Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

2014年09月

℃-ute解散がショック過ぎるので更新停止します

fripSide 『infinite synthesis 2』

Artist fripSide
fripSide

Album 『infinite synthesis 2』
infinite synthesis 2

Tracklist
01. sister's noise
02. infinite synthesis
03. fermata~Akkord:fortissimo~
04. lost dimension
05. I'm believing you
06. Secret of my heart
07. eternal reality
08. black bullet
09. rain of tears
10. scorching heart
11. waiting for the moment
12. always be with you
13. true resonance

~僕の声優遍歴~

今から約8年前→ハルヒ全盛期のAya-Styleこと平野綾

その数カ月後→地獄少女全盛期の能登麻美子

その数カ月後→癒されBar若本全盛期の若本規夫

(約6年の空白期間)

現在→内田真礼&上坂すみれさん&ナンジョルノ


光の能年玲奈、闇の内田真礼 ・・・おいら、約7,8年くらい前に某こえ部で若本規夫さんの声マネやってて、いま思い出すだけでも自傷行為レベルの黒歴史なんだが、しかもそのこえ部が今でも存続していることに驚愕した。しかし、なぜ数年ぶりに再び声優界隈に興味を持ち始めたかというと→それはANATHEMADistant Satellitesを紐解く存在が声優の内田真礼だという結論に至った事が一つの大きなキッカケであることは事実で、『あまちゃん』能年玲奈に唯一対抗できる存在こそ個撮時代の内田真礼だと確信した瞬間、ふと【光の能年玲奈、闇の内田真礼】なる図式が脳裏に浮かび上がって、更にその『あまちゃん』の成田りな役の人が声優だったと知って、しかも上坂すみれさんのおっぱいがクソでかい!ということを知って、極めつけに『ジョジョの奇妙な冒険』ジョルノ・ジョバーナと親和性を持つナンジョルノこと南條愛乃なる声優が声優界に存在すると知ったのが主な理由だ(まぁ、ホンネはBiSが解散してアイドル界隈に飽きてきたからなんだけれども)。で、さすがに約8年前くらいに一線張ってた声優はどっかに消失してて、本当に誰も知らない状態というか、最近では『言の葉の庭』でヒロインを演じた花澤香菜さんを久々に”声優” として認識したくらいで、 それ以外は”あらっ、いいですねー”さんどこいった?能登かわいいよ能登どこった?アナゴさんどこいった?って、完全に浦島太郎状態になった。

ぼくラブライバー ・・・アニメ『ラブライブ!』の推しメンは星空凛と小泉花陽の”クソ地味コンビ”で、危うくシーズン2の第4話を観て矢澤にこ氏に推し変しかけたが、次の第5話を観て「やっぱりクソ地味コンビがナンバーワン!」と我に返った、そんな経緯がある。でも五話以降はまだ観ていなかったりする。いや、何の話だっつーのも、その大人気萌豚アニメ『ラブライブ!』の絢瀬絵里役を演じているのがナンジョルノ・ジョバーナなんだ。そのナンジョルノがボーカルを務める、satこと八木沼悟志のプロジェクトfripSideの3rdアルバム『infinite synthesis 2』がリリースされらしいので、さっそく聴いてみた。

TKサウンド ・・・あらためて、今やラブライブ声優として名を馳せているナンジョルノだが、このfripSideではボーカルというアーティストとしてのナンジョルノを披露している。ただの音楽好きとしては、CV活動よりもアーティスト活動のが推しやすいし追いかけやすいってのがホンネで、じゃあこのfripSideでどんな音楽やってるの?っつー話で、この手のユニットから「Perfumeみたいなテクノ・ポップ系かな?」と推測できるが、その答えは再生ボタンを押せば直ぐにわかる。それはオープニングを飾る#1”sister's noise”のバッキバキなシンセサイザーが分厚い壁となって迫り来るイントロから、まるでTKすなわち小室哲哉TMネットワークaccessを彷彿とさせる、まるでJ-Popの全盛期とも言えるあの時代の音に驚かされる。そして続く#2”infinite synthesis”の”僕”と”君”すなわちボクっ娘系の歌詞を90年代J-Pop特有の煌びやかなアレンジを効かせた、全盛期の浜崎あゆみを思わせるバラード調に乗せて始まる幕開けには→「なに?さっきの曲といい、声優業界はエイベックスと提携でも組んでんの?」と疑わざるを得ないほどだった。サビメロから始まるアニソンナンバーの#3”fermata~Akkord:fortissimo~”、某ガンダムWのOPリスペクトな#4”lost dimension”ではエレクトロ・ポップ風のアレンジを効かせた四つ打ちナンバーで、スケール感のある力強いサビメロとPerfume”Spring of Life”を彷彿とさせるギターソロの前に入るリズム&ビート感が特にカッコイイ。そのBPM指数の高い、スピード感あふれる懐かしいアニソン風の流れから一転して、まるで全盛期の華原朋美ばりにミドルテンポで切なく聴かせる#5”I'm believing you”から、初期ハロプロにありそうな只ならぬつんく♂感を憶える少しオトナっぽいアレンジを効かせた歌謡バラードの#6”Secret of my heart”までの辛気臭さい流れは懐かし過ぎてブヒれる。

田中将大の投球術 ・・・ここまで、もはやいつ何時「恋しさと せつなさと 心強さと~」って歌い出すのかとワクワクしながら待ち構えるぐらい、つんく♂や小室哲哉や一線張ってたあの頃を彷彿とさせる、それこそエイベックス全盛の90sサウンドが繰り広げられていて、このsatとやらは浅倉大介リスペクトな見た目から音までエイベックス一色に染まってる人なんだと理解できる。彼は決して中田ヤスタカに目がくれる人なんかじゃあない。で、再び全盛期の華原朋美の魂がナンジョルノに乗り移ったかのような、キャッチーな歌メロから音作りまで全てが小室哲哉風の#7”eternal reality”は、まさに90sリバイバルだ。それもそのはず、この曲は小室哲哉が手がけている。それを知って、「なんだ、fripSideってTKサウンドそのものじゃん」ってようやく納得した。ここまでマイナーコード主体のストレートな配球が続いたところで、ここぞとばかりに絶妙な変化球(アクセント)として登場するのが、本作のハイライトを飾る#10”scorching heart”で、まるでday after tomorrowあるいはEvery Little Thingを連想させる、川崎海氏による90年代の清涼飲料水のCMに使われてそうな爽やかなアレンジやナンジョルノの歌い方をはじめ、これまでの楽曲とは一線を画した曲だ。ここまで辛気臭さい流れが続いていただけに、この曲の存在感というのは本当に凄くて、ナンジョルノの歌い方はピッチに無理がないし自然体で歌えている。あらためて、まるでマー君こと田中将大の伝家の宝刀スプリッターを駆使した投球術のように修正力の高いナンジョルノの歌い方やビジュアルにブヒってしまう。

ナンジョルノ×堤真由美キャスター ・・・正直、この手の音楽は全く詳しくないんだけれど、強いて言えば浅倉大介の弟分であるkiyoJanne Da Arcで鳴らしてたようなキラメキユラメキトキメキ系シンセとの親和性を見出だせたくらいか。基本的には、マイナーコードかつ四つ打ち系のアッパーな曲調が中心で、わりとロック調のGソロが数多くあったりして、とにかくノリがいい。なんつーか、往年のエイベサウンドすなわちTKサウンドとアニソンとの親和性を感じたというか、アニソン界隈が10数年遅れでエイベに追いついた感あって、色々な意味で面白いアルバムだった。自分みたいな歌番組全盛の世代には懐かしさしかなかった。でも自分の中では、ナンジョルノとBSニュースの堤真由美キャスターに謎の親和性を感じてしまったのが全てで、少し鼻にかかったようなナンジョルノの歌声は、萌アニメ声優だからと言って特別ヘンなクセがあるというわけではなく、ラブライブ!でもハラショー言ってるだけの良い意味で目立たない演技と似たような感覚だから、声豚じゃなくても普通に聴けちゃうレベルではある。でも要所でブヒれるパートはある。ちなみに、初回仕様には”infinite synthesis”のMVや昨年のアニマックスやリスアニ!でのライブ映像が特典収録されている。なんかMVに小島よしおが出てて謎過ぎた。ホント謎過ぎた。でもライブ映像見たらライブ行きたくなった。でもサイリウムは無理。マジ無理。
 
infinite synthesis 2(初回限定盤CD+Blu-ray)
fripSide
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Shiggy Jr. 『LISTEN TO THE MUSIC』

Artist Shiggy Jr.
Shiggy Jr.

EP 『LISTEN TO THE MUSIC』
LISTEN TO THE MUSIC

Tracklist
01. LISTEN TO THE MUSIC
02. summer time
03. day trip
04. oyasumi
05. baby i love you
06. dance floor
07. LISTEN TO THE MUSIC (DJ WILDPARTY remix)

小保方晴子母:小保方晴子「今日はあなた達に大事な話があるの」

やくしまるえつこ長女:やくしまるえつこ「なんですか、お母さま」

大胡田なつき次女:大胡田なつき「なんでっしゃろな?」

池田智子三女:「な~に~?」

小保方晴子母「あなた達は私のマン...STAP細胞から生まれたのよ」

やくしまるえつこ
大胡田なつき
池田智子三姉妹「じぇじぇじぇ!?」





オッボフェイス ・・・このMVはちょっとした衝撃だった。まるで伊集院光あたりが「で、でた~~~!中学生の頃、クラスの女子よりも男子と異様に仲が良い清楚系ビ◯チのナオン~~~wwwwムキ~~~!!」と条件反射しそうな、そんな紅一点のフロントマン池田智子のブサカワ系の頂点に君臨するかのようなルックス、いわゆる”オッボ”こと小保方晴子をルーツ(母親)とするその池田智子”オッボフェイス”にとにかく衝撃を受け、そしてこの今世紀最大のメガトン級のポップ・ソングを耳にしちゃったら最後、今年2014年、オッボと共に邦楽界を最も賑わせる存在だと確信させたのが、このShiggy Jr.ことシギージュニアだ~~~~~~~~!



Shiggy Jr. ・・・あらためて、都内を中心に活動しているこの4人組、Shiggy Jr.というのは→2013年に1stミニ・アルバム『Shiggy Jr. is not a child.』でデビューを飾ると、直ぐさまtofubeatsをはじめとしたサブカル界隈で話題を呼び、これからの邦楽界を担うのはコイツラだ!みたいな勢いで猛プッシュされた。そのミニ・アルバム『Shiggy Jr. is not a child.』では、紅一点のフロントマン池田智子の芯の通ったキュートな歌声と程よいニューウェーブの匂いやお祭り騒ぎのブラス・アレンジを効かせたファンキーでグルーヴィなバックが織りなす、それこそ”シティ・ポップ”感あふれる甘酸っぱい青春18キップス(ポップス)を展開していた。そして遂に、その前作から約8ヶ月ぶりの新作で、ジャケ絵に(池田が大ファンである)漫画家江口寿史のヘッドホン女子のイラストを添えた2ndミニ・アルバム『LISTEN TO THE MUSIC』がリリースされた。彼らが一番のウリとしている”POP”な音楽性は本作でも健在だが、(これはメンバーチャンジが影響しているのかもしれない)しかし本作では前作のようなファンキーな”バンド・サウンド”は少し後退し、一転して綺羅びやかなシンセやエレクトロを大胆にフューチャーした、ダンサブルな打ち込み系のサウンドへとその姿を変えている。

松岡修造
松岡修造「STAP細胞はありまぁす!だからShiggy Jr.を聴いて元気を出せ!」

小保方晴子
小保方晴子「STAP細胞はありまぁす!リッスン・トゥ・ザ・ミュージック♪」


松岡修造
松岡修造「シギジュニを聴いて元気を出せ!元気を出せば耳は回復しまぁす!」


佐村河内守
佐村河内守「(リッスン・トゥ・ザ・ミュージック♬)」

松岡修造
松岡修造「議員のくせに泣くな!シギジュニを聴いて元気を出せ!」

野々村議員
野々村議員「リ゛ッス゛ン゛・ト゛ゥ・ザ゛・ミ゛ュージック゛ゥゥゥウ゛ウ゛ゥ」

松岡修造
松岡修造「三人一緒にもう一回!」

LISTEN TO THE MUSIC

 邦楽界のサンキュー・フォー・ザ・ミュージック 
あらためて、今作のリードトラックとなる”LISTEN TO THE MUSIC”は、Shiggy Jr.の新たな一面を垣間みせる楽曲なのは確かで、バンドのコンセプトである”POP”なイメージを最大限に膨らませたような、まるで邦楽界を代表する現代の”サンキュー・フォー・ザ・ミュージック”と言っても決して大袈裟じゃあないし、それこそ彼らに邦楽シーンの未来を託そうとするのにも納得してしまうほど、そして聴くだけで今年話題になった人たちが元気になったり泣き止んだり聞こえなかった耳が聞こえるようになるド直球のポップ・チューンだ。次の#2”summer time”も打ち込み主体のキラキラした楽曲だが、あくまでも”シギジュニはバンド”だっつー事を強くアピールする森くんのベース・ソロは聴きどころだ。続く#3”day trip”は、#1と#2と違って前作風のダイナミックなブラス・アレンジを効かせた持ち前のバンド・サウンドを披露している。初期YUIにガチ恋してた野郎ならブヒれること間違いなしの5曲目”baby i love you”は、#4から一転してシットリした雰囲気で聴かせ、レトロなファンキー感あふれる6曲目”dance floor”から、最後は名曲”LISTEN TO THE MUSIC”のリミックスVerで終わり。

オタサーの姫 ・・・前作は、あくまでも初期YUIにも通じる素直なメロディに胸キュン必須な青春ポップスだったが、今作の4曲目の”oyasumi”を聴けば、前作よりもオタク界隈というかアニソンもしくはアイドルあるいはサブカル系に大きく振り切ってきているのがわかる。この曲は新機軸というか、サブカリズムに溢れる池田智子のぶりっ子歌唱やサブカル系女子の日常を描いたユニークな歌詞をはじめとした、BPM指数の高いリズム&ビートが電波系アニソンリスペクトっつーか、あるいはサブカル系のアイドルソングと言われても納得しちゃうほどで、もはや池田智子にキャピキャピしたフリ覚えさせて躍らせるクソ可愛いMVのイメージが浮かび上がるくらい。で、とにかく僕は何よりも池田智子からほとばしる”オタサーの姫”っぷり、すなわち池田智子が醸し出す只ならぬアイドルオーラに魅了されたのもあって、事実このShiggy Jr.は池田と同じ”オッボフェイス”Nao率いるNegiccoゆるめるモ!Especiaなどのサブカル系アイドル達と積極的に対バンしてて、これはShiggy Jr.の音楽性と”アイドル”との親和性を裏付ける一つのポイントとなっている。こうやって”邦楽”という視点からでも”サブカル”という視点からでも更には”アイドル”という視点からでもジャンルや立場を超えて楽しめちゃう、あらゆる界隈からの影響やスタイルを飲み込んだハイブリットなポップ・バンドがShiggy Jr.なんだ。おいら、この流れでアイドル以外のアニソン界隈つまり声優とも対バンしてみるのも面白いんじゃあないか?って。完全に個人的な願望なんだけど→サブカル声優として知られる上坂すみれさん辺りと対バンしたら面白いんじゃあないか?って。Shiggy Jr.的にはオタ界隈に存在をアピールする事ができるし、上坂すみれさん側にも声優およびサブカル以外の邦楽側のリスナーを取り込めるチャンスというかメリットがあるからね。何にしても、この”oyasumi”は今後のShiggy Jr.の方向性を占うような楽曲と言えるのかもしれない。

メジャーデビュー ・・・こうして聴いてみると、単純に楽曲の幅が広がっているのがよくわかる(これは前作とどっちが良いとかいう話ではなくて)。バンドの中心人物である原田くんのソングライティングや電子的な音使いもそうだし、そして何よりも(#4で聴けるような)池田のウザかわいいボーカル・パフォーマンスのレベルアップが顕著で、これまでの”カラオケが上手い女子大生”の域から脱しつつあるように感じられたのは大きなステップアップだ。そう遠くない未来にメジャーでやっていくにあたって大切なことは、バンドの大きなウリである”POP”を極めしソングライティングの向上/維持は大前提だが、何よりも俺たちの池田がオタク界の絶対的なアイコン、絶対的なアイドルを本気で演じきれるか?そこに全てがかかっていると言っても過言じゃあない。なんにせよ、ここまで1stフルが待ちどうしいバンドは久々かもしれない。それくらい、自分の中ではパスピエよりも大きな可能性を感じさせた。

サブカル三姉妹 ・・・自分の中で、海外の三姉妹といえば→長女:Warpaint→次女:Phantgram→三女:CHVRCHESからなる通称”ATMS三姉妹”という構図があって、その流れでこの度、邦楽界の三姉妹を発足するに至った。それは→長女:相対性理論→次女:パスピエ→三女:Shiggy Jr.からなる通称”サブカル三姉妹”みたいな面白い構図が出来上がった。おいら、この手の女優能年玲奈ちゃんが聴いてそうな音楽を集めて『玲奈フェス』やってほしいと思っちゃったんだからしょうがない。そこに”俺の界隈”枠として”サVカル系男子”こと率いるsukekiyo出してくれたら喜びます。まぁ、それは冗談として→本作で一種のシンセ・ポップに変化したのは、次回のCHVRCHESの来日公演のサポートに抜擢される伏線()だったとしたらスゲー面白いよなーって妄想した。だって、既に長女のやくしまるえつこはマイブラの前座やってるし、ワンチャンあるんじゃあねーかって。

(P.S.)
長女のえつこへ、新曲のタイトルは『STAP細胞』でお願いします。
次女のなつきへ、三女の智子をよろしくお願いします。
三女の智子へ、訴えないでください。

LISTEN TO THE MUSIC
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SHIGGY JR.
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Shiggy Jr. is not a child.
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Shiggy Jr.
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Sólstafir 『Ótta』

Artist Sólstafir
マイルドヤンキー

Album Ótta
Ótta

Tracklist
01. Lágnætti
02. Ótta
03. Rismál
04. Dagmál
05. Miðdegi
06. Nón
07. Miðaftann
08. Náttmál

ブラックメタル界のシガーロス・・・そんな異名を持つ、1994年にアイスランドは大レイキャヴィークで結成されたマイルドヤンキーこと、Sólstafirの約三年ぶりとなる5thアルバム『Ótta』がリリースされた。アヴァンギャルディでヤンキーなマイルド・ブラックメタルやってた初期から異質な存在としてマニアの間で話題を呼んでいた彼らだが、その名を一躍有名にしたのが2009年にリリースされた3rdアルバムの『Köld』で、轟音ポストロックやアトモスラッジやノイズやシューゲイザーやポストパンクなど、ありとあらゆる要素を持ち前のアヴァンギャリズムとクロスオーバーさせた、それこそ”アイスランドのAmesoeurs”かってくらい今流行りの激情系ポストブラックへとその姿を変えた。その二年後、かの霧の季節に移籍してリリースされた4thアルバムSvartir Sandarでは、着実に3rdのオルタナ路線を引き継ぎながら、同郷のシガーロスに対する想いの強さ、そして母国アイスランドに対する郷土愛に目覚めていた。そんな前フリがあっての本作『Ótta』は、これまでの流れからも予想できたように、もう完全にポストロック化していると言っても過言ではなくて、それはヨンシー親衛隊ことamiinaをはじめ、前作同様に数多くのシガロ作品で知られる重鎮Birgir Jón Birgissonをプロデュース/ミックスに迎えているのが、何よりの”答え”みたいなもんで→

Sigur Rós→Sólstafir→ANATHEMA ・・・今年、僕たちはamiinaBirgir Jón Birgissonという名前に見覚えがあるハズだ...そう、Alcestシェルターを手がけたアイスランド勢だ。まず、オープニングの#1”Lágnætti”の音使いを耳にすれば全てを理解することができる。それはシガーロス直系のストリングスとピアノの壮麗優美な音色が織りなす、それこそアイスランドの雄大な自然と大地をモノクロームに描き出すかのような、まるで深夜のドキュメンタリー映像集を観ているかのような力強いドラマティックな展開力に、その壮観な景色を目の前にして僕は只々唖然とするしかなかった。その流れを引き継いで、雄大な自然の育み(自然エネルギー)...生命の神秘(生命エネルギー)に満ち溢れた、アイスランドの歴史という名のホワイトシルクロードを、アイスランドという名の雪国が作り出す真っ白なキャンパスに描き映すかのような#2”Ótta”は、まさしく”ブラックメタル界のシガーロス”という異名を確かなものとする、セルフタイトルを冠するに相応しい名曲で、これはもうポストロック以外なにものでもない、ただひたすらに美しいリリカルで壮大な抒情詩に、ヴァイキングの末裔である俺たちの魂がアツく揺さぶられる...ッ!・・・あらためて、そのヴァイキンガーとしての民族性とアイスランディックな土着性を繰り返し煽るバンジョーのオリエンタルな音色をアクセントに、ここぞとばかりにフロントマンAðalbjörn Tryggvasonのヴァイキング魂が解放される魂の叫びから超絶epicッ!!なヴァイオリンへと繋がるクライマックスの展開に男泣き不可避な楽曲で、これこそアイスランドという小さな独立国家が歩んできた長年の歴史と文化、そのホワイトシルクロードとともに歩んできた音楽人生の中で、常に新しいモノへと”深化”してきた彼らが導き出した一つの”答え”であり一つの”終着点”だ。正確には”ポストロック化”というより”シガロ化”と言ったほうが的確で、あらためて今年のメタル界のトレンドはホモもといシュガーロス・ダイエットだなーなんて思いつつ、それはまるで現代の人間社会に生じる大きなヒズミのように、人間の闇を...人間の業を...人間の尊厳を深裂に抉りだすかのようなストリングスや音響意識の高いポピュラーなピアノ、そしてレディオヘッドばりにモダンな音使いを全面にフューチャーした、いわゆる”Art-Rock”に対する意識を高めてきたという点では、なぜ本作がANATHEMAファンなら間違いなし!みたいなウリ文句で大々的にプッシュされているのか?そのワケが実によーくわかる。・・・ん?ちょっと待てよ、これってつまり→ブラックメタル界隈からANATHEMASigur Rósを繋ぎ始めたってことか・・・?もうわけわからん...このマイルドヤンキー頭おかしいわ。その無人の荒野を彷徨う浮浪者ばりにダーティな姿は、さしずめデンマークの奇才ラース・フォン・トリアー黒澤明『七人の侍』をリメイクしたヤンキー映画『四人のSAMURAI』といった所か。

Vampilliaの上位互換 ・・・おいら、今年の初めに【Sigur Rós→Vampillia→Alcest】てな感じに、日本のサブカル左翼芸人ことVampilliaSigur RósAlcestを繋ぐ黄金の架け橋だ!なんーて例えたが、どうやら違ったみたいだ。アイスランドの至宝Sigur Rósとフランスの皇帝Alcestを繋ぐ真の架け橋こそ、このマイルドヤンキーSólstafirなんだって、この『Ótta』を聴いて確信することができた。近年で例えると→先ほどのVampilliaUlverあるいはKayo Dotにも精通する、experimentalismすなわち狂気イズムが込められた歪んだストリングス主体の”オルタナティブ”な音使いからは、なんつーかVampilliaが1stアルバムmy beautiful twisted nightmares in aurora rainbow darknessで本当に描きたかった音がこの『Ótta』に詰まっているような気がして、やはり”ニセモノ”の吉本芸人Vampilliaとはスケール感がまるで違うというか、単純に音の説得力が違いすぎる(自分の中で、Vampilliaといえば→the divine moveということもあって)。当然、その説得力はアイスランド生まれだからこそ成せる技みたいなもんで、邦楽のVampilliaにソレすなわち”ホンモノ”や”リアル”を求めること自体ナンセンスか。何にしても僕たちは今、”ホンモノ”を見極める真の審美眼が試されているのかもしれない。

アイスランド・サガ ・・・ここ最近の二作と比べてもかなり分かりやすい、まるでアイスランドの風土や匂いが漂ってくるようなシットリした音作りで、これまでの曲は大作志向が強く、収録時間も1時間越えが当たり前だったが、今回は従来の大作志向その傾向は少し弱まってトータル約57分という、あらゆる面で非常にシンプルかつコンパクトにまとめられている。しかし初期から一貫しているのは、アイスランド特有の静観な雪景色やその繊細な空気感を鮮明に、しかし幻想的に描写していくアトモスフェリックなセンスで、本作はそれがより顕著に表面化した実に”Post”な作風だ。その一貫した”らしさ”と多数の弦楽器を用いたamiinaによるストリングス・メロディが恐ろしいくらい自然に融け込んでいる。Sólstafirの総長もといフロントマンAðalbjörn Tryggvasonのパフォーマンスとしては→まるでアイスランド語を話す田舎のヤンキーが啖呵を切るような、粗暴なヤンデレ系ハイトーンボイスは少し抑えめになっていて、確かに初期や近作ほどの轟音や焦燥感や激情感を煽るエモーションは希薄だが、民謡テイストに溢れた抒情的なメロディを中心に、この北欧神話『アイスランド・サガ』のいち語り部となって聴き手を黄泉の国へと誘っていく。まるでスコットランド独立が叫ばれるこの時期に触発されたように、彼らの母国愛は極地に達した結果→彼らにしか成し得ない孤高の音世界、その唯一無二の世界観、その圧倒的な存在感は、それこそ北欧映画『孤島の王』との親和性を感じるほど気高い芸術性を放っている。こうしてアイスランドの音楽/映画/文化を一つの音に落とし込んで誕生したのが、この歴史的芸術作品『Ótta』であり、そして昨年36歳の若さで亡くなったフランスのブラックメタルバンド、Vorkreist他の女性ベーシストMarianne Séjournéに捧げる鎮魂歌(レクイエム)なのである。

Otta
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Pallbearer 『Foundations of Burden』

Artist Pallbearer
Pallbearer

Album 『Foundations of Burden』
悪魔城ドラキュラ

Tracklist
01. Worlds Apart
02. Foundations
03. Watcher In The Dark
04. The Ghost I Used To Be
05. Ashes
06. Vanished

-これは、今年のトレンドはホモだという事を改めて確信させる出来事だった-

今年のトレンドはホモ ・・・今年はCynicポール・マスヴィダルOpethミカエル・オーカーフェルトが共に”ホモ”をカミングアウトしてメタル界隈に衝撃を与えた事が記憶に新しいが、ご存知のとおり、その”ホモセクシャル”の流れは昨年の音楽シーンを最も賑わせたDEAFHEAVENサンベイザーから始まったと言っても過言じゃあない。昨年、2013年のヘヴィ・ミュージックシーンで最もブレイクしたアーティストがDEAFHEAVENなら、今年のネクストブレイクはコイツラだ!と流行に敏感なキッズの間で噂されているのが、2012年にProfound Loreから鮮烈なデビューを飾り、一躍アンダーグラウンド・ミュージック界のホープとなったUSはリトルロック出身の4人組、その名もPallbearerだ。そのポールベアラーの約二年ぶりの2ndアルバム『Foundations of Burden』は、Agalloch,Neurosis,Amenra,Swansを手がけた重鎮ビリー・アンダーソンをプロデューサーに迎えている。

オジェー・オジェボーン ・・・アンダーグラウンドシーンに衝撃を与えたデビュー作のSorrow and Extinctionは、それこそヘヴィ・ミュージック界の重鎮Earth界隈の一員だという事を強烈に印象づける、荒涼感と寂寥感を伴った荒廃した世界から奏でるBlack Sabbath直系の土葬クサい古典的なドゥームだった。で、この2ndアルバム『Foundations of Burden』は、確かに一曲目の”Worlds Apart”を聴く限りでは、大地を揺るがすズッシリ重厚なヘヴィネスの舞台で呪術を唱えるかのようなオジーリスペクトなボーカル、持ち味であるスカンジナビアの風を背に受けた北風小僧の寒太郎が奏でる哀愁のメロディ、その幽玄かつ叙情的なメロディは俄然スカンジナビアン然とした妖艶な色気を身にまとい、そしてエピカルなギター・ソロには「オヤジ、焼酎一杯...」と語り始めたくなる激シブな男の哀愁を背中から醸し出している。一言で言っちゃえば→前作の延長線上にある雄大なトラディショナル・ドゥームって感じなんだけど、まるで天国(メイド・イン・ヘブン)への階段を登るかのような、そのまま天に召されそうな前作流れのフューネラリズムは少し後退し、よりクラシックスタイルのヘヴィロック的というか、初期Mastodon的ですらあるスラッジーなリフ回しを主体に、リフからリフへと積極的に”動き”のあるヘヴィなリフを持ち込んでいる。しかし、僕たちが本当に驚かされるのは次の#2”Foundations”だろう。

-時は20世紀末期-

デスメタラー
デスメタラー「ゴシックメタルが堕ちたか...」

ブラックメタラー
ブラックメタラー「フフフ...奴は我らメタル四天王の中で最弱なメタルよ・・・」

ドゥームメタラー
ドゥームメタラー「メタル界の面汚しめぇ!」

(この数年後、まさかあんな事になるとはこの時は誰も知る由もなかった...)


オシャンティ ・・・そもそも、このアルバムはDEAFHEAVEN『サンベイザー』を抜きに語れないわけです。事の発端となったのは、もはやスラッジの如く重厚なヘヴィネスが雪崩のように押し寄せる#2”Foundations”の中盤以降の展開で、それこそ「デフヘヴンの『サンベイザー』かな?」って「シューゲイザーかな?」ってレベルのラヴリィ♥&エモーショナルな静寂パートを耳にした僕は→「アヒ~ン...」と呟きながら無事にメイド・イン・デフヘヴンに到達し、ほぼイキかけたまま昇天してしまったのである。言うなれば【荒廃した世界に逞しく咲き誇る一輪の花】感...、その”Post”な音使いに...いや、これはもう”ファッキンピッチ!”な音使いと言ったほうが正しいか、その”ポスト・ドゥーム”あるいは”インディ・ドゥーム”と称すべき伝統的なトラディショナリズムと現代的なモダニズムがクロスオーバーした、まさに新時代のドゥーム・メタルを目の当たりにして唖然とした僕は→「My Heart is アヒ~ン...」としか言葉が出なかった。とにかく、空間能力の高さが完全に”Post-系”に匹敵するソレで、この”Post-感”を古典的なドゥームへと難なく取り込む事ができたのは、ひとえに”若さゆえ”の柔軟な発想からなのかもしれない。しかし、これによって懐古主義者から「メタル界最後の砦であるドゥーム界隈に”オシャンティ”な音を持ち込んだ異端者」と蔑まれること不可避だが、その”オシャンティなドゥーム”というメタル界の絶対的なオキテを破り、それこそ”禁断の地”をへと辿り着いてしまった彼らの大いなる勇気とその覚悟に僕は敬意を表したい。

あざと過ぎる熊 ・・・とにかく、前作と比べものにならないくらい”メロディ”の充実っぷりが凄くて、それと同時にドラマティックな展開力、それに伴うソングライティングの向上が顕著に見受けられる。その充実感がよく表れている#3”Watcher In The Dark”のギターが奏でる叙情性、そのメロディセンスに只々驚かされる。そしてキーボードの耽美なメロディを駆使した#4”The Ghost I Used To Be”からも新機軸すなわち”Post-”の匂いを感じさせ、トドメは懐古主義者の老害メタラーをSATSUGAIするかのような、まるで子守唄のように夢心地なチルいアンビエントナンバーの#5”Ashes”で、もはや「あざといポールベアラーあざとい」と男泣きするくらいエモーショナルメロディとKATATONIAのBサイドばりに淡く儚いアレンジ...これには”男のフェミニズム”を感じざるを得なかった。そして、本作のハイライトを飾るような”ポスト”なセンスを際立たせた耽美なメロディとドゥーム然としたヘヴィネスが地鳴りの如く共鳴するラストの#6”Vanished”まで、まるで宗教テイストに溢れた亜空間の中で黒魔術を唱えるかのような、より大作志向を強めた空前のスケールで贈る男泣き不可避の新世代ドゥームメタル、その未来を着実に切り拓いている。

-時は21世紀初頭-

ヴィンセント・カヴァナー
??「遂にゴシックメタルとドゥームメタルとデスメタルが堕ちたか...(epicッ!!)」

ミカエル・オーカーフェルト
??「遂にプログレッシブ・デスメタルが堕ちたか...(アーアーアーアーアー♪)」

ポール・マスヴィダル
??「遂にテクニカル・デスメタルが堕ちたか...(ウッフン♥)」

ジョージ・クラーク
??「遂にブラックメタルが堕ちたか...(ヤッダーバァアァァァァアアアアア!!)」

キング・ベアラー
??「ククク..遂にトラディショナル・ドゥームが我らの手に堕ちたか(暗黒微笑)」

ドゥームリバイバル ・・・中には「こいつらピッチフォークにナニ吹きこまれたんだ?」って思う人もいるかもしれない。しかし、あの前作すら凌駕する怒涛のリフ地獄をはじめ、著しく洗練された叙情的なメロディ、予測不可能な展開力、そして何といっても”Post-系”に対する意識の高さを前にすれば、伝統至上主義のメタラーが何を言おと戯言でしかない。全てにおいて”洗練”されたという点では、デフヘヴンの1st『ユダ王国への道』から2nd『サンベイザー』への流れを見事に踏襲している。典型的なポストブラックの傑作だったデフヘヴンの1stと典型的なドゥームだったポールベアラーの1st、そしてピッチフォークのプロデュースもとい”Post-系”に大きく歩み寄ることで大化けしたデフヘヴンの2ndと、それと同じように数多くの”Post-勢”を手がけてきたビリー・アンダーセン”Post-”なプロデュース・センスを取り込むことで大化したポールベアラーの2ndは、全く同じベクトルで語られるべき作品だ。その化けっぷり、楽曲のオリジナリティをはじめとした(1st→2ndまでの)完成度の振り幅はデッへより断然上だ。とにかく、前作からの音使いに対する大きな”意識変化”に著しいステップアップを感じさせ、それと同時にクラシックなドゥーム・メタルと”Post-系”の親和性、その高さを見事に証明してみせた。それこそ、DEAFHEAVENがシューゲイザーとブラックメタルをクロスオーバーさせたように、オヤジ臭い伝統的なドゥームメタルと今流行の”ポストミュージック”をクロスオーバーさせる事に成功した、もはやメタル界における歴史的な一枚と言っても決して過言じゃあない。つまり、ブラックメタルとかいう孤高のジャンルに”大衆性”を見い出すことに成功した革命家がDEAFHEAVEN『サンベイザー』だとすると、ドゥームメタルとかいうBlack Sabbathだけのジャンルに再び大衆の目を惹き寄せる一つのキッカケを作り出した、それこそ”ドゥームリバイバル”を予感させるドゥーム界の革命児がこのPallbearerであり、この歴史的名盤『Foundations of Burden』なのである。また、レトロな横スクロールアクションゲームあるいはファミコン版『悪魔城ドラキュラ』のパッケージをオマージュしたかのようなアートワークも俄然名作らしさを印象づける。

40 Watt Sun ・・・もの事とは至ってシンプルな話で→要は今作の音に潜む”Post-”なセンスを見抜けるか、そうでないかの世界で、個人的には40 Watt Sunのデビュー作に匹敵するドゥームアルバムだった。当然、それは40 Watt SunPallbearerに共通する叙情的な部分に確かな親和性を見い出せたからであって、少なくとも今年、ピッチフォークをはじめ世界的に高く評価されるメタルアルバムの一つであることには違いない。勿論、昨年にデフヘヴンの『サンベイザー』を年間BESTに挙げていたファッション・サブカル系男子は、今年はポールベアラーを挙げてドヤ顔すること請け合いだ。

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Opeth 『Pale Communion』

Artist Opeth
Opeth

Mixing/Sexual Steven Wilson
Steven Wilson

Album 『Pale Communion』
Pale Communion

Tracklist
04. Elysian Woes
05. Goblin
06. River
07. Voice Of Treason
08. Faith In Others
 
ミカエル・オーカーフェルトの頭脳

カミングアウト ・・・今年、2014年度のメタル界を最も賑わせた衝撃ニュースといえば→USのレジェンドCynicの頭脳ポール・マスヴィダル”ホモ”をカミングアウトした事だと思うが、まさか北欧スウェーデンが誇るゆるキャラ”オペにゃん”ことOpethも約三年ぶりの11thアルバム『Pale Communion』”ホモ”をカミングアウトするなんて...一足先にリークされたフェイクのアートワークを目にして「パチもんクセぇw」なーんて笑い転げていた当時は、まるで知る由もなかった。で、ここで前回までのOpethをおさらいしてみると、自分の中で前作の10thアルバムHeritageというのは→”9thアルバムWatershedという伏線()があって、結成から20周年を迎えた記念すべき10作目という事から”納得”した作品”だった。では本作の作風はどうだろう?結論から言ってしまえば→問題作となった『Heritage』の流れを踏襲した、言うなれば”70年代回帰路線”である。そんな彼らオペットゥの11作目は、”髭もじゃおじさん”ことペルが脱退して元イングヴェイのヨアキムが正式加入してから初のアルバムで、7thアルバムの『Damnation』以来約10年ぶりの再会となる、いわゆる”俺の界隈”の代表取締役兼CEOとして知られるスティーヴン・ウィルソンをミックスに迎え、そしてバンドのフロントマンミカエル・オーカーフェルトがセルフプロデュースを手がけている。

Opeth is Djent!! ・・・一概に”70年代回帰路線”と言ってみても、前作の『Heritage』のようなディープ・パープル系のヴィンテージ臭あふれるクラシック・ハード・ロックあるいはフォーク・ロックというよりは、これは明らかに盟友スティーヴン・ウィルソンの影響だろうけど、70sは70sでも前作とは一転して今回はインテリ風のモダン・プログレに大きく舵を切っている。その”プログレ大好きおじさん”っぷりは幕開けを飾る#1”Eternal Rains Will Come”からフルスロットルに発揮されていて、まずイントロから「Animals as Leadersかな?」って「遂にオペにゃんがDjent化したか!?」ってくらいのオシャンティでジャジーなリズム&グルーヴに意表を突かれ、前作譲りのクラシックなリフ回しやSWソロの2nd『Grace For Drowning』と3rd『The Raven That Refused To Sing』に通じるユラユラ~~~っとしたメロトロンとピアノが曲全体を一際叙情的に演出しながら、中盤以降はリリカルでヒロイックなメロディと共にミカエルの叙情的なボーカルとウィルソンのコーラスが織りなす黄金のホーモニーからの初期Riversideを思わせる哀愁のGソロという、ベッタベタでありながらも確かな展開力を見せつける。とにかく”プログレ”に特化したレトロ感あふれる少し湿り気のある音使いを中心とした、要するに前作よりは本来のオペットゥらしい音に回帰している事が理解できる、というよりSWソロを嫌でも思い浮かばせる情緒感に溢れた淡い音使いに驚かされる。とにかく”アコースティック”で”メロウ”、そんな印象を聴き手に強く与える。

あのキザミ ・・・今年はホモもといポール・マスヴィダル率いるUSのCynicも3rdアルバムKindly Bent to Free Usの中で古典的なプログレに挑んでいたが、それで言うところの”True Hallucination Speak”を彷彿とさせる、ジュクジュクと前立腺を刺激する”あのキザミ”リフを軸に展開する#2”Cusp Of Eternity”は、そのキザミリフを中心とした申し訳程度の幽玄な世界観からは中期すなわち全盛期のオペットゥをフラッシュバックさせたりして、その”70年代回帰路線”であると同時に今作は”オペットゥ回帰路線”でもある事に気がつくと、無性に(ニヤリ)とせざるを得なかった。元々、4thアルバムの『Still Life』や5th『Blackwater Park』そして8th『Ghost Reveries』の中でも”あのキザミ”の只ならぬセンスを要所で垣間みせていたし、あらためてこうやってガッツリと刻んでくれると素直にブヒれるってもんです。鍵番が主導権を握る今作で唯一”リフ主体”のメタリックなナンバーでもあって、アルバムの二曲目に動きの激しい曲を配置する構成は、Mastodonクラック・ザ・スカイ的な匂いを感じる。

再構築 ・・・10分を超える大作で早くも今作のハイライトを飾る#3”Moon Above, Sun Below”は、再びSW譲りの少し仄暗いサイケデリカやアコースティック中心の情緒豊かな音使い、名盤『Still Life』の流れを汲んだ暗黒リフや『Heritage』譲りのオーガニックなリフが繊細かつ鮮やかに交錯していき、中盤にさしかかると一転して不穏な空気感を纏った漆黒の表情を垣間みせ、来たるクライマックスでは『Watershed』”Heir Apparent””Burden”で聴けたような”繰り返し”の美学、その作法が用いられている。まるで過去のOpetを今の70s型Opethの解釈をもって再構築したような、それこそOpetの”旨味”その全てが凝縮されたような集大成と呼べる楽曲だ。それこそナチスドイツ(ヒトラー)が終戦間際、秘密裏に建設した地下シェルターの最奥部に眠るとされる3つの歴史的な宗教画のように、お馴染みのトラヴィス・スミス氏が手がけたアートワークが醸し出す崇高であり深淵な音世界に不思議と吸い寄せられるようだ。

イタリアン・ホラー ・・・ここでも名盤『Still Life』を思わせる、寂寥感に苛まれそうになるムーディ&フォーキーなアコギがミニマルに響き渡る#4”Elysian Woes”は、”ノルウェイの森のクマさん”ことUlverKristoffer Rygg顔負けの妖艶なダンディズムが込められたミカエルの歌声、そのミカエルのボーカリストとしての才能を再確認させるダーティな一曲だ。そして、もはや本作品の主役と言っても決して過言じゃあない、新メンの鍵盤奏者ヨアキムが奏でる時にユラユラユウゲンと、時にトリトリトリッキーなメロディ、そのヨアキムの腕前が顕著に表れているのが五曲目の”Goblin”だ。その名のとおり、70年代に活躍したイタリアのプログレッシブ・ロック・バンドゴブリンをリスペクトしたインストナンバーで、そのゴブリンが音楽を手がけたイタリアの巨匠ダリオ・アルジェント監督の映画『ゾンビ』『サスペリア』シリーズなどの代表的なイタリアン・ホラーに登場する、主人公の背後に一歩づつ忍び寄る”姿のない恐怖”を主観映像で追体験させるハラハラドキドキした緊迫感とB級ゾンビ映画特有のコミカルでファンキーなノリが融合したような、それこそ70sプログレがソックリそのまま現代に蘇ったかのような楽曲で、まさしく本作の作風を象徴するかのような一曲と言える。そしてこの曲には→??「オペットゥはドラマーが代わって終わった」と言われるほど、??「オペットゥはマーティン(メンデスじゃない方)が辞めて終わった」と言われるまでの人物であり、オペットゥの黄金を支えたドラマーのマーティン・ロペスがゲストで参加している、そんなファン泣かせの粋な計らいがなされている。もしこの曲のMVを作るとしたら→オペットゥが演奏するレトロなジャズバーに(過去メンバーを含む)大量のゾンビがやってきて観客をコミカルに食い荒らしていく映像が浮かんだ。

今年のトレンドはホモ ・・・ここまで散々Cynicポール・マスヴィダルスティーヴン・ウィルソンの面影を感じさせた、それらの伏線()が遂に回収される、満を持して今年のメタル界のトレンドは”ホモ”だと確信させる曲の登場だ。今年の初めにAlcestシェルターの記事の中で、Opethミカエル・オーカーフェルトAlcestネージュの親和性について少し言及したが、この6曲目の”River”という曲は、まるで古代スカンジナビアの遊牧民と化したミカエルとその親友ウィルソンとその仲間たちが青々とした草原の中で仲良く手を繋いでキャッキャウフフ♥と股間辺りを弄り合っている、とっさに目を背けてしまいそうになる危険な情事が瞼の裏に半ば強制的に映し出されるような民謡歌で、つまり晴れて念願のシューゲイザーバンドになれたアルセスト=ネージュのように、子供の頃から憧れていた念願のプログレバンドになれて人生最大の『幸福』を感じているミカエル・オーカーフェルトのリアルな心情を歌ったような、これはもうミカエルとウィルソンとその愉快な仲間たちによる男だらけのミュージカル『愛と哀しみのホモ』あるいはアニメ『月刊少女ミカエルくん』だ。そんな風にミカエルとネージュの親和性を改めて考察させる曲なんだけど、それをより決定的な物にするかの如く、このたび目出度くOpethとAlcestのカップリングツアーが決まったらしい、そんな面白さもある。まぁ、そんな冗談は置いといて→これまでのオペットゥからは想像できないような、温もりのあるホットホットなホモーションもといエモーションに満ち溢れたこの曲では、コーラスを担当する脇役のウィルソン君と主演のミカエル君が織りなす黄金のホーモニーに只ならぬ恍惚感を味わうことができる。それこそ腐女子が大喜びしそうな801展開に絶頂不可避だし、この曲では他の楽曲同様に『Ghost Reveries』を彷彿とさせる”へゔぃ”なリフ回しを台風の目とした怒涛のインストバトルを繰り広げている。

真っ昼間の淫夢 ・・・イントロからサスペンスドラマ風のミステリアスなストリングスを大胆に取り入れた#7”Voice Of Treason”は、その荘厳なストリングスを軸にアラビアン・ミュージックリスペクトなエスニックなアレンジが際立った曲で、中でもクライマックスを飾るミカエルの情感(ホモーション)が溢れ出す歌声は大きなヌキどころ...もとい聴きどころだ。その”クサい”流れを引き継いで始まるラストの#8”Faith In Others”は、悲哀を奏でるストリングスで昼ドラばりにドロドロした悲壮感を演出し、それと同調するかのように、同郷レジェンドABBA直系のスウェディッシュ・ムード歌謡リスペクトなミカエルの通称”ウッフン歌唱”は真骨頂すなわち絶頂を迎え(この瞬間は、ミカエル・オーカーフェルト『世界一美しいデスボイス』『世界一醜いウッフンボイス』に敗北した瞬間でもあった)、歴代のプログレ勢とも決して引けを取らない中盤以降のガチで泣かせにくる感動的なシーンを最後に、このメタルゴッドロブ・ハルフォード主催の恋物語『真っ昼間の淫夢』は盛大に幕を閉じる...(ここでエンドクレジット)。

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ミカエル「俺気づいたんだ、やっぱお前がいないとダメなんだって」

スティーヴン・ウィルソン
ウィルソン「どうやらそうみたいだね(ニコッ)」

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ミカエル「10年も待たせてゴメンな。また俺という名の楽器を奏で...もとい、また俺たちの音をミックスしてくれるかい?」

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ウィルソン「もちろんさ///」

ミカエル・オーカーフェルト
ミカエル「ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-♪」

スティーヴン・ウィルソン
ウィルソン「アーイキソ」

ミカエルバンド ・・・自分の中で、このオペットゥというのは1stの『Orchid』から3rdの『My Arms, Your Hearse』までが初期の第一期で、4thの『Still Life』から8thの『Ghost Reveries』までが第二期つまりオペットゥの全盛期、そして9thの『Watershed』から現在までがプログレ期つまり第三期Opeth・・・そんなザックリした認識を持っているんだけれど、ハッキリ言って9th『Watershed』以降のオペットゥはフロントマンミカエル・オーカーフェルトのワンマンバンド、つまり実質ミカエルのソロバンドすなわち”ミカエルバンド”だという事は否定しようがない事実で、その”ミカエルバンド”感は今作で俄然強くなっている。そして、やはり約10年ぶりの再会を果たした盟友ウィルソンの存在も大きくて、勿論そのSWソロからの影響もそうなんだけど、2012年に発足されたミカエルとウィルソンの”初めての共同作業”ことStorm Corrosionからの影響も隠しきれていなくて、やっぱり二年前の味が忘れられなかったのか?なんて事は知る由もないけど、要するに『Pale Communion』の本質はOpethという名のブヨブヨの皮を被ったSWなんじゃあないか?って。もはや「これオペットゥちゃうやん、SWやん!」って、それくらいスティーヴン・ウィルソンの影が異様にチラつく。そのSWによるミックスだけあって存外アッサリした感じで、前作のように徹底してヴィンテージな雰囲気はないし、どちらかと言えばクラシック・ロックというよりモダンなプログレっつーイメージのが強い。だから変に外れた音は一つもないし、むしろ僕のようなプログレ耳にはドン引きするぐらい馴染みのある音なんだけど、その代わり”意外性”というのは皆無だし、「いや、今更これやるのかよ?それならまだ『ヘリテイジ』のがインパクトあったんじゃねーか?」というような批判にも全然納得できる。結局のところ→前作の鍵を握るのがディープ・パープルなら、今作の鍵を握るのはゴブリンっつー至ってシンプルな話でしかなくて、要するに「プログレ好きによるプログレ好きのためのプログレ」で、もうなんかプログレ好きだけが楽しめればいいじゃん(いいじゃん)的な作品だから、その間口は意外と狭いのかもしれない。けれど『ヘリテイジ』との差別化はハッキリしているんで、ホント、プログレが好きかそうでないかの世界です。ただ一つ僕が心配しているのは、はたしてミカエル・オーカーフェルトは憧れのスティーヴン・ウィルソンになれたのだろうか?という一点だけ。

俺の金玉の方がヘヴィだ! ・・・レーベル側のウリ文句として→【深遠な静けさを感じさせるような曲や、獰猛に炎を吹き出すかのようなヘヴィな曲、さらには、初期オーペスを想起させるようなオールド・スクールなオーペス・サウンド】とのプロパガンダらしき謳い文句があって、とりあえず【深遠な静けさを感じさせるような曲】←わかる、【獰猛に炎を吹き出すかのようなヘヴィな曲】←うーん?、【初期オーペスを想起させるようなオールド・スクールなオーペス・サウンド】←??!!!?!?!!!??といった感想を持った人が大多数だと思われる。これって結局、何をして”ヘヴィ”と捉えるか?の話であって、別にそのプロパガンダを擁護するわけじゃあないけど、事実『Ghost Reveries』や最高傑作『Still Life』をはじめとした、(当然、その音像はいわゆるデスメタル然としたデロデロ感はないが)オペットゥ自らのルーツを廻るような往年のヘヴィなリフ回しを露骨に意識して曲を書いていると率直に感じた、と同時に名盤『Blackwater Park』を彷彿とさせる幽玄な空間形成は全盛期のオペットゥそのもの...と言ってみても完全に別物だし今さら無意味かもしれないけど、あの頃のオペットゥを幾度となく連想させるギターのリフがフレーズが、ユラユラとユラめく鍵番のメロディが、マーティン・ロペスのヤンデレドラミングが、そしてAya-StyleもといOpe-Style然としたドラマティックな展開が、それらに加えてストリングスなどの新要素も積極的に取り込んできているのは確かで、だから【獰猛に炎を吹き出すかのような~】【初期オーペスを想起させる~】とかいう謳い文句もあながち間違っちゃあいないわけです。要するに→所詮”オペットゥ回帰路線”というのはキモチの問題で、あくまでも前作の『ヘリテイジ』を基礎に、過去作のリフやメロディを今のオペットゥで再解釈し、ドヤ顔でオマージュしてみせる一種の余裕というか、実にミカエルらしいユニークな感性ここに極まれりって感じだし、それこそ6部で世界を一巡させた荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』のように、世界が一巡して過去(70s)からリスタートしたパラレル世界のオペットゥを僕たちは目撃しているんじゃあないか?って。あのホモもといCynic『Kindly Bent to Free Us』で21世紀のプログレをクラシックな視点から総括していたが、そのホモと決定的に違うのは→「ポール・マスヴィダルは21位世紀のプログレを総括したが、ミカエルは自身の過去を精算し、そして総括した」ところだ。つまり、これはOpetであってOpethではない、いやOpethであってOpetではない、そんな”一巡説”を考察として織り込みながら本作を聴けば、より一層楽しく面白く聴けるに違いない。これはもはや-君はどれだけオペットゥを理解しているか?君はどれだけプログレを理解しているか?-これはオペットゥからオペサーへの挑戦状です。だから今さらメタルだメタルじゃないなんて言ってる輩には回答権すら与えられていないんです。

・・・しっかし、ミカエルって本当にドSだよなぁって、絶対に”攻め”だよなぁって。ここで、あらためて宣言しよう!今年のトレンドは”ホモ”だ!この『Pale Communion』を今年のBESTに挙げる奴らはホモだ!俺もホモだ!お前ら全員ホモダチだ!

(PS. ミカエルへ、訴えないでください)

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