Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

2014年08月

Wovenwar 『Wovenwar』

Artist Wovenwar
Wovenwar

Album 『Wovenwar』
Wovenwar

Tracklist
01. Foreword
02. All Rise
03. Death To Rights
04. Tempest
05. The Mason
06. Moving Up
07. Sight Of Shore
08. Father/Son
09. Profane
10. Archers
11. Ruined Ends
12. Identity
13. Matter Of Time
14. Prophets
15. Onward

ロリペド VS, 嫁キラー ・・・ここ最近、20世紀後半のロック界が生み出した凶悪犯罪者といえば→Lostprophetsのボーカリストでありロリペドクソ野郎ことイアン・ワトキンス、いわゆるメタルコアとかいうジャンルにガチで終止符を打ちやがったAs I Lay Dyingのボーカリストであり嫁殺人(未遂)野郎ことティム・ランベシスという、現代のロック界およびメタル界を代表する二人のボーカリストの一騎打ちだろう。で、このWovenwarというバンドは→アズ・アイ・レイ・ヨメ・ダイングの取り残された4人のメンバーが、ex-BtBaMのギタリストでありOh, SleeperのボーカリストShane Blayを引き入れて結成された新バンドで、そのWovenwarというバンド名を冠したデビュー作が名門Metal Bladeからリリースされた。

アズアイ-暴虐性+シェーン= ・・・イントロ(#1)を引き継いで幕を開ける#2”Foreword”から、当然ながらアズアイの面影を直に感じさせる、(スラッシュ/ブルータルな暴虐性を排除した)よりメロディックに振り切ったツインギターによるキュルキュルっとした叙情性とボーカリストShane Blayのエモーショナルで力強いキャッチーな歌メロをフューチャーした、それこそこのWovenwarを象徴するかのような楽曲で、元々アズアイ自体メロディセンスはあったし、まさしくそれを再確認させるようなキラーチューンとなっている。その#2をはじめ、基本はシェーンの歌声からなるアメリカン・ハードロック直系の素直なメロディを、面影はあるが確実に一線を画したアズアイ生き残り勢によるメロディックなサウンドがバックを支えるという、あくまでもガッツリ歌えるタイプのVoシェーンの説得力ある歌声を最大限に活かしたシンプルな楽曲を中心に、途中H.I.Mばりの耽美なゴシック感を醸し出す#8”Father/Son”やロリペドプロフェッツに対抗するような#9”Profane”をアクセントとして挟みながら、各楽曲に施されたアレンジにより微妙に表情を変化させていく安定感のあるソングライティングとバンドの確かなテクニックに裏打ちされた、質の高いメロディックなロックアルバムとして楽しませる。そのスタイルは、KeEのセルフタイトルやex-KsEのハワード率いるDevil You Knowを彷彿とさせる。他にも→#5や#11のメッロメロなギターは大きな聴きどころで、まるで「メタルコアはクソだ!」と言わんばかりの、完全に吹っ切れちゃってる叙情的なギターからは色々な事が想像できて面白い。で、アズアイでもその確かな存在感を示していた、ベーシストJosh Gilbertのハイトーンコーラスはバンドが変わっても健在で、しかも#13”Matter Of Time”ではメインボーカルを張っていて、なんか「もうお前が歌えばいいじゃん」って思っちゃったんだからしょうがない。
 
Wovenwar
Wovenwar
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Wovenwar
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Fallujah 『The Flesh Prevails』

Artist Fallujah
Fallujah

Album 『The Flesh Prevails』
天使と悪魔

Tracklist
01. Starlit Path
02. Carved From Stone
03. The Night Reveals
04. The Flesh Prevails
05. Levitation
06. Alone With You
07. Allure
08. Sapphire
09. Chemical Cave

Atmospheric Music ・・・2007年にUSはサンフランシスコで結成され、2009年にEP『Leper Colony』でデビュー、2011年にUnique Leaderから1stフル『The Harvest Wombs』をリリースし、昨年のEP『Nomadic』で遂にATMS界隈の住人すなわちATMS厨に見っかっちゃった五人組、Fallujahの2ndフル『The Flesh Prevails』は→1stフルこそジャケからして”ありがち”なデスコアだったけど、先のEPで培ったAmbient/Atmosphericな美意識を高め、その才能が更に開花したのが本作である。

天使悪魔 ・・・その音楽性としては→基本はブラストを多用したデスメタル寄りのブラッケンド・デスコア/テクデス系の邪悪な凶暴性と、いわゆるAtmosphericな音響(宇宙)空間すなわちATMSフィールドの中で生成される美意識が融け合った、それこそMTG風の『天使と悪魔』を体現したような今作のアートワークの如し暴虐無人なスタイルで、その美(メロディ)と醜(デス)の要素がソリッドな緊張感と共に絶妙な均衡を保っている。そして何といっても、バンドのキーパーソンとなるギタリストのScott Carstairsによる、全盛期Opethミカエル・オーカーフェルトを彷彿とさせる流麗なギター・ソロ、そのギターの導入法というか取り入れ方のセンスが異常で、それは本作の幕開けを飾る#1”Starlit Path”のギター・ソロからして顕著だ。そのDjentにも精通する、歴代のギター・ヒーロー顔負けのギター・センスは全編にわたって発揮されているが、中でも#3”The Night Reveals”のエピカルで叙情的かつ耽美なメロディ、そしてPortalあるいはCynicリスペクトなフュージョン風のフェノミナンなギター・プレイを聴かせる#4”The Flesh Prevails”や#5”Levitation”は、もはやPost-Djentと言っても差し支えないレベルだ。

Ope-Style ・・・極めつけには→その#4や#5でもそのフェミニンな存在感を示していた女性ボーカリストRoniit Alkayamのウィスパーボイスをフューチャーした、Born of Osirisで言うところの”A Solution”や前作のEP『Nomadic』で言うところの”Silent”、そしてスウェーデンのCarbon Based Lifeformsを彷彿とさせる、インダストリアリズム溢れるシャレオツでチルいサイビエント/アンビエントナンバーを#6にドヤ顔でブッ込んでくるあたりもクソ憎らしいというかクソあざとい演出で、まさにFallujahAmbient/Atmospheric Musicに対する意識の高さ、ココに極まれりって感じだ。それこそ”真性デスメタルの皮を被ったAtmospheric Music”という本来の姿、その本性を堂々さらけ出している。それはまるで、デスメタルという偽りの姿で70sプログレやってた全盛期のOpethと存在が重なって見える。とにかく、デスメタルという醜い音楽性から”美しさ”を見い出すというドM行為、そのAya-StyleもといOpe-Styleを極めしオシャンティなセンスは全盛期のオペにゃんに匹敵するし、事実それを現代で極めてるのって最近だとOGのNe Obliviscaris(ネ・バブリシャス)しか僕は知らない。現に扇情感を煽るクリーンなメロディをブラストに乗せて天まで駆け上がる超絶epicッ!!な展開力はバブリシャスと瓜二つだ。

Fallujah VS, BoO ・・・今回、比較対象としたBorn of Osirisとは少し違って、ジェント・リーなリフ回しでDjentへのフィーリングを垣間みせるのではなく、あくまでもギターのエロいテクニックやソロプレイでDjent感をさり気なくほとばしらせていく玄人風のスタイルで、もはや「キーボード()とか邪道、男は黙ってギター!」と言わんばかりの、キッズ向けのBoOよりも俄然”ツウ好み”な圧倒的ソングライティング、BoOのギタリストLee Mckinneyを凌駕し、あのトシン・アバシに迫りゆく圧倒的なギター・ミュージックに涙不可避な快作だ。現在の所属レーベルはUnique Leaderだけど、これを聴く限り次作あたりでSumerianに移籍しても全然驚かないし、むしろ今のBoOより全然勢いある。
 
Flesh Prevails
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Fallujah
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Widek 『Outside the Universe』

Artist Widek
Widek

Album 『Outside the Universe』
Outside the Universe

Tracklist
01. The Space Between Us
02. Above The Sky
03. Spiral
04. Galaxy
05. Aries (feat. Gru)
06. Stargaze
07. Orion
08. Cosmic Ocean (feat. Tomas Raclavsky)
09. ION
10. Saturn (feat. Sithu Aye)
11. Celestial
12. Falling Universe (feat. Gru)
13. The Last Day on Earth
14. Ursa Major (feat. Gru)
15. Enter Through The Sun (feat. Matthieu Romarin & Gru)
16. The Astronaut

【ジェント界のオールスター】・・・いわゆるDjentっつージャンルって、開祖Meshuggahをルーツとする正統派からプログレ・メタルに歩み寄ったDjentから女ボーカルのkawaii-Djent、メタルコアを乗っ取ったDjentからスパイス・ボーイズ系のikemen-Djentまで、一見アンダーグラウンドでニッチなジャンルのようで実はとっても幅広くて奥深いジャンルなんだけど、このポーランド出身のWidekはアンビエント/アトモスフェリック系の独りDjentで、アトモスフェリック×ポストメタルなDjentといえば真っ先にフランスのUneven Structureを彷彿とさせるが、このWidekの1stフル『Outside the Universe』は、そのUneven StructureのボーカルMatthieu Romarinや同郷のGruやビルマ(ミャンマー)出身のSithu Ayeなどの著名なDjentlmenをゲストに迎えた、ある意味でジェント界のオールスター的な作品となっている。

【Shoegazer×Djent=Shoedjent】・・・オープニングを飾る#1”The Space Between Us”から、スウェーデンのCarbon Based Lifeformsを思わせる超宇宙なアンビエント空間の中で、Hammockを思わせるポストロック流れの情緒感あふれるリリカルなメロディが華やかに美しく、そして力強くエモーショナルに咲き乱れる曲で、この時点でWidekのアトモスフェリック・ミュージックや”ポスト-系”に対する意識の高さが伺える。更に次の#2”Above The Sky”では、このWidekがやっぱりタダモノじゃない事を痛感することになる。AmbientとDjentの組み合わせは”Ambidjent”と呼ばれるくらいには有名だけど、この曲はShoegazerとDjent=Shoedjentという今までにありそうでなかった珍しい組み合わせ...というより、ジェント界隈の人間がシューゲっぽい曲やってる事にまず「シュゲー!!」って驚く。・・・で、再びポストロック流れのミニマルでエピカルなメロディをフューチャーした#3”Spiral”なんかは、それこそOGのsleepmakeswavesがジェント化したような感覚すらあって、続く#4”Galaxy”のジェント然としたガーガーガーガーガーニキガーニキガーニキ的なリフを耳にして初めて→「あっ、これってジェントだったんだ!」ってなるくらい、そのアンビエント/ポストロックの流れを汲んだ淡く繊細なメロディセンスは、少なくともこのジェント界隈では頭ひとつ抜きん出ている。

【スペースノイドマン】・・・その後も→”Stargaze”やや”The Astronaut”などのアンビエント系から、”Orion””Cosmic Ocean”などのGod Is An AstronautもしくはAtomaがジェント化したような曲、TesseracT風のアルペジオを駆使した”ION””Saturn”など、時に夜空に煌めく星のように、時に天体観測からの「あっ!あれオリオン座じゃない?」と独り言いってみたり、時に宇宙の果ての銀河に放り出されて→「あたしサンドラ・ブロック、ガチで宇宙空間を漂流中」を再現したり、かと思えば一転して深海の神秘に惹き込まれたり、時に夢のようにシネマティックな音世界を独り旅してみたり、時に独りで『惑星ソラリスとの交信』をしてみたり、時に映画『地球最後の日』あるいは『メランコリア』の壮絶なラストシーンを疑似体験させたりと、孤独死不可避な喪男だからこそ捻り出せるそれらのキモーショナルなメロディを自在に操る、まるでNHK宇宙チャンネル『コズミックフロント』を観ているかのようなサウンド(ドリーム)スケープを目の当たりにしたら最後、気づくと私はスペースノイドと化していたのだッ!・・・(続く)

【Djent化したCBL】・・・一概にジェントと言っても、基本は短尺(約3分)の曲で構成されたチルいインストアルバムで、しかしインストに感じないくらい豊富なメロディの洪水にはぐうの音も出ない。現にUneven Structureのボーカルをゲストに迎えた”Enter Through The Sun”を聴いて、ようやくこのWidekがインストだという事に気づいた(おそ)。まぁ、それは冗談だけど→ジェントには”必ずしもボーカルは必要でない”という事を証明するかの如く、孤独感に苛まれた喪男の腐敗した心を浄化するような聖なる清らかなメロディに満ち溢れ、それはまるで地球外生命体すなわちエイリアンが繭の中で孵化していく絶望的でありどこか神秘的な姿を映し出すかのよう。もはや、あのSadistik”ヒップ・ホップ化したCarbon Based Lifeforms”だとするなら、このWidek”ジェント化したCarbon Based Lifeforms”だ。メロディ以外の面では、ヘタにジェントジェントしたリフを多用するのではなくて、あくまでもマスいリズムに重きを置いた一種のポストメタルあるいはモダンなヘヴィロックとも取れるリフ回しを得意としている。 今年、ジェント界におけるオモテのBESTアルバムがAnimals As LeadersThe Joy of Motionならば、このWidekの1stアルバム『Outside the Universe』はウラのBESTアルバムと言っていい。それほどまでに、今や星の数ほど存在するDjentlmenの中でも、このWidekはペリフェリーをはじめとしたジェント界の重鎮にも決して引けをとらない、実はもの凄く先鋭的なDjentを体現しているスーパーDjentlmenなんじゃあないかって。
 

Destiny Potato 『LUN』

Artist Destiny Potato
Destiny Potato

Album LUN
LUN

Tracklist

1. The Build Up
2. Indifferent
3. Take a Picture
4. Machine
5. Love Song
6. Lunatic
7. Walls of Thought
8. Blue Sun
9. U.Y.M.
10. Lost Dream
11. House of Lies
12. Addict

【女子禁制】・・・いわゆるDjentっつージャンルって、ヒキコモリのギターヲタクもとい紳士すなわちDjentlmen向けの、つまり”女子禁制”のジャンルみたいなイメージがあるけど(ベビメタは例外として)、その名前からしてDjentやるために生まれてきたような紅一点のボーカリストAleksandra Djelmasとソロでも活動しているDavid Maxim Micic率いるセルビアはベオグラード出身の4人組、”運命のポテチ”ことDestiny Potatoの1stフルアルバム『LUN』が遂に満を持してリリースされた。2011年にデモ音源がリリースされた当時は、まるでデヴィン・タウンゼンド総裁がDjent化したようなスケールを感じさせ、いずれDjent界を代表するバンドになると大きな期待を寄せたDjentlmenも大勢いたと思うし、事実かのCentury Media Recordsにツバをつけられるレベルのバンドだったハズなんだけど、もう一人の女性ボーカルを含む複数のメンバー脱退という相次ぐ災難を乗り超え、度重なる紆余屈折を経て今年ようやくデビューアルバムをリリースするに至った、というわけ。実は自分の中で、サブカル左翼芸人としての本性を現した女優能年玲奈もといVampilliaDestiny Potato、どっちが先に1stフルを出すのか心の中で賭けてたんだけど、結果は数ヶ月の差で前者のサブカル左翼芸人が勝者となった(何の戦いだ)。

【kawaiii-Djent】・・・まぁ、それはそうとして→本作の収録曲を見ると、デモ音源のほとんどの曲がオジャンになっているのが分かる。そのデモでは、Rolo Tomassi系のマスコアやデヴィン系のプログレッシブなモダン・ヘヴィネス、そしてDjelmasによるポップでカワイイ系のボーカルやキーボードでカラフルな色とりどりの表情を垣間みせるkawaiii-Djentやってて、この”運命のポテチ”がいかに将来を期待されるバンドだったのかが分かる。そのデモ音源のイメージを持って本作を聴いてみた感想なんだけど→グリッチ感あふれるインダストリアルなエレクトロとピアノが多重に重なり合うシャレオツなオープニングを飾る#1”The Build Up”から、まるで女版ペリフェリーを襲名するかのようなドライブ感あふれる爽やかなジェントを披露する#2”Indifferent”、まるでt.A.T.uもしくはスパイス・ガールズなどのアイドル・ポップスがジェント化したような#3”Take a Picture”Devin Townsend Project『Ghost』リスペクトなチルいエレクトロやアンビエントな音使いで神秘的かつ情緒的に聴かせる#4”Machine”、その情緒感を引き継いで始まる#5”Love Song”はコミカルでファニーでkawaiiノリを兼ね備えた曲で、その可愛い顔したキラキラ☆な瞳の奥に潜む漆黒の闇を叫ぶようなドギツいスクリームと暴虐的なブラストビートが織りなす超ド級のスケール感と今世紀最大のギャップ萌えは、それこそ「女の子はバクハツです。」と言い放った女優能年玲奈ちゃんのような楽曲だ。

【今時のジェント女子は運命のポテチでジェジェっちゃうキャピ☆】・・・ここまでの前半戦はアイドル顔負けのkawaii-Djentを繰り広げるが、後半からは→Textures風のタイトでオルタネイトなバッキングにデヴィン顔負けのミュージカルチックなアレンジを施した#6”Lunatic”、可憐なピアノをフューチャーしたオルタナチックな#7”Walls of Thought”、宇宙空間をピュンピュン飛び跳ねるようなキーボードを駆使した#8”Blue Sun”や#9”U.Y.M.”、デモ音源から唯一生き残った曲であり、ヌー・メタルばりのエグいウネりを効かせたリフとDjelmasの力強い歌声が爆発する#10”Lost Dream”、悲哀を奏でるピアノと重厚なストリングスが織りなすバラード風の幕開けから後半ドラマティックに展開していく#11”House of Lies”、中東風味のオリエンタルな音色とジェント・リーなリフ回しでプログレッシブに展開する#12”Addict”まで、まるでアイドル顔負けのポップな音使いからインダストリアルな音使い、オサレな音使いからデヴィンなツルツル感、オリエンタルな音使いからシンフォニックな音使い、ブルータルな音使いからミュージカル風の音使いなど、ボーカルのメロディ自体はデモ音源のが良かった気がするけど、とにかくアレンジがコミカルだったりファニーだったり可愛かったりと多種多彩で、それこそ今にでもデヴィン・タウンゼンド総裁と絡んでもおかしくないっつーか、いや流石にそれは大袈裟かもしれないけど、極端な話→カルト映画『ファニー・ゲーム』の如し奇抜なユーモアとユニークなアレンジを駆使しながら、まるで一種の新喜劇という名のサウンドスケープを繰り広げる姿は、他のナルシスト系Djentlmenらと一線を画した唯一無二のkawaii-Djentと言えるだろう。とにかく曲のバラエティが豊富で、メリハリもあって最後まで飽きさせない。そして何よりも、決して”うまい”とは言えないような、良い意味で”素人もの”っぽくて青くさいボーカルのアングラ感に”Djent”たる所以を感じた。

【女の子パワー】・・・正直、内容の良し悪しよりも、バンド存続の危機的な状況の中でよくぞデビュー作をリリースしてくれたと思う。まず、そこに敬意を表したい。実際その音楽性も、ここまで幅広いジャンルを取り込んだジェントは他にないってくらいユーモラスなセンスに溢れたポップでキュートなDjentで、もはやDjentというジャンルの新たな可能性を能年玲奈ちゃん並みの女の子パワーで切り拓いてみせた、これはもう昨今のジェント界における”最重要作品”と言っても決して過言じゃあない。んでおいら、このアルバムを聴いたら→願わくばThe Agonist『Lullabies For The Dormant Mind』で巻き起こした一時の嬢メタルムーブメントのように、「どうにかして”ジェント女子”が音楽シーンで流行らないものか?」なんちゅー妄想に駆られた・・・けど直ぐに諦めた。とか言いつつも、このアルバムを皮切りにkawaii-Djentが徐々に増えていきそうな予感がしないでもないジェジェジェ~!?

Monuments 『The Amanuensis』

Artist Monuments
Monuments

Album 『The Amanuensis』
The Amanuensis

Tracklist
02. Origin Of Escape
03. Atlas
04. Horcrux
05. Garden Of Sankhara
06. The Alchemist
07. Quasimodo
08. Saga City
09. Jinn
10. I, The Destroyer
11. Samsara

【ex-Periphery】・・・2012年にCentury Media Recordsからデビューした、ex-Fellsilentex-Cyclamenのメンバー擁するUKはロンドン出身の五人組、Monumentsの約二年ぶりとなる2ndフル『The Amanuensis』は、ex-Peripheryのボーカリスト兼サックス奏者であり、Djent界のアイドルことスパイズ・ボーイズもといTesseracTとも交流の深いChris Barrettoを新メンバーとして迎えている。ちなみに本作はデイヴィッド・ミッチェルの小説『クラウド・アトラス』からインスパイアされた作品とのこと。

【TesseracTの亜種】・・・このMonuments、UK出身というだけで同郷のTesseracTの”亜種”という勝手なイメージを持っていて、事実その音楽性やソリッドな音像的にも、開祖Meshuggahという名のDjentの教則本に則った、それこそジェント・リー然としたディグりまくりのリフ回しで縦ノリ系のグルーヴィなポリリズムを刻んでいく本格派-Djentで、つまり1stの頃のTesseracTダニエル・トンプキンズくん率いるSkyharborを連想させる、ジェント特有のフェミニンなナルシズムと神秘的なエクスペリメンタリズムを押し出したDjentなんだけど、今回新しくChrisを迎えた事で、(作風こそ大きな違いはないが)時にメロディックなネオ・プログレ風のコーラス、時にLinkin ParkFuneral For A Friend風のUKメロコア系クリーン・ボイス、時にエクストリーム系のヤンチャなスクリームを吐き散らすボーカルワークがよりブルータルに、より暴虐的かつ骨太へと正統進化している。ここで、またしてもUK出身のジェントにありがちな只ならぬ”FFAF感”を垣間みせ、ジェントというジャンルを聴きこめば聴き込むほど、全く関係のないFuneral For A FriendがDjentに与えた影響力、その存在感を痛感する謎の現象について考察したくなった。それもそのはず、実はFuneral For A Friendの作品でも知られるエンジニアが今作のドラム面のプロデュースに携わっている、なんてトリビアもある。

【Djent界のシキタリ】・・・終始Djentというジャンルをリスペクトした硬派なDjentを貫きながらも、ゴスペル調のユニークな幕開けで始まる#8”Saga City”やらGojiraLamb of Godを連想させるゴッリゴリなヘヴィネスを披露する#9”Jinn”、そして”輪廻転生”というタイトルから仏教的な宗教感あふれる、Ulver顔負けのアンビエントナンバーの#11”Samsara”をクライマックスに置くことで、より作品のスケール感と幅広いコンセプティブな意識を聴き手に植えつける。この辺の宗教観はex-Cyclamenのメンバーによる影響もなきにしもあらずか。少なくとも前作にはなかったような、もうTesseracTの”亜種”とは言わせないとばかりの、二作目にして初めてMonumentsとしてのオリジナリティが芽生えた作品であることは確かだ。さすがにBlack SabbathRush、そしてLed Zeppelinの作品を世に送り出してきた世界有数のスタジオMonnow Valley Studioでレコーディングされたとあって、同時に界隈の重鎮クリスの加入をはじめプロダクションも一流を揃えた結果→トータルレベル(総合力)の高い正統派-Djentに更に磨きがかかり、もはやDjent界の地位を不動のものとしている。しかし、こう順風満帆に見えて数カ月後にクリスが脱退するまでが”Djent界のシキタリ”だから・・・。

Amanuensis
Amanuensis
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Monuments
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