Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

レビュー (B)

【10/15】 BAND-MAID お給仕 TOUR Autumn-Winter 2017 「燃えるの?萌えないの?どっちなの!?」@名古屋ダイヤモンドホール

new_DMRhisaUEAIlbaH

世間がラウドパークのオペスメシュガーに熱狂している中、【コンポーザー】【リードギター】【リズムギター】担当のカナミカエル・オーカーフェルト擁する、「メイド界のメシュガー」ことBAND-MAIDのお給仕に帰宅するという行為、マヂデブい。

前回のBAND-MAIDの初ワンマンお給仕ツアーを振り返ってみると、名古屋公演と大阪公演がケツアゴことベーシストのMISAがインフルエンザで欠席、4人でのライブ=お給仕というとてもレアな体験が今でも記憶に残っている。後に行われた振替公演では、色々な意味でまさに「伝説」としか他に例えようがない、それこそ「ケツアゴ大合唱」が巻き起こるほどのケツアゴ伝説をお給史の名に残した。しかし、そのワンマン直後にボーカルの彩ちゃんが喉ポリープの除去手術を行い、その不安を抱えながらもBAND-MAIDは、サマソニをはじめとした夏フェスに出演し、バンドとしてとても充実した経験を積み上げていった。

7月の名古屋と大阪の振替公演が終わってないのにも関わらず、既にその三ヶ月後に秋冬ツアーがアナウンスされ、かつ8月のサマソニ大阪にもご帰宅した身からすると、なんかもうここ最近は一ヶ月に一回はBAND-MAIDのお給仕にご帰宅してる、ただの「バンドメイドオタク」になりつつあった。今回の秋冬ツアーには、「燃えるの?萌えないの?どっちなの!?」というオヤジギャグもビックリのツアータイトルが名付けられた。本日の名古屋公演は秋冬ツアー7本目(7days)のお給仕で、そしてなんとケツアゴことMISAの誕生日でもある。BAND-MAIDはこの名古屋公演を最後に、一先ず国内ツアーは一旦お休みして、今度は強行スケジュールで海外ツアーへと旅立ち、そしてまた11月後半から国内ツアーを再開させ、24日に新木場でツアーファイナルを行い、そして翌12月にはZEPP DIVERCITYで追加公演を発表している。

今日のお給仕の一週間前にBAND-MAIDのレーベルメイトでも知られるprediaのライブを、「独り乃木坂」こと桜子目当てで観に行った帰りに、BAND-MAIDの名古屋公演と新木場公演を発券したら両日ともまさかの良番で、ダイホに至ってはそれこそ「最前中の彩前」が狙える神番で、正直この一週間はどうやったら「最前中の彩前」を取れるか、今まで数回しか行ったことがないダイホのフロアをイメージして仕事中にも関わらず何度も何度もシミュレーションしていた。何故なら、僕は初ワンマンのお給仕レポにこのようなことを書いた、秋冬ツアーのダイホ公演では「彩ちゃんに最も近い男」として究極奥義「魔彩ジャンプ」を成功させると。しかし、現実はあまりに非情だった。んじゃあそろそろ、本来なら今日のお給仕で「彩ちゃんに最も近い男」になるハズだった予定が、一転して「小鳩ミクに最も近い男」になってた話する?

事前に何度もシミュレーションしたハズなのに、今日のお給仕は「最前中の彩前」「彩ちゃんに最も近い男」として究極奥義「魔彩ジャンプ」を成功させるハズだったのに、一体どこで計算が狂ってしまったのか? 今日は今までのライブで最も良い整理番号で、後にも先にもこんな縁起のいいラッキーな良番は二度と引けないだろうってくらいの良番で、しかし「1番」ではないことから僕の前には数人、たった数人のご主人様とお嬢様が先客としていたのは頭のなかで重々理解していた。しかし、まさかここまで「上手側」が人気だとは予想してなかった。「上手側」といえば、彩ちゃん歌波が目の前にくる場所だ。まさか、僕の前のたった数人が僕と同じく全員「上手側」を狙っていた、という可能性は僕の頭にはまるでなかった。その「たった数人」で「上手側」のベストポジションは埋まってしまったのだ。僕は会場に入った瞬間「これはマズい」と、直ぐさま計画を練り直し、消去法で最前で彩ちゃんに最も近い位置を判断した結果、なんと中央中の中央、つまり彩ちゃんと小鳩ミクの間だけどほぼ小鳩ミクの真ん前みたいなポジションにつけた。ちなみに、僕の整理番号の前の女の子(バンメンバーより可愛い女オタ、実はこれは後にちょっとした伏線となる)が、僕が考える「最前中の彩前」を陣取っていた。つまり、僕の中央寄りのポジションから右隣隣にそのお嬢様がいたというわけ。

前回の初ワンマンの時に名古屋クワトロをソールドアウトさせたのも驚いたけど、まさか次のツアーでまさかダイホでやるなんて、そして実際に9割埋めるなんて誰ひとりとして想像していなかったに違いない。客入りの不安が解消されたことで、僕は安心してお給仕に望むことができた。開演時間となる6時。いつも通り舞台が暗転すると、メンバーがそれぞれ登場し、彩ちゃん「お給仕はじめます」というお決まりのセリフから始まると思いきや、お給仕ではお決まりとなった決め台詞を言わないまま最新両A面シングルの”Choose me”を披露する。正直、これはちょっと肩透かしだった。確かに、シングルの”Choose me”はご存知のとおり「サビ始まり」の曲であり、今回のようにお給仕の一曲目に持ってくる場合、彩ちゃんが言うお決まりのセリフ「お給仕はじめます」とバッティングしてしまうのも事実で、つまり「お給仕はじめます! 愛こそはね目に見えない幻↑想↓って想像しただけで違和感がハンパなくなる。この辺は上手くやりくりしてほしかったというか、バンド「メイド」のコンセプトとして「お給仕はじめます」は必要不可欠だと思っていて、そのセリフがないとご主人さまお嬢様はご帰宅した気にならなくて、どうにも「シックリ」こない。事実、皆で一緒に歌えるほどキャッチーな”Choose me”は、お給仕の「ツカミ」としてセトリの一曲目に持ってくるのは正しい考えなだけに、その辺は今後に改善余地ありだと思った。とは言え、こうお給仕の一発目に相応しい愛こそはね目に見えない幻↑想↓という「ドン勝メロディ」で、観客の心を鷲掴む”Choose me”を書いた歌波ってやっぱ天才なんじゃねー?って。

僕自身、人生初の「最前」だっただけに、目の前の柵に寄りかかれる事がどんなに幸せなことなのかを初めて知ることになった。とにかく、めっちゃラク。とりあえず、一曲目の”Choose me”の時点では圧縮みたいなのは一切なく、二曲目の”Don't you tell ME”でも特に何も起きなくて、「あれ?もしかして今日のお給仕盛り上がってない?」と思ったのもつかの間、のドラムソロから始まる”you.”から前方は一気に押しくらまんじゅう状態になって、僕は更に彩ちゃんから押し離され小鳩寄りの中央付近へと追いやられた。正直、今日はもう彩ちゃんがあまりにも遠い存在になってたから、素直に諦めて終始小鳩ケツアゴをローテションで見る計画に早々に変更した。その勢いのまま”モラトリアム”に突入。この”モラトリアム”といえば、何と言っても小鳩のバッキングギターに注目が集まる曲だ。僕の目の前には、ちょうど小鳩のギターの音が聴こえるスピーカーがあって、今日のお給仕に初めてご帰宅したご主人様の中にも居たであろう「小鳩ミクは本当にギターを弾いているのか問題」について、これはもうその「バンドメイドの七不思議」の一つを解明する最大のチャンスだと思い、小鳩がバッキングギターを弾くであろう例のタイミングで、僕は目の前のスピーカーに耳を傾けた。

「弾いている?!小鳩は確かにギターを弾いているぞ!?」

僕の耳がおかしくなければ、今日の小鳩はかなり気持ちのいいヘヴィネスを乗せたバッキングを弾いていた。最前列の殆どが小鳩のバッキングに合わせて激しくヘドバンしていたのが何よりの証拠であり、それと共に自分自身BAND-MAIDのお給仕で初めて耳ピーンなるくらいの絶妙な音圧が襲いかかった。その重厚なヘヴィネスを続けて畳みかけるように”Puzzle”を演ってから軽いMCを挟んで、その流れで序盤のハイライトを飾る”FREEDOM”に突入。もはや盛り上がりすぎて、もはや「これじゃサビで飛べねぇじゃん・・・」ってなるくらい最前列は圧迫祭り状態で、なんかもうこの辺りは最前確保で必死だったよね。なんだろう、もはや最前ど真ん中でお給仕を支配している錯覚を起こして終始アドレナリンドバーだったし、まるで気分は飛信隊を指揮する『キングダム』の信だった。

開演直後の静けさはどこへやら、しかし会場の盛り上がりが最高点に到達する中、確か”So, What?””CROSS”あたりで、中央付近にスタッフが数名集まってきて一体何事だ?と思って後ろを振り向いたら、僕の右後ろにサーファーがいて「なにィィィ!?サーファーだとぉぉお!?」と一瞬ギョッと驚いたけど、そのサーファーは無事スタッフに回収された模様。ここで僕は、前回のワンマンのレポでも書いた、何時かのお給仕で小鳩ミクのマイクスタンドにサーファーが接触して小鳩の顔面にスタンドが直撃して小鳩ミクが顔面崩壊した例の事件を思い出した。そう、既にお気づきの人も居るかと思うが、僕の右隣隣すなわち「最前中の彩前」には僕の整理番号の一つ前のお嬢様がいた場所であると。ここで僕は、更に前回のレポに書いたお給仕におけるサーフ/ダイブ問題の「リスク」の話を思い浮かべた。小鳩ミクはちょっとやそっとじゃ潰れない鬼メンタルを持っているので、サーファーの攻撃を受けてもそれをむしろプラスに変えてしまう特殊な人間なので、一概にお給仕でサーフ/ダイブを公式で禁止するのは考えものであると。しかし、それも唯一の例外がある。それこそ、サーファーによる被害が小鳩のみならずお嬢様に及ぶ危険性だ。

驚いたのは、小鳩は今日のMCの中で、その最前列付近にいたお嬢様のことを真っ先にフォローしたことだ。今日のお給仕には、僕が前回のレポで女の子に呼びかけたお陰で(えっ)、最前列付近にお嬢様が結構いたこともあって(実は僕も女です)、お嬢様が大好きな小鳩は真っ先に可愛いお嬢様の安否を確認したのだ。正直、小鳩って誰でも弾けるような簡単なギターを演奏するのに頭&手一杯で、目の前にいる大事な観客は一切目に入っていないんだろうと、小鳩にとってゲネプロと本番のお給仕は何も変わらないんだろうと、そう勝手に決めつけていた僕は小鳩に謝らなければならない。小鳩はメンバーの誰よりも観客のことを気にかけていたんだ。この手の激しいロックバンドのライブに付きものであるマナー問題、その問題を解決する策に女性専用エリアを設置する、なんて安易な発想はバンメのお給仕には必要ないし、何よりも小鳩ミク自身がそういう考えだからこそ、今日のMCの中でご主人様にお嬢様に対する配慮を求めたわけです。これらの話は、ちょっと不謹慎な話だけども、まさに僕が初ワンマンのレポに書いたサーファーという存在のリスク、その伏線を見事に回収してくれたような話で、いや、やっぱバンメのライブって面白いわって。だから僕はこのサーファーに感謝している。彼は伏線の一部として活躍してくれたからだ。実はこのサーファーは小鳩ミクが雇ったサクラなんじゃねーか説、なんつって。

改めて、やっぱり最前で観るお給仕は格別である。というより、最前からしか見えない景色が沢山あった。まず「茜ってあんなに笑いながらドラム叩いてんだな、やっぱこいつ(いい意味で)頭おかしい」というか、やっぱ「メイドコスに女装したDaniel Liljekvist」みたいな茜のタイトなドラミングあってこそのバンメだと改めて思ったし、今日が誕生日だからかMISAがあんなにステージを前後左右に動きまくる印象もなかったから、MISAが動くたびに下手側のサウンドクルーがケーブル巻き巻きして忙しそうにしてたのは笑ったし、あとMISAってスティーヴン・ウィルソンと同じ裸足スタイルなんだなとか、改めてこいつら僕が考え得る「いいバンド」の条件を満たしすぎているなって。あと歌波は一番上手側にいるのにも関わらず、意外と中央にもレスくれる事が分かった。歌波は本当に楽しそうにギターを弾く時と、方や歴代のギターヒーローが憑依したかのようにギターを情熱的にかき鳴らす時とのギャップが本当にカッコ良くて、実は歌波って天才なんじゃね?ってなった。あと、これは当たり前のことなんだけど、小鳩が足元のペダルのスイッチを猫のように挙動不審で切り替えてて、ちょっとなんか笑ったというか、「あの小鳩がギタリストっぽいことしてる!すげぇ!」ってなった。

そして何と言っても、お給仕でお決まりの小鳩の「おまじないタイム」の時に、小鳩が必死で「デブっぽ~」からの「萌え萌えキュンキュン」してる真っ只中に、後ろの方で彩ちゃんのドラム(エミリー)をいじり始めて、僕は「ちょっと待て、ちょっと待て、彩ちゃんがドラムとか俺得すぎるから、彩ちゃんがチンチン鳴らしよるやん、ちょっとデブ黙れ、そこのデブちょっと黙れ」と心のなかで叫びつつ、いや今日ばかりは茜のドラムが真正面にくる中央最前が正解だったわと、結果的に最適なポジションだったわと。後は今日の主役?とも呼べる、今日が誕生日のMISAに観客全員で「おめでとう」を合唱し、小鳩がMISAにマイクを向けるとMISAは「おぎゃ~」と謎の一言を発する。それを聞いて自分は「スティーヴン・ウィルソンの『To the Bone』かな?」って心のなかでツッコンだ。


言わぅもがな、ボーカルの彩ちゃんはポリープ除去の影響を微塵も感じさせない素晴らしい歌声を聴かせていた。その半面、今日は彩ちゃんの「煽り」が少しヌルいぁとも感じた。ちょっと淡々とこなし過ぎというか、それは良くも悪くも「洗練」されているってことなんだろうけど、でもそれってこれ以上「想定外」のことが何も起きなんだなって分かってしまって、それはそれで少し悲しかったりする。いや、逆に彩ちゃんが煽る必要がないくらい盛り上がっていたのなら嬉しい話ではあるけど。でも彩ちゃんの「キャラクター」を考えるに、今日のシチュエーションで例えるならば、ステージから降りて最前の僕の目の前に来て、そのまま胸ぐら掴んであなたに抱かれて 胸に爪を立て こんなにツライなら愛なんて信じないとか絡める舌を切り落としてやりたい 愛撫する指をへし折りたいって煽ってくれても全然良いわけです(えっ)。いや、ナニ言っとんねんて話だけど、もしBAND-MAIDJanne Da Arcのトリビュートに参加するなら、選曲は”ヴァンパイア”一択だよねっていう話。どうだろう、彩ちゃんDIR EN GREYがライブで毎回やってる、いわゆる「男女煽り」を参考にしてみても良いかもしれない。それで声が出てなかったら不機嫌になってステージから退場して、その間に二曲くらい小鳩のソロで繋いでから、再び彩ちゃんがステージに登場するという「神演出」w

小鳩ミク「おまじないタイム」が終わると、Z級ホラー映画の主題歌タイアップとなる新曲”One and only”を披露。初めて聴いたザックリとした印象は、”Choose me”をカップリング曲風に仕上げたらこうなったみたいなイメージで、特に疾走感溢れるイントロから彩ちゃんの歌が入って直後のDjentっぽい楽器隊のパートがツボった。サビは小鳩がメインボーカルってくらい小鳩の歌が強く主張しているが、サビメロ自体はこのお給仕で聴く限りはイマイチ掴みづらかった。でもこのサビのツインボーカルは今までにない感じで新鮮だった。改めて思うのは、こいつらの良いところって、こうやって新曲を一切出し惜しみしない所で、何故なら最新シングルの『Daydreaming / Choose me』が正式な形で初めてワンマンで披露される今回のツアーで、同時に次の新曲を披露してしまうサービス精神は、まさに従順たるメイドの姿そのものだ。このメイド達、本当にペロペロできる。

今ツアーのセトリは、今年の初めにリリースされた『Just Bring It』に伴う実質アルバムツアー的な意味合いを持っていた前回の初ワンマンのセトリと大幅に変わることなく、あくまでも『Just Bring It』や最新両A面シングルなどの「自作曲」が中心のセトリだ。しかし、そこまでして「自作曲」にこだわる意味とは?それは今日のお給仕に大きなヒントが隠されていた。まずは”you.”のドラムソロを皮切りに、ピアノのイントロから始まる”Daydreaming”ドラム(茜)→ベース(MISA)→ギター(歌波)の順番でクソカッコ良く始まる”Play”など(中でも歌波のギターフレーズはプログレっぽくて良かった)、今日のお給仕では自前の曲に特別なアレンジを施すという新しい試みが目立っていた。これこそ今ツアーの大きな見所の一つであり、BAND-MAIDはお給仕の中で「自作曲」を「フレキシブル」に進化させるという、初ワンマンからの夏フェスで培った経験とバンドの更なる成熟を証明するように、お給仕を全く新しい領域へと導いていた。この「フレキシブルさ」はBAND-MAIDのウリの一つでもあり、その柔軟性の高さは「他作」ではなく「自作」だからこそ真価を発揮するものだとリアルに思い知らされた。で、「自作曲」中心のセトリの中に、ミニアルバム『Brand New MAID』から”ORDER”が聴けたのは嬉しい誤算で、個人的にこの曲はバンメのハード・ロック系の曲の中でも一二を争うくらい好きな曲で、生で聴いても歌波のハード・ロック然としたクラシックでオーガニックなギターリフが最高だった。その兼ね合いか、代表曲でありお給仕の定番曲である”REAL EXISTENCE”がセトリから外されたのはいい意味で攻めたセトリだと思った。

とは言え、やっぱり今日のMVPは誕生日だったMISAと見せかけて、自分の中で今日のMVPは小鳩以外に考えられなかった。この日はライブ終盤に小鳩のソロ曲である”TIME”を披露したのだけど、実は僕自身小鳩のソロ曲を聴くのは今ツアーが初めてで、なんだろう、これが思いのほか想像以上にエモかった。正直、小鳩のソロ曲って彩ちゃんの休憩タイム程度の扱いにしかならないと思ってたんだけど、これを生で、しかも小鳩の真正面の最前で観ちゃったらちょっと考えを改めざるを得なくなった。なんだろう、単純にギタボかっけえというか、なんだろう、「フロントマンとしての小鳩ミク」の本領発揮というか、なんだろう、「なんかこいつ持ってるな感」というか、改めて「バンドメイドにおける小鳩ミクの存在感」、その大きさを小鳩胸とは裏腹に強く感じさせたというか、なんかここまで堂々とセンター張れるのはやっぱり小鳩ミクの「タレント」としての才能なのかなって。あと間近で見ると小鳩胸だけあってめっちゃ顔小さいなこいつって。とにかく、本日披露された”TIME”は、観客をエモさの極地へと導いていった。

suramu

事実、小鳩は他のメンバーと違ってレベルが低い。自分の中の謎ルールとして、自分がお給仕に帰宅した回数だけ小鳩のレベルが1づつ上がる謎設定があって、つまり僕はこれまで今日のお給仕を含めると計6回お給仕に帰宅しているから、今の小鳩は「6レベル」ということになる。初代ポケモンで例えると、今の小鳩はポッポ6レベルと同等の能力しかない。四天王を倒すにはまだまだレベル上げが必要だ。しかし逆に言えば、レベルが低い分、ちょっとした経験値でもレベルが上がりやすいわけで、つまりちょっとした成長でも目に見えて分かるのが小鳩ミク(6レベル)で、それってつまり漫画『スラムダンク』の主人公である桜木花道と全く同じと言えるわけです。

お給仕は終盤に差し掛かり、遂に”Don’t let me down”がきた。僕は「ドンレミきたーーーー魔彩ジャンプしかけるぞ!」と意気込んだのもつかの間、あまりの盛り上がりにより最前の圧縮はピークに達していたせいで、サビで飛ぼうとしても前の柵と後ろの圧縮に挟まれて「ヌ゛ッ゛ヌ゛ッ゛」みたいな感じになって笑った。この瞬間、最前は良い面と悪い面があると思い知ったというか、すげえ勉強になった。さすがにドンレミで魔彩ジャンプできないのは、個人的に大きな死活問題だ。そして、本公演の締めを飾ったのは、みんな大好き”the non-fiction days”で、その時に小鳩がステージ前方に乗り出した時、最後の最後で遂に僕は「小鳩ミクに最も近い男」になった。僕も最前の柵から大きく身を乗り出して、あと数センチで小鳩の愛用するZEMAITISに触れる至近距離まで接近したのだ。つまり、最前の柵という名の「超えちゃいけないライン」を挟んで、遂に俺と小鳩ミク(6レベル)の邂逅が実現したのだ。いや、初ワンマンの”secret My lips”ラストも良かったけど、今日の”the non-fiction days”ラストも頭おかしなるくらいヤバい。こうなると、いつか”FREEDOM”ラストも期待したい。

個人的に、可愛いお嬢様たちに魔彩ジャンプを見せつけるという公約を実現できなかったのは残念だったが、それをよそに、まさか別の部分で前回の伏線が回収されたのは想定外の面白さだった。こうもやすやすと伏線を回収しにくる奴らはやっぱり最高な奴らだ。とにかく、BAND-MAIDは今年の上半期で培った経験を「成長」と「変化」と「進化」に結びつけるような、約100分怒涛のお給仕を披露し、秋冬ツアーの前半戦ラストを最高の形で締めくくった。正直、これからの海外ツアーを終えて戻ってきたツアーファイナルの新木場はかなり期待していいと思うし、その先にあるZeppでは一体何を見せてくるのか、今から待ちきれない。とりあえず、目先のファイナル新木場は今日の盛り上がりを超えるようにファイナルらしくブチ上げるぞ。だからテメーら俺について来い。いや、やっぱ可愛いお嬢様は俺について来い(俺かっけぇ・・・)。

【10/15】BAND-MAID「燃えるの?萌えないの?どっちなの!?」@名古屋ダイヤモンドホール
【Setlist】
01. Choose me
02. Don't you tell ME
03. you.
04. モラトリアム
05. Puzzle
06. FREEDOM
07. So,What?
08. Unfair game
09. CROSS
10. matchless GUM
11 . Awkward
12. Daydreaming
13. YOLO
14. alone
15. ORDER
16. decided by myself
17. TIME
18. One and only
19. Don't Let Me Down
20. Take me higher!!
21. Play
22. secret My lips
23. the non-fiction days

BAND-MAID 『Daydreaming / Choose me』

Artist BAND-MAID
_SL1241_

Single 『Daydreaming / Choose me』
71qCDNu4odL

Tracklist

01. Daydreaming
02. Choose me
03. Play

『小鳩ミク、バンドエイド®社の最終面接に挑む』

面接官「それでは、只今よりバンドエイド®社最終面接を始めます」

new_BkYy0a7CEAEeWLo
「はい!私の名前は野口みか...もとい、小鳩ミクですっぽ!」

面接官「あなたを採用したら弊社にどのような利益をもたらしてくれますか?」

new_スクリーンショット-2016-10-29-2
「はい!私は御社のコミュニケーションを円滑にする潤滑油になりますっぽ!」

面接官「う~ん、合格!」

new_DAV_xORVwAIp_oQ
「やったっぽ!」




今回、BAND-MAID「バラード曲」「シングル」として発表したのは、相当な度胸と勇気がいった事と思う。ゴリゴリのハードロックをメイド姿のバンドが奏でる「ギャップ」を売りにした元々のコンセプトを根底から揺るがしかねない、それこそ「メジャー行って日和って売れ線狙い始めて終わった」という風にアンチの煽り対象にしかならない可能性もあった。しかし、それらに伴う「リスク」はメンバー自身がよく分かっているはずで、これらに関する僕の見解として、1月の発表されたメジャー1stフルアルバムJust Bring Itのレビューで一体何を書いたのか?まずボーカルの彩ちゃん今にも絢香の三日月歌いだしそうなほど「バラード映え」する歌声をしていると評価している事だ。少なくともJust Bring Itには「バラード」が入る余地などこれっぽっちもなかったのも事実で、かのBABYMETALは2ndアルバムで初バラードを書いてきた、それではこのBAND-MAIDはいつ「バラード」を出してくるのか?いや別に出さないなら出さないで、それはそれで「ハードロックバンド」としてのBAND-MAIDに俄然箔がつくし、逆に出したら出したで僕が言及した彩ちゃん「バラード映え」する「理想的」な歌声が聴けるはずだと。つまり、どちらに転んでもBAND-MAIDの利益(プラス)になると。結果的に、その答えは後者で、このBAND-MAID初となる両A面シングル『Daydreaming / Choose me』”Daydreaming”は、彩ちゃん「バラード映え」する「理想的」な歌声を聴かせる、本当の本当に満を持してリリースされた最高の「バラード」となっている。

「サビ始まり」

「サビ」から始まる「バラード」というのは山ほどあるが、その中でもJanne Da ArcのボーカルyasuのソロプロジェクトAcid Black Cherry”イエス””君がいない、あの日から...”もその「サビ始まり」を特徴としたロックバラードだ。ちょっと面白いのは、ABCのバラード曲は「サビ始まり」の曲構成が多いけど、逆にJanne Da Arcを代表する名曲”DOLLS””振り向けば…”などのバラード曲はイントロ~Aメロ~みたいに基本的なコード進行を得意としている所なんだよね。と一瞬思ったけど、言うてジャンヌも結構「サビ始まり」のバラード多かったわ・・・ごめん、今の忘れて。とにかく、ABCでは楽器隊よりもフロントマンのボーカルを全面にフィーチャーすることに特化した、いわゆる「サビ始まり」のバラードが割合的に圧倒しているのは事実で、つまりこれは「ボーカル」を「売りにくる」には「サビ」を曲の一番始めに持ってくるのが正しい、という事の裏付けでもある。つまり、この”Daydreaming”は今年のJust Bring Itからの初ワンマンツアーで培った数え切れない「経験」と「ボーカリスト」としての大きな「成長」、それらの伏線が一本の線となって具現化した必然的な結果と言える。

Daydreaming dreaming of you

いわゆる「白昼夢(デイドリーム)」をモチーフにした楽曲といえば、最近ではRadiohead赤い公園の曲が記憶に新しいが、この表題のDaydreamingという「サビ」を力強く伸びやかに歌い上げる彩ちゃんの歌声とともに、真っ赤なPRSを抱えたギタリスト歌波が奏でる唸るように咽び泣くメロディを先頭にバンド・サウンドが一斉にドーン!と入ってきて、これまでにないEDM風のシャレたアレンジやクラップを交えながら、歌詞にある加速してく想い、そのエモーショナルな焦燥感を制動感溢れるMISAのリズム隊が的確に表現し、そのジャズのインフルエンスを感じさせるのドラムとフェンダー使いのMISAによるインプロヴィゼーションに溢れた鬼グルーヴに、再び歌波が合流してポストロックばりにセンチメンタルで刹那い美メロでミニマル&リリカルに気分を高揚させながら、それぞれ歌波MISAが奏でる楽器の「音(声)」という名の「想い」を一つに紡ぎ出していくような小鳩ミクDaydreaming dreaming of youという詞に乗せて、そして最後の「サビ」すなわち「主役」となるボーカルの彩ちゃんへと「想い」を繋いでいく。2番では、ワイドレンジなプロダクションをフル活用した、もはや「ツインドラムかよ」ってくらい「手何本あんねん」ってくらい俄然手数足数が増していくのドラミングとミニマル・アンビエント的なアレンジを効かせ、そして「サビ」では歌波のサンタナから受け継がれた「泣き」のエモーションを込めた情熱的かつ北欧ポストメタルばりに超絶epicッ!!なGソロが炸裂、その勢いのまま小鳩のボーカルを「潤滑油」として一気にクライマックスへと駆け上がり、それはまるで歌波のギターとMISAのベースとのドラムという元素が小鳩ミクという核燃料に触れて、最後は核融合反応を起こして核爆発するかのようなポストメタルばりのスケール感を放つ大サビまで、これはもう一種の「Post-系」の解釈が取り入れられたオルタナ系ロックバラードと言える。

「BAND-MAIDの潤滑油」

面白いのは、ここでも小鳩ミクという「不確定要素」が想定外の効果を発揮していて、この曲における小鳩の「役割」というのは、他ならぬ「BAND-MAIDの潤滑油」である。この曲の「潤滑油」となる「繋ぎ役」小鳩が欠けた瞬間、てんで曲構成がおかしくなって「不完全」な曲となってしまう。つまり、この曲を寿司の「役割」で例えるならば、歌波MISAが曲の土台となる「シャリ」で、「バラード映え」する彩ちゃんが「主役」すなわち「ネタ」で、そして「シャリ」「ネタ」の間を繋ぐ「サビ役」を担っているのが他ならぬ小鳩で、このように曲の中で常に流動的に「ネタ」「シャリ」「サビ」が変動していく、BAND-MAIDの「オルタナティブ」な側面を垣間見せている。「繋ぎ役」、それは運動会のリレーで言うところの「アンカー前」の大事な大事なポジションで、この曲構成を走者順に変換すると【彩ちゃん】→【歌波】→【MISA】→【茜】→【小鳩】→【MISA】→【茜】→【歌波】→【小鳩】→【彩ちゃん】というリレー(曲)構成となっている。確かに、小鳩は普段のお給仕でもただの鳩要員ネタ要員MC要員だが、でもこう見えて小鳩はここぞとばかり「やるときゃやるぜ海野くん」的な奴で、この曲では「今のBAND-MAID」における「ツインボーカル」の最も正しい小鳩の使い方というか、これはもはやインディーズ時代の「ツインボーカル」に対するメジャー時代からのシン回答であり正統進化である。事実、BAND-MAIDは今年の初ワンマンツアーの名古屋公演と大阪公演で、ケツアゴことベーシストのMISAという「サビ」が欠けた「4人」の「不完全」な状態のBAND-MAIDをわざわざ見せつけたわけだ。一体何のために?そう、全てはこの曲の「伏線」としてだ。つまり、MISAという「サビ抜き」の寿司を見せた後に、ケツアゴという「サビ入り」の「5人」での完全体BAND-MAIDで、曲始めから「サビ」をフィーチャーした「バラード」を出してくるという一種の「メタ的」な伏線であり、BAND-MAIDのアテフリ兼総合プロデューサーである小鳩ヨシキは、初ワンマンで既にこの”Daydreaming”を見据えた神がかり的な演出を描き出していたのだ。これはもう、小鳩ミクという「不確定要素」が「確定要素」に変わる瞬間に起こる「奇跡」だ。

「彩ちゃんTO(トップヲタ)」

歌波の話によると、このBAND-MAID『初』となる「バラード」の立案者はボーカルの彩ちゃん、つまり「彩ちゃんの一言」ならぬ「姫の一言」によって生まれた「バラード」で、アレンジ面でも彩ちゃんの意見が採用された実質「彩ちゃんのソロ曲」と呼んでいいくらい、彩ちゃんによる彩ちゃんのための「彩ちゃんで始まり彩ちゃんで終わるバラード」だ。一方でこの”Daydreaming”は、ギタリスト歌波の「コンポーザー」としての才能は元より、「メロディスト」としての才能が開花したようなバラードでもある。あらためて歌波スゲーと思うのは、例えばOpethミカエル・オーカーフェルトのようにフロントマン兼ギタボ兼コンポーザーのワンマンバンドと呼ばれるくらいの役職ならまだしも、歌波のようにギター専属で作曲することの難しさったら想像を超えるもので、特にどれだけボーカルすなわち彩ちゃんと意思疎通が図れるか?共通した考えを持てるか?とにかく、他のメンバーの誰よりも彩ちゃんのことを理解しなきゃならない。しかし、そこは彩ちゃんTO(トップヲタ)歌波、曲を聴いたらガチで歌波ほど彩ちゃんのことを理解し、全てを知り尽くしている人は他に存在しないってくらい(それこそ彩ちゃんTO(トップヲタ)を目指してる僕なんか到底敵いっこないレベル)、彩ちゃんが持つ歌声の魅力を最大限まで引き出している。お給仕でも既に披露されており、実際に名古屋と大阪のお給仕に帰宅して思ったのは、僕の耳に狂いはなかったと、彩ちゃんの歌声は「バラード映え」するってレベルじゃなかったんだと。歌波は、恐らく彩ちゃんが最も発声しやすい「理想的な歌声」を引き出すために、過去最高の極上メロディを生み出すことに成功し、見事彩ちゃんを「ボーカリスト」としてNEXTステージにブチ上げたのだ。その「理想的な歌声」、それすなわち彩ちゃんがリスペクトしてやまない安室チャンに精通する歌唱法から声質および息づかいまで、特に最後のfeel my soulの部分なんて「どう見てもこの部分だけ安室チャンゲスト参加してますよね?」ってツッコミ不可避だったし、もっと言えば今回のEDM風の現代的なアレンジも安室チャンからの「影響」と推測するのは至って容易な事だった。こういう分かりやすいアレンジも今までになくて新鮮だし、しかしそのポップでモダンなアレンジを前にバンド側は決して依存せず妥協せず、しっかりとそれぞれの個性と”らしさ”に溢れたバンド・サウンドを貫き通しているし、この手の「ありがちなバラード」みたいな雰囲気に陥らない(飲み込まれない)のは、やはりリズム隊の力によるものが大きい。とにかく、この曲は本当にお給仕でこそ本領を発揮する曲なんで(お給仕だと俄然バンド・サウンドが全面に現れるのが面白い)、是非とも生で聴いてもらいたい一曲だ。

「過去最高」

決して日和ってなんかいない、むしろ「過去最高」に攻めまくっているバラードだ。「過去最高」にオルタナ大好きフェンダー使いのMISAがイキイキするバラードであり、その「過去最高」にテンションが高いMISA「過去最高」におかしなことやっとるのドラムが織りなす「過去最高」の極上グルーヴ、同時に「過去最高」超絶epicッ!!に咽び泣く歌波のギターソロ、「過去最高」にポップなアレンジ、「過去最高」にエモーショナルな「感情」をさらけ出し、「過去最高」に美しく咲き乱れるかのような安室チャン顔負けの表現者と化す彩ちゃんの歌、そして「過去最高」「BAND-MAIDの潤滑油」となる小鳩、とにかく「過去最高」にメジャー感マシマシの大衆向けのラジオでパワープッシュ不可避なバラードなのに、メンバーそれぞれが「過去最高」に「おかしなこと」やっとる訳の分からなさに笑う。正直、「バラード」って普通の曲よりも良曲と駄曲の区別がハッキリしやすいというか、もしバラードをやるにしても絶対に「良曲」でなければならなくて、でもそのプレッシャーと高いハードルをゆうに超えてくるあたりやっぱこいつら侮れないです。皮肉にもリズム隊が本領発揮する曲が、これまでのゴリゴリ系のロックでなくてバラードだってのも面白いし、このサビの入りならサビの後半はこのメロディが欲しい、という聴き手の願望を理想的な形で持ってくる、言うなれば「王道」をよく理解しているというか、「周り(サブ)」は「おかしなこと」やっとるのに「王道(メイン)」は決して「ハズさない」あたり、やっぱこいつら相当頭いいです。



その「バラード」のくせに「過去最高」に「おかしなこと」やっとった”Daydreaming”から一転して、両A面シングルのもう片方を担う”Choose me”は、それこそ「バンドメイドらしい」と一言で片付けちゃっていいくらいの疾走感溢れるメロコア風のロックナンバーだ。”Daydreaming”と違って曲自体は1stフルアルバム『Just Bring It』の延長線上にあって、その「モダン」な路線から更に余分な贅肉を削ぎ落としたような、ついでに小鳩デブの腹についた余計な贅肉も削ぎ落としてやってほしいくらいめちゃくちゃシンプルな曲で、音の感覚的には同じく1stフル以降の「ラウド系」の流れを汲んでいて、厳密に言えば90年代のUSモダン・ヘヴィネス/オルタナティブ・メタルをルーツとするサウンドだ。これ初めて聞いた時は、メジャー1stシングル『YOLO』のカップリングの”Unfair game”を思い出したのと、ポイントとしてはギターの歌波がサビの裏でちょこまか弾いてるバッキングフレーズは聴きどころの一つで、しかもこの曲はGソロが二回あって、一回目のソロはちょっとヒネった変化球投げてくる感じで、二回目のアウトロのソロは真っ直ぐに突き抜けるように弾き倒す感じになってる。

愛こそはね 目に見えない幻↑想↓」=「ドン勝」

ここでも注目スべきは彩ちゃんの声色の変化で、”Daydreaming”では安室チャンを意識した切なくも力強い歌声を聴かせていたが、この”Choose me”では一転して、それこそ「もうハスキーボイスなんて言わせない、今度それ言ったらコロス」という明確な意志が込められているような、これまでにないくらい「ポップさ」を強調して歌い上げている。一番のポイントとしては、それこそ別にパラモアをはじめとしたポップパンクじゃないけど、わかりやすいくらい洋楽(アイドル)ポップスを意識した、もはや「ナントカロコモーション♫」って言いたくなる感じの愛こそはね 目に見えない幻↑想↓というサビメロで、正直この一節がキモでありこの曲の「全て」と言っても過言じゃあない。そもそも、「シングル」なんてのは1回聴いただけで耳に残るフレーズを書いたら「勝ち確」みたいなノリもあって、この1回聴いただけで口ずさみたくなるようなサビメロ、すなわち「ドン勝メロディ」を曲のド頭に喪黒福造ばりにドーン!と持って来ている。もはやコンポーザーの歌波がこのサビメロが浮かんだ瞬間に「ドン勝」してテヘペロしてるのが目に浮かぶほどで、この勝手に脳内ループしはじめるほど強力なメロディは、「シングル」としての役割を十分に果たしている。曲調的には、これまでの「リフ」で組み立てながらゴリゴリするイメージは皆無で、あくまでのこの「サビメロ」をキモに、小鳩でも簡単に弾けちゃいそうなリフとも言えないようなパワーコード中心に全体のサウンドとノリ重視の曲で、良くも悪くもこれまでになかった曲と言えるかもしれない。

さらば、イントロ

この「Daydreaming」=「バラード」「Choose me」=「ロック」の両A面シングルと聞くと、僕みたいなV系エリート的にはJanne Da Arc『振り向けば… / Destination』を思い浮かべるのだけど、要するにバンドの新たな可能性を広げる邦楽(J-POP)的な「バラード」と『Just Bring It』の延長線上にある「今のバンドメイド」をシンプルかつ分かりやすく表現した洋楽的な「ロックナンバー」、それこそバンドのコンセプトである「ギャップ」の効いた対になるような曲同士だが、しかし明確に差別化された中でも唯一共通する部分がある。それは「サビ」から曲が始まる、つまり曲構成として共に「サビ始まり」を採用しているところだ。正直、この両A面シングルの一番の核心部分ってその「サビ始まり」の曲構成だと思うのだけど、そもそも、これまで自作曲および外注曲も含めて「サビ」から始まる曲を一切書いてこなかったバンメが、ここにきて、この初の両A面シングルのタイミングで初めて、しかもA面の二曲とも「バラード」も「ロックチューン」も「サビ始まり」の曲構成となったのは、決して「偶然」ではなく「意図的」かつ「計画的」なものだと想像することは至って容易だ。

ところで、(あまり関係ないけど)これに関してちょっと興味深い話があって、いわゆる「ストリーミング・サービス」の登場により「現代人は曲のイントロをスキップする傾向にある」という、とある大学院生の研究結果があるらしく、それこそ「ストリーミング時代」における作曲/構成の流動的な「変化」、それらの「現代的」な作曲アプローチを知ってのことなら、もし、もし知ってて今回のシングルで「意図的」に「サビ始まり」の曲構成を採用したのなら、ちょっと歌波天才過ぎて引くし、俄然歌波の絶対領域ペロペロできる。言わば、このシングルの核心部分とも呼べるこの件は、個人的にこのシングルで一番歌波に聞きたい質問だ。だから早くかなみんちょはこの疑問に答えてんちょ!でももし自分が想像したとおりの回答だったら「俺すごい」ってなるんちょ?ムナンチョ!

以上が、「過去最高」にメロディ重視、メロディありきの両A面シングルとなった最大の理由だ。「イントロ」すっ飛ばして、開始数秒で強靱な「ドン勝メロディ」=「サビ」がリフレインする、要するに「シングル」向けに特化した曲構成と「ドン勝メロディ」、それらが意味するもの、すなわち「売りたいんや」精神、つまりヒットすることを意図的に想定された曲を書いてきているのだ。これは初ワンマンツアーの名古屋と大阪の振替公演に帰宅して思ったことだけど、とにかく「シングル売りにきてる感」がハンパなくて、とにかくメジャー1stシングルの『YOLO』と比べると今回は気の入りようが段違いで、それこそフルアルバムの『Just Bring It』よりも売りたい精神に溢れていて、でもそれはANNをはじめとしたラジオでパワープッシュされているのを見れば明白で、どんだけこのシングルに賭けているのか、どんだけこのシングルを売りたいのかが嫌でも分かるハズだ。とにかく「売りたい」、その正当な理由がこのシングルにはある。

確かに、この両A面シングルを聴く限りでは、いわゆる「ヲタ切り」ならぬ「オッサン切り」かってくらい、インディーズ時代からのおっさんヲタがアンチに変貌して「え、何こいつらワンオクの前座バンドでも目指してんの?」って煽られそうなくらい、『Just Bring It』から色々な意味でも更に先へと進んだ「売れ線」を狙った曲で、つまり国産ラウドロックなどのメインストリーム・ロックへの迎合を図っており、確かにこのシングルがハロパやオズフェスおよびノットフェス参戦への伏線だったら面白いかもしれないが、正直もっと賛否あっていいくらいバンドにとって「リスキー」なシングルだと思うし、良くも悪くもBAND-MAIDの今後を占う大きな「分岐点」となるシングルなのは確かだ。しかしそこは従順なメイドさん達で、しっかりとこれまでのオッサンヲタを繋ぎ止める曲をカップリングとして用意しているのだ。それが”Play”で、この曲は元々「インストモノ」として作られたというだけあって、それこそ「両A面シングル」の不満感を吹き飛ばすような、歌波の「リフ」らしい「リフ」からMISAとのソロバトルが贅沢に盛り込まれた(その後のギター好き)、楽器隊のハードロック然としたソリッドなゴリゴリ感がカムバックしている。これこそ初期フアンが求めていたものだ。プロダクション的な面でも初期の『New Beginning』を彷彿させるオーガニックなHRサウンドを踏襲しているし、ボーカル面も元がインストだったとは思えないくらい違和感ないし、そして何よりも初期のハードロック的な英詞メイン&ノリ重視のツインボーカルへと回帰している。この曲はサビが二段階になってる曲で、特にyeah yeah lalalalalalala wow wow lalalalaの部分はお給仕でオーディエンスが一体となってシンガロング不可避なパートだ。勿論、歌波MISAのソロバトルはお給仕でのアレンジが期待できるし、そういった意味でもトータルで「お給仕向け」に盛り上がること間違い無しの曲と言える。

「女体化したDaniel Liljekvist」

これは今年の初めに「YOLO」を初めてMVで聴いた時も全く同じ経験をしたのだけど、BAND-MAIDの曲って初見だと毎回と言っていいほど、まず真っ先に茜のドラムに目が止まるんだよね。今回の新曲も例外はなく、一曲目の”Daydreaming”では「バラード映え」し過ぎな「彩ちゃん凄い」、その彩ちゃんを知り尽くしてる「歌波凄い」ってなるけど、でもこの曲聴いてると最終的に「やっぱ茜が一番凄い」ってなってるのほんと怖い。正直、こんなに手数足数の多いドラム主導のバラードって今まで聴いたこともないし、もはやバラードなのかすら分からなくなるし、とにかくスネアの音は勿論のこと、今回は特にキック力がヤバイ。のエロい足技は本当にペロペロできる。自分の中で、やっぱり「いいバンド」や「いい曲」の条件の一つにドラムがあって、僕がバンドメイドを聴いている根本的な理由の一つとして、という「女体化したDaniel Liljekvist」の存在がある(えっ)。何を隠そう、このシングルのは、KATATONIAの全盛期を支えたドラマーDaniel Liljekvistの官能的なドラミングに精通しているからに他ならなくて、特に”Daydreaming”のワイドレンジなプロダクションをフル活用したドラムプレイは、KATATONIAの傑作『Night Is the New Day』”Forsaker”のフェミニンなドラム、あるいはDIR EN GREY”VINUSHKA”Shinyaのドラムに通じるものがあるし、そもそもその”Forsaker”が実質「KATATONIAなりのバラード」だし、その音的な部分は元よりモダン/オルタナ/ポストロック/エレクトロニカ/アンビエント系の美メロやミニマルなアレンジを施した曲本体、互いに共通する部分はあまりにも多い。二曲目の”Choose me”だってそうだ。さっきまでの官能的なドラムから一転して、力強いゴリゴリラのドラムプレイを披露している。特に、ポイントとなるサビ前のドラムの入れ方、つまりドラムがサビへと誘導する場面とか完全にKATATONIA”The Longest Year”じゃんってなる。その”Forsaker”のモダンなアレンジと”The Longest Year”の曲構成を足したらいい感じに”Daydreaming”っぽくなると思う。が凄いのはそれだけじゃない、三曲目の”Play”ではブルデスばりにエグい踏み込みブッ込んでくるし、この曲以外にもこいつらたまにブルデスっぽいこと平気でやってくるからほんと怖い。とにかく、まさかKATATONIAから脱退したダニエルが日本でメイド服着てガルバンのドラマーやってるなんて思わんかったわ・・・もう想像しただけでコエーわ・・・。

改めて、こいつら本当に「したたか」というか「ドS」だと思うのは、インディーズの頃はあざといハードロックやっておっさんヲタを釣り上げたと思ったら、今度はハードロックの中にモダンな曲を織り交ぜておっさんヲタを「モダン」な音に慣れさせる調教アルバム『Brand New MAID』を発表して、そして遂には今年の初めに国内ラウドロック/モダンヘヴィネス系の1stフル『Just Bring It』で「オッサン切り」からの激ロックキッズの獲得に躍り出て、それからそのキッズが大集合するフェス決めて初ワンマンやって、そして今回のシングル(バラード)も今年に入ってから続くメジャー戦略の一環である。しかし、こうやってBAND-MAIDがハードロック魂を忘れてイマドキのモダンな国産ラウドロック勢に迎合していく流れの中で、ふと「今のBAND-MAIDに最も近いバンド、あるいは目指すべき理想的なバンドって誰だろう?」と考えた時に、自分の中で真っ先に頭に浮かんだのがUSのNothing Moreだった。何故Nothing Moreなのかと言うと、実は彼らはVAMPSとも交流がありVAMPS主宰の『VAMPARK FEST』にも呼ばれたりしてて、ずっと前からBAND-MAIDは必ずVAMPS主宰の『ハロパ』に呼ばれると思ってやまない僕からしたら、それだけで十分な理由になるのだけど、詳しく言えばメシュガー以降の現代的なヘヴィネスをオルタナティブ・メタルとして解釈し、そのイマドキのモダン・ヘヴィネスを昇華させるオルタナティブな素養とベースバッキバキのタイトなエモいサウンド・スタイルという点では、正直かなり最近のBAND-MAIDの音楽性にそう遠からず近いタイプのバンドと言えるんじゃあないかって。要するに、かなみんちょNothing MoreThis Is The Time (Ballast)のイントロのリフを1000回聴くんちょ!そして、その回答としてBAND-MAIDの曲を書くんちょ!わかったんちょ?どぅーゆーあんだーすたんちょ?

これはちょっとした懸念というか、ちょっと気になったことなのだけど、確かにメジャー以降のBAND-MAIDは外注曲ではなく自作曲を主軸に活動していて、それこそ今回は両A面シングルなら片一方は自作でもう片一方は外注曲となる可能性も十分に考えられたわけで、しかし蓋を開けてみたら全曲自作曲だったのだ。これはただの漠然とした懸念でしかないのだけど、ここだけの話、自分の中で「BAND-MAIDが次のフルアルバムでやってはいけないことランキング」の第一位に「全曲自作という勘違いを起こすこと」がランクインしていて、もっと言えば次のアルバムは半分以上は外注曲でもいいくらい、むしろそれくらいしないと『Just Bring It』との差別化は元より、その内容は超えられないとも思っている。これは別に今の自作曲よりも過去の外注曲の方が良いというわけではなくて、それこそ全13曲中4曲が外注曲だった『Just Bring It』ですら、たった4曲の外注曲がどれだけ効果的な働きと役割を担っていたのか、その外注曲がないとてんで金太郎飴みたいに感じてしまうのも事実だ。そもそも、お給仕でどんな曲が盛り上がっているのか、どんな曲がウケが良いのかなんてのはステージ上の演者が一番よくわかっているはずで、少なくともBAND-MAIDは外部ライターから学ぶことはまだまだ沢山あるハズだ。勿論、その「勘違い」には「ただのポップバンド」になってしまう懸念も含まれていて、兎にも角にも、間違いなくBAND-MAID最大の勝負どころとなるであろう次のアルバムでその「勘違い」を起こすことだけは何としても阻止したい。勿論、音楽的な「面白さ」と「人気」を天秤にかけて、そこのパワーバランスを保っている器用なバンドは恐ろしく少ない。むしろメジャー進出して典型的な「勘違い」を起こして2秒でオワコン化するバンドの方が多い。それこそリンキン・パークなんかはその最もたる例で、いつまでたってもフアンから初期の音楽性を求められる「苦しみ」、それはアーティストにとって想像を絶する「負担」となって襲いかかる場合だってある。そんな偉そうなことを言ってみても、個人的には「メイド界のメシュガー」になれるか、否かにしか興味がなかったりする。つうか、そろそろジャズバンドになっても不思議じゃないのは、のドラムを聴けば分かるんちょ。

sasiaisiia

そんなことより「彩コレ」だ。今回のメイドのコンセプトからかけ離れたポップなジャケ写&背表紙や”Daydreaming”のMVは台湾で撮影されたもので、その台湾行きで予算を使い果たしたのが丸分かりな、リリックビデオ的な演出でシンプルに魅せる”Choose me”のMV、どちらのMVも彩ちゃんの魅力に溢れていて、今回も彩ちゃんTO(トップヲタ)を目指す僕が選んだベストカットシーンをコレクションにしてみた。前回のシングル「YOLO」のMVべると見所が多い。なんだろう、映像のモノクロームなエフェクトも相まってある意味「ホラー映画」っぽい妖艶な雰囲気と存在感もあって、とにかく今回の彩ちゃんは「表情」で魅せるイメージ。一番オヌヌメなのは、やっぱり”Choose me”の画面全部白塗りみたいなカットシーン。”Daydreaming”の見所としては、彩ちゃんのネイルが演奏シーンと演技シーンで変わっている所で、面白いのは、常に演奏中「おとぼけフェイス」なアンドロイド茜と何故か撮られ慣れている&役に入り込んでいる小鳩デブ「ギャップ」が笑える。

あらためて、フルアルバム以降の初ワンマンを経験して成長したBAND-MAIDを素直にアップデイトしたような今回の両A面シングル、オルタナもバラードもゴリゴリも何でもやれる、それを実現可能にする各メンバーのスキルと鳩女の余分な贅肉が凝縮された、もはや両A面シングルというよりフルアルバムレベルの濃さがある。ちなみに、名古屋の指定店舗限定でピックの特典付きだったから、リアルに十数年ぶりに店舗にCDを買いに行ったら、レジが若い女の店員で(うわっ、こいつメイド好きなのかよキモッ)って思われたに違いない。まぁ、そんな冗談は置いといて、最後はとっておきの「謎かけ」でお別れ。

「小鳩ミク」とかけまして、「核燃料」とときます

その心は

どちらも「取り扱いに注意」が必要です


お後がよろしいようでw

Daydreaming/Choose me (初回生産限定盤)
BAND-MAID
日本クラウン (2017-07-19)
売り上げランキング: 1,440

BiSH 『GiANT KiLLERS』

Artist BiSH
news_header_bish_art201705

mini album 『GiANT KiLLERS』
_SL1000_

Tracklist

1. GiANT KiLLERS
2. Marionette
3. Nothing.
4. 社会のルール
5. VOMiT SONG

ずっと見たい見たいと思ってた、自称「楽器を持たないパンクバンド」ことBiSHのライブを今年の1月にようやく見れたと思ったら、ライブ中に清掃員(BiSHファンの総称)の清掃活動に巻き込まれて左脇腹にクソでかい痣ができてからというもの、一転して「さっさと清掃員とBiSHは解散しろ」と強く願ってやまなくて(アユニは別)、どうせ来年いや年内で「いま最もキテるメイドバンド」ことBAND-MAIDにブチ抜かれるのは目に見えてから「どーでもよ~」みたいな、だからBiSHは今のうちにBAND-MAIDと対バンさせて頂いて、つまり【楽器を持たないパンクバンド VS. 楽器は持っているが弾くとは言ってないメイドバンド】で、松隈さん率いるSCRAMBLES作曲の”FREEDOM”彩ちゃんアイナ・ジ・エンドでツインボーカル披露しろよと、冗談じゃなしにそれくらい、ハッキリ言って今のBABYMETALや今のBiSHよりも今のBAND-MAIDのが数千倍面白いです。でもおいら、BiSHのライブにはもう二度と行かないと胸に誓いながらも、BiSHの「アユニと楽曲だけは別」という、いわゆる「楽曲派」とかいうドルヲタ特有のタチの悪い考えを持っているクズなので、昨年リリースされたメジャー1stアルバムKiLLER BiSHから約一年ぶりとなるミニアルバム『GiANT KiLLERS』が、6月8日限定でitunesで買うとアユニ加入後の2017年版BESTアルバムが付いて900円という破格の値段で投げ売りされてたから早速聴いてみた。

金かけすぎだろ


ここ最近のBiSHは、メジャー1stアルバムのリードトラックの”オーケストラ”や今年発表されたした2ndシングルの”プロミスザスター”みたいな、いわゆる「メジャー感」溢れるポップさを押し出した大衆向けの曲をプッシュし露骨に「売れ線」を狙い始めていて、つまり「パンクバンド」らしからぬアンチパンク精神むき出しな感じが、どうにもブレを感じてしまってしょうがなかった。しかし、その不満感を払拭するかのように、この『GiANT KiLLERS』の幕開けを飾る表題曲の”GiANT KiLLERS”から、パンクでファンクなBiSHらしいヘドバン不可避なリズム/テンポで進む曲で、まずは戸川純顔負けのアイナの破天荒ボイスを先頭に、そのアイナと対照的な気だるい存在感を放つチッチ、この手のパンキッシュな曲だとリンリンが頭おかしなって「キエェェェェエイ!!」と奇声上げ始めるし、一人だけいつもと変わらないハシヤスメの絶望的なリズム感のなさとマイペースさが逆に個性として映えるし、モモコグミはおるのかおらんのか分からん存在感の薄さが”らしく”て最高だし、そして「欲しがりません 後は 戦え」というこの曲で一番美味しいサビの歌詞パートを任されたアユニの悪ガキ感全開のヤンチャな歌声は”My distinction”の「キモ~!」に匹敵する名ギャップフレーズだし、そこへ清掃員のキモいシンガロングとコールが組み合わさって、まさしく「メリーゴーランド」と見せかけてジェットコースターのように目まぐるしくてんてこ舞いに展開する、それこそ竜宮寺育氏の「歌詞」とメンバーの尖りまくった「個性」とクソみたいな「清掃員」のクソさ加減が共鳴しあった、すなわち一体感とライブ感が一つになった、もはや「BiSHと言えばコレ」な一曲と言える。

アイナメインだった”My distinction”と対になるチッチメイン、というより、もはやチッチのソロ曲レベルにチッチのエモい歌をフィーチャーした2曲目の”Marionette”は、まずイントロからBiS”Fly”への回答を示しつつ、ショーケースの中に入れられた「人形」の孤独な哀しみをアイドルという「操り人形」に投影させる、そのモモコグミが作詞したメンヘラもとい耽美的な歌詞とチッチの持ち味であるエモさが古き良きV系ロック的なイメージを強調し、アイナパートの「届かない本当の声が」の所では北欧フィンランドの至宝The Rasmusラウリ・ヨーネンのハスキーボイスとアイナのハスキーボイスが共振する。実は、”GiANT KiLLERS”のチッチパートの「全て飲み込んで行こうぜ」の部分が初期椎名林檎を彷彿させたのもあって、チッチが意図的に椎名林檎を意識して歌ってたかは知らないが、この曲ではよりチッチ椎名林檎成分が出てるというか、ちょっと面白いのは、アイナ戸川純チッチ椎名林檎という構図が既に出来上がっているところで、あらためてBiSHの最大の魅力はこのアイナチッチのツインボーカルにあると再確認させる。正直、今のアイナってVampillia経由で戸川純と共演してもおかしくない器のデカさある。



3曲目の”Nothing.”は、いわゆる近年のBiSHが傾倒している”オーケストラ”系のメジャ感溢れる青春ポップソングで、この曲の歌詞もモモコグミが手がけており、あらためてモモコの作詞家としての才能に脱帽するし、他にもチッチの裏声も注目ポイント。一転してスカっぽいコミカルなノリで展開するハシヤスメ作詞の”社会のルール”では、歌詞の中にハシヤスメをブッ込んでくるくらいハシヤスメの自己主張が凄い。最後の”VOMiT SONG”も往年のBiSを彷彿させるリンリン作詞の胸キュン哀愁ナンバーで、この曲も(特にアイナが)謎のThe Rasmus感あって笑う。これ聴いたら、あらためてリンリン作詞の曲にハズレなしだと思った。ここまで全5曲のミニアルバムながら、メンバー全員の個性および作詞スキル、そして「アユニと楽曲だけは別」という言葉の説得力が増す曲の良さまで、とにかく良くも悪くもメジャー以降のBiSHが持ちうる魅力の全てが凝縮された、悔しいけどやっぱBiSHスゲーと思い知らされた一枚。正直、無駄がないぶんフルアルバムよりも良いかもしれない。

確かに、いくつかの曲はBiSH専用というよりWACK界隈特有の曲調およびノリだが、しかしそこはBiSHの魅力で、メンバー作詞の歌詞とアイナとチッチのツインボーカルがあればなんでもBiSH色に、クソ色に染め上げてしまう、それくらいクソ最高なミニアルバムならぬクソアルバムだ。でもやっぱり清掃員とBiSHはクソだから(アユニは別)さっさと解散するかバンメと対バンしろ。

GiANT KiLLERS(ミニAL)
GiANT KiLLERS(ミニAL)
posted with amazlet at 17.06.11
BiSH
avex trax (2017-06-28)
売り上げランキング: 6,161

BAND-MAID 『YOLO』

Artist BAND-MAID
new_170391-2015aw

Single 『YOLO』
YOLO

Tracklist

01. YOLO
02. Unfair game
03. matchless GUM
04. YOLO(instrumental)

昨今、大いに盛り上がりを見せる「ガールズバンド戦国時代」に単騎で殴り込みをかけるような、BAND-MAIDのメジャー1stフルアルバムJust Bring Itを聴いたら猛烈に蹴られたくなって、そこからインディ時代に遡って過去の作品を耳にしたらもっと踏まれたくなりつつも、あらめて強く感じたのは心境の「変化」とバンドの「成長」で、新譜の中で特にその「成長」を感じさせた曲が、この「ヨロ」ことシングルの「YOLO」だ。 



これまでのバンメを象徴する、あるいはバンメの代表曲とされている"Thrill(スリル)""REAL EXISTENCE"、そして"the non-fiction days"のような「アグレッシブ」で「速い」、その手の衝動的な勢いに身を任せた曲調のイメージが強くあったが、しかしメジャー1stシングルとなるこの「YOLO」は、その「アグレッシブ」で「速い」そのイメージから一転して、BPMを低指数に抑えたテンポで、ドッシリと腰を据えた極めてタイトなリズムで展開する曲だ。まず、このテンポの曲をメジャー初の1stシングルとして持ってくるその度胸というか、その根拠のない自信からも精神的な「成長」を感じさせる。しかし、この玄人向けのシブいテンポの中でもバンメンバーの強い自己主張が音に現れていて、中でもMISAの鬼テクいベースラインと歌波のトリッキーなギター・フレーズを中心に、の的確なキック力と当て振り鳩女による究極の当て振り芸が、教科書通りのベッタベタなコード進行を辿りながら、サビに向かってジックリと盛り上げながら音のギアを徐々に上げていき、そして明日の希望を切り拓くために戦う意志を謳った、その「強い女」を演じきる歌詞と同調するように女帝バラライカの如しパワフルな歌声で力強く歌い上げる彩姫さんのボーカルが一つになった、これまでの秋葉系オタク向けの臭さを極力排除し、モダンに洗練されたイマドキのメジャー感溢れる大衆性を意識しつつも、しっかりとバンメンバーの濃ゆい個性が音に現れた曲で、バンメは堂々のメジャー宣言を果たす。

new_スクリーンショット (24)

個人的に、バンメってわりと歌詞が致命的なウィークポイントだと思うのだけど、この曲に限っては前向きな歌詞と曲調が上手くリンクしていて、この曲のポイントとなる歌詞と同調してギアチェンする終盤の曲構成もドッシリと構えた大人の余裕すら感じさせる。特に「一度きり そう seize the day」からの展開は、全て吹っ切れたような歌詞と曲調がクロスオーバーする瞬間のピークで、彩姫さんも意識的にタガを外して歌っているし、MVの緊張の糸がほぐれて一瞬笑顔になる彩姫さんの表情面での演出も大きな見どころだ。そのギアチェンした終盤の「アートになんか興味はぬわぁい 永遠なんて I don't seek」の所をナントカ弁みたいに、それこそ吉幾三っぽく歌うと面白いので、是非皆さんもカラオケで歌ってみてくださいね。

アートにぬわぁんか興味はぬぇ!   
new_f1fdde8740b4c23e46a78a947e26a845

この目に見えて低予算で仕上げたMVの彩姫さんは、ぼく下僕的オキニカットシーン満載の”the non-fiction days”と比べると、あまり良いカットシーンがなくて、一つだけ挙げるとすれば終盤のワンカットです。まぁ、それは置いといて、彩姫さんの歌声に関することで少し気になることがあって、もしかして彩姫さんの声って「ハスキーボイス」と思われてるのか?ということ。おいら、いわゆる「ハスキーボイス」ってボーカリストにとって諸刃の剣だと思ってて、それこそ彩姫さんのように通常の低音ボイスで歌っていて、その最中に要所で「ハスキーボイス」的な側面が現れることには何ら不満もないし、むしろボーカリストとしてパフォーマンスの幅と個性が広がって良いこと尽くめだ。しかし、通常の歌声から「ハスキーボイス」と認識されている、もしくはその可能性があるとなると話は変わってくる。僕が一番危惧しているのは、このバンメが「ハスキーボイスのバンド」みたいなレッテルを貼られることで、それだけは絶対に阻止しなければならない。例えば、「楽器を持たないパンクバンド」ことBiSHアイナ・ジ・エンドは自他清掃員ともに「ハスキーボイス」として認知されている。しかし、アイナ「ハスキーボイス」は実質ツインボーカルの片割れとなるセントチヒロ・チッチの存在があって初めて活きる特性でもある。一方でバンメの彩姫さんの場合は、初期の頃こそギタボ(弾くとは言ってない)の当て振り鳩女とのツインボーカルを武器にしていたが、新譜の『Just Bring It』では彩姫さんのボーカリストとしての「成長」、その影響によりツインボーカルの存在感が薄れ、半ばこれからのバンメは彩姫さんのボーカル一本でやっていく宣言に伴い、それを前提に作曲していた節もあるほどだ。一方で、元ツインボーカルの片割れである当て振り鳩女のガス抜き、もといエサ付けとして”TIME”のようなソロ曲を与えており、それは実質彩姫さんの休憩TIMEでもある。いや下僕のくせに何様だよって自分でも思うけど、これでも超絶下から目線で言ってるつもりで、今の彩姫さんがどんな考え方でどんなボーカリストを目指しているのかなんて知る由もないけど、とにかく今の彩姫さんには「ハスキーボイスはニッチ」であるという最低限の自覚が欲しい。

suramu

おいら、「いいバンド」や「いいアイドル」って何だ!?そう考える上で一つ指標にしていることがあって、それは漫画『スラムダンク』の湘北メンバー とそのバンドやアイドルグループと照らし合わせてみて、どれだけそのキャラクター性やビジュアルがフィットするか、どれだけ「シックリ」くるかで判断している。その名作漫画『スラムダンク』と同じように、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』荒木飛呂彦先生も、まず先にキャラクターの身辺調査書を書いて、物語のストーリーよりもまず一番にその「キャラクター性」を重視して、そして流動的に話を展開させていく漫画家だ。では早速、『スラムダンク』の湘北メンバーとBAND-MAIDのメンバーを照らし合わせてみると、どうだろう、思いの外シックリくるじゃあないか。

まずはバンドのフロントマンである彩姫さんはエースの流川ポジ、大酒飲みの不良だがそのベースの技術と3Pシュートのテクニックは天性の腕を持つMISA三井ポジ、小柄ながらもその的確なパス回しとキック力でバンド全体を見渡すように分析する戦略家でもあるドラムの宮城ポジ、その作曲センスおよびキャプテンシーと『北斗の拳イチゴ味』に最も近いゴリラ的なパフォーマンスが得意の歌波赤木ポジ、そしてバンドの広報であると同時に「湘北の不安要素」でもあるバスケ(ギター)初心者の小鳩ミクが主人公の桜木花道ポジだ。正直、自分でもここまで「シックリ」くるとは思わなかったというか、これだけでバンメンバーのキャラクター性の濃さが十二分に伺える。つまり、序盤の『スラムダンク』桜木花道と同じように、今のバンメの足を一番引っ張ってるのって他ならぬ当て振り鳩女こと小鳩ミク大佐だと思うのだけど、逆に言えば主人公の桜木花道「成長物語」だった『スラムダンク』のように、BAND-MAID「不安要素」であり「不確定要素」でもある小鳩ミクが周りのバンメンバーに触発されてナニが「成長」していく事によって、つまりバンドの『未来』すなわち『物語』を変えていくのは全て小鳩ミク次第と言える。当然、『スラムダンク』が面白のは桜木花道とかいう「不安要素」の存在があったから、そして主人公の桜木が「成長」して未来を切り拓いていく「意志」と「勇気」に多くの人が共感したからであって、そういった意味では(主人公とは言いたかないが)小鳩ミクがバンド的にも漫画的にも一番「おいしい」ポジションにいるのは間違いないです。正直、彩姫さんの下僕的には当て振り鳩女の事なんかどーでもいいんだが、とは言え当て振り鳩女がバンドの桜木花道だと解釈すると、その「不確定要素」がバンドというチームの志気に影響し、最終的には彩姫さんのボーカル面にも関わってくるので、こうやって適度に当て振り鳩女を持ち上げることは、下僕としてとても大事な役割なのです。

そんな小鳩ミクのインタビューが記載された週刊誌の記事を見れば、彼女がただの当て振り鳩女ではなく、いかに「したたかな女」で、いかにクレバーでスマートな女なのかが理解できるだろう。BABYMETALさんの事は全く意識してないっぽーとか言ってすっとぼけても、ちゃっかりベビメタの名前を出して【BAND-MAID vs. BABYMETAL】の対立構造を煽って、そして案の定ネットニュースやベビメタ系のまとめサイトやらに拾われて、ことの話題が徐々に大きくなっていってるのを見れば、嫌でも小鳩ミクが相当に「クレバーな女」だと分かるはずだ。おいら、「頭の悪い女」よりも「育ちの悪そうな感じの女」「頭のいい女」の方が魅力的に感じる人間なんで、こうやって色んな人が当て振り鳩女の掌の上で踊らされてるのを見ると、どうしても「面白い」とゲラゲラ笑ってしまう。「頭のいい女」って、要するに「女から嫌われる女」なんですね。だから、よい子の皆んなはこんな「頭のいい女」当て振り鳩女とか言って煽っちゃあダメですw

そういった小鳩ミク「セルフプロデュース」を交えた、一種のマンガ的な「キャラクター性」も含めて、このBAND-MAIDは大げさじゃなしに「いま最も面白いバンド」なのかもしれない。それこそ、僕のように彩姫さんの下僕に徹するのも良し、『北斗の拳イチゴ味』に最も近い歌波でウホるのも良し、MISAのリズム隊を推して玄人気取るのも良し、それにも飽きたなら小鳩ミク「当て振り鳩女」と煽って楽しむのもリスナーの自由だ。つうか、小鳩ミク『スラムダンク』読んだことないとしたら、今すぐに読んで勉強すべきだ。なんなら俺が完全版で全巻貸してやるよ。

これまでは外注曲の力を借りてやってきたBAND-MAIDは、このメジャー1stシングルの『YOLO』以降、メインコンポーザーの歌波を中心に(←ここ大事)バンメンバー自身で曲をハンドメイドするようになった。イントロからダークな世界観を演出する、目まぐるしいリフ回しとガツンとパンチのあるサビが印象的な2曲目の”Unfair game”、三代目リスペクトな歌詞が印象的な3曲目の”matchless GUM”も自身でハンドメイドした楽曲だが、確かにフルアルバムアルバムのJust Bring Itには入らないレベルの曲かもしれないが、前者はバンドのテクニカルな技術的な側面が強く垣間見れるし、後者は歌波ハーマン・リ顔負けの超絶Gソロと彩姫さんの表現豊かでポップなボーカルが楽しめる。そして最後に”YOLO”のインスト版を聴けば、楽器隊の確かな演奏技術、その実力を知ることができる。
 
【Amazon.co.jp限定】YOLO (通常盤)【ステッカー(アマゾン Ver.)付き】
BAND-MAID
Nippon Crown =music= (2016-11-16)
売り上げランキング: 79,718

BAND-MAID 『New Beginning』

Artist BAND-MAID
new_w700_fdb8a64a80ec7665dd7aca648f1793f6a06093363d4f262e

mini album 『New Beginning』
25ca2ec6f35f79cd8bb28d6f02a5ce7b

Tracklist
02. FREEZER
04. Price of Pride
05. Arcadia Girl
06. Don't Apply The Brake
07. Beauty and the Beast
09. Shake That



この曲が海外ウェブラジオ局に注目され、そのメイド姿を世界に知らしめる事となった"Thrill(スリル)"は、ここまで来たらもはやオマージュと言うよりコピーってくらい、80年代のHR/HMリスペクトなリフ主体に展開する曲で、おいら、この曲のイントロの入り方とモダンなリフのグルーヴ感に猛烈なデジャブを感じたというか、「この感じ、つい最近聴いたことあるな」とずっと頭の中で記憶を巡らせ、その答えがもう喉まで出かかってるのに思い出せない、いわゆる音楽を聴いてる時の"あるある"とイライラが遂に有頂天に達したその時...「あぁっ!」

「これAcid Black Cherryの"Greed Greed Greed"じゃん!」

  ぼく下僕
new_13「まさかこのメイドの中にABC好きがいるって言うのか?それは一体誰なんだ・・・?」

(・・・彩姫さんだ)

  ぼく下僕
new_zyousyu「もし彩姫さんだとしたら、彼女の「育ちの悪そうな感じ」の条件が全て出揃う…満貫だ」

   ???
new_1463392639149「くるっぽ~」

  ぼく下僕
new_e453d42c9418f68a07880e1431f0「頼む彩姫さん、TEAM-ABCであってくれ・・・ッ!」 

  ???
new_9233183006a9567e00eef5e3dd75fe4b「ABC好きぽっぽ~」

  ぼく下僕
new_zyousyu「そうだ、彩姫さんの好きなバンドは...っと(検索)」

[Alexandros]

  ぼく下僕
new_UJ「holy...」

  ???
new_スクリーンショット-2016-10-29-2「やちゅりん好きっぽ~」

  ぼく下僕
new_20131031220005「うるせぇ!当て振り鳩女ぁ!」

当て振り鳩女
new_スクリーンショット-2016-10-29-2aa「くるっぽー!(怒)」

  ぼく下僕
ssddddd「当て振り鳩女はマーティ・フリードマンにギター教えてもらえよ」

当て振り鳩女
new_1185d5f37ad39856e06d83f61342bb8f「くるぽっぽー!(怒)くるぽっぽー!(怒)くるぽっぽー!(怒)」

  ぼく下僕
new_20131031220005「くるぽっぽーー!くるぽっぽーー!くるぽっぽーー!」

勿論、この手のHR/HMの基本に忠実的なリフなんて腐るほどあるってのは百も承知なんだが、この偶然にしては面白い一致に面白さを見い出しつつ、そんな事よりも「当て振り鳩女」っていう愛称を思いついちゃって、それがやけにツボに入ったからネタにしてみました。だから、BAND-MAIDのメンバーがABC好きかなんていうのは僕の創作なんで気にしないでください。でも、BAND-MAID"Don't you tell ME"ABC"ピストル"のMVの撮影場所の結婚式場が同じってのはガチです。だからワンチャン。つうか、このアマチュア臭さ満載のMVの彩姫さん、まだ高域が低域に支配されていない歌声やマイクの持ち方やチャームポイントの八重歯も相まって完全に鈴木愛理にしか見えない件。これ愛理じゃん。

その幕開けを飾るスリルに象徴されるように、この『New Beginning』は最新作のメジャー1stフルアルバムJust Bring Itのモダンなイメージとは更にかけ離れたモノとなっている。次作のミニ・アルバムBrand New MAID以上に伝統的なハードロックの醍醐味が詰まった、そしてメジャー以降のバンメにはない、インディらしい粗暴さや初期の衝動的な部分がありのまま凝縮された作品でもある。確かに、まだまだバンメンバーのスキル的な部分は荒削りというかアマチュアのガールズバンドって感じは否めないけど、ギターリフのカッコよさや音作りだけはガチでハードロックやってる感が伝わってくるし、これは本当にインディ時代ならではの作品と言える。そう考えると、ここまで伝統的なハードロックやってたやつらが1stフルであっこまでモダンな音鳴らすなんて想像もできないし、そのモダンなセンスは一体どこからやって来たのか?俄然謎が謎を呼ぶというか、とりあえず歌波スゲーって言っとけばいい風潮ある。あらためて、このバンドの内部に秘められた謎のポテンシャルには驚かされるばかりだ。


そのスリル満点の幕開けから「だだの当て振りメイドじゃない」ことを周知させ、当て振り鳩女彩姫さんのツインボーカル特有の掛け合いが聴きどころのボーカルとデレデレデレデレデレと身体にまとわり付くようなグランジ的なリフが襲いかかる#2
FREEZER、その”スリル”と対をなすバンメを代表する一曲でアルバムのリードトラックでもある#3REAL EXISTENCEは、それこそ初期衝動的なエモーションがセンセーショナルに爆発する名曲で、特に間奏部のスラッシュ・メタルっぽくなる所は、まるでメタリカのジェイムズ・ヘットフィールドとカーク・ハメットの色々な意味で”スリル”のあるソロバトルさながらだ。一転してイントロからトレモロリフでド肝を抜いていく#4Price of Prideは、ツインボーカルを駆使しながらファンキーなノリで展開する曲で、それこそZONEやちょっとその辺のアイドルがバンド組んでみました的なキャッチーなガールズ・ロックだ。その俄然ZONEっぽいガールズロックの流れを汲んだ曲で、打ち込みっぽいアレンジを効かせた#5Arcadia Girltricotばりにキャッチーにノレるカッティング主体の#6Don't Apply The Brakeまでは、いわゆる典型的なガールズロックと聞かれてイメージするようなソッチ系の曲が続き、なんだろう「あっ、こいつらガールズバンドだったんだ」って今更気付かされる。当て振り鳩女メインの#7Beauty and the Beastはそのタイトルどおり、メロコア風の青春パンク的かつコミックバンド的な疾走感溢れる前半から、一転してゴッリゴリの極悪ハードコア・パンク/スラッシュ・メタルみたいになる後半、この急転直下型の展開はバンメのウリでありコンセプトでもあるギャップ萌えの原点を意味している。

このミニ・アルバム
New Beginningは、ハモリとコーラスを駆使したツインボーカルならではの掛け合いや特性を最大限まで活かしたキャッチーなボーカル・パートをはじめ、ピュアメタラーならガッツポーズ不可避の80年代スラッシュ・メタルをルーツとするギターリフや生々しいオーガニックな音作り、そしてファンキーでファニーでパンキーなノリではっちゃける、いい意味でアマチュアのJKガールズバンドばりにポップで可愛いアレンジが絶妙なバランスで融け合った、いい意味で脳みそ空っぽにして若気の至りを言い訳して全力で本能に従った結果の傑作だ。全曲外注曲だけあって、これ以降のメジャー作品よりも本作のが至高と言う人が少なくないのも納得できるくらいの完成度だ。トレモロ・リフをはじめ、ボリボリのハードロックリフや往年のスラッシュ・メタルみたいなキザミもあって、少なくともピュア玄人はバンメのディスコグラフィの中で「最もカッコいいリフ」が詰まった本作をファイバリットに挙げるだろう。


このアルバムは、全編に渡ってバンメ史上最も彩姫さんと当て振り鳩女のツインボーカルが冴え渡っているが、ここでも1stフルアルバムのJust Bring Itで持ち味のツインボーカルの要素が希薄になったのは、彩姫さんの歌一本でいけるくらいボーカル面の著しい成長があったからだと再確認した。実際、『Just Bring It』So, What?とか”YOLO”とかこのミニ・アルバム時の彩姫さんの歌唱力では絶対に歌いこなせない。それくらい、もはや当て振り鳩女と声の区別がつかないくらい様々な面で彩姫さんが初々しい。正直、これじゃあ淫語で罵倒されながら踏まれたいとも思わなしいし、蹴られたいとも思わないし、ましてや顔騎されたいなんて微塵も思わない。つうか、誰だ「それただ酒焼けしただけじゃん」って言ったやつ!出てこんかい!それは言うな!


それでは、このミニ・アルバムではZONEみたいなガールズロックやってた可愛いメイドさん達が、なぜ新譜のJust Bring Itで言わば『北斗の拳イチゴ味』みたいな鬼ごっついバンド-メイドに化けたのか?ここで僕は、そのインディ®時代からメジャーに行くまでの間に起こったバンメンバーの心境の変化に注目した。事実、このミニ・アルバムの後にDon't you tell MEを再生すると違和感がハンパない。もはや別バンドと言っていいくらいだ。バンメのコンセプトであるかわいいメイド服とハードでロックな楽曲というギャップが楽しめるツインボーカルバンドという当初の考えから一旦離れて、今後メジャーに行くにあたってバンメがこれからより良い方向へと向かうような考え方にシフトしていったのを実感する。特に彩姫さんの歌唱面を筆頭に、バンメンバー個々のスキルアップに伴うバンドとしての『成長』を積み重ねていく中で、また自身で曲をハンドメイドするようになって、それらの『バンド(メンバー)の変化』に伴う『心境の変化』が形となって、それが曲となり、一つのアルバムとなって、そして最終的にその『心境の変化』が具現化したのがJust Bring Itなのだ。だから、僕みたく新譜の『Just Bring It』から入って、そこから過去作に遡ってバンメを聴き始めた人は、その®時代からの『考え方の変化』『心境の変化』を考慮しながら聴くことでより蹴られたくなる、もとい踏まれたくなる、もといよりメイドさん達の「ココロのトビラ」を両手でこじ開け、それを覗き見るような感覚で楽しむことができるんじゃあないかって。つうか、誰やねん、当て振り鳩女が保坂えりに似てるって言った奴(僕です)、めちゃくちゃソックリやんけ!

New Beginning
New Beginning
posted with amazlet at 17.02.05
BAND-MAID®
Gump Records (2015-11-18)
売り上げランキング: 897
記事検索
月別アーカイブ