Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

2013年03月

KEN mode 『Entrench』 レビュー

Artist KEN mode
KEN mode

Album Entrench
Entrench

Track List
02. No; I'm In Control
03. Your Heartwarming Story Makes Me Sick
04. The Terror Pulse
05. The Promises Of God
06. Romeo Must Never Know
07. Secret Vasectomy
08. Figure Your Life Out
09. Daeodon
10. Why Don't You Just Quit
11. Monomyth

今や、かの”ぴっちゅふぉーく”に見っかっちゃった状態の、”テンガロンハットニキ”ことフロントマンのジェシー・マシューソン率いるカナダの三人トリオ、KEN modeの約二年ぶり通算五作目『Entrench』なんだけど、俺的2011年度BESTにも堂々ランクインした前作の4thVenerableが、その手のメディアや好き者に高く評価された結果→(新作を控えた)かのKylesaと同レーベル霧の季節からのリリースが本作で目出度く実現したという事で、個人的に大変嬉しく思っている。つうか、今さらKENちゃん推しとか...どんだけ鈍感なんだよピカチューふぉーくw あの名盤の前作を推してない時点でピッチャーフォーク厨のミーハー具合が分かっちゃうんだが(やピ糞)、まぁ、それはステレオガム厨の陰謀という事にして、確かに本作はIsisMastodonを筆頭に幾多のビッグネームを手がけたMatt Baylesがプロデュースを担当ってトコロからしてスデに、マチュピチュフォーク厨がこぞって擦り寄ってきそうな感じ全開なんだが(案の定である)、しかし基本的には前作を素直に踏襲した上で、そこへTrap ThemConverge直系のキレまくりのカオティック/ハーコーパンク的なノリとデロデロデロデロデロレロレロレロレロレロ♪とかいうキモ過ぎるほど複雑怪奇なマス/テクニカルなリフをブッ込んだ感じのエクストリーム・メタルやってる。なんつーか、前作みたくスラッジ/ドゥーム大好きな”ヘヴィ”な部分と”メロディック”な部分が絶妙なバランスで共存した作風じゃあなくて、俄然今風のハードコア的な勢い/バカノリ重視の”至ってシンプル”な作風、といった印象。要するに、俺たちスラッジボーイよりもハーコーキッズにアピールした作品、というわけ。Kylesaの作品で例えると、名盤Static Tensionsが前作のVenerableで、本作『Entrench』がKylesaのSpiral Shadowに当たる作品、みたいな。なんつーか、「あっ、なんかコイツら垢抜けたな」って感覚ね。で、初っ端の#1”Counter Culture Complex”や#3”Your Heartwarming Story Makes Me Sick”そして同じくMatt Bayles繋がりのNarrowsのVoをゲストに迎えた#5”The Promises Of God”を筆頭に、前作の名曲”Batholith”がまさしく”Converge化”したような感じのド直球の爆走ハーコーやってのけ、MelvinsHelms Aleeを連想させる#2や#4、Isis風ポストメタルの#6”Romeo Must Never Know”は新機軸って感じの曲で聴き応えあるし、ポストハードコア然とした#8”Figure Your Life Out”の後半にかけての展開も見事だし、Earthを彷彿とさせる曲調から荘厳なストリングスを使ったラストの#11”Monomyth”もなかなか新鮮。といった感じで、本作を聴いても改めて前作の唯一無二っぷりを再確認するばかりなんだが、少なくとも音質は絶対に前作のが良い。今回のはちょっと軽いというか、妙にモダンさを意識した感がある。”重さ”という概念を”あえて”削ぐかのような音というか。今回はその辺りの変化も面白く聴けた。まぁ個人的には、ジェシーのとマジキチ染みたキレ芸および咆哮が聴けただけで大満足なんだけどね。

 結論として、全体を通してみても、やはり前作を基調にしているため、多少の既聴感は否定できないし、作品のインパクトという点でも、まさしく”初期衝動”が込められた前作に大きく劣る。しかし、この手の界隈の名プロデューサーの腕により一皮も二皮も剥けた、馬鹿でも猿でも分かる爆熱ハードコアは聴いてて素直にキモティィ!!し、完成度という点では前作並み、いや、それ以上か。ちなみに、今回のバンドロゴは前作同様にIsisアーロン・ターナーが手がけたもの。というトコロからも、あらゆる面においてメジャー嗜好の強い作風だという事が理解ッできる。だから今回のブッチャーフォークの擦り寄りも納得ッ~。あと相変わらずジャケ/ブックレットの粘土アートもセンスいい。今年、この手のハーコー好きなら当然のようにマスト。これはオススメ。



Entrench
Entrench
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Ken Mode
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Soilwork 『The Living Infinite』 レビュー

Artist Soilwork
Soilwork
Producer/Engineer Jens Bogren
Jens Bogren

Album 『The Living Infinite』
The Living Infinite

Track List
Disc I
02. Memories Confined
04. Tongue
05. The Living Infinite I
06. Let The First Wave Rise
07. Vesta
08. Realm Of The Wasted
09. The Windswept Mercy
10. Whispers And Lights

Disc II
01. Entering Aeons
03. Drowning With Silence
04. Antidotes In Passing
05. Leech
06. The Living Infinite II
07. Loyal Shadow
09. Parasite Blues
10. Owls Predict, Oracles Stand Guard
 
     ソイルワーク完全復活の影に
 イェンス・ボグレンという存在があった事は
     あの日の僕達はまだ知らない


北欧スウェーデンが誇るイエテボリ・メタル界の雄、Soilworkの約三年ぶり通算9作目『The Living Infinite』が、「ちょっとソイルワーク頑張りすぎィ!」とでも言いたくなるほど、これぞまさしく正真正銘の”メロデス”と呼ばれるソレをやっててヤビャい件。元々このソイルワークっつーのは、兄弟分のIn Flamesと並んでいわゆる”イエテボリ・スタイル”を確立し流行らせた北欧の重鎮だったが、いつの間にか「In FlamesとSoilwork、どこで差が付いたのか...慢心、環境の違い...」と巷で囁かれるぐらい、少なくとも人気という意味ではかなりの差をつけられていたし、2007年にリリースしたメタル界屈指の駄作こと7th『Sworn to a Great Divide』で自らにトドメを刺した結果→世界中のソイルワーカーから「ソイル逝ったあああああああああああああああああああああ...」と叫ばれるぐらい、極端な話、そろそろ解散しそうな晩年の雰囲気を醸し出してたほど、あの”難波!難波!難波ファイ!でもさ!でもさ!でもでもさ!”という空耳を生むレベルの威勢があった全盛期(中期)と比べると大きく凋落してしまった彼ら。しかし、プロデュース/エンジニアに”僕たちのボグボグお兄さん”ことイェンス・ボグレンを迎えた前作の8thThe Panic Broadcastでソイルワーク復活の兆しを見せ、その”復活請負人”としての異名を持つイェンスと再びッ!!強力なタッグを組んだ結果→本作で遂に『ソイルワーク完全復活』、というお話。しかもCD2枚組トータル約85分というボリューム満点の本作品、もうなんか一曲目の”Spectrum Of Eternity”からして「ちょwwwSoilがMeloblaに!?www」とでもツッコミたくなるほど、ストリングスを擁したゴシックホラー的なイントロから突如ブラストでブッ飛ばすドラムとスラッシーに刻むリフが極上のブルータリティとなって俺たちソイルワーカーに襲いかかる。もはや全盛期の勢いに勝るとも劣らない楽曲の完成度と、そして何よりも本作に対するバンドメンバー一人一人のポテンシャルの異常な高さに只々驚かされる一曲だ。そしてイントロからGソロまで超絶epicッ!!かつ叙情的かつメッロメロエッロエロに弾き倒すツインギターと男の色気に溢れたビョーン兄貴のクリーンVoに悶絶必須の#3”This Momentary Bliss”、ブラストからの~ポップなクリーンVoというまるでジェットコースターのような”二段階サビ”的な展開がツボ過ぎる#4”Tongue”で聴けるようなプログレスなエッセンスは実にイェンスらしい彼の『プロフェッショナル 仕事の流儀』を感じざるを得ないし、とにかくこのブッ飛んだ序盤の流れからして「俺たちのソイルワークが帰ってきたーーーーッ!」としか言い様がない。アコギで始まるミドルテンポ主体の#5”The Living Infinite I”は5th『Figure Number Five』期のモダニズムを感じると同時にデンマークのRaunchyっぽくもあり、Opethもビックリのシブいアコギで始まる#7、ゲストVoにJustin Sullivanを迎えた#9”The Windswept Mercy”、鍵番を筆頭にオルタナ/アヴァンギャルドな展開が新鮮で面白い#10”Whispers And Lights”でDisc Iのシメを飾る。で、重厚なインストの#1でダークな幕を開けるDisc IIも、のっけの#2”Long Live The Misanthrope”から露骨に4thや5thを彷彿とさせる曲で、イントロのアコギやメロトロンそしてビョーン兄貴の歌から何までOpeth大好き♥な#4”Antidotes In Passing”、激しくブルータルな#5、Disc Iからの続編でミドルでジックリと聴かせる#6、リフインストの#7からの~#8”Rise Above The Sentiment”の流れはDisc IIのハイライトで、そして最後はGojira大好きな#10でシメ。Disc 1&2を合わせた全体的な作風としては、前作8thのスラッシーなサウンドを基本の世界にして、そこへ中期のポップ&モダンな(回帰)要素や、今までになかったような音を新鮮なエッセンスとして巧妙に取り入れた感じ。で、大まかに言って前作を素直に踏襲した上で、バンドメンバー一人一人が持てるポテンシャルの全てをフルに発揮した結果がありのまま姿形となったDisc Iと比較して、Disc IIの方は#4,#7,#10などの言わば新機軸と呼べる楽曲が豊富にあって、「ソイルってこんな曲もできるんや、へー」って感心する。つまり、ミドルの曲からファストな曲までバランスよく、5thや4thの曲を再構築したような曲から、OpethやGojiraを連想させるアコギやエクストリーム系の音使いなど、それらのあらゆるジャンルの要素を飲み込んで、今のソイルワークがやりたいようにやった結果の傑作と言える。決して大袈裟なんかじゃなく、今までのソイルワークがやってきた事の集大成と呼んじゃいたいほどの聴き応えがあるし、”メロデス”としては当然のこと、純粋に一つの”メタル”としても楽しめる一枚だと思う。つうか、マジに来日祈願したいほど、聴いてて単純に『楽しい』...その一言に尽きる。

 そして『マージという名の電車』ならぬ『イェンスという名の電車』に乗って『あの頃』を思い返しながら全20曲トータル約85分の長旅を終えた後、世界中のソイルワーカーが「俺たちの『王』が帰ってきた・・・」と涙ぐみながら、そして嬉しくて自然と笑顔になってるハズ。今年の初めに”俺の界隈”の裏方としてイェンス・ボグレンを紹介した当ブログWelcome To My ”俺の感性”だからこそ、ソイルよりもまず何よりも”やっぱイェンスってスゲーわ”ってなる(なった)んだけども、一昔前は北欧のエンジニアと言ったらフレドリック・ノルドストローム一択だったが、いやはや時が経つのは早いもので、今や北欧一いやメタル界一のエンジニアと言ったらこのイェンス・ボグレンと言っても決して過言じゃあないわけだ。じゃあナゼに彼がそこまで高く評価されるのか?そのワケ理由ギモンの”答え”というわけじゃあないが、彼の確かな実力と確かな知名度に裏打ちされた本作を聴けば、多かれ少なかれその問に対する納得ッは生まれるハズ。そして俺たちは再びッ!!イェンス・ボグレンという存在に敬意を示さなければならない。ホント、もうなんかイェンスが好きすぎて辛いです・・・。何はともあれ、5月にリリースされる今年の大目玉”The Ocean×イェンス・ボグレン”の新作に俄然期待がかかるわけで、さてさて。

    『SoilworkはIn Flamesを超えた』

 という感じで、元嫁が日本人怪談作家の宍戸レイで知られるバンドのフロントマン、ビョーン兄貴の多様な咆哮やグロウルそしてダンディかつソウルフルなクリーンVoもさる事ながら、本作は何よりも誰よりも「この人途中でぶっ倒れるんじゃあねェの...」って心配するぐらい、この人ことドラマーのダーク・ヴェルビューレンの手数足数の多さに感服する。まるで若手バンドばりの勢いをもって、もはや笑っちゃうぐらいにブラスト乱発。なんつーか、”おっさんの本気”を垣間見た気がする。最高。そしてやはり、新メンバーとしてビョーンのサイドプロジェクトで知られるThe Night Flight Orchestraのギタリストデイビッド・アンダーソンを迎え入れた影響が、全編にわたってイキイキとしたメロディアスなGソロおよびメロディから強く感じられる。もはや体力の心配とかお構いなしに、もうなんか色々と吹っ切れちゃってる感が凄い・・・つまるところ、ドラマーのダークが所かまわずブラストぶっ放して、それに負けじとツインギターがピロピロギューンッ!!して、そこへスヴェン・カールソンによるkeyの中期風のモダニズムを加え、そして最後にビョーンがドヤ顔でダンディな雄叫びを上げてくれさえすれば、聞き手としてはもうそれで十分満足なわけで、それが今回、つまりメンバー一人一人が”やることやった”結果として、そらもう必然的に傑作になるよ。まさかまさか、キャリア終盤にきて最高傑作と呼ぶに相応しい新作を出してくるとか...なんかもう『SoilworkはIn Flamesを超えた』とでも言いたい気分だ。マヂでウケる。これはKATATONIA死の王に対しても思ったんだけど、おいら、一度天下を取ったらその後滑り台のように見事なまでに凋落するスウェーデン勢のリアルな生き様が好きだ。そしてまた”復活”する辺りも大好きだw この価値観...それなりの”スウェ厨”なら理解ッしてくれるハズw そしてまさに今ッ!!僕はこの『誇り高き北欧のイエテボリ男たちのアツい生き様』すなわち『人間賛歌』に敬意を表するッ!そんなわけで、今年はソイルワークの新譜をドヤ顔で褒め殺して通ぶっちゃおう!君も乗り遅れるな、このソイルウェーブにッ!つうか、いつメロデス聴くか?今でしょ!
 
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Soilwork
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Amplifier 『Echo Street』 レビュー

Artist Amplifier
Amplifier

Album 『Echo Street』
Echo Street

Track List
2. The Wheel
3. Extra Vehicular
4. Where The River Goes
5. Paris In the Spring
6. Between Today & Yesterday
7. Echo Street
8. Mary Rose

”ジーニアスおっさん”ことSel Balamir率いるUKはマンU出身の四人組、Amplifierの約二年ぶり通算四作目『Echo Street』なんだけど、本作品は2011年に惜しまれつつ解散した同郷の”プログレッシヴ・デス・インディ”ことOceansizeのギタリストSteve Duroseを新メンバーとして(救済)迎え入れてからは”初”となる期待の新作。で、真っ黒なタコ墨に染まったジャケのイメージどおり、無数の暗黒物質が蠢く宇宙規模の超スケールをCD2枚組で描き出した前作の3rdThe Octopusは、その年のBESTに入ってもおかしくないレベルの傑作だったにも関わらず、まさかAmplifier自身のセルフリリースだという事に驚愕したわけなんだが、しかし、その素晴らしい内容が正当に評価された結果→本作で遂に”Love & Peace”の提唱者である俺たちのKscopeから目出度くリリースされる形となった。つうか、今までの音楽性からずっとKscope所属かと勘違いしてたぐらいで(えっ、元からKscopeじゃなかったの!?って)、しかしその勘違いはある意味”正しかった”と本作で解き明かされるわけなんだが...。

 前作の真っ『黒』いタコジャケからイメージされる音のまま、グランジ/ストーナー/スラッジ流れの”暗黒エネルギー”を形成していたモダンなヘヴィサイケとは真逆/対照的であるかのように、本作はアレッシーの如く「えらいねェ~~~」とでも言いたくなるを基調とした清らかなジャケからイメージされるような音がありのまま素直に、例えるなら中期のPorcupine Treeを彷彿とさせる薄日が射すようなアートロック/ポストロックおよびKscope『理念』そして『信念』として掲げる、いわゆる”Post-Progressive”のド真ん中をゆく淡い情緒に満ち溢れた実に叙情的な音世界が繰り広げられ、まさに「同じようなことを繰り返したくない」と語る”ジーニアスおっさん”の本作に対する確固たる意志とその覚悟が理解ッできる。要するに、予想どおり過ぎるぐらい完全にKscopeの支配下に置かれた音楽性へと”変化”してるわけ。まぁ、それはそうとして、本作『Echo Street』を象徴するのイメージは、独特の浮遊感とポカポカした温もりに包み込まれるアコギ主体のネオ・プログレ曲の#1”Matmos”から十二分に感じ取れるんだけど、この曲、何かに似てると思ったらドイツのRPWLっぽい事に気づいた。当然、Kscopeへ移籍した影響も大なり大なりあるのか、少なくともこれまで以上に中期以降のPTやBlackfieldやフロイドそして『Tightly Unwound』期のThe Pineapple Thiefを連想させる、昼寝したくなるほど心地のいい繊細な肌ざわりを楽しませる作風なのは確か。その言わば”Kscope化”が著しいのは、近年PTライクな#2,#4,70s風の#6,シューゲイザー風味の#7なんかは特に顕著に感じる。個人的には、おっさんサイズ風の#5が一番好きなんだけども、全体的にはアコースティックな音主体で”ジーニアスおっさん”の穏やかでいて陽気なボーカル/コーラスを効果的に起用しながら、まさしくジャケの女の子(薄明かるい場面)と日陰の男の子(薄暗い場面)を交互に行ったり来たりする、ホンワカ~した感じの程よくウェットなゆるふわサウンド。したがって、前作のような暗黒アトモス空間(ブラックホール)を期待したら間違いなく肩透かしを食らいます。ショージキなトコロ、前作The Octopusに大きな衝撃を受けた身としては、その前作的な作風を引き続き本作に期待していたナニがあったけど、今回”ジーニアスおっさん”が語った言葉の意味を理解ッすれば十分に納得ッできるし、この手の好き者(Kscope信者)なら手にして損はないハズ。これからの季節にピッタリなトコロも味わい深さアップ。

Echo Street [from UK]
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Fen 『Dustwalker』 レビュー

Artist Fen
Fen

Album 『Dustwalker』
Dustwalker

Track List
01. Consequence
02. Hands Of Dust
03. Spectre
04. Reflections
05. Wolf Sun
06. The Black Sound
07. Walking The Crowpath

今やAgallochさんのツアーのサポートに抜擢されるまで成り上がった、The Watcher(Vo,Gt)と"Grungyn"(Vo,Ba)の二人を中心とするUKはロンドン出身の三人トリオ、Fenの約二年ぶり通算三作目『Dustwalker』なんだけど、彼らの音楽的特徴である、粗暴性や荒涼感を撒き散らしながらありのままの自分を曝け出すブラストを使った疾走パートと、無慈悲な静寂と仄暗い不穏な空気感を形成するポストロック流れのユラリ揺らめくユウゲンなメロウネスを緩急&プログレスに交錯させた、要するにUSのAgallochさん直系のアトモス系ポストブラック/ブラックゲイズスタイルは本作でも特別大きな変化はないが、昨年またしてもキーボードのÆðelwalhとドラマーの"Theutus"が脱退した影響か、キモチワルイぐらいにユウゲンな世界観を形成していたkeyによるアトモス成分がかなり希薄になった結果→俄然オーガニックなプログレッシブ・ブラック風味の強い作風となっている。その冷徹でありながら仄かにロマンティックなkeyが主役級の活躍を魅せる前作の2ndEpochは捨て曲なしの良作だったが、今回はやはりそのkeyの脱退が直接的に強く作風に影響してて、結論から言っちゃえば2ndや1stほどのインパクトはない。そう考えると、keyという過剰な味付けがない分、本作は1st寄りの作風と言えるのかも。しかし楽曲の質は過去作のが圧倒的に上。ショージキなトコロ、2ndの曲と比べるとイマイチ盛り上がりに欠けるというか、少なくともおいらみたいな”アトモス厨”にはウケが悪そう。これは典型的なプログレ・ブラックの#1”Consequence”を筆頭に、イントロからまるでシガーロスばりのトレモロやアイルランドのPrimordialやオランダのHypomanieを連想させる#2”Hands Of Dust”、最初から最後までAlcestリスペクトな#3”Spectre”、そしてUSのChrome Wavesを彷彿とさせるepicッ!!系ポストブラックの#5”Wolf Sun”を聴けば特に顕著に感じる事なんだが、全体的に曲の雰囲気が妙に薄明るくなったというか、これまで以上にAlcest風ポストロック的なアプローチが強い印象。ソレによって、彼らの大きな持ち味である『ドス黒い悪』すなわち”らしさ”は極めて薄くなっている。そんなわけで、微妙な作風の変化はあるし、前作の名曲”Carrier Of Echoes”を超える曲はないものの、この手のポストブラリスナーを十分に納得ッさせるだけの内容してるのは確かだし流石。

Dustwalker
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Jolly 『The Audio Guide to Happiness (Part 2)』 レビュー

Artist Jolly
Jolly

Album 『The Audio Guide to Happiness (Part 2)』
The Audio Guide to Happiness (Part 2)

Track List

01. Guidance Three
02. Firewell
03. You Against The World
04. Aqualand And The Seven Suns
06. Golden Divide
07. Guidance Four
08. Lucky
09. While We Slept In Burning Shades
10. Despite The Shell
11. As Heard On Tape
12. The Grand Utopia

Riverside『New Generation Tour』のオープニングアクトに抜擢された、かのInside Out所属のUSはニューヨーク出身の四人組、Jollyの約二年ぶり通算三作目『The Audio Guide to Happiness (Part 2)』なんだけど、本作は前作The Audio Guide To Happiness (Part I)の続編に当たる作品で、その内容も前作同様、Pink FloydMuseライクなオルタナ/ゲージュツ性と近年デヴィン総裁Meshuggahライクな鬼グルーヴ/モダンヘヴィネスそしてHIMにも通じるUKニューウェーブ/ゴス的なアンニュイな雰囲気がクロスオーヴァーしたネオ・プログレメタルを展開している。要するに、RiversideAnno Domini High Definitionに限りなく近い音楽性したバンド、というわけなんだが、前作の内容もすこぶる良かったが、待ちに待った本作はソレと比べても勝るとも劣らない内容で、相変わらず俺たち界隈好みの超シゲキ的な音楽やっててもはや笑うしかない。つうか、なんでこんなに過小評価されてんの?って、おいら、デビュー作を聴いた時から思い続けてるんだが、なんで?でもまぁRiverside好きならスデに知ってるし評価されてるだろうから別にいっか。で、前作のガイダンス1&2に引き続いてガイダンス3から始まり、メタルコアのブレイクダウンに通じる実に彼ららしいゴッリゴリのモダンヘヴィネスとヌー・メタル風のノリが一際アグレッシヴな展開を魅せる#2”Firewell”、独特の色気を纏ったフロントマンAnadaleのシブい歌声を中心に聴かせる#3”You Against The World”、再びッ!!イントロから近年デブ豚やメシュガニキ直系のモダンなヘヴィネスを轟かせ、アコギ/美メロパートを交えながらプログレスに展開する#5”Dust Nation Bleak”、また彼ららしい一面を覗かせる電子音を使ったポップでファニーな#8”Lucky”、デヴィン総裁の『気』を彷彿とさせる#9”While We Slept In Burning Shades”、そして本作のハイライトとなる#10”Despite The Shell”、ケルティックな音色が絶妙なアクセントとなる#11”As Heard On Tape”、そしてエレクトリカルな#12”The Grand Utopia”まで、全12曲トータル約56分。お気に入りは#2,#3,#5,#10あたり。そんな感じで、やっぱここのボーカルのAnadaleって地味に歌上手いよねと再確認した一枚。
 

Audio Guide to Happiness Pt. 2
Jolly
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