Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

LOVEBITES 『THE LOVEBITES EP』

Artist LOVEBITES
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EP 『THE LOVEBITES EP』
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Tracklist

01. Don’t Bite The Dust
02. The Apocalypse
03. Scream For Me
04. Bravehearted

BAND-MAIDの時代は終わった(終わんの早ぇ)
これからは
LOVEBITESの時代だ!

先日、ビクターエンタテインメントから3000枚限定(限定とは言ってない)となるデビュー作『THE LOVEBITES EP』をリリースしたLOVEBITESは、VAMPSUVERworldをはじめとする人気アーティストのツアーにコーラスとして参加してきたボーカルのasami、ベーシスト兼リーダーのmiho、そのmihoとかつて別のバンドでリズム隊を組んでいたドラムのharuna激情☆めたりっちぇのギタリストでお馴染みのmidori、そしてSIAM SHADEのベーシストのバンド21gに在籍するサポート・メンバーのmi-yaからなる実力派の五人組で、昨今、大いに盛り上がりを見せるガールズ・メタル界の未来を背負って立つであろう最重要バンドの一つだ。

まず、いわゆる「嬢メタル」とも呼称される場合もあるガールズ・メタルやBAND-MAIDをはじめとしたガールズ・ロックバンドとLOVEBITESには、決定的な大きな違いがある。それは、このLOVEBITESは徹底した「海外メタル志向」を強く謳っている所で、それを裏付ける証拠の一つとして、今作にはNightwishChildren of BodomStratovariusAmorphisをはじめとしたフィランドのメタルレジェンドの作品を数多く手がけてきた重鎮ミッコ・カルミラをミキシングに、マスタリングにはミカ・ユッシラを迎えて、老舗スタジオのFinnvox Studiosで作業されたことを大々的にセールスポイントとしている。個人的な思い入れとして、ミッコ・カルミラといえばフィンランドのバンドと言うよりNovembre『The Blue』一択なんだが、とにかくメタルの聖地とされるフィンランドのエンジニア・チームと伝統のスタジオが制作に関わってるところを見れば、だてに「海外志向」を謳ってない、海外メタルに対する憧れ(リスペクト)と徹底した「こだわり」を感じさせる。つまり、いわゆる凡百の嬢メタルでも凡百のラウドロックでもない、本当の意味でのガールズ・メタルを信念に掲げるLOVEBITESだが、ここからはタイプの違うBAND-MAIDを比較対象にLOVEBITESの楽曲、そのバンドの魅力を紐解いていこうと思う。

LOVEBITESの「海外志向」はそれだけではない。国内で活動するメタルバンドってどうしても何かしら日本的というか、いわゆる歌謡メタルっぽくなったりしがちだが、このLOVEBITESの楽曲はその”日本風”の要素をほとんど感じさせない。その「海外志向」に対する「こだわり」は、全編英詞で挑まれた今作のリードトラックとなる一曲目の”Don’t Bite The Dust”から十二分に伝わってくる。この曲は、リーダーのmihoLIGHT BRINGERのキーボード奏者Maoによる共作で、イントロからIron Maidenリスペクトなツインリードのハモリをフィーチャーした、デンデケデンデンと音を立てて滑るような疾走感に溢れた伝統的なヘヴィ・メタルナンバーだ。しかし、その王道的なヘヴィ・メタルを聴かせる楽器隊以上に驚かされるのは、他ならぬボーカルのasamiの存在だ。

『asami VS. 彩ちゃん』

BAND-MAID彩ちゃんも成長著しいボーカリストだが、LOVEBITESasamiはデビュー作の初音源の一曲目にして、その類まれなる歌唱力と持ち前の超絶的なハイトーンボイスを披露している。特に、曲終盤で見せる天を貫きどこまでも伸びていくような高音シャウトは、それこそX JAPAN出山ホームオブハート利三ことToshiHalloweenマイケル・キスクをはじめとした、ハイトーンボイスを特徴とするメタルレジェンドたちに匹敵するレベルだ。確かに、以前までの彩ちゃんは決して上手いと呼べるボーカリストではなく、BAND-MAIDは楽器隊を中心に引っ張っていくタイプのバンドだった。しかし、今年の初めにリリースされた1stフルアルバムJust Bring Itでは、その「楽器隊主導」というバンドのイメージを覆すような、むしろ逆に彩ちゃんが楽器隊を引っ張っていくくらいの勢いで「ボーカリスト」としての「成長」を垣間見せていた。一方でLOVEBITESasamiは、現時点で既にメタル界のハイトーン系レジェンドを比較対象にせざるを得ないレベルのスキルフルな実力派ボーカリストで、それこそ楽器隊が奏でる海外仕様のヘヴィなメタル・サウンドに埋もれることのない、むしろそれを凌駕する圧倒的なボーカルパフォーマンスを見せつけている。ここでもう一つ、LOVEBITESが掲げる「海外志向」への「こだわり」を語る上で欠かせない部分があって、それは今作の4曲中3曲が英詞で書かれているという点で、ただでさえ「メタル」という強靭なフィジカルを要求される音楽ジャンルに難なく適応しながら、かつ「こだわり」の英詞もネイティブレベルに歌いこなす事ができる、それもこれも全てアメリカ帰りのasamiだからこそ成せるワザと言えるだろう。端的に言ってしまえば、BAND-MAID彩ちゃんSHOW-YA寺田恵子姐さんリスペクトな80年代のハードロックから安室奈美恵リスペクトな今のJ-Popにまで幅広く精通する、言うなれば汎用的かつ柔軟性の高い「ロックボーカリスト」だとすると、このLOVEBITESasamiは「メタル一本」に焦点を絞った実に理想的な「メタルボーカリスト」だ。・・・は?asamiと比べて彩ちゃんの英語の発音が酷いって?それは「意図的」だから・・・安室ちゃんリスペクトだから・・・小鳩ミクに「X JAPANのオマージュしたいから出山みたいに発音酷くてもいいっぽw」って指示されてるだけだから・・・だよね彩ちゃん?

「ギタリスト対決」

LOVEBITESの魅力はasamiのボーカルだけじゃあない、ギタリストmidorimi-yaが織りなすツインリードおよびGソロもLOVEBITESの大きな武器として、今作の全ての楽曲でその絶対的な存在感を示している。正規メンバーの中でも一番の実績を持つex-激情☆めたりっちぇmidori、片割れのmi-yaともに実績のある実力派のギターコンビだ。確かに、mi-yaは現状サポート・メンバーという形だが、比較対象となるBAND-MAIDのギタリスト歌波、そして小鳩ミクは実質サポートギターみたいなもんだからフェア、というよりむしろ小鳩ミクは「サポートされる側」なので、この「ギタリスト対決」は戦う前から既に決着していると言っても過言じゃあない。

「メタルといえばギター」「メタル=ギター」「メタル=ベースいらなくね」みたいなジョークが飛ばされるくらい、メタル・サウンドを構成する上で最も大事な音がギターだ。確かに、インディーズ時代のBAND-MAIDは、80年代の伝統的なハードロックやクラシック・ロックに精通する「リフ重視」のハードロックを展開していたが、新作のJust Bring Itではタイトでモダンなヘヴィロックあるいはラウドロックをベースとしたサウンド・スタイルへと変化していた。一方でLOVEBITESのギター組は、そのメタルメタルしたリフとドラフォばりのピロピロ系ツインリードやギターソロを全面にフィーチャーしたコテコテのメタルギターを披露しており、特にGソロではBAND-MAID歌波との違いが顕著に現れる。LOVEBITESのGソロは、ツインギターならではの掛け合いやハモリを駆使したピロピロギュイーン系の典型的なヘヴィ・メタルのソロを特徴としているが、一方で歌波BAND-MAIDというバンドのコンセプトおよび世界観を崩さないように、あくまでも楽曲に華を添えるワンポイントとして、あくまでもバンドの脇役に徹しながらも、サンタナリスペクトな泣きが込められた情感重視のソロや彼女のインテリジェンスが凝縮されたフレーズで聴かせるタイプのソロを持ち味として聴かせる。確かに、BAND-MAIDの中には”alone”というGソロが際立った曲も存在しないわけではないが、このLOVEBITESはその比じゃないくらいGソロがガチってて、このEPにも3曲目の”Scream For Me”という「ギターソロが主役」みたいな曲も当然のように収録されている。

例えば、ギタリストとしてBAND-MAID歌波が影響を受けているギターヒーローがサンタナならば、それではmidorimi-yaが影響を受けたギターヒーローは誰なのかって考えてみた結果→もしかしてX JAPANの影響があるんじゃあないかって。いや、さっきまで「海外志向ガー」って散々言ってたのに即矛盾してて申し訳ないのだけど、ナゼそのX JAPANからの影響、その可能性を感じたのか、それは2曲目の”The Apocalypse”を聴けば顕著で、この曲はKreatorをはじめとした往年のジャーマン・スラッシュを彷彿させるスラッシーなキザミ主体に展開し、サビではHalloween(キスケ期)の名曲”Eagle Fly Free”を彷彿させる、隙きあらば超絶ハイトーンをブッ込んでくるasamiの叙情的な歌をフィーチャーした、絶妙なストリングス・アレンジを効かせた王道的なジャーマン・メタルで、そしてこの曲の最後にツインギターでスリリングに弾き倒す場面があって、それが完全にX JAPAN”Silent Jealousy”の今はなきhideと今はなきPATAによる伝説のツインリードをフラッシュバックさせる。確かに、確かに小鳩ミクがせめて「サポートされる側」ではなく「サポートする側」としてギターを弾けるようになれば、さすがにツインリードまでやれとは言わないが、少なくとももっと違ったアプローチからBAND-MAIDの楽曲を彩る事が出来るんじゃあないかと思う。とは言え、現状の役割でも十二分にいい曲が書けているし、それこそバンメはLOVEBITESと違って「ギター重視」のバンドやジャンルでもないので、今さら無理にナニかを変える必要性は微塵もない。

「リズム隊対決」

ここまでは「ボーカル」と「ギター」の違いについて書いたが、実はBAND-MAIDLOVEBITESを比較した時に最も大きな違いが現れるパートが「リズム隊」である。まずBAND-MAIDの魅力を語る上で欠かせないのが、ベースのMISAとドラムののリズム隊の存在で、バンメはBPMの速い曲でもこのリズム隊主導のグルーヴ感やタイト感を押し出した、スピード感よりもあくまで「リズム重視」のバンド・サウンドを持ち味としている。一方でLOVEBITESのベーシスト兼リーダーのmihoとドラムのharunaのリズム隊は、以前まで一緒にバンドを組んでいただけあってその相性は言うまでもなく、mihoの指弾きベースが奏でるバインバインに力強い低音とharunaクリス・アドラーさながらのパワフルなドラミングが織りなす、もはや「グルーヴ?知るかハゲ」みたいなヘヴィ・メタルならではのゴリゴリのスピード感を重視した、これぞメタルな「速さ」を全面的に押し出した、メタル・サウンドを作るうえで必要不可欠な強靭な土台で他を支えている。一見、フロントマンasamiの超絶的なハイトーンと歌唱力に依存しているように見えるLOVEBITESだが、その縁の下の力持ちとしてリズム隊の存在があることを忘れちゃあならない。確かに、BAND-MAIDは「ベースいるくね」の音楽だが、だからと言ってLOVEBITESは「ベースいらなくね」の音楽では決してない。

「おっぱい対決」

正直、全くタイプの違うバンドを比べること自体おかしな事だし、途中から自分でも「これ比較する意味ある?」とか疑問に思いながらも、ここまでの比較をまとめると、某メタル雑誌の某編集長や某セーソクや某キャプテンのオキニにされるのがLOVEBITESで、某メタル雑誌にスルーされるのがBAND-MAID、今年の国内最大の某メタルフェスのOPアクトに指名されそうなのがLOVEBITESで、某メタルフェスに呼ばれそうにないのがBAND-MAID、そして各パートの色んなところがバインバインに張り出しているLOVEBITESに対して、BAND-MAIDは誰かが突出するのではなく各パートが均衡したバランスタイプのバンドだと言うこと。で、これが最後に僕が導き出した「LOVEBITESにあってBAND-MAIDにないもの」であり、これまでの「ボーカル」「ギター」「リズム隊」の違い以上に両者を隔てる最も大きな違い...それが「おっぱい」だ。



これはもう確実に俺たち童貞メタラーを殺りにきてる「トンデモナイおっぱい」だ。まずこのMVを観ればひと目にしてその明確な「違い」が分かるはずだ。もうこれまでの比較なんてどうでもいい、この「おっぱい」こそ全てだ。平均的カップ数で比べる必要性はないくらい、もはやリーダーのmihoとドラムのharunaの「リズム隊」ならぬ「おっぱい隊」のカップ数だけで、既にBAND-MAIDの五人のカップ数を幾倍にも超越しているんだ。これはもう2曲目の”The Apocalypse”よりも殺傷力の高い、そしてどのパートよりも力強くバインバインに張り出している・・・これはもうとんでもない「おっぱい」だ。僕は今、この「おっぱい」に対して猛烈に感動している。でも待ってほしい、僕はこの「おっぱい対決」を通して一つ重大なことに気づいたことがある。それは、他ならぬ小鳩ミク「セルフプロデュース力」だ。この対決で、小鳩ミクは自身の名前に合わせて「小鳩胸」を貫いていることに、つまりこの「大鳩胸VS.小鳩胸」における自らの立ち位置を理解したキャラ設定、そのLOVEBITESは元より他のバンメンバーですら敵わない、小鳩ミクによる「セルフプロデュース力」に僕は涙を抑えることができなかった。僕は、「小鳩」だからって「小鳩胸」を貫き通す小鳩ミクの営業努力にただただ涙していたんだ。ちなみに、mihoによるセルフライナーノーツによると、一曲目の”Don’t Bite The Dust”というタイトルは、mihoが好きな漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の4部の吉良吉影の能力でお馴染みの「バイツァ・ダスト」が元ネタになっている。まさかメンバーの中にジョジョ好きがいるなんて、しかもライナーノーツでジョジョや吉良吉影の名前を目の当たりにするとは思ってなかったから、素直に驚いたというか、素直に推せるというか、要するに僕は「日本一のジョジョオタ」なので多少の下ネタは許してくれるはずだ(謎理論)。

1~3曲目まではバンドの「こだわり」の一つとなる全編英詞だったが、EPのラストを飾る4曲目の”Bravehearted”だけは、このEPの中で唯一日本語歌詞で挑まれた曲となっていて、ボーカルのasamiはこれまでの超絶ハイトーンをフィーチャーした歌から一転して、それこそ彩ちゃんというかSHOW-YAの寺田姐さんに急接近する低域を効かせた力強い歌を披露する。面白いのは、英語で歌ってる時のasamiとはイメージがガラッと一変するところで、日本語歌詞だけあってEPで最も「日本的」というか典型的なジャパメタっぽさもあって新鮮に聴こえるし、同時に馴染み深い言語だからかどっかのタイアップ取ってこれそうなキャッチーさもある。英詞だけでなく日本語の歌詞もバリバリいけるのは単純にバンドの強みだと思うし、あらためてasamiのボーカリストとしての才能に驚かされる。

ここまで全4曲ともに、伝統的なヘヴィ・メタルやジャーマン・スラッシュなどの古典的なメタル愛に溢れ、その一方で90年代のヌーメタ以降のアメリカンなモダンさを内包した曲や「海外志向」と思いきやX JAPAN顔負けのシンフォニックなジャパメタありーので、とにかく、たった4曲だけなのにその熱量とスピード感溢れるメタル魂が炸裂しまくっている。欲を言えばミドルテンポの曲も聴いてみたかったが、デビュー作から海外エンジニアを迎えて本格志向のヘヴィ・メタルやってのける「ガチ感」は素直に推せるし、これでフルアルバムに期待しないほうが逆におかしいレベル。

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NECRONOMIDOL 『DEATHLESS』

Artist NECRONOMIDOL
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Album 『DEATHLESS』
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Tracklist

01. END OF DAYS
02. 4.7L
03. SKULLS IN THE STARS
04. KERES THANATOIO
05. CHUNGKING REDLINE
06. HEXENNACHT
07. NEPENTHE
08. ITHAQUA

おいら、BABYMETALの存在をはじめ、それこそVampilliaBiSがコラボした『the divine move』”mirror mirror”ツジコノリコをフィーチャーした”Endless Summer”を聴いた時に、今の時代、色んなアイドルがおっても許される時代なわけだし、それならAlcestDeafheavenみたいな「ポストブラック」やるアイドルおっても面白いよなって、ふと考えたことがあって、でも流石にポストブラックをベースにしたアイドルはおらんやろぉ...と思ったらおった。それが東京を中心に活動する「暗黒系アイドル」こと、その名もNECRONOMIDOL(ネクロノマイドル)だ。

略称ネクロ魔ことネクロノマイドルは、ピッツバーグ生まれのマネージャー、リッキー・ウィルソンが募集したオーディションにより2014年に結成された、オリジナルメンバーの柿崎李咲と白塗りペイントの瑳里を中心とした五人組の暗黒系アイドルだ。昨年の1月に1stアルバムの『NEMESIS』をリリースし、新体制となって約一年ぶりにリリースされた2ndアルバム『DEATHLESS』は、「死の淵から這い上がる DEATHLESS」を怨みつらみ文句に異世界の入り口へと誘う。



一度再生すると、一曲目の”END OF DAYS”からド肝抜かれる。「人を呪わば穴二つ」を合言葉に、地獄門の扉が開き始める邪悪なトレモロ・リフから、日本語と英語を交えた中島みゆきばりに『闇』の深いダークな世界観を司る、メンバー自らが手がけた歌詞を歌う初期BiSを彷彿させるエモみのあるボーカル/ユニゾンを、疾走感溢れるソリッドなリフと粗暴なブラストに乗せてブルータルに展開し、そして来たる3:21秒以降、それこそDeafheaven顔負けのPost-系のクリーンパートに突入した瞬間、僕は「holy fack...」と声を漏らした。この、いわゆる「静と動」のメリハリを効かせた急転直下型の緩急は「ポストブラック」の常套手段であり、それこそポストブラ界のレジェンドことAlcestの「教え」を理解し、それを守り通している。

その「暗黒系アイドル」を称するに相応しいブラックな幕開けから、一転して#2”4.7L”ではシンセや打ち込みを主体としたピコピコ系の典型的な地下アイドルソングを聴かせ、続くシアトリカルでポップなメロディをフィーチャーしたアップテンポな#3”SKULLS IN THE STARS”、今度はX JAPAN顔負けのツインリードを聴かせるV系歌謡ロックナンバーの#4”KERES THANATOIO”や80年代のダークウェーブを彷彿させる”CHUNGKING REDLINE”、そしてアニメ『地獄少女』のOPテーマに打ってつけな、日本の怪談あるいは童謡のノリで北欧の「ヴァルプルギスの夜」をテーマに歌う”HEXENNACHT”ネクロ魔の全てを凝縮したドラマティックなラストの”ITHAQUA”まで、初期BiSあるいは黄金期BiSの地下という意味でのアングラ感とブラック・メタルならではのアングラ感が引かれ合った、いい意味でB級感溢れるチープなサウンドがクセになる。正直、今の新生BiSよりもネクロ魔のがBiSっぽさあります。

今作の楽曲はそれぞれ外部ライターによるものだが、その曲調は幅広くどれも個性があり、V系ロックから打ち込み系のポップなアイドルソングから稲川淳二もビックリの怪談ソングまで、アレンジも実に多彩でバラエティ豊かに仕上がっている。ボーカル面では、5人それぞれ声質に特徴があって区別しやすくて、それ故にユニゾンパートがより効果的に魅力的かつ心地よく聴ける。そして、通常のアイドルではお目にかかれない、『死』や『ギリシャ神話』をモチーフにした深みのある歌詞はメンバー自身が手がけており、これはもうUlverThe Assassination of Julius Caesarと双璧をなす今年マストのブラック・メタルアルバムと言っても過言じゃあない。確かに、ブラック・メタルを謳いながら実際にブラック・メタルっぽいのって一曲目だけやんと思うかもだが、逆にこれくらいの方がちょうどいいのかもしれない。ちなみに、僕の推しは、今年加入したばかりの月城ひまりちゃんですw

ちょっと面白いというか、こいつら侮れないと思ったのは、今作の音源をBandcampで買うとflacが24bitのハイレゾ仕様になってて、その音質面を含めて音に対する「こだわり」を見れば、いかにネクロノマイドルが「ガチ」な暗黒系アイドルやってるのかが分かるはずだ。是非ともVampilliaあたりとコラボした作品を期待したいし、自分もこれに触発されてシューゲイザーブラック系アイドルグループ立ち上げたくなったので、今ここでメンバーを募集します。応募条件は18歳から25歳までの可愛いGIRLでお願いします。

DEATHLESS ※初回限定SANGUIS盤
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Ulver 『The Assassination of Julius Caesar』

Artist Ulver
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Album 『The Assassination of Julius Caesar』
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Tracklist

02. Rolling Stone
03. So Falls The World
04. Southern Gothic
05. Angelus Novus
06. Transverberation
07. 1969
08. Coming Home



1997年8月31日は、その年のパリの中で最も熱い夜のうちの1つであった。ちょうど夜半過ぎ、黒いメルセデスベンツは執拗なパパラッチの大群を牽引し暗い通りを急いで行く。車は猛スピードでアルマ橋トンネルに突入、直線の進行方向から大きくそれて13番目の支柱に衝突、金属のうなる声とともに、ウェールズ公妃ダイアナはその短い生涯を終える 。世界はその最も大きい象徴のうちの1つを失った。物語は、ギリシャ神話に登場する狩猟・貞潔の女神アルテミス(ローマ名ダイアナ)のエピソードに共鳴する。ある日のこと、猟師アクタイオンは泉で水浴びをしていたアルテミスの裸を偶然に目撃してしまい、純潔を汚された処女神アルテミスは激怒し、彼を鹿の姿に変え、そして彼自身の50頭の猟犬によってバラバラに引き裂かれる。この写真は、Ulverの13枚目のアルバム、『ユリウス・カエサルの暗殺』を描き映す。

『ディアナとアクタイオン』
Tizian_Diana_Aktaion

初期の頃はブラック・メタルとしてその名を馳せるが、今では一匹狼的の前衛集団として孤高の存在感を誇示し続ける、「ノルウェイの森の熊さん」ことガルム率いるUlverが、同郷のTromsø Chamber Orchestraとコラボした2013年作のMesse I.X–VI.Xや2014年にSunn O)))とコラボしたTerrestrialsなどのコラボ作品を経て、ミキシング・エンジニアにKilling JokeMartin Gloverを迎えて約3年ぶりに放つ通算13作目となる『The Assassination of Julius Caesar』は、それこそ80年代に一世を風靡したイギリスのDepeche ModeKilling Jokeに代表されるニューウェーブ/ポスト・パンクに対する懐古主義的な作風となっている。

Nero lights up the night 18th to 19th of July, AD 64

ブルータス、お前もか来た、見た、勝った。など数々の名言でもお馴染みの、古代ローマの象徴であり民衆のアイコンである英雄「ガイウス・ユリウス・カエサル」「暗殺」というキラータイトルの幕開けを飾る一曲目の”Nemoralia”は、別名”Festival of Torches”とも呼ばれ、8月13日から15日にかけて古代ローマ人が定めた、8月の満月にローマ神話の女神ダイアナに敬意を示す祭日である。上記の歌詞は、西暦64年7月19日、皇帝ネロ時代のローマ帝国の首都ローマで起こった大火災『ローマ大火』を指しており、「ネロは新しく都を造るために放火した」という噂や悪評をもみ消そうと、ネロ帝はローマ市内のキリスト教徒を大火の犯人として反ローマと放火の罪で処刑したとされる。この処刑がローマ帝国による最初のキリスト教徒弾圧とされ、ネロは暴君、反キリストの代名詞となった。ここでは、その女神ダイアナにまつわる祝い事とキリスト教徒弾圧、そしてThe Princess of Walesことウェールズのプリンセス「ダイアナの悲劇」を共振させ、歌詞中にあるHer sexual driveは1997年8月31日に起こったロマンスの都パリで恋人との官能的なドライブをほのめかし、彼女のBodies of the modern age(現代の洗練された肉体)」Flowers crown her head(彼女の頭にある花冠)」Ancient goddess of the moon(月の古の女神アルテミス)」であると語りかける。もう既にお気づきの方もいると思うが、今作のタイトルの『ユリウス・カエサルの暗殺』、そしてエマニエル夫人のように艶めかしい肉体、その女性特有の曲線美を映し出すアートワークは、他ならぬ「ダイアナ妃の暗殺」を暗示している。

『ローマ大火』
Robert,_Hubert_-_Incendie_à_Rome_-

約10分の長尺で2曲目の”Rolling Stone”は、民族的なパーカッションとゲストに迎えた同郷Jaga JazzistStian Westerhusによるノイジーに歪んだギターのエフェクト効果とUSのPhantogramを彷彿させる重低音マシマシのエレクトロが織りなす、ダンサブルかつグルーヴィな打ち込み系のリズム・サウンドで幕を開け、その重心の低いダーティなビート感を持続させながら、Rikke NormannSisi Sumbunduという二人の女神とガルムによる古き良きムード歌謡風のデュエットを披露する。そして、後半に差しかかるとピコピコ系のエレクトロニカにバグが生じ始め、ドラムの粗暴なブラストとサックス界の生ける伝説ことニック・ターナーによるサックスが狂喜乱舞し、例えるならJaga JazzistKayo Dotを一緒にブラックホールにブチ込んだような混沌蠢く、とにかくアヴァンギャラスに暴走して化けの皮が剥がれ落ちて、遂には出自そのものが顕になって笑う。

3曲目の”So Falls the World”は、繰り返し鳴り響くロマンチックなピアノとエレガントなシンセが情緒的かつ優美な音世界を描き映す曲で、しかし終盤に差しかかると場面が一転する。それはまるで、Chvrchesローレン・メイベリーとガルムが互いに手を取り合って、それこそ映画『美女と野獣(熊)』の如く今にも踊り出しそうな、官能的かつダンサブルなビートを刻むダンス・ミュージックが、まるで「闇へと踊れ」とばかり聴く者の心を暗躍させる。まさか同郷のSusanne SundførRöyksoppとツルんでエレクトロニ化したのはこの伏線だった・・・? この曲に関連してちょっと面白いと思ったのは、ギリシャ神話ではアルテミスは古くは山野の女神で、野獣(特に熊)と関わりの深い神とされているところで、いやそれもう完全にガルムのことじゃんwって笑うんだけど、だからこの曲はそのギリシャ神話および女神アルテミスとUlverの関係性を密に表していると言っても過言じゃあない。

Depeche ModeKilling Jokeをはじめとした往年のニューウェーブ/ポスト・パンクを彷彿させる、過去最高にポップテイストに溢れたガルムのボーカル、ダイナミックなリズム&ビートを刻むドラム・サウンド、そしてギタリストDaniel O'Sullivanによるオルタナ然としたギターが、クラップやストリングスおよび打ち込みを交えながらキャッチーに展開する4曲目の”Southern Gothic”は、”80s愛”に溢れた今作のカギを握るキラートラックであり、中期の傑作『Shadows of the Sun』を彷彿させるガルムのダンディボイスとトリップ・ホップ風のトラック、そしてミニマルでリリカルなメロディが静かに気分を高揚させていく5曲目の”Angelus Novus”、往年のシンセ・ウェーブ然としたゆるふわ系のイントロから、再びDaniel O'Sullivanによってかき鳴らされるオルタナ然としたギターをフィーチャーした6曲目の”Transverberation”、ここまでの中盤はキャッチーなポップさとオルタナ的なアプローチを強調した流れを見せる。

再び女神を演ずるSisi Sumbunduとガルムがムード歌謡的なデュエットソングを披露する7曲目の”1969”、そしてDag Stibergによるサックスと時空の歪みで生じるヘヴィなエレクトロニカをフィーチャーしたSpoken wordを繰り広げる8曲目の”Coming Home”を最後に、Ulverという名の狼は強大なワームホールを形成し、人類の新たなHOMEとなるシン・次元へと導き出す。

同郷のTromsø Chamber Orchestraと共演した前作の『Messe I.X–VI.X』というクラシカルな傑作を出した彼らが、一転して今度は「踊らせ系」のシンセ・ウェーブへと様変わりし、とにかく「ポップ」で、正直ここ最近のアルバムの中では最も分かりやすいキャッチーな作風となっている。しかし、その裏に潜む作品の「テーマ」は極めて複雑怪奇となっている。確かに、この手のエレクトロニカ/インダストリアル系というと、初期メンバーから一新して生まれた中期の傑作『Perdition City』辺りを彷彿させるかもしれないが、しかしそれとは近いようでいてまるで別モノで、どっちかっつーとムード全振り感は同じく中期の傑作『Shadows of the Sun』に通じるモノがあるし、極端な話その『Shadows of the Sun』を豪快にポップ・サウンドに振り切った感覚もなきにしもあらずで、そして『あの時代』と『音』と『文化』を身をもって知っているKilling JokeMartin Gloverをエンジニアとして迎えている所からも分かるように、その音自体はコッテコテなくらい80年代のUKサウンドをリバイバルしている。そのポスト・パンク/ニューウェーブ的という意味では、ギタリストDaniel O'SullivanのユニットMothliteの2nアルバムDark Ageの方がイメージ的に近いかもしれない。

あたらめて、このアルバムは今からちょうど二十年前の『8月』に起きた「ダイアナの悲劇」をギリシャ神話の女神アルテミスと重ね合わせ、そして二人の『魂』を時空を超えて共鳴させた芸術的な作品だ。もっとも面白いのは、狼は女性神に支配される属性とされ、月が女神として信仰されているところで、今作で例えると狼は他ならぬUlverであり、月の女神はアルテミスに他ならない。つまり、”Nemoralia”が開かれる『8月』の満月の夜にUlver「月の犬」である狼マーナガルムへとその姿を変え、『現代(modern)』を司るダイアナ妃という『大衆(popular)』のシンボルを通して、すなわち「月の女神」であるアルテミス(ダイアナ)と誓約を交わし、そして古代ローマの偉人『ユリウス・カエサルの暗殺』を経由して『ダイアナの暗殺』を暴き出している。狼は『音楽』という名のワームホールの中で、『絵画』の中で描かれる『神話』『過去』『歴史』『現在』『大衆文化』を一つに結合するという、月の女神に従える化身としての使命を果たしているのだ。これらの衝撃的な事実に気づくと、この作品がただの懐古主義の一言で片付けられるアルバムではなく、いかにトンデモナイことしでかしてる『歴史』的名盤なのかが分かるハズだ。これぞ「オルタナティブの極地」だし、ガルムは間違いなく熊界最強の熊だと思う。

The Assassination Of Julius Caesar
Ulver
House Of Mythology (2017-04-07)
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