Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

2010年06月

DEAD LETTER CIRCUS 「This Is the Warning」 レビュー


HR/HMのCDをてけとーにレビューするブログ
オーストラリアはブリスベン出身のオルタナティブ・ロックバンド DEAD LETTER CIRCUS の1stフルレンス・デビュー作「This Is the Warning」を紹介。


01. Here We Divide         ★★★★★
02. One Step             ★★★★★
03. Big                 ★★★★
04. The Space On The Wall    ★★★★
05. This Long Hour         ★★★★☆
06. Cage               ★★★★
07. Reaction             ★★★★☆
08. The Drum            ★★★★☆
09. The Design           ★★★☆
10. Next In Line           ★★★★★
11. Walk               ★★★☆
12. This Is The Warning      ★★★☆


2007年にリリースされたセルフタイトルのEP「Dead Letter Circus」でデビューを飾った、オーストラリア生まれの4人組 DEAD LETTER CIRCUSのデビューアルバム「This Is the Warning」なんだけど、彼らDead Letter Circus(略してDLC)の音楽性というのは、同郷のKARNIVOOLThe Butterfly Effect 、USのdredgCirca Survive 、イタリアのKLIMT 1918 などの「エモ」&「モダン/ネオ・プログレッシブ」な感性を持ち合わせたバンドを想起させる「オルタナ」で、U2 を思わせる独特な浮遊感を持ったカッティング・ギターの爽快感やダンスロック的な電子サウンドを取り入れたアレンジやポスト・ロックにも通じるクリーンな空気感を漂わせた、適度にグルーヴィでノレるロックを聴かせます。
 同じ若手で同郷のKARNIVOOLほどではないけど、いわゆる「オルタナ・メタル」的な感覚でそれなりにハード/ヘヴィネスを聴かすラウドな場面や、ネオ「プログレ」的に聴かせる感覚やToolっぽいダークネスかつ幻想的な雰囲気をさり気なく匂わせる所も、俄然KARNIVOOLを想起させるポイントです。しかし、いわゆる「プログレ」的と言っても、前文に名前を出したバンドと比べると、このDead Letter Circusは比較的オーソドックスなオルタナ・ロックしてるバンドだし、一般的な「プログレ」という小難しいイメージは皆無で、特に複雑な事をやっているという訳ではないです。DLCはあくまで「ロック」なサウンドを基調としている印象。タイムリーなネタだけど、UKのTHE PINEAPPLE THIEF (通称パイナップル泥棒)の新作「Someone Here Is Missing」でも電子サウンドを積極的に取り入れたオルタナをやってたよねー、って。

微妙にハスキーな声質でエモーショナルに歌うボーカルがキャッチーにアピールするし、楽器隊の中でも特にベースが際立っているのもこのバンドの大きな特徴で、その個々の技量やバンド全体の総合力は早くも「大物感」を漂わせており、この1stからしてデビュー作とは思えないほどのクオリティの高さで、現時点で既に「DLCのサウンド」というものが確立されちゃってるんだから驚き。個人的に、2010年度の最重要なホープと言っても過言じゃないかも。KARNIVOOLと同じように2ndで今以上に「化ける」事を期待したい・・・!!正直、8.0付けてもいい出来なんだけど、次作で「やってくれる」という期待を込めて-0.5で7.5にしときました。・・・しかしながら、この「技巧派プログレ・メタル」っぽい雰囲気があるジャケットはどうにかならんかったのかな・・・(笑

特に序盤の流れがインパクト大で、U2ばりのカッティング・ギターがカッケー!!1の”Here We Divide”は若々しさと力強いエネルギーに満ちたキラートラックから、エモーショナルなボーカルがフックに富んだ2の”One Step”、まずはこの2曲でツカミは完璧。Tool的な幻想的かつダークな雰囲気でプログレスに聴かせる4の”The Space On The Wall”、エピックなカティングギターとダンスロック的な電子音が絡む5の”This Long Hour”、5の流れを汲んだノリにノレる電子音がグルーヴィに聴かす6の”Cage”、1曲目に近いストレートなロックチューンの7”Reaction”、dredgやKLIMT 1918っぽいポスト・シューゲイザーな8の”The Drum”、ザクザクにキレまくりなギターがカッコ良過ぎる10の”Next In Line”は今作で一番「メタル」的~。
 聴き始めは前半の印象が強く残ったけど、聴き重ねるうちに中~後半の曲の印象がだんだんと良くなっていった。つまりは、噛めば噛むほど味が出る、いわゆる「スルメ」なアルバムって事なのかも。うん、多分そうだ。特に中盤の曲が非常に味わい深かったりするんだ。

という事で、近頃熱気を帯びてきているオーストラリア産のバンドの中でも、特にこのDead Letter Circusは「将来有望」と呼べそうな若手なんで、いわゆる「Porcupine Tree とその周辺の仲間達」系の「オルタナ/プログレ/モダン」な音楽が好きな人は、今のうちにチェックしとくべきマスト・バンドなんじゃないかなーって。


7.5 / 10


This Is the Warning
This Is the Warning
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Dead Letter Circus
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MADDER MORTEM 「Where Dream and Day Collide」 レビュー


HR/HMのCDをてけとーにレビューするブログ
北欧ノルウェー出身のゴシック/プログレッシブ・メタルバンドの5人組 MADDER MORTEM のEP「Where Dream and Day Collide」を紹介。


01. Where Dream and Day Collide [single edit version]
02. Jitterheart
03. The Purest Strain
04. Quietude
05. Where Dream and Day Collide [album version]


昨年、新作となる5thアルバム「Eight Ways」をリリースした事で記憶に新しい、ノルウェーのプログレッシブ/アヴァンギャルド・メタルバンド Madder MortemのEP作品「Where Dream and Day Collide」なんだけど、本作は前作の中で一際ジャジーでレトロな香りを漂わせていた”Where Dream and Day Collide ”をシングルとしたEPで、今作に収録されているのはその”Where Dream and Day Collide”のシングル(ビデオクリップ)バージョンとアルバムバージョン、他の3曲は完全新曲で全5曲+PVといった内容。

ジャズBARとかで流れてそうなジャジー&レトロなパートや、エッジーな激音ギターで激重に鳴らすアグレッシブなパートでメリハリを効かせた曲調を得意とするこのMadder Mortemですが、今回、完全新曲となる2曲目の”Jitterheart”と3曲目の”The Purest Strain”は、まさにその「MMが得意とする曲調」で、スウェーデンのDiablo Swing Orchestra っぽいアヴァンギャルドにノレるメタル+MMらしいジャジー&アトモスフェリック&ミステリアスな雰囲気がマッチした曲でなかなか良いです。4曲目の「Quietude」はKatatoniaAnathema っぽいアンビエント/アトモスフェリックなアレンジが個人的にツボ過ぎるキラートラックで、前2曲よりもこの曲の方が「MMらしい」と呼べるかも。これはポスト・ロック的な解釈で聴けちゃうんじゃねー?

今作のメイントラックとなる”Where Dream and Day Collide”を「Eight Ways」で初めて聴いた時は「ちょいと地味かな」って思ったんだけど、今回のEPで改まって聴いてみると、予想以上に「あれ?案外良い曲じゃね?」っつーか「この曲ってMMらし過ぎる曲じゃねーか・・・!!」みたいな感想を持ったのは嬉しい誤算だった。つまり、「曲の良さ」を再発見できた作品という事は、個人的には大きな意味を持つEPだったのかも・・・!!オイラ的には4曲目の”Quietude”が収録されてる事だけで十分聴く価値アリな作品だと思うんだけどね。ちなみに本作はAmazonでは取り扱っていないので、Madder Mortemが所属するPeaceville Records から直接注文する事をオススメします。・・・と言っても、よっぽどのMMファンじゃない限りは「スルー推奨」ってのは言わずもがな~。



Where Dream And Day Collide
Where Dream And Day Collide
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Peaceville Records (2010-05-10)

CARBON BASED LIFEFORMS 「Interloper」 レビュー


HR/HMのCDをてけとーにレビューするブログ
北欧スウェーデン出身の2人組 CARBON BASED LIFEFORMS の約4年振りとなる通算4作目「Interloper」を紹介。


01. Interloper           ★★★★★
02. Right Where It Ends    ★★★★☆
03. Central Plain         ★★★★☆
04. Supersede          ★★★★☆
05. Init               ★★★★★
06. Euphotic           ★★★★
07. Frog              ★★★★★
08. M               ★★★★☆
09. 20 Minutes         ★★★★☆
10. Polyrytmi          ★★★★☆


北欧スウェーデンはイエテボリ出身の2人組み Carbon Based Lifeformsの約4年振りとなる4作目「Interloper」なんだけど、彼らCarbon Based Lifeforms(略してCBL)がやってる音楽というのは、スピリチュアルな環境音を使いダウンビートでゆったりと聴かせる、いわゆる「アンビエント」という音楽性なんだけど、このCBLはサイケデリックな雰囲気を持ったアンビエント=「サイビエント」と呼ばれたり、「リラクゼーショナルな落ち着いたアンビエント音楽」の事を指す「チルアウト」などともジャンル付けされています。

「アンビエント」という音楽に疎い僕が何故Carbon Based Lifeformsの音に魅了されたか言うと、CBLが創り出す「くつろぎ」と「癒し」のサイビエント・サウンドには僕が好きなバンド=ポーランドのRiversideLUNATIC SOUL 、イギリスのPorcupine TreeAnathemaPure Reason Revolution 、アイルランドのGod Is an Astronaut などの「アトモスフェリック」&「スペーシー」&「サイケ」&「アンビエント」的な幻想的かつ神秘的な要素を取り込んだロック・バンド達と共通する「何か」があり、その「何か」が僕のツボを強く刺激したというか、「あっ、アンビエント系はこのCLBだけで十分だわ」って、彼らの音を初めて聴いた瞬間にそう思ったほど、僕の音楽的感性と彼らの音楽とのフィーリングがガッチリ合ったからなんです。なんていうんだろう、「ポスト・ロック的」な解釈で聴けてしまう「アンビエント」ってな感じかなぁ・・・?兎に角、それに近い「感覚」があるのは確か。

彼らCarbon Based Lifeformsの名を広めた2nd「Hydroponic Garden」は実にアンビエント然としたヒーリング意識の強い作風で、前作の3rd「World of Sleepers」ではメロウなエレクトロニカや神秘な世界へ誘うKarin My Anderssonという女性の声を取り入れた名作をリリースし、その前作から約4年振りで4thに当たる今作の「Interloper」は、前作3rdの「メロウ」な路線を素直に踏襲した作品で、エレクトロなメロディの質感までも前作の雰囲気を踏襲し、本作ではそれをより分かりやすく(聴きやすく)表現し、誤解を恐れず言うと前作以上に「キャッチー」になり、これまで以上に色彩/表情豊かなエレクトロニカを全面に聴かせ、哀愁と郷愁に満ち溢れた哀しくも繊細で美しくも優しいメロディの波が聴き手の心を柔らかく包み込み、安らぎの気持ちにさせる「神秘」な世界を超越し、もはや、東アジアの山奥にありそうな「秘境」に辿り着き「悟り」が開けそうなほどの「癒し」な幻想空間に、自然と身を寄せたくなる安心感が存在しているんだ。
 やはり、郷愁と哀愁を合わせ持つヒンヤリとしたメロディが露骨に増えたことにより、「北欧」という寒々しく冷た~い土地柄を非常に強く意識させるアルバムになっており、感情を露にしたキャッチーなメロディの増加だったり、前作から取り入れられた神秘性をアピールするカリンの歌声が殆どの曲に入ってる所だったり、その辺からも曲の分かりやすさと聴き易さが増した、という事はつまり楽曲が「洗練」された、とでも言うのが正しいんだろうか?要は、もしCBLを聴き始めるならば、彼らの作品の中で「一番聴きやすくなった」今作の「Interloper」を強くオススメしたい、という事なんだ。
 青々とした綺麗な海の底に深く深く潜っているかのような「クリア」な感覚だったり(参考画像 1 ,2 ,3 ,4 ,5 )、かたや霧がかった草原の真ん中でポツリと一人たたずんでいるかのような「非現実的」な感覚だったり(参考画像1 ,2 ,3 ,4 ,5 ,6 ,7 )、その安眠効果が高そうな夢心地かつ空想的な世界観にハマってしまったら最後、もう二度とCBLの音楽を手放すことはできなくなるでしょう。っと、そこまで褒めちぎりたくなるほど、このアルバムを聴いてる時は、美しい海の流水に生息するクリオネやクラゲなどの「まったりたたずむ系生物」にでも変身したかのような錯覚を覚えるほどの「異次元空間」がココに存在しているんだ。

タイトルトラックとなる1の”Interloper”から「メロウ」な曲で、ヒンヤ~リとした神秘的なエレクトロニカが「癒し」の効果を生み、終盤では霧がかった女性の声を入れて神秘性を高めます。初っ端から名曲過ぎる1からツカミはOK。 2の”Right Where It Ends”は、ささやき系男性ボーカル入りの曲で、サイケデリックな雰囲気やテクノな音とリズミックなノリが心地良くトリップする。 3の”Central Plain”は、1曲目と同じような女性の神秘な声やノリの良さげなエレクトロをメインに聴かせるチルアウトナンバー。 4の”Supersede”は、ダウンテンポでまったりと進むスローなパートと初期のPorcupine TreeやGod Is an Astronautを想起させるスペーシー/アトモスフェリックかつサイケデリックなエレクトロニカ&テクノ/トランスチックなノリの良いリズム・パートとでメリハリを効かせた曲。この曲は2曲目の「サイケ」と3曲目の「リズム&ノリ」を組み合わせたような感じ。 キューティな少女の語り調から始まる5の”Init”は、哀しさと優しさを両方含んだ「泣き」のメロディに母性的な安心感と同時に切な過ぎる感情へ誘うキラートラック。この曲はホントにヤバイです。ガチで泣けます・・・。 6の”Euphotic”は、神秘的な雰囲気や優しいkeyの音でゆったりと進み、後半に女性コーラスを入れて癒しな展開で締める曲。 7の”Frog”は、5の”Init”と同じく、ヒンヤリした冷たい雰囲気とキーボードの優しく切ないメロディを中心に聴かせるダウンテンポな曲で、子守唄を聴いてるような「くつろぎ」がたまらない。 宗教的な神秘性に惹かれる8の”M”、ゆったりフワフワとした雰囲気と物哀しいピアノのメロディに心の安らぎを感じる9の”20 Minutes”は個人的に久石譲っぽいなぁって思った。 ピコピコ系エレクトロと郷愁感溢れるメロディが印象的な10の”Polyrytmi”もシンプルながらに深い。
 まず1~5の流れが完璧で、2秒でCBLの世界観に引き込まれトリップする事ウケアイです。5曲目の”Init”は間違いなく必聴です。後半の曲も粒揃いで文句なし!!特に8曲目の”M”は裏の名曲と呼べそう。・・・つー感じで、良作だった前作、前々作と同様に「傑作」と呼びたい、それほど素晴らしい内容。オイラ的には一番好きかも>本作

僕と同じで、前文に名を出したバンドが好きならチェックしてみる価値は存分にあるんじゃないかな(他で言うと、Alcest の(2nd)みたいなドリ~ミ~なポスト・ロック好きな人にも)。とりあえずは彼らのマイスペで音源を聴いてもらって、その後はどう感じるか、聴いた人それぞれの感性に関ってくると思う。
 つー事で、これからのジメジメとした暑い夏に持って来いな、「冷水」という名の「冷音」を耳から浴びてみるのも、いいんじゃないでしょーか?僕自身、最近は寝る時の愛聴盤としてお世話になってます。僕が思うに、今年のBESTにも余裕でランクインしてくるんじゃないかなーって。


8.5 / 10


Interloper
Interloper
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Ultimae Records (2010-06-07)

ANATHEMA 「We're Here Because We're Here」 レビュー


HR/HMのCDをてけとーにレビューするブログ
キャヴァナー三兄弟
を擁するイギリスはリヴァプール出身のオルタナティブ/アトモスフェリック・ロックバンド ANATHEMA の約7年振り、通算8作目となる待望のスタジオ・アルバム「We're Here Because We're Here」を紹介。


01. Thin Air                       ★★★★★
02. Summernight Horizon               ★★★★★
03. Dreaming Light                   ★★★★★
04. Everything                      ★★★★★
05. Angels Walk Among Us [feat. Ville Valo]  ★★★★★
06. Presence                      ★★★★
07. A Simple Mistake                 ★★★★★
08. Get Off, Get Out                 ★★★★☆
09. Universal                      ★★★★☆
10. Hindsight                      ★★★★☆


かつてはデス色の強いドゥーム・メタルバンドとしてデビューし、90年代初頭の頃にはMy Dying BrideParadise Lost と並び「UKゴシック御三家」などと呼ばれる一時代を築き、「90年代のメタル・バンド」としてその名を残したANATHEMA ですが、その後2000年以降になるとまたもや音楽性の変化が現れはじめ、2001年にリリースされた6th「A Fine Day To Exit」と2003年にリリースされた7th「A Natural Disaster」では、同郷のRADIOHEADColdplay などの「UKオルタナ」寄りの作風に変化を遂げ、2007年にはフィメール・ボーカリストのLee Douglasを正式メンバーに迎え入れ、翌年の2008年には過去の名曲にアコースティック・アレンジを施した「Hindsight」をリリースし、そのアコースティック作から約2年振りで、オリジナル・アルバムとしては2003年の7th以来となる待望のニュー・アルバム、その名も「We're Here Because We're Here」は、Anathema によるセルフプロデュース作品で、ミックスにはPorcupine Treeスティーヴン・ウィルソン、ジャケにはPTのビジュアル面を担当しているLasse Hoile、マスタリングにはLED ZEPPELINなどを手掛けたJon Astleyを迎え、これ以上ない理想的な体制で作られたアルバムです。

全体的な印象としては、やはり、今まではゲストVo的な扱いだったLee Douglasさんの正式加入がバンドや本作品に大きな影響を与えていて、今回、ほぼ全ての曲にボーカルとして参加しているのは勿論の事、作品の雰囲気的には、そのLeeさんが加入して初めての作品となる「Hindsight」が持つポジティブな明るさと柔らかなウェットな空気感、そして神々しくエピックな高揚感を正確に踏襲しつつも、「オルタナティブ」 「90sメタル」 「ゴシック」 「ポスト・ロック」 「アトモスフェリック」 「スペーシー」 「メランコリック」 「プログレッシブ」 「ピンク・フロイド」etc...などの、本来のAnathema が持ち合わせる様々な音楽的要素の全てを曝け出し、2000年以降から続く「オルタナ/ポスト・ロック的なAnathema」を明確にするかのような、「今のAnathema」のセンスがギュゥっと凝縮された、まさに集大成と呼べる内容となっており、当ブログのバナーでわざわざ宣伝するほどの大きな期待に応える「傑作」を作ってくれました!!
かのスティーヴン・ウィルソンを今作のミックスに迎えた事により、予想どおり「音質」が若干モダンに変わっているが、90年代後半以降のAnathemaが一貫して筋を通してきた「90sのギター・サウンド」は相も変わらず健在で、「90sバンドらしいAnathema」の姿が変わりなくココにあるので、「音」の面での違和感は特にないです。もちろん、曲の中で「Porcupine Treeっぽいなぁ」と思う所が存在するのは「言わずもがな」な話で、音質から楽曲に関する所まで「スティーヴン効果」があり、それにより、これまで以上にサウンドの「洗練化」が進み、Anathemaのディスコグラフィーの中では一番「大衆向け」又は「大衆受け」が良さそうなアルバムだと感じる事ができます。つまりは、結果として「スティーヴン × Anathemaが望んだ通りの相乗効果が得られたと言っていいでしょう。・・・ふと思ったんだけど、Porcupine Treeがいわゆる「ヘヴィ路線」に移行せずにいたら、今頃こんな感じになってたんじゃないかなーって。そう、PT&スティーヴンが本来理想としていたサウンドの形がこの「We're Here Because We're Here」にあるような気がしてならないんだ。本作から伝わってくる「PT色」はそれだけでなく、PTのビジュアル担当で有名なLasse Hoile氏が手掛けたジャケも、今作の神々しいほどにエピックな世界観を的確に表現してくれています。つまり、黄金に光り輝く中央の海岸に位置する人間=聴き手であるリスナーという事なんだよ・・・!!てか、今回の「We're Here Because We're Here」っつータイトルってさ、フロイドの「あの名盤」のタイトルを若干意識してたりするのかな??
2007年に「バンドのメンバー」として正式に加わった、繊細で美しい歌声を持つLee Douglasさんが与える影響も大きく、今作には「王道的バラード」などと呼べる曲が多く収録されていたり、楽曲が「良い意味でポップ」そして「聴き易さ」が大幅に増し、「良い意味で歌モノ」という感覚を強め、結果的に先ほどにも書いた「大衆受け」が狙える一つの要素となっている。が、ここまで「ポップ(良い意味で)」で「聴きやすい」曲が多く存在する一方で、本来のAnathemaらしいアトモスフィアー&スペーシーな空気感や独自のオリジナリティが少なからず減退しているのも事実で、この辺の比重の変化はコアなAnathemaファンからはブーイングが出そうな予感はする。要するに、フロイド的な浮遊感を全面に押し出したスペーシーな世界観を築いていた「アトモスフェリックなロック」は前作の7th「A Natural Disaster」でやり終えたという事らしく、今作は完全にメジャーを意識した「大衆向けオルタナティブ・ロック」という風に理解したほうが無難か。よって、フィメールVoが好きかそうでないかで、このアルバムに対する評価というのがまた変わってきそう。思うに、ニューシンガーを迎え新体制となったThe Gathering の昨年リリースされた新作「The West Pole」が好きな人ならドストライクだと思う。
Anathema の中心人物であり頭脳である ヴィンセント・キャヴァナー(Vo,G)の音楽的指向は更に「UKオルタナ」へ触覚を伸ばし、本作のボーカル・パートに関しては、完全にRadioheadっつーかトム・ヨークからの多大な影響を受けているのが分かります。その辺からも自然と「大衆向け」な感覚を強めますね。兎に角、これまで以上にメランコリックな、かつ透明感のあるウェットな歌声に男ながらに惚れてまうやろ~~。って思う事ウケアイ。
Anathemaの独創的かつアトモスフェリックな世界観を構築するメロトロンやシンセ等の「環境音」的な音は控えめで、今作では明るいピアノからシリアスなピアノなどの比較的シンプルな分かりやすい音をメインに使っており、これも「Hindsight」の流れを確実に踏襲しているポイントで、つまりはキーボードプレイヤー Les Smithさんの一歩前に出た存在感にも注目度が高い作品だなぁ、と。後はやはり、今回積極的に取り入れられたストリングスの巧みな使い方にも要注目すべきポイントです。

まぁ、彼らの初期の音源を聴いた事がなくて、4th「Alternative 4」以降から聴き始めたノンポリ・リスナーな僕としては、Anathemaがこのようなバンドにチェンジ!!する事はなんとなーく想像できる範囲だったので、特別な驚きはないし、むしろAnathemaが歩むべき正しい方向性だと、今作を聴いて確信した。ちゅーか、前作の「Hindsight」からその兆候は既にあったしね。そりゃ初期のデス/ドゥームの頃から聴いているコアな人には、まさかAnathemaがこんな風になるなんて全く想像できないでしょ(笑)かつて、初期と後期の音楽性を比べてこれほどにも違いがあるバンドが存在しただろうか、ってくらいにね。もちろん、「初期のAnathema」がなければ「今のAnathema」は存在し得ないわけだけども。・・・兎に角、2000年以降のAnathemaが追い求めていた一つ到達点=答えに辿り着いた、ある意味「ゴール」でもある作品、と同時に新しいAnathemaの「スタート」という門出を祝う名作がここに誕生しました!!

その「新しいAnathema」を感じさせ、エピックかつドラマティックに展開するプログレ・ナンバーの1曲目”Thin Air”は、どことなしかエンヤっぽい雰囲気があるポスト・ロック的な序盤から始まり、同郷のPure Reason Revolution の1stアルバムを想起させる神聖なコーラスを聴かせる場面は、この手の音楽を取り込むのが巧みなスティーブンからの意見か、それとも前作から7年振りという年月の中で、UKの若手=PRRからの影響をアナシマ自身しっかりと受けているという事、なのか。兎に角、エピックなトリップ感に心奪われる事ウケアイな素晴らしいオープニング・ナンバーです。オイラ的には盛り上げ方が上手いドラムがめっちゃ好き。
シリアスかつスリリングなピアノの音色と曲が持つスピード感に引き寄せられる2曲目の”Summernight Horizon”は、ファスト~スローに展開する場面の切り替えに「幸せ」という名のキモチの高揚感を覚えるし、爽快感のあるエピックかつクールなギターソロにも要注目!!
今までのAnathemaがプレイしてきたバラードとは一味違い、洗練されたメジャー感にバンドの成長が伺える王道的バラードな3曲目”Dreaming Light”は、Voヴィンセントの柔らかくて優しいメランコリックな歌声が心に染み渡り、ピアノの綺麗で安らかな音色とスケールを広げるストリングスを使い感動的に盛り上げます。中盤からの神々し過ぎるパートもエピックかつドラマティックで、キモチの高揚感がヤバイ。これを初めて聴いた時、「あっ、Anathema君メジャーな路線へまた一歩進んだな」って思ったほど「大衆受け」が良さそうなキラートラック。オイラ的に今作の中で1番フェイバリットな曲。
新加入したLeeさんのビューティフルな歌声とデュエットする、これまた「大衆向け」王道バラードな4曲目”Everything”は、ピアノの華麗で軽快な音色をメインに美しく神々しくジックリと聴かせ、微妙にPTっぽい雰囲気とポスト・ロック的な要素アリ。兎にも角にも「癒される」曲であります。
HIMヴィレ・ヴァロがバッキングVoとして参加している5曲目”Angels Walk Among Us”は、実に「Anathemaらしい」としか言いようのないアトモスフェリックな耽美性を全面に押し出したキラーバラード。初めて聴いた時はガチで天に召されるかと思いましたwマジで神=ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムが宿ってますよこの曲はよォ・・・。マジでオンリーユーだよOnly You、ホントに。・・・どうやらこの曲は本来「Hindsight」に収録される予定の曲だったとか?なのでアレンジ面も微妙な変更があるっぽいです。聴けば確かに、「Hindsight」に収録されている”Angelica”に近い雰囲気を持ってるね。
6曲目の”Presence”は、5曲目と繋がってる曲で、5のエンディング的な扱いをなされています。
約8分を越える7曲目”A Simple Mistake”は、Porcupine Treeの影響が確実に出ているプログレッシブなナンバーで、幻想的かつ若干サイケな雰囲気とヴィンセントの優しく包み込むような美声で序盤を進み、ヘヴィに刻む「プログレ・メタル」的な中盤過ぎの展開はモロにPTっぽく、この流れを継いでの終盤の雰囲気は魂が解放されそうなほどの高揚感があり、とにかく感動的過ぎてもうどうしようもない・・・。というかもう泣くしかない。。。この曲は「ヤバイ」の一言。
8曲目の”Get Off, Get Out”は、中期のPT的なポップネスとアップテンポなノリが軽快で、ヘヴィネスの効いたハードなパートとの対比がカッコイイ、疾走感溢れるクールなロックナンバー。
荘厳なオーケストラとヴィンセントの物哀しい歌声がKATATONIAを想起させる9曲目の”Universal”は、ジャジーでアダルティーな雰囲気というかレトロ映画的な雰囲気が漂ってる曲で、終盤のストリングスとピアノの絡みが目まぐるしい部分も優雅な感情が爆発するかの如くドラマティックに盛り上げる。
前作の「Hidsight」がタイトルの10曲目”Hindsight”は、「Anathema風ポスト・ロック」とでも呼んじゃいたいインスト。ゆったりした曲調で、ジャケの海岸にワープしたような錯覚を覚えるほど、神々しい優しさに癒される曲。USのポスト・メタル勢にも通じるメロディが印象的。

序盤はゆったりした曲調で、中盤から終盤にかけてドラマティックかつエピックに盛り上がる曲が多く、全曲名曲って言いたくなるほど、洗練されたハイクオリティな曲ばかりで、特に1から5までの流れが凄すぎて言葉にならない。3~5のバラード3連発の流れには昇天する事ウケアイです。ホント、聴いてるだけで幸せになれます。汚れた心がクリーン=「無」に洗浄されるほどに、、、例えるならば「心の開放」・・・そう!!これはもはや「人類補完計画」ですよ・・・!!ミサトさーんっ!!「人類補完計画」の「答え」をこの中に見つけましたよっ!!えっ、逃げてないっす、えっ、逃げてないっす・・・・・っと、そんな冗談は置いといて、、、兎も角、今作めっちゃエピック過ぎんだろォ、こりゃあ最早「エピック・ロック」とでも呼びたいくらいにね。
本作を安易に「最高傑作」とは呼びたくないし、実際、オリジナリティ等の面で完全に過去作に劣る・・・・・というのは今更どーでもいいッ!!、オイラ的にアナシマの最高傑作だと思ってる4thの「Alternative 4」、5thの「Judgement」、7th「A Natural Disaster」の3作と同列に並ぶ「最高傑作!!」と声高らかに叫ぶ事を許された確かなクオリティがココにあります・・・!!いやはや、去年のKATATONIA といいこのANATHEMAといい、「ゴシック」的な音楽性から「オルタナ」に歩み寄って、ベテランの域に入ってから「大化け」するバンドのカッコ良さっつーのはハンパないモノがあるね。いわゆる「ゴシック御三家」=Anathema,My Dying Bride,Paradise Lost、何故ここまで差が付いたか・・・慢心、環境の違い・・・!?
という事で、あっという間に上半期が過ぎ去った所で、少々気が早いかもしれませんが、本作「We're Here Because We're Here」は2010年度のNo1に確定しました!!・・・・・俺にここまで書き殴らせたANATHEMAェよぉ・・・あぁ・・・貴様が真の「黄金長方形」だッ!!!!ババ~ン!!


9.0 / 10


We're Here Because We're Here
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Anathema
Snapper (2010-05-31)
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ぶらっくめたるぱぱ(はーと)


そして教育のバイブルは聖書じゃなくて勿論あの本ですね(笑
なんという英才教育・・・!!
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