2010年10月20日

「タンバリン社会」第2話 ぶちょう

今日も、丹波首相の活躍ぶりを映し出す、
照美常(てれびじょん)。


それを見て、何か閃いたように
にやり ほくそえむ男の影。

その男こそ、「江戸で一番の詐欺師」とうたわれた、
「早樹 理頭夢」(はやき りずむ)であった。

幾多の詐欺によって、一財を築いた時期もあったが、
奉行所に目を付けられて以来、稼業が振るわず。

今は、売れない商品に囲まれながら
暮らす毎日であった。


そんな早樹がなぜ、丹波首相の丹馬鈴(※1)報道を見て、
ほくそえんだのか。

実は早樹、寺子屋時代に吹奏楽団に入っており、
「丹馬鈴の名手」を名を馳せた時代があったのだ。


 民の心を昂揚させ、最後には笑顔で躍らせてしまう。


詐欺にとって、これほど都合の良いものはないではないか。

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※1:西洋から伝来した鼓型の打楽器の事。
一方の手で取っ手を持ち、もう一方の手で鼓の部分を叩くと、
軽快な音が鳴る。現代で言う、タンバリン。
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次回は ただけんが、SFテイストでお届けします!

nextimpro at 13:24│Comments(0)TrackBack(0) こんなタイトルいただきました! 

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