Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

レビュー (K)

Kreator 『Gods of Violence』

Artist Kreator
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Producer/Mixing Jens Bogren

Jens Bogren

Album 『Gods of Violence』
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Tracklist
01. Apocalypticon
02. World War Now
06. Army Of Storms
07. Hail To The Hordes
08. Lion With Eagle Wings
10. Side By Side
11. Death Becomes My Light

いわゆる「ジャーマンスラッシュ三羽烏」の一角を担うKreator2012年に発表したPhantom Antichristは、OpethAmon Amarthを手がけたイェンス・ボグレンをプロデューサーに迎え、ドイツ流の伝統的なスラッシュ・メタルとスウェーデン人が編み出したイエテボリ・スタイルすなわち北欧メロデスが融合した、もはや「ドイツ人」の皮をかぶった「スウェーデン人の音楽」だった。その前作から約5年ぶり、通算14作目となる『Gods of Violence』でも再びイェンス・ボグレンとのタッグが実現、その内容も前作同様に、いやそれ以上のコンセプトを掲げて「ドイツ人×スウェーデン人」の連合軍が織りなす超絶epicッ!!なイエテボリ型スラッシュ、その再演を果たしている。 
 


アメリカの新大統領にアナル・トランプが爆誕したことにより、地球最後の瞬間を概念的に表す「世界終末時計」の残り時間が2分30秒になって世界大戦間近か?と皮肉られている最中、このKreator『Gods of Violence』では、幕開けを飾る壮大なイントロに次いで、二曲目の”世界大戦いま!”からして、世界中の人々がアナル・トランプに冷ややかな視線を送る中、我先にとアナル・トランプのアナルをペロリンチョしに駆けつける極東のアナべべ・マリオを痛烈に皮肉るかのような、それこそアナル・トランプの移民受け入れをめぐる発言に対するスウェーデン人の「怒り」が暴虐的な憎悪となって、そして一昨年の2015年以降、より強固になったイェンス・ボグレン黄金のリベラリズム」が、世界中で打倒アナル・トランプを掲げた暴動を巻き起こすような、それこそ世紀の独裁者アドルフ・ヒトラーを生んだドイツ人とスウェーデン人に流れるスカンジナビアの血が脈々と噴き出すかのようなキラーチューンだ。あらためて、やはりイェンス・ボグレンという男は、「いま世界で最もリスペクトできる男」なのかもしれない。



そのアナル・トランプに対する強烈な皮肉が込められた#2”世界大戦いま!”から、畳みかけるように「悪魔=サタン=アナル・トランプ現実にいる」と皮肉ってみせる#3”Satan Is Real”Epica”Martyr Of The Free Word”ばりのエクストリーム・スラッシュの#4Totalitarian Terror、アコギとハープのエキゾチックな音色が織りなす楽園の如し神秘的なイントロから、一転してゴリゴリのスラッシュへとギアチェンする表題曲の#5Gods of Violence、ミドルテンポでよりヘヴィな重さに比重を置いた#7”Hail To The Hordes”、再び神秘的なイントロからガチガチのイエテボリ・スラッシュにギアチェンする#8”Lion With Eagle Wings”、再びミドルテンポでグルーヴィに聴かせる#9”Fallen Brother”、再び緩急を効かせた#10”Side By Side”、そしてドラマティックに展開するラストの#11”Death Becomes My Light”まで、基本的には前作の流れを汲んだイエテボリ型のスラッシュ・メタルに変わりないが、今の時代だからこそ「説得力」のあるメッセージ性の強いシミカルな歌詞を、痰を吐き散らすように吠えるミレのパンキッシュなスクリームと、スラッシーな「速さ」よりもヘヴィな「重さ」を重視した曲調、そして「世界大戦前夜」とばかりに世紀末的な世界観を際立たせるギミック面が絶妙にマッチアップした作品だ。

前作の『アンチクライスト』では神の存在を否定したが、一転して今作では神の「怒り」を表現している。 前作は「イェンス・プロデュース」ならではのギミックがモロに曲調に反映されていたが、今作ではその「イェンス・プロデュース感」は希薄で、俄然タイトで俄然ヘヴィな変化球なしのド直球なスラッシュ・メタルを展開していく。個人的には、超絶epicッ!!な北欧メロデス全開のイェンス節に溢れた前作のが好きだが、これは完全に好みの問題だと思う。少なくとも言えるのは、良くも悪くも二作目イェンス・プロデュースといった感じの作風だということ。

★この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには、いっさい関係ありません。
 
Gods of Violence
Gods of Violence
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Kreator
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Kero Kero Bonito 『Bonito Generation』

Artist Kero Kero Bonito
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Album 『Bonito Generation』
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Tracklist
01. Waking Up
02. Heard A Song
03. Graduation
04. Fish Bowl
05. Big City
06. Break
08. Try Me
09. Paintbrush
11. Picture This
12. Hey Parents

この一際目を引くジャケを初めて目にした時に→「妙に日本人っぽい雰囲気あるけど、なんだこれ」みたいな好奇心から始まり、そしてたどり着いたのは、日英ミックスのサラ・ミドリ・ペリーとロンドン郊外出身のジェイミーとガスによる三人トリオ、その名もKero Kero Bonito(ケロケロボニト)の1stアルバム『Bonito Generation』だった。つうか、ケロケロボニトゴーゴーペンギンで韻踏める。

さっそくアルバムを再生してみたら、そこにはどこかで聴いたことあるような、しかし全てが新しくもあるような新感覚なサブカルミュージックを展開していた。相対性理論以降の新世代ラッパーDAOKO水曜日のカンパネラをはじめとした渋谷系のシティ・ポップ、そしてきゃりーぱみゅぱみゅPerfume中田ヤスタカ界隈にも精通する、イマドキのサブカルクソ女界への刺客としてイギリスから送り込まれたのが...いや、これはむしろ日本のサブカルチャーが海外に与えた影響が形となって生まれた音楽、その答え=Answerがこのケロケロボニトだ。

ケロケロボニトの大きな魅力でありウリの一つに、日本語と英語を織り交ぜた歌詞という独自のスタイルがあって、さすがにボーカルのサラが日英ミックスだけあって、ハリウッド映画に出てくるようなカタコトの日本語ではなくほぼネイティブの発音だから違和感はないし、その日本語と英語の組み合わせや日英ミックスならではの会話風のセンスがグンバツで、とにかく言葉遊びのリズムと繋ぎを自然に聴かせる。日本語パートだけを聴くと本当にイマドキ流行りの日本のサブカルクソ女そのものだし、それが英語パートに切り替わると普通のティーン・エイジャー向けの青春ポップスに様変わりするギャップがまず面白いし、とにかく一度聴いてしまえば、まるで名作リズムダンスゲーム『パラッパラッパー』ばりにコミカルでファニーな世界観と、その摩訶不思議でkawaiiケロケロワールドの虜になってしまうこと請け合いだ。
 

JKの朝は早い。目覚まし代わりのアブストラクトなトラックを合図に、「ふあ~クソネミ」と愚痴りながら体を「Wake Up!!」させて鏡を見たらJKと体が入れ替わってて、考える暇もないのでとりあえず”Waking Up”し始める幕開けから、「パワーアップして戻ってきたぜ 無敵のヒーロー、それがボニト」という感じで自己紹介がてら摩訶不思議なケロケロワールドへと聴き手を誘う。『パラッパラッパー』風のコミカルなSEやJKラップを織り交ぜながら、初期相対性理論を彷彿とさせるサブカルな脱力感がクセになる超絶ポップでキュートなエレクトロ/シンセ・ポップの”Heard A Song”、続く”Graduation”の「先生、みんな、さようなら先生、みんな、さようなら先生、みんな、さようなら、耳の中で卒業」という現実逃避サイコーな日本語パートとか「おいおい3776かよ」ってなるくらいロリ系アイドルにも精通する振り幅を垣間見せたり、でもって”Fish Bowl”のメインコーラスなんかマイラバのakkoかよってくらい謎の癒し効果を発揮するし、そしてPerfume”Magic of Love”が始まったかと勘違いするくらいシティ・ポップ然としたノスタルジックなイントロから日本語歌詞まで超絶ポップでキャッチーに展開する”Big City”まで進むと、「ハッ!?まさか「ケロケロボニト」の「ケロケロ」は広島出身のPerfumeをリスペクトして名付けられた・・・?」という衝撃の事実に辿り着く。
 

日本語ラップメインの”Break”、悪夢にうなされているかのような初っ端の「やめろぉ(棒)」から出オチで笑える”Lipslap”水曜日のカンパネラリスペクトなバキバキでウィンウィンなビートを刻むトラックが聴きどころで、”Try Me”の日本語パートも3776を彷彿とさせるし、オール日本語で展開する”Paintbrush”、再びPerfumeリスペクトな超絶ポップチューンの”Trampoline”の「信じればいい↑↑んだよ~」には「グリーンだよ~!!」返ししたくなるし、「放課後のプリクラ しゃめとってじどりして おくってかえしてとこして」というSNS時代のJKワードを駆使して最後のJK生活を満喫する”Picture This”、そして「ずっと子供でいたいのに」というJKの切実な願いが篭った”Hey Parents”を最後に、無事に卒業証書が授与される。

再び「Wake Up!!」してDayDreamから朝、目覚めるとなぜか涙を流していた。恐る恐る鏡の前に立つと、冴えない中年おっさんの姿に逆戻りしていた。そう、さっきまでのDreamは、JKボニトと体が入れ替わってJK気分で華やかな学園生活を疑似体験する変態おじさん妄想だったのだ。人生の悩みとは無縁の、クソポジティブな「JK」とかいう無敵人間の超絶ハッピーな学園生活、そして卒業までの前向きなメッセージとJKワードを盛り込んだ歌詞をゆるかわなJKラップでチェケラ!!と刻む、それこそパリピならぬパリポ(パーリー・ポップス)あるいは「JKポップ」としか他に例えようがないケロケロワールド炸裂ッ!

一見、サラのぐうかわラップやボーカル面や歌い回しに耳が行きがちだが、実はジェイミーとガスの二人のトラックメーカーによるサウンドもなかなか面白い。一応ジャンルとしては、それこそChvrchesみたいなエレクトロポップ/シンセ・ポップ主体の、良くも悪くもティーン・エイジャー向けに振り切ったポップでキャッチーな青春パリポ(パーリー・ポップス)だが、JKボニトの学園生活を色鮮やかに彩るゆるカワ系のトラックは、一部ではバブルガム・ポップとも呼ばれているが、プレティーンやティーン・エイジャー向けだからといって決して侮るなかれ、そのトラックは実に個性的かつユニークだし、聴いていて素直に楽しい気分にさせてくれる。

この手の音楽って日本独自の音楽というか、あっても日本がブッチギリで強いと思ってたけど、まさかPerfumeのフォロワーが海外から出てくるなて夢にも思わなかったというか、もしこのケロケロボニトが海外で受けたら日本のサブカルクソ女が海外進出するにあたっての間口がグッと広がる可能性だって大いにあるし、つまりボニトが海外でどれだけ受け入れられるかによって、果たして日本のサブカルチャーはどれだけ海外で受け入れられてるのか?その一種の指標にもなると思うし、それこそきゃりーぱみゅぱみゅやパフュームの「海外人気」とやらにも俄然『説得力』が増すってもんです。むしろ逆に、逆にケロケロボニトの登場が日本サブカルクソ女界隈にどのような影響を及ぼすのか?今から楽しみでしょうがない。

これプロデュースやマーケティング次第では日本のキッズやティーンにもバカウケすると思うし、上手くいけばMステ出演もワンチャンあると思うよ。で、「いいこと思いついた、おいコムアイ、ボニト日本に連れてこいよ」と思ったら、既にコムアイとボニトは2015年のSWSWで共演してて、しかもツーショットチェキも撮ってて笑った。しかもそのツイートにさり気なくShiggy Jr.池田智子が絡んでるのがクソウケる。確かに、考えてみるとShiggy Jr.も一種のバブルガム・ポップの日本代表だなって。とにかく、待望の1stフルアルバムがリリースされたことで、きっと日本のサブカルクソ女界隈との絡みも増えてくるだろうし、個人的な期待というか要望としては中田ヤスタカから楽曲提供プリーズみたいな、それかチャーチズのサポートで来日プリーズみたいな。とにかく、このケロケロワールドが織りなす摩訶不思議なVR感覚を沢山の人に体感してほしいし、これはもはや僕たちが待ち望んでいた、JK生活を疑似体験できる一種のVRミュージックだ。
 
BONITO GENERATION
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KATATONIA 『サンクティテュード』

Artist KATATONIA
KATATONIA

Live 『サンクティテュード』
サンクティテュード

Tracklist
01. In The White
02. Ambitions
03. Teargas
04. Gone
05. A Darkness Coming
06. One Year From Now
07. The Racing Heart
08. Tonight's Music
09. Sleeper
10. Undo You
11. Lethean
12. Day
13. Idle Blood
14. Unfurl
15. Omerta
16. Evidence
17. The One You Are Looking For Is Not Here

電撃加入 ・・・最近のKATATONIA関連のニュースで驚いた事といえば→昨年、「ギャラの取り分少ねーよ(家族との時間を優先したい)」という理由のため、惜しまれつつKATATONIAを脱退したドラマーのDaniel Liljekvistが、以前から僕が贔屓にしている同郷のIn Mourningに電撃加入!?という今世紀最大のビッグニュースで、てっきりもう二度と彼のドラムを聴くことはないと失望してたもんだから、この衝撃ニュースが飛び込んできた時は大喜びしたと同時にクソ笑った。そんな古参メンバーであるダニエルノーマン兄弟が脱退した後のKATATONIAは、Bloodbathで知られるギタリストのペル・エリクソンとベースのニクラス・サンディンを新メンバーとして迎え入れたが、ダニエルが脱退すると間もなくペルも脱退する事となり、現時点のメンバーはアンダースヨナス、そしてニクラスの三人体制となっている。その三人体制で、昨年にロンドンの歴史的な教会として知られるユニオン・チャペルで行われた、アコースティック・ライブの様子を収めた映像作品『サンクティテュード』が発表された。

KATATONIA第二章 ・・・良くも悪くもKATATONIAに大きな変化をもたらした問題作『死の王』こと『Dead End Kings』を発表した事で、KATATONIA第一章は終わりを告げ、その『死の王』を再解釈/再構築し、新たにKATATONIA第二章として産声を上げた『Dethroned & Uncrowned』に伴うツアーを収めたライブ作品で、その『D&U』の楽曲を中心に、歴代アルバムの名曲がアコースティック・アレンジで甦る、それこそKATATONIAファンが待ち望んだ夢のようなライブとなっている。サポート・メンバーには、ヨナスとのコラボ(Wisdom of Crowds)でも知られ、先日初来日を果たしたThe Pineapple Thiefブルース・ソードとアルバム『D&U』でもお馴染みのJPがパーカッションとして参加している。結果論ではあるが、もしギタリストのペルが脱退していなかったら、今回のブルースとカタトニアによる夢のコラボは実現する事はなかったと思うとアレ。

雰囲気ライブ ・・・まるで聖者(死の王)の復活を祝う信者の集いの如く、リーダーのアンダースはバリトン・アコースティック・ギターを、ヨナスはエレキ・ギターを抱えて椅子に腰掛けながら演奏し、そのメンバーと対等に観客も着席スタイルのライブとなっている。それ即ち、ギターを弾くヨナスの姿がまじまじと見ることができる大変貴重なライブとも言える。ヨナスはMCで「緊張している」と連呼する割には、体形的な意味でも歌声的な意味でも共にベスト・コンディションで、そこにアンダースとブルースのコーラスが重なって、あまりにも贅沢過ぎる絵面が生まれている。で、さすがにユニオン・チャペルという伝統的な教会だけあって、そのステージ上には淡色に揺蕩うキャンドルの灯火と暗闇の中を射すひとひらの光の如しライトアップによって、まるで『ブラッドボーン』の世界の如し荘厳かつ耽美的な世界観をシンプルに演出してみせる。その神聖な会場から醸し出される独特の空気感とアコースティックな楽器の音が繊細かつ優美に、そして生々しく会場に響きわたる。とはいえ、やっぱり基本的に映像は暗いです。それこそ『LIFE!』女優の石橋杏奈ちゃんが嬉し泣きしそうな最高の"雰囲気音楽"、すなわち"雰囲気ライブ"の極みで、しかしその雰囲気をブチ壊すような観客のガヤが時たま入るのが、海外ライブらしいというかフリーダムな感じで嫌いじゃないですw

Unplugged ・・・おいら、何度でも言うけど『死の王』は元々"アンプラグド化"する事を前提に制作されたアルバムだと信じてやまなくて、実際このライブ音源を聴いてしまうと、もうアンプラグド版の方が"オリジナル"にしか聴こえない。それくらい、KATATONIAの楽曲と"Unplugged"の相性はバツグンである事を証明している。そもそもKATATONIAといえば、メタリックなヘヴィネスと儚くも美しいメロディが絶妙なバランスで共存した音楽をウリとするバンドだが、このライブではバンドの一番のウリと言っても過言じゃあない天性のメロディセンス、そしてヨナスによる魅惑的なボーカル・メロディがより鮮明かつ表面的に、より繊細かつ濃厚に堪能することができる。ライブ・アレンジが加えられたヨナスのボーカルをはじめ、五感に沁み渡るようなメロディの洪水に、まるで割礼の儀を受けているかの如し『清らか』な音空間が静かに拡がっていく。あらためて、元々フォーキーで情緒的なメロディを持ち味とするKATATONIAが、このようなアコースティック・ライブを敢行するなんて事は、意外でもない想定内の出来事だった。特に”The Racing Heart”から”Tonight's Music”の流れは本公演のハイライトだし、涙なしには見れない初期の名曲”Day””Idle Blood”→本編ラストを飾る”Unfurl”までの終盤は実に感動的。アンコールの”The One You Are Looking For Is Not Here”では、アルバムにも参加したThe Gatheringのシリエが登場してヨナスとのディエットを披露する。いわゆる"Bサイド"と呼ばれる近年の楽曲や過去の名曲のアコギ・アレンジ、プロフェッショナルな他アーティストとのコラボレーション、そしてカタトニアの"音響"に対する"こだわり"を垣間見せるような、文字どおり"スペシャル"なライブとなっている。それこそ過去のKATATONIA今のKATATONIAを繋ぎ合わせるような、カタトニアの"オルタナティブ"な音楽性に何一つのブレもない、揺るぎない信念が貫かれた音楽であることを証明するかのようなライブだった。アコースティック・ライブとしては十分な曲数と演奏時間だと思うし、何よりもヨナスきゅんのパーカッション姿が見られるのはこのライブだけ!平成ヨナス合戦ぽんぽこ!

ANATONIA ・・・ANATHEMA『Universal』というライブ作品をリリースしているが、音楽的にもバンドイメージ的にも陰と陽を象徴する対極であり対等なバンドが、一方のANATHEMAが大仰なオーケストラを擁し、一方でKATATONIAが静かなアコースティックをフューチャーするという、このようにライブでも対極的な景色を描き出しているのはとても興味深いし、本当に面白いと思う。ANATHEMA『Universal』がロックバンドとしてのダイナミクスを全面に押し出した、圧倒的な多幸感と激情的なエモーションに溢れた世界的なショーなら、このKATATONIAは絶望の中に希望を見出すような、地域密着型の庶民的で温かいアトモスフィアを形成していく。ライブでも双方の違いを証明すると同時に、互いに引かれ合う存在=ANATONIAとして確かに"リンク"する場面が見えてくる。流石に映像の質やカメラワークの演出的な部分ではANATHEMAに劣るが、チョイと酒を引っ掛けながら作業用BGMに近い感覚で気軽に観られるのは断然KATATONIAの方だ。しかし、まさか『Damnation』みたいな作品を出している盟友のOpethより先にアコースティック・ライブを映像化するなんて、10年前じゃまず考えられなかった事だろう。

ドキュメンタリー ・・・ライブ本編以外には、ヨナスとアンダースがインタビューに質問形式で答える、約60分に及ぶドキュメンタリーが収録されている。 今回のアコースティック・ライブについての質問が大半を占める中、数多くある質問の中で、僕が特に興味深いと思ったのは→「ライブが音楽業界の主な収入源となっていること」に対する答えと、「フランク・デフォルトがカタトニアに与えた影響と賛否両論」という鋭い質問で、以前から近年KATATONIAに与えたフランクの影響、その大きさに言及してきた僕としては非常に興味深い話だった。今は関係良好のまま互いに別の道を行くことに決めたらしく、今後はフランクとのコラボの可能性はないとも答えている。確かに、このライブにフランクが参加していない時点でナニか違和感あるし、そのことについてもアンダースは残念だと嘆いている。そして古参メンバーの脱退、特にダニエルの脱退を非常に残念がっていて、あらためてフランクとダニエルがバンドに与えた影響、その存在の大きさが見て取れる。そんな中、既に新作のアイデアを集めているという嬉しい情報もあり、そして作曲における"色"の大事さや、「作曲しながらアニメーションを作っている感覚」というアンダースの創作技術を暴露する回答もあったりして、ファンとしてはとても面白い話ばかりだった。あと「余計なものを削ぎ落した」というヨナスとアンダースの言葉で思い出すのは、昨年リリースされたDIR EN GREY(一巡)の9thアルバム『ARCHE』の存在で、お互いに表現方法こそ明確な違いはあるものの、やはりKATATONIADIR EN GREYは血縁関係にある事を再認識させた。ライブ本編はMCらしいMCはなくテンポよく進むので、ライブ本編だけ観られればいいという人は無理に字幕付きの国内盤を買う必要はないです。でもドキュメンタリーまでジックリ見たいって人は、字幕付きの国内盤をオススメします。本作、本当に素晴らしいライブ作品なのだけど、やはりダニエルがこの夢のような絵面の中に存在しないのが唯一の残念だ。なお、ダニエルはIn Mourningで先輩風吹かせながら音楽活動をエンジョイしている模様w

きのこ帝国 『フェイクワールドワンダーランド』

Artist きのこ帝国
きのこ帝国

Album 『フェイクワールドワンダーランド』
フェイクワールドワンダーランド

Tracklist
01.東京
03.ヴァージン・スーサイド
04.You outside my window
05.Unknown Planet
06.あるゆえ
07.24
08.フェイクワールドワンダーランド
09.ラストデイ
10.疾走
11.Telepathy/Overdrive

脱アンダーグラウンド ・・・奇才津野米咲率いる赤い公園は、日本レコード大賞の優秀アルバム賞を受賞した2ndアルバム猛烈リトミックの中で、いわゆる"超えちゃいけないライン"の上で"売れたい、売りたい"の精神を両手に新時代の"J-POP"へと猛烈な勢いで振り切っていたが、その赤い公園のボーカルであり"ガールズ・ロック界の研ナオコ"こと佐藤千明と同姓同名の佐藤千亜紀率いる4人組、きのこ帝国の2ndアルバム『フェイクワールドワンダーランド』も、言うなれば"脱アンダーグラウンド"の方向性へと振り切っている。



東京 ・・・おいら、遠い昔は初期YUIすなわち全盛期YUIのファンで、YUIは1stアルバム以外認めないほどの人間で、そのYUIの1stアルバム『FROM ME TO YOU』にも"TOKYO"という曲がある。最近ではパスピエの2ndアルバム幕の内ISMにも"トーキョーシティー・アンダーグラウンド"とかいう曲があったりするし、他にも"東京"をテーマにした曲は山ほどある。で、先ほどの"脱アンダーグラウンド"というイメージは、『LIFE!』女優の臼田あさ美を起用したMVが話題を呼んだ一曲目の"東京"や二曲目の"クロノスタシス"のような、いわゆる"シティ・ポップ"感あふれる本作のリード・トラックを耳にすれば分かるハズだ。初めて"東京"を聴いた時は→「あり?こいつらってこんなバンドだったっけ?どうでもいいけど、こういう大衆ウケを狙った音だけど私たちノイズ/シューゲにもバリバリ精通してます(テヘペロ)みたいな、ちょっとキドった邦楽ロックもういいから・・・ホントもういいから・・・」というネガティヴな感想を持ってて、しかし心の奥底には(でもスゲーいい曲だな...)という正直な想いも確かに存在していて、そんな妙な"引っかかり"みたいなのがあって、つまり赤い公園と同じように2ndアルバムで"脱アンダーグラウンド"へと振り切ったその理由、その"意思"に僕は大いに興味を惹かれたのである。

ガール「ねぇ、クロノスタシスって知ってる?」

ぼく「いや、知らない。クロノトリガーなら知ってる(どやっ!)」←モテない

ガール「時計の針が止まって見える現象のことだよ」

ぼく「DIOのスタンド攻撃かな?」←モテない



シン・シティ・ポップ ・・・このアルバム、ネクラでヒキコモリの中二病系サブカル豚野郎相手にドヤってたミニアルバムの『渦になる』やEPの『ロンググッドバイ』、そして前作の1stアルバム『eureka』とは一線を画していて、"らしさ"のあるダウナーな狂気性と前向きでポジティブな力強いエモーションがユラユラと不安定に揺れ動く"東京"は、荒波のような時の流れと焦燥感あふれる東京の街を再現するかのような轟音に、東京を舞台に"アナタ"という『光』あるいは『希望』を見出した刹那い系の歌詞を、椎名林檎は元より初期YUIや新星Aimerを連想させる、都会の孤独感や疎外感をウリにしたシンガー・ソングライター的な存在感を発揮するVo佐藤が感情を高ぶらせながら俄然エモーショナルに歌い上げる、まるでバンドを次のステージにブチ上げるかのような、もはやきのこ帝国を代表するアンセムと成りうる名曲だ。ちなみに、赤い公園猛烈リトミックにも"TOKYO HARBOR"というゲストにKREVAを迎えたシティ・ポップナンバーがあるが、二曲目の"クロノスタシス"は夢遊病患者の夢ような幻想的かつノスタルジックな世界の中で、ポエマーみたいなリリックをソウル/ラップ調のボーカルでシットリとリリカルに聴かせる楽曲で、この頭の二曲できのこ帝国なりの"シティ・ポップ"の新たなる形をシーンに掲示してみせる。

椎名林檎×YUI=きのこ帝国 ・・・このアルバム、例えるなら『勝訴ストリップ』あたりの椎名林檎初期YUIのちょうど中間に位置する、メジャーっぽくもありインディっぽくもあるサブカルみたいなスゲー面白い立ち位置にいて、特に初期Whirrを彷彿とさせるダウナー系胸キュンシューゲの#3"ヴァージン・スーサイド"や不協和音のような不快感を煽る狂ったようなノイズを放つ#6"あるゆえ"、そして今の季節にピッタリな素朴な歌詞が染みわたる#9"ラストデイ"で聴けるような初期椎名林檎を彷彿とさせるアンニュイでシニカルなボーカルを耳にすれば、フロントマンの佐藤千亜紀"ボーカリスト"としての自覚が芽生えているのがわかる。???「私は楽器じゃない!」・・・その姿は、まるで相対性理論TOWN AGEやくしまるえつこのようだ。当然、その歌唱力は決して褒められたもんじゃあないが、ほとばしる妙なヘタウマみたいな感覚はまさにYUIそのもので、中でも今は行方不明者となってしまった全盛期のYUIが現代に蘇ったかのよな#10"疾走"のインパクトったらなくて、もはや今後のきのこ帝国の方向性を見定める一曲になるんじゃあないか?ってくらい、ネクラだった奴が生まれて初めて真っ直ぐなキモチを歌った、それこそ"大衆性"に満ち溢れたポップ・チューンだ。で、もしこれが初期椎名林檎だけをイメージさせるアルバムだったなら、その辺にいるサブカルバンドとなんら変わらないし、いわゆる"俺の感性"もここまでの反応を示さなかったと思う。でも初期椎名林檎初期YUIのハイブリット型J-POPってんなら話は違ってくる。僕は赤い公園猛烈リトミックの記事の中で→「"売れたい"という"意思"を感じないきのこ帝国には興味がない(キリッ)」みたいな事を書いたが、ありゃとんだ誤解だった。今のこいつら、、、ドチャクソ面白いです。

超えちゃいけないライン

猛烈リトミック』≠『フェイク~』 ・・・このアルバム、インダストリアルやアコギをフューチャーしたトリップ・ホップ系のインストをはじめ、ハーモニカを使ったカントリー調の楽曲などの新機軸的な発想を絶妙なアクセントとして落とし込んでいる。だから思いのほかゴチャゴチャしているというか、初期椎名林檎がシューゲ化したかと思いきや、一転してYUIあるいはチャットモンキー風のメジャーなJ-POPに聴こえる曲もあったりして、正直かなり"おいしい"立ち位置にいるというか、当然それは各方面からの影響を取り込んだ結果でもあって、とにかく過去最高に"私たち色んなことできますアピール"が凄いアルバムだ。良く言えば幅広い、悪く言えば曲の向いている意識がバラバラだ。でもこれを赤い公園猛烈リトミックと同じように"バラエティ豊か"なんて安直に表現するのは少し間違っているというか、あれだけ多くのジャンルが交錯しているのにも関わらず一つのアルバムとして成立しちゃってるのが『猛烈リトミック』の凄い所でもあって、逆にこの『フェイクワールドワンダーランド』は"中途半端"だから面白いというか、なんだろう"超えちゃいけないライン"を目の前にしてウジウジしてるような、まだどこか過去の自分を引きずってるような戸惑いや迷いみたいなのがあって、でも逆にそれが"らしさ"に繋がっている気がしないでもなくて、要するに"開かれている"を体現したような『猛烈リトミック』と比べたらまだまだ全然"アンダーグラウンド"だし、インディの殻をブチ破れていないってのが正直なところ。いや・・・僕はきのこ帝国を例に出してまで赤い人を持ち上げたいわけではなくて、確かに赤い人『猛烈リトミック』は日本中の音楽好きが反応してやらなきゃいけない、すなわち"売れなきゃいけないアルバム"だった。しかし、この『フェイクワールドワンダーランド』は別に"売れなきゃいけないアルバム"でもないし、日本の音楽リスナーが特別に"反応しなきゃいけないアルバム"でもなくて、一見すると双方似た境遇、似た立ち位置にあるアルバムのように見えて実は全くベクトルの違う作品なのだ。むしろ『猛烈リトミック』に対する"カウンター"みたいな解釈を持って聴くと俄然面白くなるというか、「じぇいぽっぱー?阿呆くせぇ・・・日和ってんじゃねーよブス」とでも言いたげな佐藤千亜紀の凛々しさに惚れる。実際、高揚感を煽るエピカルなオルタネーターっぷりを発揮する”You outside my window”の歌詞にある「阿呆くせぇ」と同じノリで佐藤に「イカ臭ぇ」って罵られたい系男子絶賛急増中じゃん・・・?ともあれ、赤い人は過去の自分を全て引っ括めてNEXTステージにブチ上げたが、きのこ帝国はまだまだヒキコモリのネクラ精神が抜け切れていない。だからこのアルバムは、"ブレイク"を目前にしてモジモジしてるウヴな女の子感に萌えるアルバムなのだ。

裏BESTアルバム ・・・このアルバム、これまでの洋楽志向の強い音から一転して邦楽志向の強い音に振り切ってるのが最も大きな"変化"で、正直"マニア向けのシューゲイザー"の域を抜け出せていなかった過去作よりは色々な意味で面白いです。でも技術的な面からメロディやアレンジ面、そして音作りからソングライティング面も含めて、まだまだ力量が自らの理想像に追いついていない状態で、要するに→本作が今のきのこ帝国が振り切ることのできる限界ラインと設定すると、恐らくは"超えちゃいけないライン"の上に立つであろう次のアルバムが早くも楽しみになってくるし、それはきっと"売れなきゃいけないアルバム"になるに違いない。そこで初めて『猛烈リトミック』と同じ景色が見れるんだろう。だから、もっともっと振り切っていい。例えば赤い公園津野米咲をプロデューサーとして迎えるとか、橋本愛似の端正な顔立ちからイメージされるミステリアスな雰囲気をブチ壊すような、例えば佐藤千亜紀が萌え豚アニメのコスプレしながらライブするくらい振り切っちゃっていい。まぁ、それは冗談として→結論から言えば、今のちんこ帝国もといきのこ帝国ほど面白いバンドって他にいないんじゃあないか、ってお話。つうか、なんか久々にドイヒーなレビューになってしまったので、反省の意味を込めて、ゆらゆら帝国妖精帝國を筆頭としたいわゆる"帝国系バンド"の一角を担うきのこ帝国"サVカル系男子"こと率いるsukekiyoの対バンが発表されるまで更新停止します。

フェイクワールドワンダーランド
きのこ帝国
DAIZAWA RECORDS/UK.PROJECT (2014-10-29)
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Killer Be Killed 『Killer Be Killed』

Artist Killer Be Killed
Killer Be Killed

Album 『Killer Be Killed』
Killer Be Killed

Tracklist
01. Wings Of Feather And Wax
02. Face Down
03. Melting Of My Marrow
04. Snakes Of Jehova
05. Curb Crusher
06. Save The Robots
07. Fire To Your Flag
08. I.E.D.
09. Dust Into Darkness
10. Twelve Labors
11. Forbidden Fire

【DEP×丼×Soulfly×The Mars Volta】・・・先日、Opethミカエル・オーカーフェルトIn Flamesビョーン・イエロッテMastodonビル・ケリハーによる新プロジェクトが発表された。Opethのミカエルはコラボの常連だが、そのミカエルとビョーンのスウェディッシュ勢とUS勢のビルとの組み合わせはちょっと想像つかなかった。しかし、ビルと同じマストドンのベーシストトロイ・サンダースは、一足先にThe Dillinger Escape PlanSoulfly/ex-Sepulturaの主要メンバーらとコラボしてたりする。そのスーパーバンドこそ、このKiller Be Killedだ。

【kojiki-Metal】・・・これまたムッサ苦しいくらい濃ゆいメンツで、この獣臭い髭もじゃ野郎たちで繰り広げるメタルはさぞかしムッサい”kojiki-Metal”なんだろうと想像したとおり→とりあえず、一曲目の”Wings Of Feather And Wax”を聴けば分かるように、アメリカン・モダンヘヴィネス/グルーヴ・メタルとブラジリアン・スラッシュがエクストリーム合体した、なんかもう”計算され尽くしたメタルコア”といった感じの曲で、リードボーカルはトロイでサビメロはDEPのグレッグが担当し、転調してからはマックス・カヴァレラの独壇場だ。普段はバカテクのカオティックなハードコアを本職としている連中には、もはや「メタルコアなんてチョロいっす」みたいなノリというか余裕すらある。実際スゲー良い曲なんだけど、本家でやってる音楽性から見ると「へーすごい(棒)」みたいな感想しか出てこないのは、本家のDEPやマストドンの”凄み”を表しているのか、それともDjentに立ち位置を奪われたメタルコアというジャンルに倦怠感を感じているからなのか?まぁ、それはさて置き、それ以降は「メロディなんかクソ食らえ」と言わんばかりの、ブルータリティ溢れる重心の低い極悪なヘヴィネス一辺倒で全てを捻り潰していく。そして、マストドン譲りのプログレッシヴな展開力を発揮しながら、ザックザクに刻み込むリフに乗せてトロイ&グレッグ&カヴァレラの野性的かつ獰猛な咆哮のかけ合いが、半ば強制的にヘドバンを誘発する。その中でも、グレッグ中心のDeftonesライクなオルタナティブ・ヘヴィの#3”Melting Of My Marrow”や#6”Save The Robots”、スラッシーな#4”Snakes Of Jehovah”、ミドルテンポ主体で凶悪なヘヴィネスを轟かせる#5、カオティック・ハードコアの#7”Fire To Your Flag”、もはや当たり前のようにGojiraライクなハードコアパンク/デスロールの#8”I.E.D.”、オルタナ期のメタリカっぽい#11”Forbidden Fire”など、各メンバーそれぞれの持ち味を活かした男気あふれる硬派なエクストリーム・ハードコアをよりどりみどり取り揃えている。例えるなら→グルーヴ・メタル化したConvergeみたいな雰囲気すらある。

最大手Nuclear Blastからのリリースということで、言わずもがな、その内容は折り紙つきだ。メタルコアというより、メロディを極力排除したガチなハードコアファン向けって感じだけど、どちらかと言えば各メンバーが属するバンドのコアなファン向けの企画モノなのかもしれない。



Killer Be Killed
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