Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

レビュー (B)

【9/19,20】 BABYMETAL WORLD TOUR 2016 LEGEND - METAL RESISTANCE - RED NIGHT & BLACK NIGHT@東京ドーム

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昨年、ANATHEMAの奇跡の初来日公演、しかも2デイズという長年の『夢』が叶ってから早一年、その『夢』という名の『人生のピーク』がまさかBABYMETALによって新たに更新されるなんて、それこそ『夢』にも思わなかった。そんなこんなで、9月19日と20日に東京ドームで行われた、ワールドツアーのファイナルを飾るBABYMETAL第四章「LEGEND - METAL RESISTANCE - RED NIGHT & BLACK NIGHT」に参戦した感想をば。

そもそも、僕が初めてBABYMETALのライブを見たのは約三年前のサマソニ大阪で、あの時は「いま最も勢いのあるアイドル」と確信したものの、まさかその三年後に東京ドーム2デイズをSOLD OUTさせるほどのビッグアーティストに化けるなんて、さすがに僕のキング・クリムゾンですら予測不可能な出来事だった。ちなみに、僕は両日ともジョジョTシャツで参戦。そんな事決まってるだろォッーーーがッ!

【LEGEND -METAL RESISTANCE- RED NIGHT】
9月19日セットリスト
01. Road of Resistance
02. ヤバッ!
03. いいね!
04. シンコペーション
05. Amore -蒼星-
06. GJ!
07. 悪夢の輪舞曲
08. 4の歌
09. Catch me if you can
10. ギミチョコ!!
11. KARATE
12. Tales of The Destinies
13. THE ONE - English ver. -

ツアーファイナル初日(19日)は、スーパー台風接近に伴い、東京の空模様はあいにくの雨すなわち「止まない雨」が降り注いでいた。しかし、これは今思うと『レジェンド』すなわち『伝説』が生まれる前触れに過ぎなかった事を、この時の僕たちは知る由もなかった。ツイッターのハッシュタグ#BABYMETALの情報によると、どうやら4時の開場だったのが30分くらい押してて、この時すでに開演が遅れることを予想するメイトは少なくはなかった。事実、その情報を信じて余裕ブチかましてた僕が、本来の開演時間である6時の10分前にドームに着いてもまだ入場列が続いていた。自分は23ゲートからの入場で、発券すると『RED NIGHT』&『BLACK NIGHT』ともにレフトスタンド側の2階席の一桁列の座席だった。6時に着席した時にはすでに開場は満員御礼で、これから約5万5千人のロリコンが狂喜乱舞するなんて想像しただけで恐怖に近いものがあった。そして気になるステージ構成は、いわゆるセンターステージと呼ばれるもので、ドームのど真ん中に巨大なセット&スクリーンがあって、そこから三本の矢のように花道が伸びた感じのやつ。

謎のコルセットを首に巻いて座席についてまた少し経ってから、ようやく開演。すると同時に、真ん中のスクリーンにショッカーみたいなホネホネロックマンが現れて、キツネ様からのお告げ「このツアーファイナルは『RED NIGHT』&『BLACK NIGHT』の2日間で構成/完成され、1stアルバム『BABYMETAL』と2ndアルバム『METAL RESISTANCE』の曲を全部奏でるって約束したけど、一度奏でた曲は二度と演らないよーん」みたいな説明が終わると、続いて恒例の紙芝居がスクリーンに映し出される。先日、僕が書いた『METAL RESISTANCE』のレビューを見た人なら気づいた人もいるかも知れないが、オープニングの紙芝居演出でシン・ゴジラネタをオマージュして怪獣シン・ベビメタが登場した時、心のなかで「yes!!yes!!jens!!」とガッツポーズしたのは僕だけじゃあないはずだ。実はこの東京ドーム2デイズに参戦するにあたって、四年後の東京五輪に向けたナニかしらの伏線を見つけ出すという一つの目的があって、それがまさかメンバーが登場する前、曲が始まる前の演出でそのシン・ゴジラとBABYMETALが東京五輪でコラボする可能性(伏線)を示唆するなんて思っても見なかった。

そして、満を持してBABYMETALの三人と神バンドが登場し、一瞬にして会場は爆発的な盛り上がりをみせる。予想どおり、一曲は今年リリースされた『METAL RESISTANCE』のオープニングナンバーである”Road of Resistance”だった。まさにこれからロリコンモッシュメイト率いるベビメタ軍と俺の感性率いるアグネス(ラム)軍の合戦が行われるかの如し壮大なイントロから、神バンドのドラフォ然とした演奏をバックにSU-METALの力強く伸びやかな歌声とMOA-METALとYUI-METALによるキレキレなダンスパフォーマンスがまたたく間に露見する。それこそ開演前は→「ロリコンベビメタ軍のロリ根性を叩き潰すッ!」とばかりイキってたが、しかし初っ端からBABYMETAL&神バンドが織りなす圧倒的なサウンドスケールにド肝を抜かれたアグネス(ラム)軍はロリコン化し、気づけばベビメタ軍と一緒になって「ウォーオーオーオーウォーオーオーオー」とメタル魂を昂ぶらせながらシンガロングしていた。そう、俺たちアグネス(ラム)軍は一瞬のうちにして戦乙女SU-METALの傀儡と化してしまたのだ。

二曲目はまさかの”ヤバッ!”で、この立て続けに新譜からの流れはヤバッいくらいアツい。なんかイメージしたとおりのダンスのフリで萌え死ぬかと思ったし、ライブだと終盤の怒涛の展開はヤバッ過ぎた。一転して、アイドルらしい”kawaii”をフューチャーした1stアルバムから”いいね!”では、さっきまでの「メタルバンド」としてのBABYMETALではなく、「アイドル」としてのBABYMETALの側面を垣間見せ、それこそ一瞬にして東京ドームがアイドル現場と化し、ドルヲタらしくいいね!コールや合いの手入れまくってブヒりまくる。この振り幅こそベビメタならではの醍醐味か。再び、新譜からジョジョ一部リスペクトな歌詞と陰陽座の黒猫化するSU-METALが凛々しく歌い上げる”シンコペーション”、からの”Amore -蒼星-”では、まるで「翼をください」とばかり巨大な白い翼が中央のスクリーンに映し出されるとともに、その翼の生えたSU-METALが巨大なステージの最上部へと飛び立ち、言うなれば使徒SU-METALとなって世界の中心で、東京の中心で「愛の言葉」を叫ぶ姿は、それこそシン・エヴァンゲリオンのフォース・インパクトと言っても過言じゃあないくらいの衝撃を与えた。あとはやっぱり「もしも君を~」の部分の歌は感動した。

Gojira顔負けの例の「バン!バン!バン!」に合わせて繰り返し手拍子を要求する、YUI&MOAをフューチャーした”GJ!”、再びSU-METALの妖艶な歌声が響き渡る”悪夢の輪舞曲”、再びYUI&MOAがメインの”4の歌”は19日のハイライトで、YUI&MOAが「ヨンヨン!」と煽りまくるくらい4の応酬はもはやオトナの教育テレビ的なノリすらあった。終盤は名曲の”ギミチョコ!!”から”KARATE”、クライマックスは”Tales of The Destinies”から”THE ONE”へと繋がる組曲で終わるのだが、”ToTD”を難なく歌いこなすSU-METALとプロフェッショナルさを見せつける神バンドに感心しつつも、英語版の”THE ONE”が始まる前に首に巻かれたコルセットが一斉に光を放ち始め、その「世界を一つにする」という2ndアルバムのコンセプトどおり、東京ドーム約5万5千人のメタル魂を一つにする演出に、会場は異様なざわめきと歓喜に包まれた。この演出を見越したセンターステージであることに納得すると同時に、会場が光と言う名の希望に包まれて「世界が一つになる」光景を目の当たりにして、一瞬素に戻って感極まった表情を浮かべたYUIMETALを僕はきっと忘れない。

はじめにホネホネロックからアナウンスされたとおりMCなしアンコールなしの約一時間半、あっという間でもあり、しかし公演時間以上に濃密な世界観と圧倒的なサウンドスケールに終始息を呑むことしかできなかった。三年前のサマソニ大阪で見たBABYMETALとは何もかもが桁違いに違っていたし、つまり【たった十メートルもない距離で見たBABYMETAL×三年=東京ドーム2階席の距離で見たBABYMETAL】と考えたら感慨深いものとナニかこみ上げてくるものがあった。このサマソニ【大阪】から【東京】ドームの距離の間に、彼女たち三人が経験してきた数多くの試練は、いわゆる普通の人間が送るであろう普通の人生を何百倍にも凝縮した濃密な三年間だったに違いないし、たった三年でもう手が届かない距離まで成長した彼女たちの勇姿に僕は敬意を表したい。

つうか、そんなことより、この初日はMOAMETALも大好きな℃-uteの愛理が観に来てたって知ってマジかよ!?ってなった(愛理のブログ参照)。本来は見られる側、ステージに立つ側の人と一緒に観客として見れた事の方がデカい。ワンチャン愛理がコルセット巻いてた可能性を想像しただけで俄然ガチ恋に発展しそうになるし、これにはMOAMETALもそれこそ「幸せの4」を猛烈に感じているに違いない。なんかもう愛理が良いっていうんだから良いライブだったに違いないし、その辺の素人よりもステージに立つ側の人間に評価されることほどの名誉はないだろう。しっかし、ここ数年℃から離れてたせいか、およそ55000人の中に愛理のオーラを感じ取れなかったのは一生の不覚だわマジで・・・。


【LEGEND -METAL RESISTANCE- BLACK NIGHT】9月20日セットリスト

01. BABYMETAL DEATH
02. あわだまフィーバー
03. ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
04. META!メタ太郎
05. Sis. Anger
06. 紅月 -アカツキ-
07. おねだり大作戦
08. NO RAIN, NO RAINBOW
09. ド・キ・ド・キ☆モーニング
10. メギツネ
11. ヘドバンギャー!!
12. イジメ、ダメ、ゼッタイ

二日目の【BLACK NIGHT】は、初日のように開場が押すこともなかったので、早めに会場入りすると、会場のBGMにはドリムシやメイデン、メタリカやドラフォにBMTHが流れていた。しかもメイデンのFear Of The Darkで客がシンガロングしてて笑った。しかし、あらためてバックネット裏の最上段までギッシリ人が埋まっていく光景は壮観だなと眺めてたら開演時間の7時になる。

新譜中心のセットリストだった【RED NIGHT】に対して、二日目の【BLACK NIGHT】は1stアルバム中心のセットリストで展開していく。花道の先端から十字架に磔にされた状態で地上に現れた三人の使徒は、初っ端の”BABYMETAL DEATH”から会場のボルテージを一気にブチ上げる。その勢いのまま、新譜から”あわだまフィーバー”、続いて”ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト”、「ウォーオーオーオー」とシンガロングさせる”META!メタ太郎”、映画『インターステラー』を彷彿とさせる「怒れ!怒れ!」という紙芝居演出からブルータルな”Sis. Anger”へと繋がり、そしてX JAPANの”紅”をオマージュしたSU-METALによる「アカツキだーーーーー!」という掛け声から、彼女の天性の歌声がドームに響き渡る”紅月 -アカツキ-”では、恐らく両日合わせても最高峰のボーカルパフォーマンスを見せつけ、その説得力のある「ボーカリスト」としてのSU-METALをまざまざと見せつけられた僕は、感動のあまり心のなかで・・・

(出山ーーーーーーーーーーーッ!!)
(ホームオブハーーーーーーートッ!!)
(すず香ッ!!)

・・・と叫び声を上げた。

更にYUI&MOAをフューチャーした”おねだり大作戦”を挟んでから、自分の座席のちょうど目の前にあるレフトスタンド側(すなわちBOHさん側)の花道の先端地下からSU-METALが現れる。そして”NO RAIN, NO RAINBOW”のイントロが始まるとともに、円形のコンベアに乗って中央ステージ最上部へと導かれていく。いま思えば、この連日のスーパー台風の影響による「止まない雨」も粋な演出として組み込まれていたのかと思うくらい。そしてX JAPANのギタリストPATAhideの魂が天国から舞い降りてきたようなツインGソロにまたしても涙してしまった僕は、ふとドームの天上を見上げながら・・・

天国のPATAへ、お元気ですか?
近頃は読売巨人軍が賭博球団化してしまい
熱狂的な巨人フアンのPATAは天国でさぞかし悲しんでいることでしょう
そんな巨人大好き芸人のPATAも思い出のある東京ドームで
X JAPANが数多くの『伝説』を残してきた東京ドームで
本日、また一つ『レジェンド』=『伝説』が生まれました
その『伝説』を残したアーティストこそBABYMETALです」 

・・・と心のなかで呟いた。 

で、”ドキモニ”からSU-METALあらため出山ホームオブハートすず香がキツネのお面ととともに登場する”メギツネ”、初日の【RED NIGHT】が4連呼なら二日目の【BLACK NIGHT】はヘドバン連呼とばかりYUI&MOAが「ヘドバン!ヘドバン!」と延々と煽りまくる”ヘドバンギャー!!”、そして初日のフォース・インパクトによって地球を紅に染め上げるかのように、首に巻かれたコルセットが一斉に赤く点灯しはじめ、YOSHIKIにダメ出しくらいそうな出山ホームオブハートすず香による英語の語りとともに、その流れでワールドツアーファイナルのラストを飾ったのは他ならぬ”イジメ、ダメ、ゼッタイ”だ。曲が終わると出山ホームオブハートすず香による「ウィーアー!」からの「ベビーメタル!」の掛け合いによって、三度東京ドームのオーディエンスは「一つ」になる。しかし、この「ウィーアー!」という出山ホームオブハートすず香の掛け声に対して「ベビーメタル!」ではなく「エーックスッ!」と叫んだのは僕だけじゃあないはず・・・いや、僕だけかもしれない。なぜなら、この東京ドーム2デイズは、僕にとって子供の頃にDVDの映像でしか見たことがなかった、十数年遅れてきたX JAPANの『THE LAST LIVE~最後の夜~』だからであり、それこそ十数年の時を経て伝説の解散ライブの熱狂を追体験するかのよう。少なくとも、この東京ドームのステージに立って演奏しているのは、BABYMETALという名の怪獣きぐるみを着たシン・エックス・ジャパンにしか見えなかったし、僕には最初から最後までSU-METAL出山ホームオブハート利三にしか見えなかった。

最後はステージの最上階へと上り、「3,2,1」の合図でSU-METALが銅鑼を鳴らすと同時に爆発音が鳴り響き、これにてBABYMETAL第四章は幕を閉じる。そして、中央のスクリーンに「BABYMETALの旅は続く」的な演出が入るのだが、この『続く』という言葉を聞いてホッと胸をなでおろしたモッシュメイトは少なくないだろう。このシン・BABYMETAL『THE LAST LIVE~最後の夜~』を迎えるにはまだ時期尚早だ。そんなことよりも、次章となるBABYMETAL第五章で一体どんな仕掛けや驚きを魅せてくれるのか、そして体験させてくれるのか、早くも楽しみになってきた。そのためには、『ゲーム・オブ・スローンズ』レナ・ヘディ『マザー』として迎え入れ、そして「世界を一つ」にしたBABYMETAL『鉄の王座』へと即位する未来のために、俺の感性率いるアグネス(ラム)軍は彼女たち三人の『鋼鉄の処女』を守り抜く下僕として仕えることを今ここに誓うのであった(完)

オープニング映像のホネホネロックマンが忠告したとおり、一日目の【RED NIGHT】は新譜メインで、二日目の【BLACK NIGHT】は1stアルバム中心のセトリで、本当にバランスの良いセトリで、甲乙つけがたいです。両日ともSU-METAL、YUIMETAL、MOAMETAL、そして神バンド含めてメンバーそれぞれに見せ場があって、炎やレーザーを駆使した演出面も余すことなく披露された。個人的には、二日目の【BLACK NIGHT】のほうが落ち着いて冷静に見れたこともあって、MOAMETALの愛理顔負けのキレッキレなダンス、約5万5千人の視線をスクリーンに釘付けにするYUIMETALの「朝ドラヒロイン」感、そして連日、むしろ二日目の方が歌唱力が増してたんじゃねーかレベルのSU-METALの「ボーカリスト」としての成長性にはただただ脱帽するしかなかった。あとはやっぱり、自分の中で”紅月 -アカツキ-””NO RAIN, NO RAINBOW”の共演は、ちょっとどころじゃないちょっとした大事件だった。

それこそ愛理の言うとおり、ただただ圧倒されるばかりだった。ライブが終わってホテルの部屋に戻ってみても、さっきまでのアレは『現実』だったのか、それとも『夢』だったのか、でもそれは『現実』でもあり、同時に僕の『夢』でもあったんだ。今でもその余韻が「止まない雨」のように心に降り注ぐ。むしろ終演後にあのライブの凄さを徐々に実感していった。

ところで、後日の早朝ニュースで「奇抜なおっさん大集合」とかいう風に紹介されてて笑ったんだが、でもベビメタって本当に老若男女に支持されてんだなって実感したちょっとしたエピソードがある。それは初日の19日、僕は午後二時くらいに某ホテルにチェックインしようと、案の定長蛇の列を作っている黒いベビメタTシャツを着たベビメタ勢の後ろに並んだわけ。僕の前には至って普通の旅行者みたいな風貌をした40代後半から50代前半の美人なマダムが並んでて、僕は「このマダムもこんな時に災難だな~っ!」って思ったら急に話しかけられて→

マダム「あの~、この列の人達ってライブの人たちですか?」

ぼく「えーっと、多分そうですね」 

マダム「・・・(謙遜しながら)実は私もそうなんですよ」

ぼく「あっ、そーなんですか!?(マジかよ承太郎!)」

マダム「今日の開演って6時ですけど、一時間前くらいにドームに行けば大丈夫ですかね?」

ぼく「ん~~多分そのくらいで大丈夫だと思います(このマダム...できるッ!!)」 

マダム「・・・あっ、ありがとうございます(ペコリ)」 

ぼく「うん」
 

実はこんな他愛もないエピソードがあって、だからといってドヤ顔で「ベビメタは外国人や老若男女に人気ある!」というわけじゃあないが、事実こんな会話をマダムと交わした僕は、その件に関しては少なからず好意的なイメージで語ってもイイんじゃあないか?
 

BiSH 『KiLLER BiSH』

Artist BiSH
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Album 『KiLLER BiSH』
KiLLER-BiSH

Tracklist

02. ファーストキッチンライフ
04. Stairway to me
05. IDOL is SHiT
06. 本当本気
07. KNAVE
08. Am I FRENZY??
09. My distinction
10. summertime
11. Hey gate
12. Throw away
13. 生きててよかったというのな

BiS復活について、まさか新メンバーオーディションでツッツセカンドサマーが落選したのが意外すぎるっつーか、そんなこんなで久々にBiS界隈を覗いてみたらBiSHから推しのハグ・ミィが脱退しててショックだった今日このごろ、そんなことよりBiSHの読み方が「ビスエイチ」じゃなくて「ビッシュ」だと知ってわりと衝撃的だった今日このごろ。そのBiSHが知らず知らずのうちにメジャーデビューしてて、そのエイベックスからメジャー1stアルバム『KiLLER BiSH』が、しかも9月5日の一日限定でitunesで300円で投げ売りセールしてたから聴いてみた。



一曲目の#1”DEADMAN”からDビート系のクラスト・パンクチューンで、「なんだこいつら頭パープリンかよ」ってなったけど、すぐに「いや、これが自称【楽器を持たないパンクバンド】ことBiSHなんだ」ってなった。その勢いのまま、幾度となくアイドルの常識と概念を覆してきた破天荒なアイドルグループとかいうBiSのコンセプトを教科書どおり則ったような、それこそ『Blood Mountain』の頃のMastodonもビックリのハードコア然としたトラックとリンリン作詞のリリックがあの頃のモンパチに急接近する#2”ファーストキッチンライフ”、次は今流行りの小百合ネタを取り扱ったMVがエモすぎる曲で、その”オーケストラ”とかいうタイトルどおり、ANATHEMAばりの壮麗なストリングスとピアノ、そして百烈拳乱れ打ちのようなドラミングが俄然センセーショナルかつエモーショナルに演出する。そして勘がいい人なら”Stairway to~”と聞いたら真っ先にLed Zeppelin『天国への階段』を思い浮かべるハズだが、まさにその名曲中の名曲をオマージュした#4”Stairway to me”すなわち『私への階段』は、それこそ”Stairway to Heaven”のパクリ騒動なんぞモノともしないような、例の『天国』すなわち『HEAVEN』への旋律を奏でるアルペジオから、「剛」アイナ「柔」チッチを中心にエモい掛け合いを見せる静寂的な序盤、そこから一転してハードロック化する転調以降のGソロを筆頭にオルガンとドラムとベースを巻き込んだ激アツなソロバトルとか、「これもうアイドルソングの枠超えてるってレベルじゃねーぞ」感半端なくてウケるし、とにかく音使いまで70年代のクラシック・ロックを丸々オマージュしている。
 

まるで新生BiSの復活を見越して、一足先に宣戦布告という名の先制攻撃を仕掛けるかのような、それこそBiS”IDOL”をベースにしたメタリックなヘヴィソングの#5”IDOL is SHiT”、新メンバーの推しメンアユニ・Dが作詞した、全国54万人のヒキコモリの「俺はまだ本気出してないだけ」論を謳った青春パンク風のリリックとBiS”DiE”を彷彿とさせるブラストとともに、前前前進あるのみとかばり前向き過ぎるポジティブなエネルギーが爆発するビッグスケールなアリーナロックの#6”本当本気”、今度は”nerve”のオマージュと見せかけて全然関係ない#7”KNAVE”Kayo Dotみたいな暗黒微笑的エクスペリメンタルなイントロから、痛快なグルーヴを刻むドラミングを軸にフレンチ産の自殺系ポスト・ブラックメタルばりに荒涼としたノイジーなトラックとリンリン作詞の絶望感溢れる歌詞がシンクロする#8”Am I FRENZY??”、楽曲ステータスをエモさに全振りした井口イチロウ氏作曲の#9”My distinction”、メロコア風の英詞曲の#10”summertime”、またもやカッティング系のリフで展開する#11”Hey gate”、再び激情系ブラック・メタルみたいなギターをかき鳴らす#12”Throw away”、ラストはスタートから全力疾走してきた自らのゴールを祝うかのような、それこそ合唱コンクールばりにハートフルな曲で幕を閉じる。

本家BiSの楽曲コンセプトはオルタナ寄りの傾向というイメージが少なからずあったけど、このBiSHは比較的ストレートでオーガニックなリフでゴリ押してくるハードロック/メタル系の楽曲コンセプトみたいなイメージが強くある。特にアルバム後半はそのギターロック化が顕著で、なんかもう「BiSHは楽器を持たないポスト・ブラック・メタルバンド」と言っても過言じゃあないレベル。これはBiS全般にも言えることだけど、相変わらずだけど今作は特にドラムのトラックが異常にかっこいい。

やっぱり黄金期BiSのプールイとテラシマユフに匹敵するアイナとチッチの歌唱メンコンビをはじめ、基本的にビスエイチメンバーの歌声ってサウンドPの松隈さんが作るトラックの「乗り」がいい。実は、ここがBiS界隈で1番羨ましがられる所なんじゃないかと思う。あと脱退したハグ・ミィには悪いけど、新しくアユニ・Dが加入したことで、「剛」のアイナと「柔」のチッチにはない愛くるしい萌(ェモ)声が曲と歌割りに絶妙なアクセントとギャップを与えてるし、それは今作の完成度を見ても明白で、なんかこれで攻守ともにBiSHが完璧になった感すらある。それこそ→「ちょっと待って、これBiS復活する必要なくね?BiSHだけでよくね?」みたいになるくらい、それこそBABYMETALの新譜と肩を並べる傑作だと思うし、逆にこれ300円で聴いちゃってなんかスゲー罪悪感を憶えるというか、これが一日限定でも300円で買えちゃったということ自体ほぼ奇跡に近い。しかし予想外にアルバムの内容が良かったもんで、同日に駆け込み需要で旧作も300円で買おうとしたら通常価格に戻ってて、この時間にルーズで色々な意味でガバガバな感じがBiS界隈に帰ってきた気がして別に嬉しくはなかった。

現状の期待値は【BiSH>>>新生BiS>>>SiS】といった所か。正直、新メンバーオーディションで落選したツッツセカンドサマーSiSで揃えばBiSHを超えるポテンシャルで問答無用に推せたと思うけど、いかんせん現状だとセカサマSiSに参加するけど自分が1番推してたツッツは参加しないらしく、やっぱり現状ではBiSHが他を寄せ付けないくらいイケイケの独走状態だ。てっきりツッツセカサマのどちらか一人は選ばれると、正直それくらいの逸材だと思って見てただけに、今回の落選はとにかく想定外の結果だった。けど、新生BiSに選ばれた5人を見たら「うわなんかスゲーBiSっぽい・・・」ってなったし、もはや「プーカスいらなくね」ってなった。しかし渡辺マネは一体新生BiSをどうしたいのか不明過ぎる、というか未知数な所があるのでなんとも言えない。現状、11月に予定している新生BiSのアルバムがこの『KiLLER BiSH』を超えてくるとは到底思えない。それほど、推しのアユニ・Dが新加入して隙がなくなった今のBiSHの成熟感ったらない。
 
KiLLER BiSH
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Between the Buried and Me 『Coma Ecliptic』

Artist Between the Buried and Me
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Album 『Coma Ecliptic』
Coma Ecliptic

Mixing/Mastering Jens Bogren
Jens Bogren

Tracklist
01. Node
03. Dim Ignition
04. Famine Wolf
05. King Redeem / Queen Serene
06. Turn On The Darkness
07. The Ectopic Stroll
08. Rapid Calm
09. Memory Palace
10. Option Oblivion
11. Life In Velvet

BTBAJB ・・・昨今のメタルシーンには→「イェンス・ボグレンと仕事してないバンドはメタルじゃない!」みたいな、「え~!?まだイェンスとヤッたことないイェンス童貞なの~?ヤダーキモ~いw」みたいな風潮あって(ネーよ)、とは言えまさかここにきて【BTBAM×Jens Bogren=BTBAJB】が実現するなんて夢にも思わなかった。元はといえば、TDEP寄りのハードコア界隈の住人だったBTBAMだが、作品を重ねる毎にDream TheaterOpethをはじめとしたプログレ・メタルの要素を積極的に取り込み、そしてフロントマントミー・ロジャースのソロ・プロジェクトが始動すると、その著しく進行していた"プログレ"路線はより顕著なものに変わっていった。そして、このタイミングでその手の界隈を牛耳る天才エンジニアイェンス・ボグレンを迎えたのは、一体何を意味するのか?勿論、ここ最近のEPを含めた作品のマンネリ感から脱却するため、というよりは、このプログレ路線の終着点というか総仕上げの舞台にイェンスを選んだ、というわけ。 



BTBADT ・・・このタイミングでイェンスを選んだ"意味"を理解する事となる#1"Node"から、Opeth『Watershed』を彷彿とさせる仄暗いハモンドの音色とスティーヴン・ウィルソンライクなトーマスの内相的なボーカル、そしてチェロの音色とともに静かに幕を開ける。後半のGソロの残響感も実にOpethだ。そして、今作の象徴するかのような#2"The Coma Machine"は、デーン!!デーン!!と目が覚めるようなオープニングからマイク・ポートノイさながらのドラミングを披露し、そのイントロの出音から今作が「どのようなアルバムか?」を聴き手はいち早く察する事になる。で、トミーソロをイメージさせるインダストリアルな#3"Dim Ignition"を挟んで、後半からユニークなボーカルからジャジーな雰囲気に繋がる展開力が見せ所の#4"Famine Wolf"、そして今作のハイライトを飾る一曲で、もはや「今作の俺たちはBetween the Buried and Dream Theater...すなわちBTBADTだ!」と言わんばかりの#5"King Redeem / Queen Serene"では、北欧ポストロックみたいなピアノとアルペジオが織りなす優雅な美メロと叙情的なボーカル・メロディを聴かせる幕開けから、DT顔負けの転調転調からの転調を繰り返しながら複雑怪奇に展開、スリリングに進行していく。

BTBAOP ・・・今回のBTBAMは、BTBADT(ビトウィーン・ザ・ベリード・アンド・童貞)化しているだけじゃあない、中盤の目玉となる#6"Turn On The Darkness"のアコースティック捌きはイェンスならではだし、ファンキーかつファニーなボーカルがウケる#7"The Ectopic Stroll"、終始スペイシーで幽玄なアンビエント的アプローチを効かせた#8"Rapid Calm"、そしてDTOPPTがクロスオーバーしたような#9"Memory Palace"までの大作コンボ、そしてそして#10"Option Oblivion"のリフ回しやアコギ捌きからも分かるように、今作はBTBADTであると同時に→Between the Buried and Opeth、すなわちBTBAOP(ビトウィーン・ザ・ベリード・アンド・おっぱい)化したアルバムでもあるのだ。

デザイナーBTBASANO ・・・単純に、音そのものがプログレ・メタル化している。そこには、カオティックなエクストリーム・ミュージックやってた頃の面影は皆無。前作まではプログレッシブ・メタルコアとジャンル付けする事ができたけど、今作にはその”コア”の部分が色々な意味で綺麗サッパリ消失している。単純に、イェンスが得意とする音の嗜好に歩み寄っているというか、イェンスの守備範囲に意図的に音のピントを合わせてきている。とにかく、意識的にジェイムス・ラブリエに似せたトミーのボイス・パフォーマンスをはじめ、ジョーダン・ルーデス直伝のパフパフ系キーボードなどの音使いやアレンジ、そして転調に次ぐ転調まで、マイク・ポートノイさながらのドラム一つ取ってみても、全てにおいてDTリスペクトな一枚となっている。ある意味、DTがイェンスと組んだ結果、そんな"もしも"といより"ありえない話"を実現させていると言っても過言じゃあないし、もはや某デザイナーに対して「アレンジとはこういうことだ」と言わんばかり、DTの音楽を隅から隅までしゃぶり尽くしている。名づけて→デザイナーBTBASANO(デザイナー・ビトウィーン・ザ・ベリード・アンド・佐野)だ。

イェンス・ボグレン×?? ・・・まぁ、それは冗談として→イェンスが一流バンドへとブチ上げた『Ghost Reveries』以降のOpethDTというプログレ・メタル界の二大巨頭を”コア”に、TexturesHakenなどの新興プログレ勢までも喰らい尽くした、もはやBTBAM(DTorOPorPTorSANO)にしか成し得ないプログレッシブな音楽、その確固たるオリジナリティを見せつけている。 少なくとも、過去最高に"メタル"やってるアルバムなのは確かで、全体的に北欧メロデスというか北欧ならではの美メロをフューチャーした、言うなれば"聴かせるBTBAM"といった感じ。そして、イェンス以前に何よりも彼らのライティング能力の衰えなさと引き出しの多さ、その音楽オタクっぷりに改めて感服すること請け合いだ。あとイェンス派閥でお馴染みのNe Obliviscarisが2ndアルバム『Citadel』ネ・BTBAM化した翌年に、本家BTBAMがコッチ側に歩み寄ってきたのはなかなか面白いなと思った。しっかし、誰も想像しなかった、BTBAMイェンス・ボグレンの引かれ合いが実現しちゃったとなると、もう誰がイェンスと組んでも驚かない、というか、もう驚けない。
 
ビトウィーン・ザ・ベリード・アンド・ミー
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Boom Boom Satellites 『Shine Like a Billion Suns』

Boom Boom Satellites

Album 『Shine Like a Billion Suns』
Shine Like a Billion Suns

Tracklist
01. Shine
02. Only Blood
03. Complicated
05. Vanishing
06. Back In Black
07. The Moth (Attracted to the Flame)
08. Blind Bird
09. Overcome
10. Stain
11. Emergence
 
BBS≒NEXT-ANATHEMA ・・・俺的ラブメイト・ランキング暫定トップのヒロミ・ヒロヒロ擁するtricotを目当てに行った、Boom Boom SatellitesのライブツアーFRONT CHAPTER Vol.4を観たことで、最新作の『Shine Like a Billion Suns』がいかに驚異的で先進的なアルバムだったのかを、心の底から理解することができた。まず何が驚いたって、ライブでもその幕開けに相応しい神秘的な存在感を放っていた、アルバムのオープニングを飾る”Shine”からして、それこそANATHEMAの10thアルバム『Distant Satellites』の表題曲、あるいは7thアルバムの『A Natural Disaster』を彷彿とさせるレディオ・ヘッド流れのUKサウンドにニヤリとさせ、まずここで「ANATHEMAの『Distant Satellites』はPost-JPOPだッ!」という俺の解釈を暗に証明してみせる。そして、先日のライブでも序盤のハイライトを飾った”A Hundred Suns”では、それこそ【テクノ×Djent】の融合という他に類を見ない前代未聞の事をやってのけ、これだけでBBSが只者じゃないバンドだという事を証明する。実際に、先日のライブで聴いても「やっぱこれDjentだわ」って思ったのだけど、あらためて音源で聴いてもDjent以外ナニモノでもない名曲で、しかもこのCynicTexturesを連想させる"ジェント・リーズム"を叩いてるのが福田洋子さんとかいう女性ドラマーってのが更に驚きで、どうせだから今回の縁を機にtricotの次のアルバムに参加してガチのDjentやって欲しいと思っちゃったんだからしょうがなくない?・・・で、続く5曲目の”Vanishing”では、スティーヴン・ウィルソン”Harmony Korine”を彷彿とさせる、空間の響きを意識した轟音的なダイナミズムを展開し、今作で最もヘヴィなリフを主体としたインダストリアル・ロックの”Back In Black”、そして”Only Blood””A Hundred Suns”とともにライブのハイライトを飾った”Blind Bird”では、それこそSWのサイドプロジェクトNo-Man等のPost-Progressive勢をはじめとした、いわゆるPost-Musicに精通する幽玄かつ繊細緻密な展開力を発揮していき、このアルバムのハイライトとしてその絶対的な存在感を誇示する。で、まるでCynicばりの恍惚感溢れる神秘的な輝きを解き放つボーカル曲の”Stain”、その流れを汲んだアルバムの終わりを迎えるに相応しい”Emergence”まで、個々の楽曲で聴かせる部分は勿論のこと、【神秘的な序盤/ハイライトを飾る中盤/恍惚と余韻を残す終盤】という起承転結を効かせた一つの作品としての完成度は、活動休止を余儀なくされた彼らが復活を遂げるまでのエモい物語とオーバードライブするかのような、その圧倒的な音(生命)エネルギーに集約されている。
 

引力、即ち音楽ッ! ・・・ロックバンドとしてのドライブ感かつタイトな側面とエレクトロ使いとしてのシャレオツなグルーヴ&ダンス・ビート感を絶妙なバランスで両立させた、実に巧妙かつポスト-センスフルなオルタナティブ・ミュージックを展開している。このアルバム、とにかく”Post-Progressive”に精通する要素が驚くほど多くて、それこそKscopeに所属してても全くおかしくない内容で、もはやANATHEMAと対バンしても違和感ないくらいだ。しかしこうなってくると、このアルバムのサウンド・コンセプトというか、音のバックグラウンドが気になって気になってしょうがない小宮山。そして何よりも、随所で垣間見せる福田洋子さんのDjent然としたドラム・ビートにド肝を抜かれること請け合いの一枚だ。つまるところ、表向きは(そのサウンド・ステージには違いはあるが)いわゆる"踊らせ系"同士の共演でありながら、裏では"Post-系"同士の共演でもあった、だからBBSのライブにtricotが呼ばれるのは必然的な出来事だったと、このアルバムを聴いたら妙に納得してしまった。そして、そのライブに日本における”Post-Progressive”界の宣教師()である僕が導かれた、というのは果たして偶然だろうか・・・?いや...引力、即ち音楽だッ!

・・・これは余談だけど、あのねごともソニー関連でこのBBSもソニーで、ANATHEMAも過去にソニー傘下のMFNに在籍していたって事を考えると、何か面白い事実が見えてくるんじゃないかって。ちなみにおいら、ねごとがここから更に化けるには、ANATHEMA”Distant Satellites”みたいな徹底してミニマル宇宙な曲が書けるかがカギになると思ってて、今のねごとにはそれが実現可能な高いポテンシャルに満ち溢れている。
 
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BiS 『WHO KiLLED IDOL?』 レビュー

BiS

Tracklist
1. primal.2
2. DiE
3. STUPiG
4. no regret
5. マグマト
6. GET YOU w/Dorothy Little Happy
7. MURA-MURA
8. MMGK
9. BiSimulation
10. ERROR
11. nasty face
12. Fly
13. Hi
14. Hide out cut
15. プライマル。

【この物語は、BiSと僕の刹那的な出会いと別れを綴ったフィクションである】

【破滅に向かって】・・・7月8日に横浜アリーナで行われるライブを最後に解散を迎える、アイドル界の最終兵器ことBiSのラストアルバム『WHO KiLLED IDOL?』が遂にリリースされた。再生すると同時に、まるで大塚愛を思わせる優美なピアノとストリングスをフューチャーしたJ-pop風の切ないバラードの”primal.2”で幕を開ける所から度肝を抜かれる。ご存知のとおり、これは前作の名盤『IDOL is DEAD』のラストを飾る名曲”primal.”の続編だが、それがまさかのバラードで驚いた。この曲のポイントは、何といってもBiSによる何かを悟ったような歌詞だろう。まず、「透明な言葉が遠くで見ていたんだ」という始まりの歌詞や「今はただ 靴擦れを連れていくだけ」という歌詞からも、あの名曲”primal.”の歌詞に対するアンサーソングとなっていて、漠然としたまま「答えのない明日追いかけていた」あの頃のBiSの問に対して、解散を目前にした”今のBiS”なりに導き出した”アイドルとはナニか”その答えであるかのような、”解散”という名の『破滅に向かって』力強い前向きな一歩を踏み出すような、それこそ宇多田ヒカル”桜流し”に匹敵するドラマティックなバラードだ。で、前作の”primal.”ANATHEMA黄金の精神で言うところの”Untouchable, Part 1”だとするなら、この”primal.2”は同作の”Untouchable, Part 2”的な立ち位置と言える。そして、sukekiyoのデビューアルバムにもゲスト参加しているグレイのHISASHIによる、まるでX”THE LAST SONG”をオマージュしたかのような泣きのGソロも粋な演出だ。そっか、これがBiSなりの”ザ・ラスト・ソング”なんだね。



【アイドル界のDIR EN GREY】・・・その涙不可避なバラードを聴いてしまうと→「あぁ、遂に解散するのか・・・」ってシミジミしてしまう。しかし、その歌詞にある→「もう止められない ゴールは見えているから 時は爽やかに残酷に過ぎてきそうだね」という激情的かつ焦燥的な歌詞が暗示するように、それ以降は「山ちゃんはやめへんで~」 みたいな”いつものノリ”で展開していくので→「こいつら本当に解散するのか?」という不思議な気持ちになってくる。で、そのシットリ系バラードから一転して、ナニかに吹っ切れたように刹那的かつ激情的なエモーションをまき散らす#2”DiE”で、破滅に向かって勢いよくスタートダッシュを決める。小中学生の頃にナニを覚えて初めてイッた瞬間の激情を表したのがデッヘボン『サンベイザー』だとするなら、BiSリーダーのプー・ルイが処女喪失した瞬間の刹那的なエモーションを表したのがこのDiEで、いま思えば自分がBiSにハマる大きなキッカケがこの曲だった。その流れから、現在絶賛スマッシュヒット中のBABYMETALギミチョコ!!でお馴染みの上田剛士氏から楽曲提供されたサイバー・パンクの#3STUPiGへと続いていく。この曲のMVではいわゆる【アイドル界のDIR EN GREY】というのを証明してみせた。

BiS EN GREY

【新録曲】
・・・今作には新録曲が7曲収録されている。その新曲の#4”no regret”は、「しーんじゃった かなしいな しーんじゃった かなしいな」というメンヘラチックな歌詞やノイズ・パンク風の曲調まで、全てが神聖かまってちゃんリスペクトな曲で、これを書いたのが前作の”CHELSEA”を手がけた真田巧氏と知って少し驚いた。お次の#5”マグマト”は、クラップのリズムを交えながらカナダのThe Birthday Massacreを彷彿とさせるピコピコキラキラしたエレクトロ・ポップ/インダストリアルな”kawaii”音使いをもってサイケ&ファンキーに展開するメルヘンチックなディスコチューンで、それこそタイトルどおりUSのMGMTをオマージュしたような名曲だ(個人的に新録で一番好き)。そして盟友のDorothy Little Happyとコラボした#6”GET YOU””DiE”のカップリングに収録されたスカパラBiSオーケストラの#7”MURA-MURA”、シンセ全開でノッリノリに展開する青春ロックチューンの#8”MMGK”、そして今作で唯一ユフ,ミチバヤシ,ワッキーすなわち黄金期BiSが堪能できるシングルの#9”BiSimulation”で中盤のハイライトを締めくくる。

【BiS>>>BABYMETAL】・・・後半戦の幕開けを飾る#10”ERROR”では、いわゆる【アイドル界のDIR EN GREY】ことBABYMETALに負けじと、この曲でBiS【アイドル×ダブステップ×ヘヴィ・ミュージック】をやってのける。こうやって最期の最期まで”アイドル楽曲派”をブヒらせるサウンドPの姿勢は高評価。ところで、BABYMETALも1stBABYMETAL”悪夢の輪舞曲”【IDOL×Djent=IDjentOL】やってたが、実はBiSのが先に前作の”ASH”でさり気なくDjentやってたのは内緒テヘペロ。しっかし、そのベビメタと比べると如何せん音が悪すぎるなぁ。そして前作の”I wish i was SpecIaL”を彷彿とさせる#11”nasty face”は、ブラッケンド・ハードコア・パンク風のDビートで疾走する曲調と、”何やっても上手くいかない、全てを投げ出したくなるような八方塞がりで切羽詰まった状況”・・・そんなリーダープー・ルイのセキララなキモチを謳った焦燥的な歌詞との相性が絶妙な良曲で、リーダーとしてのプー・ルイのリアルな心情を綴った情緒不安定な歌詞を、思いのほか軽いノリというか随分と投げやりなテンションでやっちゃう妙なギャップがメンヘラっぽくてポイント高い。この曲はカミヤサキちゃんがいい味出してる。その流れで、ミチバヤシ卒業ソングの”Fly”からカップリングの”Hi”、そしてBiSは解散という名の破滅に向かって・・・

【ex BiS are テラシマユフ、ミチバヤシリオ、ワキサカユリカ】・・・自分がBiSにハマるキッカケが”DiE”なら、初めてBiSの存在を知ったのがこの#14”Hide out cut”だった。そもそも、黄金期BiSってユフワッキーミチバヤシのエモい存在があったからこそだと思うんだけど、この”Hide out cut”はワイの推しメンワッキーの卒業ソングという事もあって(結果的にユフも)、ユフのアイドル界屈指の激エモボイスとワッキーの天使のように純粋無垢な歌声を中心に、時おり顔を覗かせるミチバヤシのキモーショナルな歌声が織りなす刹那いエモーションを蓄えながら、そしてサビのプー・ルイへとバトンという名のemotionを託す、言うなれば”黄金のタスキリレー”が成立した結果の名曲だった。だから、この曲は黄金期BiSの中でも一二を争うくらい好きな曲だ。しかし、今作に収録された”Hide out cut”を聴いたら面食らった。そこには黄金期BiSの象徴だったユフ,ワッキー,ミチバヤシの姿はなく、末期BiSすなわち今のBiSメンで新録されていたんだ。正直これには「えっ!?」ってなったけど、実質アルバムのラストを飾る曲として、黄金期BiSを象徴するこの曲を”今のBiS”で塗り替えることに大きな意義があり、黄金期BiSというアイドルすなわち偶像を”今のBiS”の力で乗り越えるという強い意志を感じた。その黄金期BiSという名の超えられない壁を歯食いしばって血反吐吐き散らしながら、勝ち目のない事を頭で理解していながらも、その偶像に立ち向かっていくファッキンエモーショナルな姿勢に僕は涙し、それこそBiSの生き様および信念というのを最期の最期に見せつけられた気がした。そしてBiSが歩んできた軌跡をなぞるように、”primal.”に始まって”プライマル”に終わる。これで思い残すことなく解散できる。笑って泣いて大円団だ!

【ごった煮アルバム】・・・あらゆる要素が重なった結果、必然的な名盤となった『IDOL is DEAD』と比較してどうこう言うのはもはやナンセンスだろう。前作はあくまでもキャッチーなメロコアをベースに、バラードやメタルコア/ハードコア、ジェントやシューゲイザーなどを織り交ぜながら、アイドルらしい青臭い初々しさや生々しいリアルな刹那さを至ってシンプルにクロスオーバーさせた、一切隙のない捨て曲なしの名盤だった。しかし、これは時代の流れなのかは定かではないが、今作の『WHO KiLLED IDOL?』では今風のインダストリアル/エレクトロな電子音を積極的に取り入れた、ダイナミックなリズム重視のサウンド、そんな印象を受けた。これは”primal.2”の歌詞にもあるように、前作がメンバー同士の衝突によって必然的に生まれた”エモ”ならば、今作は作為的に作られた”エモ”、みたいな。メンバー的な意味でも音的な意味でも統一感のまるでないアルバムだし、冗長感は否定できないけど、前作のようにアルバム全体で聴かせるコンセプトではなくて、どちらかと言えば曲単位で聴かせるコンセプト意識が強いです。当然、前作の”nerve”みたいなBiSのアンセム的な曲こそないが(唯一#5がそれっぽい)、著名な作曲陣やゲストを迎えてバラードありカバーありBiSらしいエモチューンありキチガイパンクやメタルおよびブラッケンド・ハードコアまで、非常にバラエティ豊かなごった煮アルバムとなっていて、前作のようなANATHEMA”Untouchable, Part 1”に直結した、超絶epicッ!!かつリアルなエモさを求める人には物足りなさがあるかもしれないが、少なくとも”楽曲派”をブヒらせるだけの良曲は最低限揃ってます。

【WHO KiLLED IDOL?】・・・今や【いま最も勢いのあるアイドル】となったBABYMETALBiS...どこで差がついた?慢心、環境の違い?それともプロデューサーの違い?今となっては、もう遅いなでも。これも”primal.2”の【成功と失敗は隣り合わせで 満ち足りた思いに届かない】という歌詞のように、その届かなかったBiSの夢と想いを同士であるBABUMETALに託して、このBiSという名の【アイドル界のDIR EN GREY】は儚く散り、美しい最期を遂げる。というわけで、この失敗の全責任を取ってマネージャーの渡辺、火あぶり!w ・・・というのは冗談で→来たる7月8日という破滅に向かって、5月からラストツアーを予定しているBiSだが、その最期のラストライブで”ザ・ラスト・ソング”こと”primal.2”の時に、ユフが登場してプー・ルイと抱き合ってX『THE LAST LIVE〜最後の夜〜』を完全再現してほしい。したらアイドル界のレジェンドになれるわ。是非とも同士のBABYMETAL”伝説的な解散”を伝授してあげてほしい。頼むわユフ!

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