お盆休み(8/8)にETC割引の高速道路で帰省した。高速道路のETC搭載車両は既に81%(全国平均)に達している。そこに割引である。とにかく混んだ。埼玉の自宅から徳島の実家まで約700km。朝5:00過ぎに家を出て、厚木ICから東名高速道に乗った。ここまでは従来通りで約2時間。しかし、高速に乗ってからが進まない。全線にわたって渋滞気味で、徳島の実家に着いたのは夜の23:30。約18時間を要した。従来の1.3倍程度要した。高速道路料金は合計約4千円で従来の約4分の1程度といったところ。体の疲労度、時間価値を考えるとETC割引の効果はマイナス。

休日、ましてやお盆時期の高速道路は通常料金下においても需要があるので、この時期を割引にする経済的意味はない。混雑度が高まり、サービスレベルが低下するだけである。サービスレベルの低下を見越しての割引なら意味は分かるが、そこまでは考えていないのでは。割引をするなら、需要が少ない平日や地方路線で行い、需要喚起をするべきである。産業への影響も平日の方が業務用の輸送コストが下がり効果がある。ETC割引の目的がよく分からない。おかしい。

おかしいことはまだある。ETCのブースに設置されている阻止棒である。高速で通過するブースにこんな阻止棒を設置すること自体そもそも危険でおかしいことであるが、ETCのブース通過の際の走行速度を「時速20kmに減速」して通過せよとなっている。これでは高速道路にETCを設置した意味がない。ETCとはElectronic Toll Collection Systemの略語で「ノンストップ自動料金収受システム」であるが、時速20kmでは高速においては停止状態である。挙げ句の果ては、高速道路のあちこちに「阻止棒は遅れて開閉します」(走行中の記憶なので正確な表現でないかも知れない)と電光掲示されている。こんな案内、不要である。無駄もいいところである。

確か記憶によると、シンガポールでは140kmでETCブースを通過しても料金収受でき、問題がなかったと聞いたことがある。不正通過すれば、写真が撮られているので後で請求するとのことであった。ここまで行かなくても、時速60km程度では通過さすべきで、それに併せてブースの幅も広くすべきであろう。現在のブース幅では危険である。こうした機器・施設が本来有しているサービス能力を十分発揮させない運用がまかり通ることが、かえって過剰投資という批判を招くことになる。機器・施設の性能と運用のレベルのバランスをとる仕組みを考えるべきであろう。

さて、田舎の実家に着くと、今度は豪雨である。着いた夜から雨が激しくなり始め約2日間降り続いた。防災放送が昼夜を問わず流れっぱなし。放送している役所の担当者の声も放送することに段々と慣れてきているのが分かる。山際の家への避難勧告(阿波市など3市2町では6,461世帯の19,083人に避難勧告を発令)も出された。確かにものすごい雨であった。子供の頃に直撃した台風を思い出す。久しぶりに増水した吉野川をみた。その昔は、台風が来るたびに、吉野川が越破あるいは堤防から水が噴き出していたが、堤防の整備、ダムの整備が進み、堤防が破堤することはなくなった。おかげで、道路整備が遅れたが。

最近、こうした豪雨等がくるたびに「異常気象」「地球温暖化の影響」等の声が聞かれるが果たしてそうか。地球環境・気象がそもそも安定しているのが異常ではなかろうか。長い歴史で見れば、地球は寒暖を繰り返している。地球環境を語るときには、地球の歴史に見合った時間軸で考えるべきである。

さて、雨上がりの後は食中毒騒ぎである。一緒に食事した8人中、6人に異変が生じた。食事した翌朝、嘔吐・下痢状態になり2人が病院に行きそのまま入院(1泊)。次いでその日の午後、別の3人が点滴を打ち帰宅(翌日も点滴)。内1人が帰宅後、発熱し、救急車を呼びそのまま入院(3泊)。救急病院に付き添いで行った一人もおかしくなるが若いため投薬処置で帰宅。その夜一晩うなると回復。若いことはすばらしい。しかし、おかげて、この間の予定がすっかり狂う。想定外の入院費・治療費用も少なくない。

回復した子供達でスダチを採る。これまでは親中心であったのが、今年は子供だけである。代替わりを感じる。まだ露地物は少し早いため、やや小粒。しかし、汁はしっかり出るし、香りもある。とにかく、スダチをかければすべてがひと味変わってくる。香ばしくなる。「かぼす」や「レモン」のように素材を殺さない。スダチはいい! 「徳島」を感じる。

スダチ畑

スダチの木

スダチ娘












スダチの食べ方その1:外皮部分を薄く切る・薬味おろしでおろし、冷や奴やそうめん汁等に薬味としてかけて食べる。
スダチの食べ方その2:スダチ(皮をおろした後のスダチも使える)を2つに輪切りし、汁を搾ってかけて食べる。和食類(刺身、焼き魚、しらす、漬け物)であれば何でも合う。そしてなんといっても松茸の土瓶蒸し。そしてみそ汁に入れてもおいしい。
スダチの食べ方その3:スダチを薄くスライスし、サラダに入れる。そして、寿司ネタに乗っけたり、挟んで食べる。
番外編(スダチを食した後の使い方):絞った後のスダチをお風呂に入れて使えばビタミンCがいっぱいの風呂になる。

しかし、改めてスダチのサイトを調べてみたらきちんとしたサイトがない。徳島県の特産品といいながらこれではいけない。IT時代のマーケティングの仕組みづくりが立ち後れている。

もう一つの徳島を感じる阿波踊りは今年は通りすがりに眺めただけ。タクシーの運転手に聞くと、年々、阿波踊り観光客が減っているとのこと。企業「連」は景気の悪化と関係しているかも。

とにかくあっという間の帰省であった。いろいろあった。そして、帰路もまた然り。帰り(8/15)の高速道路は比較的順調に走れたが、8月11日05時07分に発生した駿河湾の地震により、東名高速道路の一部が崩落した影響で袋井IC〜焼津IC間が通行不可で国道1号を迂回した。この自動車専用道路のような国道1号が迂回車両で大渋滞。約3時間あまり要した。結局、16時間ほど要してようやく自宅にたどり着いた。

本当に今年の帰省はいろいろあった。