する。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M40/M40HO045.html#1002000000017000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000