Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

レビュー (N)

NECRONOMIDOL 『DAWNSLAYER』

Artist NECRONOMIDOL
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Single 『DAWNSLAYER』
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Tracklist
01. DAWNSLAYER
02. STARRY WISDOM
03. R'LYEH
04. celephaïs
05. ABHOTH

白塗り界隈代表の瑳里擁する5人組、「暗黒系アイドル」ことネクロ魔あるいはことNECRONOMIDOLが今年の2月に発表した2ndアルバムのDEATHLESSは、群雄割拠蠢くアイドル界隈に大きな風穴を開けるような、それこそ近年BABYMETALBiS(H)をはじめとしたエクストリーム系アイドルがアイドルと〇〇」の境界線(ボーダーライン)をこじ開けると、このネクロ魔は人間界と魔界の境界線(入り口)に風穴を開け、そして開かれた地獄門から聴こえてくる魔界(アンダーグラウンド)に伝わる哀劇の童歌、としか他に例えようがない悪魔的な音楽を繰り広げていた。

そんな、「いま最も地獄に近いアイドル」ことネクロ魔が約半年ぶりに放つシングル『DAWNSLAYER』は、前作DEATHLESSの流れを踏襲した、ゴリゴリのメタルソングをはじめ、アイドルソングから90年代のアニソンおよびV系にも精通する多彩な楽曲に、もはやアルバム以上にネクロ魔の魅力が凝縮された、シングルとは思えないほどのボリュームに溢れた一枚となっている。


前作DEATHLESSの地獄の入口に待ち受けていた”END OF DAYS”の衝撃再びかと思うほど、シングルの表題を冠した”DAWNSLAYER”のイントロから、持ち前のブラストにX JAPAN顔負けの流麗なツインリードを乗せて疾走し始め、北欧メロデス然としたザックザクに刻むソリッドかつメタリックなリフや某ハロウィンの名曲”イーグルフライフリー”のオマージュ的なサビメロ、そしてツーバスドコドコからのピロピロ系速弾きGソロまで、これはもう「メロデス化したX JAPAN」と言っても過言じゃあないゴリゴリのメタルチューンで幕を開ける。確かに、ネクロ魔は音楽的に「ブラックメタル」としての顔を持ちながらも、前作でもX JAPANばりのツインリードを擁する”KERES THANATOIO””ITHAQUA”のような、いわゆる90年代のV系に精通する楽曲も一つのウリとしていて、今回のシングルは前作以上に「90年代のV系」からの影響を惜しげもなくさらけ出した一枚とも言える。

そして前作の”4.7L”を彷彿させる、某ガンダムWのOP的なTKサウンドあるいはaccess系の打ち込み/シンセを押し出した、90年代アニソンナンバーの#2”STARRY WISDOM”までの流れは前作を素直に踏襲しているし、イントロから粗暴なブラストにシンフォブラばりの超絶epicッ!!なシンセを乗せてブルータルに突っ走る3曲目の”R'LYEH”は、Vampilliaツジノリコを迎えた”endless summer”BiSとコラボした”mirror mirror”からの影響を強く感じさせる、ポストブラック/ブラックゲイズ然としたノイズまみれの混沌蠢く激情的な轟音をバックに、そして魔メンバーの儚いノスタルジーを誘うユニゾンが、ネクロ魔史上最高のドラマティックな名曲と呼ぶに相応しいエモいコンビネーションを発揮する。この曲は本当に”endless summer”を初めて聴いた時と同じくらいの衝撃だった。正直、表題曲なんかゆうに超えちゃってて笑う。なんだこのクソ泣ける神曲。歌詞もクソエモい。

ネクロ魔といえば、前作で言う所の”HEXENNACHT”のような一種の「童歌」とも呼べる、自らのコンセプト/世界観を司る楽曲も魅力の一部としていて、今回のシングルでは4曲目の”celephaïs”がそれに当たる曲で、耽美的なストリングスと洋風のアレンジをバックに魔メンバーが童謡チックに語りかけるような、それこそ教会ライブ映えしそうな童歌だ。そして、イントロからついつい「紅だーーーーーーーー!!」と叫びたくなっちゃう、もしくはBABYMETAL”イジメ、ダメ、ゼッタイ”が始まったかと勘違いする5曲目の”ABHOTH”は、X JAPANというよりもはやジャパメタと言っていい疾走感溢れるザックザクなメタルチューンで、ロック調で力強く歌い上げる魔メンにも注目だし、合いの手の洗礼!の部分も暗黒系アイドルっぽいというか、それこそ露骨にベビメタを意識したような「kawaii」を垣間見せる。

今作を紐解くキーワードは、他ならぬ「X JAPAN」「Vampillia」という音楽シーンでも「異端児」として語り継がれる二組の存在で、つまりダークウェーブなどのシンセや打ち込みを多用した音よりも、俄然エクストリーム系アイドルの主流となる「生バンド」による「バンド・サウンド」を重視したライブ感のある方向性へとシフトしている、あるいは今後更にシフトしていく事を宣言するかのようなシングルだ。今回はアニメ調のジャケ写のイメージも相まって、かなりアニソン寄りというか二次元的な作風として解釈すべきシングルなのかもしれない。正直、これヘタしたらアルバムよりも挑戦的で良いんじゃない?ってくらいの完成度で、楽曲面では前作よりも「やりたいこと」がハッキリと明確化しているように感じたし、それは俄然ソリッドになったプロダクションの向上とともに、魅力的なユニゾンは元より各魔メンのソロボーカルが聴きやすくなった事もあって、もはや歌モノとして十分に聴けるクオリティになってる。とにかく、この数ヶ月で全ての面がアップデイトされてなお且つ進化しているのが目に見えてわかるのが凄いし、やっぱ今のネクロ魔ってアイドル界は元より、メタル界の中でもかなり異質で面白い存在だと再確認させられた。というわけで、今日から俺はネクロ魔彩族だ!

ちなみに、このシングル『DAWNSLAYER』をCDで買う場合、「SLAYER ver.」「DAWN ver.」の二種に別れていて、収録内容も違うので注意が必要。前者の「SLAYER ver.」には4曲目に”ABHOTH”が、後者の「DAWN ver.」には4曲目に”celephaïs”が収録されている。でもBandcampで買えば全5曲入りでCDよりも安く手に入るので断然そっちがオススメ。なお、今回はハイレゾ仕様ではないので注意。

DAWNSLAYER (SLAYER ver.)
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NECRONOMIDOL 『DEATHLESS』

Artist NECRONOMIDOL
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Album 『DEATHLESS』
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Tracklist

01. END OF DAYS
02. 4.7L
03. SKULLS IN THE STARS
04. KERES THANATOIO
05. CHUNGKING REDLINE
06. HEXENNACHT
07. NEPENTHE
08. ITHAQUA

おいら、BABYMETALの存在をはじめ、それこそVampilliaBiSがコラボした『the divine move』”mirror mirror”ツジコノリコをフィーチャーした”Endless Summer”を聴いた時に、今の時代、色んなアイドルがおっても許される時代なわけだし、それならAlcestDeafheavenみたいな「ポストブラック」やるアイドルおっても面白いよなって、ふと考えたことがあって、でも流石にポストブラックをベースにしたアイドルはおらんやろぉ...と思ったらおった。それが東京を中心に活動する「暗黒系アイドル」こと、その名もNECRONOMIDOL(ネクロノマイドル)だ。

略称ネクロ魔ことネクロノマイドルは、ピッツバーグ生まれのマネージャー、リッキー・ウィルソンが募集したオーディションにより2014年に結成された、オリジナルメンバーの柿崎李咲と白塗りペイントの瑳里を中心とした五人組の暗黒系アイドルだ。昨年の1月に1stアルバムの『NEMESIS』をリリースし、新体制となって約一年ぶりにリリースされた2ndアルバム『DEATHLESS』は、「死の淵から這い上がる DEATHLESS」を怨みつらみ文句に異世界の入り口へと誘う。



一度再生すると、一曲目の”END OF DAYS”からド肝抜かれる。「人を呪わば穴二つ」を合言葉に、地獄門の扉が開き始める邪悪なトレモロ・リフから、日本語と英語を交えた中島みゆきばりに『闇』の深いダークな世界観を司る、メンバー自らが手がけた歌詞を歌う初期BiSを彷彿させるエモみのあるボーカル/ユニゾンを、疾走感溢れるソリッドなリフと粗暴なブラストに乗せてブルータルに展開し、そして来たる3:21秒以降、それこそDeafheaven顔負けのPost-系のクリーンパートに突入した瞬間、僕は「holy fack...」と声を漏らした。この、いわゆる「静と動」のメリハリを効かせた急転直下型の緩急は「ポストブラック」の常套手段であり、それこそポストブラ界のレジェンドことAlcestの「教え」を理解し、それを守り通している。

その「暗黒系アイドル」を称するに相応しいブラックな幕開けから、一転して#2”4.7L”ではシンセや打ち込みを主体としたピコピコ系の典型的な地下アイドルソングを聴かせ、続くシアトリカルでポップなメロディをフィーチャーしたアップテンポな#3”SKULLS IN THE STARS”、今度はX JAPAN顔負けのツインリードを聴かせるV系歌謡ロックナンバーの#4”KERES THANATOIO”や80年代のダークウェーブを彷彿させる”CHUNGKING REDLINE”、そしてアニメ『地獄少女』のOPテーマに打ってつけな、日本の怪談あるいは童謡のノリで北欧の「ヴァルプルギスの夜」をテーマに歌う”HEXENNACHT”ネクロ魔の全てを凝縮したドラマティックなラストの”ITHAQUA”まで、初期BiSあるいは黄金期BiSの地下という意味でのアングラ感とブラック・メタルならではのアングラ感が引かれ合った、いい意味でB級感溢れるチープなサウンドがクセになる。正直、今の新生BiSよりもネクロ魔のがBiSっぽさあります。

今作の楽曲はそれぞれ外部ライターによるものだが、その曲調は幅広くどれも個性があり、V系ロックから打ち込み系のポップなアイドルソングから稲川淳二もビックリの怪談ソングまで、アレンジも実に多彩でバラエティ豊かに仕上がっている。ボーカル面では、5人それぞれ声質に特徴があって区別しやすくて、それ故にユニゾンパートがより効果的に魅力的かつ心地よく聴ける。そして、通常のアイドルではお目にかかれない、『死』や『ギリシャ神話』をモチーフにした深みのある歌詞はメンバー自身が手がけており、これはもうUlverThe Assassination of Julius Caesarと双璧をなす今年マストのブラック・メタルアルバムと言っても過言じゃあない。確かに、ブラック・メタルを謳いながら実際にブラック・メタルっぽいのって一曲目だけやんと思うかもだが、逆にこれくらいの方がちょうどいいのかもしれない。ちなみに、僕の推しは、今年加入したばかりの月城ひまりちゃんですw

ちょっと面白いというか、こいつら侮れないと思ったのは、今作の音源をBandcampで買うとflacが24bitのハイレゾ仕様になってて、その音質面を含めて音に対する「こだわり」を見れば、いかにネクロノマイドルが「ガチ」な暗黒系アイドルやってるのかが分かるはずだ。是非ともVampilliaあたりとコラボした作品を期待したいし、自分もこれに触発されてシューゲイザーブラック系アイドルグループ立ち上げたくなったので、今ここでメンバーを募集します。応募条件は18歳から25歳までの可愛いGIRLでお願いします。

DEATHLESS ※初回限定SANGUIS盤
NECRONOMIDOL
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Ne Obliviscaris 『Citadel』

Artist Ne Obliviscaris
Ne Obliviscaris
Mixing/Mastering Jens Bogren
Jens Bogren

Album 『Citadel』
Citadel

Tracklist
01. Painters Of The Tempest (Part I): Wyrmholes
02. Painters Of The Tempest (Part II): Triptych Lux
03. Painters Of The Tempest (Part III): Reveries From The Stained Glass Womb
04. Pyrrhic
05. Devour Me, Colossus (Part I): Blackholes
06. Devour Me, Colossus (Part II): Contortions

ネ・バブリシャス ・・・今やAC/DCに次いでOGを代表するバンドにまで成り上がったメルボルン出身の六人組、ネ・バブリシャスことNe Obliviscarisの2ndアルバム『Citadel』は、その成り上がりを実現させた陰の立役者であり、近年のメタル界では五本指に入るんじゃないかくらいの衝撃をシーンに与えた1stアルバムPortal of Iでもお馴染みの超売れっ子エンジニア、スウェーデン人のイェンス・ボグレンを迎えて制作されている。その前作の一曲目に収録された"Tapestry Of The Starless Abstract"は、近年のベストメタルアンセムと言っても過言じゃあない名曲で、言うなればOpeth『Ghost Reveries』がノルウェイゲン・ブラック化したようなプログ・スタイルに、まるで葉加瀬太郎が雄大な自然の中を満面の笑みで無邪気に走り回る姿が脳裏に浮かび上がるような、天空を駆け巡るJ-RPG顔負けのクラシカルなヴァイオリンを豪快にブッ込んだ、まさしく超絶epicッ!!なエクストリーム・メタルを繰り広げていた。そんなデビュー作がデビュー作だけに、期待と不安が入り混じりった2ndアルバムなんだけど・・・

ネ・BTBAM ・・・収録曲を見ればわかるように、#1~#3までの三部構成となる組曲"Painters of the Tempest"、#4の"Pyrrhic"、#5~#6の二部構成となる"Devour Me, Colossus"まで、実質3曲でトータル約48分という、前作とは少し構成が違った俄然コンセプティヴな作風となっている。で、聴く前にCDに【BTBAMファンにオススメ!】とかいうウリ文句が書いてあって、「おいおい、さすがにネ・バブリィBTBAMは全然スタイルが違うだろ・・・」って思ったけど、実際にこのアルバムを聴き終えた後には、呆然としながら「こ...これはもはやネ・BTBAMだ・・・」と呟いていた。まず、三部構成となる"Painters Of The Tempest"のパート1から、Vampillia"tasogare"を彷彿とさせる哀しげなピアノと舞台役者のように慟哭するヴァイオリンの歪みが織りなす、意表を突くような迫真のプロローグから聴き手をその世界へと引きずり込み、そして本作の目玉となる約17分の大作のパート2へと繋がる。まず驚くのが、初っ端からDeathObscuraを連想させる転調しまくりのテクデス然としたカオティックな展開だったり、低音デス主体のボーカル・パートだったりと、この時点で前作のようなOpeth系ノルウェイゲン・ブラック感は薄まって、それこそUSのBTBAMを想起させる"コア"なスタイルに変化しているのが分かる。前作に引き続き、相変わらず葉加瀬太郎の笑みが溢れるようなヴァイオリンの音色をフューチャーした曲ではあるが、特に7分以降から始まるDream Theaterの名盤『Images And Words』をリスペクトした美メロなクリーン・パート一つ取っても、先ほどの"US"あるいは"コア"っぽいイメージに拍車をかけている。この先が読めない目まぐるしい展開力や俄然リリカルでドラマティックな音のスケール感・・・とにかく、前作の弱点だった展開の乏しさやリフの単調さを克服してきている。そのパート2のエンディング的な役割を担うパート3では、葉加瀬太郎の情熱的なヴァイオリンとアコギが優雅に舞い踊る。デスラッシュ気味に突っ走るブルータルな前半から急激にポストブラック化する後半へと繋がる、実にツウ好みな展開を垣間みせる#4"Pyrrhic"、今作の中では最もOpe-Styleをベースにした曲で、かつAlcestっぽい癒し系アコギ・パートを盛り込んだ#5"Devour Me, Colossus (Part I): Blackholes"、そのエンディングを担うパート2では、悲劇のヒロインが泣き崩れるような歪んだ音色を奏でる葉加瀬太郎もといヴァイオリンに慟哭不可避だ。

ネ・葉加瀬太郎

ネ・葉加瀬太郎 ・・・今作、特にクリーン・パートのバリエーションが広がったのと音の表現力が格段に増したのが大きくて、それはAlcestDTリスペクトな美メロだったり、NeurosisIsisあるいはDEAFHEAVENを連想させる”Post-系”のモダンな空間能力を発揮する場面だったりと、なんだろう音のメリハリの効かせ方が実にUS的というか、様々な面でEU的というよりもUS的な音に歩み寄っているのは確かで、正直デビュー作だけの一発屋になるかと思っていた僕を真っ向から否定するかのような、めざましい進化を遂げている。まさかここまで柔軟性のある、ここまで器用で繊細なバンドだとは微塵も思ってなくて、USのバンドが出せないEUの音とEUのバンドが出せないUSの音を併せ持つ、それこそ新世代のメタル界を担う救世主こそ、このネ・バブリシャスなのかもしれない。また、バンドの生命線であるヴァイオリンからの脱却に成功した、バンドとしても確かな進化を感じさせる一枚でもあって、つまり"バンド・サウンド"が一段と高まったことで、よりヴァイオリンの音色が際立っているし、むしろ逆にヴァイオリンの存在が他の楽器を引き立てながら、互いに良い相乗効果を生んでいる。そして今作では全編を通してベースが活きているのが分かる。そんな様々な変化が巻き起こっている中でも、持ち前の葉加瀬太郎もといヴァイオリンが奏でる叙情的なメロディは不変で、しかし前作で言うところの”Tapestry Of The Starless Abstract””Forget Not”をはじめとした、あざと可愛いくらいの葉加瀬太郎の満面の笑顔ほとばしるエピカルなJ-RPG成分が少し薄まったのは賛否あるかもしれないし、大手のテクデス勢や流行りのポストブラック勢と似たようなスタイルになってバブリシャスらしさが消えたとも言われかねないが(もはや好みの世界)、それらのプラスマイ要素を引っ括めても、その完成度は前作に勝るとも劣らない傑作である事には違いない。とにかく、このアルバムを届けてくれた葉加瀬太郎には感謝の言葉しかない。ありがとう葉加瀬太郎、フォーエバー葉加瀬太郎

Citadel -Digi-
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Ne Obliviscaris
Season of Mist (2014-11-10)
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Nothing More 『Nothing More』

Artist Nothing More
Nothing More

Album 『Nothing More』
Nothing More

Tracklist

01. Ocean Floor
02. This Is The Time (Ballast)
03. Christ Copyright
04. Mr. MTV
05. First Punch
06. Gyre
07. The Matthew Effect
08. I’ll Be OK
09. Here’s To The Heartache
10. If I Were
11. Friendly Fire
12. Sex & Lies
13. Jenny
14. God Went North
15. Pyre



【現代版Fair to Midland】・・・このMVを初めて見た時は驚いた。エモーティヴなハイトーンボイスやドスを効かせた低音ボイスやチャラいラップなど多彩な歌声を駆使した、まるでFair to MidlandDarroh Sudderthリスペクトな破天荒で変幻自在のボーカル、いま流行りのガーガーガーガーガー系のソリッドなモダン・ヘヴィネス、KarnivoolDead Letter CircusなどのOGオルタナ勢を連想させるエピカルなメロディ、それらの要素がプログレッシブかつタイトなリズムをもってエクストリーム合体したエネルギッシュなヘヴィロックで、簡単に言っちゃえば”モダン化したFair to Midland”というわけ。

【新世代オルタナティブ・ヘヴィ】・・・この曲が収録された、テキサス州はサンアントニオ出身の4人組、Nothing Moreの約四年ぶりとなるセルフタイトルを冠した4thアルバム『Nothing More』が何やら凄い件。このアルバムの幕開けを飾る、先ほどのキラートラック”This Is The Time (Ballast)”を筆頭に、スクリレックス顔負けのダブステップなイントロからCoheed and Cambria直系のエモ&プログレ感を垣間みせながら、トドメはPeripheryばりにギョンギョン言わせるハイパーDjent!!を見せつける三曲目の”Christ Copyright”、まるでカナダのThe Birthday Massacr的な低音バッキバキのヘヴィロックにオルタナを掛け合わせた=Karnivool系のダークなサウンドから爽やかでポップなサビへと繋がって、最後はToolリスペクトなリフ回しから豪快なブレイクダウンをブチかます四曲目の”Mr. MTV”など、流行りのオルタナ系ヘヴィロックから流行りの【Dubstep×Djent】まで、しまいにはトゥールまで食い込んでくる”あざといくらいに美味しい”音使いや予測不能な展開力を耳にすれば、このNothing Moreが新世代オルタナティブ・ヘヴィ界の正統な後継者だという事がわかるだろう。彼らと同じくテキサス出身のFair to MidlandChevelleが、いわゆる90sポストグランジ/ヌー・メタルの分派からなる古典的な泥臭いハードロック/ヘヴィロックと位置づけると、このNothing Moreは00年代以降に発展したキレイなヘヴィロック、つまりポストグランジではなくDjentを通過したモダンなオルタナティブ・ヘヴィと言える。同じテキサス出身なのに、Fair to Midlandの小作人あるいは田吾作みたいな田舎っぽい雰囲気は微塵もなくて、このNothing Moreは都会のイカした兄ちゃんっぽい適度なチャラさ一つのウリとなってるのが面白い。しかし、これにはFair to MidlandのフロントマンDarroh Sudderthも→「ゴラア!テキサスの田舎もんのくせにシャレたエレクトロニカなんか使うんじゃあない!」と激おこ。

【ワンオクはメタル】・・・この手のモダンなサウンドを得意とするSumerian Records所属かと思いきや、意外や意外、パパロッチやSixx:A.M.率いるEleven Seven Music Groupからのリリースだけあって、必然的に比較対象となるFair to Midlandよりも俄然メインストリーム向けのロックバンドであることは確かで、それはレーベルメイトのFFDPHellyeah、そしてあのVOLBEATと一緒に北米ツアーを回っている事からも明らかだ。極めつけに、日本のメタルマスターマサ・イトーや重鎮カズ・ヒロセにも高く評価されている所からも、彼らが持つ異様なポテンシャルの高さを物語っている。とにかく、自国のメジャーシーンで活躍するバンドへのリスペクトや流行りの要素をメインストリーム市場、要するにキッズ向けに昇華した、良くも悪くも突き抜けた”現代のロックバンド感”が凄まじい。当然、メインストリームの音楽にありがちな既聴感は決してないとは言えないし、自らの意思というよりも、「どの層にどう売りたいか?売れるには何をすればいいか?」というレーベル側の思惑が強く出ているが、ある種の初期衝動に近いパワフルな爆発力とエモーショナルなメロディがリスナーの脳ミソに直に訴えかける、そのロックの”うま味”が凝縮された有無を言わせぬ音の説得力に、久々に猛烈な”ロックってイイネ感”を憶えた。彼らの音に”曖昧さ”というのは微塵もなくて、あくまでもメインストリームの音でド直球な”ロック”を貫いているバンドは今じゃ珍しい部類だし、そう考えるとアメリカのメタルを代表するFFDPやパパロッチと同じレーベルに在籍する事の方がむしろ自然というか、正直スメリアンに移籍したらもっと面白くなるんじゃねーかって思ったりしたけど、これはむしろメインストリーム系のレーベルだからこそ許される特権なんだって、もの凄く納得してしまった。実質的に1stアルバムと言っていい本作だが、エモ/オルタナやモダン・ヘヴィ/プログレやダブステ/エレクトロニカ/アンビエントなどのキッズに流行りの音を全部アリーナ・ロック級にブチ上げた、ありそうでなかった大胆かつ斬新なアプローチを耳にすれば、あのBURRN!界隈の重鎮が持ち上げるのも至極納得だし、色々な意味でDIR EN GREYのライブ開演前BGMに使われてもオカシクないとは思った。こうなったら俺たちのワンオクと一緒に北米ツアー回ってほしいよな。なんたって”ワンオクはメタル”だからな。

ある意味、日本のパスピエみたいな感じ。メインストリームという舞台でどこまでツウっぽい音を出せるか。それはベビメタも似たようなもんで、それこそex相対性理論の真部デトックス脩一が語る→「ラッピングされてマーケットに乗り、それに耐えうるものがポップス」というお話、からの「ロックの中にポップスを見い出す」←この問に対する”答え”なんだって(何の話だ)

Nothing More
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Eleven Seven Music (2014-06-26)
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Nothing 『Guilty of Everything』 レビュー

Artist Nothing
Nothing

Album Guilty of Everything
Guilty of Everything

Tracklist

01. Hymn to the Pillory
02. Dig
03. Bent Nail
04. Endlessly
05. Somersault
06. Get Well
07. Beat Around the Bush
08. B&E
09. Guilty of Everything

【血迷ったRelapse】・・・昨年、True Widowの3rdCircumambulationがかのRelapseからリリースされて驚いていたのも束の間、今年も何を血迷ったのか、少しコジャレたエクストリーム系をウリとしているハズのRelapseから、WhirrDeath Of Loversのギタリストであり元DEAFHEAVENニック・バセット君率いるUSはフィラデルフィア出身の4人組、Nothingのデビュー・アルバム『Guilty of Everything』がリリースされた。まずはオープニングを飾る#1”Hymn to the Pillory”を聴けば、彼らがどのような時代の音楽から影響を受けているのかが理解できるハズ。帯のアオリ文句に【My Bloody Valentine with Jesu】と謳っているとおり、CDを再生すると同時に90sオルタナティブ風のギター・メロディやJesu直系の幻想的な轟音ノイズ、そしてドリーミーかつビューティフォーなボーカルとハーコーイッシュなヘヴィネスとダイナミズムがクロスオーバーした、要するにマイブラやSlowdiveそしてスパマンなどの伝統的なShoegazer/AlternativeとJesu直系の現代的なPost-Metalをエクストリームさせた魅惑のドリーム・スケープを展開している。

【F◯◯k Pitchfork】・・・Whirrデッヘボン界隈を追いかけている人なら既に認知してたと思うけど、前作のEPDownward Years to Comeが巷で話題を呼んだ結果が、今回の【血迷ったRelapse事件】というわけ。とは言っても、まだまだ無名な彼らのデビュー・アルバムが一体何故大手のRelapseからリリースされるに至ったのか、その理由→「これはRelapseが血迷うのもしゃーない」と納得してしまった曲がシングルの#2”Dig”だ。実にDoomgaze然とした美轟音と淡~い蒸気を発する叙情性が描き出す仄暗いモノクロ世界の中で、儚くも美しい甘味なボーカルに胸キュン死不可避な名曲で、それこそWhirrの傑作EP桃尻女とシューゲイザーの再来を予感させるほどのドキドキ♥だった。その流れからWhirr”Meaningless”を彷彿とさせる、爽やかなノイズ・ポップチューンの#3”Bent Nail”、マイブラばりの轟音ノイズに耳が殺られる#4”Endlessly”、今年度の【BEST of ATMS】大賞待ったなしの超絶ドリーミーなイントロから、Alcestシェルターに通じるアンニュイなメロディが空間を支配していく#5”Somersault”、再びノイズ・ポップ風のパンキッシュなビートを刻む#6”Get Well”、ドリーミーに始まって後半からモグワイもビックリのけたたましい轟音ノイズ地獄に溺れる”B&E”、そしてラストを飾る表題曲の”Guilty of Everything”まで、全9曲トータル約39分の美轟音に酔いしれること必須。なお、ピッチフォークのレビューで6.9点という中途半端な低評価を受けて→自身のFBで「F◯◯k Pitchfork.」と直球過ぎるディスりをぶちかました彼らの根幹にあるアツい『メタル精神』に敬意を表して、年間BEST確定です。この”F◯◯k”には、サンベイザーがピッチに評価されて”売れる前”のデッヘボンの元メンバーが在籍するバンドだからこその説得力とリアルな憎しみが込められているw

ブックレット

【打倒DEAFHEAVEN】・・・感覚的にはJesuの音でオルタナ/ノイズ・ポップやってるイメージだが、それと同時にレーベルメイトのDeftonesJuniusを連想させる、いわゆるオルタナティブ・ヘヴィっぽい存外メタリックなノリやポストロック然としたリリカルな展開力も持ち合わせてたりして全然退屈しない。正直、今のWhirrよりも傑作桃尻女とシューゲイザーの頃のWhirrやってます。少なくとも#2”Dig”は聴いて損はない。この曲は傑作。で、再び話はRelapseの件に戻るが→そもそもDeftonesが所属している事を考えれば、一見血迷ったかのようにも見えた今回のRelapseの行為は意外でもなんでもないし、むしろデブ豚の正統な後継者と言える存在なのかもしれない。それは廃れた精神病棟に隔離された患者(ヤク中)を陰鬱(モノクロ)に描いた、ヤケに凝ったブックレットのデザインやシンボルマークなどのオサレな刻印を見れば、このNothingがどれだけレーベルから期待され推されているのかが明白だ。昨年のTrue Widowといい、どうやらRelapseDoomgazeという新興ジャンルに早くも目をつけたのかもしれない。この日本でもRelapse JAPANから国内盤がリリースされる予定だが、これにはあのDaymare Recordingsが悔しがっている様子が思い浮かぶほど。なんにしても、WhirrがEPAroundで方向性を変えてオワコン化した今、今やファッション・サブカル系男子のアイドルことDEAFHEAVENというBlackgazeに対抗する唯一の手段が、このNothingDeath Of LoversというDoomgazeなわけだから、こうやって【打倒DEAFHEAVEN】的な視点からデフへ周辺界隈を楽しめちゃうってのは、Whirrや初期デッヘボン好きの隠れニック・バセットファンとして素直に喜ばしい限りです。そして最後に、今ここに宣言しよう→「Nick Bassett is Back...」と。

Guilty of Everything
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Nothing
Relapse (2014-02-27)
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