Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

レビュー (C)

CHON 『Grow』

Artist CHON
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Album 『Grow』
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Tracklist

01. Drift
02. Story
03. Fall
04. Book
05. Can’t Wait
06. Suda
07. Knot
08. Moon
09. Splash
10. Perfect Pillow
11. Echo
12. But

ハルヒ「キョーーーーーーーーン!!」 011404

「・・・呼んだ?」
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キョン ・・・正直このネタやりたかっただけ、みたいな所ある。まぁ、それは兎も角として→近頃賑わいを見せはじめているインスト界隈、いわゆる"オシャの会"に新しく入門してきた、カルフォルニア州はオーシャンサイドを拠点に活動するサンディアゴ出身の三人組、キョンSumerian Recordsからリリースされた1stアルバム『Grow』がメチャクチャオシャい件。
 
ポストtoe ・・・自分の中で、インストって聞いて真っ先にイメージするのは、USのScale the Summitみたいな、いわゆる"プログレ・メタル"をベースにしたインストバンドが多い中で、このキョンがやってる音楽性っつーのは、その手のメタル系のインストとは一線を画した、日本を代表するインストバンドtoeの影響下にあるマスロック然としたインテリジェンスな変拍子を組み込んだインストで、いわゆるオシャ会の中では最もオシャンティなインストバンドと言える。

インスト界のホープ ・・・まずオープニングを飾る#1を皮切りに、まるでオシャ化したProtest the Heroばりのオシャピロな幕開けから始まる#2”Story”は、まるで傷心した心の傷跡を小指で上からなぞるような、少しくすぐったい甘味な胸きゅんメロディとマスロック然としたリズム感が心地よい音空間を形成し、途中にジャズ/フュージョンライクなソロワークを織り込みながら、そしてシャシャシャシャーンというシンバルからの中盤以降のインプロ感溢れるポストロッキンなパートは日本のtoeさながらのリリカルな展開力を披露。イントロからマスロック然とした変拍子を駆使したグルーヴを弾ませる#3”Fall”は、転調以降のCynicExiviousばりに瞑想不可避なオシャ夢想に癒やされる。それ以降もジャズ/フュージョン志向のオシャンティなマスロックが続くのだけど、その中でも特に目を見張るものは、やっぱりハイライトを飾る#5”Can't Wait”や#11”Echo”などのボーカル入りの楽曲で、特に#5はサンディアゴ自慢の西海岸のビーチに吹き込む浜風を運んでくるかのような、toeの山崎氏リスペクトなボーカル主体の甘酸っぱくてちょっと切ない、新しい学園生活に馴染めないでいるティーンエージャーの刹那的かつ純真無垢なキモチを謳った青春オルタナソング。#10の”Perfect Pillow”は、今作で一番エッジの立ったScale the Summit系のインストで後半の絶妙なアクセントを施している。 初期toeの魂を受け継ぐかのような無垢で繊細で素朴なメロディセンスは、彼らキョンの最もたる魅力の一つで、そらスメリアンも黙っちゃあいないよなって『納得』させるほど、とにかくインスト界のホープと呼ぶに相応しい一枚となっている。
 
Grow
Grow
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Chon
Sumerian Records (2015-04-06)
売り上げランキング: 5,987

CHVRCHES 『Every Open Eye』

Artist CHVRCHES
Chvrches-1-1180x650

Album 『Every Open Eye』
_SL1500_

Tracklist

01. Never Ending Circles
03. Keep You On My Side
04. Make Them Gold
06. High Enough To Carry You Over
08. Down Side Of Me
09. Playing Dead
10. Bury It
11. Afterglow
12. Get Away
13. Follow You
14. Bow Down
15. Leave A Trace (Four Tet remix)

「ローレン!ローレン!ローレン!ローレンぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ローレンローレンローレンぅううぁわぁああああ!!!あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくんはぁっ!ローレン・メイベリーたんのブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!MVのローレンたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!ピッチフォークに評価されて良かったねローレンたん!あぁあああああ!かわいい!ローレンたん!かわいい!あっああぁああ!セカンドアルバムも発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!ぐあああああああああああ!!!セカンドアルバムなんて現実じゃない!!!!あ…三度目の来日もよく考えたら…ロ ー レ ン ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!グラスゴーぁああああ!!この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?L-エル-のローレンちゃんが僕を見てる?表紙絵のローレンちゃんが僕を見てるぞ!ローレンちゃんが僕を見てるぞ!挿絵のローレンちゃんが僕を見てるぞ!!再来日のローレンちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはローレンちゃんがいる!!やったよ!!ひとりでできるもん!!!あ、セカンドアルバムのローレンちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!あっあんああっああんあぁあ!!イ、イアン・クック!!マーティン・ドハーティぃいいいいいい!!!ぁあああ!!ううっうぅうう!!俺の想いよローレンへ届け!!グラスゴーのローレンへ届け!」

Lたそ ・・・おいら、アルバムが発表される度に例の"ローレンコピペ"を貼らなきゃ気が済まない身体になってて、しかしまさかAcid Black Cherryの4thアルバムL-エル-の悲劇のヒロイン『L』の正体がローレン・メイベリーだなんて、一体誰が予想したことだろう。今やTVでカバーしちゃうくらいMuseマシュー・ベラミーをお熱にさせ、そしてあのピッチフォークに「kawaiiは正義」であるという「この世の真理」を証明させた、SEALDsの親玉もとい"Lたそ"ことローレン・メイベリー率いるグラスゴーの三人トリオ、CHVRCHESの約二年ぶりの2ndアルバム『Every Open Eye』は、鮮烈なデビューを飾った2013年作の1stアルバムBones of What You Believeを素直に、ありのまま踏襲したポップでポップでポップな内容となっている。

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処女性 ・・・ここまで「私たちは何も変わってない」アピールするアーティストも珍しいというか、UK出身アーティストの宿命とも言える「二作目のジンクス」を徹底して回避してきている。というより、「リスナー側がチャーチズに何を求めているのか?」を自分たちで理解しきっているというか、この手のフロントマンがkawaiiが故にデビュー作でアイドル扱いされたアーティストって、まるで「私たちはアイドルじゃない!私たちはアーティストなの!」と、いわゆるアーティスト病を拗らせた某アイドルグループのように、次の二作目でデビュー作をメタクソに全否定して黒歴史にするパティーンがテンプレだ。しかし、チャーチズはこの二作目で、むしろ「私たちアイドルですが何か?」と言わんばかりの、むしろ既存のアイドル的なイメージを真っ向から肯定している。その「何も変わっていない」は、先行シングルとして発表された一曲目の”Never Ending Circles”と二曲目の”Leave A Trace”から顕著で、この二曲をシングルとして先駆けて発表することで、デビュー作で獲得したフアンや音楽メディアに対して釘を刺すという念の入れよう。そのシングル二曲をアルバムの冒頭に持ってくる采配からも、チャーチズは「何も変わっていない」という事実を開始早々印象付けると同時に、フアンに対して一種の母性に近い安心感を与える。確かに、「ローレンの処女性が失われた・・・そんなの嫌だああああああああああああ!!」と、まるでアイドル声優にスキャンダルが発覚した時のオタク語録打線ばりに阿鼻叫喚する『覚悟』を決めたフアンも中にはいたかもしれない。しかし「安心してください、ローレンの処女性は失われてませんよ」と今年の流行語として連呼したくなるくらい、とにかく曲のアレンジから根本的なソングライティングまで前作から何一つ「変わっていない」。



歌モノ ・・・結局のところ、チャーチズの音楽ってローレンが「どれだけ俺たちをブヒらせてくれるか?」が最重要課題で、まずイントロからフェティッシュでウィスパーな息遣いでブヒらせる#1”Never Ending Circles””Leave A Trace”では、まるでロックマンが死んだ時のティウンティウンティウンみたいに弾け飛ぶシンセとWoob Woobなアクセントを加えつつ、Depeche Modeをはじめとした往年のシンセ・ポップとローレンのロリキュートな歌声をもってシンプルかつアッパーに聴かせる。その冒頭から一転して、イントロから死ね死ね団ばりの「シネーシネーシネーシネー」という呪いの呪文にブヒるというより軽くビビる#3”Keep You On My Side”では、80年代特有のクサミが施されたアレンジとブリンブリンにウネるダーティな低音部が力強いグルーヴ&ロックなビートを刻み、そして少しオトナオーラをまとったローレンの歌声でキレキレに聴かせる。この序盤を聴いて感じるのは、イマドキのエレクトロ感は極力控えめに、より80年代リスペクトなM83風シンセ・ポップと、それこそジャケの薔薇が似合う凛としたオトナの女性へと成長した、フロントマンローレン・メイベリーの力強い歌声を全面に押し出した至ってシンプルな"歌モノ"、その傾向が著しく増した印象。今作で惜しげもなく行われる「ローレン推し」は、”Leave A Trace”「ローレンしか映ってないMV」が何よりの証拠であり、この二作目でチャーチズが結論づけた「答え」だ。


三姉妹 ・・・前作で言うところの”Tether””Science/Visions”を連想させる、ミニマルでアゲポヨな展開にブチアガる3rdシングルの#5”Clearest Blue”、前作の6曲目”Under the Tide”と同じようにマーティンをメインボーカルとして携えた6曲目のHigh Enough To Carry You Over、このアルバム中盤の意図的というか確信的な曲順やアルバムの流れは、デビュー作から「何も変わってない」という今作の裏コンセプトを重ね重ね強く印象づける。しかし、ここまで全てが変わってない流れの中で、持ち前のミニマリズムとトリップ・ホップ的な音使いをもってアダルティに展開する#8”Down Side Of Me”は、「変わってない」が合言葉の今作で唯一「変わった」すなわち新機軸と呼べる一曲かもしれない。この曲は、【長女=Warpaint】【次女=Phantgram】【三女=CHVRCHES】揃って三姉妹的な解釈を持っている自分的に、三女のローレンが二人の姉姉妹の色気を学んだ結果みたいで面白かった。

『死亡遊戯 ・・・いわゆる”UKのアヴリル”を演じてみせた前作の”Recover”を彷彿とさせ、グワッと沈み込むようなイントロから名曲臭漂う#9”Playing Dead”は、そのタイトルどおり、まるで「前作から何も”変わってない”のに前作並に評価しない奴は殺す。ピッチフォーク殺す」というローレンの明確な『殺意』が込められた、それこそJanne Da Arc”ナイフ”の歌詞の如く「ローレンに”ナイフ”という名の”釘”を刺されたい!」、すなわち【Lたそ=ローレン・メイベリー】に僕の身体で『死亡遊戯』してほしいと思っちゃったんだからしょうがない。そしてイントロから「デデッデデデッデデデッデデデデデ♪」とハイテンションな#10”Bury It”は、二番目の「Bury It!! Bury It!!」からの「デデッデデデッデデデッデデデデデ♪」の後にローレンが「wow!!」とブッ込んでくる所なんて、ローレンコピペ連呼せざるを得ないくらい今世紀最大の萌パートだし、このアイドル然とした「あざとさ」すなわち【処女性】を失っていない、むしろオタクがブヒりそうな萌え要素を随所に散りばめた事が、いわゆる「二作目のジンクス」に陥らなかった一番の要因なんじゃないかって。本編ラストを飾る#11”Afterglow”は、いわゆる三姉妹の従姉妹に位置するノルウェーのSusanne Sundførを彷彿とさせる、崇高かつ神聖な雰囲気をまとったこの曲を最後の鎮魂歌に、ローレン・メイベリーという名のリアル天使に手招きされ、僕たち童貞は妖精となって『天国』すなわち『メイド・イン・ヘブン』へと旅立っていく・・・。この終盤にかけても「変わっていない」ことを、これでもかと釘を刺すような楽曲で一気に畳みかける。安心してください、今作を聴き終えた後には「ローレンに刺し殺されたい...」と思いますよ。もうなんか「ローレンに始まりローレンに終わる」ような、それくらい「ローレン推し」の一枚となっている。そして何を隠そう、このトキメキは・・・そう、僕の初恋であるキャリスタ・フロックハートに感じたあのトキメキと同じだった。

「ブヒ」 ・・・前作同様、相変わらずキャッチーなポップ・サウンドを実現しているのだけど、前作のように全曲シングルカットできるくらいの売れ線を狙った「あざとさ」は薄くなっている。僕たちの前立腺を駆け巡るようにカラッとした、思春期のフレッシュなピチピチキラキラした雰囲気も希薄となり、良くも悪くもロリっぽい幼さをウリとしていたローレンの歌声は、今作で少し大人っぽい落ち着きというか洗練された印象を受ける。そのお陰か、前作では少し違和感を感じたタイプの曲調が今作では違和感なくハマっている。10代のキッズのように情緒不安定なアゲポヨ的な曲展開も控えめで、曲のアレンジがアチラコチラにとっ散らかってないから前作ほど耳は忙しくないし、小気味良い転調を織り込みながらも、しかしあくまでもシンプルかつストレートな曲調/構成でノリよく聴かせる。もはや今流行の「余計な音を削ぎ落とした」系の作品と言い切れるかもしれない。曲単位ではなく、「アルバム」としてまとまってる感は前作より上か。それ故に「気づいたら終わってた」みたいな感覚も。一聴しただけでは捨て曲に感じる曲でも、「あ、ここブヒれる」みたいなパートが必ず一箇所はあったりするし、少なからず前作並に評価すべき(されるべき)作品だと思う。ローレンに刺し殺されたいってんなら別だが(いや、むしろローレンに刺し殺されたいんじゃないのか・・・?)



闇堕ち ・・・このようにメディアおよびフアンに対して付け入る隙を一切与えない、ディスる暇もない潔さという点では、デフヘヴンの新しいバミューダ海峡を彷彿とさせる。もはやチャーチズが闇堕ちしたらデフヘヴンになんじゃねーかって。まぁ、それは冗談として→今作、【新しい音楽をやってる=いい音楽】という思考の人にはまるで向かないアルバムです。確かに、ここまで【変わってない】となると、引き出しが少ないとか、結局これしかできないみたいな批判をされがちだ。でもおいら、【新しさ】より大事なのは【ソングライティング】だと思ってる人間で、僕がLiturgy『The Ark Work』よりDeafheaven『新しいバミューダ海峡』を高く評価する理由もそこにある。結論として、この『Every Open Eye』の勝因は徹底して【新しさ】を捨てたことです。つまり、Hostessさんはチャーチズを日本に呼ぶついでにデフヘヴンも呼んでくださいw

エヴリ・オープン・アイ
チャーチズ
ホステス (2015-09-25)
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Children of Bodom 『I Worship Chaos』

Artist Children of Bodom
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Album 『I Worship Chaos』
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Tracklist
01. I Hurt
02. My Bodom (I Am The Only One)
04. Horns
05. Prayer For The Afflicted
07. Hold Your Tongue
08. Suicide Bomber
09. All For Nothing
10. Widdershins

アンチ・イェンス同盟 ・・・昨今のメタル界隈には「イェンス・ボグレンと仕事してないバンドは時代遅れ」みたいな風潮が無きにしもあらずで、その証拠に今やメロデス四天王のうち、スウェーデンのSoilworkArch Enemy、そしてDark Tranquillityイェンス・ボグレンの手中に収められ、しかしその一方で、そんな風潮クソ食らえという勢力があるのも事実で、その言わばアンチイェンス・ボグレン同盟の先陣を切って立つバンドこそ、北欧フィンランドのギター・ヒーローことアレキシ・ライホ率いるChildren of Bodomだ。このチルボドといえば、初期の頃は"エクストリーム・パワーメタル"とかナントカ呼ばれたりしたけど、しかし00年以降のメロデス界に降りかかったUSを発祥とするモダン・ヘヴィネス、いわゆるモダン化の流れを直に受け、それが特に顕著に表れた5thアルバム『Are You Dead Yet?』、そして近年メタル界の三大駄作の一つで知られる6thアルバム『Blooddrunk』をトドメに、「もうどうにでもな~れ」と彼らに見切りをつけた人も少なくないだろう。その結果、いわゆる初期厨やニードル厨が大量発生する事態となった。



黄鎌 ・・・そんなわけで、チルボドのアルバムを聴くのは6thアルバム以来実に数年振りで、今のチルボドが一体どうなっているのか、試しにピーター・テクレンをプロデューサーに迎えた8thアルバム『Halo of blood』を、俺たちのアップル・ミュージックを使って聴いてみたら驚いた。一曲目から赤鎌アルバムのパチモンで、しかしその内容は普通に傑作で笑ったんだが、そんな"チルボド復活"の兆しを受けて、その前作から約二年ぶりとなる9thアルバム『I Worship Chaos』を発表した。前作の勢いはそのままに、メロデス然としたファストなアグレッションを発揮する#1,#4,#6,#7,#8、ド派手なGソロだったりキーボードとのソロバトルを繰り広げるドラマティックなスローナンバーの#5,#9、そしてサノバビッチ系モダン・ヘヴィネスの#2,#10など、スロー/ミドル/ファストな曲でメリハリを効かせながら、メンバーそれぞれのソロパートという名の見せ場も要所で垣間見せ、従来のシリアルキラー的効果音みたいなタマタマフィンフィンパフパフキラキラした音じゃなくて、それこそジャケの黄泉の入り口に誘うような神秘的かつ妖艶な神秘性を帯びた、同郷のSwallow the Sunを彷彿とさせるキーボードのアトモスフィアを広域に展開しつつ、そしてアレキシのギターとのハーモニーを全面に押し出している。前作より展開に幅をもたせている印象。

モダン化再びッ!! ・・・なんだろう、前作が赤鎌こと『Hate Crew Deathroll』回帰路線なら、今作の黄鎌は彼らのモダン化が加速した5thアルバム『Are You Dead Yet?』を、隣国のメシュガーやDjentをはじめ、7ギョン(弦)ギターを駆使した現代的モダン・ヘヴィネス的な解釈をもって再構築したようなイメージ。しかし”モダン”という言葉を聞くと、あの頃のトラウマが甦る人もいるかもしれない。とは言え、あの頃とは違って往年の"ボドムらしさ"を前提にモダン化しているので、さすがに白鎌ほどの勢いがあるというわけじゃあないが、少なくともモダン化以降の作品の中では上位に置けるくらいは聴けます。スウェーデンのSoilworkイェンス・ボグレンという名の電車に乗って、アメリカ主導のモダン化の波から無事逃れることに成功したが、Soilworkと同じようにモダン化して落ち目となったこのチルボドは、本作品で他人の力を借りず自らの手で再びッ!!モダン化の道を歩もうとしている。なおインフレイムス。
 
I Worship Chaos
I Worship Chaos
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Children of Bodom
Nuclear Blast Americ (2015-10-02)
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Crosses 『†††』

Artist Crosses
†††

Album 『†††』
†††

Tracklist
01. †his Is a †rick
02. †elepa†hy
03. Bi†ches Brew
04. †hholyghs†
05. †rophy
06. †he Epilogue
07. Bermuda Locke†
08. Fron†iers
09. Nine†een Nine†y Four
10. Op†ion
11. Nine†een Eigh†y Seven
12. Blk S†allion
13. †
14. Prurien†
15. Dea†h Bell
 
【ベビメタ大好きおじさん】・・・VersaEmerge改めVERSAのプロデューサーでも知られるFarShaun Lopezと、今年のSonisphereBABYMETALとの共演を果たし、晴れて”ベビメタ大好きおじさん”の仲間入りを果たしたDeftonesのクソデブことチノ・モレノによるプロジェクト、Crossesの1stフルでセルフタイトルの『†††』なんだけど、意外や意外かのSumerian Recordsからリリースされた本作品は、2011年と2012年にリリースされた二枚のEPを含めた(新録曲は実質5曲)初のフルアルバムとなっている。

主な流れとしては、EP1→EP2→新録曲→EP1→EP2→新録曲→EP1→EP2→新録曲・・・といった構成で、過去作のEPは置いといて、新曲の感想を述べると→まず#3の”Bi†ches Brew”からチノのフェミニンな妖しい歌声とダウナーかつヘヴィなムードが織りなす、まさに†††節全開のエレクトロ・ロックで、ラストのチノのシャウトやヌ~・メタル的なヘヴィネスはデフトーンズを彷彿とさせる。#6”†he Epilogue”は比較的ポジティヴ な曲、#9”Nine†een Nine†y Four”は仄かにノスタルジックなレトロ感を纏ったアンニュイな曲、#12”Blk S†allion”はファンキーなギターをフューチャーした曲、ラストの#15”Dea†h Bell”はグリッチ感を押し出したピアノ主体のアンビエントナンバー。といった感じで、新録曲はどれも個性のある曲で、特に#3が自分は好き。で、あらためてEPの曲を聴いてみても、#5や#10の名曲っぷりを再確認したり、#14に至ってはVERSAに通じる音使いを感じたりする。要するに→時にレトロホラー映画のように不穏で陰気な空気を漂わせ、時に淫夢を見ているかのような錯覚を憶えたり、時に椎名林檎ばりのアンニュイなオルタナやってみたりと、今にもとろけて、どこまでも堕ちてしまいそうな艶かしいエロスを内包し、それでいてポップな美狂乱を繰り広げる幻想的かつ中二病的なトリップ世界は†††ならではだ。これが”ベビメタ大好きおじさん”がやってる音楽だなんて想像できないよ!
 
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Crosses
Sumerian Records (2014-02-14)
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Cynic 『Kindly Bent to Free Us』 レビュー

Artist Cynic
Cynic

Album 『Kindly Bent to Free Us』
Kindly Bent to Free Us

Tracklist
01. True Hallucination Speak
02. The Lion's Roar
03. Kindly Bent To Free Us
04. Infinite Shapes
05. Moon Heart Sun Head
06. Gitanjali
07. Holy Fallout
08. Endlessly Bountiful

【レジェンド】・・・2011年にリリースされた前作のEPCarbon-Based Anatomyといえば→伝説の1stアルバム『Focus』から15年ぶりに目覚めた奇跡の復活作『Traced In Air』のファンタジックかつオリエンタルな方向性を更に深く掘り下げたような作風で、サウンド的にも持ち前のボコーダーを駆使したスペーシーかつドリーミーな神秘性や理系くさいメタリックでテクニカルなヲタメタル色は希薄となり、比較的オーガニックな音作りとポストロッキンなアプローチを強めると同時に、より多彩な民族音楽を用いたウッホウッホホなオルタナへと深化した、言うなればポストプログレッシブ的なスタイル、言うなれば『未知なる部族との遭遇』だった。悪く言えば日和ってエモくなった。で、2ndの『Traced In Air』『もののけ姫』のシシ神様をモチーフにした作品だとするならば、このEP『Carbon-Based Anatomy』は同作のタタリ神をモチーフにしたような作品だった。そんな、(今では珍しくも何ともないが)ジャズ/フュージョンとデスメタルをクロスオーバーさせたバンドの先駆けであり、今流行りのDjent界隈に多大なる影響を及ぼしたUSのレジェンドことCynic。フルアルバムとしては約6年ぶりとなる待望の3rd『Kindly Bent to Free Us』は、エンジニアにロブ・ゾンビの作品で知られるJason Donaghyを迎えてレコーディングされている。

【オーガ(シ)ニック】・・・まず、オープニングを飾る#1”True Hallucination Speak”のまるでPorcupine Tree『Fear Of A Blank Planet』ライクなイントロから、この手の好き者ならばニヤリとしてしまうだろう。近年Mastodonライクなジュクジュクしたキザミリフ主体の”オーガニック”なクラシック・ロックに→「ポール・マスヴィダルの新プロジェクトかな?」と面食らい、中盤からジョン・ペトルーシ顔負けのスリリングな速弾きGソロからのツーバスドコドコを使った緩急を織り交ぜながら、実にシニックらしいアート性をもってプログレスに展開していく。もはや、この一曲だけでUKプログレおよびUSプログレを掌握するかのような一曲だ。それぐらい、恐ろしいほどの音の密度を感じる。その流れから、近年Baronessを彷彿とさせるストーナー風の”オーガニック”なリフ回しで始まる#2”The Lion's Roar”は、UKのIt BitesやスウェーデンのA.C.Tらのシンフォ/プログレハードを連想させるコーラスとポップなボーカルが織りなす爽やかなハーモニーとA Kamikaze seedとかいう謎の歌詞がポイントで、これにはA.C.Tも「えっ、僕たちクソ久しぶりに新譜リリースしたんですがそれは・・・」と訴訟不可避。で、ここまでの”オーガニック”な序盤の流れを聴けば分かるように、少なくとも今作は2ndの『Traced In Air』ではなく、前作のEP『Carbon-Based Anatomy』のオルタナ路線を素直に踏襲した作風だと理解できる。当然、2ndみたいなアンビエンスがかった音響ライクな音作りではなくて、とにかくリフからソロからプロダクションまで”オーガニック”を意識したクラシックな音作りで、まるでネフェルピトーの”脳みそクチュクチュ”、もしくは花京院のハイエロファントグリーンが脳幹に侵入して結界を張り巡らせていくような刺激的なキザミリフを主体に、本来のシニックらしいテクニカルなプログ・メタルではなく、いわゆる”クラシック”な”プログレッシブ・ロック”というものを現代風の解釈で描き出している。まさかあのシニックが”あのキザミ”リフを取り入れてくるなんて想像してなかったし、Gソロに関しても大きな特徴だったフュージョン色は皆無で、もはやDTジョン・ペトルーシばりにピロピロ弾きまくってて笑う。

【俺がプログレだ】・・・そして表題曲の#3”Kindly Bent To Free Us”のイントロからテクニカルな低音キザミリフまで、シニックの一番弟子に当たるScale the SummitThe Collectiveライクな小回りの効いたリフ回しを耳にした時は→「まぁ、弟子だから多少はね?」とか思いながら、ここに来てようやく本来のシニックらしいジャジーで幻想的なムードを高めていく。が、ここでも寂寥感を煽るタイトなベースの音使いに、二番弟子であるIntronautを想起させる。で、まるでOpeth『Damnation』ライクな哀愁よろしゅうイントロで始まる#4”Infinite Shapes”は、ポールのサイドバンドÆon Spokeっぽくオルタナ風に仄暗い空間を演出しつつ、トドメにThe Rasmusライクなエモい転調から闇夜に響き渡る狼の鳴き声の如し泣きのGソロまで、トコトンOpethリスペクトな曲。で、ドイツのThe Oceanを筆頭としたポスト界隈からの影響が伺える#5”Moon Heart Sun Head”、遂には兄弟分のExiviousライクな#6”Gitanjali”まで、序盤の”オーガニック”な始まりとは一転して、中盤はシニック自身やポールのサイドプロジェクトを含む現代的なプログレ/オルタナからの影響が顕著に表れた楽曲が続いていく。で、終盤の流れは→いわゆるATMS界の初代王者たる所以を見せつける#7”Holy Fallout”、そして本編ラストを飾るのは#8の”Endlessly Bountiful”で、あのレジェンドがまるでクリスマス・ソングみたいな、ここまであざといぐらいのエモい曲を書くなんて・・・僕はもう何も信じられなくなった。

ピッチフォークとニューヨークタイムズからの寄稿

【プログレッシブ・デス・ピッチ】・・・正直、今作がPitchforkでフルストリーミング配信された時から嫌な予感はしてた。まずリフがクソつまらないです。もう一回言うけど、リフがクソつまらないです。とにかく既聴感しかない。でもリフはパクリだらけだけど、異常に高い曲の構成力に無意識のうちに惹き込まれ、ふと気づいたらその世界に入り込んでいる辺りは、さすがレジェンドらしいシニックの【ATMS】に対する意識の高さゆえだと。これがレジェンドの作品じゃなければ、手放しでプログレマニアに高く評価されたんだろうけど、現にシニックの約6年ぶりのフルアルバムとして考えると、正直物足りなさが否めない。このアルバムで唯一評価できる所を挙げるとすれば→それは「えぇ!?レジェンドがそれやっちゃう!?」という”意外性”だけです。つうか、ある意味”禁じ手”やっちゃってるわけだから、これ以上はもう解散しかなくね?って、そんな一抹の不安を感じてしまった。なんつーか、ピッチみたいなニワカ御用達メディアを口説くには、最近のマストドンみたいなクラシックな音を出しときゃいいんでしょとメタル界隈が学んでしまった感。あらためて、やはり現代アメリカン・ヘヴィメタルの雄であり現代プログレの中心に位置するマストドンの存在は無視できないものがあったんだろう。

ポール・マスヴィダルの脳ミソ

【Post-Progressiveへの憧憬】・・・少し話は戻るが、今作のような”オーガニック”もしくは”クラシック”な変化というと→Opeth『Heritage』を想像してもらうと分かりやすいかもしれない。なんつーか、昨年のRiversideKATATONIAも、ある意味でAlcestもそうなんだけど、ここ最近のメタル界隈、特にベテラン勢の作品には大きな”変化”が巻き起こっている。2ndから約6年間、ポールの意識の中にOpethHeritageMastodonの名盤Crack The Skyeや迷盤The Hunterの存在があったなんて事は知る由もないけど、少なくとも今作はクラシック・ロックに対する敬意とPost-Progressiveに対する憧憬が入り混じった、【Porcupine Tree?SW Teacher?Kayo Dot?Frost?Opeth?DT?A.C.T?Baroness?It Bites?Mastodon?Scale the Summit?Intronaut...?】それら21世紀以降の近代的な”プログレ”と称される全てを網羅した、つまり『勝手に21世紀のプログレ総括しちゃいましたテヘペロ』的な一枚。もはやKscopeに所属する全バンドが「マジかよシニック最低だな」もしくは「汚いなさすがシニックきたない」と阿鼻叫喚する様子が思い浮かぶほど(今作がポストプログレ界隈に与える影響って実は少ないと思うけどね)。そういった意味では→あのピッチフォークが「21世紀におけるアート・ロックの新しいカタチ」と言うのも至極納得できるし、UKのプログレメディアが年間BESTに挙って持ち上げそうな予感はする。しかし、近年のプログレ界隈が徐々に脱ヲタ化もといハードロック化していく流れ・・・正直嫌い。いかんせん、この悪い流れがOpethMASTODONの新作へと繋がっていきそうなのがまた何とも...。

【プログレセンター試験】・・・もはや、これはレジェンドCynicではない、至ってシンプルな”プログレ”なんだ。いい意味でも悪い意味でも”ただのプログレ”、それ以上でもそれ以下でもない。プログレ好きによるプログレ好きのためのプログレだ。どこか新しくもありどこか懐かしくもあるプログレ浪漫飛行、もしくは現代プログレ大全集だ。これは世界中のプログレヲタクが試されているのかもしれない。自分がどれだけ”プログレ通”なのかを測る、言うなれば【プログレセンター試験】だ。聴き手側のプログレに対する意識の高さが問われると同時に、今のレジェンドに対して”らしさ”を求めるか”プログレ”を求めるかによって、どのような嗜好でどのような立ち位置から聴くかによって評価が大きく変わってくる作品だ。この試験の問題を解いてる時は、それこそプログレヲタクの脳みそを断面図にしたようなグロいアートワークのように、脳幹が働きまくって脳汁が溢れ出す勢いだった。自分で言うのもなんだけど、個人的にはB判定くらいは取れたんじゃあないかと。でも、唯一Toolに関する応用問題だけは解けなかったから勉強し直しかな? 何回も言うけど、今作はピッチをも巻き込んだプログレセンター試験です。今作を高く評価する奴はプログレガチ勢であると同時にニワカである証明だという...ね。しかしながら、このレジェンドに対して正しい評価を下せる俺ってやっぱカッケーわ。僕は、今作を無理くり褒め称えるようなニワカプログレヲタだけには絶対なりたくないんだ。もはや「ニワカプログレッシャーよ、俺の感性を超えてみろ」って感じだ。兎にも角にも、まるでハンターのパリストンばりに有能なポールの大胆な発想と器用さに驚きと賞賛を。

【ヒニック】・・・それこそ映画『もののけ姫』のラストでシシ神様が死を迎えたように、これにてレジェンドが築き上げてきた孤高の創造神話は無残にも崩れ落ちてしまった。当然ながら、2010年にグロウル担当のTymon Kruidenierが脱退しているため、初期のデスメタルらしき要素は微塵も存在しない。そして、ただただ驚いた。伝説の1st、15年の眠りから覚めシシ神化した2ndと革命的なスタイルでシーンに多大な影響を与えてきたレジェンドが、今度は逆に影響を与えた弟子から影響を受けていることに対して。例えるなら→銀河の果ての存在であるシシ神様が土臭い地上へと降り立ち、平民と同じ目線で日々の暮らしを体験してみた、みたいな。なんて皮肉なことなのだろう。これぞまさにヒニックだな!

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