Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

2010年11月

THE OCEAN 「Anthropocentric」 レビュー


メタルなCDをてけとーにレビューするブログ
ドイツはベルリン出身のスラッジ系オルタナティブ・メタルバンドの5人組、
THE OCEAN の通産5作目「Anthropocentric」を紹介。


01. Anthropocentric                         ★★★★★
02. The Grand Inquisitor I: Karamazov baseness       ★★★★☆
03. She Was The Universe                     ★★★★★
04. For He That Wavereth...                    ★★★★
05. The Grand Inquisitor II: Roots & Locusts         ★★★★★
06. The Grand Inquisitor III: A Tiny Grain of Faith      ★★★★☆
07. Sewers Of The Soul                      ★★★★
08. Wille Zum Untergang                     ★★★★★
09. Heaven TV                           ★★★★☆
10. The Almightiness Contradiction              ★★★★


今年の3月頃にリリースされた前作「Heliocentric」の続編に当たる、通産で5作目となる本作の「Anthropocentric」は、正直いってパッとしなかった前作(2曲目と3曲目は良かった)を圧倒的に凌駕する内容で、全体的に激しくメタリックではあったものの、ジャケのイメージと同調するかの如く、「無色」というか「無機質」な感触があったそのHeliocentric/太陽中心」と今作Anthropocentric/人間中心」を比較してみると、今回のアルバムは明確な「色」というのが音から伝わってきて(ジャケからも)、主にUKのOceansize やスウェーデンのEf などを思わせるポスト・ロック的なアプローチが俄然と強くなり、その繊細でいて神秘的かつスペーシーなメロディをより多く聴かせる「メロウ」なサウンドが主体となり、カオティック・ハードコアな「激しさ」と初期のMastodon 的な「野獣化」を増すスラッジーな轟音グルーヴと、今作のキーポイントとなる優しくて心地よいメロウネスとのExperimentalなマッチングにグッとココロ引き寄せられる名作がココに誕生なのだ。そう!!まさしく「人間こそが世界の中心だ!!」的な内容なんだ。・・・えっ
 
 まずはタイトルトラックとなる1曲目の”Anthropocentric”からしてハンパなくて、前作の2曲目”Firmament”的な匂いを漂わせつつも、溢れんばかりのダイナミズムな轟音を主体にプログレ・メタル的な展開を見せる大作で、4分20秒あたりからのガチオペスでいてアトモスフェリックな「静」パートを聴いて天文学のお勉強しようと思ったけどやっぱやめた。とにかく重~いリフが脳天直撃する2”Karamazov baseness”の中盤からの展開を聴いてやっぱ天文学の勉強しようと思ったけど2秒でやめた。Deftonesばりにウネリまくる激重グルーヴがハンパない3曲目”She Was The Universe”のクリーン・パートを耳にしたらOceansizeを聴いてるような錯覚に陥った。ポスト・ロックな甘いメロディがホッと「ひと息」の安らぎを与える4の”For He That Wavereth...”、スラッジーに迫りくる重厚な音の荒波やザクザクザクザクと気持ちよく刻むGやらでスピーディなテンポでプログレッシヴに展開するポストHCちっくな5の”Roots & Locusts”、”The Grand Inquisitor”シリーズのラストとなる6曲目の”A Tiny Grain of Faith”では、ミステリアスェ・・・アトモスフェリックェ・・・なフィメールVoをここぞとばかりに挿入して、作品に絶妙なアクセントを与える場面にはなかなかの「凄み」を感じさせます。マス・メタルばりに激しくカオティックに展開する7の”Sewers Of The Soul”、切なげな美メロに癒され、スウェーデンのEfっぽいエモーショナルな叙情感が溢れ出すポスト・ロックな8の”Wille Zum Untergang”、テクニカル・メタルコアとでも呼べそうな、激しくてマスい9の”Heaven TV”、ヴァイオリンが奏でる美しくも荘厳な音色とポスト・ロックなメロウネスが優しく絡み合う10の”The Almightiness Contradiction”でラストを美しく彩ります。
 捨て曲なんて一切ナッシングで、前半は「スラッジ」「グルーヴ」「プログレッシヴ」な感度が強い「轟音の荒波」がリスナーに襲いかかり、後半は「ポスト・ロック」な感度が強い「メロウ」な感覚で展開します。フィメールVoを擁した6曲目の存在感はとても重要な曲。ギターのリフや曲調の幅が狭過ぎて飽きが早かった前作よりも、今回はギターや曲調+展開の幅が広くなってて、最後まで飽きずに聴けるバラエティに富んだ流れとなってるんだ。一応は「続編」という位置づけではあるものの、もはや何もかもが前作とは一線を画している、完全に「別もの」だという事は確か。・・・だからといって、「前作の存在意義って・・・」とか言うたら絶対にアカンでー。

 つーかこのバンドってさ、つい最近新作をリリースしたOceansizeと感覚がちょっと似てるよなーって、今作を聴いたら一層その思いが強くなったよ。いわゆる「静」のパートなんかでは特にそれを感じる。おっさんサイズの新作の一曲目なんて完全にThe Oceanだったしねw「おっさん」同士、相性抜群ですね。今は黄金アルバムをリリースしたANATHEMA のサポートでEUを回ってるけど、おっさんサイズと一緒にツアーすんのも時間の問題か!?

 という感じで、僕みたいに前作がイマイチに感じたって人に是非とも手にしていただきたい汚名挽回作なり・・・!!2010年度BESTイン作品!!


8.0 / 10



Anthropocentric
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Ocean
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LUNATIC SOUL 「Lunatic Soul II」 レビュー


HR/HMのCDをてけとーにレビューするブログ
東欧ポーランドが世界に誇るRIVERSIDE  頭脳、マリウス・デューダ 君のソロプロジェクト、LUNATIC SOUL の約2年ぶりの2作目「Lunatic Soul II」を紹介。


1. The In-Between Kingdom      ★★★★☆
2. Otherwhere               ★★★★★
3. Suspended In Whiteness       ★★★★☆
4. Asoulum                 ★★★★★
5. Limbo                   ★★★☆
6. Escape from ParadIce         ★★★★
7. Transition                ★★★★★
8. Gravestone Hill             ★★★★☆
9. Wanderings               ★★★★★


東欧のポーランドといったらRiversideのフトントマン、マリウス・デューダ 君のソロプロジェクトこと、LUNATIC SOULの2作目「Lunatic Soul II」なんだけど、前作の「Lunatic Soul」では「ダーク・アンビエント」「プログレ」「アコースティック」「サイケ」「民族楽器」などの多彩な要素を取り入れた、エスニックかつ内省的な「Experimental Rock」を展開していたけど、バンド名である「Lunatic Loul」の「パート」にナンバリング(Blackfieldの影響か?)される今作でも、「Riverside」というバンドではなく「マリウス・デューダ 」という人物の「Sense」がギッシリと詰まった、濃密な「薄暗東欧世界」は不変で、前作と比較しての印象をいうなら、Opeth を思わせるクリーンなアコギやピアノの「シンプルな音」を強調したサウンドとなり、同時に北欧スウェーデンのCarbon Based Lifeforms にも通じる「アンエント」な感覚が濃くなっていたりと、前作の曲と比較すると結構スッキリとシャープになった楽曲には少しばかり垢抜けたような印象があるというか、「清浄感」というのがやたらと伝わってくる作品となってます。そう、前作の「黒」いジャケと今回の「白」いジャケが与えるイメージ通りの内容、と言っていいんじゃないかな?
 「プログレ色」が一層に濃くて、イメージとしては「宗教的」というか「仏教的」な感触も少しあった、色々と「濃いぃぃ」前作よりは、とっても「キレイキレイ♪」に聴かせる本作ではあるけど、アダルティかつムーディな東欧的哀愁がリスナーに与えるリラクゼーショナルな癒しは前作を上回るレベルかも。けれども、所々にPorcupine Tree (というよりSWのソロっぽい)やOpethPoS等のネームを彷彿とさせる部分がちょくちょくと存在するって事は、前作ほどのオリジナリティはないって事なのかも。まーそれでも、相変わらずExperimentalな「マリウス世界」を展開してるから、別段気にならないし気にしない。あと、今作は全体的に「大人しめ」な作品なんで、マリウス 君が得意とするブリブリに弾きまくるベース・ギターは自然と控えめになってる。

 本家のRiversideは昨年リリースされた最新作「ADHD」で「オルタナ系プログレ・メタル」へと姿を変えたけど、1stや2ndの頃の「遺伝子=ミーム」は確実にこのLunatic Soulに受け継がれているのが、本作を聴けば分かるはずです。ファンとしては両者の違った表情がそれぞれに楽しめるのが嬉しいところ。

 クリーンなアコースティック・ギターとピアノの美麗な音色を中心に、ゆったりとしたアンビエンスな空気感が心地よいインスト曲の”The In-Between Kingdom”で、古代エジプト的な黄金宮殿の入り口に聴き手を誘い、そのエスニックなオープニングから繋がる2の”Otherwhere”は、アコギ+琴?のような和楽器とマリウス君の民謡的な歌メロとの絶妙なマッチングがスッと心に染み入る、約3分間に凝縮された究極の癒しを堪能できるキラーナンバー。やはり「アコギ」をメインとした清浄感のあるクリーンなサウンドが心地よい3の”Suspended In Whiteness”は、UK的な薄暗プログレ要素や民族楽器を取り入れた、Lunatic Soulらしい独特のグルーヴ感が気持ちええ曲。Porcupine Treeというかスティーヴンのソロ作を想起させるミステリアスなアコギと叙情的な柔らかい哀愁が染みる、全体的にExperimentalな感じが色濃い4の”Asoulum”、マサイ族が今にもリンボーダンスを始めちゃいそうな民族楽器をメインとしたインストの5曲目”Limbo”、5の「民族感」をそのまま引き継いだ6の”Escape from ParadIce”、本作の目玉となりそうな10分を超える大作”Transition”はCBLっぽいチルアウトなアンビエンスを全面に散りばめられた曲で、肌触りのいいピアノの音色やマリウス君の囁くようなマイルドな歌声がリスナーを優しく包み込み、「癒し」「神秘」「幻想」の融合が「凄み」を生み出す世界観は見事。再びネオ・フォーキッシュなアコギとマリウス君の優しい歌声でシンプルな哀愁を聴かせる8の”Gravestone Hill”(この曲は初期のRiversideっぽいというか、EPの「Voices in My Head」を想起させるね)、今作の中では一番にCBLチックなチルアウト的アンビエントナンバー”Wanderings”も、ある種のノスタルジー的な神秘性ガチで癒される。
 好きな曲は2,3,4,7,9。1~4までは前作の「プログレ的なLunatic Soul」を強く思わせ、後半の7~9までは今回のキーポイントとなるCarbon Based Lifeforms的なアンビエンス要素を強めた、本作「Lunatic Soul II」の大きな聴き所となってる。今年の個人的なサプライズだったCarbon Based Lifeformsの影響下にある7曲目の”Transition”と9曲目の”Wanderings”は特に気に入った。・・・マリウス君もCBLの新作は聴いたのかな?たぶんだけど一応は聴いてそうな予感はするね。つーか、今年偶然にCBLを発見して個人的に超がつくほど気に入ったからこそ、そのCBL的アンビエンス要素を含んだ本作を、人一倍に楽しむ事ができたんだろうなぁ、って。今回のマリウスきゅんと今年のサプライズCBLとの「嬉しく」もあり「予想外」な繋がりには、自分で言うのもなんだけど、我ながらにイイ感性持ってんなーって思うよ(キリッ

 という事で、本作「Lunatic Soul II」は「アコースティック」&「アンビエント」な美音を多く取り入れた「リラクゼーショナル」な「マリウス世界」が濃厚に堪能できる内容です。やっぱりこの「マリウス・デューダ」という人は凄んでるなぁ・・・と再確認と同時に尊敬します。オイラ的には前作と同じくらい、、、いや、もしかするとそれ以上に好きなアルバムかもしれない・・・!!!!間違いなく今年のBESTには登場してくるだろうね。


8.5 / 10



Lunatic Soul 2
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Lunatic Soul
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LUDICRA 「The Tenant」 レビュー


HR/HMのCDをてけとーにレビューするブログ
USはサンフランシスコ出身のプログレッシヴ・ブラック・メタルバンド、LUDICRA の約4年ぶりの通産4作目「The Tenant」を紹介。


1. Stagnant Pond            ★★★★☆
2. A Larger Silence           ★★★★★
3. In Stable                ★★★★
4. The Undercaste           ★★★★★
5. Clean White Void          ★★★★☆
6. Truth Won't Set You Free     ★★★★☆
7. The Tenant              ★★★☆


女性メンバーのLaurie Sue Shanaman(Vo)とChristy Cather(Vo,G)を擁する、USはサンフランシスコ出身の異色のブラック・メタラー、LUDICRAの通産4作目「The Tenant」なんだけど、僕自身このバンドの音を聴くのはコレが初めてで、音の印象としては、英国のLatitudes を思わせる妖術的なポスト・メタルを地盤に、ブラックらしいトレモロ・リフやブラストビートを擁した、メロディック寄りのプログレッシブなブラック・メタルなんだけど、調べてみるとこのバンド、あのAgalloch さんと関係があったりするらしく、そのAgallochさんを彷彿とさせるネオ・フォーキッシュなアコギで幽玄な雰囲気を醸し出す場面が当たり前のようにあったり、幽霊みたいな声でホラーちっくに歌う場面ではKylesaBlack Math Horseman 的な「USストーナー/ヘヴィ・サイケ」をも彷彿とさせる、地下に引き篭もり続けるかの如く「アンダーグラウンド」な感覚やトラディショナルな「ヘヴィ・メタル」の要素をも感じさせ、「ブラック・メタル」なのに「オーガニックな生々しい音作り」との意外なマッチングがまた印象的かつ個性的なところで、そのギャップが一つの良さでもあるんだ。その邪悪な「暗黒妖術地下世界」とでも呼びたいサウンドに突如進入してくるツイン・ギターのソロプレイもオーガニックな「メタル」的だなァと感じる所なんだ。Alcestネージュ氏の絶叫声に近い、女性とは思えないようなパフォーマンスを魅せるVoLaurieの「ギョええええぇ!!」な叫び声はなかなかのインパクトがあるし、USのバンドらしくハードコア的なノリをも感じさせたりします。もはや「嬢メタル」という言葉が使えないほどに、漢クサ~イ匂いすら漂っとるんだ。

 てきとーに例えるならば、「女版アルセ」・・・と呼びたいところだけど、そのアルセよりもブラック色が強いLantlôs のが近いっちゃ近いし、いや、それもちょっと違くて、意外と意外にノルウェーのEnslaved さんの新作的な感覚のが強いかも(プログレッシヴでサイケデリックなブラックという意味で)・・・けどやっぱ一番に的確だと思うのは、「USアングラ・メタル成分」がギッシリと詰まった、アガロッチさん寄りのメロブラっつー事で解決!!
 それにしてもこのバンド、なかなかの音楽をしているにも関わらず、その評価というか知名度が異様に低いような気がするんだけど・・・。その原因となるのは、やっぱりアングラでマニアックな臭みが強すぎるから、なのかな?しかし本作を聴けば、このLUDICRAというバンドが「過小評価」されているという意見に対して同意する事ウケアイでし・・・たぶん。なんか次作くらいで化けてきそうな予感がするなァ・・・!!

 ナンバー5の真っ白い扉を開いた先に現れるは1の”Stagnant Pond”で、英国のLatitudes みたいな土臭い「アンダーグラウンド」な感覚を持った曲で、中盤から始まる疾走しながらツインGのハモリを効かせるメロディックなソロ・パートもかっけえ。イントロからトレモロ使ってブラックらしく凶暴に爆走し続ける2の”A Larger Silence”はアルセ、というよりLantlôsのネージュ氏を彷彿とさせるヴィヴィヴィィィィィィィ!!!ギョギョギョおおォ!!!な悪魔系絶叫ヴォイスとサイケ過ぎるヤンデレ系ノーマルボイスに萌える事ウケアイだし、終盤のアコギが華麗に靡くクリーンなパートの「美しいギャップ」は聴き所すなァ。「トラディショナル寄りのメタル」+「Mastodonチックな野獣轟音HC」をプログレッシブに組み合わせた3の”In Stable”、おどろおどろしい邪悪さをかもし出す暗黒パートや、Agallochさんや初期のOpethをも想起させるクリーンなアコギ・パートを挟みながらプログレッシブに展開する4の”The Undercaste”は、7分25秒くらいからのガチオペスな幽玄パートがツボ過ぎる。。。曲調としては3曲目に近い5の”Clean White Void”、クリーンなアコギでゆったりと始まり突如爆走する6の”Truth Won't Set You Free”は、デロデロドロドロと「暗黒妖術」を唱えまくるギターのメロディが良いブラックナンバー。
 2,4,6みたいな大作の曲ではAgalloch的なアコギが入ってて好き。特に2と4はスゴイ。詳しくいうと4の7分25秒からがガチ過ぎる。

 という事で、このバンドの師匠とも呼べそうな、ポスト・ブラック界のレジェンドことAGALLOCHさんが好きな人や、いかにも「マニアックゥ」なメタルが好きな人にオススメしたい良作です。今年新作をリリースしたドイツのAgrypnie が気にいった人は是非。


7.5 / 10



Tenant
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Ludicra
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VersaEmerge 「Fixed at Zero」 レビュー


HR/HMのCDをてけとーにレビューするブログ
USはフロリダ出身のパラモア系オルタナティブ・ロックバンド、VersaEmergeのデビューアルバム「Fixed at Zero」を紹介。


1. Figure It Out               ★★★★★
2. Mind Reader               ★★★★★
3. Fixed at Zero               ★★★★★
4. You’ll Never Know           ★★★☆
5. Stranger                  ★★★★
6. Redesign Me               ★★★★★
7. Fire (Aim Your Arrows High)     ★★★★☆
8. Up There                 ★★★★
9. Your Own LoV.E.             ★★★★
10. Mythology                ★★★★★
11. Lost Tree                ★★★★


USはフロリダ出身の三人組(以前は5人編成だったけど2007年に2人脱退したらしい)、VersaEmergeのデビューアルバムが個人的にツボったからここに紹介したいと思うんだけど、曲を聴いた印象としては、ParamoreFlyLeafのちょうど真ん中に位置しそうなロックをやってて、紅一点のフィメール・ボーカリスト、シエラの声質からなにまでパラモアのヘイリーを想像せざるを得ないエネルギッシュでパワフルなキレのある歌からして「ポスト・Paramore」と呼べるポップ・パンクなサウンドを主体に、そのParamoreをもっとオルタナ/ポストHC寄りに重心を傾けて、シンフォニックばりに盛り上げるダイナミックなストリングスやアコギの音を積極的に取り入れ、FlyLeafの2nd的な「ラウド感&ゴス成分」、あとこれは超個人的な見解だけど、テキサス出身のあのFair To Midlandちっくな叙情エモ&エクスペリメンタルな感性をどことなしか感じさせる、なかなかに面白いオルタナをやってるバンドのデビュー作で、オイラ的には今話題?のHey Mondayや本家本元であるParamoreよりも気に入っちゃったかもしれない、脅威の新人バンドの登場やで・・・!!こりゃあFlyLeafのデビュー作に近い衝撃っちゅーても過言じゃないレベルなんだ。パラモアよりはメジャーな感じがしないから、そこが丁度いいんだよね。なんだかんだ、存在感的には「ポスト・フライリーフ」と言うたほうが的確だったりして?

今、一番に「ポスト・パラモア」という呼び声高いこのVersaEmergeだけど(正直、今のピャラポワより良いんじゃね、っていう)、ただのモノマネじゃあ終わらない、ただの「ポスト・ピャウピャウ・ピャラモワァ」じゃあ終わらない、デビュー作にして既に独自のオリジナリティというか、個性がしっかりと確立されとるんだ。兎に角メロディの質が高いし、曲の幅もそれなりにはあるし、どの曲にもフックが効いてるんだよなぁ。言うならサビが2段階ある感じとか。そのサビでちゃんと盛り上がるから曲も分かりやすいしね。主にサビで使われるストリングスをガンガン鳴らす所なんかはエヴァネやデビュー作を出した~フォールンにも通じるかも。

オープニングを飾るは「ポスト・パラモア」然としたポップでキャッチーな1の”Figure It Out”、軽快なポップパンク曲で叙情性のあるサビの部分がEyes Set to KILLっぽいかもしれない2の”Mind Reader”、Fair To Midland的なエクスペリメンタル性とFlyLeafの2nd的な「クリスチャン」サウンドを組み合わせた、中盤のプログレスなパートもカッコええオルタナ・チューンの3”Fixed at Zero”はシングル曲。まずはここまでの流れが完璧すぎる・・・!!アコギとストリングスを使った4のミドルチューン”You’ll Never Know”、やっぱりアコギを使ったポップ・パンクチューンの”Stranger”、フックが効きまくったサビがヤバイ曲でFlyLeaf色が特に強いゴス/クリスチャン・ロックな6曲目”Redesign Me”、男ボーカルを交えた曲でストレートに展開するハードな疾走感と叙情的なのが良い7の”Fire (Aim Your Arrows High)”、壮大なストリングスが効いてるエモーショナルなダーク・バラード曲の”Up There”、イントロからサビまでストリングスを豪快に鳴らす9の”Your Own LoV.E.”、ストリングス+アコギ+ポップ・パンクなノリが良い10の”Mythology”はEyes Set to KILLっぽいサビがツボ過ぎる。←本作のハイライト!!7分を超えるラストの”Lost Tree”はポストHCばりのサウンドやVoシエラのシャウト聴けちゃう曲で、これまでの曲の歌のフレーズを挟みつつ結構ドラマティックに展開します。
 序盤の流れを聴くと、比較的オーソドックスかつキャッチーなポップ・ロックみたいな感じだけど、だいたい6曲目くらいから彼らの特色であるゴス/エクスペリメンタル色が強くなってくる。むしろ後半の曲のが個性が強くて楽しめるかも。兎に角、全編通して一気に聴ける勢いやポジティヴなエネルギーがハンパないっすわァ。

という事で、オイラみたいなクセのある音楽をメインに聴いてる輩となかなか相性がいいフィメール系オルタナ・ロックなり。ジャケもなかなかに良い。兎に角、完成度の高さが尋常じゃないっす。そら「ポスト・パラモア」って呼ばれるレベルだわと納得の内容なんだ。ただ心配なのはメンバーが安定していない事、かな。次作ではFlyLeafの2ndみたく、それなりの「凄み」を持った、本作からの正統な進化と呼べる作品を期待したいっす。これは意外や意外の2010年BESTイン作品。もち今年のフィメール系では堂々のNo1...!!おススメ!!


8.0 / 10




Fixed at Zero
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PURE REASON REVOLUTION 「Hammer and Anvil」 レビュー


HR/HMのCDをてけとーにレビューするブログ
イギリスはロンドン出身のエレクトロニカ系オルタナティブ・ロックバンド、PURE REASON REVOLUTION の約1年振りの3作目「Hammer and Anvil」を紹介。


01. Fight Fire               ★★★★★
02. Black Mourning            ★★★★☆
03. Patriarch                ★★★★★
04. Last Man, Last Round        ★★★★☆
05. Valour                 ★★★★★
06. Over The Top             ★★★★
07. Never Divide             ★★★★
08. Blitzkrieg               ★★★★☆
09. Open Insurrection          ★★★★
10. Armistice               ★★★★☆


2006年にリリースされた1stアルバム「The Dark Third」で衝撃的なデビューを果たした、紅一点のマルチプレイヤーChloe Alperを擁するロンドン出身の4人組、Pure Reason Revolutionの3作目で、その名も「Hammer and Anvil」というメタルチックなタイトルからしてちょっと意外?な本作の作風はというと、全体的には前作「Amor Vincit Omnia」で聴かせた「エレクトロニックな電子系ロック」を一応は踏襲した形ではあるんだけど、言うほど前作よりはエレクトロニカニカしてないというか、ニカというよりはインダストリアル・ロック的なサウンドに変化し、曲から感じ取れる雰囲気的には1st「The Dark Third」を思わせる神秘的かつスペーシーな、いわゆる「ネオ・プログレッシブ」的な感覚に回帰した印象があるし、やってる事は結構シンプルで聴きやすいパワフルかつポップなロックだし、気のせいか「ゴス」な香りまでしてくるダークな電子系ロックは個人的に前作より好み、というかスゲー良いアルバムじゃんこれ!!いや、ホントになにこれスゴイ・・・てけと~に言っちゃえば、「1st+2nd+Pop」みたいな感じっす。つまりは・・・名作1stの「程よい青臭さ」と2ndの「イケてるニカ^^サウンド」との融合、この2つを組み合わせると・・・そう!!今回のPRRは「ダサカッコイイ!!」で決まりっ!!ジャケもタイトルもダサい&イモいし笑 ココで一言、「ダサカッコイイなんてサイコ~じゃ~ん」 by マーティ・フリードマン

オイラ的にはやっぱり名盤「The Dark Third」を彷彿とさせるあの神秘的でいて神聖な世界観がツボで、前作を聴いた時に「エレクトロな路線でやってくのかな?」って思っていただけに、今回の「PRR的サウンドの回帰」と呼べる音の変化は嬉しい誤算でした。今回のような「ポップなネオ・プログレ」っつーと、スティーヴン・ウィルソンBlackfield を若干思わせるところがあるし、「インダストリアルなロック」っつーとThe Birthday Massacre の新作にも通じる部分があるよね。
 今作はかなり「ポップ」な感触が強くて、とても「聴きやすい」作品ではあるんだけど、ロックやメタルにも通じるラウドなドライブ感や、ある意味での「ダイナミズムな重厚感」もしっかりとあって、決してヌルくなり過ぎないところが好感度○、なんだけど、1stは元より、2ndでも聴く事のできた「メタリックなGリフ」でゴリゴリする場面が少なくなってしまったのは至極残念。
 Jon Courtney
(vo, G, key)とChloe Alper(vo, ba ,key)のキャッチーなツインボーカルも健在で、男女が絡み合う「壮麗な美のハーモニー」はANATHEMA の「ヴィンセント×リー」コンビと並ぶレベル(←さすがにそれは言い過ぎ)。前作と同じように、メインVoとなるのはジョンの方だけど(ハモるパートは前作よりは多いと思う)、一曲目の”Fight Fire”だけはクロエの力強い歌声を中心に聴かせる曲で、クロエの声が好きな人にはたまらん曲となってます。歌メロに関しても俄然と1stっぽさが強いかな、今回は。

オープニングを飾る「ふぁいふぁいうぃふぁいや~」な”Fight Fire”は、ロックなドライブ感+2nd的な電子音+クロエのセクスィな歌声をメインに力強く展開するキラーナンバー。2曲目の”Black Mourning”からは男ボーカルのジョンがメインVoを取り、曲は2nd的な雰囲気を匂わせつつも、新しい要素となる「ゴス/インダストリアル」な哀愁漂う音を聴かせる。3曲目の”Patriarch”は1stの「ネオ・プログレ」的な感覚を引き継いだ神秘的かつダークな世界観がツボ過ぎる。ドス黒くアブナイ暗黒世界を創造する4の”Last Man, Last Round”、再び「1stっぽさ」を感じさせるポップで爽やかなオルタナ・ロックチューンの5”Valour”、ダークで怪しげなメロディが特徴的な6の”Over The Top”、さわやか3組系ポップな7の”Never Divide”、今作で一番2nd寄りの曲で、ノレるエレクトロ・サウンドがイケテル8の”Blitzkrieg”、約7分ある曲でスペーシーなダイナミズムが襲う9の”Open Insurrection”、フワフワっとしたポップなメロディがある種のノスタルジーというか日本的な郷愁(久石譲的な)が脳裏に浮かぶ10の”Armistice”。
 まずは1から5までの流れいい。んでもって8~10もいい流れ。捨て曲なし。ほとんどの曲がキャッチー。

つまりは「1stがなければ本作は存在し得ないし、逆に2ndもなきゃ本作は誕生しなかった」という事が、コレを聴けば分かるはずです。そして1stと2ndを聴き返したくなる事ウケアイです(実際に2ndを聴き返してみたら意外と良いことに気がついた)。オイラ的に格付けすると1st>>>>3rd>2ndてな感じ。
 という事で、エレクトロ過ぎた2ndでちょっとガッカリしたオイラみたいな1stが好き過ぎる人に強くおススメ、だけども2nd好きにもおススメできちゃう、双方の持ち味を発揮した実にPRRらしさに満ちた良作!!今年のUK産は「穴島 って卑猥だよね・・・」と「おっさんサイズ 一つお願いします」と「パイナップル泥棒 しちゃいました、すいませェん」とこの「恋愛レボリューション 21」で決まり!!2010年BESTに入る可能性大・・・!!


8.0 / 10



Hammer & Anvil
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