Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

レビュー (R)

℃-ute解散がショック過ぎるので更新停止します

Riverside 『Love, Fear and the Time Machine』

Artist Riverside
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Album 『Love, Fear and the Time Machine』
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Tracklist
01. Lost (Why Should I Be Frightened By A Hat?)
02. Under The Pillow
03. #Addicted
04. Caterpillar And The Barbed Wire
05. Saturate Me
06. Afloat
08. Towards The Blue Horizon
09. Time Travellers

R.I.P. ・・・イギリスの奇才、デヴィッド・ボウイが亡くなった。80年代の音楽シーンに多大なる影響を与え、音楽面は元よりビジュアル面から思想に至る所まで、いわゆるPost-Progressive界隈並びに現代プログレ界の第一人者であるスティーヴン・ウィルソンに計り知れないほどの影響を及ぼし、そして"日本のスティーヴン・ウィルソン"こと漫画家荒木飛呂彦の感性および『ジョジョの奇妙な冒険』に絶大なる影響を与えた、その最もたる偉人が亡くなった。この時間旅行は、そのデヴィッド・ボウイに対する壮大な鎮魂曲なのかもしれない。

プログレ回帰 ・・・このポーランド出身のRiversideというのは、かのスティーヴン・ウィルソン主宰の新興レーベルKscopeが提唱する、いわゆる"Post-Progressive"とかいう流行りのシーンに決して流されることなく、個性あふれる独自のプログレッシブ・ロックを構築していることから世界的に高い評価を得ているバンドで、2013年に発表された5thアルバムShrine of New Generation Slavesは、現代に蔓延るブラック企業の社畜という名の『新世界の奴隷』をテーマに、それこそ新世代のスーパーヒーロー『アイアム・ア・ノマド・フリーマン』が現代の行き過ぎた資本主義に警鐘を鳴らすような一枚だった。一方で、その音楽的には往年のクラシック・ロックに対する理解を著しく深めていた彼らだが、前作から約二年ぶりとなる6thアルバム『Love, Fear and the Time Machine』では、そのクラシック・ロックを基にしたサウンドを着実に踏襲しつつも、しかしこれ以上懐古路線に傾倒することなく、いわゆる「超えちゃいけないライン」を超えない程度に、あくまでも"プログレ"として成立させている。正確には"プログレ回帰"した作風となっていて、しかし一言で"プログレ回帰"と言ってみても、これまでとは一味違ったプログレであることは確かで、何を隠そう、これまで意図的にPost-Progressiveという新興ジャンルから一定の距離を保ってきた彼らが遂に、というか、ここに来てようやくPost-Progressiveの世界に介入してきたのである。

(Love) ・・・ここ最近のPost-Progressive界隈では、イギリスのANATHEMAやフランスのAlcestが新しく立ち上げた新興勢力、その名も黄金界隈』が幅を利かせている状況で、この事態を受け、Post-P(ポスト-ピー)界隈の代表取締役社長兼CEOで知られるスティーヴン・ウィルソンも、2015年に発表した自身のソロアルバムHand. Cannot. Erase.の中で、SWなりの黄金の音』というのを黄金界隈』に掲示してみせた。その異常事態を察知した、SWのクローンことマリウス・デューダきゅん率いるRiversideも、敬愛するSWの後を追従するように黄金界隈』からRiversideなりのPost-Progressiveを展開している。まず、今作のタイトルに含まれたLove(愛)」Fear(恐怖)」という2つのワードからして、いわゆる"LovePeace"を最大のテーマとして掲げる黄金界隈』に、彼らRiversideが入門してきたことを意味する。何を隠そう、その『Love(愛)』『Fear(恐怖)』というキーワードは、荒木飛呂彦の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』にも深い関わりを持つ。例えば→引力、即ち愛(Love)であることや、おれは「恐怖(Fear)」を克服することが「生きる」ことだと思う。世界の頂点に立つ者は!ほんのちっぽけな「恐怖(Fear)」をも持たぬ者ッ!という三部DIOや、『勇気』とはいったい何か!? 『勇気』とは『怖さ』を知ることッ!『恐怖(Fear)』を我が物とすることじゃあッ!と言い放ったツェペリ男爵の名言を筆頭に、ジョジョに登場するキャラクターの言動および行動原理には、他でもない『Love(愛)』『Fear(恐怖)』という二大概念が存在している。人間は『恐怖』を乗り超えることで『勇気』を得ることができる、その言葉どおり、Riversideはこの6thアルバム『愛・おぼえていますか』の中で、これまで見て見ぬふりをし続けてきたPost-Progressiveと真正面から向かい合い、その『恐怖(Fear)』という名の時空を超えて真実の『愛(Love)』を掴みとっている。

恐怖(Fear)  ・・・人は誰しもが【変わる】ことに恐怖(Fear)し、世界的に【新しい】異分子となるものを排除する潮流にあり、その【新しい】異分子が原因で起こる問題に人々は恐怖(Fear)する。おいら、以前からPost-Progressive界の第一人者スティーヴン・ウィルソン荒木飛呂彦は限りなく近い、【≒】の存在であると考えていて、なお且つ黄金界隈』の創始者でありPost-P界の幹部でもあるANATHEMA"オルタナティブ"な音楽遍歴と黄金の精神』を提唱する『ジョジョ』の"オルタナティブ"な冒険遍歴も【≒】の存在であるという独自解釈を持っている。そもそも、『ジョジョの奇妙な冒険』というのは音楽漫画でありプログレ漫画でもある、という前置きはさておき、【ANATHEMA≒ジョジョ】であるという根拠の一つに、ANATHEMAが2014年に発表したDistant Satellitesを象徴する”The Lost Song”という組曲にも、他でもない『Love(愛)』『Fear(恐怖)』の二大概念がテーマに組み込まれていて、中でも”The Lost Song Part 1”のラストシーンにあるThe Fear is Just an Illusionつまり恐怖なんて幻想に過ぎないんだという『ジョジョ』然とした人間讃歌あふれる歌詞(セリフ)を筆頭に、ジョジョ8部『ジョジョリオン』「呪い(ANATHEMA)を解く物語」であること、バンド名を冠した"ANATHEMA"即ち"呪い"の中には『Love(愛)』が込められていること、そのANATHEMAがまさかの来日公演を果たしたこと、そして今回満を持してRiverside"LovePeace"即ち黄金の精神』を描き始めたこと、全てが糸のように繋がっている気がしてならないんだ。現代日本の"リアル"を暴き出していくジョジョ8部『ジョジョリオン』の中で、全く【新しいジョジョ】を切り拓かんとする荒木飛呂彦恐怖(Fear)は想像を絶するものがあるが、しかしその恐怖(Fear)を乗り超えられたならば、歴代最低の評価を受けている『ジョジョリオン』は晴れて傑作の評価を得ることになるだろう。
 

Love:12g⇄Fear:11g ・・・愛(Love)恐怖(Fear)よりも重いのだろうか・・・?人は恐怖(Fear)を乗り超えることで愛(Love)を知るのだろうか・・・?この『愛・おぼえていますか』を司る『Fear(恐怖)』『Love(愛)』、そして『Peace』という3つのワードが一つに集約され、リリックビデオとして先行公開された”Discard Your Fear”からして、アンニュイでメロマンティックな世界観やThe Cure”Fascination Street”をオマージュしたベースラインをはじめ、"オルタナティブ"なクリーン・トーン中心のフレーズやバッキング・ギターに魅了される。そして何よりも→Fear of new life Fear of days of the unknown No more fear of loveという、今作のコンセプトその本質を表した歌詞が全てを物語っている。その80年代のUK音楽リスペクトな耽美的なムードは、オープニングを飾る#1”Lost”から惜しげもなく発揮されていて、前作のリード・トラックである”Celebrity Touch”を彷彿とさせるクラシック・ロック譲りのリフ回し、今作のアートワークの如しどこまでも続く地平線に淡色に揺らめく夕焼けを映し出すようなリヴァーヴィでドリーミーなメロディ、そしてデビュー作『Out Of Myself』の頃にファスト・トラベルさせる抒情的かつ幽玄な旋律を奏でるギター・ワークまで、まさに彼らの『過去』へとタイムトラベルするかのような、今作の幕開けを飾るに相応しい一曲だ。で、ANATHEMAがPost-P界隈の仲間入りを果たし、いわゆる黄金界隈』創設に至る大きなキッカケとなった傑作『We're Here Because We're Here』直系のクリーン・ギターを擁したミニマルなリフで始まり、中盤からエキセントリックなハモンド・オルガンやメロトロンを駆使してグッと場を盛り上げてから、後半にかけて「キング・オブ・プログレ」としか例えようがないPost-然とした展開力を発揮する#2”Under The Pillow”、そして【新しい】ことに対する『Fear(恐怖)』と対峙する#3”#Addicted”は、イントロからPorcupine Tree”Fear of a Blank Planet”を彷彿とさせるポップなビート感に度肝を抜かれ、そのリズムからギター・フレーズ、そしてマリウスきゅんのフェミニンなボーカルを筆頭に、ニュー・ウェーブ/ゴシック・ロックが一世を風靡した80年代のイギリス音楽愛即ちLoveに溢れた、それこそ「ロマンスがありあまる」ような名曲だ。そして、この曲のアルペジオが入ってくるアウトロの場面転換というか、それこそ"イェンス・マジック"により化けたMoonspell”Medusalem”を彷彿とさせる、要するに80年代のUK音楽と現代的プログレを邂逅させたこの瞬間というのは、このRiversideがPost-Progressive界入りを宣言した歴史的瞬間でもあった。
 


タイムトラベル ・・・自らの原点である『過去』や自らの音楽的なルーツでもある80年代の音楽シーンに回帰した彼らは、今度は2ndアルバム『Second Life Syndrome』と3rdアルバム『Rapid Eye Movement』の頃にタイムトラベルする。暗鬱で内省的な世界観やポスト系のキザミで構成されたリフ回しをはじめ、中期のPorcupine TreeあるいはThe Pineapple Thiefを連想させる、それこそイギリスの空模様のようにソフト&ウェットな、それこそPost-Progressive然としたアコギを織り込みながら、ラストは一種の小宇宙を形成するようなエピカルなバンド・アンサンブルでキメる。次はそのメタリックな側面を更に追い求めるかのように、すなわち4thアルバムAnno Domini High Definitionへとタイムトラベルする#5”Saturate Me”は、プログレ・メタル然としたアクティヴでテクニカルなインストをはじめ、マリウスきゅんによるミカエル・オーカーフェルト顔負けの抒情的なボーカル・メロディとキーボードのエピカルでスペイシーな演出とともに、カタルシスを誘うアウトロのアルペジオまで揺るぎない音のスケールで繰り広げる。悪夢を見ているかのようなダーティで物哀しいマリウスきゅんのボーカルをメインに聴かせる#6”Afloat”Alcest顔負けの美しいアルペジオとアート・ロック志向のピアノ、そしてマリウスきゅんのヨンシーばりの繊細な歌声をもって恍惚感に溢れた幕開けを飾る#8”Towards The Blue Horizon”は、そのアルプスの遊牧民と化す幕開けから一転して、Opethの名曲”Bleak”Riversideなりに再解釈した猟奇的なギター・フレーズから徐々に暗黒面に堕ちていく曲で、というより、Pale Communion”River”をイントロから見せ場のスリラーなインストパートまで丸々オマージュしたような曲調で、あらためてOpethがマリウスきゅんおよびRiversideに与えた影響、その大きさを物語っている。そのタイトルどおり、それこそLet's go back to the world That was 30 years ago And let's believe this is our timeと繰り返される歌詞にあるように、『現在』から30年前の『過去』へとタイムトラベルした長旅の疲れを癒やすような、その思い出話に花を咲かせるようなフォーキーなアコギ中心の#9”Time Travellers”、そしてPink Floyd”High Hopes”をオマージュしたようなMVの映像美が見所の#10”Found”を最後に、デヴィッド・ボウイと並びPost-Progressiveの一つのルーツであるフロイドに敬意を表することで、これにてRiversideのPost-P界入りが正式に『許可』される。



再構築 ・・・「僕たちが愛した音楽、そのルーツがどこにあるのか?」を過去30年まで遡って彼らが導き出した答え、「僕たちの音楽」がこの『Love, Fear and the Time Machine』なのだ。マリウスが子供の頃に夢中になった80年代のイギリス音楽、大人になったマリウスが夢中になったPorcupine Treeおよびスティーヴン・ウィルソンOpethおよびミカエル・オーカーフェルト、それらを含むマリウス・デューダが愛した世界中の音楽との再会、つまりタイムトラベルの後遺症により"Lost"した記憶(思い出)をトリモロス(再構築)する音の時間旅行なのだ。子供の頃の記憶を取り戻し、大人になって成長した今の自分を紡ぎ出すことに成功した主人公マリウスは、右手には愛(Love)を左手には勇気(Pluck)を持って、Post-Progressiveという未知なる恐怖(Fear)に立ち向かい、その恐怖(Fear)を乗り超えた先で掴みとった【新しいRiverside】の姿が今作に刻み込まれている。そもそも、往年のクラシック・ロックの音作りでガチのプログレやるパティーンというのは、最近ではMastodon『Crack the Skye』CynicKindly Bent to Free Us、そしてOpethPale Communionが記憶に新しいが、紛れもなくこの『Love, Fear and the Time Machine』もそれらの作品と同じ系譜にあるアルバムと言える。中でも、スティーヴン・ウィルソンが手がけた『Pale Communion』は、今作に多大な影響を及ぼした一枚なのは確かで、Opeth自身もそのアルバムの中で自らの『過去』を再解釈/再構築していたが、このRiversideの場合は自らの『過去』を経由して、更にそこから30年前の音楽を再構築するという、それはまるでスティーヴン・ウィルソンミカエル・オーカーフェルトの間に生まれたマリウス・デューダという名の子供が、親の離婚という『未来』を変えるために『過去』へタイムトラベルして再構築を目指すような、それはまるで未知なる惑星へと向かう途中、ガルガンチュア内部に突入する恐怖(Fear)時空(Spacetime)を超えて究極の親子愛(Love)に辿り着いた、映画『インターステラー』マシュー・マコノヒーばりに前代未聞の事を成し遂げている。そして子(マリウス)が親(SW&MO)という絶対的な存在を超越した瞬間、気がつくと僕はマシュー・マコノヒーばりに咽び泣いていた。

繋ぎの意識 ・・・今作、とにかく曲展開の"繋ぎ"とアウトロに対する意識の高さが尋常じゃない。その繋ぎやアウトロといえば→デフヘヴンの新しいバミューダ海峡が一種のプログレに通じていたのは、他でもない展開の繋ぎとアウトロの意識の高さにあって、今作のRiversideも例外はなく、繋ぎのメリハリを強調することによりプログレという名の様式美/構成美が刻まれていく。そして、いかに今作がOpeth『Pale Communion』をお手本にしてるのかが分かる。特に、#2,#3,#4のクライマックスで垣間見せる、四人の個が互いに高め合いながら一つになり、ナニモノも立ち入ることを許さない"四人だけのセカイ"を構築する孤高のバンド・アンサンブル、それは現代のプログレと称されるポストロック的ですらある、まさにポストでモダン、リリカルでエピカルなPost-Progressive然とした展開力、ある種の「静寂の中にある狂気」は息を呑むほどに「ロマンスがありあまる」。もはやバンドとしての一体感は、ポスト界隈の幹部勢を優に超えたものがあるかもしれない。

変わる ・・・初期二作のクサメロ全開の辺境プログレっぷりから、一転して3rdアルバムではTool直系のモダン/オルタナ化したと思えば、次の4thアルバムではメタリックなモダン・ヘヴィネス化したりと、元々Riversideって【変わる】ことを決して恐れないバンドではあるのだけど、この『Love, Fear and the Time Machine』における【変わる】の意味は、これまでの【変わる】とは意味合いがまるで違う。ピョートル(兄)のギター・ワークからアコギおよびアルペジオをはじめ、それに伴う曲作り/曲構成、そしてリリック面に至るまで、全ての音のトーンが完全にポスト化へとシフトしている。いわゆる洗練されたとかモダン化したとか、そんなベクトルの話とは違くて、ただただ「これがプログレなんだ」感しかない。マリウス&ミシャのインテリコンビとガチムチ系ピョートル兄弟からなる、この凸凹過ぎるギャッピーなビジュアルからは想像つかないほどの、音楽に対する柔軟性や器用さを過去最高レベルで発揮している。中心人物であるマリウスきゅんはマリウスきゅんで、クリエイターとしての才能とソングライターとしての才能を過去最高に高い次元で爆発させている。そして過去最高にSW愛に満ち溢れた作品でもあって、ソロプロジェクトのLunatic Soulで垣間見せたSW愛をそのままバンドに持ち込んだような形とも言える。僕は今作における【変わる】の意味に対して、「軸がブレた」とか、「オリジナリティが薄れた」とは微塵も思わない。むしろSWの正統なクローンだからこそ実現可能にした、紛れもなく真のオリジナリティだ。
 
Love, Fear & the Time Machine
Love, Fear & the Time Machine
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Riverside
Imports (2015-09-11)
売り上げランキング: 29,288

赤い公園 『透明なのか黒なのか』×『ランドリーで漂白を』

Artist 赤い公園
赤い公園

EP 『透明なのか黒なのか』
透明なのか黒なのか

Tracklist

01.
02. 透明
03. 潤いの人
04. 副流煙
05. 世紀末

EP 『ランドリーで漂白を』
ランドリーで漂白を

Tracklist

01.
ナンバーシックス
02. よなよな
03. 血の巡り
04. ランドリー
05. 何を言う

EP ランドリー黒なのか』
ランドリーで黒なのか

Tracklist
01. 塊
02. ナンバーシックス
03. 透明
04. よなよな
05. 潤いの人
06. 血の巡り
07. 副流煙
08. ランドリー
09. 世紀末
10. 何を言う

・・・赤い公園の1stフル公園デビューは、2ndフル猛烈リトミックの一つの原形となるアルバムで、その『猛烈リトミック』は言うなれば非リアが大学デビューしてキョロ充化したような名盤だった。なんだろう→1stの『公園デビュー』では”赤い公園”という名のジャンルをやってたが、2ndの『猛烈リトミック』では”ノイズロック””メタル”という名の”音楽ジャンル”を演奏している”理性的”な感覚があって、そういった意味ではオリジナリティというか、赤い公園の”本能的”な部分は1stの方が上かもしれないし、それがプロデューサーを迎えるという事なのかもしれない。で、この赤い公園『公園デビュー』の一年前に、『透明なのか黒なのか』『ランドリーで漂白を』という二枚のEPを連続でリリースしていて、前者が黒盤で後者が白盤の2つで1つ的な位置づけで、黒盤が奇数番で白盤が偶数番というパズルのようにリンクする仕様。それぞれ曲間に数秒から数十秒のシークレット・トラックが隠されている。

ランドリー黒なのか ・・・その『公園デビュー』は、俄然初期相対性理論っぽいサブカル向けの雰囲気を醸し出しつつ、音的には尖った初期衝動を纏いながらカオティックにゴリ推していくツンツントゲトゲしたアルバムだったが、その謎の相対性理論っぽさは、このEPにex-相対性理論真部デトックス脩一西浦謙助とかいう二人のサブカルクソ野郎の名がクレジットされているのを見れば、我々は全てを察することができるだろう。この二枚のEPでは、俄然その相対性理論リスペクトなシューゲイザー/ポストロック主体の楽曲を展開していて、赤い公園の等身大すなわちスッピンをありのまま見せつけていた『公園デビュー』よりも、各メンバーの音楽的ルーツや嗜好が素直な形で音に反映されたアルバムと言える。というわけで、せっかくだから仕様どおり一枚に組み合わせて、つまりランドリー黒なのか』として聴いてみた→まず、先にリリースされた『透明なのか黒なのか』の幕開けを飾る#1”塊”から、まるで「スラッジメタルかな?」ってくらいの轟音ギターにド肝を抜かれ、歌よりもモノマネの方が上手いことで知られるVo佐藤千明が毒気のある歌詞を声を張り上げて激情的に歌い上げる、それこそ初期椎名林檎あるいは鬼束ちひろを連想させるヤンデレ系のダーティさを纏った、まさしく黒盤のイメージとリンクするかのようなオープニング曲で、さしずめ渡辺真知子の名曲『かもめが翔んだ日』への現代からのカウンター・ソングといったところか。で、い方の幕開けを飾る#2”ナンバーシックス”は、一転してゆるふわ系のあざといコーラスやカウベルなどの軽音楽器を駆使した、それこそ相対性理論を彷彿とさせる日常系の歌詞をユル~く歌い上げるVo佐藤と真部デトックス脩一のウザキモいコーラスが織りなす、シュールでファンキーかつファニーな脱力系ガールズ・ロックナンバーで、この黒盤白盤を一曲づつ聴いただけで→赤い公園そのコンポーザーである津野米咲の音楽的バックグラウンド、その振り幅の異常な広さや新人バンドとは思えないズバ抜けたアレンジ・センス、そして何よりも”Post-系”に対する意識の高さに圧倒される。再び黒盤から、まるでWhirr顔負けのリヴァーヴィなシューゲイジング・アプローチを垣間みせる#3”透明”、一方の白盤からkawaiiアレンジを効かせたガールズ・ロック直系の#4”よなよな”、コーラスとアコギが奏でる不協和音のように不規則なリズムと病んだ雰囲気で始まって、Rolo Tomassiを思わせる8bit系ゲーム音楽や椎名林檎っぽいアダルト&ジャジー風のフェミニンなアレンジを振りまきながらアヴァンギャルディに展開する#5”潤いの人”、一転して白盤からウザいくらい賑やかに展開する#6”血の巡り”、そして名盤『猛烈リトミック』を語る上で欠かせない一つのポイントとなっていたのが”タバコ”という名の毒素で、まるでMonoや近年ANATHEMAを連想させるATMS系ポストロッキンな#7”副流煙”は、ミニマルなメロディがタバコの煙となって身体にネットリとまとわりつき、息もできなくらい大気に充満していく。そのダーティな余韻を深く味わいつつ、イタリアの至宝Klimt 1918の1stアルバム『Undressed Momento』を彷彿とさせる#8”ランドリー”の、それこそオルタナ系の恍惚感のあるメランコリックなメロディに衝撃を受けた僕は→「My Heart is アヒ~ン...」とかいう言葉を発しながらその場で絶頂してしまった。まぁ、それは冗談として→そもそも赤い公園って、メロディの質が洋風っぽいってのは今さら言わずもがなで、その中でも僕がピンポイントで聴いている海外バンドに直結するメロディ・センスっつーか、自分でもまさか赤い公園の曲を聴いててWhirrKlimt 1918、そしてWarpaintの存在が脳裏に浮かび上がるなんて...まるで想像してなかった。まぁ、一言で”オルタナティブ”って言っちゃえばそれまでなんだけど。とにかく、赤い公園津野米咲の”ルーツ”を伺わせるシューゲイザー/オルタナティブなセンス、それこそ”邦楽界のWarpaint”と言っても過言じゃあない、その音響意識の高いアレンジ・センスからは、この赤い公園が近頃のメロディを蔑ろにしているクソみたいな邦楽ロックバンドとは一線を画した無二の存在、その証明となっている。おいら、だから”海外でウケる、ウケない”という意味では、tricotよりも赤い公園のが”ウケる”ような気がするし、だからこそ一例として”俺の界隈”代表取締役社長兼CEOで知られるスティーヴン・ウィルソンの名を挙げている思惑というかナニがあったりして、実際黒盤とかSWが聴いたら絶対に喜ぶだろなーって。もはや僕レベルになると、黒盤初期DIR EN GREYの親和性を見出し始めている。お話を戻して→その黒盤っぽさの薄い#9”世紀末”から、ピアノ主体で聴かせる#10”何を言う”まで、最後に醤油ネタをぶっ込んでくるところも、それこそ赤い公園のラジオやライブMCのように、いちいち笑えるフリークでフリーダムなセンスに溢れている。

猛烈リトミック

右手にポップス、左手にクソ ・・・当然、個人的=Welcome To My ”俺の感性”の嗜好を考慮すると黒盤のが俄然好みだけど、正直この二枚を合わせて聴くと驚くほど馴染むというか、違和感とか一切なくて、むしろ組み合わせて聴くことを前提に作られているせいか、もはや『猛烈リトミック』同等...いや、それ以上の完成度に驚かされる。少なくとも、楽曲アレンジの練り具合はリトミックより秀逸だ。初期椎名林檎系の少し奇をてらった歌詞や幽玄かつフェミニンなムーディズム、ハードなギター・サウンドやアヴァンギャルドで予測不可能な展開力の高さをウリとするガールズ・ロックらしからぬ黒盤と、一方で持ち前のゆるふわ系のコーラス・ワークやガヤみたいなSEや赤い公園の秘密兵器であるカウベルを駆使した、実にユニークかつファニーなアレンジで楽しく聴かせるサブカル系ガールズ・ロックらしい白盤、この二面性こそ赤い公園を構成している女の子らしい”ユルさ”『惡の華』のヒロイン仲村佐和顔負けの深い闇を抱えたドス黒い”狂気性”、わかりやすく言い換えれば『右手にポップス、左手にクソ』を両手に絶妙なバランスで均衡を保った『猛烈リトミック』の正統な”ルーツ”と言っても過言じゃあないし、いや単体でも十分に凄いアルバムなんだけど、い”ポップ”な部分があるからこそ”クソムシ”な部分がより際立つというか、なんだろう...この二枚のEPや1stフル『公園デビュー』があってこそ、それらを大衆向けに”再構築”して出来たのがあの『猛烈リトミック』なんじゃねーかって。それこそポップスの中に魔性の毒を込めた、その一種のギャップ萌えが『猛烈リトミック』の面白さでもあるんだなぁと。そう考察してみると、あの『猛烈リトミック』って本当にアソビが一切ないマジメなアルバムで、本当に売れたくて売れたくてしょうがないアルバムだっったんだなーって。でも売れない・・・そこが赤い公園の絶対的な”エモさ”だ。

シークレット曲=木 ・・・これは今作に参加しているex-相対性理論の真部が加入したVampilliaの楽曲にも繋がってくる事なんだけど、黒盤のシークレット曲に”season of mine”ってのがあって、それがアニメ『惡の華』のEDやVampillia”endless summer”っぽい感じがして、他にも津野米咲が男性ボーカルとデュエットした”CRAZY 4 U '12 winter ver.”とかいうシークレット曲を聴けば、数多く存在する赤い公園の”ルーツ”の一つに”昭和歌謡”が存在するのが分かる。だからVo佐藤千明『かもめが翔んだ日』を歌って欲しいと思っちゃったんだからしょうがない。で、白盤”uh-huh, OK”って曲では、真部か誰かがキモく唸ってて、それらシークレット曲ひとつ取ってみても、赤い公園のルーツや嗜好回路が顕著に垣間見えてくる。あとこれらのシークレット曲は『猛烈リトミック』”木”の歌詞で出来ているって・・・これマジ?

逆輸入 ・・・このEP、初期の林檎や理論が好きな僕が気に入らないわけがなかった。でも椎名林檎とも相対性理論とも違った方向へと向かっているのが、この赤い公園の面白いところでもあって。少し心配なのは、この若さで異常に音楽を知りすぎているし、いい意味でも悪い意味でも完成されすぎている所で、要するに色々な意味で赤い公園の集大成となった『猛烈リトミック』の次に一体ナニやんの?っつー話で、何度何度も忠告のように言うけど、”これ以上ポップになったら誰も聴かなくなる”のは目に見えているから、理想は今の立ち位置から二歩か三歩くらい下がって、そしてスティーヴン・ウィルソンをプロデューサーに迎えて黒盤白盤の再来をやる!・・・ってのが僕の妄想です。いや、わりとマジでコイツらならSWと組めるんじゃあねーかって。つまり・・・国内で売れないなら海外から逆輸入や!
 
透明なのか黒なのか
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赤い公園 『公園デビュー』

Artist 赤い公園
赤い公園

Album 『公園デビュー』
公園デビュー

Tracklist
01. 今更
02. のぞき穴
03. つぶ
04. 交信
05. 体温計
06. もんだな
07. 急げ
08. カウンター
09. 贅沢
10. くい

猛烈リトミック

右手にポップス、左手にクソ ・・・今年、ANATHEMADistant Satellitesと並ぶ傑作となった『Redwater Park』こと赤い公園の2ndアルバム猛烈リトミックは、例えるなら右手に赤色の”ポップス”を、左手に黒色の”クソ”を持って、「これ以上ポップになったら誰も聴かなくなる」←この”超えちゃいけないライン”の上を命綱なしで綱渡りするかのような、その”ポップス””糞”の絶妙なバランス感覚を保った名盤だった。その”超えちゃいけないライン”の見極め力の高さは、ひとえにバンドの中心人物である津野米咲の才能としか思えなかった。

『紅の華 ・・・で、こうなると過去作を聴いてみたくなっちゃうのが自然の流れで、さっそく昨年リリースされた1stフルアルバム『公園デビュー』を聴いてみた。僕が赤い公園の存在を初めて知ったのは丁度この頃で、猛烈リトミックでも書いたように、今作『公園デビュー』の一曲目を飾る”今更”のMVを見たのがキッカケだった。その当時は初期相対性理論みたいな、ちょっとサブカル臭くて「ちょっと音楽知ってる私らマジカッケー(ドヤア)」みたいな気取った雰囲気を醸し出してて、正直なところ条件反射で飛び膝蹴り食らわしたくなるほど気に食わない存在だった。そんな僕が名盤猛烈リトミックに魅了された今、赤い公園を知るキッカケとなった曲や過去の作品を聴いてみたらどうだろう?というお話で、結果として→やっぱり初期相対性理論に通じるシティ・ポップ感やユル~いファンキーさだったり、持ち味であるオシャンティなリズム感を意識したArt-Rock/Post-Progressiveなセンスはこの頃から既に完成されていて、そして初期衝動に伴う音の荒々しさや漫画『惡の華』のヒロイン仲村さん顔負けのナニカが蠢くような混沌とした焦燥感が絶妙な毒味となっている。その”今更””のぞき穴”からリアルに伝わってくるハードコア/パンキッシュな勢いはデビュー作ならではだし、この”洗練””大衆性”という言葉からかけ離れたアンダーグラウンドな生臭さは、まさしく2ndアルバム猛烈リトミックには無いものだった。

津野米咲≒仲村佐和 ・・・当然ながら、あざといくらいのキャッチーさやkawaiiポップネスを内包した『猛烈リトミック』、そのコンセプトである「売れたい、売りたい」という”意思”は微塵も感じなくて、このデビュー作では”自分たちが本当にやりたい音楽”を、言うなれば垢抜けない田舎の女子高生のように少し尖ったガールズ・ロックをドヤ顔でやってる。一聴した限りでは、正直なところ部分的に優っている点はあるが、トータルで見るとやはり『猛烈リトミック』には遠く及ばない作品というか、ありとあらゆる部分で猛烈に足りてない。その足りない音の隙間を埋める(補足する)ように、モーレツな音を詰め込んだのが亀田誠治氏や蔦谷好位置氏らのプロデューサーで、あらためて猛烈リトミックにおけるプロデューサー陣の存在の大きさを思い知らされた。それくらい、なぜこの赤い公園にあの『猛烈リトミック』が作れたのか?プロデューサーの腕だけでこうも変わるのか?もしくは津野米咲のコンポーザー能力が奇跡的に爆発したのか?このデビュー作を聴いたら余計にわからなくなった。どちらにせよ、この僕には奇跡的な出来事にしか思えなかった。つうか、まだ信じてねー。いや冗談じゃなしに、ちょっとありえない進化の仕方っつーか、この『公園デビュー』から『猛烈リトミック』に生じている変化は、もはや進化じゃなくて突然変異としか他に例えようがない。なんでコイツらが”ひつじ屋さん”をはじめ、”私”みたいなANATHEMA”Lightning Song”Alcest”Voix sereines”が融合したような曲が書けるんだ?って、ホント謎過ぎる・・・赤い公園の闇は深い・・・。はたしてソングライターの津野米咲に一体ナニが起こったのか?ちょっと津野ちゃんにインタビューして聞いてみたいくらいだ。

ゲスニックマガジンの西条・・・「ゲスニックマガジンの西条です!赤い公園のリーダー津野米咲さんに質問です!デビュー作の『公園デビュー』と比べて『猛烈リトミック』の出来が良すぎるんですが!もしかして今流行のゴーストライターとしてPorcupine Treeのスティーヴン・ウィルソンでも雇いましたぁ?」

津野米咲・・・「誰?」

ゲスニックマガジンの西条・・・「ゲスです!新作の『猛烈リトミック』って・・・完全に”メタル”を意識した作品だよねぇ?」

津野米咲・・・「あんた誰?」

ゲスニックマガジンの西条・・・「ゲスです!新作の『猛烈リトミック』って赤い公園じゃなくて、もはや『クリムゾン・キングの公園
だよねぇ?」

津野米咲・・・「だからあんた誰?」

new_GCjsVQPs・・・「はい!はい!ゲスニックマガジンの西条です!『猛烈リトミック』の”私”って間違いなくANATHEMAとALCESTからのinfluenceあるよねinfluence?」

津野米咲・・・「ANATHEMA?ALCEST?・・・誰?」

ゲスニックマガジンの西条・・・「それはそうと、DIR EN GREYの”サVカル系男子”こと京率いるsukekiyoと今後対バンする予定とかあります?」

津野米咲・・・「
灰色赤色だけに・・・?って、やかましいわw

ゲスニックマガジンの西条・・・「ゲスです!『猛烈リトミック』の”いちご”とか”お留守番”みたいな曲って、明らかにNHK教育番組への楽曲提供を狙ったゲスい下心がありますよねぇ?」

津野米咲・・・「(ギクッ)ちょ、ちょっと警備員!」

ゲスニックマガジンの西条・・・「なーにするんだよ!あーにするんだよ!(警備員に連行されながら)取材拒否かよぉ~!!」


スッピンの赤い公園 is ブス ・・・久石譲チックな心躍るピアノをフューチャーした”交信””体温計”そして”贅沢”などのアート・ロック然とした楽曲なんかは、ガールズ・ロックバンドならではの”ユルさ”があるし、驚くほどメタリックなギターで始まる6曲目の”もんだな”はCMソングっぽい既聴感のあるポップなサビが印象的だし、なお且つスティーヴン・ウィルソン的な陰鬱な音使いをさり気なく垣間みせたり、その流れで俄然SW感増々な#7”急げ”のイントロでは、もはやポストブラック...あるいはKayo Dotを彷彿とさせる赤い公園のアヴァンギャリズム(変態性)を垣間みせたりと、これはもう”ひつじ屋さん”の前身と言っていいし、そして#8”カウンター”で聴けるような衝動的/本能的な粗暴さは猛烈リトミックでは体験できない。それらの楽曲を筆頭に、要所で津野さんのギター・フレーズが冴え渡っている所がまたニクい演出で、これは『猛烈』同様に津野ニー不可避です。しかし、特にどこかで盛り上がるといった場面はなくて、どちらかと言えば全体を通してジワジワ浸透してくる感じの、言うなればスルメタイプの楽曲/アルバムという印象。なんつーか→「やりたいことやってるんで、それでいいです...」みたいな、それこそ【自己完結】という言葉がよく似合うアルバムだ。なんだろう、この『公園デビュー』でソロ活動(オナニー)するよりもセックスのほうが気持ちいい事に気づいちゃったというか、田舎の化粧を知らないクソブサイクな女子高生が化粧を覚えてTOKYOに上京からの大学デビューからのキョロ充化したのが『猛烈リトミック』みたいな感覚? なんだろう、この『公園デビュー』”本能的”な作品だとすると、あの『猛烈リトミック』は俄然”理性的”な作品と言えるのかもしれない。少なくとも、ちょっと背伸びして色気づいていた『猛烈リトミック』には無い、等身大の赤い公園すなわちスッピンの赤い公園が堪能できる、いい意味で本当に”ブサイク”な一枚だ。このアルバム、一般的というかサブカルクソ野郎からは評価が高いらしいけど、あの名盤『猛烈リトミック』を聴いた後では、どうしても過大評価にしか思えなかった。とはいえ、ある程度聴き込んでいく内に、なんだかんだ『猛烈リトミック』の”原形”あるいは”ルーツ”とも取れる要素に溢れたアルバムだって気づいちゃうと、全然過大評価なんかじゃあなくて、むしろ普通にスゲーいいアルバムなんじゃあねぇかって。

最後に→あのミカエル・オーカーフェルト率いるスウェーデンのOpethは、かのスティーヴン・ウィルソンがプロデュースした『黒水公園』の前に『Still Life』とかいう名盤を出しているが、でもこの『公園デビュー』赤い公園『Still Life』にはどう考えてもなりえなかった(ジャケこそ赤いけど)。そう考えると、やはりあの『猛烈リトミック』が生まれた事は奇跡に近い。でもって、やっぱ『猛烈リトミック』って”売れなきゃいけないアルバム”だよなーって、あらためて思うわけです。
 
公園デビュー
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Riverside 『Shrine of New Generation Slaves』 レビュー

Artist Riverside
Riverside

Album 『Shrine of New Generation Slaves』
Shrine of New Generation Slaves

Track List
01. New Generation Slave
02. The Depth Of Self - Delusion
04. We Got Used To Us
05. Feel Like Falling
06. Deprived (Irretrievably Lost Imagination)
07. Escalator Shrine
08. Coda

     『NEXT-Riverside』=『70s×70s

初めに、前作Anno Domini High Definitionのレコーディングに全面協力したSzymon Czech氏が昨年お亡くなりになしました。心よりご冥福をお祈りします。

・・・さて、ここからが本題で、ポーランドが世界に誇る現代の”プログレサイボーグ”こと、Riversideの約3年ぶりとなる5thフル『Shrine of New Generation Slaves』通称”SoNGS"なんだけど、日々行き交う人々の背中を痛烈に映し出した前作の4th『Anno Domini High Definition』といえば、アカ色が淡いネオンのように輝くジャケが醸し出す共産主義的な雰囲気やスタイリッシュッ!!かつソリッドッ!!に研ぎ澄まされたリフリフアンドリフそしてマリウス・デューダ君の”ロック・ボーカリスト”としてのポテンシャルを爆発させた歌パートからも理解ッできるように、”楽曲そのもの”の根本的なつくりが過去三部作とは一線を画していた。その”変化”に当初は少し戸惑いもあったが、良い意味でイナカ臭い初期の陰鬱プログレ(1st&2nd)からの脱却を図り、作品を積み重ねるにつれ緩やかにオルタナ/モダン化(3rd)していく流れの中で、その適応力の高さとバンドの底知れぬポテンシャル/エネルギーを爆発させた結果→まさに”新しいRiverside”すなわち”NEXT-Riverside”の幕開けに相応しい傑作(4th)が誕生したわけだ。この4th『ADHD』でやってる”Pink Floyd的70s-Progressive”と今風の”オルタナティブ・モダン・ヘヴィネス”を融合させたバンドって、何気にコイツらが初めてなんじゃねぇ?って気がするし、実際に初めて聴いた時はそらもう『アスペ』になりそうなぐらいの衝撃を受けた。その傑作から約3年半の沈黙を破り、本作で”NEXT-Riverside”その(第二章)が始まるわけなんだけど、とりあえず、デジタルシングルとして先行公開されたCelebrity Touchを聴いて驚愕した。ギタリストピョートル(弟)が奏でるオーガニックなGリフと最年少のMichał Łapajによる鍵盤/ハモンド・オルガンが織りなす”70s大好き♥”な音を基本の世界とした、Deep PurpleRainbowなど往年の”クラシック・ロック”を露骨に彷彿とさせるブルージーな音使いに度肝を抜かれるんだが、その”70sセカイ”に本来のRiversideらしいPink Floyd大好き♥な”モダン・アート/ポスト・プログレッシブ”の感性を自然な形で溶け合わせたような、今までに”ありそうでなかった”斬新な曲調で、コレ聴き終えた後に(なるほど...これが”NEXT-Riverside”の姿かッ・・・!う~ん面白いッ...実に面白いッ!)って、ある種の”カタルシス”を感じたほど。で、この曲自体は”至ってシンプル”な構成なのにも関わらず、ここまで味わい深く、ここまで素直に”interestingッ!!”な気分にさせてくれるんなんて...やっぱ持ってるモノが他と違うんだろうね、って。作品を重ねる毎に着実に深化し、失敗を恐れず常に新しいものへと変化していくクリエイティヴッ!!な姿勢は、まさに”プログレ”と呼ぶ以外他にナニと言っていいのか分からない。平然とした顔で、俺たちの想像を遥かに超えてくる。早くも今年のBESTが確定したようなもんで、今はもうタメ息しかでない・・・。やっぱこの人たちスゲーです、としか。

 『RiversideはPink Floydを超えた(再びッ!!)』

 毎度お馴染みのトラヴィス・スミス氏が手がけた本作の鬱々しいジャケ、一見すると初期三部作の陰鬱kawaii路線に回帰した印象を与える。確かに、初期の名曲”Conceiving You”や”I Believe”を連想させる#4”We Got Used To Us”で聴かせるような、初期を彷彿とさせる儚くも美しいフェミニンなボーカルのメロディは前作よりは豊富に存在する。が、しかし基本的にはあくまでも4th『ADHD』とEPMemories in My Headからの”モダン”な流れを着実に踏襲した、”ジャジー&ムーディ&ロマンティック”そして”モダンアート””70s-Progressive Rock”を繰り広げていて、そんな本作”SoNGS”を象徴するかのような#2”The Depth Of Self - Delusion”と#6”Deprived (Irretrievably Lost Imagination)”には、祝杯をあげながら「俺たちのエロぃRiversideが帰ってキター!」と言わざるを得ない。当然、『ADHD』のような”躁鬱病ばりに派手なノリ”と”オルタナティブ・モダン・ヘヴィネス”成分は大きく影を潜めている。が、より本来のRiversideらしくもあると同時に俄然洗練された”プログレッシブなロック”を、彼ら本来の立ち位置=初心に立ち返ったように活き活きと楽しく音を鳴らしている。なんというか、4th以外の作品のミックス/マスター/プロデュース面を手がけているMagda SrzednickaRobert Srzednickiのコンビが復帰しているトコを見ても、前作からメタリックなリフだけをブッコ抜いたモダンでスタイリッシュなサウンドおよび感性をもって初期作品のイメージへと回帰した作風というか...まぁいつも通りのRiversideですw

         『ノマドと社畜』

 この作品の一つのテーマでもある、所詮人間は『眠れる奴隷』でしかないという本作のタイトル『Shrine of New Generation Slaves』が示すとおり、ハケンや社畜が権力者に支配されるこのクッソみたいな現代の資本主義社会を痛烈に皮肉り、前作に引き続き本作は死神に取り憑かれたような社畜のドス黒い背中を痛烈に描き出している。そして社会/組織という名の鎖に縛られた顔のない奴隷(カオナシ)に対して、まるで「社畜どもーーーーーーーーーーーーーーーーー!!大好きな労働の時間だあああああああああああああああああああああああああああああああああああ」とばかり、言うなればRiverside流の労働讃歌を歌った作品でもあるんだ。本作の大きなリリックテーマである『ノマドと社畜』は、西欧と東欧の文化が行き交い、長きにわたって共産主義の歴史を経験したポーランド=中東欧出身のバンドだからこその説得力があって、より一層その世界観に深く入り込むことができる。そしてマリウス・デューダという人物の『思想』そして『信条』を改めて再確認したと同時に、これぞ本物のアーティストやと(確信) ポニョ、マリウスきゅん、大好きッ!!

『I am a free man, but I can't enjoy my life』

 社畜の朝は早い。その主人公の社畜を叩き起こすかのようなタイトルトラックで、シンプルながらも小気味良くて軽快なプログレを手軽に楽しませる#1”New Generation Slave”、マリウスきゅんの儚くも哀愁を帯びた歌声から溢れ出す”男の色気”もしくは”男のフェミニズム”を中心に、スパニッシュなシブいアコギやウクレレを要所に挟みながらプログレッシブに展開する#2”The Depth Of Self - Delusion”は、後半からのポストロック風味の叙情パートが素晴らしい。冒頭の『70s×70s』セカイにトリップさせる#3”Celebrity Touch”はマリウスきゅんのGoッ!!&Come Onッ!!という威勢のいい煽りからの~ガッツリと音圧を盛ったレトロなヘヴィネスがキモティぃ!!MVの内容は「サイレントヒルのクリチャーの正体は実は社畜ゾンビだった」というお話。 本作の中では一番初期っぽい”哀愁と叙情”の香りを漂わせる#4”We Got Used To Us”、前作のEPに近い曲調およびモダンな雰囲気のある#5”Feel Like Falling”、#2に近い幽玄薄暗ポストロッキンな質感のある#6”Deprived”のソプラノ・サックスを使った後半のダーティっぷりには「シブイねェ… まったくおたくシブイぜ…」としか。そして約13分ある大作の#7”Escalator Shrine”は、2ndの『Second Life Syndrome』を彷彿とさせるイントロからジャジー&ムーディに展開する序盤、4分半以降のプログレメタル化する中盤、まるで新しい門出を祝うかのようなマリウス君の「But we can’t stop But we can't stop,」という言葉に勇気づけられた主人公の社畜は、足の引っ張り合い蹴落とし合いの社会から一足先に脱出し、『自由』と『繁栄』を手に入れた社畜は遂に『ノマド』となるッ!!・・・という感じのクライマックスを迎える。で、本編ラストの#8”Coda”は#5の歌メロをアルペジオに乗せたシンプルな曲。本編全8曲トータル約51分の労働時間で、サービス残業もといボーナス残業を入れると約73分ほど。前作の『ADHD』は全5曲トータル44分で一つの楽曲的なイメージが強かったけど、本作は初期の薄暗系Riversideらしい曲から今までにない斬新な曲まで、過去最高にバラエティに富んだ楽しみ方ができる。Disc 2に収録されたボートラのニカ/アンビエント系インスト”Night Session One&Two”は、ほぼマリウス君のソロプロジェクトLunatic Soulの延長線上にあるモノといっていいぐらいの聴き応え。特に”Night Session - Part Two”の方ではサックスとアンビエンスが織りなす幻想的なセカイに浸れること請け合い。

 もはや”俺の界隈”の”新”二強と呼べる存在、Colt of LunaRiversideが互いに引かれ合い同調するかのように”70s回帰”し、まさかの両者”Pink Floyd超え”したのは実に面白い出来事で、これはもう”俺の界隈”の世代交代がはじまったと言っていいかもしれない。2013年に入って間もないが、今年のワンツーフィニッシュはほぼ確定かッ!? というわけで、このRiversideとかいう”傑作”しか生み出さない現代の”プログレサイボーグ”、僕は好き♥

俺の界隈の再構築...フェーズⅡ...完了

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Rise And Fall 『Faith』 レビュー

Artist Rise And Fall
Rise and Fall

Album 『Faith』
Faith

Track List
01. A Hammer and Nails
02. Deceiver
03. The Gallows Await
04. Burning At Both Ends
05. Things Are Different Now
06. Breathe
08. Escapism
09. Dead Weight
10. Faith / Fate

夏のハーコー祭り第五弾はコイツら→2002年に結成されたベルギーはヘント出身の四人組、Rise And Fallの約三年ぶり、前作同様かのDeathwishからリリースされた4thフル『Faith』なんだけど、コイツらの新作も先日記事にしたバーニング・ラヴッ!!(なんかスタンド名っぽい)の新作でもお馴染み、ConvergeのギタリストKurt Ballouをプロデューサーに迎えた作品であり、その内容も質の高い安定したハーコー・パンクをやってて、夏のハーコー祭りッ!!の中ではUSのBlack Breathに限りなく近い、メタリックなブラッケンド・クラストを基本のセカイに、ベルギー産だけあってイイ意味で無骨で陰気な真っ黒い低音と爆発的な突進力をもって爆走するスタイル。で、トータル約28分、まるで”まっくろくろすけ”の集団が津波のようにズシズシと押し寄せるかの如く、血肉飛び散るある種の暴走状態の中で、終始低音モッリモリのドス黒いヘヴィネスを迷いなくブチかます、そのシンプルなカッコ良さったらない。そんなわけで、至ってシンプルでド直球ッなハーコーパンクが安定して楽しめる一枚。オススメ。

Faith
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