マンション住民の苦悩と怒り…ローンも借金も残り


兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で快速電車が激突したマンション「エフュージョン尼崎」(47世帯)。「107人もの命が奪われた場所には住めない」と40世帯が転居を希望し、すでに半数の世帯が賃貸マンションなどの仮住まいに移った。住民らは11日、会合を開き、JR西日本にマンションの土地・建物の買い取りを求める意向だが、住み慣れたマイホームはもう戻ってこない。

マンションは9階建ての全47戸で、平成14年11月に完成。1戸の広さは平均約70平方メートルで、家族向けに売り出された。2000万円台という低価格が人気を呼び、完成時には完売した。

4階に住んでいた会社員の男性(27)は事故から約10日後の先週、市内の公団住宅への引っ越しを終わらせた。割り当てられた公団住宅はマンションより若干狭い程度だが、収納スペースがなく、日用品を段ボール箱から出せない不自由な暮らしを強いられている。通勤も、30分余分にかかるようになった。

マンションは結婚を機に約2500万円で新築時にローンで購入した。妻(25)と長女(3)の家族3人で空間を広く使えるよう、3LDKの間取りを、リビングを広げ2LDKに改装した。子供が成長すれば3LDKに戻し、子供部屋にするつもりだったという。

西村さんは「JRの対応窓口の人はすいませんと謝るだけで、買い取りなどの込み入った話になると決定権がないから分からないと言うだけ。早く幹部の人と交渉したい」とぶ然とする。

同じ4階の無職男性(64)も市内の公団住宅への引っ越しを済ませた。「今後はJRに買い取りを求めることになると思う」と静かに話す。

「ローンも借金も残っている。JRが買い取ってくれなければどこにも行けない。そうなれば首をくくらなあかん」

こう話すと6階住人の男性(65)は乾いた笑いを見せた。男性も新築と同時に3LDKの部屋を約2400万円で購入。資金は退職金と親戚(しんせき)からの借金でまかなったという。

妻(62)と2人暮らしでは少々広すぎたが、「将来は2人の息子が帰ってくるから」と、間取りにゆとりを持たせた。

男性は昼間はマンションに戻るが、夜間はJR西日本が割り当てたホテルで暮らす。事故後、血圧の数値が悪化。食欲も落ち、眠れないので睡眠薬が手放せないが、それでも夜中に目が覚めるという。

「晴れた日には大阪城まで見える最高の家だった。ついの住家にするつもりだった。もう笑わなやってられん」と話すとまた笑った。

マンションの事故対策本部の責任者の男性(43)が住人の話を取りまとめたところ、「息子が電車の玩具を脱線させ、泣き出す」や「娘が事故現場の絵を描く」など、子供を中心に影響が出始めているという。

責任者の男性は「傷ついた子供を負担のかかる転校をさせないためにも、同一校区内の物件あっせんをJRに求めたが、要望通りだったのは40世帯中3世帯だけ。中には線路沿いの物件を紹介された世帯もあった」と憤る。

11日夜に尼崎市内で開かれる第2回会合では、住人の要望の取りまとめを行う予定だという。

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