Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

レビュー (L)

Leprous 『The Congregation』

Artist Leprous
Leprous-2015

Album 『The Congregation』
Leprous-The-Congregation

Producer/Engineer David Castillo
David Castillo
Mixing Jens Bogren
Jens Bogren

Tracklist

01. The Price
02. Third Law
03. Rewind
04. The Flood
05. Triumphant
06. Within My Fence
07. Red
08. Slave
09. Moon
10. Down
11. Lower
12. Pixel

Opethの後継者 ・・・自出がThe Black Lodge Studio同士、ある種の兄弟分でもあるスウェーデンのIn MourningとノルウェーのLeprous、デビューアルバムを出すやいなや「Opethの後継者だ!」なんて過度な期待を受けたこの両者、頑なにThe Black Lodge Studioから離れようとしなかったIn Mourning、一方で早々にイェンス・ボグレンという大きな才能を引き入れたLeprous、一体どこで差がついたのか・・・?ちょっと前まではイーサン叔父貴の親戚兼サポートバンドみたいな認識だったのが、今やエクストリーム・メタル界を代表する存在にまで成り上がったレプラス。そんな彼らの約二年ぶりの4thアルバム『The Congregation』は、そこれはもう映画『レ・ミゼラブル』ならぬ『レ・プラス』だと高い評価を得た前作の3rdアルバムCoalの延長線上にある一枚となっている。

Post-Djent ・・・おいら、DIR EN GREY”Unraveling”はPost-Djentだと解釈しているんだが、というより、この曲を聴いて真っ先に頭に浮かんだバンドが実はレプラスで、もっと言えば自分の中でPost-Djentと聞いて一番にイメージするのが、レプラスの3rdアルバム『Coal』に収録された”The Valley”とかいう名曲で、これはスティーヴン・ウィルソンの4thアルバム『Hand. Cannot. Erase.』”Home Invasion”という曲を聴いた時にも、あらためて近年のメタル界を代表する一曲だと再確認させられた。何を話そう、この『The Congregation』は、前作の名曲”The Valley”の世界観を更に深い所まで掘り下げた、もはや余計な音を極限まで削ぎ落とした底すらない漆黒の闇、極限まで研ぎ澄まされた無の境地へと、まるで気分は映画『インターステラー』でワームホールの中を彷徨うマシュー・マコノヒーさながら、もはや異次元あるいは五次元超超立方体を彷徨い続け、そして遂に孤高の音楽に辿り着いちゃった感すらあるのだ。他の者の介入を許さない研ぎ澄まされた狂気的な精神世界の中で、過去最高にスタイリッシュに刻まれる鬼リズム&鬼グルーヴを核に、まるで精密機械であるかのような鬼気迫る音の波動を形成するその姿は、イーサン叔父貴を喰らって突然変異しちゃったノルウェイの森に棲む”スタイリッシュ変拍子型巨人”とでも例えようか。



非・踊らせ系 ・・・その今作における”スタイリッシュ変態”を象徴するのが、今作の幕開けを飾る#1”The Price”と#2”Third Law”で、それこそスーツ姿のビシッとキマったイケメンばりの”スタイリッシュ変拍子”を刻みこむ、某国産ガールズバンド的に例えると”非・踊らせ系”のリズムを主体に、ある種のエレクトロ/インダストリアルというかモダンで無機質な色気を振り撒きながら、その無機的な空気感とともに極上のミニマリズムを打ち出していく。次の#3”Rewind”では、中期ANATHEMAを彷彿とさせるフロイド的宇宙空間で、新メンバーであるバードのジャズ流れのドラミングが暗黒物質の如く奇々怪々とキラメキユラメキながら、そしてイーサン叔父貴を喰らったレプラスの本性という名の狂気を垣間見せるラストのド展開に身震いすること請け合い。そして、序盤のハイライトを飾る#4”The Flood”までの流れは圧巻の一言で、序盤からクライマックスと言わんばかりの只ならぬ緊迫した空気(大気)に一瞬にして飲み込まれる。それ以降も、良い意味で調子乗りまくりなエイナルの演歌歌手ばりにコブシを効かせたドエロな歌声を主体に、行き過ぎないエレクトロなアレンジで曲に変化を持たせつつ情熱的かつドラマティックに聴かせる。そのエイナルのドエロなポテンシャルが感極まる#8”Slave”は間違いなく今作のハイライト。前作はアルバムトータルで一つの物語、それこそ一つの演劇『レ・プラス』を完結させていたけど、一転して今作はアルバム単位でというより曲単位でその世界観だったり物語をコンパクトに完結させているイメージが強い。確かに、序盤の流れがクライマッドマックス過ぎて終盤尻窄みに感じなくもないし、映画さながらスケール感マシマシの前作とは違ってシンプルなタイトルや曲数的にも全体的に小粒感は否めない。感覚的にイーサン叔父貴のDas Seelenbrechen、その中でも”Tacit 2”をイメージさせなくもない。これと似た感覚だと、最近ではLiturgy『The Ark Work』を聴いた時の→「なにやってんだこいつら?!」みたいな感覚に近い。結論から言っちゃえば、これはもう一種の”Contemporary-Djent”と形容しちゃって差し支えないんじゃあないかって。

イェンス×デイビッド ・・・今作、まず何よりもエイナルのボーカルよりもドラムのプロダクションに異常なまでの”こだわり”を感じる。当然、今作はドラム主体の鬼グルーヴ/鬼リズムに重点を置いて作曲されているのだけど、それにしても新メンバーのバード、過去にセッション・ミュージシャンとしてバンドに関わっていたとはいえ、今のレプラスとここまでマッチングする才能の持ち主だとはあまりにも想定外だったし、素直に驚いた。とにかく、ドラムのプロダクションおよび聴かせ方が理想的で、これは今作で初めてエンジニアにデイビッド・カスティロを迎え、かのGhost Wardでレコーディングした影響もあるのか、もはやイェンス・ボグレンデイビッド・カスティロという、既にその手の界隈では重鎮である二人のエンジニアをNEXT-ステージへとステップアップさせるようなキワミ・サウンドを作り上げている。イェンスとデイビッドはレプラスのコンポーザー能力を、レプラスはイェンス(Fascination Street Studios)とデイビッド(Ghost Ward)のスタジオ/エンジニア/プロデュース能力を、双方が持つポテンシャルを互いに高め合うように最大限引き出す事に成功している。それこそ、イェンスとOpethが初対面した名盤『Ghost Reveries』、あるいはイェンスとデイビッドがタッグを組んだKATATONIAの傑作『The Great Cold Distance』という、今やメタル界の二大巨塔を名実ともに一流バンドへと押し上げた、それらの名作に勝るとも劣らない、むしろその”再来”と言っても決して過言じゃあない。それらからも分かるように、名作の条件として最も重要視されるのが”ドラム”の音だ。少なくとも、このアルバム『The Congregation』は、その名作の条件として必要な”ドラム”という最重要課題を難なくクリアしている。

Leprous VS. tricot ・・・なにはともあれ、ボーカルのエイナルをはじめとした個々のテクニックやドラマ性、プログレ然とした展開力やフロイドもビックリの浮遊力全開のアレンジ力、あらゆる音の説得力に只々圧倒される。偉大な先代が築き上げたエクストリーム・ミュージックを自己流にアップデイトして、作品を重ねる毎に独自のオリジナリティを打ち出してきた彼らだが、遂にこの4作目でメタルというジャンルの枠組みを超越した孤高の存在、すなわち未来人としての資格を得たのかもしれない。このアルバムをもってレプラスがエクストリーム・メタル界の頂点に立った、という事実を否定する輩がいるとすれば、恐らくそいつは相当度胸のある人間だと思う。こいつら、マジで久々にメタル界のヒーローと呼べる存在なんじゃあないかって。だから、もし次に来日する際にはtricotをサポートに呼んで”非・踊らせ系”対決して欲しいと思っちゃったんだからしょうがない。
 
Congregation
Congregation
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Leprous
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Lunatic Soul 『Walking on a Flashlight Beam』

Artist Lunatic Soul
Lunatic Soul

Album 『Walking on a Flashlight Beam』
Walking on a Flashlight Beam

Tracklist
01. Shutting Out The Sun
02. Cold
03. Gutter
04. Stars Sellotaped
05. The Fear Within
06. Treehouse
07. Pygmalion's Ladder
08. Sky Drawn In Crayon
09. Walking On A Flashlight Beam

マリウス・デューダ≒京 ・・・おいら、DIR EN GREY”サVカル系男子”こと率いるsukekiyoに最も親和性のあるバンドって、実はRiversideのフロントマンマリウス・デューダ君のソロ・プロジェクト、Lunatic Soulなんじゃねーかと思ってるんだが、例えばsukekiyoの1stアルバム『IMMORTALIS』の一曲目”elisabeth addict”Lunatic Soulの1stアルバム『S/T』だとするなら、二曲目の”destrudo”Lunatic Soulの2ndアルバム『Lunatic Soul II』みたいなイメージを持っていて、このLunatic Soulといえば→初期こそアコギ/パーカッション/ピアノを中心に、フルート/カホン/カリンバ/古筝などのオリエンタルな楽器を擁して多彩なアレンジを効かせた、いわゆる”Post-Progressive”然とした音響意識の高いアンビエント・ロックやってて、しかし3rdの『Impressions』からは初期二作のロック色は薄まって、俄然アンビエント寄りのモダンでアトモスフェリックなミニマル・ミュージックへと変化していった。そして、前作から約二年ぶりとなるこの4thアルバム『Walking on a Flashlight Beam』では、まさしくマリウス・デューダという人間のPorcupine Tree愛、すなわちスティーヴン・ウィルソン愛がバクハツするかのような、それこそSWの一番弟子としてのポテンシャルが宇宙の如く無限大に広がるような、前作のアンビエント路線が更に極まって、俄然スケール感が増した力作となっている。

SW愛 ・・・彼マリウス・デューダSW愛というのは、本家のRiversideを聴けば嫌ってほど分かるし、当然これまでのソロ作品にもその影響はあった。しかし、ここまで露骨なSW愛が込められたアルバムはなかったように思う。そんな彼の異常なまでのSW愛は、この『Walking on a Flashlight Beam』の幕開けを飾る”Shutting Out the Sun”を聴けば顕著で、それこそ彼が敬愛しているPTの1stアルバム『The Sky Moves Sideways』や2nd『Signify』を連想させる、さざ波のSEをバックにモダンなエレクトロが荘厳かつ神秘的な雰囲気を醸し出し、聴き手を誘惑するかのようなマリウスの深みのある歌声と実験音楽的な音使いをもって、それらを全て飲み込んで宇宙規模のATMSフィールを広域に展開していく。次の#2”Cold”では、より仏教的な音響やレーベルメイトの某TesseracTの名曲を彷彿とさせるアルペジオを駆使した、トリップ感あふれるミニマルなエレクトロニカ/アンビエント・ミュージックを繰り広げ、独特の”ウネり”を効かせた持ち前のグルーヴィなギター・ベースを軸に、マラカスなどのエスニックな楽器や胸に染みわたるマリウスの叙情的な歌声が妖艶に絡み合い、それこそTool直系の妖しい呪術を唱えるかのような#3”Gutter”、まるで気分は宇宙空間を彷徨うサンドラ・ブロックなATMS系インストの#4”Stars Sellotaped”、いくつもの狂気的な音響が重なりあって小さなブラックホールを形成するかのような、まるで地下鉄に一人取り残されたような不安感に苛まれる#5”The Fear Within”、レーベルメイトの中期ANATHEMAやレディへを連想させるUKミュージック的なモダンな音使いとレトロフューチャー感のあるオルガンが織りなす#6”Treehouse”は、初期椎名林檎†††に通じるフェミニンでアンニュイなムードを纏った、それこそ薄暗い雲に覆われた始まりから徐々に優美な光が差し込むような、これぞPost-Progressiveな、まさしくK-Scopeサウンドを垣間みせる。その流れを継いで、艶美なエレクトロとOpethあるいはStorm Corrosion譲りのダーティなアコギが暗黒街主催のエレクトリカルパレードを奇しく彩る行進曲のような#7”Pygmalion's Ladder”への流れは今作のハイライトで、そのままアルペジオ主体の#8”Sky Drawn In Crayon”から、再びIsisばりの”Post-感”あふれるモダンな音響主体の表題曲の#9”Walking On A Flashlight Beam”を最後に、この物語『SW♥LOVE♥ビーム!』は幕を閉じる。

マリウス×SW ・・・今思うと、本家Riversideの5thアルバム『Shrine of New Generation Slaves』のボートラとして収録された、実験的なインストナンバーの”Night Session”が今作への伏線だったのかもしれない。UKミュージック風のモダンなエレクトロを大胆に取り込むことで、大幅な音の洗練とスケール・アップが図られ、1stアルバムの”Out on a Limb”をルーツとしたLunatic Soulらしいダーティなオリエンタリズムと、その首謀者マリウス・デューダとかいう人物に宿る深い闇がクロスオーバーした末に産み落とされた、それこそトラヴィス・スミスが手がけたアートワークのように、無数の音がクロスしてパノラマの如く眩い光を放つイメージが直に伝わってくるかのような、まるでスティーヴン・ウィルソンに対するマリウス君の歪んだ愛情がそのまま歪んだAtmosphereへと変貌したかのような一作だ。その長年のSW愛が認められたのか、遂にマリウス君とスティーヴン・ウィルソンのコラボが実現するに至った。これは26歳の若さで亡くなったアレックという青年(ファン)のリクエストがキッカケで、アレックが歌詞をマリウスが曲を書いて、それをSWに持ち寄って実現したコラボだ。しかし残念ながら、このコラボ曲が完成する前にアレックは他界。。。ともあれ→このLunatic Soulは1st以降右肩下がりな感じが否めなかったが、このアルバムでまた挽回してきた感じする。それくらい、かなりのSW愛即ちLOVEが込められた力作なんです。

Walking on a Flashlight..
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Lunatic Soul
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Lantlôs 『Melting Sun』

Artist Lantlôs
Lantlôs

Album 『Melting Sun』
Melting Sun

Tracklist
01. Melting Sun I: Azure Chimes
02. Melting Sun II: Cherry Quartz
03. Melting Sun III: Aquamarine Towers
04. Melting Sun IV: Jade Fields
05. Melting Sun V: Oneironaut
06. Melting Sun VI: Golden Mind

ぼく「えぇ!?アルセストがポストブラックをやめるだってぇ!?」

ラントロス君「えぇ!?アルセストがポストブラックをやめるだってぇ!?」

ぼく「よっしゃ!NEXT-ALCESTはLantlôsとWoods of Desolationの一騎打ちや!」 

ラントロス君「よっしゃ!アルセストに習って俺たちもシューゲイザー化や!」

ぼく「えっ」
ラントロス君「えっ」 

・・・ドイツはレーダ=ヴィーデンブリュック出身のマルチミュージシャンMarkus Siegenhort通称Herbst氏によるポストブラックプロジェクト、Lantlôsの約二年ぶり通算四作目『Melting Sun』は、ほぼこんな感じ。近頃は兄弟分のアルセストが新作のシェルターで”脱ポストブラック”宣言をし、ポストブラック界隈が騒然とする中で、そのアルセストの跡目争いの最有力として推薦されたのが、このラントロスやOG産のWoods of Desolationだった。で、まずWoDが3rdの『As the Stars』で先手を打ったが、そのあまりにもガチ”NEXT-ALCEST”な内容に日和ったのか、このラントロスは今作で大きくシューゲイザー方面に振り切っている。まぁ、その”変化”はアルセストのネージュが脱退した事をはじめ、Herbst氏がLíamを放置して新たにLowCityRainなるソロ・プロジェクトを立ち上げた時点で、こうなる事はあながち予想できなくもなかった。

このラントロスの名が一躍有名になるキッカケとなったのが、アルセストのネージュが加入してリリースされた2ndアルバムの.neonだ。このアルバムは、言うなれば今は亡きAmesoeursもしくはAlcestをデプレ系ブラックメタルに振り切ったような、刹那的かつ退廃的な、激情的でありながらも荒涼感に満ち溢れた、それこそポストブラック界の歴史に名を残すほどの傑作だった。しかし、今作のオープニングを飾る#1”Azure Chimes”を耳にして、まず何食わぬ顔でクリーンボイスを披露してみせるHerbst氏に度肝を抜かれ、そしてレジェンドのIsisや同郷のThe OceanIntronautJesuらのPost-Metal勢やDoomgaze勢を連想させる、スラッジーな轟音ヘヴィネスと魅惑のダイナミズムが織りなす超絶ドリーミーなサウンドスケープ、その美轟音の渦に飲み込まれた僕は、まるでフランスのサイケデリックアニメ『ファンタスティック・プラネット』ばりのアートワークのように、「アッダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」とかいう奇声を発しながら、色々な意味で涙を抑えることができなかった。本来、彼らの持ち味であったジャジーでアンニュイでダーティな空間形成は皆無に近く、もはや2ndの頃のラントロスと今のラントロスは別物と言い切っていい。つまり、前作の3rdアッガンペーから既に、いわゆる”ポスト化”が著しく音に現れていたが、その流れが確信的なモノへと変わった結果、その答えこそ今作の『Melting Sun』なんだろう。しっかし、この作風の変化すらもアルセストの後追いというか、デジャブ感を与える所は、ある意味でアルセストの正統な後継者と呼べるのかもしれない。

しっかし、昨年かのDEAFHEVEANサンベイザー【シューゲイザー×ブラックメタル】の新たなる形を音楽シーンへと掲示し、その煽りを受けてその手のジャンルの本家本元アルセストまでも、しまいには兄弟分のラントロスまでも日和ってシューゲイザー化してしまったのは些か考えもので、今のポストブラック界隈にはこの嫌な流れを断ち切る新星が求められている気がしないでもないが...さてさて。
 
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Lycus 『Tempest』 レビュー

Artist Lycus
Lycus

Album 『Tempest』
Tempest

Track List
01. Coma Burn
02. Engravings
03. Tempest

Deafheavenのメンバー率いる、USはオークランド出身の四人組、Lycusの1stフル『Tempest』が、全3曲トータル約42分という、わりとガチなフューネラル・ドゥームやってる件について。わかりやすい話→「なに?元Deafheavenのメンバーが在籍してるって?それなら聴いて損はないっしょ~」と思い、さっそく聴いてみた結果→「死・・・死・・・死・・・」と嘆きながらひたすら重く、それこそ『地獄でなぜ悪い』と逆に開き直るかのような、とてつもない”負のオーラ”を身にまとったお葬式ミュージックなんですがそれは・・・。

 今やアップル(iPhone 5s)の広告塔として活躍するほどの売れっ子ファッションモンスター(ブラック)となった本家デフヘヴン速くてLOVEい音楽性とは対極にある遅くてDEATHい音楽性で、基本的にはいわゆるフューネラル/デス・ドゥームと呼ばれるジャンル、その比較的オーソドックスなスタイルを元にしているんだけど、そんな中、本家デフヘヴンとの類似点を少し強引に挙げるとすれば、それは間違いなくデプレッシブ成分配合のメロディだろう。例えば、#2の6:30秒から聴かせるような、全てが滅び荒廃した世界に咲く一輪の花、もしくは安息地という名の静寂パートなんかはモロにデフヘヴンのソレだし、他にもポスト-〇〇直系のアンビエンス空間や重厚かつ荘厳なストリングスを用いたりと、低音/高音デスと神々しくも幽玄な聖歌風低音ボイスが織りなす、絶望的でありながらもどこか幻想的なこの死界の中で、その確かなメロディセンスを発揮している。特に、本作の目玉でありタイトルトラックの大作”Tempest”は、ブラストを使ったブラックメタル然とした場面からの仄かにスウィーティなシューゲ風メロディ、そして後半10分間のダークアンビエントっぷりが聴きどころ。

 そんなわけで→【シューゲ×ハードコアの代表格がDeafheavenならば、元メンバー率いるこのLycus【ドゥーム×シューゲ】という新たなジャンルを確立している・・・と言いたいところだが、実はそういった攻めた音楽性ではなくて、あくまでも王道的なフューネラル/ドゥームといった感じで(最近だとPallbearerLoss)、つまり【ドゥーム×シューゲ】が聴きたけりゃ40 Watt Sunを聴いて、どうぞ。
 
Tempest
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Lycus
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Last Chance To Reason 『Level 3』 レビュー

Artist Last Chance To Reason
Last Chance To Reason

Album Level 3
Level 3

Track List
01. Rebirth
02. Adrift I: A Vision Begins
03. Cosmos: The Pattern Forms
04. A Glimpse Of Omniscience
05. Adrift II: A Vision Ends
08. The Artist
09. Awaiting
10. Transcendence

USはメイン州オーガスタ出身の五人組、Last Chance To Reasonの約二年ぶり通算三作目『Level 3』なんだけど、かのProsthetic Recordsからリリースされた前作の2nd『Level 2』を初めて聴いた時の印象としては、BTBAMCynicの影響下にあるexperimentalismやプログレ/フュージョン性をイイトコ取りした感じのメタルコアやってて、結構な衝撃を受けた記憶があるんだけど、本作はその前作から1レベルアップしてるだけあって、その内容も当然のように1レベルアップしてる。まず、オープニングを飾る#1”Rebirth”からしてBTBAMもしくはIntronautリスペクトなexperimentalismを発揮し、その流れからテクニカルに弾き倒すフュージョン大好きなGソロ、key/シンセによるCynic顔負けの神秘的な【ATMSフィールド】の形成やボコーダーを効かせた宇宙人ボイスなど...とにかくそのメシュガニキ直系のエグい緩急を効かせた変幻自在の展開力の高さに、前作同様またしても驚かされること請け合いで、中でも#8”The Artist”は確かな1レベルアップ(テレレレッテッテッテー♫)を感じさせるトゥーリッシュな名曲。そんな感じの本作、まるでLCTRがメタルコア界隈の中でも頭一つ抜きん出た存在だと確信させるかのような完成度で、つまり今年リリースされたメタルコアでは特に押さえとくべきマストな一枚と言える。

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