Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

2012年03月

℃-ute解散がショック過ぎるので更新停止します

Les Discrets 『Ariettes oubliées...』 レビュー

Artist Les Discrets
Les Discrets

Album 『Ariettes oubliées...』
Ariettes oubliées...

Track List
01. Linceul d'hiver
02. La traversée
03. Le mouvement perpétuel
05. La nuit muette
06. Au creux de l'hiver
07. Après l' ombre
08. Les regrets

現代のナポレオンことネージュ率いるフレンチ・シューゲイザーの長Alcestの兄弟分であり、伝説的ポストブラックAmesoeursのメンバーで構成された、文字通り”芸術家”のFursy Teyssierを中心とする三人組、Les Discretsさんの約2年ぶりの二作目『Ariettes oubliées...』なんだけど、Fursy氏お手製のフレンチアニメを音で表現したかのような、まるでガラス細工のようにきめ細かなタッチで描かれた芸術的音世界を創造し、この手の界隈に衝撃を与えた2010年作の1stフルSeptembre et ses dernières penséesとは一味違った肌触りを持つ本作品、まず一番に気づくのはFursy氏の歌い方の変化や本格派ダーク・フォーク/ドゥーム・シューゲリフを擁した、終末思想を唱える破滅的/暗黒的ドゥームネスの減退だったりと、その荒涼感を伴った寂しく孤独な空間が存在した1stよりは俄然美術的/芸術的な方向へと立ち位置を変えたというか、南フランスの温かな情緒を肌で感じる和音を擁した神々しいまでの耽美なメロディや、慟哭/昂揚感を煽る実にepicッ!!なメロディを取り入れたことにより、俄然彩り豊かで絢爛な音に変わったというか、まるでルーヴル美術館に飾ってある絵画の世界へと迷いこんだような、”繊細” ”優雅” ”気品”に溢れた音が靭やかに反響する夢と芸術のファンタジアへ、主催FursyとAudreyによる闇夜に徘徊する亡魂たちの霊妙な舞踏会へと聞き手を誘い込み、要は全体的に兄貴分のAlcestライクな淡い儚系ポストロック/シューゲへと歩み寄った感が強く、中でもその”アルセ化”を俄然象徴する長編の#2”La traversée”や#4”Ariettes oubliées I: Je devine à travers un murmure...”を耳にすれば理解ッできるハズだが、まるでフレンチ映画を観ているかのような(#4のMV的に考察すれば『シルビアのいる街で』ライクな)、一つ一つのシーンを自然体のまま且つ情緒的に演出するリリカルな感動と共にざわめき始める心のカタルシスに、俺たちは胸を掻き毟りたくなるほどの衝動を抑えきれないまま、”幸”と”不幸”が複雑に交錯する淡い思ひでの中を、無我夢中で駆け抜け、永遠と彷徨った末に辿り着いた彼女の墓前を目の前にして、徐々に薄らいで行く彼女と過ごした記憶が瞬く間に甦り、背徳感を背負いつつ喪に服しながらそっと天を仰いだ後、俺たちは胸が張り裂ける想いを我慢する事ができずに、恥じらいもなくその場で只々うなだれ、声を大きくして泣き崩れる・・・ゥワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

 本作を一言で表すなら”慟哭”という言葉で、その”慟哭”感というのを強く印象づける#6”Au creux de l'hiver”(作曲はAudrey Hadorn)の名曲っぷりや、映画好きにはたまらないドラマ仕立てのMVになってる#4からは特に、本作の”凄み””epicッ!!”な精神性を感じる事ができる。結論としては、前作にはあった無二の独創的な音楽性=オリジナリティというのは薄れたかもしれないが(音質面に関してもそれは言える)、それらのマイナス面を補うほどのシネマティックな世界観と完成度を誇っている。アバウトな例えだが、イメージ的には二次元的なのが前作で、三次元的なのが本作。もはや、Fursy Teyssier氏の”表現者”としての才能が開花したといっても過言ではない。それほどに充実した一枚だ。当然至極、あるけすとの新譜より良いです。俺達があるけすとの新譜に期待していた”凄み”が本作にはあります。前作で既に感じた人も居るかも知れないが、改めて本作にて、Les DiscretsがAlcestの存在を超えた瞬間を目の当たりにし、そう、Les Discretsさんこそ、ヒップスター界の真の皇帝ナポレオンとなる・・・。

 ところで、Fursy Teyssier氏が手掛けたGhost BrigadeMVも良かったが、それを上回る今年のBESTMV賞となるであろう#4についてちょっとなんだが、主演男優にFursy、女優にAudrey、そして助演男優にWinterhalterが演じる本MVは、序盤のストーキングシーンのカメラワークは『シルビアのいる街で』の手法を応用してるんだが、すれ違う恋心をより儚くそしてリアルに表現する3分3秒の絶妙な途切れ方の演出も実に巧くて、トドメは4分50秒でのWinterhalterの圧倒的な窓際族的存在感が、要するに実にMerci、実にBonjour、実にBonsoir、というわけなんだ。

主演男優賞: Fursy Teyssier 女優賞: Audrey Hadorn 助演男優賞: Winterhalter


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Les Discrets
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If These Trees Could Talk 『Red Forest』 レビュー

Artist If These Trees Could Talk
If These Trees Could Talk

Album Red Forest
Red Forest

Track List
1. Breath of Life
2. The First Fire
3. Barren Lands of the Modern Dinosaur
4. They Speak With Knives
5. The Gift of Two Rivers
6. Red Forest
7. Aleutian Clouds
8. Left to Rust and Rot
9. When the Big Hand Buries the Twelve
 
USオハイオ州はアクロン出身の5人組、If These Trees Could Talkの約三年ぶりとなる通算二作目Red Forestが、彼らの初期衝動が詰まったデビューEP『S/T』と前作の1stフル『Above The Earth, Below The Sky』を凌駕するほどの完成度で、Red SparowesToolからのinfluenceを音の根底に感じさせる、実にリリカルでepicッ!!そしてロマンティック☆なオルタナ系ポストロックを本作でも変わらず展開しているんだが、その淡く儚げな美メロと生めかしい轟音が高鳴る昂揚感と共に靭やかに交錯する、ポーランドのTides From NebulaRussian Circles、最近ではロシアのPowder! go awayやドイツのLong Distance Callingを彷彿とさせる、ジャケのように淡くepicッ!!に光り輝く幽玄な森林の中で抒情的な郷愁物語を繊細に描き出すスタイルは、本作により俄然濃厚なストーリーを演出する表現力やスケール感が増した印象で、イントロ#1に次いで#2”The First Fire”と#3”Barren Lands of the Modern Dinosaur”そして#4”They Speak With Knives”までの壮麗な流れが映し出す、息をのむほどに美しくも幻想的な情景に俺たちは只々心奪われ、やはり”俺好み”のポストロックだという事を改めて実感させ、そしてここ最近のポストロックでは一番”ガチ”そして”epicッ!!”なバンド、だという事を確信させる傑作となっている。おいら、いわゆる王道的なUSポストロック勢とは確実に一線を画した、コイツらのUK的でもあり北欧的でもある陰影を覗かせる耽美な”音の旅路”、やっぱ好きです。つうか、前作レビューした記憶があったけどレビューしてなかった。たぶん書ききれなくて削除したんだと思うが。まぁ、いいか。

 さっき書いたとおり、先ず#2~#4までのepicッ!!epicッ!!epicッ!!に瞬く感動的な流れが生み出す”凄み”に只々圧倒され(中でも#2のガチ名曲っぷりったらない)、けたたましい轟音と激昂するギターの激しいせめぎ合いから、一段とリヴァーヴを効かせたギターをリードによりディープな幻想世界を創造する実にepicッ!!なタイトルトラックの#6、シンプルな#7,#8と間を挟んでトドメの#9で淡く幽玄な森の最奥部へと辿り着き、魂の安らぎを得る・・・。てな感じで、ポストメタル寄りだった名作EPや前作で聴かせたような、メタリックな生々しいヘヴィネス/ダイナミズムは若干薄まった感じだが、その分優美でアトモスなメロディを取り込み、俄然ポストロック然としたリリシズムと大胆な展開美に、只ならぬ幸福感と極上のカタルシスが得られること請け合い。特に美メロと轟音の強弱をより自然な流れで聴かせるようになったのは、本作一番のポイントと呼べそう。

 それにしても、前作があの出来だったにもかかわらず、今だレーベルとの契約がなく(LPはリリースしてるが)、本作品も前作同様セルフリリースだという事に驚いた、というか、軽くショックを受けた。んだが、本作も前作並、いや、それを超える上質なメロディが心地よく耳に浸透してくる。シンプルに、これはツボです。BEST行きの可能性大。


Red Forest
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Agrypnie 『Asche EP』 レビュー

Artist Agrypnie
Agrypnie

EP 『Asche EP』
Asche EP

Track List
01. Gnosis
02. Erwachen
03. 1.10#06+ 0.35
04. Augenblick
05. Kosmos [Omega]
06. Augenblick [demo]

ドイツはヘッセン州グロース=ゲーラウ出身の4人組、Agrypnieの約二年ぶりとなる新作EP『Asche EP』なんだけど、2010年作の3rd16[485]はその年のBESTにランクインするほどの良作だったが、このEPでも彼らの音楽的特徴である”メリハリ”厨が”静と動のメリハリガーメリハリガー”とか連呼しながら歓喜する事ウケアイなプログレッシブ・ブラックを相も変わらず展開してるんだが、EPでありながら約50分近い実に濃厚な本作は、#1”Gnosis”こそ前作の延長線上にある”漢のメロブラ”ではあるが、しかし#2”Erwachen”からはLantlôs的なアトモス&デプレそしてスウィーティな泣きメロを擁したり、ピアノやチルアウト的なニカをフューチャーしたインストの#3”1.10#06+ 0.35”やアンビエントな#5”Kosmos [Omega]”を聴けば理解ッできるとおり、本作では俄然”ポスト/アンビエント・ブラック”へと接近した、淡くて甘~い感じのアプローチを強めた事により、俄然俺好みになってきたなぁとブヒらせる一枚。ジャケも実にポストブラ的だ。そして、恐らく本作の作風を踏襲してくるであろう、今年にリリース予定の4thフルにも俄然期待が高まる。つうか、そんな事より、ボーカルの顔が地獄のミサワにしか見えない件。

Asche Ep
Asche Ep
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Agrypnie
Pid (2012-02-14)

Whirr 『Pipe Dreams』 レビュー

Artist Whirr
Whirr

Album 『Pipe Dreams』
Pipe Dreams

Track List
01. Reverse
02. Junebouvier
03. Bogus
04. Flashback
05. Formulas and Frequencies
06. Home Is Where My Head Is
07. Toss
08. Hide
09. Wait
10. Reverie

”これを聴いて以来、俺たちの心は遭難信号を発したまま、それっきり帰ってこない”・・・そんな2010年作のEPDistressorで衝撃的なデビューを飾った、新世代USBMことDeafheavenのギタリストであるニック率いる、USサンフランシスコ出身の桃尻女とシューゲイザー・バンド、Whirrの待望の1stフルレンス『Pipe Dreams』なんだけど、昨年のBESTにもランクインした前作の桃尻EPでは、胸キュン必須なマイブラ直系の王道シューゲを展開していたが、本作では先行EPとして一足先にお披露目された、爽やか&ポップにハジける青春パンクチューンの#2”Junebouvier”を筆頭に、#6”Home Is Where My Head Is”や#7”Toss”などから垣間見せる、より”パンク”を意識したギター・ポップ/ノイズ・ポップ的なスタイルに若干歩み寄っている感じがあるものの、基本的には紅一点Voアレックスたんの甘味なkawaii歌声と淡いギターサウンドが夢の世界で柔らかく調和するという、バンドの根本的な部分は変わっておらず、結論としてEPほどの”衝撃”や”胸キュン”度は低いが、ギターポップ然とした心躍る清純な疾走感やシューゲ特有の甘やかな肌ざわりを存分に楽しめる作品ではある。当然、おいらが求めたのは前作的な”個性”のある作風だったんだが、俺の界隈から隣の界隈にコンニチワと顔を覗かせた本作品も決して悪くないし、むしろこの方向性こそ、この先彼らが生きていく道なんだろうと、これを聴けば理解ッできるはずです。何はともあれ、まさかこんなに早くデビュー作が聴けるとは思ってなかったし、これを聴いて尚更、切実にライブが観たいという気持ちが強くなった。そして、スウィーティな轟音ノイズの雪崩に飲まれて、胸キュンしたまま蜂蜜のように甘い音の中を永遠に彷徨いたい。

 桃尻EPっぽい超絶胸キュンナンバーと呼べるのは#4”Flashback”、もしくはJesuちっくな#8”Hide”や#9”Wait”くらいで、#2から間髪入れずに始まる#3”Bogus”でのAmbient的なアプローチも好きだし、アコースティックな#5”Formulas and Frequencies”やトゥイー・ポップ的な#7”Toss”も実に本作ならではで、その辺からは大衆受けが望める要素を感じる。そんなわけで、どうやら国内盤にはボートラが三曲も収録されているらしいので、おいら、まだちょっとだけそれに期待していようと思う。

Pipe Dreams
Pipe Dreams
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Whirr
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Barren Earth 『The Devil's Resolve』 レビュー

Artist Barren Earth
Barren Earth

Album 『The Devil's Resolve』
The Devil's Resolve

Track List
01. Passing Of The Crimson Shadows
03. Vintage Warlords
04. As It Is Written
05. The Dead Exiles
06. Oriental Pyre
07. White Field
08. Where All Stories End

Swallow the SunのVoミッコ・コタマキ君をフロントマンに置く、元AmorphisKreatorのメンバーを擁する北欧フィンランドは首都ヘルシンキを拠点に活動する6人組のスーパーグループ、Barren Earthの約二年ぶりとなる二作目『The Devil's Resolve』が、このキモすぎるジャケからは想像できない、衝撃的なデビューを飾った前作のCurse of the Red River同等、いや、もしかしたらそれ以上かもしれない内容。で、その作風としては傑作だった前作を素直に踏襲した形で、メロデスやメロドゥームやスオミ・メタルを一つの器にブチ込んだ北欧幽玄プログレッシブ・メタルという、『Ghost Reveries』期のいわゆる”オペ某スタイル”は更なるスケール感とベタでクサいドラマ性を高める事に成功し、ゲストで参加しているコルピのバグパイプ禿が奏する、北欧特有の郷土愛を香らせるケルト&フォーキーな佇まいや、可憐なピアノの音色で俄然”プログレ”チックに演出するシンフォかつ叙情的なアモルフィス的アプローチが、前作同様これは・・・ッ!ダン・スワノ臭・・・ッ!!が嫌でも迸るあのモッコリ音質と共に、まるで戦隊モノのようなヒーロー・プログレッシブ・ミュージックを繰り広げている。

 とか言うて、あのデビュー作と聞き比べると、リフ回しや曲構成、そして持ち味である優美なフォーク/アコギ要素も前作のが味わい深かった気がするし、どっちかっつーと、本作は気持ちメロデス&メロドゥーム寄りな印象。あと、それなりのスキルを持ったメンバーが揃っているだけあって、デビュー作からその音楽性が既に完成され過ぎな面も正直あり、作品を重ねるごとに楽しめる音の違いや新鮮味が感じずらいというか、もうこれ以上大きな音楽性の変化はないんだろうな、とは思った。言い換えれば”安定”している。まぁ、プロジェクトっつーのはそういうもんだろうけど。やっぱり、前作の衝撃を経験してから本作を聴くと、如何せん既視感というのを強く感じざるを得ない。そんな感じで、個人的には、前作ほどではないが、Swallow the Sunの新譜よりはイイかな、といった感じの佳作。

ザ・デヴィルズ・リゾルヴ
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