サマソニ09に出演が決定しているUSAのアトランタ出身のプログレッシヴ/スラッジ・メタルバンドの4人組、MASTODON の約2年振りの4作目「Crack The Skye」を紹介。メンバーは、ブラン・デイラー(Dr)、ブレント・ハインズ(G/Vo)、ビル・ケリハー(G)、トロイ・サンダース(B/Vo)。

01.Oblivion (忘却) 
02.Divinations (予言)
03.Quintessence (精髄) 
04.The Czar (皇帝)
  (I) Usurper
  (II) Escape
  (III) Martyr

  (IV) Spiral
05.Ghost Of Karelia (カレリアの亡霊)
06.Crack The Skye
07.The Last Baron (最後の伯爵)

サマソニ09に出演が決定しているUSA産のプログレッシヴ/スラッジ・メタルバンドの4人組、MASTODONの4作目『Crack The Skye』なんだけど、メジャーからのリリースだった前作の3rd「Blood Mountain」は、5分以内の曲をコンパクトに並べてトータル50分聴かせるなかなかの良盤だったが、AC/DCPeal Jamらを手掛けた名プロデューサー、ブレンダン・オブライエンを迎え地元のアトランタで製作された通算4枚目となる本作では、コンパクトに作られた前作とは一転した作風で、10分越えのドラマティックな大作があったり、プログレッシヴな変調子を積極的に取り入れた作風的に考えて、今作は従来のアグレッシヴなハードコア色を抑えて、OPETHにも通づる70年代の香りが漂うプログレッシヴ・ロック/メタル、要は、より一層クラシックでプログレッシヴ、それと同時に「メタル」なアピールを非常に強めてきた、これまで以上にヘヴィな質感を持った作品に仕上がっている。前作は12曲で50分、今作は7曲で50分という構成だが、心配するなかれ、どこを聴いてもMASTODONはMASTODON流の無二のプログレッシヴ/スラッジ・サウンドを一点にひたすら集中し追求した、これまで以上に奥深~いコンセプトを感じさせるアルバムだ。彼らのサウンドから垣間見れる70年代のプログレッシヴ/クラシック・ロックバンドの偉人達にも、決して引けを取る事のない現代プログレッシヴの新しい形を確かに証明付けた1枚だと思う。ビルボードチャート11位に位置づけたのも納得する濃く充実した内容だし、次作は間違いなくチャートTOP10入り確実だろうね。さっさと結論を言っちゃうと神盤、個人的に名盤認定。ただ何も言わずに「これを聴け!!」と叫びたい。君が好きだーとー叫びーたい♪

 前作とのちょっとした違いを述べるなら、さっき書いたドラマティックでプログレッシヴな大作指向の強いアルバムなのは勿論だが(つっても大作は4と7だけだけどね)、ヴォーカル・パートがデス/スクリーム・ヴォイスを抑えて、トロイの「ニャ~オ♪ミャ~オ♪」タイプのメロディアスなクリーン・ヴォーカルやコーラスをメインに歌ってるし、ギターリフについても「メタル」っぽい印象が強いリフが多いが、一方のハードコアの要素やアグレッシヴな勢いの要素はだいぶオミットされてる感じなんで、聴き手の好みが大きく分かれそうな作品だろうけど、OPETH大好きっ子なボク的には大大大歓迎なアルバムだったわけです。特に、PVになってる曲で、バンジョーのイントロから始まる2の「Divinations (予言)」はOPETH好き必聴ナンバー(この曲のリフからはなんとなくTrivium も想起せたりしてなかなか面白かった)。彼らは一見聴きずらそうなサウンドをしてるように見えるけど、何回も聴き込んでいくうちにMASTODON流のキャッチーさがしっかりと伝わってくるんで、忍耐強く今作をリピートする事をオススメします。てか、今作はヴォーカルがメロディアスに歌っているパートが多いから普通にキャッチーに聴けちゃうアルバムだと思うんだ。あのフレーズやあのメロディが心に印象的に響き渡り、ついついそのフレーズ/メロディを鼻歌で歌ってしまうほどの魔力を持ってる。プロデューサーのお陰か、音質も何処となしかクラシックスタイルの音作りっぽくて1音1音の聴こえ方がとてもクリアで◎。このアルバム聴いて思ったんだけど、このバンドは「プログレッシヴ・メタル」というよりは、「メタル」な感性と「ヘヴィ」な重さを適度に持った現代版の「プログレッシヴ・ロック」or「Heavy Prog」というジャンルをやってるんじゃなかろうか。まーそんな事はどーでもいー事だけどね(・∀・)つまりは、毎作品ごとに確実に進化を遂げているバンド、って事です。

 とにかく今作を耳で直に聴いてほしい気持ちが強いし、楽曲について一々書く必要はないと思うから割愛するけど、間違いなく今作の目玉商品と呼べるラストの「The Last Baron (最後の伯爵)」は、アコギのメロから始まるキッチリ13分ある大作で、DTRUSH 的なテクニカルでプログレッシヴな展開を見せる中盤は、モロにプログレ・メタル/ロック・リスナーにアピールする名曲中の名曲。そして現代のプログレッシヴ・サウンドを体現したかのような、もう一つの大作の「The Czar (皇帝)」は、4楽章に分かれたドラマティック過ぎると同時に混沌に満ち溢れた名曲だ。この曲のギターソロはマジで70年代っぽいクラシックでいてストレートな「泣き」のソロを披露している。割愛すると言いながら書きたくなってしまうほどの魅力を存分に持った、常に混沌としたサイケデリックな雰囲気を最初から最後まで聴かせるこの大作2曲はとにかく「ヤバイ」の一言です。何回も言うけど、最後の「(最後の伯爵)」はマジヤバイ。ヤバイヨヤバイヨ。長尺ながら全く「長い」と感じさせないし、展開に飽きが来ないんだよなー、素晴らしい!!とにかく1曲1曲の完成度が高すぎるナンバーばかりです。ちゅーか、毎回毎回インパクト大なジャケも相変わらず今回も凄いね~。ジャケ眺めてるだけで今作の音が聴こえて来るかのようだ・・・これぞ名ジャケやね(^O^)ブックレットも凄いのなんのって・・・(笑)


 聴けば聴くほどハマっていくし、毎回毎回聴くたびに新しい発見が生まれる中毒性が高いアルバムデス。捨て曲もナシ・・・というかマイナスの要素を見つけるのが難しいアルバムだね、これ。必然的にライブが見たくなる曲ばっかだしね!!これぞ「新世代メタル」の覇者と呼べる金字塔をおっ立てた、説明不要の歴史的な名盤。こりゃーぶったまげましたわ・・・THE AGONIST の新作を抜いて今年NO1に躍り出ちゃいました(^-^)/こんなアルバム出されちゃ、今後の彼らに目が離せなくなっちまう。とやかく、プログレ/ヘヴィ・リスナーは今年最大、いや、近年稀に見る絶対的なマストアイテムだし、音楽が好きな人全員に聴いてもらいたい作品です。ボク的には近年のPorcupine Tree が好きな人に大のオススメがしたいアルバムやね、コレ。70年代の音楽を殆ど嗜んだ事のない僕がここまで気に入るんだから、今の若い子に対しても敷居が低いアルバムだと思うんで、是非とも今の現代っ子にオススメしたい作品でもある。正直、このアルバムが出た事によって、今年は最低限「不作」にはならずにすんだね(^O^)最近はコレばっか聴いてて、幸か不幸か他のバンドのアルバムが聴けない状態になってます・・・

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Crack the Skye
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