Artist Monuments
Monuments

Album 『The Amanuensis』
The Amanuensis

Tracklist
02. Origin Of Escape
03. Atlas
04. Horcrux
05. Garden Of Sankhara
06. The Alchemist
07. Quasimodo
08. Saga City
09. Jinn
10. I, The Destroyer
11. Samsara

【ex-Periphery】・・・2012年にCentury Media Recordsからデビューした、ex-Fellsilentex-Cyclamenのメンバー擁するUKはロンドン出身の五人組、Monumentsの約二年ぶりとなる2ndフル『The Amanuensis』は、ex-Peripheryのボーカリスト兼サックス奏者であり、Djent界のアイドルことスパイズ・ボーイズもといTesseracTとも交流の深いChris Barrettoを新メンバーとして迎えている。ちなみに本作はデイヴィッド・ミッチェルの小説『クラウド・アトラス』からインスパイアされた作品とのこと。

【TesseracTの亜種】・・・このMonuments、UK出身というだけで同郷のTesseracTの”亜種”という勝手なイメージを持っていて、事実その音楽性やソリッドな音像的にも、開祖Meshuggahという名のDjentの教則本に則った、それこそジェント・リー然としたディグりまくりのリフ回しで縦ノリ系のグルーヴィなポリリズムを刻んでいく本格派-Djentで、つまり1stの頃のTesseracTダニエル・トンプキンズくん率いるSkyharborを連想させる、ジェント特有のフェミニンなナルシズムと神秘的なエクスペリメンタリズムを押し出したDjentなんだけど、今回新しくChrisを迎えた事で、(作風こそ大きな違いはないが)時にメロディックなネオ・プログレ風のコーラス、時にLinkin ParkFuneral For A Friend風のUKメロコア系クリーン・ボイス、時にエクストリーム系のヤンチャなスクリームを吐き散らすボーカルワークがよりブルータルに、より暴虐的かつ骨太へと正統進化している。ここで、またしてもUK出身のジェントにありがちな只ならぬ”FFAF感”を垣間みせ、ジェントというジャンルを聴きこめば聴き込むほど、全く関係のないFuneral For A FriendがDjentに与えた影響力、その存在感を痛感する謎の現象について考察したくなった。それもそのはず、実はFuneral For A Friendの作品でも知られるエンジニアが今作のドラム面のプロデュースに携わっている、なんてトリビアもある。

【Djent界のシキタリ】・・・終始Djentというジャンルをリスペクトした硬派なDjentを貫きながらも、ゴスペル調のユニークな幕開けで始まる#8”Saga City”やらGojiraLamb of Godを連想させるゴッリゴリなヘヴィネスを披露する#9”Jinn”、そして”輪廻転生”というタイトルから仏教的な宗教感あふれる、Ulver顔負けのアンビエントナンバーの#11”Samsara”をクライマックスに置くことで、より作品のスケール感と幅広いコンセプティブな意識を聴き手に植えつける。この辺の宗教観はex-Cyclamenのメンバーによる影響もなきにしもあらずか。少なくとも前作にはなかったような、もうTesseracTの”亜種”とは言わせないとばかりの、二作目にして初めてMonumentsとしてのオリジナリティが芽生えた作品であることは確かだ。さすがにBlack SabbathRush、そしてLed Zeppelinの作品を世に送り出してきた世界有数のスタジオMonnow Valley Studioでレコーディングされたとあって、同時に界隈の重鎮クリスの加入をはじめプロダクションも一流を揃えた結果→トータルレベル(総合力)の高い正統派-Djentに更に磨きがかかり、もはやDjent界の地位を不動のものとしている。しかし、こう順風満帆に見えて数カ月後にクリスが脱退するまでが”Djent界のシキタリ”だから・・・。

Amanuensis
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Monuments
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