Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

レビュー (B)

BAND-MAID 『YOLO』

Artist BAND-MAID
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Single 『YOLO』
YOLO

Tracklist

01. YOLO
02. Unfair game
03. matchless GUM
04. YOLO(instrumental)

昨今、大いに盛り上がりを見せる「ガールズバンド戦国時代」に単騎で殴り込みをかけるような、BAND-MAIDのメジャー1stフルアルバムJust Bring Itを聴いたら猛烈に蹴られたくなって、そこからインディ時代に遡って過去の作品を耳にしたらもっと踏まれたくなりつつも、あらめて強く感じたのは心境の「変化」とバンドの「成長」で、新譜の中で特にその「成長」を感じさせた曲が、この「ヨロ」ことシングルの「YOLO」だ。 



これまでのバンメを象徴する、あるいはバンメの代表曲とされている"Thrill(スリル)""REAL EXISTENCE"、そして"the non-fiction days"のような「アグレッシブ」で「速い」、その手の衝動的な勢いに身を任せた曲調のイメージが強くあったが、しかしメジャー1stシングルとなるこの「YOLO」は、その「アグレッシブ」で「速い」そのイメージから一転して、BPMを低指数に抑えたテンポで、ドッシリと腰を据えた極めてタイトなリズムで展開する曲だ。まず、このテンポの曲をメジャー初の1stシングルとして持ってくるその度胸というか、その根拠のない自信からも精神的な「成長」を感じさせる。しかし、この玄人向けのシブいテンポの中でもバンメンバーの強い自己主張が音に現れていて、中でもMISAの鬼テクいベースラインと歌波のトリッキーなギター・フレーズを中心に、の的確なキック力と当て振り鳩女による究極の当て振り芸が、教科書通りのベッタベタなコード進行を辿りながら、サビに向かってジックリと盛り上げながら音のギアを徐々に上げていき、そして明日の希望を切り拓くために戦う意志を謳った、その「強い女」を演じきる歌詞と同調するように女帝バラライカの如しパワフルな歌声で力強く歌い上げる彩姫さんのボーカルが一つになった、これまでの秋葉系オタク向けの臭さを極力排除し、モダンに洗練されたイマドキのメジャー感溢れる大衆性を意識しつつも、しっかりとバンメンバーの濃ゆい個性が音に現れた曲で、バンメは堂々のメジャー宣言を果たす。

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個人的に、バンメってわりと歌詞が致命的なウィークポイントだと思うのだけど、この曲に限っては前向きな歌詞と曲調が上手くリンクしていて、この曲のポイントとなる歌詞と同調してギアチェンする終盤の曲構成もドッシリと構えた大人の余裕すら感じさせる。特に「一度きり そう seize the day」からの展開は、全て吹っ切れたような歌詞と曲調がクロスオーバーする瞬間のピークで、彩姫さんも意識的にタガを外して歌っているし、MVの緊張の糸がほぐれて一瞬笑顔になる彩姫さんの表情面での演出も大きな見どころだ。そのギアチェンした終盤の「アートになんか興味はぬわぁい 永遠なんて I don't seek」の所をナントカ弁みたいに、それこそ吉幾三っぽく歌うと面白いので、是非皆さんもカラオケで歌ってみてくださいね。

アートにぬわぁんか興味はぬぇ!   
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この目に見えて低予算で仕上げたMVの彩姫さんは、ぼく下僕的オキニカットシーン満載の”the non-fiction days”と比べると、あまり良いカットシーンがなくて、一つだけ挙げるとすれば終盤のワンカットです。まぁ、それは置いといて、彩姫さんの歌声に関することで少し気になることがあって、もしかして彩姫さんの声って「ハスキーボイス」と思われてるのか?ということ。おいら、いわゆる「ハスキーボイス」ってボーカリストにとって諸刃の剣だと思ってて、それこそ彩姫さんのように通常の低音ボイスで歌っていて、その最中に要所で「ハスキーボイス」的な側面が現れることには何ら不満もないし、むしろボーカリストとしてパフォーマンスの幅と個性が広がって良いこと尽くめだ。しかし、通常の歌声から「ハスキーボイス」と認識されている、もしくはその可能性があるとなると話は変わってくる。僕が一番危惧しているのは、このバンメが「ハスキーボイスのバンド」みたいなレッテルを貼られることで、それだけは絶対に阻止しなければならない。例えば、「楽器を持たないパンクバンド」ことBiSHアイナ・ジ・エンドは自他清掃員ともに「ハスキーボイス」として認知されている。しかし、アイナ「ハスキーボイス」は実質ツインボーカルの片割れとなるセントチヒロ・チッチの存在があって初めて活きる特性でもある。一方でバンメの彩姫さんの場合は、初期の頃こそギタボ(弾くとは言ってない)の当て振り鳩女とのツインボーカルを武器にしていたが、新譜の『Just Bring It』では彩姫さんのボーカリストとしての「成長」、その影響によりツインボーカルの存在感が薄れ、半ばこれからのバンメは彩姫さんのボーカル一本でやっていく宣言に伴い、それを前提に作曲していた節もあるほどだ。一方で、元ツインボーカルの片割れである当て振り鳩女のガス抜き、もといエサ付けとして”TIME”のようなソロ曲を与えており、それは実質彩姫さんの休憩TIMEでもある。いや下僕のくせに何様だよって自分でも思うけど、これでも超絶下から目線で言ってるつもりで、今の彩姫さんがどんな考え方でどんなボーカリストを目指しているのかなんて知る由もないけど、とにかく今の彩姫さんには「ハスキーボイスはニッチ」であるという最低限の自覚が欲しい。

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おいら、「いいバンド」や「いいアイドル」って何だ!?そう考える上で一つ指標にしていることがあって、それは漫画『スラムダンク』の湘北メンバー とそのバンドやアイドルグループと照らし合わせてみて、どれだけそのキャラクター性やビジュアルがフィットするか、どれだけ「シックリ」くるかで判断している。その名作漫画『スラムダンク』と同じように、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』荒木飛呂彦先生も、まず先にキャラクターの身辺調査書を書いて、物語のストーリーよりもまず一番にその「キャラクター性」を重視して、そして流動的に話を展開させていく漫画家だ。では早速、『スラムダンク』の湘北メンバーとBAND-MAIDのメンバーを照らし合わせてみると、どうだろう、思いの外シックリくるじゃあないか。

まずはバンドのフロントマンである彩姫さんはエースの流川ポジ、大酒飲みの不良だがそのベースの技術と3Pシュートのテクニックは天性の腕を持つMISA三井ポジ、小柄ながらもその的確なパス回しとキック力でバンド全体を見渡すように分析する戦略家でもあるドラムの宮城ポジ、その作曲センスおよびキャプテンシーと『北斗の拳イチゴ味』に最も近いゴリラ的なパフォーマンスが得意の歌波赤木ポジ、そしてバンドの広報であると同時に「湘北の不安要素」でもあるバスケ(ギター)初心者の小鳩ミクが主人公の桜木花道ポジだ。正直、自分でもここまで「シックリ」くるとは思わなかったというか、これだけでバンメンバーのキャラクター性の濃さが十二分に伺える。つまり、序盤の『スラムダンク』桜木花道と同じように、今のバンメの足を一番引っ張ってるのって他ならぬ当て振り鳩女こと小鳩ミク大佐だと思うのだけど、逆に言えば主人公の桜木花道「成長物語」だった『スラムダンク』のように、BAND-MAID「不安要素」であり「不確定要素」でもある小鳩ミクが周りのバンメンバーに触発されてナニが「成長」していく事によって、つまりバンドの『未来』すなわち『物語』を変えていくのは全て小鳩ミク次第と言える。当然、『スラムダンク』が面白のは桜木花道とかいう「不安要素」の存在があったから、そして主人公の桜木が「成長」して未来を切り拓いていく「意志」と「勇気」に多くの人が共感したからであって、そういった意味では(主人公とは言いたかないが)小鳩ミクがバンド的にも漫画的にも一番「おいしい」ポジションにいるのは間違いないです。正直、彩姫さんの下僕的には当て振り鳩女の事なんかどーでもいいんだが、とは言え当て振り鳩女がバンドの桜木花道だと解釈すると、その「不確定要素」がバンドというチームの志気に影響し、最終的には彩姫さんのボーカル面にも関わってくるので、こうやって適度に当て振り鳩女を持ち上げることは、下僕としてとても大事な役割なのです。

そんな小鳩ミクのインタビューが記載された週刊誌の記事を見れば、彼女がただの当て振り鳩女ではなく、いかに「したたかな女」で、いかにクレバーでスマートな女なのかが理解できるだろう。BABYMETALさんの事は全く意識してないっぽーとか言ってすっとぼけても、ちゃっかりベビメタの名前を出して【BAND-MAID vs. BABYMETAL】の対立構造を煽って、そして案の定ネットニュースやベビメタ系のまとめサイトやらに拾われて、ことの話題が徐々に大きくなっていってるのを見れば、嫌でも小鳩ミクが相当に「クレバーな女」だと分かるはずだ。おいら、「頭の悪い女」よりも「育ちの悪そうな感じの女」「頭のいい女」の方が魅力的に感じる人間なんで、こうやって色んな人が当て振り鳩女の掌の上で踊らされてるのを見ると、どうしても「面白い」とゲラゲラ笑ってしまう。「頭のいい女」って、要するに「女から嫌われる女」なんですね。だから、よい子の皆んなはこんな「頭のいい女」当て振り鳩女とか言って煽っちゃあダメですw

そういった小鳩ミク「セルフプロデュース」を交えた、一種のマンガ的な「キャラクター性」も含めて、このBAND-MAIDは大げさじゃなしに「いま最も面白いバンド」なのかもしれない。それこそ、僕のように彩姫さんの下僕に徹するのも良し、『北斗の拳イチゴ味』に最も近い歌波でウホるのも良し、MISAのリズム隊を推して玄人気取るのも良し、それにも飽きたなら小鳩ミク「当て振り鳩女」と煽って楽しむのもリスナーの自由だ。つうか、小鳩ミク『スラムダンク』読んだことないとしたら、今すぐに読んで勉強すべきだ。なんなら俺が完全版で全巻貸してやるよ。

これまでは外注曲の力を借りてやってきたBAND-MAIDは、このメジャー1stシングルの『YOLO』以降、メインコンポーザーの歌波を中心に(←ここ大事)バンメンバー自身で曲をハンドメイドするようになった。イントロからダークな世界観を演出する、目まぐるしいリフ回しとガツンとパンチのあるサビが印象的な2曲目の”Unfair game”、三代目リスペクトな歌詞が印象的な3曲目の”matchless GUM”も自身でハンドメイドした楽曲だが、確かにフルアルバムアルバムのJust Bring Itには入らないレベルの曲かもしれないが、前者はバンドのテクニカルな技術的な側面が強く垣間見れるし、後者は歌波ハーマン・リ顔負けの超絶Gソロと彩姫さんの表現豊かでポップなボーカルが楽しめる。そして最後に”YOLO”のインスト版を聴けば、楽器隊の確かな演奏技術、その実力を知ることができる。
 
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BAND-MAID
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BAND-MAID 『New Beginning』

Artist BAND-MAID
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mini album 『New Beginning』
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Tracklist
02. FREEZER
04. Price of Pride
05. Arcadia Girl
06. Don't Apply The Brake
07. Beauty and the Beast
09. Shake That



この曲が海外ウェブラジオ局に注目され、そのメイド姿を世界に知らしめる事となった"Thrill(スリル)"は、ここまで来たらもはやオマージュと言うよりコピーってくらい、80年代のHR/HMリスペクトなリフ主体に展開する曲で、おいら、この曲のイントロの入り方とモダンなリフのグルーヴ感に猛烈なデジャブを感じたというか、「この感じ、つい最近聴いたことあるな」とずっと頭の中で記憶を巡らせ、その答えがもう喉まで出かかってるのに思い出せない、いわゆる音楽を聴いてる時の"あるある"とイライラが遂に有頂天に達したその時...「あぁっ!」

「これAcid Black Cherryの"Greed Greed Greed"じゃん!」

  ぼく下僕
new_13「まさかこのメイドの中にABC好きがいるって言うのか?それは一体誰なんだ・・・?」

(・・・彩姫さんだ)

  ぼく下僕
new_zyousyu「もし彩姫さんだとしたら、彼女の「育ちの悪そうな感じ」の条件が全て出揃う…満貫だ」

   ???
new_1463392639149「くるっぽ~」

  ぼく下僕
new_e453d42c9418f68a07880e1431f0「頼む彩姫さん、TEAM-ABCであってくれ・・・ッ!」 

  ???
new_9233183006a9567e00eef5e3dd75fe4b「ABC好きぽっぽ~」

  ぼく下僕
new_zyousyu「そうだ、彩姫さんの好きなバンドは...っと(検索)」

[Alexandros]

  ぼく下僕
new_UJ「holy...」

  ???
new_スクリーンショット-2016-10-29-2「やちゅりん好きっぽ~」

  ぼく下僕
new_20131031220005「うるせぇ!当て振り鳩女ぁ!」

当て振り鳩女
new_スクリーンショット-2016-10-29-2aa「くるっぽー!(怒)」

  ぼく下僕
ssddddd「当て振り鳩女はマーティ・フリードマンにギター教えてもらえよ」

当て振り鳩女
new_1185d5f37ad39856e06d83f61342bb8f「くるぽっぽー!(怒)くるぽっぽー!(怒)くるぽっぽー!(怒)」

  ぼく下僕
new_20131031220005「くるぽっぽーー!くるぽっぽーー!くるぽっぽーー!」

勿論、この手のHR/HMの基本に忠実的なリフなんて腐るほどあるってのは百も承知なんだが、この偶然にしては面白い一致に面白さを見い出しつつ、そんな事よりも「当て振り鳩女」っていう愛称を思いついちゃって、それがやけにツボに入ったからネタにしてみました。だから、BAND-MAIDのメンバーがABC好きかなんていうのは僕の創作なんで気にしないでください。でも、BAND-MAID"Don't you tell ME"ABC"ピストル"のMVの撮影場所の結婚式場が同じってのはガチです。だからワンチャン。つうか、このアマチュア臭さ満載のMVの彩姫さん、まだ高域が低域に支配されていない歌声やマイクの持ち方やチャームポイントの八重歯も相まって完全に鈴木愛理にしか見えない件。これ愛理じゃん。

その幕開けを飾るスリルに象徴されるように、この『New Beginning』は最新作のメジャー1stフルアルバムJust Bring Itのモダンなイメージとは更にかけ離れたモノとなっている。次作のミニ・アルバムBrand New MAID以上に伝統的なハードロックの醍醐味が詰まった、そしてメジャー以降のバンメにはない、インディらしい粗暴さや初期の衝動的な部分がありのまま凝縮された作品でもある。確かに、まだまだバンメンバーのスキル的な部分は荒削りというかアマチュアのガールズバンドって感じは否めないけど、ギターリフのカッコよさや音作りだけはガチでハードロックやってる感が伝わってくるし、これは本当にインディ時代ならではの作品と言える。そう考えると、ここまで伝統的なハードロックやってたやつらが1stフルであっこまでモダンな音鳴らすなんて想像もできないし、そのモダンなセンスは一体どこからやって来たのか?俄然謎が謎を呼ぶというか、とりあえず歌波スゲーって言っとけばいい風潮ある。あらためて、このバンドの内部に秘められた謎のポテンシャルには驚かされるばかりだ。


そのスリル満点の幕開けから「だだの当て振りメイドじゃない」ことを周知させ、当て振り鳩女彩姫さんのツインボーカル特有の掛け合いが聴きどころのボーカルとデレデレデレデレデレと身体にまとわり付くようなグランジ的なリフが襲いかかる#2
FREEZER、その”スリル”と対をなすバンメを代表する一曲でアルバムのリードトラックでもある#3REAL EXISTENCEは、それこそ初期衝動的なエモーションがセンセーショナルに爆発する名曲で、特に間奏部のスラッシュ・メタルっぽくなる所は、まるでメタリカのジェイムズ・ヘットフィールドとカーク・ハメットの色々な意味で”スリル”のあるソロバトルさながらだ。一転してイントロからトレモロリフでド肝を抜いていく#4Price of Prideは、ツインボーカルを駆使しながらファンキーなノリで展開する曲で、それこそZONEやちょっとその辺のアイドルがバンド組んでみました的なキャッチーなガールズ・ロックだ。その俄然ZONEっぽいガールズロックの流れを汲んだ曲で、打ち込みっぽいアレンジを効かせた#5Arcadia Girltricotばりにキャッチーにノレるカッティング主体の#6Don't Apply The Brakeまでは、いわゆる典型的なガールズロックと聞かれてイメージするようなソッチ系の曲が続き、なんだろう「あっ、こいつらガールズバンドだったんだ」って今更気付かされる。当て振り鳩女メインの#7Beauty and the Beastはそのタイトルどおり、メロコア風の青春パンク的かつコミックバンド的な疾走感溢れる前半から、一転してゴッリゴリの極悪ハードコア・パンク/スラッシュ・メタルみたいになる後半、この急転直下型の展開はバンメのウリでありコンセプトでもあるギャップ萌えの原点を意味している。

このミニ・アルバム
New Beginningは、ハモリとコーラスを駆使したツインボーカルならではの掛け合いや特性を最大限まで活かしたキャッチーなボーカル・パートをはじめ、ピュアメタラーならガッツポーズ不可避の80年代スラッシュ・メタルをルーツとするギターリフや生々しいオーガニックな音作り、そしてファンキーでファニーでパンキーなノリではっちゃける、いい意味でアマチュアのJKガールズバンドばりにポップで可愛いアレンジが絶妙なバランスで融け合った、いい意味で脳みそ空っぽにして若気の至りを言い訳して全力で本能に従った結果の傑作だ。全曲外注曲だけあって、これ以降のメジャー作品よりも本作のが至高と言う人が少なくないのも納得できるくらいの完成度だ。トレモロ・リフをはじめ、ボリボリのハードロックリフや往年のスラッシュ・メタルみたいなキザミもあって、少なくともピュア玄人はバンメのディスコグラフィの中で「最もカッコいいリフ」が詰まった本作をファイバリットに挙げるだろう。


このアルバムは、全編に渡ってバンメ史上最も彩姫さんと当て振り鳩女のツインボーカルが冴え渡っているが、ここでも1stフルアルバムのJust Bring Itで持ち味のツインボーカルの要素が希薄になったのは、彩姫さんの歌一本でいけるくらいボーカル面の著しい成長があったからだと再確認した。実際、『Just Bring It』So, What?とか”YOLO”とかこのミニ・アルバム時の彩姫さんの歌唱力では絶対に歌いこなせない。それくらい、もはや当て振り鳩女と声の区別がつかないくらい様々な面で彩姫さんが初々しい。正直、これじゃあ淫語で罵倒されながら踏まれたいとも思わなしいし、蹴られたいとも思わないし、ましてや顔騎されたいなんて微塵も思わない。つうか、誰だ「それただ酒焼けしただけじゃん」って言ったやつ!出てこんかい!それは言うな!


それでは、このミニ・アルバムではZONEみたいなガールズロックやってた可愛いメイドさん達が、なぜ新譜のJust Bring Itで言わば『北斗の拳イチゴ味』みたいな鬼ごっついバンド-メイドに化けたのか?ここで僕は、そのインディ®時代からメジャーに行くまでの間に起こったバンメンバーの心境の変化に注目した。事実、このミニ・アルバムの後にDon't you tell MEを再生すると違和感がハンパない。もはや別バンドと言っていいくらいだ。バンメのコンセプトであるかわいいメイド服とハードでロックな楽曲というギャップが楽しめるツインボーカルバンドという当初の考えから一旦離れて、今後メジャーに行くにあたってバンメがこれからより良い方向へと向かうような考え方にシフトしていったのを実感する。特に彩姫さんの歌唱面を筆頭に、バンメンバー個々のスキルアップに伴うバンドとしての『成長』を積み重ねていく中で、また自身で曲をハンドメイドするようになって、それらの『バンド(メンバー)の変化』に伴う『心境の変化』が形となって、それが曲となり、一つのアルバムとなって、そして最終的にその『心境の変化』が具現化したのがJust Bring Itなのだ。だから、僕みたく新譜の『Just Bring It』から入って、そこから過去作に遡ってバンメを聴き始めた人は、その®時代からの『考え方の変化』『心境の変化』を考慮しながら聴くことでより蹴られたくなる、もとい踏まれたくなる、もといよりメイドさん達の「ココロのトビラ」を両手でこじ開け、それを覗き見るような感覚で楽しむことができるんじゃあないかって。つうか、誰やねん、当て振り鳩女が保坂えりに似てるって言った奴(僕です)、めちゃくちゃソックリやんけ!

New Beginning
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BAND-MAID 『Brand New MAID』

Artist BAND-MAID
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mini album 『Brand New MAID』
cover

Tracklist

01. the non-fiction days
02. LOOK AT ME
03. ORDER
04. Brand-New Road
05. YURAGU
06. FREEDOM
08. alone
 
「ガチャ歯界の女帝」であり「いま最も顔騎されたボーカリスト」こと彩姫さん擁するBAND-MAIDの1stフルアルバムJust Bring Itは、それこそ「ポスト-ベビメタ」の名に相応しい、いやベビメタとは全く違う角度からHR/HMをブチかます傑作だった。これは他のバンドも例外ではないが、この手のバンドってフルアルバムを出す前の作品の方が実は評価されてるというか、インディ時代のほうがコアでマニアックな音楽やってるパティーンが定説としてあって、それじゃあバンメはどうなのよっつー話で、そんなわけで2016年に発表されたメジャー・デビュー作となるミニ・アルバム『Brand New MAID』を早速聴いてみた。
 


まずはバンメの代表曲となる#1”the non-fiction days”から、1stアルバムのJust Bring Itの系譜にあるモダンナイズされたグリグリしたバンド・サウンドとアニソンタイアップ取れそうなキャッチーさが融合した疾走感溢れるキラーチューンで、それこそ自らのメジャーデビューを祝うかのような強烈な幕開けを飾る。特に、このMVのタイトル出しのシーンとかは、『Just Bring It』"ヨロ""Don't you tell ME"にはない格好良さがあります。個人的に終盤の「全て捨て去ったあとに残ってたのは~」の声が好き。

次作Just Bring Itの伏線とも呼べるモダンなオープニングから一転して、SHOW-YAリスペクトソングの"So, What?"の作曲者でもある後藤康二氏が担当した#2"LOOK AT ME"を皮切りに、いわゆるプログレにも通じる70年代のクラシック・ロック的なアプローチを効かせた往年のハードロック的な曲調を中心に展開し、途中でミク大佐彩姫さんのツインボーカルが冴え渡るガールズロック然とした#5"YURAGU"を挟んで緩急を織り交ぜながら、そして今作の中では特に異質な存在感を放つ#6"FREEDOM"は、やけにムード歌謡的なクサメロを内包した、それこそBiSHアイナ・ジ・エンドが歌ってても違和感ないエモい曲だと思ってクレジットを見たら、なんとBiS界隈のサウンドPでお馴染みの松隈さん率いるSCRAMBLESが楽曲提供してて驚いたというか、この時点で既にBiS界隈とBAND-MAIDの接触があったと考えたら話は早い。マジで鬼バンド体制のBiSHとバンメの対バンあると思うよ。とにかく、この曲の彩姫さんの低域マシマシのオラついた歌声は、次作の『Just Bring It』により近い雰囲気がある。



こうやって聴いてみると、次作のJust Bring Itと比べると大きな『変化』と『成長』が垣間見れる。『Just Bring It』では半数以上の曲を自分自身でハンドメイドしていたが、このミニアルバムは基本的にほぼ全曲が外部ライターによる提供曲で、要所で『Just Bring It』寄りのモダニズムを垣間見せつつも、アルバムの全体像としては前作『New Beginning』の王道的な80年代ハードロック路線を踏襲した作風と言える。つまり、次作の『Just Bring It』はDjentやモダン・ヘヴィネス界隈が好きな人にもイケるけど、このBAND-MAIDをハードロックあるいはクラシック・ロックバンドして見た時に、その楽曲の質やアルバムの完成度はこの 『Brand New MAID』の方が良いです。逆に、まだ青臭さの残るこのミニ・アルバムから約半年で発表した『Just Bring It』で、一気に垢抜けたというか俄然メジャーっぽくなった感はそのモダンなサウンドから嫌でも伝わってくるし、つまり自らがハンドメイドした『Just Bring It』 大半の楽曲がモダン化していたのは、バンメンバー自体がイマドキのガールだからだろうと解釈できる。その「モダン」に対する意識がバンメンバーの中で最も強いのって、やっぱりリードギターでありメインコンポーザーである歌波だと想像し、その答えに行き着くのは至って容易なことだった。だって歌波、メシュガーとか普通にコピーそうだし。実際、後半の"Before Yesterday"と今作で唯一自身でハンドメイドした"alone"では好き勝手弾きまくってて笑う。あぁ〜歌波ちゃん本当にメタル好きなンすねぇ〜(恍惚)

私はむしろ逆で、歌波のギターテクよりも彩姫さんのガチャ歯、私はむしろ彩姫さんのガチャ歯に「育ちの悪そうな感じ」の要素を兼ね備えた彼女の存在感、その全てを象徴する猛烈なシンボルパワーを感じていて、要するに私は彩姫さんに淫語で罵声を浴びせられながら蹴られたい、もしくは「このクソ童貞が」と蔑んだ目で踏みつけられたい、それがダメなら顔騎で我慢します。ところで、なぜ僕がここまで彩姫さんに惹かれた最大の理由ってなんだろう?と冷静に考えてみた。それは彩姫さんの2月生まれ特有の「育ちの悪そうな感じ」、そこに同じ2月生まれとして猛烈な魅力を感じ取ったんだ。だから俺たちは決して「ご主人様」なんて大層な人間じゃあない、俺たちは童貞メタラーは全員彩姫さんの下僕だッ!つうか、もう2月なのに彩姫さんの生誕祭がないとかマジ!?

正直、次作のJust Bring Itではバンメの武器であるツインボーカルがあまり活かされてなかったのも事実。けど、このミニ・アルバムではちゃんとツインボーカルの要素をバンドの一つの持ち味として活かされている。次作でその持ち味が影を潜めたのは、もちろん曲調的な部分もあるけど、1番の理由としてはやはり彩姫さんの歌唱力の向上や英語の発音力がグンバツにアップしたからだと思う。今作の彩姫さんの歌はお世辞にも上手いとは言えないし、まだまだアマチュア感覚が抜け切れていないというか、他の女性ボーカリストと差別化が図れていないし、単純にまだまだボーカリストとして発展途上な印象。バンドの演奏力に対して歌のスキルが追いつけていない感じ。恐らく、このミニ・アルバムから『Just Bring It』までの約半年で変化と成長が一番顕著に現れているところって、他ならぬ彩姫さんの歌唱力的な部分は元より「個性」の部分だと思ってて、彼女の着実な成長と努力を垣間見る事ができる。あらためて、約半年間でここまで伸びる彼女の成長スピードとボーカリストとしてのポテンシャルは計り知れないモノがあると再確認させられた。

確かに、次作に行きたいのに前作に後ろ髪を引かれてる統一感のない中途半端な作品と言われたら否定できないかもしれないが、新作のJust Bring Itが出た時に以前までのキャッチーさが失われたと言われるのも頷けるくらいキャッチーな内容。相変わらずアルバム後半になるに連れて面白さが増していく構成はバンメの強みだ。当然、どちらかが良い悪いの話ではなくて、この違いはインディとメジャーの違いとも言える(なお、これはメジャー作品の模様)。
 
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BAND-MAID 『Just Bring It』

Artist BAND-MAID
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Album 『Just Bring It』
cover

Tracklist
01. Don't you tell ME
02. Puzzle
03. モラトリアム
04. YOLO
05. CROSS
06. OOPARTS
07. Take me higher!
08. So,What?
09. TIME
10. you.
11. Awkward
12. decided by myself
13. secret My lips

「ベビメタの次はこいつらだ!」・・・と巷で話題を呼んでいる「いま最も蹴られたいメイドさん」こと、BAND-MAIDの1stフルアルバム『Just Bring It』を聴いてみたら、なぜここまでこのメイドさん達が世界中で「キテる!」と叫ばれ続けているのかが理解できた。この可愛らしいメイド姿からはまるで想像できない、想像以上にゴリゴリのオラオラのン゛ヘヴィで骨太なハードロックやってるこのギャップに、世のおじ様たちはブヒってナニをビンビンにさせちゃってるわけだぁ~、なるほどねと。しかし当ブログの読者が求めるのは【BABYMETAL vs. BAND-MAID】の構図だと分かりきっているので、アーティスト順に並べても仲のいいこの二組を様々な比較から、双方の違いや魅力、そして密かな共通点を適度な対立煽りを効かせながら紐解いていこうと思う。

BABYMETALが音楽シーンに突如として現れた時、世界中で「ベビメタはメタルorメタルじゃない論争」が巻き起こったのは今は昔の話で、その数多く存在する争点の例としては、「ただのアイドルだからメタルじゃない」とか「自分たちで演奏してないからメタルじゃない」とか「自分たちで作曲してないからメタルじゃない」とか「本人たちがメタルに興味ないからクソ」だとか「KOBAMETALとかいう現代のMASAYAに操られてるだけ」とか、様々な手厳しい意見が飛び交ったが、そんな批判は物ともせず今やベビメタは東京ドーム2デイズを成功させるまでの人気アイドル(アーティスト)にまで成り上がった。では一方のBAND-MAIDはどうだろう?本作のクレジットを見れば分かるように、全13曲中9曲が作詞作曲演奏からアレンジまでバンドメンバーの手でハンドメイドされた楽曲で、残りの4曲は外部ライター曲というアルバム構成となっている。つまり、自らの手で曲をハンドメイドできるBAND-MAIDと、プロデューサーのKOBAMETALを中心とした裏方による曲提供が主なベビメタとでは、先程の「ベビメタはメタルorメタルじゃない論争」の主な批判者であるメタラーからの評価が最も差がつくポイントかもしれない。更に面白いのは、外部ライターの曲よりもBAND-MAIDがハンドメイドした曲の方がゴリゴリ鳴ってるところで、一方で外部ライター曲はアルバムの流れに絶妙なアクセントを与える大切な役割を担っており、「これ外部曲っぽいな」と思った曲がクレジットを見たらBAND-MAID作曲だったりするから俄然面白い。



では曲の内容ではどうだろう?1stアルバムのBABYMETALでデビューしたベビメタは【アイドルとメタルの融合】をコンセプトに、日本のアイドル(J)ポップスとX JAPANなどの国産ラウドロックをミクスチャーした、海外のメタルシーンにはなかったその奇抜で個性的なメタルが世界中で話題を呼んだ。2016年に発表された2ndアルバムのMETAL RESISTANCEでは、それこそ「ベビメタはメタルorメタルじゃない論争」に終止符を打つかのような、まだ国産ラウドロックの影響下にあった前作とは一転して、海外メタルシーンで主流の【Djent】【ハーマン・リ】【ヴァイキング・メタル】【プログレ・メタル】【エクストリーム・メタル】【モダン・ヘヴィネス】をはじめとしたメタルのサブジャンルをベースに強力な作曲能力を発揮し、【アイドルとメタルの融合】という本来のコンセプトから逸脱するレベルのメタル然としたアルバムをドロップした。その海外メタル勢やX JAPANからのオマージュ的なアプローチが色濃いベビメタと比べると、このBAND-MAIDには特定の音楽的なバックグラウンドはなく、比較的ストレートなラウドロックあるいはハードロックやってて、この手のガールズバンドにありがちな下手なストリングスやキーボードでアレンジした曲とかも一切なくて、あくまでもオリジナルの原音勝負にこだわってるのはとても好感が持てる。



このBAND-MAIDBABYMETAL、その魅せ方や楽しみ方だったり楽しませ方もまるで違う。ベビメタはSU-YUI-MOA-METALのキツネ様信仰からその徹底した世界観をはじめ、ライブでの演出から神バンドを擁するステージング/パフォーマンスまで、言うなれば表立った努力は見せず、あらかじめ裏で完成されたエンタテインメント作品をステージで披露する優等生がベビメタなら、ステージの上で等身大の姿をありのまま表現し一歩一歩成長することで、一から自身の『未来』を自らでハンドメイドしていく庶民派がBAND-MAIDだ。つまり「一からハンドメイドしていく」のと「あらかじめ作られたモノを提供する」←この違いというのは、この二組を比べる上で最も大きな違いだ。ベビメタは三人の少女の発育的な意味での成長(期)を楽しませる一方で、メイドは等身大のバンドの成長をリアルタイムで楽しませる。例えば、ベビメタが強くてニューゲームの設定なら、メイドは初期装備がメイド服とギター一本だけ、みたいな。そういった意味では、アイドルを自称しているベビメタよりもメイドの方が本来のアイドルオタク的な目線で楽しめるかもしれない。

ベビメタはその【アイドルとメタルの融合】を根幹のコンセプトに、キツネ様信仰の世界観やフアンの事を「メイト」と呼んだりと、細部に至るまで様々なギミックと演出を用意周到に準備しているが、一方のバンメは「衣装はメイド服、ライブを「お給仕」、ファンを「ご主人様」または「お嬢様」と呼んでメイドの世界観を演出しながらもビジュアルとは相反するハードロックを基調としたツインボーカルと確かな演奏が織り成す重厚なサウンドを武器に激しいライヴパフォーマンスを繰り広げる」とWikiにもあるように、ギミック的な部分のウリは言葉の語尾に「~ぽー」を付ける、もの凄い『闇』を感じるキャラ設定を持つメイド服の女の子がゴリゴリのハードロックやってるという「ギャップ萌え」のみで、それも同じ事務所のSilent Suicide SirenPASSPO☆には入れないレベルのブスもとい微妙なルックスしか持ち合わせていない余り者が付加価値としてメイド服を着て演奏してる感は否めなくもないというか、「メタル系のガールズバンドできたけどブスやしこれじゃ売れへん・・・せや!メイド服着せたろ!」の精神みたいなノリある。要するに、ベビメタほど徹底した世界観があるというわけではなく、特に縛りがないのはリリック面でも同様だ。一見、メイドだからメイドの奉仕活動というかマナーを歌っていると勘違いしがちだが、決してそういうわけではなくて、主にギター&ボーカルの小鳩ミクとボーカルの彩姫が手がける歌詞も骨太で真っ直ぐなロックサウンドと同調するように、反骨心(精神)が込められた力強く前向きな言葉が多く、意外っちゃ意外かもしれないがいわゆるJ-POP的な歌詞を並べている。

ガチャ歯対決

最後はお待ちかねの「ガチャ歯対決」もとい「ボーカル対決」だ。まずベビメタのSU-METALといえば、今でこそアイドル界では指折りの歌唱力を持つボーカリストとして高く評価されているが、1stアルバムの時点ではまだあどけなさが残るアイドル的なイメージがあった。しかし、一転して2ndアルバムでは「出山ホームオブハートすず香」もとい「メタルボーカリスト」としての才能を開花させ、今やメタルゴットロブ・ハルフォードと共演するまでの世界的なボーカリストとなった。そのメタルゴッドから伝授されたハイトーンボイスを武器とするSU-METALに対して、バンメのボーカル担当の彩姫というのは、言うなれば藍井エイルと絢香を足して2で割ったような感じの、主に低域を魅力とする声質で、それこそSHOW-YA寺田姐さんの後継者と言ってしまいたくなるくらい情熱的な彩姫さんの歌声は、個性と個性のぶつかり合いが過ぎる楽器隊が放つごっついサウンドに負けじとボーカル一本で引っ張っていく頼もしさがある。とにかく、このちょっと育ちの悪そうなヤンキー女っぽいドSな声質はM男にはサイコーだ。なんだろう、なんか淫語で罵声を浴びせられながら「踏まれたい」と思っちゃったんだからしょうがないというか、正直ここまで「いま最も顔面騎乗位されたいボーカリスト」って初めてかもしれない(運命の出会い的な)。本作を例として挙げるなら、6曲目の”OOPARTS”のメロコア風の曲調に合わせてちょっと無理して可愛い感じの声出してる感じはクソ萌えるし、その流れでSHOW-YAリスペクトな80年代ハードロックやってる8曲目の”So, What?”では一転して寺田姐さんばりにダーティな歌声を聴かせ、正直このギャップ萌えを見てブヒらないご主人様はいないと思うし、俄然「蹴られたい」衝動に駆られる。まぁ、それは兎も角として、この二人はまだまだ全然ボーカリストとして伸びシロあります。しかしあれだな、SU-METAL彩姫さんのガチャ歯コンビによって、海外のフアンから「Japanese GIRL is GACYA-GACYA Tooth!!」って思われないか心配だ・・・。でももし彩姫さんが矯正とか初めたら推し変します。

「どうせ形だけのハッタリだろ?」という聴く前のネガティブな予想を覆すように、幕開けを飾る#1”Don't you tell ME”からツインギターだからこそ成せる男勝りの鬼ごっついヘヴィネスに度肝を抜かれ、特にギターソロの導入部の空気感を見れば「ただのメイドさんじゃない」ってことが嫌でも分かるし、更にゴッリゴリな「存在の耐えられない重さ」でゴリ押していく#2”Puzzle”、モダン・メタルコア風のテクニカルなリフから疾走する#3”モラトリアム”でのDjent的なウネリを効かせたブレイクダウンからフレドリック・トーデンダルばりのスリリングなギターソロに繋がる展開とか、これもう完全に「メイド界のメシュガーじゃん」ってなるし、そして疾走感あふれるキャッチーなシングルの”YOLO”から彩姫さんのボーカル主体の”CROSS”、ここまでのモダンな音の出し方に抜群のセンスを感じさせるサウンド面だけを聴けば、まさか可愛いメイド服着た女の子が演奏してるなんて到底思えないし、アルバム序盤はゴリゴリなモダン・ヘヴィネスや歌モノ系のアッパーな疾走感溢れる曲で畳み掛けるように、バンドの自己紹介の挨拶がてら、アルバムのツカミとしては完璧な流れだ。

イェンス・タッコマン

アルバム中盤以降は、一転してそれぞれアレンジとバラエティに富んだ楽曲や外部ライターの曲を織り交ぜながらアルバムの流れに的確な「変化」を与えつつ、バンドとしての柔軟性と同時に一体感、そしてメンバー個々のポテンシャルを爆発させていく。まずはバンメの武器でもあるミクちゃん彩姫さんのツインボーカルが冴え渡る#6”OOPARTS”でバンドの側面的な部分を覗き見せたかと思いきや、次の#7”Take me higher!!”ではベースのMISAとギターの遠乃歌波によるアツいソロバトルを披露してみせたり、一転して80年代のハードロックにタイムスリップさせる#8”So, What?”では彩姫さんの格好良さに俄然「蹴られたい」願望が増すばかりだし、このタイミングでギタボのミクちゃんメインの#9”TIME”を挟んでくる構成とか本当にニクい演出というか、これもう「メイド界のデイブ・ムステインかよ」ってなるし、これにはマーティ・フリードマンも「サイコーじゃ~ん」と大喜び。そしてアルバムのハイライトを飾る曲でイントロから名曲臭しかしない#10”you.”、西海岸のエモ系インスト風のメロディと彩姫さんの美少女感溢れる作り声でまったりと始まる#11”Awkward”は、途中からギターが合流して緩やかにテンポアップしていき、そして後半からはストリングス・アレンジを加えたバンド・サウンドとともに、それこそプログレ・メタル的とも言えるドラマティックな展開力を爆発させる。正直、このレベルの曲をオリジナルでハンドメイドできちゃうのは素直に凄いというか、そう簡単に書ける曲じゃないのは確かだ。その勢いのまま、鬼ごっついギターを鳴らしつつアップテンポに展開する#12”decided by myself”、教科書どおりのHR/HMリフ主体の王道的なハードロックかと思いきや急にオシャいパートから最後はミク大佐にバトンタッチする展開がクソエモい#13”secret My lips”まで突っ切る。捨て曲ないし、どっかのタイアップ拾ってこれそうなキャッチーなシングル曲から、一方で玄人向けとしか思えないようなコアな曲まで幅広くハンドメイドできる強さは、並のメイドじゃないバンメのガチっぷりを証明している。なによりもアルバム後半に山場を持って来れる強みは単純に「いいバンド」の証でもある。

ハッキリ言ってプロダクション自体はまだまだB級だが、そのバンド-メイドがハンド-メイドした楽曲や随所にテクいパートや耳寄りなフレーズを差し込んでくるメンバー個々の技量その実力やポテンシャルは想像した以上のモノがある。ヘタしたらベビメタの1stアルバム並み、いやそれ以上のポテンシャルと確かな凄みがある。そのB級感も含めてベビメタの1stアルバムと共通する所があって、それは本作にはバラード曲がない、というか厳密には本作にはバラードが付け入る隙なんて全くなくて、最初から最後までノンストップで気持ちのいいロックをブチかましている。正直、彩姫さんって今にも絢香の「三日月」歌い出しそうなくらい「バラード映え」しそうな声してると思うんだけど、それなのにバラードがないのはバンメがハッタリではなく、いかに本気と書いてガチで音楽やってるかの証明でもある。いや、それとも単純にバラードが書けないだけか・・・?ともあれ、この手のいわゆる「嬢メタル(死語?)」と呼ばれる勢力の立ち位置とは一線を画した存在なのは確かだし、何よりもベビメタに対する明確な「カウンター」と呼べる立ち位置が、唯一このBAND-MAIDに許された立ち位置なんだ。しっかし、ここまでモダンな音ってそう簡単に出せる音じゃないというか、つまるところ我々「イェンス会」はあなた方バンド-メイド一同の「イェンス会」への加入を心からお待ちしております。さすれば、汝には黄金のヘヴィネス』を授けよう・・・。

つうか、これ聴いたらガチでハマるから聴かないほうがいいかもです。聴けば聴くほど徐々にその面白さが分かってきて、終いには「うわスゲーなにこれ」ってなるくらい衝動的なアルバムです。それで、これもしかしてもしかするとミク大佐彩姫さん以外の3人がバンメの本体なんじゃ...って気づいちゃったら終わりです。もう二度と抜け出せない。少し気が早いかもしれないが、バンメ的にはサマソニはまだしも今年のラウパくらいには出て爪痕残しておきたい思惑があるだろうし、実際にそれが実現する可能性というのは大いにあると思う。もしラウパに出たら出たで、果たして日本のメタラーに受け入れられるのか?そしてベビメタとの反応の違いに注目したい所だ。当然、そんな遠い話は5月から始まる初のワンマンお給仕ツアーを成功させてからだろうし、そのライブを自称「日本一のベビメタ」である僕が直々にこの目で確かめに行ってきます。つーか、5月のツアーまで新作に伴うイベントとか、そういった例えば握手会ならぬ「蹴られ会」とかはやってらっしゃらない?えっ、やってないの?! もっと欲を言うなら、鬼バンドを迎えたBiSHと対バンして「ベビメタ包囲網」的なことやって欲しいというか、名付けて「B(iSH)B(AND-MAID)A(and)B(ABYMETAL)大作戦」みたいな、とにかくベビメタをヒールに持っていく展開を希望。だから渡辺マネ頼むw
 
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【9/19,20】 BABYMETAL WORLD TOUR 2016 LEGEND - METAL RESISTANCE - RED NIGHT & BLACK NIGHT@東京ドーム

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昨年、ANATHEMAの奇跡の初来日公演、しかも2デイズという長年の『夢』が叶ってから早一年、その『夢』という名の『人生のピーク』がまさかBABYMETALによって新たに更新されるなんて、それこそ『夢』にも思わなかった。そんなこんなで、9月19日と20日に東京ドームで行われた、ワールドツアーのファイナルを飾るBABYMETAL第四章「LEGEND - METAL RESISTANCE - RED NIGHT & BLACK NIGHT」に参戦した感想をば。

そもそも、僕が初めてBABYMETALのライブを見たのは約三年前のサマソニ大阪で、あの時は「いま最も勢いのあるアイドル」と確信したものの、まさかその三年後に東京ドーム2デイズをSOLD OUTさせるほどのビッグアーティストに化けるなんて、さすがに僕のキング・クリムゾンですら予測不可能な出来事だった。ちなみに、僕は両日ともジョジョTシャツで参戦。そんな事決まってるだろォッーーーがッ!

【LEGEND -METAL RESISTANCE- RED NIGHT】
9月19日セットリスト
01. Road of Resistance
02. ヤバッ!
03. いいね!
04. シンコペーション
05. Amore -蒼星-
06. GJ!
07. 悪夢の輪舞曲
08. 4の歌
09. Catch me if you can
10. ギミチョコ!!
11. KARATE
12. Tales of The Destinies
13. THE ONE - English ver. -

ツアーファイナル初日(19日)は、スーパー台風接近に伴い、東京の空模様はあいにくの雨すなわち「止まない雨」が降り注いでいた。しかし、これは今思うと『レジェンド』すなわち『伝説』が生まれる前触れに過ぎなかった事を、この時の僕たちは知る由もなかった。ツイッターのハッシュタグ#BABYMETALの情報によると、どうやら4時の開場だったのが30分くらい押してて、この時すでに開演が遅れることを予想するメイトは少なくはなかった。事実、その情報を信じて余裕ブチかましてた僕が、本来の開演時間である6時の10分前にドームに着いてもまだ入場列が続いていた。自分は23ゲートからの入場で、発券すると『RED NIGHT』&『BLACK NIGHT』ともにレフトスタンド側の2階席の一桁列の座席だった。6時に着席した時にはすでに開場は満員御礼で、これから約5万5千人のロリコンが狂喜乱舞するなんて想像しただけで恐怖に近いものがあった。そして気になるステージ構成は、いわゆるセンターステージと呼ばれるもので、ドームのど真ん中に巨大なセット&スクリーンがあって、そこから三本の矢のように花道が伸びた感じのやつ。

謎のコルセットを首に巻いて座席についてまた少し経ってから、ようやく開演。すると同時に、真ん中のスクリーンにショッカーみたいなホネホネロックマンが現れて、キツネ様からのお告げ「このツアーファイナルは『RED NIGHT』&『BLACK NIGHT』の2日間で構成/完成され、1stアルバム『BABYMETAL』と2ndアルバム『METAL RESISTANCE』の曲を全部奏でるって約束したけど、一度奏でた曲は二度と演らないよーん」みたいな説明が終わると、続いて恒例の紙芝居がスクリーンに映し出される。先日、僕が書いた『METAL RESISTANCE』のレビューを見た人なら気づいた人もいるかも知れないが、オープニングの紙芝居演出でシン・ゴジラネタをオマージュして怪獣シン・ベビメタが登場した時、心のなかで「yes!!yes!!jens!!」とガッツポーズしたのは僕だけじゃあないはずだ。実はこの東京ドーム2デイズに参戦するにあたって、四年後の東京五輪に向けたナニかしらの伏線を見つけ出すという一つの目的があって、それがまさかメンバーが登場する前、曲が始まる前の演出でそのシン・ゴジラとBABYMETALが東京五輪でコラボする可能性(伏線)を示唆するなんて思っても見なかった。

そして、満を持してBABYMETALの三人と神バンドが登場し、一瞬にして会場は爆発的な盛り上がりをみせる。予想どおり、一曲は今年リリースされた『METAL RESISTANCE』のオープニングナンバーである”Road of Resistance”だった。まさにこれからロリコンモッシュメイト率いるベビメタ軍と俺の感性率いるアグネス(ラム)軍の合戦が行われるかの如し壮大なイントロから、神バンドのドラフォ然とした演奏をバックにSU-METALの力強く伸びやかな歌声とMOA-METALとYUI-METALによるキレキレなダンスパフォーマンスがまたたく間に露見する。それこそ開演前は→「ロリコンベビメタ軍のロリ根性を叩き潰すッ!」とばかりイキってたが、しかし初っ端からBABYMETAL&神バンドが織りなす圧倒的なサウンドスケールにド肝を抜かれたアグネス(ラム)軍はロリコン化し、気づけばベビメタ軍と一緒になって「ウォーオーオーオーウォーオーオーオー」とメタル魂を昂ぶらせながらシンガロングしていた。そう、俺たちアグネス(ラム)軍は一瞬のうちにして戦乙女SU-METALの傀儡と化してしまたのだ。

二曲目はまさかの”ヤバッ!”で、この立て続けに新譜からの流れはヤバッいくらいアツい。なんかイメージしたとおりのダンスのフリで萌え死ぬかと思ったし、ライブだと終盤の怒涛の展開はヤバッ過ぎた。一転して、アイドルらしい”kawaii”をフューチャーした1stアルバムから”いいね!”では、さっきまでの「メタルバンド」としてのBABYMETALではなく、「アイドル」としてのBABYMETALの側面を垣間見せ、それこそ一瞬にして東京ドームがアイドル現場と化し、ドルヲタらしくいいね!コールや合いの手入れまくってブヒりまくる。この振り幅こそベビメタならではの醍醐味か。再び、新譜からジョジョ一部リスペクトな歌詞と陰陽座の黒猫化するSU-METALが凛々しく歌い上げる”シンコペーション”、からの”Amore -蒼星-”では、まるで「翼をください」とばかり巨大な白い翼が中央のスクリーンに映し出されるとともに、その翼の生えたSU-METALが巨大なステージの最上部へと飛び立ち、言うなれば使徒SU-METALとなって世界の中心で、東京の中心で「愛の言葉」を叫ぶ姿は、それこそシン・エヴァンゲリオンのフォース・インパクトと言っても過言じゃあないくらいの衝撃を与えた。あとはやっぱり「もしも君を~」の部分の歌は感動した。

Gojira顔負けの例の「バン!バン!バン!」に合わせて繰り返し手拍子を要求する、YUI&MOAをフューチャーした”GJ!”、再びSU-METALの妖艶な歌声が響き渡る”悪夢の輪舞曲”、再びYUI&MOAがメインの”4の歌”は19日のハイライトで、YUI&MOAが「ヨンヨン!」と煽りまくるくらい4の応酬はもはやオトナの教育テレビ的なノリすらあった。終盤は名曲の”ギミチョコ!!”から”KARATE”、クライマックスは”Tales of The Destinies”から”THE ONE”へと繋がる組曲で終わるのだが、”ToTD”を難なく歌いこなすSU-METALとプロフェッショナルさを見せつける神バンドに感心しつつも、英語版の”THE ONE”が始まる前に首に巻かれたコルセットが一斉に光を放ち始め、その「世界を一つにする」という2ndアルバムのコンセプトどおり、東京ドーム約5万5千人のメタル魂を一つにする演出に、会場は異様なざわめきと歓喜に包まれた。この演出を見越したセンターステージであることに納得すると同時に、会場が光と言う名の希望に包まれて「世界が一つになる」光景を目の当たりにして、一瞬素に戻って感極まった表情を浮かべたYUIMETALを僕はきっと忘れない。

はじめにホネホネロックからアナウンスされたとおりMCなしアンコールなしの約一時間半、あっという間でもあり、しかし公演時間以上に濃密な世界観と圧倒的なサウンドスケールに終始息を呑むことしかできなかった。三年前のサマソニ大阪で見たBABYMETALとは何もかもが桁違いに違っていたし、つまり【たった十メートルもない距離で見たBABYMETAL×三年=東京ドーム2階席の距離で見たBABYMETAL】と考えたら感慨深いものとナニかこみ上げてくるものがあった。このサマソニ【大阪】から【東京】ドームの距離の間に、彼女たち三人が経験してきた数多くの試練は、いわゆる普通の人間が送るであろう普通の人生を何百倍にも凝縮した濃密な三年間だったに違いないし、たった三年でもう手が届かない距離まで成長した彼女たちの勇姿に僕は敬意を表したい。

つうか、そんなことより、この初日はMOAMETALも大好きな℃-uteの愛理が観に来てたって知ってマジかよ!?ってなった(愛理のブログ参照)。本来は見られる側、ステージに立つ側の人と一緒に観客として見れた事の方がデカい。ワンチャン愛理がコルセット巻いてた可能性を想像しただけで俄然ガチ恋に発展しそうになるし、これにはMOAMETALもそれこそ「幸せの4」を猛烈に感じているに違いない。なんかもう愛理が良いっていうんだから良いライブだったに違いないし、その辺の素人よりもステージに立つ側の人間に評価されることほどの名誉はないだろう。しっかし、ここ数年℃から離れてたせいか、およそ55000人の中に愛理のオーラを感じ取れなかったのは一生の不覚だわマジで・・・。


【LEGEND -METAL RESISTANCE- BLACK NIGHT】9月20日セットリスト

01. BABYMETAL DEATH
02. あわだまフィーバー
03. ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
04. META!メタ太郎
05. Sis. Anger
06. 紅月 -アカツキ-
07. おねだり大作戦
08. NO RAIN, NO RAINBOW
09. ド・キ・ド・キ☆モーニング
10. メギツネ
11. ヘドバンギャー!!
12. イジメ、ダメ、ゼッタイ

二日目の【BLACK NIGHT】は、初日のように開場が押すこともなかったので、早めに会場入りすると、会場のBGMにはドリムシやメイデン、メタリカやドラフォにBMTHが流れていた。しかもメイデンのFear Of The Darkで客がシンガロングしてて笑った。しかし、あらためてバックネット裏の最上段までギッシリ人が埋まっていく光景は壮観だなと眺めてたら開演時間の7時になる。

新譜中心のセットリストだった【RED NIGHT】に対して、二日目の【BLACK NIGHT】は1stアルバム中心のセットリストで展開していく。花道の先端から十字架に磔にされた状態で地上に現れた三人の使徒は、初っ端の”BABYMETAL DEATH”から会場のボルテージを一気にブチ上げる。その勢いのまま、新譜から”あわだまフィーバー”、続いて”ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト”、「ウォーオーオーオー」とシンガロングさせる”META!メタ太郎”、映画『インターステラー』を彷彿とさせる「怒れ!怒れ!」という紙芝居演出からブルータルな”Sis. Anger”へと繋がり、そしてX JAPANの”紅”をオマージュしたSU-METALによる「アカツキだーーーーー!」という掛け声から、彼女の天性の歌声がドームに響き渡る”紅月 -アカツキ-”では、恐らく両日合わせても最高峰のボーカルパフォーマンスを見せつけ、その説得力のある「ボーカリスト」としてのSU-METALをまざまざと見せつけられた僕は、感動のあまり心のなかで・・・

(出山ーーーーーーーーーーーッ!!)
(ホームオブハーーーーーーートッ!!)
(すず香ッ!!)

・・・と叫び声を上げた。

更にYUI&MOAをフューチャーした”おねだり大作戦”を挟んでから、自分の座席のちょうど目の前にあるレフトスタンド側(すなわちBOHさん側)の花道の先端地下からSU-METALが現れる。そして”NO RAIN, NO RAINBOW”のイントロが始まるとともに、円形のコンベアに乗って中央ステージ最上部へと導かれていく。いま思えば、この連日のスーパー台風の影響による「止まない雨」も粋な演出として組み込まれていたのかと思うくらい。そしてX JAPANのギタリストPATAhideの魂が天国から舞い降りてきたようなツインGソロにまたしても涙してしまった僕は、ふとドームの天上を見上げながら・・・

天国のPATAへ、お元気ですか?
近頃は読売巨人軍が賭博球団化してしまい
熱狂的な巨人フアンのPATAは天国でさぞかし悲しんでいることでしょう
そんな巨人大好き芸人のPATAも思い出のある東京ドームで
X JAPANが数多くの『伝説』を残してきた東京ドームで
本日、また一つ『レジェンド』=『伝説』が生まれました
その『伝説』を残したアーティストこそBABYMETALです」 

・・・と心のなかで呟いた。 

で、”ドキモニ”からSU-METALあらため出山ホームオブハートすず香がキツネのお面ととともに登場する”メギツネ”、初日の【RED NIGHT】が4連呼なら二日目の【BLACK NIGHT】はヘドバン連呼とばかりYUI&MOAが「ヘドバン!ヘドバン!」と延々と煽りまくる”ヘドバンギャー!!”、そして初日のフォース・インパクトによって地球を紅に染め上げるかのように、首に巻かれたコルセットが一斉に赤く点灯しはじめ、YOSHIKIにダメ出しくらいそうな出山ホームオブハートすず香による英語の語りとともに、その流れでワールドツアーファイナルのラストを飾ったのは他ならぬ”イジメ、ダメ、ゼッタイ”だ。曲が終わると出山ホームオブハートすず香による「ウィーアー!」からの「ベビーメタル!」の掛け合いによって、三度東京ドームのオーディエンスは「一つ」になる。しかし、この「ウィーアー!」という出山ホームオブハートすず香の掛け声に対して「ベビーメタル!」ではなく「エーックスッ!」と叫んだのは僕だけじゃあないはず・・・いや、僕だけかもしれない。なぜなら、この東京ドーム2デイズは、僕にとって子供の頃にDVDの映像でしか見たことがなかった、十数年遅れてきたX JAPANの『THE LAST LIVE~最後の夜~』だからであり、それこそ十数年の時を経て伝説の解散ライブの熱狂を追体験するかのよう。少なくとも、この東京ドームのステージに立って演奏しているのは、BABYMETALという名の怪獣きぐるみを着たシン・エックス・ジャパンにしか見えなかったし、僕には最初から最後までSU-METAL出山ホームオブハート利三にしか見えなかった。

最後はステージの最上階へと上り、「3,2,1」の合図でSU-METALが銅鑼を鳴らすと同時に爆発音が鳴り響き、これにてBABYMETAL第四章は幕を閉じる。そして、中央のスクリーンに「BABYMETALの旅は続く」的な演出が入るのだが、この『続く』という言葉を聞いてホッと胸をなでおろしたモッシュメイトは少なくないだろう。このシン・BABYMETAL『THE LAST LIVE~最後の夜~』を迎えるにはまだ時期尚早だ。そんなことよりも、次章となるBABYMETAL第五章で一体どんな仕掛けや驚きを魅せてくれるのか、そして体験させてくれるのか、早くも楽しみになってきた。そのためには、『ゲーム・オブ・スローンズ』レナ・ヘディ『マザー』として迎え入れ、そして「世界を一つ」にしたBABYMETAL『鉄の王座』へと即位する未来のために、俺の感性率いるアグネス(ラム)軍は彼女たち三人の『鋼鉄の処女』を守り抜く下僕として仕えることを今ここに誓うのであった(完)

オープニング映像のホネホネロックマンが忠告したとおり、一日目の【RED NIGHT】は新譜メインで、二日目の【BLACK NIGHT】は1stアルバム中心のセトリで、本当にバランスの良いセトリで、甲乙つけがたいです。両日ともSU-METAL、YUIMETAL、MOAMETAL、そして神バンド含めてメンバーそれぞれに見せ場があって、炎やレーザーを駆使した演出面も余すことなく披露された。個人的には、二日目の【BLACK NIGHT】のほうが落ち着いて冷静に見れたこともあって、MOAMETALの愛理顔負けのキレッキレなダンス、約5万5千人の視線をスクリーンに釘付けにするYUIMETALの「朝ドラヒロイン」感、そして連日、むしろ二日目の方が歌唱力が増してたんじゃねーかレベルのSU-METALの「ボーカリスト」としての成長性にはただただ脱帽するしかなかった。あとはやっぱり、自分の中で”紅月 -アカツキ-””NO RAIN, NO RAINBOW”の共演は、ちょっとどころじゃないちょっとした大事件だった。

それこそ愛理の言うとおり、ただただ圧倒されるばかりだった。ライブが終わってホテルの部屋に戻ってみても、さっきまでのアレは『現実』だったのか、それとも『夢』だったのか、でもそれは『現実』でもあり、同時に僕の『夢』でもあったんだ。今でもその余韻が「止まない雨」のように心に降り注ぐ。むしろ終演後にあのライブの凄さを徐々に実感していった。

ところで、後日の早朝ニュースで「奇抜なおっさん大集合」とかいう風に紹介されてて笑ったんだが、でもベビメタって本当に老若男女に支持されてんだなって実感したちょっとしたエピソードがある。それは初日の19日、僕は午後二時くらいに某ホテルにチェックインしようと、案の定長蛇の列を作っている黒いベビメタTシャツを着たベビメタ勢の後ろに並んだわけ。僕の前には至って普通の旅行者みたいな風貌をした40代後半から50代前半の美人なマダムが並んでて、僕は「このマダムもこんな時に災難だな~っ!」って思ったら急に話しかけられて→

マダム「あの~、この列の人達ってライブの人たちですか?」

ぼく「えーっと、多分そうですね」 

マダム「・・・(謙遜しながら)実は私もそうなんですよ」

ぼく「あっ、そーなんですか!?(マジかよ承太郎!)」

マダム「今日の開演って6時ですけど、一時間前くらいにドームに行けば大丈夫ですかね?」

ぼく「ん~~多分そのくらいで大丈夫だと思います(このマダム...できるッ!!)」 

マダム「・・・あっ、ありがとうございます(ペコリ)」 

ぼく「うん」
 

実はこんな他愛もないエピソードがあって、だからといってドヤ顔で「ベビメタは外国人や老若男女に人気ある!」というわけじゃあないが、事実こんな会話をマダムと交わした僕は、その件に関しては少なからず好意的なイメージで語ってもイイんじゃあないか?
 
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