Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

2011年06月

Altar of Plagues 『Mammal』 レビュー

Artist Altar of Plagues


Album
『Mammal』


Track List
01. Neptune Is Dead
02. Feather And Bone
03. When The Sun Drowns In The Ocean
04. All Life Converges To Some Center

アイルランドはコーク出身の4人組、Altar of Plaguesの約2年ぶりとなる2作目『Mammal』が、かなり本格派な”ポスト・ブラック・メタル”をやってるんだけど、そのスタイルとしてはIsisMinsk等の密教系ポストメタル勢に通じるAmbient/ポストロック的な空間を構築する静寂パート、まさしく”Blackgaze”なノイジー・ギター×ブラストで無謀にも爆走する場面やブラック然としたトレモロ・リフを要所にアピールしながら広大な荒涼暴風域を発生させ、そこへミスターJ氏が奇術の如くストリングスやシンセやサンプラーの音を擁し曲をより邪悪に演出するスタイル。で、筆頭すべきはオープニングを飾る約19分の超大作Neptune Is Deadを耳にしたらその瞬間に深淵から轟く邪意闇絵巻に引きずり込まれ、鋭く不穏な雰囲気の中で悍ましく陰惨な光景を目の当たりにする。アヴァンギャルドなノーマル・ボイスを取り入れたポストメタル的な要素の強い#2”Feather And Bone”、不意をつく女性のアナログな歌声からして何か”ヤバイ・・・”雰囲気を漂わす#3”When The Sun Drowns In The Ocean”、再び#1みたく内省的な静寂パートとブラストを擁した凛々しいパートでメリハリを効かせ、終盤に進むにつれポストロック的な扇情性を曝け出す#4”All Life Converges To Some Center”で壮大に幕を下ろす。全4曲で52分という大作ぞろい。一曲一曲が長いから聴く方にも気力が必要とされる本作品だが、聴けば聴くほど邪気という名の味わいが増していくカルトな感覚がクセになるので、この漆黒セカイにハマったら色々な意味で終わりかも。

 先日記事にしたUSポスト・ブラックのDeafheavenとは真逆といっていいほど、”息もできない”ほど徹底的に”負の感情”を粗暴に撒き散らすポストブラで、この手の界隈のFenAlcestとは一味も二味も違った、いい意味で”お聞き苦しい”、俄然”ブラック・メタル然”としたスタイル。つまりはオイラみたいなミーハーじゃなくて、本格派リスナーの方にウケが良さそうなバンドですね。この”ガチ”な精神性が、さすがProfound Lore所属たる所以で、同レーベルの獅子王ことAgallochさんをも凌ぐマジっぷりはある種の”凄み”を生んでいる。どうでもいいけど”ポストブラ”ってなんかいい響きだよな・・・。

 てなわけで、本来”ポスト・ブラック”っつー言葉はこういうバンドにこそ使うべきなんじゃねーの?って思ったガチ系ポスト・ブラックの良作です。Agallochの後継者はコイツらで決まりかッ・・・!?とか言うて、おいらは前文に名前を出したバンドのが好みだったりするんだけどね。

8 / 10



Mammal
Mammal
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Altar of Plagues
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ALCEST 『Le Secret』 レビュー

Artist Alcest


Album 『Le Secret』


Track List
01. Le Secret [2011 version]
02. Elevation [2011 version]
03. Le Secret
04. Elevation

本作品は、”俺たちのネージュ氏”率いるフレンチ産”シューゲイザー・ブラック”の貴公子ALCESTがこの世に降臨なされた2005年作のEP『Le Secret』の再発(Prophecy Productionsからの)で、その内容としては、2005年にリリースされたオリジナル版の2曲とその原曲を2009年に新スタジオDrudenhaus Studioで再録した新バージョンが収録された計4曲の内容。で、原曲と新録を聴き比べてみるとだ、やはり音質や音圧の面で改良が施され音の輪郭にメリハリが生まれ、それにより優美な郷愁のメロディが一段と表面化され、要するに今のアルセっぽいクッキリハッキリとした感覚で音を楽しむことができる。そしてその新録を聴くことにより、原曲の音の悪さが俄然強調され、”ブラック”然とした”ノイジー”な不快感をより深く味わう事ができる。まぁ元の曲がイイんで、どっちも面白く聴けるはずです。
 原曲である2005年度版は俺たちのネージュ氏が全ての楽器パートを担当しているが(一人ブラック的な)、最新の2011年版では現アルセのメンバーWinterhalter氏がドラムを叩き、一新された品性の漂うアートワーク/レイアウトには、新作に期待のLes DiscretsAmesoeursでお馴染みのFursy Teyssier氏が手がけてるってんだから、それだけでも購買意欲が湧くってもんです。つうか、Fursy氏って普通にショートアニメとか作れる人なんだねスゴイ。んで検索してみたんだけど、絵本のセカイがそのまま飛び出したような、実にフレンチアニメらしい郷愁に満ちた正統派アニメーションで、とにかく完成度が高くて見応えがあります→コチラコチラ 。やっぱフレンチアニメ恐るべし。。。更には、新作『Until Fear No Longer Defines Us』をリリースするGhost Brigadeの新MVも彼が手がけるという(MV作品は初らしい)、なんとも俺得すぎる素晴らしき”引かれ合い”を見せているわけでして。

 フランスの奇才=ネージュ氏が創造する、聖母マリアと神の子イエスの壮絶なるファックを音像化したような、神々しすぎる芸術的気品に満ちた至高の”幻夢新世界”の産声を上げる本作品は、以降のアルセのスタイルを確立した言わば”原石”であり、そして音楽シーンに革命と衝撃を与えた1stフルレンス『Souvenirs d'un Autre Monde』にてその才能を大きく開花させ、『清らかなもの=主イエス』ばりに神々しいまでの神聖な輝きを放ち、幸福に満ち溢れたこの世の桃源郷を築きあげる。こうして過去の音源を改めて聴いてみると、このEPと1stは比較的近いセカイがあるけど、それらと最新作の2ndは一線を画したそれぞれ独自のセカイが存在しているなぁと。本作はやはり、再発する価値のある名作だと改めて感じました。

 ・・・というわけで、夢の幻想郷への扉を開くカギとなる本作品は、アルセメニアなら手にしないわけにはいかない絶対的なナプキンです。


Le Secret
Le Secret
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Alcest
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Deafheaven 『Roads to Judah』 レビュー

Artist deafheaven


Album
Roads to Judah


Track List
01. Violet
02. Language Games
03. Unrequited
04. Tunnel of Trees

昨年リリースされたDemo”ポスト・ブラック”界隈で大きな話題を呼んだUSはサンフランシスコ出身の5人組、Deafheavenの待望のデビューアルバム『Roads to Judah』が、まさしくこれぞ”ポスト・ブラック”然とした、常に気分が高揚した躁状態が永遠と続く”オトコの激情セカイ”を繰り広げているんでココに紹介。で、そのスタイルとしては、この手の界隈の重鎮であるフランスのAlcestAmesoeurs、UKのFenやUSのWolves in the Throne Room直系のポストロック/シューゲイザー譲りの清流の如し儚くも美しい優雅なメロディ、フロントマンジョージ・クラークのUS生まれらしいハードコア寄りの絶叫ボイス、トレモロ・リフや特にブラストを全面に擁しポートランドの皇帝Agallochさんバリの荒涼世界を創り出す”Blackgaze”パートを切り替えながら展開する、まさに”ポストブラックそのもの”な曲展開をまざまざと披露し、中でも壮大なスケールで描かれる約12分を超える大作#1”Violet”の壮麗なる”泣き”の激情世界に感動してしまったら最後、Rosetta的アトモスフェリックな美空間と凛とした力強いメロディの濁流に只々気分がハジけ飛ぶ#2”Language Games”、人の夢と書いて儚いイントロからシミジミとしてしまう超激情世界の#3”Unrequited”、初っ端からブラック的な暴虐性が露になる場面と美しき静寂のギャップがたまらない#4”Tunnel of Trees”まで、全4曲トータル約38分、その耳がブッ飛びそうになるほど他を寄せ付けない激情音空間の渦に飲み込まれたら最後、最高に『ハイ!』ってやつになれます。全曲名曲だし、その新人離れしたソングライティングや繊細な”美”メロディのセンスには、この界隈の重鎮に勝るとも劣らない質の高さを感じさせます。兎に角、彼らが放つ”激情エネルギー”で新しい発電ができちゃうんじゃないの?って感じの勢いです。えっ。

 この夏に、新作の内容がすこぶる良かったKEN modeと一緒にツアーするらしく、やはりDeafheavenの音の根底には”ハードコア”の精神が確実に宿っているなぁと理解するわけです。なるほど、これがハードコア界からポスト・ブラック界への返答ですか、実に面白いッ。つうか、SXSW2011に参戦してるあたり、若手のホープとしてかなり期待されてるバンドみたいね。まずドラムが鬼過ぎるし。

 てなわけで、USからこの界隈に突如として現われた驚異の新人、このDeafheavenは”ポストブラック界隈/激情ハードコア界隈”の救世主となりうる存在か否か、期待と希望を胸に見守り続けたいですね。これをハードコアと解釈するならば、本作品も今年のHC系の中では一ニを争うほど絶対的マストなアルバムッ。そして今年のBEST候補ッ!!

       美メロの濁流に溺れろ・・・そして死ね・・・

B

Roads to Judah
Roads to Judah
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Deafheaven
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TRAP THEM 『Darker Handcraft』 レビュー

Artist Trap Them


Album 『Darker Handcraft』


Track List
01. Damage Prose
02. Slumcult & Gather
03. Every Walk A Quarantine
04. Evictionaries
05. All By The Constant Vulse
06. Sordid Earnings
07. The Facts
08. Saintpeelers
09. Manic in the Grips
10. Sovereign Through the Pines
11. Drag the Wounds Eternal
12. Scars Align

USはニューハンプシャー州セーラム出身の4人組、Trap Themの約3年ぶりのフルアルバムで通算3作目『Darker Handcraft』なんだけども、これがかなりヤバい。そのサウンドとしては、Death'n Rollバリにモリモリとスラッシーに爆熱爆走するハードコア・パンクを展開してるんだけど、グラインドコアやConverge ライクなカオティック系HC譲りのマスい変調子を擁したガチハードコアなスタイルで、リミッター解除した暴走機関車トーマスとなりドロドロクラスト低重音の津波が容赦なく襲いかかり、耐久レース♥30分ドロドロ地獄ッ♥をひたすらカオスに激走する姿は、もはや”超キモチイイ”という感情表現しかできない。それにこのバンド、かなり”メタル寄り”のハードコアをやってるんで、昨年衝撃のデビューを飾ったノルウェーの新生Kvelertak にドコかしら似た感覚もあったりして面白い。コッチがDeath'n Rollで、向こうはBlack'n Rollの若手の代表格みたいな。というわけで、名盤『Static Tensions』の頃のKylesa みたいなクラスト噛じりのHC好きならマスト。うむ、今年のハードコア部門はこのTrap ThemDefeaterKEN modeの新作で決まりやッ!!

 まさしく”カオティック・デス・ロール”な#1”Damage Prose”からして機関車ゴードンばりにモリモリと爆走する強烈な曲で、その#1よりもカオティックかつスラッシーに暴走する#2”Slumcult & Gather”、ノリノリ系Death'n Rollな#3”Every Walk A Quarantine”、とりあえずこの#1~#3までの破壊力がパない。で、Kylesaばりのドゥロドゥロな低重音が襲いかかるクラストパンクな#4、うおおおおおおおおおおおおおおッ!!サノバビッ~~チッ!!サノバビ~~ッチッ!!と一緒に叫びたくなることウケアイな#6”The Facts”、再び暴走モードとなり爆走する#7,#8,#9,#10までの尺が一分台の曲でグラコアばりに怒り狂い、少しテンポを落とし静かに展開する#11とラストを飾る#12も聴き応えあり・・・の30分。

 というわけで、さっきも書いたように、今年のHardcore系は最低でもこの3つのバンド(Trap Them&Defeater&KEN mode)の新作を聴いとけば間違いないかと。さーて皆さんご一緒に~・・・

           サノバビッチッ!!サノバビッチッ!!


8 / 10


Darker Handcraft
Darker Handcraft
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Trap Them
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DEFEATER 『Empty Days & Sleepless Nights』 レビュー

Artist Defeater


Album 『Empty Days & Sleepless Nights』


Track List
1. Warm Blood Rush
2. Dear Father
3. Waves Crash, Clouds Roll
4. Empty Glass
5. No Kind of Home
6. White Knuckles
7. Cemetery Walls
8. Quiet the Longing
9. At Peace
10. White Oak Doors
11. But Breathing
12. Brothers
13. I Don't Mind
14. Headstone

2004年にUSはボストンで結成された5人組のメロディック・ハードコアバンド、Defeaterの通算3作目(EP含む)でフルでは約3年ぶりとなる新作『Empty Days & Sleepless Nights』が、めちゃカッコイイ激情ハードコアをやってるんでココに紹介しないわけにはいかない。

 そのサウンドは、フロントマンデレクのガチパンク精神と叙情性をむきだしにする楽器隊で、小僧のごとく鼻水まき散らしながら無我夢中に疾走する若さ漲るエネルギッシュなハードコアに、ひと時の儚さを覗かせる静パートを挟みながら劇的に展開する、キッズ=モダンな感性とオールド精神が絶妙に噛み合った真の激情世界は、”刹那”過ぎるエモーショナルな感情に抑えきれない衝動と胸の高鳴りを憶える。
 洗練されてない、いい意味で”粗削りな勢い”に身を任せたカッ飛びハードコアの前作『Travels』よりもデレクのボーカルと楽器隊の表現力が数段と増し、前作と比べものにならないほど叙情的なメロディを取り入れた”常に激情”しまくってる作風で、その内容も前作と同様に高品質なメロディック・ハードコア作品となっていて、ストレートなメロディックHCから刹那く激情しまくりな曲から泣きのメロディを大切にしたミドルテンポの曲からノリが”ポップ・パンク”みたいな曲まで、着実に前作からの”成長”を感じさせる安心の一枚です。特に#1~#3までの”激情波紋疾走ッ”っぷりがパない。

 このバンド、基本スタイルは真っ直ぐなハードコアをやってるんだが、本作のパート2に当たる#11~#14までは全てアコースティックな曲で構成されてるってんだから、なんとも驚きだ。イメージとしては、前作に収録されてる#6”Prophet In Plain Clothes”の中盤のアコギパートをそののまま曲にした感じ。しかも意外とイイ曲だから困る。特に#12が一番好き。なんかUSのCMに使われてそう。あとなんかボストン生まれっぽい感じが笑。この後半のアコギパートには賛否ありそうだが、見せ場である前半(#1~#5)~中盤(特に#8)までのハードコアな楽曲の出来はスンバラシイんで、その前半と後半のギャップを楽しむのもアリだ。

 というわけで、モダン・ハードコア界の先頭をひた走る彼らDefeaterの新作『Empty Days & Sleepless Nights』は、今年リリースされたハードコア系の中では絶対的マストな好盤です。コォォ・・・

          激情ッ!波紋ッ 疾走ッ!!


8 / 10


Empty Days & Sleepless Nights
Empty Days & Sleepless Nights
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Defeater
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