Artist Shining (Swe)
Album 『VII - Född förlorare』
Track List
01. Förtvivlan, Min Arvedel
02. Tiden Läker Inga Sår
03. Människa O'Avskyvärda Människa
04. Tillsammans Är Vi Allt
05. I Nattens Timma [Landberk cover]
06. FFF
北欧スウェーデンは首都ストックホルムが生んだ”アブナイ系男子”ことNiklas Kvarforth中心とする”Swe”の方の自殺系ブラック・メタルバンド、Shiningの約2年ぶり通算7作目『VII - Född förlorare』なんだけど、このバンドっつーのは、2005年作にリリースされた傑作『IV - The Eerie Cold』から”オペ某Like”な静パートを露骨に取り入れ始め、そしてノイジーなギターやアコギを擁した前々作の名盤『V - Halmstad』でいわゆる”オペス・スタイル”の完成型をお披露目し、前作の『VI - Klagopsalmer』では#2の”Plågoande O'Helga Plågoande”を筆頭とした”ブラック・メタル版オペス”を惜しげもなく展開してたが、その”静と動”の王道的スタイルは本作でも不変で、言わば”OpeShining”とでも呼びたくなるプログレッシヴ・ブラックを踏襲し、前作譲りのアコギとニクラスのクリーンボイスを擁した#1”Förtvivlan, min arvedel ”のビデオばりに”キケン”で”ダメ。ゼッタイ。”な香りのする自傷系ブラック・メタルをやってのけている。そして毎度のこと、生きる目的を失った”うなだれた男たち”の悲壮感がヤバ過ぎる鬱いジャケもヨロシ。
・・・という印象で、名盤の『V』や『IV』の頃のガチ鬱な雰囲気や精神的に病んでる悲壮感は薄くなっているものの、その頃よりも洗練化した近年のスタイルも気に入ってる人ならきっと気にいるはずです。ちなみに、前作では1999年に解散したノルウェーのゴシック系ロックバンドSeigmenのCoverをやってたけども(これがまたイイ曲)、本作では同郷のプログレバンドLandberkのCoverを披露。あと#3にはアチエネのクリストファー・アモットが参加してて、#2,#4,#5にもそれぞれに自国スウェーデン出身のゲストをフューチャーしている。しかし、ここ最近のゲスト多用はそろそろ打ち止めにしてほしいというのが本音でもある。
”おめェ!おめェ!おめェ!!”な#1は近年のスタイル=プログレッシヴ・ブラックの典型的ナンバーで、ナニがキマッっちゃってるSEとその反面清らかなアコギのイントロからして不安定なキモチにさせる#2は二クラスの野太い声やギョエエエエ!!っていう叫び声、ブラストで爆走した後にはアコギとメロトロンのしみったれた静寂パートがやってくるという超展開。#3ではコッチがドン引きするほどピロピロに弾きまくるクリストファーのGソロが入ってて、ピアノで始まる#4はノイジーなギターで綴る長尺ナンバーで、ゲストのHåkan Hemlin氏がハスキーな声でエモーショナルに歌うクリーンパートがイイ。アコギとピアノでシミジミと展開する#5はゲストのPeter Bjärgö氏のシブすぎる歌がジャジーでムーディな香りを漂わし、原曲よりも郷愁的な雰囲気は薄め。ラストを飾る#6は近年プログレ・ブラックな曲。
というわけで、『V』や『IV』のような不快感を催すザラザラノイジーなアルバムではないけど、音の輪郭がハッキリクッキリとしたプログレ・メタル化したShiningも悪くはないです。噂では早くも来年に新作がリリースされる?らしいので、次のアルバムこそはゲスト控えめで、そして昔のようなブラック寄りの作品を期待したいです。
8- / 10
Album 『VII - Född förlorare』
Track List
01. Förtvivlan, Min Arvedel
02. Tiden Läker Inga Sår
03. Människa O'Avskyvärda Människa
04. Tillsammans Är Vi Allt
05. I Nattens Timma [Landberk cover]
06. FFF
北欧スウェーデンは首都ストックホルムが生んだ”アブナイ系男子”ことNiklas Kvarforth中心とする”Swe”の方の自殺系ブラック・メタルバンド、Shiningの約2年ぶり通算7作目『VII - Född förlorare』なんだけど、このバンドっつーのは、2005年作にリリースされた傑作『IV - The Eerie Cold』から”オペ某Like”な静パートを露骨に取り入れ始め、そしてノイジーなギターやアコギを擁した前々作の名盤『V - Halmstad』でいわゆる”オペス・スタイル”の完成型をお披露目し、前作の『VI - Klagopsalmer』では#2の”Plågoande O'Helga Plågoande”を筆頭とした”ブラック・メタル版オペス”を惜しげもなく展開してたが、その”静と動”の王道的スタイルは本作でも不変で、言わば”OpeShining”とでも呼びたくなるプログレッシヴ・ブラックを踏襲し、前作譲りのアコギとニクラスのクリーンボイスを擁した#1”Förtvivlan, min arvedel ”のビデオばりに”キケン”で”ダメ。ゼッタイ。”な香りのする自傷系ブラック・メタルをやってのけている。そして毎度のこと、生きる目的を失った”うなだれた男たち”の悲壮感がヤバ過ぎる鬱いジャケもヨロシ。
・・・という印象で、名盤の『V』や『IV』の頃のガチ鬱な雰囲気や精神的に病んでる悲壮感は薄くなっているものの、その頃よりも洗練化した近年のスタイルも気に入ってる人ならきっと気にいるはずです。ちなみに、前作では1999年に解散したノルウェーのゴシック系ロックバンドSeigmenのCoverをやってたけども(これがまたイイ曲)、本作では同郷のプログレバンドLandberkのCoverを披露。あと#3にはアチエネのクリストファー・アモットが参加してて、#2,#4,#5にもそれぞれに自国スウェーデン出身のゲストをフューチャーしている。しかし、ここ最近のゲスト多用はそろそろ打ち止めにしてほしいというのが本音でもある。
”おめェ!おめェ!おめェ!!”な#1は近年のスタイル=プログレッシヴ・ブラックの典型的ナンバーで、ナニがキマッっちゃってるSEとその反面清らかなアコギのイントロからして不安定なキモチにさせる#2は二クラスの野太い声やギョエエエエ!!っていう叫び声、ブラストで爆走した後にはアコギとメロトロンのしみったれた静寂パートがやってくるという超展開。#3ではコッチがドン引きするほどピロピロに弾きまくるクリストファーのGソロが入ってて、ピアノで始まる#4はノイジーなギターで綴る長尺ナンバーで、ゲストのHåkan Hemlin氏がハスキーな声でエモーショナルに歌うクリーンパートがイイ。アコギとピアノでシミジミと展開する#5はゲストのPeter Bjärgö氏のシブすぎる歌がジャジーでムーディな香りを漂わし、原曲よりも郷愁的な雰囲気は薄め。ラストを飾る#6は近年プログレ・ブラックな曲。
というわけで、『V』や『IV』のような不快感を催すザラザラノイジーなアルバムではないけど、音の輪郭がハッキリクッキリとしたプログレ・メタル化したShiningも悪くはないです。噂では早くも来年に新作がリリースされる?らしいので、次のアルバムこそはゲスト控えめで、そして昔のようなブラック寄りの作品を期待したいです。
8- / 10
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