Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

【次回予告】アナル・トランプ爆誕

Protest the Hero 『Pacific Myth』

Artist Protest the Hero
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EP 『Pacific Myth』
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Tracklist

01. Tidal
02. Ragged Tooth
03. Cold Water
04. Cataract
05. Harbinger
06. Caravan
07. Tidal(Instrumental)
08. Ragged Tooth(Instrumental)
09. Cold Water(Instrumental)
10. Cataract(Instrumental)
11. Harbinger(Instrumental)
12. Caravan(Instrumental)

や映画業界やアニメ/ゲーム業界はじめ、アイドル界隈やらフェス界隈やらを引っ括めた音楽業界など、多岐の分野に渡って「クラウドファンディング」を活用した創作現場の「新しい形」が徐々に広がりを見せている。その流れはとどまることを知らず、もはや「主流」となる勢いだ。中でも、この音楽の世界でいち早く「クラウドファンディング」を駆使した、全く新しい「音楽制作の現場」をシーンに指し示したのが、カナダ生まれの「Kick-Ass!!」「スーパーヒーロー」ことProtest the Heroだ。そんな彼らが「クラウドファンディング」でアルバムの制作資金を募って完成させたのが、2013年にリリースされた4thアルバムのVolitionだ。

しかし、その2013年から現在の間に、この日本でもSpotifyApple Musicなどの音楽ストリーミングサービスが続々とローンチし、それにより僕たち音楽リスナーを取り巻くリスニング環境は大きく一変した。もはや何が正しい音楽活動なのか?今の時代に「アルバム」としてリリースする意味はあるのか?彼らは、21世紀における音楽活動および音楽制作の現場に疑問を呈していた。そんな意識の高さに定評のあるカナダ人の先進的かつリベラルな考え方は、音楽の世界でも遺憾なく発揮されている。前作から約三年ぶりとなる今回のEPも「クラウドファンディング」で制作資金を募り、今度は「アルバムの時代は終わった」、これからは「シングル」=『アルバム』であるという新定義を掲げ、毎月連続して新曲をリリースするという、またしても彼らは斬新かつ画期的な「音楽制作」のあり方をシーンに提示してみせた。

しかし、彼らの画期的なアイデアと斬新な発想に賛同するファンや同業のミュージシャン達の英知が集結し、それが奇跡の賜物となって完成した前作のVolitionを発表した直後に、主要なソングライターでありドラマーのが、その翌年にはベーシストのアリフが脱退し、バンド結成時からのオリジナルメンバーの二人がバンドを去り、もはや基本的な音楽活動すらままならない存続の危機に陥った今の彼らは、まさに「崖っぷちのスーパーヒーロー」だ。そんな期待と不安が蠢く中で幕開けを飾る#1”Tidal”から、フロントマンのロディ・ウォーカーによるスクリーム系のボイスを排除したポップでキャッチーな歌を主体に、PtHらしいBPM指数の高いテクニカルなサウンドをはじめ、PtHなりに「Djentとはナニか」を解釈して応用したインストパートからドラマティックな曲構成まで、この目まぐるしい展開力は嘘偽りなくPtHそのものだが、しかしどこか「年老いた感」は否めない。その#1以上に転調/変拍子/ポリリズムを複雑に織り交ぜながら、よりプログレスに展開する#2”Ragged Tooth”Scale the SummitPolyphiaなどのインスト系バンドを連想させる叙情的なフレーズを用いて奇想天外に展開する#3”Cold Water”「スーパーヒーロー」だったあの頃の栄光を追いかけるような#4”Cataract”まで・・・

二人のオリメンを欠いた「スーパーヒーロー」は、ベーシスト不在のまま、2013年から交友のあるドラマーのミカエルを正式メンバーとして迎え入れ、現状の戦力とスキルで可能な限りを尽くして「過去のスーパーヒーロー」に少しでも近づけるように、最善かつ最大の努力を惜しむことなく発揮している。が、「スーパーヒーロー」の専売特許である急転直下型の緩急を織り交ぜた鬼気迫る展開や予測不能でドラマティックな曲構成は、初期すなわち全盛期の頃と比べるともはや天と地の差がある。しかし、それは「全盛期と比較して」の話で、あくまで全盛期と比べると「様式美的」に感じるというだけであって、「過去のスーパーヒーロー」と比較さえしなければ十分に質の高いプログレ・メタルに違いない。

4曲目を聴き終えたあたりで、「いつ解散してもおかしくない瀕死の状態で良くやってるよ」と慰めというよりは同情の言葉を発しかけたその時、次の#5”Harbinger”とラストの#6”Caravan”を聴いて僕は耳を疑った。まだ「スーパーヒーロー」だった初期のブルータルな攻撃性とカナダ人特有の変態性とインテリジェンスが融合した、ここまでの4曲とは明らかにクオリティが違い過ぎる曲で、特に約9分ある大作の#6ではヘヴィでスリリングなリフ回しとロディの「やんちゃボーイ」全開のボーカルパフォーマンスをはじめ、そして彼らの最高傑作と名高い2ndアルバム『Fortress』を彷彿とさせるストリングスをぶっ込んでくる演出面を含めて、「これだ、これが俺たちが聴きたいスーパーヒーローだ。まだ解散の二文字を出すのは時期尚早だ。まだまだやれるやん!」そう思わせる名曲だ。

これは、在りし日に一世を風靡した「スーパーヒーロー」が再び翼を広げ、21世紀の現代に飛び立つカムバック物語だ。 当時(全盛期)のメンバーの半数が去った「崖っぷちのスーパーヒーロー」は、21世紀の複雑で流動的な音楽シーンをどう見極め、そしてどう生き抜いていくのだろう。しかし『希望』は、この『Pacific Myth』の中にある。僕は、映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のラストで『奇跡』を目撃したエマ・ストーンと全く同じ表情をしながら、次のフルアルバムを聴いていることを強く願うとともに、「スーパーヒーロー」の完全復活を期待したい。
 
Pacific Myth
Pacific Myth
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Protest the Hero
Razor & Tie (2016-11-18)
売り上げランキング: 6,705

BAND-MAID 『YOLO』

Artist BAND-MAID
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Single 『YOLO』
YOLO

Tracklist

01. YOLO
02. Unfair game
03. matchless GUM
04. YOLO(instrumental)

昨今、大いに盛り上がりを見せる「ガールズバンド戦国時代」に単騎で殴り込みをかけるような、BAND-MAIDのメジャー1stフルアルバムJust Bring Itを聴いたら猛烈に蹴られたくなって、そこからインディ時代に遡って過去の作品を耳にしたらもっと踏まれたくなりつつも、あらめて強く感じたのは心境の「変化」とバンドの「成長」で、新譜の中で特にその「成長」を感じさせた曲が、この「ヨロ」ことシングルの「YOLO」だ。 



これまでのバンメを象徴する、あるいはバンメの代表曲とされている"Thrill(スリル)""REAL EXISTENCE"、そして"the non-fiction days"のような「アグレッシブ」で「速い」、その手の衝動的な勢いに身を任せた曲調のイメージが強くあったが、しかしメジャー1stシングルとなるこの「YOLO」は、その「アグレッシブ」で「速い」そのイメージから一転して、BPMを低指数に抑えたテンポで、ドッシリと腰を据えた極めてタイトなリズムで展開する曲だ。まず、このテンポの曲をメジャー初の1stシングルとして持ってくるその度胸というか、その根拠のない自信からも精神的な「成長」を感じさせる。しかし、この玄人向けのシブいテンポの中でもバンメンバーの強い自己主張が音に現れていて、中でもMISAの鬼テクいベースラインと歌波のトリッキーなギター・フレーズを中心に、の的確なキック力と当て振り鳩女による究極の当て振り芸が、教科書通りのベッタベタなコード進行を辿りながら、サビに向かってジックリと盛り上げながら音のギアを徐々に上げていき、そして明日の希望を切り拓くために戦う意志を謳った、その「強い女」を演じきる歌詞と同調するように女帝バラライカの如しパワフルな歌声で力強く歌い上げる彩姫さんのボーカルが一つになった、これまでの秋葉系オタク向けの臭さを極力排除し、モダンに洗練されたイマドキのメジャー感溢れる大衆性を意識しつつも、しっかりとバンメンバーの濃ゆい個性が音に現れた曲で、バンメは堂々のメジャー宣言を果たす。

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個人的に、バンメってわりと歌詞が致命的なウィークポイントだと思うのだけど、この曲に限っては前向きな歌詞と曲調が上手くリンクしていて、この曲のポイントとなる歌詞と同調してギアチェンする終盤の曲構成もドッシリと構えた大人の余裕すら感じさせる。特に「一度きり そう seize the day」からの展開は、全て吹っ切れたような歌詞と曲調がクロスオーバーする瞬間のピークで、彩姫さんも意識的にタガを外して歌っているし、MVの緊張の糸がほぐれて一瞬笑顔になる彩姫さんの表情面での演出も大きな見どころだ。そのギアチェンした終盤の「アートになんか興味はぬわぁい 永遠なんて I don't seek」の所をナントカ弁みたいに、それこそ吉幾三っぽく歌うと面白いので、是非皆さんもカラオケで歌ってみてくださいね。

アートにぬわぁんか興味はぬぇ!   
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この目に見えて低予算で仕上げたMVの彩姫さんは、ぼく下僕的オキニカットシーン満載の”the non-fiction days”と比べると、あまり良いカットシーンがなくて、一つだけ挙げるとすれば終盤のワンカットです。まぁ、それは置いといて、彩姫さんの歌声に関することで少し気になることがあって、もしかして彩姫さんの声って「ハスキーボイス」と思われてるのか?ということ。おいら、いわゆる「ハスキーボイス」ってボーカリストにとって諸刃の剣だと思ってて、それこそ彩姫さんのように通常の低音ボイスで歌っていて、その最中に要所で「ハスキーボイス」的な側面が現れることには何ら不満もないし、むしろボーカリストとしてパフォーマンスの幅と個性が広がって良いこと尽くめだ。しかし、通常の歌声から「ハスキーボイス」と認識されている、もしくはその可能性があるとなると話は変わってくる。僕が一番危惧しているのは、このバンメが「ハスキーボイスのバンド」みたいなレッテルを貼られることで、それだけは絶対に阻止しなければならない。例えば、「楽器を持たないパンクバンド」ことBiSHアイナ・ジ・エンドは自他清掃員ともに「ハスキーボイス」として認知されている。しかし、アイナ「ハスキーボイス」は実質ツインボーカルの片割れとなるセントチヒロ・チッチの存在があって初めて活きる特性でもある。一方でバンメの彩姫さんの場合は、初期の頃こそギタボ(弾くとは言ってない)の当て振り鳩女とのツインボーカルを武器にしていたが、新譜の『Just Bring It』では彩姫さんのボーカリストとしての「成長」、その影響によりツインボーカルの存在感が薄れ、半ばこれからのバンメは彩姫さんのボーカル一本でやっていく宣言に伴い、それを前提に作曲していた節もあるほどだ。一方で、元ツインボーカルの片割れである当て振り鳩女のガス抜き、もといエサ付けとして”TIME”のようなソロ曲を与えており、それは実質彩姫さんの休憩TIMEでもある。いや下僕のくせに何様だよって自分でも思うけど、これでも超絶下から目線で言ってるつもりで、今の彩姫さんがどんな考え方でどんなボーカリストを目指しているのかなんて知る由もないけど、とにかく今の彩姫さんには「ハスキーボイスはニッチ」であるという最低限の自覚が欲しい。

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おいら、「いいバンド」や「いいアイドル」って何だ!?そう考える上で一つ指標にしていることがあって、それは漫画『スラムダンク』の湘北メンバー とそのバンドやアイドルグループと照らし合わせてみて、どれだけそのキャラクター性やビジュアルがフィットするか、どれだけ「シックリ」くるかで判断している。その名作漫画『スラムダンク』と同じように、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』荒木飛呂彦先生も、まず先にキャラクターの身辺調査書を書いて、物語のストーリーよりもまず一番にその「キャラクター性」を重視して、そして流動的に話を展開させていく漫画家だ。では早速、『スラムダンク』の湘北メンバーとBAND-MAIDのメンバーを照らし合わせてみると、どうだろう、思いの外シックリくるじゃあないか。

まずはバンドのフロントマンである彩姫さんはエースの流川ポジ、大酒飲みの不良だがそのベースの技術と3Pシュートのテクニックは天性の腕を持つMISA三井ポジ、小柄ながらもその的確なパス回しとキック力でバンド全体を見渡すように分析する戦略家でもあるドラムの宮城ポジ、その作曲センスおよびキャプテンシーと『北斗の拳イチゴ味』に最も近いゴリラ的なパフォーマンスが得意の歌波赤木ポジ、そしてバンドの広報であると同時に「湘北の不安要素」でもあるバスケ(ギター)初心者の小鳩ミクが主人公の桜木花道ポジだ。正直、自分でもここまで「シックリ」くるとは思わなかったというか、これだけでバンメンバーのキャラクター性の濃さが十二分に伺える。つまり、序盤の『スラムダンク』桜木花道と同じように、今のバンメの足を一番引っ張ってるのって他ならぬ当て振り鳩女こと小鳩ミク大佐だと思うのだけど、逆に言えば主人公の桜木花道「成長物語」だった『スラムダンク』のように、BAND-MAID「不安要素」であり「不確定要素」でもある小鳩ミクが周りのバンメンバーに触発されてナニが「成長」していく事によって、つまりバンドの『未来』すなわち『物語』を変えていくのは全て小鳩ミク次第と言える。当然、『スラムダンク』が面白のは桜木花道とかいう「不安要素」の存在があったから、そして主人公の桜木が「成長」して未来を切り拓いていく「意志」と「勇気」に多くの人が共感したからであって、そういった意味では(主人公とは言いたかないが)小鳩ミクがバンド的にも漫画的にも一番「おいしい」ポジションにいるのは間違いないです。正直、彩姫さんの下僕的には当て振り鳩女の事なんかどーでもいいんだが、とは言え当て振り鳩女がバンドの桜木花道だと解釈すると、その「不確定要素」がバンドというチームの志気に影響し、最終的には彩姫さんのボーカル面にも関わってくるので、こうやって適度に当て振り鳩女を持ち上げることは、下僕としてとても大事な役割なのです。

そんな小鳩ミクのインタビューが記載された週刊誌の記事を見れば、彼女がただの当て振り鳩女ではなく、いかに「したたかな女」で、いかにクレバーでスマートな女なのかが理解できるだろう。BABYMETALさんの事は全く意識してないっぽーとか言ってすっとぼけても、ちゃっかりベビメタの名前を出して【BAND-MAID vs. BABYMETAL】の対立構造を煽って、そして案の定ネットニュースやベビメタ系のまとめサイトやらに拾われて、ことの話題が徐々に大きくなっていってるのを見れば、嫌でも小鳩ミクが相当に「クレバーな女」だと分かるはずだ。おいら、「頭の悪い女」よりも「育ちの悪そうな感じの女」「頭のいい女」の方が魅力的に感じる人間なんで、こうやって色んな人が当て振り鳩女の掌の上で踊らされてるのを見ると、どうしても「面白い」とゲラゲラ笑ってしまう。「頭のいい女」って、要するに「女から嫌われる女」なんですね。だから、よい子の皆んなはこんな「頭のいい女」当て振り鳩女とか言って煽っちゃあダメですw

そういった小鳩ミク「セルフプロデュース」を交えた、一種のマンガ的な「キャラクター性」も含めて、このBAND-MAIDは大げさじゃなしに「いま最も面白いバンド」なのかもしれない。それこそ、僕のように彩姫さんの下僕に徹するのも良し、『北斗の拳イチゴ味』に最も近い歌波でウホるのも良し、MISAのリズム隊を推して玄人気取るのも良し、それにも飽きたなら小鳩ミク「当て振り鳩女」と煽って楽しむのもリスナーの自由だ。つうか、小鳩ミク『スラムダンク』読んだことないとしたら、今すぐに読んで勉強すべきだ。なんなら俺が完全版で全巻貸してやるよ。

これまでは外注曲の力を借りてやってきたBAND-MAIDは、このメジャー1stシングルの『YOLO』以降、メインコンポーザーの歌波を中心に(←ここ大事)バンメンバー自身で曲をハンドメイドするようになった。イントロからダークな世界観を演出する、目まぐるしいリフ回しとガツンとパンチのあるサビが印象的な2曲目の”Unfair game”、三代目リスペクトな歌詞が印象的な3曲目の”matchless GUM”も自身でハンドメイドした楽曲だが、確かにフルアルバムアルバムのJust Bring Itには入らないレベルの曲かもしれないが、前者はバンドのテクニカルな技術的な側面が強く垣間見れるし、後者は歌波ハーマン・リ顔負けの超絶Gソロと彩姫さんの表現豊かでポップなボーカルが楽しめる。そして最後に”YOLO”のインスト版を聴けば、楽器隊の確かな演奏技術、その実力を知ることができる。
 
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BAND-MAID
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lantanaquamara 『ランタナカマラ』

Artist lantanaquamara
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EP 『ランタナカマラ』
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Tracklist
01. 図書館の葬列
02. 鳳凰木
03. 夏至を待つ夢はトンネルで
04. アルビノの流星雨
05. 華燭に抱かれた天文台

おいら、わりと長い間ブログやってるのに、今でもライブドアブログの設定とか仕様とか全然知らなくて、それこそブログの管理画面は記事を書く時によく使うけど、拍手コメントやメッセージ機能があるプロフィールの管理画面は滅多に見ることがなくて、だから未だに拍手コメやメッセージ機能の仕組みを理解していなかったりする(管理人なのに)。ブログのコメント機能は随分前にスパム対策で廃止したので、つまり当ブログとコンタクトを取る方法って実質拍手コメントやプロフのメッセージからしかできない状態になっている。で、めちゃくちゃ久しぶりに、それこそ数年ぶりくらいにプロフの管理画面を見たら、記事のミスを指摘する拍手コメとメッセージがいくつか届いてて、その中に「趣味が合うので会いたいです」みたいなメッセージもあって「いや怖すぎんだろお前」とか思ったりして、で去年のメッセージに音源レビューの掲載依頼という名の営業があって、その依頼者というのが以前ツイッターでやりとりしたことのある(らしい)、ポストメタルバンドlantanaquamaraSO)))氏だった。

「Thinking Man's Metal from JPN」をコンセプトに掲げる、そのSO)))君を中心に2013年に結成されたlantanaquamaraは、ボーカルのToshiya Kawamitsu氏とトラックメーカーのMata-Low氏による3人トリオだ。彼らが昨年の11月にリリースした1st EP『ランタナカマラ』は、Isis、envy、Deftones、Tool、Mogwai、Cult Of Luna等のようなバンドから影響を受けているが、結果として何かのコピーではなく、一定のオリジナリティを担保することに成功した作品であると自負するとおり、その手のポストメタル勢が築き上げた轟音ヘヴィロックを基礎に、そこへモダンでリリカルなアプローチを加えたサウンドスケープを展開している。

再生すると、難解なポエムでも朗読するかのような語り部からその詩的な世界観へと引き込む#1”図書館の葬列”で幕を開け、2曲目の”鳳凰木”では、イントロからIsisCult of Lunaを連想させるミニマルなプログラミング/エフェクトや近未来都市感溢れるレトロモダンなサウンドアプローチを垣間見せながら、envyリスペクトなカオティックHC系のスクリームとポストハードコア系のサウンド・スタイルを披露し、そしてクライマックスではRiversideばりの崇高なギターを靡かせてドラマティックな展開力と音のスケール感を力強くアピールしていく。

sleepmakeswavesを彷彿とさせるインスト系ポストロック譲りのメロウなセンスを覗かせる#3”夏至を待つ夢はトンネルで”を間に挟んで、イントロからメシュガーからの影響を感じさせるメタリックなリフで始まる#4”アルビノの流星雨”では、ボーカルのToshiya Kawamitsu氏がDIR EN GREYの大ファンと言うだけあって、その影響を顕著に垣間見せるような、文学的もしくは哲学的な歌詞というよりは『言葉』の短文を積み重ねていき、lantanaquamaraの中に隠された一面でもある「ヴィジュアル系」の世界観を繰り広げていく。この歌詞の中二病っぽさは極めてV系的と言える。

オルゴールやオルガンを駆使した雰囲気のあるイントロから、探偵小説ばりに謎めいた世界観を形成する”華燭に抱かれた天文台”は、それこそアートワークの神聖な宮殿をモチーフにした荘厳かつ重厚な世界観と彼らのウリである詩的なポエムワールドが、けたたましいウネリをあげるような轟音ヘヴィネスとともに爆発する、それこそlantanaquamaraが持つ魅力の全てが詰まったような一曲だ。この曲を聴いてしまえば、SO)))君のコンポーザー能力に何の疑いも出ないだろう。

「文学的」なバンドと言えば、ハルキスト系プログレ・バンドの森は生きているが2015年に解散したのはわりとマジでショックだったのだけど、彼らとは音楽性こそ違うが、その江戸川乱歩的な曲名をはじめポエティックな世界観は森は生きているに通じるモノがある。このlantanaquamara、随所で垣間見せるそのメロディセンスは目を見張るものがあるし、変拍子を交えたインテリジェンスでドラマティックな展開力も聴き応え十分だが、まず何よりも「詞の世界」に注目して欲しいバンドだ。

このEPでは、その手のポスト-系でもV系でもナニ系でも、どの方向性にも進めるバンドの未来とその可能性を無限大に感じさせるほど、ポストメタル勢のフォロワー的な部分とインテリこじらせた文学的かつコンセプティブな歌詞世界をはじめとしたオリジナルの部分が上手く融け合っている。これは俄然フルアルバムに期待を持たせる力作だ。
 
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