Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

レビュー (L)

オレンジ

Loathe 『I Let It In And It Took Everything』

Artist Loathe
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Album 『I Let It In And It Took Everything』
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Tracklist
01. Theme
02. Aggressive Evolution
03. Broken Vision Rhythm
05. 451 Days
06. New Faces In The Dark
07. Red Room
08. Screaming
09. Is It Really You?
10. Gored
11. Heavy Is The Head That Falls With The Weight Of A Thousand Thoughts
12. A Sad Cartoon
13. A Sad Cartoon (Reprise)
14. I Let It In And It Took Everything…

10年代が瞬く間に終わりを告げ、メタルシーンではメロデス界のレジェンド=チルボドがメタル史において過去類を見ない最悪の解散宣言を引き金に、90年代の“メタル暗黒時代”という『悪夢』が再びさし迫ろうとしていたその時、まるでこれからの20年代という激動の時代の幕開けを告げるかのように、20年代に突入すると同時に「新世代の波」がメタルシーンに押し寄せていたことを、あの日の僕たちはまだ知らない。

ここで10年代のヘヴィネス界隈を振り返ってみると、10年代を象徴するヘヴィネスとして最も影響を与えたのが“メシュガーの音”であり、その“メシュガーの音”はUSヘヴィロック界のレジェンドTOOLDeftones、そのメシュガーと並んで“10年代のメタル総合ランキング1位”でお馴染みのモンスターバンドGojiraにも多大なる影響を与えるほどで、そして何と言っても10年代のメタルシーンで一つのトレンドとしてあったDjentなるジャンルを生み出したのも記憶に新しい(なお)。例えば、Gojiraで言うところの2016年作の『Magma』TOOLで言うところの2019年作の『Fear Inoculum』は、いわゆる“メシュガーの音”の影響が著しく表面化した作品である。

そしてデブ豚ことDeftonesはというと、それこそ10年代のデブ豚の何が凄いって、それこそ“メシュガーの音”をオルタナティブの解釈をもって自身の音楽性に取り入れた所にあって、まさにその金字塔と呼べるのが、10年代のデブ豚Repriseに移籍して1発目となる2010年作の『Diamond Eyes』であり、そのアルバムから2年後にデブ豚にしては珍しく感覚を詰めてリリースした2012年作の『恋の予感』という、こっちはメシュガーというよりはDjent的な解釈をもってライトな感覚でスタイリッシュに聴かせる作品で、それら2010年代のデブ豚を象徴する2大名盤を10年代に入ってスグに発表した、その先見の明とその才能に改めて脱帽する(なお次のGoreさん)。

面白いのは、この手の“メシュガーの音”をオルタナとして解釈したモダン・ヘヴィネスが、今はポストメタルの一種として分類され始めているところで、その潮流を決定的なものとしたのが、10年代の最後にTOOLが13年ぶりに発表したアルバム『Fear Inoculum』なんじゃねえか説。とにかく、もはやデブ豚TOOLは従来のポストメタルが持つ規定概念を覆しちゃった変態なんですね。そして、そのデブ豚TOOLが10年代にシーンに示した革新的なモダン・ヘヴィネス、全く新しいポストメタルの形を受け継いで、そこから更に“20年代のヘヴィネス”としてアップデイトしたのが、このUKはリヴァプール出身のLoatheだった。

このLoatheを一言で例えるなら、白ポニー時代のDeftones“20年代のヘヴィネス”にアップデイトしたようなバンドで、2ndアルバムとなる今作『I Let It In And It Took Everything』のリード曲を飾る“Aggressive Evolution”を聴けばわかるように、マスコア界のレジェンドThe Dillinger Escape Planの影響下にあるカオティックなコアさ、UKのレジェンドSikthを思わせるヌーメタル系特有のウネり、“10年代のヘヴィネス”を20年代のヘヴィネスへと“アグレッシヴ”に進化させた重低音、そしてリードボーカルによる教科書通りのクリーンボイスから放たれるナルいエモ系入ったセンチな歌メロ、それらの要素が相対性理論を無視して光の速さでクロスオーバーした、それこそ20年代のメタルを牽引していくであろうアメリカのCode Orangeに対するイギリスからの回答、という少しチープな例え。


この“新世代”を予感させる“伏線”みたいなのって何かあったっけ?って考えた時に、まず真っ先にBMTHが昨年発表した『amo』を思い出した。実は2018年の終わりぐらいに、それこそちょうどDIR EN GREY『The Insulated World』を聴き込んでいた時期に、例のダニ・フィルスをおもちゃにしたリード曲“Wonderful Life”のMVを見た瞬間、久々にBMTHについて書くことになるだろうと確信を得たほどの革新的なヘヴィネスだと直感的に思った。この曲の何がヤバイって、まずメシュガー化したGojiraを象徴する“The Cell”のモダン・ヘヴィネスを引用することで、たった一曲のヘヴィネスでメシュガーゴジラメシュゴジという“10年代のメタルバンド総合ランキング”のワンツーへの理解とリスペクトを示している点。あの『amo』って、出自がデスコアのBMTH“Xperiaの広告塔”に成り上がらせた、一見ただのメインストリームのポップスと見せかけて、実は次世代=20年代のヘヴィネスまで先取りしちゃってて、やっぱこいつら洒落にならないほど天才だなって。そういったメタル界のトレンドをしっかりと理解した上で、オリィ今のメタルはクソだと言ってるんですね。炎上覚悟で文句を言いつつも、ちゃんと“メタルの未来”が見えてたんですね。

そしてもう一つ、先述したように2018年にBMTH“Wonderful Life”と出会う瞬間まで聴き込んでいたのが他ならぬDIR EN GREY『The Insulated World』だったという事にも大きな「繋がり」と意味があって、実はこのアルバムもデブ豚と同じようにメシュガー以降の10年代のヘヴィネスをオルタナティブな解釈で自身の作品に落とし込んだ案件で、まさにディルがこのアルバムの中で表現したヘヴィネスこそ“新世代”の伏線である、と同時に『The Insulated World』の凄さは翌年にアルバムをリリースしたBMTHTOOL、そして20年代の新世代を象徴するLoatheの存在が証明しているんですね。例えば、BMTH“Mantra”の少しインダストリアルなヘヴィネスはディルの“Sustain the untruth(シングル版)”と共振するし、そもそもディル自体がBMTHTOOLに影響されまくっているバンドなので今更感はあるけど、本来とっくの昔に書いているべき『The Insulated World』のレビューは全部知っているからこそ(BMTH +TOOL=DIR EN GREY)、これら全ての「繋がり」を知っているからこそ書けない。書けすぎて書けない、厳密に言えばメンドクセーから書かないw


確かに、クリーンボーカルの歌い方やエフェクトも歌メロもほぼほぼデブ豚チノのモノマネ芸人かってぐらいには露骨に白ポニー時代のデブ豚なんだけど、『恋の予感』を誘発するロマンティックなシンセが官能的でラブリィなムードを生成するバラードの#4“Two-Way Mirror”は、白ポニーというよりは『恋の予感』デブ豚っぽくて、UKポストハードコアレジェンドのFuneral For A Friendリスペクトな#8“Screaming”はいかにもUKらしいバンドって感じだし、レディへみたいなイントロから始まるエモエモのエモなバラードの#9“Is It Really You?”は、ドゥームゲイズじゃないけどNothingや同じデブ豚フォロワーのJuniusっぽいし、#10“Gored”はデスコア系ジェントというか全盛期のBorn Of Osirisっぽいし、そういった意味では00年代のデブ豚と10年代のデブ豚を繋ぎ合わせるかのようなバンドでもある。

デブ豚も90年代のシューゲイザーをバックグラウンドの一つとしているけど、このLoatheはシューゲイザーはシューゲイザーでも初期のWhirrNothingをはじめ、それこそ“10年代のヘヴィネス”とともに10年代を象徴するジャンルとして黎明期を迎えたポスト・ブラックメタル、そのシーンのアイコニックな存在となったDeafheaven界隈にも通じる側面を持っている。例えば、ドリーム・ポップ〜アンビエント〜シューゲイザーのラインを行き来するCigarettes After Sex的なアンニュイでフェニミンな浮遊感を内包した、まるで夜のネオン街を艶かしく照らし出すノスタルジックなシンセ、あるいはUlverRadioheadを連想させるアンビエントなアトモスフィア、それらの曲間に挟み込まれる白昼夢を彷徨うかの如しモノクロームの音響センスは、Deathwish時代のデッヘを嫌でもフラッシュバックさせる。ここまでデッヘFFAFUKマスコア新世代モダン・ヘヴィネスでって、もはやRolo Tomassiへの回答であるかのような#11“Heavy Is The Head That Falls With The Weight Of A Thousand Thoughts”は、デッヘは元より新世代フォロワーのMølっぽいというよりもHoly Roar感。ここでも近年のUKバンドを象徴するRolo Tomassiをしっかりとフォローしている点も、ただのデブ豚フォロワーと切り捨てるには時期早々だと思わせる。なんだろう、一見ただのデブ豚フォロワーに過ぎないかと思いきや、実は10年代のメタル界のトレンド全部載せみたいな、ありとあらゆる“イマドキ”のトレンドをクロスオーバーさせた20年代のオルタナティブ・ヘヴィ。ちょっと前まではデッヘが新世代メタルとしてメディアに担ぎ上げられてたのに、20年代に入って早くも次の新世代が現れた感。次世代の波が押し寄せてきた感。

これは後になって気づいたことなんだけど、バッリバリのイマドキ系かと思いきや、10年代のメタルシーンで最も成り上がったエンジニアであり“テイラー・スウィフトのマブダチ”ことイェンス・ボグレンを今作のマスタリングとしてフォローしているコアなメタラー気質も推せる。この手のエモ寄りのバンドとイェンスの組み合わせって結構珍しいし、本当の本当に聴くまで全く知らなかったから、そういった引力的な意味でも俄然推せる。しかし、それを差し置いて1番に面白かった事実は、Loatheが所属しているレーベルが日本一のメタルバンドであるCrystal Lakeと同じSharpToneってのが最も信用できる要素だけど、恐らく2秒でSumerianないしは、それこそ(Reprise)的な意味でもデブ豚と同じRepriseあたりに引き抜かれそう・・・と思ったら、既にメタル最王手のニュークリアブラストの魔の手が・・・w

確かに、この手のポストハードコア系ラウドロックが好きな人には刺さると思うけど、そうじゃない人にはただのデブ豚フォロワーの域を出ないかもしれない。しかし明らかにDjentやメシュガーをはじめとする10年代のヘヴィネス、その従来のモダン・ヘヴィネスのどれとも違う、強いて言うなら“新世代のヘヴィネス”としか例えようがないのも事実。まさに重の重の底まで出力する次世代のヘヴィネスに『恋の予感』が芽生えること請け合いです。これ同じ新世代枠のCode OrangeCrystal Lakeのスリーマンないっすかね?え、コロナでそれどころじゃないって?ホーリーシー・・・。

Liturgy 『H.A.Q.Q.』

Artist Liturgy
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Album 『H.A.Q.Q.』
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Tracklist
01. HAJJ
02. Exaco I
03. Virginity
04. Pasaqalia
05. Exaco II
06. God Of Love
07. Exaco III
08. HAQQ
09. . . . .

いきなりだけど、当ブログのレビューが完成するまでの工程というか仕組みについての話。ほとんどの読者はお気づきのとおり、自分には文章を書く上で定型的な型という型がないので、全て一から、基本的には音源を聴いて閃いた言葉=Wordを接続詞で半ば強引に繋いで文章にしていく(もはや文章の体をなしていない)スタイル。例えば本文として書く前にiPad Proのメモに閃いた言葉=Wordや書きたい短文から、一度頭の中でレビューの全体像をイメージして一つずつ構築していく形、それをパズルのように組み立てていく感じ(なお、一度もイメージ通りに書けたことはない模様)。

とはいえ、そのiPadのメモの中には様々な事情でお蔵入りとなったメモ書きが現在100本以上あって、その中の大半は書けそうなネタが見つからなくてボツになったパターンなんだけど、しかしその逆に書けるネタがあり過ぎて、メモ書きの状況から本文の文章(文字数)を想定した結果、推定1万文字を優に超える可能性があるレビューも数本かはあって、その「書け過ぎて逆に書けない」案件の記事を書くか書かないかは、その時の自分のモチベーションや気分次第、あとはタイミングが全て。(ちなみに、2018年末のBTSの記事は初めてiPad Pro+Smart Folioで記事を書いた記念日)(そっからはもうPCじゃなくてiPadがメイン)(微妙な変化に気づいた読者おる?)

このニューヨークはブルックリン出身の4人組で、爽やか変態イケメンことハンターハント・ヘンドリックス率いるLiturgyも決して例外ではなくて、彼らの名を一躍アンダーグラウンド・メタルシーンに轟かせる事となった2011年作の2ndアルバム『Aesthethica』がリリースされた時は、その音源を聴いた瞬間にこいつらはデフヘヴンと共にシーンの最重要バンドになる!と確信した。しかし、いざ張り切って記事にしようとしても一体何を書いたらいいのか分からない、事実その時(当時はiPad mini)に書いたメモには何がなんだか分からない・・・の14文字、たったそれだけだった。そんな風に一度は書くことを断念した僕が、何故またしてもこのLiturgyについて書こうとしているのか?その理由こそ、このアルバムだけは、これだけは何としても書ききらなきゃいけないと、そう心の底から思わせる傑作だからなんです。

2011年に『Aesthethica』がリリースされた当時は、同年に発表されたDeafheavenの1stアルバム『ユダ王国への道』とともに、いわゆるスクリーモや激情ハードコア側からブラック・メタルというジャンルを再解釈した、それこそ“全く新しいブラックメタル”=“New Black”の登場に、当時の音楽シーンはピッチフォークを筆頭に歓迎ムードもあれば、その一方で“ピッチ・ブラック”と揶揄する批判と戸惑いの声が飛び交っていた。2011年はその2枚のアルバムと、その(2年)後に歴史的名盤『Teethed Glory and Injury』を遺して“ポスト・ブラック界の伝説”となるアイルランドのAltar of Plaguesの2ndアルバム『Mammal』も重なって、まさにポスト・ブラックという新興ジャンルの「これからの10年」を運命づける、それこそポスト・ブラック時代の始まりを告げる金字塔という名の教典と呼ぶべきものだった。

中でもLiturgy『Aesthethica』は、その三強に次ぐUSBMのKralliceに肉薄する猟奇的なトレモロ・リフやマスコア的な変拍子を駆使した気狂いじみたカオティックな動きで、常に躁状態で精神異常をきたしたような「イッチャッテル」アルバムだった。そして2015年作の3rdアルバム『The Ark Work』では、そのイッチャッテル2ndアルバムより更にバグ感マシマシにイッチャッテル、全編クリーンボーカルでグリッチやIDMに精通する電子音を多用した、もはや実験的だとかエクスペリメンタルだとかそんな次元の話じゃない、言うなれば“ブラック・メタル化したエイフェックス・ツイン”さながらの頭のおかしな怪作で、ポストブラ界隈のファンを失意のドン底まで叩き落とした事が記憶に新しい。

そんなイッチャッテル彼らの音楽性を、仮に、仮に90年代に一大ブームを巻き起こしたミニ四駆のモーターで例えるなら、公式大会では使用禁止の価格もクソ高いゴールドチャンプや覇王ばりにぶっ飛んだ回転数を搭載するカッ飛びメタルで、それこそおもちゃ屋に設置された屋外コースのレース中にコーナーリングで場外にぶっ飛んで、そのまま車にぶっ潰されるシュールな最期を遂げる、ちょっとした“破壊の美学”すらある音楽性(やっぱわけわかんねぇ)。

ここで、この2000年代後半から2010年代初頭のポスト・ブラック黎明期を支えた三強を映画監督で例えると、まずDeafheaven『ミステリアス・スキン』『13の理由』グレッグ・アラキ監督Altar of Plagues『アンチクライスト』の鬼才ラース・フォントリアー監督、そしてLiturgy『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』の奇才アリ・アスター監督で、その流れで三強をキ◯ガイ度で例えると、Deafheavenが「ファッション・キ◯ガイ」、Altar of Plaguesが「キ◯ガイのフリをした健常者」、そしてLiturgyが「ガチモンのキ◯ガイ」って感じ。

主にキリスト教(カトリック)で常用される礼拝や典礼を意味するLiturgyという名を冠し、それこそ2ndアルバムのアートワークには十字架と逆十字を掲げているように、宗教的および哲学的な思想やスピリチュアリズムをバックグラウンドとする音楽性と、長編映画デビュー作の『ヘレディタリー』が世界中で話題を呼んだホラー映画界の新星アリ・アスター監督が描く通常のホラー映画とは一線を画する悪魔崇拝的な世界観は、音楽界と映画界という違いはあれど互いに共振するものがあって、事実この約4年ぶりの3rdアルバム『H.A.Q.Q.』は、アリ・アスター監督の新作映画『ミッドサマー』の題材=スウェーデンの田舎で催される90年に一度の真夏の祝祭の裏サントラなんじゃねえかぐらいに共振する、例えるならクラシック音楽の公式でブラックメタルやグラインドコアやマスコアやアヴァンギャルドやグリッチの数式を用いて強引に解いちゃったようなイカレ具合。

突如として怪作だった前作をフラッシュバックさせる、IDM風のゲーム音楽みたいな幕開けを飾る#1“HAJJ”から、日本の伝統芸能であり様々な公的な行事や神聖な催しの際にお目にかける雅楽でもお馴染みの龍笛や篳篥、そしてハープと奇怪なトレモロが織りなす神々しいまでに美しい音色が“和製Kayo Dot”の装いで俄然アヴァンギャルドな世界観を形成し、例えるなら子供の頃に友達とスーパーマリオやってて誰かがスーファミの角に足をぶつけた瞬間にゲーム画面が止まってスーパーマリオがイヤッフゥゥゥウウウウアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ババ゛バみたいにバグって、さっきまでワイワイ楽しかったのが急にちょっと怖くなる現象に近いバグ音が瞬く混沌の中で、まるでカタワの道化とそのワッパみたいな龍笛と篳篥が奏でるピロピロピ~と和ホラー的な恐怖を誘発する素っ頓狂な不協和音のシュールな絵面がもうアリ・アスター映画そのもので、この曲のクライマックスはまさに祝祭と言わんばかりのド派手で過激なカ(ー)ニバルが執り行われているかのような惨劇(文章もバグってる)。

衝撃的な幕開けからギャップレスな流れでクラシカルなピアノのインストに繋ぐ構成もポスト・ブラックの王道的な常套手段だし、ハープの美しすぎるイントロからブラゲ然とした幕開けを飾る#3“Virginity”では、それこそDeafheavenの1stアルバムを想起させる、ちょっと意外過ぎて軽く引くぐらい王道的で扇情的なUSBMを展開する。一転して鉄琴やビブラフォン、そして荘厳なストリングスをフィーチャーしたポストメタル系の#4“Pasaqalia”、それこそ90年に一度の祝祭が始まる夜明けの如し不気味な鐘とピアノが鳴り響くインストの#5を挟んで、そして名作ヒューマンドラマ映画のサントラばりに感動的なストリングスで始まる#6“God Of Love”は本作のハイライトで、その『愛の神』というタイトル通り、『愛』『愛』でも異常な『愛の暴力』を受けているような、まさに映画『ミッドサマー』を音像化したような、まるで気分は謎の怪奇現象に襲われてダメだダメだダメだ、こいつダメだ、こいつ怖い、こいつ危ないと口走る稲川淳二。

再びピアノのインストを挟んでからの表題曲の#8“HAQQ”は、まるで納期間近にデバック作業に追われるゲーム会社の末端社員とばかり、しかしバグがガン細胞のように増殖して頭バグリマクリスティとなり、遂にはデバッカーの頭もバグってバグったマスオさんばりに「びゃあ゛ぁ゛ぁ゛う゛ま゛ひ゛ぃ!」と発狂不可避の“バグソング”で、最後のエンディングへと繋がるアウトロも祝祭の儀式が終わった事後みたいな、それこそラスボスの『神』を倒した後に出てくる裏世界の裏ボス登場みたいなピアノと教会の鐘が不揃いに鳴り響く...それはまるで日常が手のひらからこぼれ落ちていく恐怖。そして日本のシューゲイザーアイドルの・・・・・・・・・リスペクトな#9“. . . .”はまさに無の境地で、そこに残されたのは純粋な悪意が込められた剥き出しの暴力と『神』への信仰心という名の狂気だけ。この表題曲を筆頭にグリッチ要素が今作最大のキモとなっていて、曲展開のギアチェンというかトリガーの役割を担っているのが電子的なバグ音で、いわゆる“プログレッシブ”という音楽概念に対してこんな狂った手法を用いた解釈は生まれてはじめて見た。このイカレサイコ具合を例えるなら、これはもう“ブラック・メタル化したデス・グリップス”だ。

なんだろう、ザックリと言ってしまえばクソプログレッシヴかつクソアヴァンギャルドかつクソグリッチーかつクソカオティック、そしてクソドラマティックなアルバムで、それはまるで喜劇的な舞台を観劇しているような、それはまるでシェイクスピアの名作『マクベス』『音』で観劇している気分。それこそ前作は全編クリーンボーカルで、ラップみたいな要素も取り込んだあまりにも前衛的な、それこそブラック・メタルという概念を超越(Transcendental)してアヴァンギャルドにし過ぎてヒンシュク買ったから、仕方なく2ndアルバムのマス系USBMをぶっ込んで、つまりヤベーやつとヤベーやつを光の速さでネルネルネルネしたらもっとヤベーのできた感、歪んだ畸形の音が生まれちゃった感。事実、アートワークにある今作を構成する元素のフローチャートにも記されているように、前作を中心に過去作のメロディやアレンジを引用している部分もあって、それこそ2ndアルバムと3rdアルバムがモノの見事に融合した感じ。極端な話、前作のクリーンボイスがバグったスーパーマリオに替わっただけと考えたら、むしろ逆にやってることは案外シンプルで単純明快かもしれない。それぐらい、一見破綻しているようで実は恐ろしいほど綺麗にまとまっている。あと、めちゃくちゃ音のスケールがデカくなったのも確か。

このアルバムの何が凄いって、ポスト・ブラック界の二大名盤と名高いAltar of Plagues『Teethed Glory and Injury』における儀式(リチュアル)的なアンチクライストな精神性と、Deafheaven『サンベイザー』におけるまるで気分はアガってんの?サガってんの?皆んなハッキリ言っとけ!アガッテーーーール!なイキスギたパリピ・ブラゲ、そしてその双方が持つモダンなポスト・メタル的な側面を喰らって“ポスト・ブラック界の神”となっている点。もはや神降臨してOMGって感じ。

相変わらず、このバンドの音楽を一言で表すと何がなんだかわからない・・・し、何も答えがわからないまま時間だけが過ぎて最後にはカルト宗教に洗脳された気分になるのだけど、少なくとも本作は10年代の最後にポスト・ブラックを総括するような、それこそポストブラ界の伝説的な2大名盤と肩を並べる歴史的名盤であることは確か。しかし前作の3rdアルバムで死んだフリしてる間にキチゲ溜めまくって、そして10年代の最後の最後にキチゲ放出してバグリマクリスティな大名盤ぶっ放してくるあたりガチで頭おかしいし頭バグってると思う。もはや【Explicit】どころじゃない。間違いなくレイティング【R18+】の音楽です。

それこそ、アリ・アスター映画の映像を音像化したアルバムと言っても過言じゃあなくて、そんなアリ・アスター監督の新作であり、ある種の“ペイガニズム”をテーマにした『ミッドサマー』はトレイラーを観ても明らかにヤバい映画なので、劇場公開前にこのLiturgy(典礼)のアルバムを聴いて耐性をつけておきたい。しかしこの『音』だけでも超怖いのに、それ+映像ありの映画になったら怖すぎて館内で失神するかもしれん・・・。そんなホラー映画好き待望の映画『ミッドサマー』は2月21日公開!(ただの宣伝)

LOVEBITES 『BATTLE AGAINST DAMNATION』

Artist LOVEBITES
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mini album 『BATTLE AGAINST DAMNATION』

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Tracklist
1. The Crusade
2. Break The Wall
3. Above The Black Sea
4. Under The Red Sky

いきなりだけど、LOVEBITESの最も評価されるべき所って、ボーカリストasamiの類まれなハイトーンボイスでも、ギタリストmi-ya改めmiyakoの類まれなソングライティングでもなく、ましてリーダーmihoの爆乳でもない、それこそ昨年のデビューEPTHE LOVEBITES EPからたったの五ヶ月で1stフルアルバムのAwakening from Abyssをリリースするという、そのメンバーの「やる気」にほかならない。

そんな「やる気」に満ち溢れたLOVEBITESの御一行は、アルバムリリース以降は国内ツアーを皮切りに、これまでのガールズメタルバンドの常識を覆すように、ワーペドなどの国内フェスへの初出演をはじめ、あのBABYMETALすらなし得なかった世界最大のメタルフェス・ヴァッケンやUKのブラッドストックなどの海外フェスへの主演や海外エージェント契約、そしてメタルハマー誌のニューバンド賞受賞など、今や某メイドがやりたかった海外戦略を次々と実現させている。まさか”ポストベビメタ”路線に乗っかったのが、某メイドでもパスコでもなくこのLOVEBITESだとは全く想像もしてなくて、いやはや杉山氏というかビクターの本気おっかねぇというか、これがレーベルの差か・・・と思い知らされた。

そんなデビューから順風満帆に見えたLOVEBITESに、今年に入ってから唯一の誤算が起こった。それが国内最大のメタルフェス・ラウドパーク中止のアナウンスだった。何故かって、あのヴァッケンとブラッドストックのメインステージでライブやってのけるバンドが国内のメタルフェスにお呼ばれしないわけないし、ましてやラウパに”コネ”がある大手のビクターだしで(昨年のラウパにも顔出ししてる)、そういったバンドの勢いや周囲の条件的にも今年のラウパ出演は決定的だっただけに(メンバーも内心出れると思ってたに違いない)、このタイミングでのラウパ中止のアナウンスはLOVEBITESにとって初めての大きな困難として、大きな向かい風として襲いかかった。

話は変わるけど、おいら、実はスラッシュ・メタル自体はあまり好きではなくて、厳密に言えばスラッシュ・メタルあるいはポスト・スラッシュをルーツにした黄金のキザミ」が好きな人間で、例えば「このキザミのルーツはどこにあるのか?」という風にもう十数年メタルを聞き続けてきて、その「あのキザミ」が聴ける瞬間って実は一年に一回あるかないかで、それくらい激レアな「キザミ」を僕は「キザミ鑑定士」として追い求めていた。そもそも黄金のキザミ」とはなんぞやって話で、バンドを例に出して分かりやすく説明すると、Toolのアルバム『10,000 Days』はまさに黄金のキザミ」の理想形だし、Mastodonの名盤『Crack the Skye』や新世代メタルのDeafheaven『New Bermuda』も「例のキザミ」のセンスを垣間見せていた。LOVEBITESの音楽性に近いシンフォニック/パワー・メタル系にもセンスフルな「キザミ」は激レアだが確かに存在していて、それこそレーベルメイトのアモルフィスのギタリストエサ・ホロパイネンキャメロットのギタリストトーマス・ヤングブラッドによる「例のキザミ」は、キザミ界におけるツチノコ(伝説)として長年語り継がれている。そんな「キザミ界」に今年、ちょっとした衝撃が走った。今年、最低でも「あのキザミ」をルーツとした、あるいは系譜とするバンドが3つあって、その3つのうちの2つがまさか日本のバンドで、それもまさかガールズバンドだなんて、ちょっと信じられないというか、これはまさに「女の時代」を痛感させる2018年最大の出来事だった。

話を戻して・・・そんな向かい風が吹き荒れる中、LOVEBITESは今年初めての音源となるミニアルバム『BATTLE AGAINST DAMNATION』を発表した。

幕開けを飾る#1”The Crusade”から、正直言って国内でも大した実績のない彼女たちが、なぜ世界最大級のメタルフェスに出演できたのか?それは果たして本当に彼女たちの実力なのか?それとも単にレーベルの力によるものなのか?このラブバイツを取り巻くそれらの戯言を無にするような、それら全ての疑問を開始直後の「あのキザミ」によって「納得」させられた。まずイントロから、レジェンドIRON MAIDEN屈指の名曲”Aces High”のオマージュとばかりmi-ya改めmiyakomidoriのツインギターコンビによる叙情的なメロメロでハモリながら勢いよく始まり、そして問題のAメロBメロのバッキングで聴かせる「例のキザミ」に対して、世界有数の「キザミ鑑定士」である僕はすかさずA級ライセンスの「キザミの称号」をギタリストmi-yaに授与した。何度も言うけど、俺レベルのメタル・メディア界のトップになると(えっ)、たった一つの「キザミ」だけでそのバンドのスキルやセンスがいとも簡単に測れます。

これは今の時代にそぐわない発言だけど、女ギタリストでこの手の「キザミ」を理解しているギタリストって恐らくmiyakoが世界初だと思うし、正直これまで某メイドの当て馬にしか思ってなかったんだけど、このたった一つのキザミだけで、このLOVEBITESがガチで本物のメタルバンドであることを証明している。まさかmiyako「キザミの世界」に入門してくるとは想像もしてなかっから、国内トップの「キザミ鑑定士」である自分はさすがに焦ったわ。完全にmi-ya改めmiyakoになってギタリストとして覚醒したわ。正直、デビューEPや1stアルバムではギタリストとしての才能よりコンポーザーとしての才能に一目置いてたけど、このミニアルバムのmiyakoは一転して「ギタリスト」として半端ない才能を発揮している。少なくとも、アモルフィスエサキャメロットトーマスと同じクラスのギタリストとしての「格」があり、それ即ちLOVEBITESが現代メタルのトップレベルに位置することを意味している。勿論、この「キザミ」はベビメタ神バンドにも一生できない「キザミ」です。正直、この「世界で一つだけのキザミ」だけで既存のジャパメタを全部過去のものにしちゃった感ある。

改めて、このミニアルバムはそのタイトルが示すとおり、ラブバイツ史上最高に攻撃的でヘヴィ、アグレッシヴかつソリッドな全編スラッシュ・メタルで、それを証明するかのような2曲目の”Break The Wall”では、もはやAt the Gates直系の北欧型デスラッシュばりに殺傷力と暴虐性をむき出しにしながらキリキザミ込んでいる。勿論、過去作にも「スラッシュ・メタルっぽい曲」というのは幾つかあったけど、この曲はまさに「スラッシュ・メタルそのもの」と胸を張って断言できる。

某セーソクも「めんどくせぇからさっさと泣くがいい」とか言い出しそうな泣きのギターソロから始まる3曲目の”Above The Black Sea”は、欧州産のシンフォニック・メタル然とした大仰なクワイヤを駆使したパワーメタルと思いきや、この曲でもスキあらばセンスフルな「キザミ」をブッ込んてて、4曲目の”Under The Red Sky”に至っては初っ端からキザミっぱなしで、気づけば全曲キザンでたというオチ・・・。#4はasamiの日本のポップスにも精通するエモーショナルなボーカルワークとキザミの相性が最高にグンバツ。

チョット待って本当に、ここまでスラッシュ・メタルの素質あるバンドだとは思わんかったわ。別に、別にスラッシュ・メタルのキザミって猿でもできるけど、でもこのミニアルバムの何が凄いって、キザミはキザミでもキザミにおいて最も大切な「キザミの音づり」で、例えば#1はマストドン『Crack the Skye』に精通する低音ジュクジュク系の「キザミ」だし、#2は古典的なスラッシュ・メタルに精通する「キザミ」だし、#4にいたっては今作と同じエンジニアミッコ・カルミラが手がけたアモルフィス”Silver Bride”に精通するグルーヴィな「キザミ」だし、ここまであらゆる「キザミ」に精通しているギタリストって見たことないし、でも結局それってmiyakoがメタルリスナーとしてのリスニング能力、その素養が高いからこそ成せる一つの才能であり技術なんだろうね。

さっきからずっと「キザミ」ばっか言及してるけど、これ実はソングライティングも目を見張るものがあって、むしろA級ライセンスを取得した「キザミ」よりもライティングのがスゲーんじゃねぇか説あって、特にmihomiyakoの共作の#2はゴリゴリのスラッシュ・メタルかと思いきや曲構成に一工夫、一手間加えられているし、あと毎回思うけど#4みたいなasamiありきの90年代のJ-POPみたいなメロディアスな曲もできるのはバンドの強みで、この曲を書いた過去作でもお馴染みのMaoは、ラブバイツが絶対に手放したくない存在かもね。今回のasamiのボーカルは、ウリとする高域中心の伸びやかなハイトーンよりも低域の力強さを意識した、俄然楽器隊のソリッドなメタルサウンドと馴染むような歌い方で、よりボーカリストとしての柔軟性および器用さを露見している。相変わらず、mihomiyakoからのハードな要求を難なくこなすasamiの存在あってこその作品なんだけど。

過去作で僕が危惧していたのは、このままラブバイツasamiのハイトーンゴリ押しワンマンバンドに陥ってしまう恐れだった。しかし、このミニアルバムではギタリストmiyakoを中心に楽器隊がasamiと肩を並べるまでに存在感が増し、なんだろう「一つのバンド」としてバランスが良くなった気がする。そのお陰で不安は一気に払拭され、唯一と言っていいウィークポイントを克服してきている。その学習能力には感服するばかり。

ヘタしたら1stフルアルバムよりも良いかもしれない。こうやって最高傑作を更新しつづけているのは本当に凄いし、ラブバイツの今の勢いが乗り移っているかのよう。もはや(99%ラインナップされるはずだった)今年のラウドパーク中止がバンドにとって向かい風にならない、むしろこの逆境を乗り越えるだけの「やる気」しかこのアルバムからは感じない。正直、某メイドの当て馬にしか思ってなかったけど、今やブログに取り上げなきゃよかったって今さら後悔するほど、このアルバムで民族大移動が起きてもおかしくないというか、既に某メイドとかいう泥舟から脱出してラブバイツに乗り換えるご主人様が続出しているとの情報もあって、楽曲人気やライブ動員の面で某メイドをブチ抜くのは時間の問題か。個人的には、ラブバイツ某メイドがキャットファイトしてるうちにパスコがブチ抜いていく展開希望w

バトル・アゲンスト・ダムネイション
LOVEBITES
ビクターエンタテインメント (2018-06-06)
売り上げランキング: 8,246

LOVEBITES 『AWAKENING FROM ABYSS』

Artist LOVEBITES
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Album 『AWAKENING FROM ABYSS』
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Tracklist

1. The Awakening
2. The Hammer Of Wrath
3. Warning Shot
5. Scream For Me (Awakened Version)
6. Liar
7. Burden Of Time
8. The Apocalypse (Awakened Version)
9. Inspire
10. Don’t Bite The Dust (Awakened Version)
11. Edge Of The World
12. Bravehearted (Awakened Version)

3000枚限定(とは言ってない)のデビュー作LOVEBITES EPが日本のメタルシーンを色々な意味で騒がせた、ガールズメタル界期待の新星LOVEBITES。その前回の時に、「いま最も勢いのあるガールズバンド」ことBAND-MAIDと比較して記事を書いたが、結果的に比べる必要が無かったくらい、両者に重なる部分や似てる部分というのは意外にも少なかった。まず互いに「ツインギター」を特徴としているが、LOVEBITESはギターの見せ場となるツインリードやソロバトルをフル活用した「これぞメタル」なギタープレイを奏でる一方で、【コンポーザー】【リードギタリスト】【リズムギタリスト】であるカナミ・カエルオーカーフェルト擁するBAND-MAIDは、本来はリズムギター担当であるはずの小鳩ミク「当て振り鳩女」なのでもはやツインギターじゃなくて実質ワンハーフギターみたいな扱いで、しかしそれをカバーするように小鳩デブはツインボーカルあるいはコーラス役としてBAND-MAIDの楽曲にちょっとだけ貢献している。その「ギター」の次に「ボーカル」の面でも大きな違いがあって、LOVEBITESのフロントウーマンであるasamiは超絶ハイトーンボイスを駆使したこれまた「これぞメタル」なボーカルパフォーマンスを披露する一方で、BAND-MAID彩ちゃんSHOW-YAの寺田姐さんリスペクトな「これぞハード・ロック」な歌声から、一方で安室ちゃんなどの王道的なJ-POPにも精通する幅広い歌声を聴かせるタイプの器用で柔軟性の高い「フレキシブル」なボーカリストで、最終的にはその「ボーカル」と「ギター」を起因とした「楽曲面」での大きな違いに行き着く。しかし、その「ボーカル」と「ギター」、そして「楽曲面」を有に上回る大きな違いが存在した、それが「おっぱい」の大きさだった・・・。そもそも根本的な話からして、このLOVEBITES「ガチのガールズメタル」を謳った「嬢メタル」である一方で、BAND-MAID「ガチのハード・ロック」を謳った「ガールズロック」あるいは「V系」であるという時点で、比較する前から既に結果は見えていた。

結局のところ僕が言いたかったのは、両者は互いに棲み分け(共存)できる者同士であり、双方のフアンもギリギリ被らないということで、そういう面では結果的に両者を比較したことは正しかったんじゃあないかって。でも正直に本音を言ってしまうと、「このLOVEBITESとかいうの、ちょっとバズりそうだな」って思ったから、今のうちにフアン予備軍をBAND-MAIDに流しておこうと目論んだ結果、ヘタしたら今回のフルアルバムで元々バンメに付いていたメタラーがLOVEBITESにごっそり引き抜かれそうな勢いで、ヤベーこのままじゃケツ捲くられるやん小鳩どーすんのもうケツ見せろ、って感じでめっちゃ動揺してる。それは冗談として、唯一似ているというか共通しているのは、互いに海外リリースがJPU Recordsのレーベルメイトであることを筆頭に、そして「LOVEBITES」というバンド名の由来となったHALESTORMリジー・ヘイルがツイッターでLOVEBITESの曲に反応していて、面白いのは、BAND-MAID”Don’t let me down”がそのHALESTORMの曲にソックリというかオマージュしているという謎の共通点もある。つまり、今や日本のガルバンにも影響を与えるほどの大物ロックバンドになったHALESTORMを売れる前にこのブログで取り上げていた俺すごい(えっ)

映画界の巨匠クリストファー・ノーラン「本物志向」の映画監督ならば、前作の『LOVEBITES EP』LOVEBITESが強く示しだしたのが「本格メタル志向」、その「本格メタル志向」はこのフルアルバムでも貫かれていて、前作同様にミックス/マスタリングにはフィンランドの重鎮ミッコ・カルミラミカ・ユッシラを、ソナタ・アークティカのワンコを引き連れたB級クサメタル風のアートワークにはHELLOWEENの作品でもお馴染みの絵師を迎え、そして前作のEPではサポート扱いだったギタリストのMi-Yaが正式加入により、晴れて5人編成の「爆乳戦隊ラブバイツ」として万全の体制で挑まれたフルアルバムとなっている。そんな、誰もが待ち望んだであろうLOVEBITESの1stフルアルバム、しかし前作の『LOVEBITES EP』の出来があまりにも良すぎたことで、逆にフルアルバムに対する期待よりも不安の方が大きかった人も決して少なくないはずだ。確かに、実際に今作を聴いてみてもEPの曲がアルバムのテンションを引っ張っている感は否めないが、逆にそのEPの曲を強靱な骨組みとしてアルバムの中に組み込んでいる。

まずは「これぞメタル」なシンフォニックでシアトリカルなSEで静かに始まるオープニングの#1”The Awakening”に次いで、改めてスケール感溢れる「これぞメタル」なイントロから、asamiの「Go!!」を合図にザックザクに切り刻む殺傷力の高いリフで疾走する#2”The Hammer Of Wrath”から、asamiの超絶的なハイトーンボイスを皮切りに、某イケメンも禿げ上がるほどピロピロギュイーンと弾きまくりなmidorimi-yaのツインギター、そしてリーダーのmihoとツーバスドコドコなharunaによる安定感抜群なリズム隊が織りなす「ガチなメタル」にガッツポーズ不可避な、まさにLOVEBITES「本格メタル志向」に対する答えを濃縮したような幕開けを飾る。間髪入れずにスティーヴ・ヴァイ顔負けの高速速弾きソロを披露する#3”Warning Shot”Symphony X JAPANばりに壮麗なシンフォニック・アレンジとスリリングなキザミリフで展開するリード・トラックの#4”Shadowmaker”、そしてEPに収録された”Scream For Me”(Awakened Version)を挟んで、6曲目の”Liar”は今作のハイライトで、優美なストリングスとEPでも見せたことがなかったasamiのバラード映えする歌声で幕を開け、そのasamiの「ボーカリスト」としての類まれなる才能を見せつけるエモーショナルな歌とmi-ya節全開の叙情的なバッキングを筆頭に、最初から最後まで弾きまくりなツインギターを中心にドラマティックに展開していく。この曲はLOVEBITESの可能性を広げるような、ちょっと色々と見直すくらいの名曲だ。

ここまで聴いて思うのは、やっぱりmi-yaの正式加入はバンドにとって非常に大きな出来事だったということ。それというのも、アルバムのリード曲からも分かるように、ここまで#2を除くほぼ全ての曲をmi-yaが作曲/アレンジしていて、つまりmi-yaの曲がアルバムの基礎的な部分を占めていて、特に先ほどの”Liar”で彼女はスティーヴ・ヴァイや叙情派メタルコアにも精通する速弾きギタリストである傍ら、その一方で【コンポーザー】としてその非凡な才能を発揮している。もはやmi-yaの存在はLOVEBITESに欠かせないほど大きな存在で、もはやmi-yaのいないLOVEBITESカナミ・カエルオーカーフェルトのいないBAND-MAIDと同じだ。

後半からは、ハード・ロック色の強い#7”Burden Of Time”とEP収録の#8”The Apocalypse”を皮切りに、リーダーのmihoLight BringerMaoの共作曲を中心に展開してく。チルボドの名曲”Needled 24/7”ばりのギターをフィーチャーした#9”Inspire”、EPの”Don't Bite The Dust”、そして終盤のハイライトを締めくくる”Edge Of The World”では、美しいピアノをバックにボーカリストasamiの真骨頂と呼べる情感溢れる歌声と伊藤セーソク泣くがいい。声をあげて泣くがいいとかいう名言をこぼしそうな泣きのギターソロで幕を開け、中盤からはドラマティックにスケール感マシマシに展開していき、最後はex-Kamelotヘロイ・カーンの「ヘロヘロ魂」が憑依したかのようなasamiのガッツポ不可避なボーカルの怒涛の応酬でアツく感動的なラストを迎える。この曲はmi-ya作曲の”Liar”と対になるようなアルバムの2大看板を担う名曲で、言うなれば”Liar”Within Temptationに代表される欧州のシンフォニック・メタル勢への回答とするなら、この”Edge Of The World”Kamelotに代表されるアメリカのパワーメタル勢に対する日本からの回答である。

EPに収録された曲にはちょっとした変更点があって、まず”The Apocalypse”はイントロからasamiのシャウトやツインリードが加えられており、ブレイクパートではオルガンの音が採用されている。でも正直、オルガンよりもオリジナルの鐘のほうが荘厳な曲調に合ってたような気もする。こういうのって基本的にアルバム用にアレンジしたものより元のアレンジのが良いって賛否両論が起こるけど、まさにその典型例みたいな。とは言え、オリジナルの曲のイメージを損なわないアレンジなんで無問題だ。あと”Scream For Me”はソロバトルのアウトロがフェードアウトじゃなくなってるのと、EPでは日本語歌詞で歌っていた”Bravehearted”を今回の英語版でも全く違和感なく聴かせるのは、他ならぬasamiの歌唱スキルあってのものだ。確かに、12曲中1曲だけ日本語にするのは変だからってのは十分に理解できる。けど、この曲だけは日本語の方が良い。ここだけは絶対に譲れない。

今回フルアルバムになったことで、よりメンバー全員の持ち味が思う存分発揮されているというか、遂に本性を現したというか、改めてその「スーパーバンド」的な演奏力の高さに驚かされるし、それはハイトーンだけじゃない感情表現豊かなasamiのボーカルであったり、mi-yaの隠れたソングライティングであったり、とにかくそれぞれ個人のアーティストとしての才能が爆乳もとい爆発している。勿論、アレンジや作曲面ではまだまだ荒削りな部分はあるし、その分まだまだ伸び代はあるって事だし、とにかくガールズメタル界に新しい風を吹き込むであろうその将来性やバンドの可能性を無限に感じさせたフルアルバムだった。しっかし、なんで自分がここまで推しているのかっていうと、ただメンバーのおっぱいがクソでかいからという理由だけでは決してなくて(失礼な)、それはキャプテン和田誠のネットラジオでもよく耳にしたビクター担当の杉山氏を久々に拝見したことで、そういった面でも自分がこのLOVEBITESを贔屓にする一つの理由となっている。

結局なんだろう、このLOVEBITESを活かすも殺すもフロントウーマンであるasamiのやる気次第で、それというのも、LOVEBITESといわゆる嬢メタルと呼ばれる他のバンドとの違いってやっぱりフロントの存在だと思ってて、LOVEBITESasamiは珍しく他の嬢メタルのフロントにはない突出したスキルや華やかさを持っていて、個人的にそこに他の「嬢メタル」との違いを見出し、まずそこに惹かれたのだけど、そのasamiは今作でEPを凌駕するスキルフルなパフォーマンスでその圧倒的な存在感を放っている。でも今ってどこも「ライブやってナンボ」な時代で、そこで心配になってくるのは、asamiのコーラス仕事などの副業的な兼ね合いからライブ本数こなせない、スケジュールの制限によってまともに活動できない問題だ。というか、今のasamiにとってはむしろLOVEBITESが副業かもしれない状況で、これから良くも悪くもasami中心のワンマンバンドになっていきそうなフラグビンビンだ。ちょっと妄想すると、もっとLOVEBITESの音楽性に「大衆性」や「ポップさ」を求めていきたいasami側とmiho&harunaのガチメタラー勢による対立からバンドに内紛が起こって、そのmihoharunaのトンデモナイ爆乳に囲い込まれるasamiを助け出して僕が代わりに「ぱふぱふ」されるドラクエ的な展開ありますか?でも最終的にバンドの足を引っ張りそうなのはレーベルのビクターというオチ・・・お後がよろしいようでw

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LOVEBITES
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LOVEBITES 『THE LOVEBITES EP』

Artist LOVEBITES
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EP 『THE LOVEBITES EP』
_SL1000_

Tracklist

01. Don’t Bite The Dust
02. The Apocalypse
03. Scream For Me
04. Bravehearted

BAND-MAIDの時代は終わった(終わんの早ぇ)
これからは
LOVEBITESの時代だ!

先日、ビクターエンタテインメントから3000枚限定(限定とは言ってない)となるデビュー作『THE LOVEBITES EP』をリリースしたLOVEBITESは、VAMPSUVERworldをはじめとする人気アーティストのツアーにコーラスとして参加してきたボーカルのasami、ベーシスト兼リーダーのmiho、そのmihoとかつて別のバンドでリズム隊を組んでいたドラムのharuna激情☆めたりっちぇのギタリストでお馴染みのmidori、そしてSIAM SHADEのベーシストのバンド21gに在籍するサポート・メンバーのmi-yaからなる実力派の五人組で、昨今、大いに盛り上がりを見せるガールズ・メタル界の未来を背負って立つであろう最重要バンドの一つだ。

まず、いわゆる「嬢メタル」とも呼称される場合もあるガールズ・メタルやBAND-MAIDをはじめとしたガールズ・ロックバンドとLOVEBITESには、決定的な大きな違いがある。それは、このLOVEBITESは徹底した「海外メタル志向」を強く謳っている所で、それを裏付ける証拠の一つとして、今作にはNightwishChildren of BodomStratovariusAmorphisをはじめとしたフィランドのメタルレジェンドの作品を数多く手がけてきた重鎮ミッコ・カルミラをミキシングに、マスタリングにはミカ・ユッシラを迎えて、老舗スタジオのFinnvox Studiosで作業されたことを大々的にセールスポイントとしている。個人的な思い入れとして、ミッコ・カルミラといえばフィンランドのバンドと言うよりNovembre『The Blue』一択なんだが、とにかくメタルの聖地とされるフィンランドのエンジニア・チームと伝統のスタジオが制作に関わってるところを見れば、だてに「海外志向」を謳ってない、海外メタルに対する憧れ(リスペクト)と徹底した「こだわり」を感じさせる。つまり、いわゆる凡百の嬢メタルでも凡百のラウドロックでもない、本当の意味でのガールズ・メタルを信念に掲げるLOVEBITESだが、ここからはタイプの違うBAND-MAIDを比較対象にLOVEBITESの楽曲、そのバンドの魅力を紐解いていこうと思う。

LOVEBITESの「海外志向」はそれだけではない。国内で活動するメタルバンドってどうしても何かしら日本的というか、いわゆる歌謡メタルっぽくなったりしがちだが、このLOVEBITESの楽曲はその”日本風”の要素をほとんど感じさせない。その「海外志向」に対する「こだわり」は、全編英詞で挑まれた今作のリードトラックとなる一曲目の”Don’t Bite The Dust”から十二分に伝わってくる。この曲は、リーダーのmihoLIGHT BRINGERのキーボード奏者Maoによる共作で、イントロからIron Maidenリスペクトなツインリードのハモリをフィーチャーした、デンデケデンデンと音を立てて滑るような疾走感に溢れた伝統的なヘヴィ・メタルナンバーだ。しかし、その王道的なヘヴィ・メタルを聴かせる楽器隊以上に驚かされるのは、他ならぬボーカルのasamiの存在だ。

『asami VS. 彩ちゃん』

BAND-MAID彩ちゃんも成長著しいボーカリストだが、LOVEBITESasamiはデビュー作の初音源の一曲目にして、その類まれなる歌唱力と持ち前の超絶的なハイトーンボイスを披露している。特に、曲終盤で見せる天を貫きどこまでも伸びていくような高音シャウトは、それこそX JAPAN出山ホームオブハート利三ことToshiHalloweenマイケル・キスクをはじめとした、ハイトーンボイスを特徴とするメタルレジェンドたちに匹敵するレベルだ。確かに、以前までの彩ちゃんは決して上手いと呼べるボーカリストではなく、BAND-MAIDは楽器隊を中心に引っ張っていくタイプのバンドだった。しかし、今年の初めにリリースされた1stフルアルバムJust Bring Itでは、その「楽器隊主導」というバンドのイメージを覆すような、むしろ逆に彩ちゃんが楽器隊を引っ張っていくくらいの勢いで「ボーカリスト」としての「成長」を垣間見せていた。一方でLOVEBITESasamiは、現時点で既にメタル界のハイトーン系レジェンドを比較対象にせざるを得ないレベルのスキルフルな実力派ボーカリストで、それこそ楽器隊が奏でる海外仕様のヘヴィなメタル・サウンドに埋もれることのない、むしろそれを凌駕する圧倒的なボーカルパフォーマンスを見せつけている。ここでもう一つ、LOVEBITESが掲げる「海外志向」への「こだわり」を語る上で欠かせない部分があって、それは今作の4曲中3曲が英詞で書かれているという点で、ただでさえ「メタル」という強靭なフィジカルを要求される音楽ジャンルに難なく適応しながら、かつ「こだわり」の英詞もネイティブレベルに歌いこなす事ができる、それもこれも全てアメリカ帰りのasamiだからこそ成せるワザと言えるだろう。端的に言ってしまえば、BAND-MAID彩ちゃんSHOW-YA寺田恵子姐さんリスペクトな80年代のハードロックから安室奈美恵リスペクトな今のJ-Popにまで幅広く精通する、言うなれば汎用的かつ柔軟性の高い「ロックボーカリスト」だとすると、このLOVEBITESasamiは「メタル一本」に焦点を絞った実に理想的な「メタルボーカリスト」だ。・・・は?asamiと比べて彩ちゃんの英語の発音が酷いって?それは「意図的」だから・・・安室ちゃんリスペクトだから・・・小鳩ミクに「X JAPANのオマージュしたいから出山みたいに発音酷くてもいいっぽw」って指示されてるだけだから・・・だよね彩ちゃん?

「ギタリスト対決」

LOVEBITESの魅力はasamiのボーカルだけじゃあない、ギタリストmidorimi-yaが織りなすツインリードおよびGソロもLOVEBITESの大きな武器として、今作の全ての楽曲でその絶対的な存在感を示している。正規メンバーの中でも一番の実績を持つex-激情☆めたりっちぇmidori、片割れのmi-yaともに実績のある実力派のギターコンビだ。確かに、mi-yaは現状サポート・メンバーという形だが、比較対象となるBAND-MAIDのギタリスト歌波、そして小鳩ミクは実質サポートギターみたいなもんだからフェア、というよりむしろ小鳩ミクは「サポートされる側」なので、この「ギタリスト対決」は戦う前から既に決着していると言っても過言じゃあない。

「メタルといえばギター」「メタル=ギター」「メタル=ベースいらなくね」みたいなジョークが飛ばされるくらい、メタル・サウンドを構成する上で最も大事な音がギターだ。確かに、インディーズ時代のBAND-MAIDは、80年代の伝統的なハードロックやクラシック・ロックに精通する「リフ重視」のハードロックを展開していたが、新作のJust Bring Itではタイトでモダンなヘヴィロックあるいはラウドロックをベースとしたサウンド・スタイルへと変化していた。一方でLOVEBITESのギター組は、そのメタルメタルしたリフとドラフォばりのピロピロ系ツインリードやギターソロを全面にフィーチャーしたコテコテのメタルギターを披露しており、特にGソロではBAND-MAID歌波との違いが顕著に現れる。LOVEBITESのGソロは、ツインギターならではの掛け合いやハモリを駆使したピロピロギュイーン系の典型的なヘヴィ・メタルのソロを特徴としているが、一方で歌波BAND-MAIDというバンドのコンセプトおよび世界観を崩さないように、あくまでも楽曲に華を添えるワンポイントとして、あくまでもバンドの脇役に徹しながらも、サンタナリスペクトな泣きが込められた情感重視のソロや彼女のインテリジェンスが凝縮されたフレーズで聴かせるタイプのソロを持ち味として聴かせる。確かに、BAND-MAIDの中には”alone”というGソロが際立った曲も存在しないわけではないが、このLOVEBITESはその比じゃないくらいGソロがガチってて、このEPにも3曲目の”Scream For Me”という「ギターソロが主役」みたいな曲も当然のように収録されている。

例えば、ギタリストとしてBAND-MAID歌波が影響を受けているギターヒーローがサンタナならば、それではmidorimi-yaが影響を受けたギターヒーローは誰なのかって考えてみた結果→もしかしてX JAPANの影響があるんじゃあないかって。いや、さっきまで「海外志向ガー」って散々言ってたのに即矛盾してて申し訳ないのだけど、ナゼそのX JAPANからの影響、その可能性を感じたのか、それは2曲目の”The Apocalypse”を聴けば顕著で、この曲はKreatorをはじめとした往年のジャーマン・スラッシュを彷彿させるスラッシーなキザミ主体に展開し、サビではHalloween(キスケ期)の名曲”Eagle Fly Free”を彷彿させる、隙きあらば超絶ハイトーンをブッ込んでくるasamiの叙情的な歌をフィーチャーした、絶妙なストリングス・アレンジを効かせた王道的なジャーマン・メタルで、そしてこの曲の最後にツインギターでスリリングに弾き倒す場面があって、それが完全にX JAPAN”Silent Jealousy”の今はなきhideと今はなきPATAによる伝説のツインリードをフラッシュバックさせる。確かに、確かに小鳩ミクがせめて「サポートされる側」ではなく「サポートする側」としてギターを弾けるようになれば、さすがにツインリードまでやれとは言わないが、少なくとももっと違ったアプローチからBAND-MAIDの楽曲を彩る事が出来るんじゃあないかと思う。とは言え、現状の役割でも十二分にいい曲が書けているし、それこそバンメはLOVEBITESと違って「ギター重視」のバンドやジャンルでもないので、今さら無理にナニかを変える必要性は微塵もない。

「リズム隊対決」

ここまでは「ボーカル」と「ギター」の違いについて書いたが、実はBAND-MAIDLOVEBITESを比較した時に最も大きな違いが現れるパートが「リズム隊」である。まずBAND-MAIDの魅力を語る上で欠かせないのが、ベースのMISAとドラムののリズム隊の存在で、バンメはBPMの速い曲でもこのリズム隊主導のグルーヴ感やタイト感を押し出した、スピード感よりもあくまで「リズム重視」のバンド・サウンドを持ち味としている。一方でLOVEBITESのベーシスト兼リーダーのmihoとドラムのharunaのリズム隊は、以前まで一緒にバンドを組んでいただけあってその相性は言うまでもなく、mihoの指弾きベースが奏でるバインバインに力強い低音とharunaクリス・アドラーさながらのパワフルなドラミングが織りなす、もはや「グルーヴ?知るかハゲ」みたいなヘヴィ・メタルならではのゴリゴリのスピード感を重視した、これぞメタルな「速さ」を全面的に押し出した、メタル・サウンドを作るうえで必要不可欠な強靭な土台で他を支えている。一見、フロントマンasamiの超絶的なハイトーンと歌唱力に依存しているように見えるLOVEBITESだが、その縁の下の力持ちとしてリズム隊の存在があることを忘れちゃあならない。確かに、BAND-MAIDは「ベースいるくね」の音楽だが、だからと言ってLOVEBITESは「ベースいらなくね」の音楽では決してない。

「おっぱい対決」

正直、全くタイプの違うバンドを比べること自体おかしな事だし、途中から自分でも「これ比較する意味ある?」とか疑問に思いながらも、ここまでの比較をまとめると、某メタル雑誌の某編集長や某セーソクや某キャプテンのオキニにされるのがLOVEBITESで、某メタル雑誌にスルーされるのがBAND-MAID、今年の国内最大の某メタルフェスのOPアクトに指名されそうなのがLOVEBITESで、某メタルフェスに呼ばれそうにないのがBAND-MAID、そして各パートの色んなところがバインバインに張り出しているLOVEBITESに対して、BAND-MAIDは誰かが突出するのではなく各パートが均衡したバランスタイプのバンドだと言うこと。で、これが最後に僕が導き出した「LOVEBITESにあってBAND-MAIDにないもの」であり、これまでの「ボーカル」「ギター」「リズム隊」の違い以上に両者を隔てる最も大きな違い...それが「おっぱい」だ。



これはもう確実に俺たち童貞メタラーを殺りにきてる「トンデモナイおっぱい」だ。まずこのMVを観ればひと目にしてその明確な「違い」が分かるはずだ。もうこれまでの比較なんてどうでもいい、この「おっぱい」こそ全てだ。平均的カップ数で比べる必要性はないくらい、もはやリーダーのmihoとドラムのharunaの「リズム隊」ならぬ「おっぱい隊」のカップ数だけで、既にBAND-MAIDの五人のカップ数を幾倍にも超越しているんだ。これはもう2曲目の”The Apocalypse”よりも殺傷力の高い、そしてどのパートよりも力強くバインバインに張り出している・・・これはもうとんでもない「おっぱい」だ。僕は今、この「おっぱい」に対して猛烈に感動している。でも待ってほしい、僕はこの「おっぱい対決」を通して一つ重大なことに気づいたことがある。それは、他ならぬ小鳩ミク「セルフプロデュース力」だ。この対決で、小鳩ミクは自身の名前に合わせて「小鳩胸」を貫いていることに、つまりこの「大鳩胸VS.小鳩胸」における自らの立ち位置を理解したキャラ設定、そのLOVEBITESは元より他のバンメンバーですら敵わない、小鳩ミクによる「セルフプロデュース力」に僕は涙を抑えることができなかった。僕は、「小鳩」だからって「小鳩胸」を貫き通す小鳩ミクの営業努力にただただ涙していたんだ。ちなみに、mihoによるセルフライナーノーツによると、一曲目の”Don’t Bite The Dust”というタイトルは、mihoが好きな漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の4部の吉良吉影の能力でお馴染みの「バイツァ・ダスト」が元ネタになっている。まさかメンバーの中にジョジョ好きがいるなんて、しかもライナーノーツでジョジョや吉良吉影の名前を目の当たりにするとは思ってなかったから、素直に驚いたというか、素直に推せるというか、要するに僕は「日本一のジョジョオタ」なので多少の下ネタは許してくれるはずだ(謎理論)。

1~3曲目まではバンドの「こだわり」の一つとなる全編英詞だったが、EPのラストを飾る4曲目の”Bravehearted”だけは、このEPの中で唯一日本語歌詞で挑まれた曲となっていて、ボーカルのasamiはこれまでの超絶ハイトーンをフィーチャーした歌から一転して、それこそ彩ちゃんというかSHOW-YAの寺田姐さんに急接近する低域を効かせた力強い歌を披露する。面白いのは、英語で歌ってる時のasamiとはイメージがガラッと一変するところで、日本語歌詞だけあってEPで最も「日本的」というか典型的なジャパメタっぽさもあって新鮮に聴こえるし、同時に馴染み深い言語だからかどっかのタイアップ取ってこれそうなキャッチーさもある。英詞だけでなく日本語の歌詞もバリバリいけるのは単純にバンドの強みだと思うし、あらためてasamiのボーカリストとしての才能に驚かされる。

ここまで全4曲ともに、伝統的なヘヴィ・メタルやジャーマン・スラッシュなどの古典的なメタル愛に溢れ、その一方で90年代のヌーメタ以降のアメリカンなモダンさを内包した曲や「海外志向」と思いきやX JAPAN顔負けのシンフォニックなジャパメタありーので、とにかく、たった4曲だけなのにその熱量とスピード感溢れるメタル魂が炸裂しまくっている。欲を言えばミドルテンポの曲も聴いてみたかったが、デビュー作から海外エンジニアを迎えて本格志向のヘヴィ・メタルやってのける「ガチ感」は素直に推せるし、これでフルアルバムに期待しないほうが逆におかしいレベル。

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