Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

2012年02月

Soen 『Cognitive』 レビュー

Artist Soen
Soen

Album 『Cognitive』
Cognitive

Track List
1. Fraktal
2. Fraccions
3. Delenda
4. Last Light
5. Oscillation
6. Canvas
7. Ideate
8. Purpose
9. Slithering
10. Savia

Opethのドラマーマーティン・ロペスと元TestamentのベーシストSteve DiGiorgioを中心とする、北欧スウェーデンを拠点にした新プロジェクト、Tool(亜種)の新作、元い、Soenのデビュー作『Cognitive』なんだけど、この世にToolのinfluenceを受けたバンドは山ほど存在するが、ここまで”ありのまま”にtoolをやってのけるのは世界にこのバンド一つだけ、ってレベルの”Tool-Music”を展開してるんだけど、それもそのハズ、本作のミックスを担当したのは本家Toolの『Ænima』Fair to Midland『Fables From A Mayfly: What I Tell You Three Times Is True』などの名盤を手掛けたDavid Bottrillによる立体感溢れる”あの音質”から、Tool直系の”あのキザミ”やウネッたり歪んだりするギターのヘヴィネスやリフ回しは勿論の事、何と言ってもVoJoel Ekelöf(Willowtree)のメイナード超絶ライクな独特の歌い回しやそのルックスまでもToolを極めてる感がハンパない。んだけど、このジャケやパーカッションを多用したエスニックな異空間はトゥールそのものなんだけど、哀愁(ミカエル・オーカーフェルト的な)を含んだボーカルの温いメロディなんかは実に北欧的な香りがするし、極端な話ではあるが、おいらが思うに、本作はOpethの『Ghost Reveries』の次作に位置する9作目のアルバムとして、要するに真の”Next-Opeth”として聴くべき作品、という”俺の解釈”に行き着いたわけです(えっ 兎に角、Alternative化したOpethというか、Metal化したToolというか、そのOpethとToolの音階の狭間を行き来する音世界は実に興味深く、そして面白い。

 密教的な呪術を唱え始めるイントロの#1から歪んだ異次元空間へと誘い、続く#2”Fraccions”もToolのinfluence全開な妖しい世界観を創造し、オペ某ライクなメタリックなリフでアグレッシヴに展開する#3”Delenda”、エスニックなムードを醸すパーカッションを擁したバラード的な#4”Last Light”、メシュガーっぽさもあるザクザクゴリゴリバキバキしたリフを刻む激しめな場面と哀愁香る歌でまったりと聴かせる場面でメリハリを効かせた#5”Oscillation”他etc・・・といった感じで、どの曲も一定の水準はあるものの、これといって突出した名曲的なモノがないようにも感じてしまう(強いて言えばMVになってる#10”Savia”くらいか)。当然、ToolやOpethを聴いてる人には強い既視感を憶えると思うし、全体的に如何せん”結構地味”なイメージが拭えないが、そのような邪念を振り払い本作を聴けば、それなりには楽しめるハズです。そんなわけで、時空の歪みにより開かれる異次元を創りだす本家ほどディープな世界観はないが、この手の好き者が泣いて喜ぶ事ウケアイな、高い完成度を誇るプログレ/オルタナ・メタルとなってるんでオススメ。

Cognitive
Cognitive
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Soen
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El Caco 『Hatred, Love & Diagrams』 レビュー

Artist El Caco
El Caco

Album 『Hatred, Love & Diagrams』
Hatred, Love & Diagrams

Track List
01. After I'm Gone
02. Hatred
03. Autopsy
04. Equivalence
05. Go Forward
06. Confessions
07. Sixty To Zero
08. Skeleton
09. She Said
10. Disconnect

北欧ノルウェーはリレストロム出身の三人トリオ、El Cacoの約三年ぶりの新作で、ノルウェーの王手レーベルIndie Recordingsからリリースされた通算六作目『Hatred, Love & Diagrams』が、オーガニックなストーナーとToolMuseライクなオルタナティブなどのあらゆる音階を行き来するヘヴィロックミュージックをやっててなかなかカッコイイ件。についてなんだけど、おいら、El Cacoの作品を聴くのは今回が初めてなんだが、プログレッシブや(ポスト)ハードコアからのダイナミズム、サイケやグランジからのダークな要素をClassicなHR/HM調で一括りにしたような、実にノルウェーらしいというか、実にIndie Recordingsらしい一風変わったロックをやってのける彼らの音楽は、懐かしくもあり、一方で新しくもある。おいら、こういう伝統的なHRと今風の音が組み合わさった、ありそうでない感じの、適度にプログレッシブ(”あのキザミ”を含む)なアクセントを加えた骨太ロックは大好きです。

 ”ストーナー×HR/HM×プログレ”な音色と共に豪快なヘヴィネスが轟く#1”After I'm Gone”で幕を開け、隣国スウェーデンのHardcore Superstarがちょっとだけグランジっぽくなった感じの#2とキャッチーな#3、気持ちいいメタリックなヘヴィネスやTool的な”あのキザミ”を擁しながらプログレッシブに展開する#4”Equivalence”などの”ストーナー×HR/HM”色が濃い前半の流れと、一転して北欧的なシブい哀愁とMuseやToolのinfluenceを感じるオルタナ色が濃くなる後半で分かれ、特に#6”Confessions”のサビでのフロントマンØyvind OsaがMuseというかGazpachoっぽくエモーショナルな哀愁の歌はグッとくるし、露骨にToolライクな#7や#8もプログレッシブ(あのキザミ)のアプローチがカッコイイ。

 ・・・というわけで、単純にヘヴィな音の上質と呼べる質感、そしてどの曲も及第点は超えたモノばかりで、作品全体の完成度も申し分なしの本作は、HCSSなどの北欧HR/HMが好きならマスト。つうか、過去の作品にDjervアグネットがゲストで参加してるとか・・・こりゃ過去作も漁らざるを得ない。

Hatred Love & Diagrams
Hatred Love & Diagrams
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El Caco
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Swallow the Sun 『Emerald Forest and the Blackbird』 レビュー

Artist Swallow the Sun
Swallow the Sun

Album 『Emerald Forest and the Blackbird』
Emerald Forest and the Blackbird

Track List
01. Emerald Forest And The Blackbird
02. This Cut Is The Deepest
03. Hate, Lead The Way
04. Cathedral Walls [feat. Anette Olzon]
05. Hearts Wide Shut
06. Silent Towers
07. Labyrinth Of London (Horror Pt. IV)
08. Of Death And Corruption
09. April 14th
10. Night Will Forgive Us

フィンランド一、いや、メタル界一”ニット帽が似合う男”こと、ミッコ・コタマキ君を中心とする六人組、Swallow the Sunの約二年半ぶりとなる通算五作目『Emerald Forest and the Blackbird』なんだけど、かのイェンス・ボグレンと共に製作された前作の4thNew Moonは当ブログの年間BESTにもランクインしたゴシック・メロドゥーム界の傑作だったけれど、NightwishNovembreとの仕事で知られるミッコ・カルミラ他フィンランドの名手たちが集結して録音を、そしてエンジニア&プロデューサーにHannu Honkonenを迎えた本作品も、前作に負けず劣らずの美メロドゥームを展開しているんだが、ギタリストJuha RaivioのサイドプロジェクトTrees of EternityのVoAleahの美しすぎるウィスパーヴォイスを再度取り入れた、壮麗なスケール感と壮絶なストーリー性に溢れた美しすぎるタイトル曲の#1”Emerald Forest And The Blackbird”とVoコタマキ君のクリーンな歌とアコギを基調とした#2”This Cut Is The Deepest”という序盤の流れからして前作との違いが明確に表れ、クリーンを主軸としたミッコの歌や音的にはBarren Earthからの影響か、哀愁漂うアコギを使ったプログレ/フォークへのアプローチが俄然強くなり、そのように使える音のバリエーションが増えた事によって、ブラックからのinfluenceを垣間見せる曲やアコギ主体の曲など・・・いわゆる”ドゥーム”だけにとらわれない幅広い楽曲を生み出し、作品を重ねるごとに円熟感が増していく彼らだが、本作ではその”円熟感”という言葉が実に似合う、”永遠の中堅”的なイメージからの脱却に見事成功した作品となっている。本国のチャートでアデルを抑えて初登場二位という快挙を成し遂げた事実が何よりの証拠で、前々作の『Hpoe』ではKatatoniaヨナスきゅんをゲストに迎えていたが、本作にはなんとNightwishアネット・オルゾンが#4で参加してる、っつー所も中堅からの脱却をアピールする一要因となっている。

 とか言うて、作風的/内容的にもジャケ的/収録時間的にも前作『New Moon』のが、一貫した作風の分かりやすさやメランコリックなメロディと激しいアグレッシヴネスとの良好なバランス関係があったと思うし、本作はシンフォニック&key主体の作風だからか、単純にParadise Lost直系のシンプルな泣きのギターが少ないのと、Voミッコの全くもってヨナ(ス)ってない歌メロの弱さが気になった。やっぱりイェンスの存在っつーのはデカイなぁと、本作の後に新月を聴くと改めてそれを感じた。けど、その前作だけが異色なだけで、どちらかと言えば本作のがプロダクション的にもスタイル的にも”Swallow the Sunらしい”作品と呼べるのかも。好みの問題ではあるが、おいらみたく、前作が好きな人にはやや冗長に聴こえるかもしれないが、その質は文句なしに高いです。要するに集大成的な作品。つうか、そんな事よりTrees of Eternityの活動はよー!

Emerald Forest & the Blackbird
Swallow the Sun
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The Saddest Landscape 『After The Lights』 レビュー

Artist The Saddest Landscape
The Saddest Landscape

Album 『In Love With The Sound』
In Love With The Sound

Track List
2. This Heals Nothing
3. The Urge For Permanence
4. When Everything Seemed To Matter
5. The Comfort Of Small Defeats
6. Days Of Punched In
7. Desperate Vespers

USはメリーランド州モンゴメリー出身の四人組、The Saddest Landscapeの約二年ぶりとなる二作目『In Love With The Sound』なんだけど、彼らの音楽性としては、昨年に紹介したロシアのNamatjiraにも通じる、パンクにルーツを置くオールドスクール・Hardcoreの精神を宿した、刹那的かつ激情的なリアル・スクリーモをやってのけ、時にカオティックに、時にエモーショナルに、その生々しい”サディズム”な暴力性と叙情味に溢れた繊細なメロディを持って、その悲痛な叫びと静寂の哀しみの鬩ぎ合いにより鋭く研ぎ澄まされた、”むき出し”の感情が音塊となって聞き手にダイレクトに訴えかける、そのありのままのピュアな姿勢に、その無垢で真っ直ぐな志しに、俺たちは高鳴る胸の鼓動を抑えることができない。
 
 そのリアルなハードコア体験は、冷徹なイントロから息を呑む緊張感と殺伐とした雰囲気と刹那的な感情を持って激烈に展開する#1”In Love With The Sound”から始まり、前半と後半に展開が二分した#2と”暴力のむき出し”をテーマとした感情の嵐に飲み込まれる#3、壮麗なヴァイオリンを擁した心安らぐ優美なメロディに胸が張り裂けそうになる名曲の#4”When Everything Seemed To Matter”、90sエモ的な#5、我を忘れ無心に暴れる#6、靭やかなメロディと悲痛な叫びと共に体の内から込み上げる熱き感情を持ってドラマティックに昇天していく#7”Desperate Vespers”まで、ピュアなHCを印象づける威勢のいい前半から、潤いを含んだメロディでemoチックに聴かせる中盤からの~嵐のように燃えたぎる激情を持って劇的に展開していく後半まで、トータル約24分があっという間に過ぎ去っていく(リピート余裕)、その気高くも凛々しい流れには衝動的なナニかを感じざるを得ない。

 そんなわけで、先日紹介したEverything Went Blackとは若干ベクトルが違うUSハードコアだが、よりピュアなHCに近い彼らの生々しくもエモーショナルな激情世界は一聴の価値あり。これもHC好きなら今年のマストだと思うよ。ジャケもいいし。

After the Lights
After the Lights
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Saddest Landscape
Topshelf Records (2012-02-14)
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Everything Went Black 『Cycles Of Light』 レビュー

Artist Everything Went Black
Everything Went Black

Album 『Cycles Of Light』
Cycles Of Light

Track List
1. XI
2. Gods Of Atlantis
3. Halo Of Vultures
4. Lifeless
5. Parades
6. Thorn Feeders
7. Amongst Wolves
8. Kingdoms
9. Baptists

USはミズーリ州セントルイス出身の5人組で、かの中堅レーベルProsthetic RecordsからリリースされたEverything Went Blackの1stフルレンス『Cycles Of Light』なんだけど、これがなかなかにTrap Themライクなクラスト系ハードコア・パンクってて、そのトラップと比べるとキレキレなソリッド感やカオティックなキチっぷりは弱いが、その代わりというか、メタルコア的なアプローチ=リフ&ブレイクダウン&Gソロやスラッジばりの重厚感と圧迫感が一方的に襲いかかり、クラスト然としたドス黒く泥臭く汚れた低音をクロスオーヴァーさせた、まさに”ブラッケンド・ハードコア”然とした楽曲を中心に、トータル約27分の間、その重戦車の如し怒涛の進撃の巨人がマシンガンの如くヘドロまみれの弾丸を浴びせる。淀んだ雰囲気のイントロの#1から、ドロドロモリモリな低音リフとハードコア精神が赤裸々にせめぎ合う#2”Gods Of Atlantis”、スラッジーなドロドロド低音が大地を轟かす#5”Parades”では壮麗なヴァイオリンを鳴らし、#8ではポストメタル的メロウな静寂パートを垣間見せる場面もあったりと、ただの”勢いだけ”のHCじゃなくて、時折顔を覗かせる優美なコントラストもあったりと、決して一筋縄じゃいかない曲展開が面白い。

 ・・・というわけなんだけど、ハードコアな勢いと真っ黒い重厚なヘヴィネスの双方が楽しめる本作品は、今年のハードコア界ではマストと言うても過言じゃない強烈なデビュー作。これ、Trap Themが好きなら絶対オススメ。正直、曲によってはトラップよりも俺好みだった。あとStatic Tensions期のKylesaが好きな人にも意外とイケるはず。

Cycles of Light
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Everything Went Black
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