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目次

1.トップリーダー

2.アインシュタイン回顧

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1.トップリーダー

 

普段、殆どテレビを見ない私だが、鍼灸院の待合室で、吉本興業の事件を特集したテレビ番組を見た。何人かの吉本の芸人が、この事件について、神妙にコメントをしていた。芸能界の話のようだが、この事件は、令和を象徴するさまざまな示唆に富む事件だと思った。

飛躍するが、20年ほど前に、住友生命名誉会長の新井正明氏に仕えていたときのことを思い出した。当時、私は松下政経塾の塾頭で、理事長だった新井氏の所に頻繁に報告に上がっていた。大阪淀屋橋にあった住友生命の役員応接室に通されて、2時間ほど、さまざまな質疑応答をするのだが、新井理事長がよく聞く質問に、「塾生の中に、自ずから人が寄ってくる人物はいますか?」というのがあった。「住友グループのみならず、関西財界の人事部長」と言われていた新井氏は、細かいことより、人望を一番大切にしていた。


吉本興業も6000人も芸人を抱える組織であるが、実際には、数人の幹部が仕切っているようだ。特集番組の中で、「〇〇氏がいない吉本など、居ても仕方がない」「〇〇がいない吉本は潰れるで」という発言をする芸人もいた。私は、自分の経験から、そういう発言の意味はとてもよくわかる。官僚組織など、法律的、行政的に高度に組織化され、あまり、リーダーの個性の影響が大きくないところは別として、マイクロソフトやグーグルのようにグローバルな大企業であっても、国家であっても、世界中、殆どの組織は、組織のトップと幹部が誰であるかによって、命運も、魅力も、株価も激変し、運が悪ければ破綻する。吉本事件を見て、改めて、トップリーダーの大切さを再認識した事件だった。

 

(岡田邦彦・オカダアソシエイツ代表・次世代創造協同組合顧問)

 

2. アインシュタイン回顧

 

今年は、アルバート・アインシュタイン生誕140年になる。生きていれば140歳だ。学生時代には、アインシュタインの相対性理論に相当な感銘を受けた。爾後、物事全て、相対的にしか考えられなくなってしまったほどだ。

50年近く前に出版された「アインシュタイン選集(3)」<共立出版刊・湯川秀樹監修>を改めて読むと、アインシュタインという人は、天才科学者というだけではなく、20世紀最大の思想家といってもいいと思った。相対性理論は、物理学の世界にコペルニクス的革命を起こした。アインシュタインの発見は、原爆開発にもつながり、国際政治のみならず、地球上をがらっと変えてしまったが、氏自身は、非常に良識のある、伝統と現実を大切にする人物だったようだ。靴下を履かずにホワイトハウスに行ったとか、洗濯石鹸で顔を洗っていたとか、奇矯な行動のみ伝えられているため、変わり者という印象があるが、演説の内容や手紙からすると、氏は、国際政治のみならず、国家や政府を含めて、現実の何たるかを充分理解していたようだ。

同時に、普遍的な真理を求めていた氏は、「新聞とか、せいぜい現代の著者による書物しか読まない人は、眼鏡を馬鹿にしている極度の近視眼の人のように私には見える。彼はその時代の偏見や流行に完全に左右されている。・・・(中略)中世の人々が500年以上にもわたって生活を暗いものにしてきた迷信と無知から自らを徐々に救い出し得たのは、古代の少数の著作者たちに負うところが大きい」(同書93ページ・古典について)といっている。

 アインシュタインは、どのような時代に生きている人であれ、人々は、その時代の持っている偏見と流行に左右されていると考えていたようだ。氏の発見は、物理学の偏見(というより、ニュートン力学とユークリッド幾何学の定見)を覆した。

私達は、アインシュタインの生きていた時代と比べても、比較にならないほど、科学技術が発展しているし、社会も発展したように思う。したがって、私達が考えることは、もはや、いかなる偏見にも歪まされていないと、多くの人々は考えるかもしれない。しかしながら、おそらく、アインシュタインが生きていたら、今の時代については、一面では称賛し、一面で、相当、手厳しい批判をするだろう。氏のさまざまな社会に対する考えは、相対性理論と同様、没後64年経っても、輝きを失っていない。次世代を考えるための極めて有益なヒントが散りばめられている。


(岡田邦彦・オカダアソシエイツ代表・次世代創造協同組合顧問)

 

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