Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

2014年10月

℃-ute解散がショック過ぎるので更新停止します

赤い公園 『公園デビュー』

Artist 赤い公園
赤い公園

Album 『公園デビュー』
公園デビュー

Tracklist
01. 今更
02. のぞき穴
03. つぶ
04. 交信
05. 体温計
06. もんだな
07. 急げ
08. カウンター
09. 贅沢
10. くい

猛烈リトミック

右手にポップス、左手にクソ ・・・今年、ANATHEMADistant Satellitesと並ぶ傑作となった『Redwater Park』こと赤い公園の2ndアルバム猛烈リトミックは、例えるなら右手に赤色の”ポップス”を、左手に黒色の”クソ”を持って、「これ以上ポップになったら誰も聴かなくなる」←この”超えちゃいけないライン”の上を命綱なしで綱渡りするかのような、その”ポップス””糞”の絶妙なバランス感覚を保った名盤だった。その”超えちゃいけないライン”の見極め力の高さは、ひとえにバンドの中心人物である津野米咲の才能としか思えなかった。

『紅の華 ・・・で、こうなると過去作を聴いてみたくなっちゃうのが自然の流れで、さっそく昨年リリースされた1stフルアルバム『公園デビュー』を聴いてみた。僕が赤い公園の存在を初めて知ったのは丁度この頃で、猛烈リトミックでも書いたように、今作『公園デビュー』の一曲目を飾る”今更”のMVを見たのがキッカケだった。その当時は初期相対性理論みたいな、ちょっとサブカル臭くて「ちょっと音楽知ってる私らマジカッケー(ドヤア)」みたいな気取った雰囲気を醸し出してて、正直なところ条件反射で飛び膝蹴り食らわしたくなるほど気に食わない存在だった。そんな僕が名盤猛烈リトミックに魅了された今、赤い公園を知るキッカケとなった曲や過去の作品を聴いてみたらどうだろう?というお話で、結果として→やっぱり初期相対性理論に通じるシティ・ポップ感やユル~いファンキーさだったり、持ち味であるオシャンティなリズム感を意識したArt-Rock/Post-Progressiveなセンスはこの頃から既に完成されていて、そして初期衝動に伴う音の荒々しさや漫画『惡の華』のヒロイン仲村さん顔負けのナニカが蠢くような混沌とした焦燥感が絶妙な毒味となっている。その”今更””のぞき穴”からリアルに伝わってくるハードコア/パンキッシュな勢いはデビュー作ならではだし、この”洗練””大衆性”という言葉からかけ離れたアンダーグラウンドな生臭さは、まさしく2ndアルバム猛烈リトミックには無いものだった。

津野米咲≒仲村佐和 ・・・当然ながら、あざといくらいのキャッチーさやkawaiiポップネスを内包した『猛烈リトミック』、そのコンセプトである「売れたい、売りたい」という”意思”は微塵も感じなくて、このデビュー作では”自分たちが本当にやりたい音楽”を、言うなれば垢抜けない田舎の女子高生のように少し尖ったガールズ・ロックをドヤ顔でやってる。一聴した限りでは、正直なところ部分的に優っている点はあるが、トータルで見るとやはり『猛烈リトミック』には遠く及ばない作品というか、ありとあらゆる部分で猛烈に足りてない。その足りない音の隙間を埋める(補足する)ように、モーレツな音を詰め込んだのが亀田誠治氏や蔦谷好位置氏らのプロデューサーで、あらためて猛烈リトミックにおけるプロデューサー陣の存在の大きさを思い知らされた。それくらい、なぜこの赤い公園にあの『猛烈リトミック』が作れたのか?プロデューサーの腕だけでこうも変わるのか?もしくは津野米咲のコンポーザー能力が奇跡的に爆発したのか?このデビュー作を聴いたら余計にわからなくなった。どちらにせよ、この僕には奇跡的な出来事にしか思えなかった。つうか、まだ信じてねー。いや冗談じゃなしに、ちょっとありえない進化の仕方っつーか、この『公園デビュー』から『猛烈リトミック』に生じている変化は、もはや進化じゃなくて突然変異としか他に例えようがない。なんでコイツらが”ひつじ屋さん”をはじめ、”私”みたいなANATHEMA”Lightning Song”Alcest”Voix sereines”が融合したような曲が書けるんだ?って、ホント謎過ぎる・・・赤い公園の闇は深い・・・。はたしてソングライターの津野米咲に一体ナニが起こったのか?ちょっと津野ちゃんにインタビューして聞いてみたいくらいだ。

ゲスニックマガジンの西条・・・「ゲスニックマガジンの西条です!赤い公園のリーダー津野米咲さんに質問です!デビュー作の『公園デビュー』と比べて『猛烈リトミック』の出来が良すぎるんですが!もしかして今流行のゴーストライターとしてPorcupine Treeのスティーヴン・ウィルソンでも雇いましたぁ?」

津野米咲・・・「誰?」

ゲスニックマガジンの西条・・・「ゲスです!新作の『猛烈リトミック』って・・・完全に”メタル”を意識した作品だよねぇ?」

津野米咲・・・「あんた誰?」

ゲスニックマガジンの西条・・・「ゲスです!新作の『猛烈リトミック』って赤い公園じゃなくて、もはや『クリムゾン・キングの公園
だよねぇ?」

津野米咲・・・「だからあんた誰?」

new_GCjsVQPs・・・「はい!はい!ゲスニックマガジンの西条です!『猛烈リトミック』の”私”って間違いなくANATHEMAとALCESTからのinfluenceあるよねinfluence?」

津野米咲・・・「ANATHEMA?ALCEST?・・・誰?」

ゲスニックマガジンの西条・・・「それはそうと、DIR EN GREYの”サVカル系男子”こと京率いるsukekiyoと今後対バンする予定とかあります?」

津野米咲・・・「
灰色赤色だけに・・・?って、やかましいわw

ゲスニックマガジンの西条・・・「ゲスです!『猛烈リトミック』の”いちご”とか”お留守番”みたいな曲って、明らかにNHK教育番組への楽曲提供を狙ったゲスい下心がありますよねぇ?」

津野米咲・・・「(ギクッ)ちょ、ちょっと警備員!」

ゲスニックマガジンの西条・・・「なーにするんだよ!あーにするんだよ!(警備員に連行されながら)取材拒否かよぉ~!!」


スッピンの赤い公園 is ブス ・・・久石譲チックな心躍るピアノをフューチャーした”交信””体温計”そして”贅沢”などのアート・ロック然とした楽曲なんかは、ガールズ・ロックバンドならではの”ユルさ”があるし、驚くほどメタリックなギターで始まる6曲目の”もんだな”はCMソングっぽい既聴感のあるポップなサビが印象的だし、なお且つスティーヴン・ウィルソン的な陰鬱な音使いをさり気なく垣間みせたり、その流れで俄然SW感増々な#7”急げ”のイントロでは、もはやポストブラック...あるいはKayo Dotを彷彿とさせる赤い公園のアヴァンギャリズム(変態性)を垣間みせたりと、これはもう”ひつじ屋さん”の前身と言っていいし、そして#8”カウンター”で聴けるような衝動的/本能的な粗暴さは猛烈リトミックでは体験できない。それらの楽曲を筆頭に、要所で津野さんのギター・フレーズが冴え渡っている所がまたニクい演出で、これは『猛烈』同様に津野ニー不可避です。しかし、特にどこかで盛り上がるといった場面はなくて、どちらかと言えば全体を通してジワジワ浸透してくる感じの、言うなればスルメタイプの楽曲/アルバムという印象。なんつーか→「やりたいことやってるんで、それでいいです...」みたいな、それこそ【自己完結】という言葉がよく似合うアルバムだ。なんだろう、この『公園デビュー』でソロ活動(オナニー)するよりもセックスのほうが気持ちいい事に気づいちゃったというか、田舎の化粧を知らないクソブサイクな女子高生が化粧を覚えてTOKYOに上京からの大学デビューからのキョロ充化したのが『猛烈リトミック』みたいな感覚? なんだろう、この『公園デビュー』”本能的”な作品だとすると、あの『猛烈リトミック』は俄然”理性的”な作品と言えるのかもしれない。少なくとも、ちょっと背伸びして色気づいていた『猛烈リトミック』には無い、等身大の赤い公園すなわちスッピンの赤い公園が堪能できる、いい意味で本当に”ブサイク”な一枚だ。このアルバム、一般的というかサブカルクソ野郎からは評価が高いらしいけど、あの名盤『猛烈リトミック』を聴いた後では、どうしても過大評価にしか思えなかった。とはいえ、ある程度聴き込んでいく内に、なんだかんだ『猛烈リトミック』の”原形”あるいは”ルーツ”とも取れる要素に溢れたアルバムだって気づいちゃうと、全然過大評価なんかじゃあなくて、むしろ普通にスゲーいいアルバムなんじゃあねぇかって。

最後に→あのミカエル・オーカーフェルト率いるスウェーデンのOpethは、かのスティーヴン・ウィルソンがプロデュースした『黒水公園』の前に『Still Life』とかいう名盤を出しているが、でもこの『公園デビュー』赤い公園『Still Life』にはどう考えてもなりえなかった(ジャケこそ赤いけど)。そう考えると、やはりあの『猛烈リトミック』が生まれた事は奇跡に近い。でもって、やっぱ『猛烈リトミック』って”売れなきゃいけないアルバム”だよなーって、あらためて思うわけです。
 
公園デビュー
公園デビュー
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赤い公園
EMI Records Japan (2013-08-14)
売り上げランキング: 43,713

Dirty Loops 『Loopified』

Artist Dirty Loops
Dirty Loops

Album 『Loopified』
Loopified

Tracklist

1. Hit Me
2. Sexy Girls
3. Sayonara Love
4. Wake Me Up
5. Die For You
6. It Hurts
7. Lost In You
8. Take On the World
9. Accidentally In Love
10. The Way She Walks
11. Crash and Burn Delight
12. Roller Coaste
13. Automatic (Utada Hikaru Cover)
14. Got Me Going

漫画『ジョジョの奇妙な冒険』荒木飛呂彦がこれまでに手がけたCDジャケットは幾つかあって、SUGIURUMNSOUL'd OUTなどの邦楽アーティストをはじめ、最近では演歌界の大御所石川さゆりのアルバムカバーを描き下ろした事が記憶に新しい。その様々な仕事の中でも、Base Ball Bearというバンドの『BREEEEZE GIRL』のジャケットには、描き下ろしではないが山岸由花子のイラストが起用されていたり、鉄ヲタで知られるモデルの市川紗椰が山岸由花子役を演じたMVもジョジョ愛に満ち溢れてたりするんだけど、実はこのBase Ball Bear小出祐介という人物は、(赤い公園津野米咲に負けじと)℃-ute矢島舞美が推しメンなことでも知られているらしく、個人的に【℃-ute=ジョジョの女】という謎の解釈を持っている日本一のジョジョヲタを自称する僕としては、なかなか面白い繋がりだなーって今さらながら思ったりするわけで。

特典ポスター

そしてこの度、飛呂彦が新たにジャケを手がける事となったアーティストこそ、2010年にスウェーデンはストックホルムで結成された、ボーカルのジョナ・ニルソンとベースのヘンリック・リンダーとドラムのアーロン・メレガルドからなる三人トリオ、その名もDirty Loopsだ。じゃあ一体ダーティループスとは何ぞや?というわけで→早い話、彼らは名門のスウェーデン王立音楽アカデミー出身の音楽エリートが意気投合して、レディガガの曲をカバーしたパフォーマンスをyoutubeにアップするやいなや、バックストリート・ボーイズで知られる売れっ子プロデューサーに目をつけられ、しまいにはスティーヴィー・ワンダーやデイビッド・フォスターまで彼らに魅了され、そしてデイビッドが会長を務めるジャズの名門Verveレーベルと契約するに至る。まさに現代だからこそ生まれた話題のバンド、というわけ。で、とりあえずスウェーデン映画『ドラゴン・タトゥーの女』の女主人公あるいはショーン・ペン主演の映画『きっと ここが帰る場所』の主人公を彷彿とさせる、ベーシストのヘンリックのゴス/パンクなビジュアルが自分がイメージする典型的なスウェーデン人みたいな感じでほんと好きなんだけど、このキャラクター性ってジョジョそのものというか、そもそもメンバーがジョジョファンであった事から今回のコラボが実現したらしいので、もしかしたらわざと”ジョジョっぽさ”を意識してたりするのかもしれない。そこに『ジョジョ』との親和性を感じて、飛呂彦もジャケを描き下ろそうと快く受諾したのかもしれない。これは意外だったんだが、飛呂彦が洋楽アーティストのジャケを手がけるのは今回が初めてらしい。とにかく、ウチのブログでも贔屓にしてるスウェーデンと荒木飛呂彦のコラボが実現したってのが、個人的に何よりも嬉しい出来事だった。しっかし、最近の飛呂彦の中では”承太郎ポーズ”が流行りなのね。スウェーデンの国旗をモチーフにした衣装をはじめ、ダーティ・ループスだけにメビウスの輪のように”ループ”したパンツの柄や足元の花に飛呂彦の遊び心が感じられる。過去の例からすると、現在連載中のジョジョ8部『ジョジョリオン』にダーティ・ループスという名のスタンドが登場するフラグかも?



そんなDirty Loopsのデビュー・アルバム『Loopified』なんだけど、とりあえず一曲目の”Hit Me”を聴いた時の衝撃ったらなかった。まるでTOTOを彷彿とさせる80年代風のシンセを中心としたダンサンブルなEDMサウンドとジャズ/フュージョン意識の高いドラムとベースのリズム隊、そして”キング・オブ・ポップ”ことマイケル・ジャクソン顔負けのファンキーでソウルフルなボーカルが絶妙なアンサンブルと抜群のケミストリーを起こし、もはやボーカルの歌唱力が高いとかベースがドラムがバカテクだとかそんな次元の話ではなくて、それら全てを飲み込んで最終的に極上のポップ・ミュージックへと昇華していく、それこそ『ディスコの神様』を称するに相応しい名曲だ。確かに、名門アカデミー出身という肩書に裏打ちされた楽器隊の確かな技術と複数の音楽界の重鎮から見出されたクソ上手いボーカルが織りなす、スリリングでエキサイティングなテクニカル・サウンドにどうしても注目が集まるが、そんな肩書きや技術的な面よりも単純に聴いてて楽しい気分にさせる、そんな音楽として本来あるべき姿を”シンプル”に鳴らしている。部分的には複雑に聴こえるが、全体で見るとやってることは至ってシンプル・・・そのバランス感覚が彼らの最も優れた所なんじゃあないか?って、それが”Hit Me”を聴いた率直な感想だった。つうか、菅野よう子とか相対性理論やくしまるえつことかゼッテー好きでしょこの曲。だってこれ、完全に”X次元へようこそ”じゃんw

???「ゴラあああああああ!!誰がパクリじゃボケえええええええええ!!」

確かに、”Hit Me”の一発屋と言われかねないくらいソレのインパクトが強すぎてアレだが、スパイス・ガールズなどの90年代のアイドル・ポップスを彷彿とさせるキャッチーなボーカルをもって、それこそダーティ・ループス流のEDMを展開する#2”Sexy Girls”とエレクトロ・ポップ色の強い#3”サヨナラ・ラブ”をはじめ、ジャズ/フュージョン的なオサレムードを高めつつJ-Popにも通じる綺羅びやでファンキーなアレンジをもって大胆な展開美を披露する#4”Wake Me Up”、再びPerfume顔負けのバッキバキなクラブ系EDMサウンドを展開する#5”Die For You”、シリアスなイントロから一転して音楽エリートである彼らのクラシック音楽に対する素養を伺わせる#6”It Hurts”は、まるで演歌のような哀愁駄々漏れのバラードナンバーで、これには日本人の心が揺さぶられること必須だ。このフロントマンのジョナによる舞台役者のように情感あふれるハイトーンボイス、なんかデジャブを感じるというか誰かに似てると思ったらLeprousエイナルっぽいんだ。とにかく、ジョナの有無を言わせぬ圧倒的な歌唱力その表現力には、音楽界の重鎮から認められるだけの確かな説得力がある。そして中盤以降も、ミニマルなアレンジとオーケストラが融合したマイナー・コード主体の#8”Take On the World”、往年の曲のカバーかな?って勘違いするくらい懐かしさを感じる#9”Accidentally In Love”、ピアノ主体の哀愁バラードの#11”Crash and Burn Delight”、終盤はジャスティン・ビーバーや宇多田ヒカルの名曲をダーティ・ループス流の解釈でカバーして自らのポテンシャルを証明し、最後はオリジナル曲の#14”Got Me Going”で締めくくる。とにかく、ジャス/フュージョン/ファンク/エレクトロの要素を一つの”ポップ・ミュージック”として昇華していく、ある意味J-Pop的なアーティストというか、ジャンルの壁を三人が奏でる黄金の音エネルギーで突き破っていくような、まさしくジャンルレスなハイブリット・ポップを展開している。それこそ”日本人好み”という言葉がよく似合う、そのポップなアレンジやメロディセンスに、スウェーデン人が持つポップ・センスには只々脱帽するばかりで、これはプログレやメタル界隈でもそうなんだが、ヲタククサいニッチなジャンルの中でポップスを表現するセンスというか、様々な音を一つにハイブリット化するスウェーデン人の音楽センスはノーベル音楽賞に値するだろう。

確かに、音的には特に目新しいものではないし、いい意味でチープというかB級感あふれえるアレンジが、逆に懐かしのアイドル・ポップスやMTV全盛のポップ・ミュージックを連想させる。MTV全盛の時代を経験し、自身の作品にもその影響を取り入れている荒木飛呂彦も、このダーティ・ループスが奏でる音を懐かしみながら聴いているに違いない。なんだろう、新しい音楽ネタを全てやり尽くした今の閑散した音楽シーンに一つのキッカケを与えるかのような、往年のポップ・ミュージックに回帰していく波が邦楽洋楽問わず世界的にキテいるのかもしれない。しかし、洋楽を普段聴かない日本人にも馴染みやすいキャッチーなメロディや”Sayonara Love”とかいうタイトルをはじめ、メンバーがジョジョファンだったり宇多田ヒカルのカバーを見ても分かるように、かなり日本贔屓のアーティストであるのは確かで、正直ありがちなビッグ・イン・ジャパン現象・・・そんなイメージがどうしても否めない。なんだろう、第二のt.A.T.u.じゃあないけど、いわゆる”二匹目のどじょう”を狙った、レコード会社の思惑が透けて見える売り方というか。耳の肥えていない日本人相手ならまだしも、耳の肥えた地域の人がこのダーティ・ループスの音を聴いてどう反応するのか?ソコ気になる所ではある。何にせよ、菅野よう子がヒャッハー!!しちゃいそうな、懐かしのポップスにノスタルジーを感じてみてはいかがでしょう?

ダーティ・ループス~コンプリート・エディション~(特典なし)
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赤い公園 『猛烈リトミック』

Artist 赤い公園
赤い公園

Album 『猛烈リトミック』
猛烈リトミック

Tracklist

01. NOW ON AIR
03. 108
04. いちご
05. 誰かが言ってた
06.
07. ドライフラワー
08. TOKYO HARBOR feat.KREVA
09. ひつじ屋さん
10. サイダー
11. 楽しい
12. 牢屋
13. お留守番
15.

赤い公園・・・「はじめまして!赤い公園です!」

ミカエル・オーカーフェルト・・・「グハハ!貴様も『黒水公園にしてやろうか!?」 

赤い公園・・・「キャ~!ホモ~!」

ミカエル・オーカーフェルト・・・「ぶっさw赤い後援会抜けるわw」

約一年前くらいに話題を呼んだ今更のMVを観た時の赤い公園の第一印象といえば→なんかちょっと気取った軽音サークルのサバサバ系女子大生が、ちょっとサブカルっぽいちょっと初期相対性理論っぽい事やってみた感じの印象で、その時は特に良い印象はなくて、むしろ逆に「ぶっさwコミュ抜けるわw」くらいのネガティヴなイメージしか持てなくて、その当時は完全にスルーしていた。他には、ギターの津野米咲さんが極度の℃ヲタだって事くらいの認識しかなくて(つい最近、念願の℃-uteとの対バンが実現したらしい)、そんな自分なんだけど、偶然たまたま新曲の”NOW ON AIR”のMVを観ちゃったら最後、マイ・ハートにズキュウウゥン!!という擬音と共に”ナニか”が注入された。



女性SHINE! ・・・このMVはちょっとした衝撃だった。まるでピーチジョンあるいはサイバーエージェントの社名を連想させる、総勢38人のイマドキ系女子が一つの画に凝縮された女子力の高い映像と、その某アイドルリスペクトな映像と同調するかのような、ノイジーに歪んだギターやエレクトロやピアノの音が激しく共振するkawaiiイントロから、まさしく「売れたい、売りたい」という明確な意思が「レディオ 冴えない今日に飛ばせ 日本中の耳に」という歌詞に込められたサビへと繋がる、とにかく”POP”過ぎる甘酸っぱくて刹那的なポップ・サウンドに→My Heart is kawaii!!キモチになったんだ。持ち前のヒネクレた音使いは影を潜め、とにかく「売れたい、売りたい」という意思を感じるポップ・ソングで、赤い公園の今の勢いがハードなドライブ感と共に赤裸々にハジケ飛ぶかのような、もはやShiggy Jr.Silent Sirenなんて目じゃないくらいの女の子パワーに溢れたキラーチューンだ。確かに、このセクシャルなMV共々赤い公園らしからぬ楽曲だと感じるかもしれない、だが僕はそうは思わなかった。この”kawaii”を全面に押し出したMVの映像に、一人の女の子がタバコを吹かすシーンがある。近年、映画やドラマでも自粛されつつある喫煙シーンが醸し出すヤニ臭さと38人のイマドキ系女子が醸し出すフェミニンな香りが入り混じった、なんとも言えないような独特の猥臭がム~ンと漂ってきそうな、それこそ『猛烈リトミック』を象徴するこのワンシーンに感銘を受けたというか、もともと僕の赤い公園に対するイメージの一つに”ガールズ・ロック界のマイルドヤンキー”みたいな謎のイメージがあって、でも本作のkawaii de POPなコンセプトとその”ちょいワル”なイメージって真逆だったりするから、どうしても妙な違和感が拭いきれなくて、でも”NOW ON AIR”を何回も聴いていくうちに、バンドの雰囲気は”アウトロー”っぽいのに音はインテリ・・・そんな一種の”ギャップ”というか、逆に対極に位置するかこそ”POP”とはナニかが理解できるんじゃあないか?って。なんだろう、ヤンキー少女の方が本物のkawaiiを知ってる、みたいな逆転の発想的な感覚?

      「刮目せよ!鈴木愛理を超える表情力を!」
見よ!鈴木愛理顔負けの表情を!

MVを見たミカエル・オーカーフェルト・・・「umm...Red Park is kawaii...?」

赤い公園VS,黒水公園 ・・・要約すると→この赤い公園の2ndアルバム『猛烈リトミック』のコンセプトは「売れたい、売りたい」で、そのコンセプトを実現させるとなると、やはり赤い公園のメンバーだけじゃ不足するのもがあって、その足りない要素を補うために、今作では亀田音楽専門学校の校長亀田誠治氏やKREVAなどのゲストや著名なプロデューサーを複数迎えて制作されている。その氏が手がけた二曲目の”絶対的な関係”は、一曲目の”NOW ON AIR”から一転して、まるで赤い公園のネジ曲がった根性のようにギッチギチに歪ませたノイズ・ロックをぶっ放し、次の#3”108”は数字的な意味でノルウェーの22的なマスロック感あふれる津野ちゃんのトリッキーなカッティング・ギターでリズミカルに展開する。再び亀田氏がプロデュースした#4”いちご”は、可愛らしいキューティクルなエレクトロニカをフューチャーした曲で、いちごをテーマにした子供向けの歌詞まで全てがユニークなNHK教育風ナンバーだ。そして、シューゲイザー風のアプローチを垣間みせるポスト-メタルバラードの#6”私”を皮切りに、初期の椎名林檎森田童子あるいは鬼束ちひろを連想させる昭和歌謡ばりにレトロで鬱々しい超絶轟音ナンバーの#7”ドライフラワー”からヒップホッパーKREVAとコラボした#8”TOKYO HARBOR”、極めつけとなる#9”ひつじ屋さん”までの流れを聴けば僕たちは理解するだろう→ボーカルの”佐藤千明はメタル”だって事を、そして”赤い公園はメタル”だって事を...ッ。その中でも、9曲目の”ひつじ屋さん”には驚かされた。これ、ただのプログレじゃん!って。いや、ただのプログレなんかじゃあない。この”ひつじ屋さん”とかいうクソみたいなタイトルや悪夢かと思うくらい前衛的なMVからは全く想像できない、それはまるで『クリムゾン・キングの公園』の世界...あるいはブラック・サバス『Paranoid』を彷彿とさせる、往年の70s暗黒ヘヴィ・サイケ/プログレッシブ・ロックを目の当たりにした僕は、宮殿ジャケのような顔をして只々唖然とするしかなかった。で、これは#8でも思ったんだが、赤い公園の毒素のある陰気な音使いってなんかスゲーUKバンドっぽくね?って。つまり、ようやくここで最初のミカエル・オーカーフェルト赤い公園の会話に繋がってくるわけです。そう、僕はOpeth『黒水公園』をプロデュースしたUKの奇才スティーヴン・ウィルソンの姿を今作の中に垣間見たのである。ちょっとインテリっぽいヒネクレた音楽を”ポップス”あるいは”メジャー”に昇華するスタイル、そのスティーヴン・ウィルソン赤い公園に共通する音楽的理念、その”大衆性”を極めんとするスタイルに親和性を見出すことに成功したのである。その衝撃の事実に気づいた瞬間は、ほぼ初めて赤い公園を聴いているのにも関わらず、驚くくらいスンナリと耳に馴染む、馴染んだワケを理解した瞬間だった。つうか、こいつらの本性ってコッチ側だったのかって、津野ちゃんってコッチ側の人間だったのかって、当然いい意味で驚かされたというか、なんか逆に嬉しくなった。こいつら、”俺の感性”が求めていた真のジェイポッパーなんじゃねーかって。あの黒水公園VS,赤い公園という構図は何一つ間違っちゃいなかったんだって。だからメタラーやオペサーをはじめ、SW先生が好きなら大人しく聴くべきアルバムなんじゃねーかって。もちろん、SWソロの1st『Insurgentes』と一緒にね。

ミカエル・オーカーフェルト・・・「Red Park is better than Blackwater Park!!」

クリムゾン・キングの公園 ・・・赤い公園の内に秘められた鬼エネルギーが爆発するような中盤の怒涛の流れを抜けると→「私たち、こんな曲もできちゃうんですテヘペロ☆」とばかりの、疾走感あふれるエネルギッシュなメロコアチューンの#10”サイダー”から、タイトルどおり楽しくバカ騒ぎする曲でワンピースの主題歌っぽいサビが印象的な#11”楽しい”、イントロのダーティなリフと間奏の官能的なフレーズに津野米咲の初期椎名林檎へのアツいリスペクトを感じる#12”牢屋”、再びチルいエレクトロとトリップ・ホップ的なアレンジを効かせた#13”お留守番”は、パスピエ”瞑想”を彷彿とさせる子守唄のようなNHK教育的ナンバー。で、津野っちのディストーション・ギターから始まって、夕暮れ時のノスタルジックな雰囲気を醸し出す摩訶不思議(オリエンタル)なアレンジを施しながら力強くリリカルに、そしてPost-Progressiveに展開する#14”風が知ってる”から、そのリリカルな流れを汲んでミニマルに聴かせる#15”木”までの流れはハイライトで、なんだろう・・・終わりが近づくにつれ→「終わらないでくれ、もっと聴いていたい、僕はもっと赤い公園という名のテーマパークで遊んでいたいんだ」という、まるで子供時代に立ち返ったような気分になった。全部で15曲あるにも関わらず、ツカミの序盤から目玉となる中盤のテンションを最後の最後まで持続させる馬力の強さは、まさしく今の赤い公園の勢いを象徴しているかのよう。特に終盤に近づくにつれて「おおっ!」と耳を刺激する、噛めば噛むほど味が出るスルメのようなギターのフレーズ、メロディの充実っぷりからは、津野米咲とかいうアーティストの絶対的な才能を垣間見ることができるし、こんなん聴かされちゃあ津野ニー不可避ですわ。で、これは最終的に”NOW ON AIR”の例のワンシーンに帰結してくるのだけれど、パッと聴きでは初々しいガールズ・ロックで可愛らしんだけど、随所で顔を覗かせる不穏な空気感や時として狂気的な音使いに、思春期の乙女心に潜むオンナの本性を、隠しきれない赤い公園のヒネクレた性根を、それこそ見てはいけないものを見てしまったような気がして、背筋がゾクゾクしてしまった。だからある意味、ホラーなアルバムだと思う。まるで放課後の夕日に赤く焼けたクリムゾン・キングの公園で、「よってらっしゃい、みてらっしゃい」の合図で幕を開ける、全部で15枚の闇芝居もとい紙芝居劇を観ているかのような、なんだろう、例えるなら江戸川乱歩の少年探偵団シリーズを読んでいるかのような、そんなエキゾチックでノスタルジックな郷愁をふと呼び起こすような、それこそ『猛烈リトミック』の真のコンセプトである、誰しもが持つ子供時代の思い出を、その普遍的なテーマを冒険活劇のように力強く描き出している。

クリムゾン・キングの公園

津野米咲≒SW ・・・あらためて、今作のコンセプトは「売れたい、売りたい」だ。だから音が一点に偏っているなんて事はなく、Jポップ/パンク/メタル/ノイズ/プログレ/シューゲイザー/メロコア/エレクトロ/マスロック/ポストロックなど様々なジャンルを網羅した、めっちゃポジティヴな曲からイギリスの音楽顔負けの薄暗くて内省的な曲、ハードな曲からソフト&ウェットな曲まで、もはやできない曲はないと言わんばかりのバラエティに富んだ”オルタナティブ”な曲調、それらをカラフルに彩るオシャンティかつ個性的なアレンジからは、赤い公園が持つ無限の可能性(ポテンシャル)を感じ取ることができる。で、赤い公園の底知れぬポテンシャルを実現させているのって、ひとえにボーカルの佐藤千明の業なんじゃねーかって。決して天才的に上手いというわけではないし、正直どこに特徴があるのかイマイチ掴めない、少なくともイマドキの媚びたようなボーカルではなく、どちらかと言えばヤンキーみたいな巻き舌がよく似合う泥臭いタイプのボーカルなんだけど、シャウトするように声を張り上げるメタルバラードから繊細に優しく歌い上げるNHK教育ソングまで、どのジャンルどの場面もソツなく柔軟に歌いこなす姿は、歌手佐藤千明というより女優佐藤千明に見えてしょうがなかった。特に#7の病んだ歌詞を激情的に演じてみせるエモーショナルなシーンは主演女優賞もんだし、なんだかんだ赤い公園のボーカルは佐藤千明じゃなければ成り立たないってのが分かるはずだ。事実、今作の「売れたい、売りたい」というコンセプトを一番わかりやすく表現しているのって彼女だからね。ともあれ、音がメジャー色に洗練されて大衆性が著しく増しつつも、これまで通りツウが喜ぶツボというのをシッカリと押さえた”らしい”サウンドに、津野米咲が奏でる絵の具のパレットように色彩豊かなギター・フレーズに、津野ネキがただの℃ヲタじゃなかったことに、そして津野ネキのソングライティングから溢れ出す”Psot”な感性に→My Heart is Happy!! だから僕は、この赤い公園が日本で初めてスティーヴン・ウィルソンにプロデュースされるバンド・・・になる可能性を諦めない。僕は、諦めない。まぁ、それは半分冗談なんだけど→その【津野米咲≒スティーヴン・ウィルソン】という今世紀最大の衝撃的な”答え”を導き出し、遂には【SW】【昭和歌謡】【ポップ】【Psot-Progressive】という4つのキーワードから、DIR EN GREY”サVカル系男子”こと率いるsukekiyoの存在が逆さまの状態で脳裏に浮かび上がってきた。これは冗談じゃなしに、リアルにsukekiyo赤い公園の対バンありそうな予感はする。だから頼んだで~京。あと今作に℃-ute鈴木愛理がコメント寄せてて笑ったんだけど、その流れで”NOW ON AIR”鈴木愛理Ver作って欲しいと思っちゃったんだからしょうがない小宮山。

new_Opeth++PNG・・・「なぁウィルソン、俺たちの名盤『黒水公園』をプロデュースした君なら赤い公園を上手くプロデュースできるんじゃないか?」

スティーヴン・ウィルソン・・・「あぁ...だがなぜ女なんだ・・・」

『猛烈リトミック』を支持する理由 ・・・この赤い公園の2ndアルバム『猛烈リトミック』は、今年の邦楽界を代表する傑作だ。日本中の音楽好きに『夢』と『希望』を与えるかのような、メンバー4人の音楽愛が魂となってそれぞれの楽器に宿り、その過程で音エネルギーへと変化し、その4つの音エネルギーが一つに融け合った名盤だ。それでは、リードトラックの”NOW ON AIR”の歌詞にあるように、このアルバムがヒット・チャートを賑わせているか?日本中の耳に届いているか?と言われたらNO ON AIRだ。週間アルバムランキングで最高27位という現実に目を疑った。売れなきゃいけないアルバムが売れない、邦楽界の現状を垣間見た気がした。こんな素晴らしいアルバムが一万枚も売れない時代なんだって。いくらスマップに楽曲提供しているからといって、いくら名プロデューサーや著名なゲストを迎えているからといって、いくらゴリ押しに宣伝したからといって簡単に売れるような時代じゃないんだって。この夢も希望もない今の邦楽シーンに絶望した!理想と現実のギャップに絶望した!っつっても、イマドキのデジタルで売れてるってんならそれまでの話だが。。。これは俺たちのアイドル池田智子擁するShiggy.JrLISTEN TO THE MUSICでも思ったんだが、赤い公園”NOW ON AIR”にあるPlease Don't Stop The Music Baby!!とかいう歌詞からは、現代に蔓延る音楽リスナーの減少問題を暗に表しているようで、「なんてエモーショナルなのだろう・・・」と思うと同時に、”音楽を聴いて欲しい”という彼女たちの切なる願いを感じ取った。話は変わるが→おいら、きのこ帝国tricotは死ぬまで聴くことはないと思う。なぜなら、その例に出した2バンドには”聴いて欲しい”という意思が音に感じないから。しかし赤い公園『猛烈リトミック』は違う。日本中に聴いて欲しいという明確な意思が音に込められている。その”意思”に聴き手がどう反応してやれるか?その結果が今作の売上に直接繋がっているんじゃあないかって。別に現代音楽リスナーの審美眼の低下を憂いているわけじゃあなくて、実際問題、今の邦楽シーンにおいて、その”売れたい”という意思って最も大事なことなんじゃあないかって。だから僕は、”売れたい”と願った赤い公園の意思を無駄にしたくはないんだ。以上が、僕が赤い公園『猛烈リトミック』を支持する理由だ。ちなみに、僕の推しメンはドラムの歌川菜穂ちゃんです。って・・・ん?

               (公式HPのプロフィールから)
                    歌川菜穂(Dr)
                    LIVEサポート
                     Vampillia
                   The SALOVERS



                       ・・・


<<<<<Vampillia>>>>>



                        ・・・



「なぜお前がそこにいるううううう!?うわあああああああああああああああ」
Vampillia

・・・ともあれ、はたして本当に赤い公園”メタル”なのか?その真相を確かめるため、今月の下旬から始まるワンマンツアーに行って、実際にこの目で確かめてこようと思う。なのでオペサーは『黒水公園』のTシャツを着て参戦するように!

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ラウドパークに仮面女子が参戦することについて

仮面女子
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結論→Slipknotリスペクトなのでセーフ

Whirr 『Sway』

Artist Whirr
Whirr

Album 『Sway』
Sway

Tracklist
01. Press
02. Mumble
03. Dry
04. Clear
05. Heavy
06. Sway
07. Lines
08. Feel

Deafheaven VS, ex-Deafheaven ・・・昨年、メタルシーンを最も賑わせたアルバムといえばDEAFHEAVEN『サンベイザー』だ。最近では、その現DEAFHEAVENex-DEAFHEAVENの派閥争いが激化し始めていて、大手音楽メディアピッチフォークをパトロンとする現デフヘヴンに対抗する組織、言うなれば”アンチピッチフォーク界のアイドル”ならぬex-DEAFHEAVEN側の首謀者であるニック・バセットくんが今年新たにNothingDeath Of Loversなる新バンドを立ち上げたが、そんな彼が以前より在籍していたシューゲイザーバンド、Whirrの約二年ぶりとなる2ndフル『Sway』がリリースされた。

原点回帰 ・・・このWhirrといえば→2010年作のEP『桃尻女とシューゲイザー』がマイブラ直系の甘~いシューゲイズ・サウンドに胸キュン不可避な傑作で華々しいデビューを飾り、誰しもが将来を期待するバンドに思えた。がしかし、その後は紅一点の女性VoのByanca Munozたそを皮切りに、遂には後任ボーカルのKristina Esfandiariまでも脱退し、その作風もよく分からない方向に迷走し始め、デビュー当時のバンドの勢いは作品を追う毎に右肩下がりに、巷じゃ「デビューEPで終ったバンド」...そんな悪評が広まっていた。そんな彼らが放つ2ndフル『Sway』は、あの迷走していた時期とは一体なんだったのか?ってくらい、AlcestLantlosあるいはHammockを連想させるドリーム・ポップ系の儚いメロディをフューチャーした轟音ヘヴィロックやってて、このデフヘヴンからシューゲ部分をザックリと抜き出したような、シューゲイザー・リバイバル感あふれる萌え萌え胸キュンサウンドこそWhirrの真骨頂であり、ここ最近のアルバムでは最も桃尻女とシューゲイザーに近い作風、つまり”原点回帰”と呼べる一作となっている。ひとえに”原点回帰”と言っても厳密には違うくて、ニックの影に隠れたWhirrの実質最高権力者ことLoren Riveraがメインボーカルを張っている所やオルタナティブなアプローチを強めている所からも、どちらかと言えばNothingや盟友Anneに引っ張られる形となっている。ドラムをはじめ全体的に音がメタリックで、そういった意味でもNothingの影響というか、近年のニックの嗜好が顕著に出た作風と言える。それはさしずめ女子禁制の『鮫肌男とシューゲイザー』といった所か。

???「ファッ◯ン ピッチ!」 ・・・ローレンというヤンデレ系男子の憂鬱な歌と焦燥感を煽るメロディを乗せてパンキッシュに疾走する#1”Press”は、1stEPの”Meaningless”や1stフルから”Junebouvier”の流れにあるハードコアな曲で、それこそ”原点回帰”を宣言するに相応しいオープニングナンバーと言える。続く#2”Mumble”では、音響意識の高いドリーミーなメロディとノイジーなギター、そして胸キュン不可避なボーカル・ハーモニーを聴けば名盤桃尻女とシューゲイザーの再来を予感させる。そして、その予感は#3”Dry”で確信へと変わる。この曲は、Alcestの2ndを彷彿とさせる幻夢的なメロディとポストメタリックな轟音ヘヴィネスが美しくも激しく交錯していく。深いリヴァーヴを効かせた幻想的なメロディと身が竦むほどノイジーな轟音が雪崩のように押し寄せる#4”Clear”、まるで鮫肌のようなギター・ノイズと甘味なボーカル・ハーモニーが織りなす、エベレストの山頂で恋の遭難信号を発しながら息絶えるような胸キュンボンバーの#5”Heavy”Hammockばりのアンビエンス音響空間を形成しつつローテンポで進む表題曲の#6”Sway”、それ以降も最後までメロディ重視の作風といった印象で、その量は過去最高と言っていい。確かに、Nothingほどのインパクトはないかもしれないが、少なくともちょっとオサレなノイズ・ポップと化した1stフルやポストロック化した2ndEPよりは、彼らの原点である『桃尻女とシューゲイザー』を感じる事のできる、それと対になる王道的なシューゲイズ作品で、個人的にも『桃尻』の次に好きなアルバムとなった。そして、ようやく長い迷走期間から抜け出す事ができたんだってね。

デフヘヴン包囲網 ・・・この”大シューゲイザーの時代”の草分け的な存在であるWhirr”原点回帰”したことにより、俄然デッへ界隈の権力争いが面白くなってきた所で→現Deafheavenのメンバーによる新バンドCreepersがデビュー、からのByanca Munozたそ率いるNight Schoolが電撃参戦!というシナリオ。正直、デッへ界隈だけでここまで楽しめるのは全てニックのお陰というか・・・ハッ!まさかニックはこの未来を描くためにデッへから脱退した可能性が・・・ッ!? な...なんてエモーショナルな人なんだ・・・。
 
Sway
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