Artist Obsidian Kingdom
Obsidian Kingdom

Album 『Mantiis』
Mantiis

Track List
01. Not Yet Five
02. Oncoming Dark
03. Through the Glass
04. Cinnamon Balls
05. The Nurse
06. Answers Revealing
07. Last of the Light
08. Genteel to Mention
09. Awake until Dawn
10. Haunts of the Underworld
11. Endless Wall
12. Fingers in Anguish
13. Ball-Room
14. And Then it Was

スペインはバルセロナ出身の五人組、Obsidian Kingdomの1stフル『Mantiis』がナニかおかしな事やっとる。そのスタイルとしては、主にOpethからの影響を強く伺わせる”プログレッシブ・ヘヴィ/デスメタル”が持つ暴虐性と、Porcupine TreeNo-Manを連想させる”アトモス/オルタナ/アートロック/ダークロック/ポストロック/ポストメタル”などのありとあらゆるジャンルの要素を、アヴァンギャルドなセンスと解釈をもってシンプルに融合(クロスオーヴァー)させた結果→独自のexperimental系エクストリーム・ミュージックの確立に成功し、そして俺たちのイェンス・ボグレンが本作のマスタリングを手掛けたってんだから、そらもう”納得納得アンド納得ッ”の完成度よ。主にIhsahnLeprousのジャケ/デザインで知られるスペイン人のRitxi Ostáriz氏による、このクッソシュールでクッソ芸術的なアートワークからは到底想像つかない、まるでUlverPink Floydのような前衛的なアプローチとCult of LunaEnslavedのようなブラック/スラッジに至るまでの轟音ヘヴィネスを合わせ持ち、時として中期ANATHEMACynicPortalを彷彿とさせたりと、いわゆる”俺の界隈”という一つの小さな共同体に棲む住人がウキウキしそうな、これ以上ないほど実に理想的なスタイル...いいゾ~これ。 単純な話、いわゆる”俺の界隈”に属する主に”プログレ/オルタナ”界隈の重鎮もしくは幹部の名を(ニッコリ)と連想させる音楽性なんだが、先日紹介した”愛すべきバカメタル”ことXanthochroidと同じように、”オリジナルとそのフォロワー”という概念を超越した先にある、もはや”オリジナルを超えたニュー・オリジナル”と評しても決して大袈裟じゃあない、それぐらいの自己流エクストリーム・ミュージックを展開している。まさに昨年解散した同郷Nahemahの意志を受け継ぐ存在でもある彼ら、今ッ最も失業率がヤバ~いスペイン生まれというだけあって、少しクセのあるネチっこい歌なんだけども、またそれが味わい深かったりする。なにはともあれ、ホント久々にスペインのバンドからビビッっとキター!と同時に、何くわぬ顔してこんな良質なバンドと引き合わせてくれるなんて...”やイス”って。

 まずは...物哀しさを演出するピアノとアンビエンスの効いた音響メインのインスト#1”Not Yet Five”から独特のexperimentalismを醸し出し、PTライクなクリーンVo+アコギ主体のArt-Rockかと思いきや後半から激しくヘヴィに展開する#2”Oncoming Dark”、Cynic及びPortalを連想させる宇宙空間大好き♥(byカーズ)なスペース成分とOpeth大好き♥なプログレッシヴ・ヘヴィネスが共存するインストの#3”Through the Glass”、そしてデスメタル然とした暴虐性とジェントリー風のモダンなアプローチを垣間見せる#4”Cinnamon Balls”までの流れは壮絶かつ圧巻の一言で、ここまでの流れだけで”コイツらただ者じゃあない...”という事が理解ッできる。次いで短いピアノインストの#5、『Judgement』期のANATHEMAを彷彿とさせる荘厳かつ神聖なるオルタナ系ダークロックの#6”Answers Revealing”、そしてトランペットを用いたジャズ/ブルース/アヴァンギャルドな要素とブラック/デス特有の狂性が交錯する#7”Last of the Light”は本作のハイライト。で、その後もデス/スラッジばりの”轟音の壁”を形成する#11、No-Manちっくな#12、まるでCult of Luna顔負けのド轟音ヘヴィネスをブチかますラストの#14まで...約2,3分のコンパクトな曲が14曲繋がって(トータル約47分)一つの作品が完成する。要所要所に聴き応えのあるインストを挟んで物語のドラマ性を一層高める構成は、それこそANATHEMAの名盤『Judgement』を聴いてる時のような感覚に近い。つーわけで、最近で言うならスウェーデンのAtomaとか、この手の好き者ならアヘ顔しながら聴いて、どうぞ。

Mantiis
Mantiis
posted with amazlet at 13.01.29
Obsidian Kingdom (2012-11-16)