HR/HMのCDをてけとーにレビューするブログ
Swallow The Sunや元AmorphisKreator などのメンバーで構成されたフィンランドのプログレッシブ・メタルバンドの6人組み、BARREN EARTH のデビューアルバム「Curse Of The Red River」を紹介。


01. The Curse Of The Red River   ★★★★★
02. Our Twilight              ★★★★☆
03. Forlorn Waves            ★★★★
04. Flicker                 ★★★★★
05. The Leer                ★★★★
06. The Ritual Of Dawn         ★★★★☆
07. Ere All Perish             ★★★★
08. Cold Earth Chamber         ★★★★
09. Deserted Morrows          ★★★★


Swallow The SunのVoミッコや元Amorphisのベーシストとキーボーディスト、KreatorのGサミなどの豪華メンバーで構成されたフィンランドのプログレッシブ・メタラー、BARREN EARTHの昨年リリースされたEP「Our Twilight」に次いでのフルレンスデビュー作「Curse Of The Red River」なんだけど、この「フィニッシュ・オールスター」とでも呼びたくなるような豪勢メンツを集結して完成された音楽というのは、同郷のAmorphisタイプのフォーク/プログレッシブ・メタルを軸に、Opeth の「70sプログレ」やSwallow The Sunの「ドゥーム」&「メロデス」の成分をミックスしたメタルをやってて、キーボード&シンセの多彩な音や初期のOpethを想起させるアコギの音、郷愁感が溢れまくりなフルートっぽい吹奏楽器や日本の琴のような華麗な音を積極的にセンス良く取り入れた、非常に「僕好み」でハイクオリティなプログレッシブ・サウンドを聴かせてくれます。昨年のEPや本作のジャケは、Opethなどのジャケを手掛けたあのトラヴィス・スミス氏っつーのも、実に分かりやすいよね。つまりはトラヴィスファミリーなバンドって事です(・∀・)

1曲目の「The Curse Of The Red River」は、Opethタイプの幽玄かつサイケデリックな雰囲気を持った暗黒プログレ・メタルで、アコギのクリーンな音色やVoミッコのサイケデリカなクリーン・ボーカル、緊張感のあるGソロパートやフルート的な吹奏メロディをクリーンなアコギとプラスして聴かせる終盤のインスト部分とか、色々と聴き応えありすぎなキラートラック。昨年出たEPのリードトラックだった2曲目の「Our Twilight」は、ドラマティックな叙情ギターが全面に出てる曲で、爽やかなんだけど微妙にサイケなクリーン・パートがイイ感じ。3の「Forlorn Waves」は、モロにAmorphisタイプのシンプルな曲で、低音を気持ちよく聴かせる刻みGリフがカコイイ。暗黒サイケに始まる4の「Flicker」は、1曲目と同じくフォーキーなアコギを使ったり、ミッコのクリーン&グロウルを切り替えながら静と動のメリハリを効かせながら混沌と展開する曲で、日本の琴っぽい音を綺麗に靡かせる終盤のパートはマジで感動もの。。。5の「The Leer」は、疾走感と叙情性を併せ持つメロデス風ナンバー。6の「The Ritual Of Dawn」は、key&シンセを全面に、ギターは叙情的に聴かせる若干レトロな雰囲気がある曲で、スリリングなGソロやドイツのプログレバンドRPWLっぽいフワフワしたクリーン・パートも○。つか、RPWLのボーカルがゲスト参加してる?7の「Ere All Perish」は、刻みGリフで緊張感を保ちながら、keyの幽玄な雰囲気や怪しいクリーン・パートを聴かせる曲。イントロのクリーンなアコギだったり叙情的なギターがメロディックな8、ドゥーミーな9でラストを飾る。

これだけの豪華メンツを揃えているにも関らず、個々のセンスが衝突せず喧嘩せずにしっかりと楽曲に表現されてるし、それぞれの見せ場っつーのが各曲に存在するんで、もの凄いボリュームというか、聴き応えがあります。全9曲でトータル約54分という本作なんだけど、序盤の流れはほぼ完璧だが(特に1曲目や4曲目は最高)、中盤から後半にかけては若干インパクトに欠ける曲が続く印象、、、なんだけど、捨て曲はないので特にコレといった文句はないです。このBARREN EARTHは、簡単に言っちゃえばOpeth+Amorphisな音楽性なんで、サウンドのオリジナリティというのは極めて低め、だけど曲の質は高いのでその辺は上手にカヴァーできてると思う。個人的に特にポイント高い所は、初期のOpethを想起させるアコギのクリーンな「あの音」で、今のOpethでは聴けない「懐かしさ」が僕のツボにキタ。
Voのミッコは本業のSwallow The Sunの時と同様に、グロウルとクリーンを使い分けるスタイルで歌うんだけど、クリーン・パートの雰囲気はSwallow The Sunとは一味違い、BARREN EARTHの曲に合った若干「サイケ」なメロディを歌ってるのが良いんだよねぇ。特に1曲目のクリーン・パートは素晴らしい。keyの味付けも幅広いし、ギターの刻みやソロプレイも惜しげもなく披露してて、メンバーそれぞれのポテンシャルが高めなのも、聴き手としては嬉しい所。

という感じで、もはや言わずもがな、「この手」のサウンドやバンドが好きな人は聴いて損はないと思うし、個人的に、今年のベストに入りそうな気がしないでもない良盤ですよ~。オススメ!!


8.0 / 10


Curse of the Red River
Curse of the Red River
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