PROGPOWER SCANDINAVIAに出演が決まっている、北欧デンマーク産のプログレッシヴ・パワー・メタルバンドの5人組、ANUBIS GATE の約2年振りの4作目「The Detached」を紹介。
01. On The Detached ★★
02. Find A Way (Or Make One) ★★★★★
03. Yiri ★★★★
04. Lost In Myself ★★★★★
05. Dodecahedron ★★★★
06. Pyramids ★★★★★
07. Out Of Time ★★★★
08. Bloodoath ★★★★
09. Ammonia Snow ★★★☆
10. Options - Going Nowhere ★★★
11. A Lifetime To Share ★★★★★
12. The End ★★
プロデューサーで知られるヤコブ・ハンセンをヴォーカルに迎え製作された前作の3rd「Andromeda Uchained」は、メロパワ的な疾走感を適度に効かせたメロディックかつキャッチーなモダン・プログ・パワーの上質なアルバムだったが(ブログ記事 )、引き続きヤコブがヴォーカルを取っている通産4作目となった本作の「The Detached」では、トータルタイムは約65分と前作と大体同じ長さで、問題の内容は前作の流れを更に突き詰め、SEを使い表現力とドラマ性を更に高めた作風で、もはやこの手のプログレ・メタルバンドのランクの上位に名を出したくなるほどのベテランレベルの風格を見せ付けた、モダンでありながらヘヴィでダイナミックな重厚感の効いた、メロディックでキャッチーな正統派プログレッシヴ・パワー・メタルを相も変わらず安定して聴かせてくれる、非常に完成度の高い内容。前作と比べると、本作の方がメタルメタルしてるような気がするし、中東的な雰囲気や冷たいシンフォニックなアレンジが一際目立っている。第一印象では「断然前作の方がいいかな」って思うんだけど、数回聴き込んでいくうちに「あれ?今作もすげー良くね?てか、最高傑作じゃね?」と、後からジワジワ来るタイプのアルバムなんじゃないかなー、ボクがそうだったように。聴いていく内に徐々に嵌っていく感じ。
イントロナンバーの1、前作の流れを感じさせる疾走感を持ったキャッチーなプログ・パワー・ナンバーの2、荘厳なクワイアやコーラスなどのシンフォニックなアレンジが効いたドラマティックな小大作の3、叙情ギターが泣きまくりなメロディック・メタルタイプのシンプルな4、始まりの「アッー!!」という叫び声が耳から離れないシンフォニックな5、Anubis Gateらしく中東っぽいというかアラビアンっぽい独特な雰囲気を持った曲で、中盤過ぎのプログレッシヴかつスリリングなインストパートがやけにカッコイイ大作指向の6、ヤコブのメロウな哀愁ヴォーカルから始まる曲で、アルペジオギターをメインに聴かせる泣きの7、程よい疾走感とザクザクと刻むGリフが印象的なプログ・パワーナンバーの8、4曲目の歌メロをメランコリックに歌う、アコースティックに聴かせるコンパクトな9。これがまたドラマチカルに演出しとるんだよなー。スペーシーなメロディのアレンジを加えた、今作の中で1番尺長い約9分半ある大作プログレ・メタルナンバーの10、個人的に今作の中で1番好きな曲で、彼らの持ったセンスがマジマジと感じられるコーラス/サビがキャッチーな11。イントロの1とアウトロの12を省いて、2の「Find A Way (Or Make One)」と11の「A Lifetime To Share」、この幕開けの曲と締めを飾る曲が凄く良いんで、決してダレる事のない引き締まった楽曲構成も、よりドラマティックに演出してる。11とかマジでカッコイイ。けど、聴く人によっては中盤でダレる印象を持つかもしれないけど。。。たしかに、前作で頻繁に聴けたメロパワ的な疾走感は少なくなってるし、一曲一曲のキャッチーさや歌メロの分かりやすさでは前作の楽曲に劣るかもしれないけど、ヤコブが加入しての2作目の落ち着きかどうかは不明だけど、アルバムの総合的な完成度の高さではこちらの方が上手な気がする。キーボードを「カタカタ」と叩くSE等の演出を多用するコンセプティヴな流れとドラマティックな完成度の高い楽曲内容に、とにかくアッパレな「好盤」です。欲を言うなら、本作のインスト・パートは凄い充実してて素晴らしいんだけど、個人的には歌メロをもっと練ってくれれば尚良かったかも。
ジェイムス・ラブリエやマイケル・キスク越えが狙える、ちょっとキンキンと耳に刺さる感じの超ハイトーンを使いこなすヤコブが歌い上げる「泣き」の混じった旋律は今作でも健在で、ちょっとスペーシーで幻想的な世界を生み出す冷たくヘヴィなプログレ・メタル・サウンドと自在に絡み合っている。この超ハイトーンはライブで聴いてみたいかも(^O^)このバンドの隠れた?聴き所の1つとなっている臨場感溢れるモダンな音質も、相変わらず極上。
ボク的には、デンマークのヘヴィなバンドと言えばVolbeat
一択なんだけど、次点ではMercenary
か、このAnubis Gateの名前が出るね。ホント、こういうバンドこそ、もっと評価されるべきバンドだと、ボクは思うんだ。ボクは好きだなー、このバンド。今年のプログ・パワー・フェスに出演が決定している今、バンドの飛躍がますます期待されます。
前作のジャケも良かったけど、本作のジャケも個性的で凄く良いね~。本作で変わったバンドロゴも垢抜けたようになっててイイ感じ♪VolbeatやMercenaryといい・・・モダン大好きデンマーク♪モダン大好きデンマーク♪モダン大好きデンマーク♪という事で、プログレ・メタルが好きな人はマストと言える作品だし、本作で確実に成長したAnubis Gateが感じられる内容なんで、前作が好きな人も聴いて損はないはずです。オススメ。
7.5(-) / 10
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