Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

レビュー (V)

戸川純 with Vampillia 『わたしが鳴こうホトトギス』

Artist 戸川純 with Vampillia
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Album 『わたしが鳴こうホトトギス』
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Tracklist

01. 赤い戦車
02. 好き好き大好き
03. バーバラ・セクサロイド
04. 肉屋のように
05. 蛹化の女
06. 12階の一番奥
07. 諦念プシガンガ
08. Men’s Junan
09. わたしが鳴こうホトトギス
10. 怒濤の恋愛

織田信長「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス

約一年ぶりに漫画『HUNTER X HUNTER』の連載再開がアナウンスされた原作者の冨樫義博が、この休載期間という名のサボり中に一体ナニをしていたのか?それこそ、戸川純の歌手活動35周年を記念したブルータルオーケストラことVampilliaとのコラボ作品に伴うアーティスト・イラストで、これには「もっと仕事選べよ富樫、つうか仕事しろ富樫、あっ、仕事してんのか富樫」ってツッコんだ。 

豊臣秀吉「鳴かぬなら鳴かしてみせようホトトギス

何かとお騒がせな戸川純に影響を受けた(女性/男性問わず)アーティストは数知れず、中でも「戸川純の後継者」とか「戸川純のパクリ」だとか散々なレッテルを貼られた椎名林檎はその筆頭で、その椎名林檎の提供曲をドラマ『カルテット』の中で披露し、そしてMONDO GROSSOの約14年ぶりとなる新曲ではバブミの深い歌声を聴かせていた女優の満島ひかりちゃんが、戸川純の12年ぶりの新曲および新作となる『わたしが鳴こうホトトギス』に対するコメントを発表したとのことで、いわゆる十年来の「満島ひかり大好き芸人」としては聴かないという選択枠がもはやないわけです。しかし今思うと、9年前の2008年に公開された園子温監督の映画『愛のむきだし』での満島ひかりちゃんの息を呑むほどの破天荒な演技には、他でもない戸川純の影響があったのかもしれない。そう考えると、今回のコメントの件はなかなか感慨深いものがある。

徳川家康「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス

当然、自分は戸川純が世間を騒がせていたらしい時代/世代の人間じゃないので、それこそ例の重大事件をニュースで見て「頭のおかしな女」と子供ながらに思った記憶しかなくて、だから2014年にVampilliaとの初コラボが実現した『the divine move』"lilac"で初めて「歌手」としての戸川純の歌をマジマジと聴いたくらいで、つまり今作に収録された過去の名曲すら実質新曲として認識してしまう立ち位置の人間が、ただ単に「満島ひかり大好き芸人」という理由だけで今作を聴いてみた結果・・・果たして?



幕開けを飾る1曲目の”赤い戦車”から、ツインドラムを擁した破天荒かつアヴァンギャルディなVampilliaらしいヘヴィなサウンドスケープを繰り広げ、その重厚な音世界のセンターで威風堂々とした立ち振舞で戸川純が、それこそ昔も今も変わらぬ「シン・オルタナティブ」としてのシンボル=象徴としてその絶対的な存在感を発揮する。2曲目の”好き好き大好き”は、どっかで聴いたことあるなと思ったら、新生アイドル研究会BiS非常階段がコラボしたユニットことBiS階段がカバーしたことでもお馴染みの原曲で、初期のDir en greyみたいなサイバーパンク感あふれる3曲目の”バーバラ・セクサロイド”、イントロからグランジ風のヘヴィなギターリフをフィーチャーした4曲目の”肉屋のように”、パッヘルベルの名曲”カノン”に詞を与えた5曲目の”蛹化の女”は、原曲でもお馴染みのストリングスの優美な旋律と打ち込み系の激しくモダンなアレンジが、コラボならではのギャップと摩訶不思議な音楽体験を提供している。ATMSフィールドを展開する緩やかな始まりから、転調を交えてドラマティックに展開していく6曲目の”12階の一番奥”、ツインドラムが放つグルーヴが気持ちいい7曲目の”諦念プシガンガ”、激情系ポスト・ブラックメタル感がマシマシになる8曲目の”Men's Junan”、そして12年ぶりの新曲となる表題曲の”わたしが鳴こうホトトギス”は、初コラボ曲の"lilac"の再来となる真部脩一が手がけた俳句的な歌詞を刹那的に歌い上げる戸川純のボーカル、ピアノとヴァイオリンの優美な音色が織りなす緩やかな始まりから、歌姫の『魂』に共鳴するかのように激情するギターと怒濤のドラムが唸るような轟音を形成し、物語はリリカルでドラマティック、そして感動的なクライマックスを迎える。その姿は、まるで決して出会ってはいけない、「はみ出し者」with「はみ出し者」が運命の再会を果たしたかのような、その「はみ出し者」同士お互いに共振し、そして互いに高め合うようにして未知なる相乗効果を生み落としている。

このアルバムには、戦国時代の3人の英雄が叶えた「天下統一」という『夢』、その気高い『意志』を現代に受け継ぐ「歌姫」として生き続ける戸川純の『覚悟』が込められている。Vampilliaとかいう謎の音楽集団が繰り広げる混沌蠢くサウンドに飲み込まれない、むしろ逆に美味しそうに喰っちゃってる戸川純の歌声、その存在感たるやまさしく唯一無二かつ孤高、それ以外のナニモノでもない。もちろん、過去の原曲を知っていたほうが良いのだろうけど、しかし原曲を知らなくてもVampilliaworld’s end girlfriendによる多彩で奇抜なアレンジで楽しませる、つまり”カッコー”ならぬ『過去』の音を『イマ』の音としてブラッシュアップしている。そもそも、Vampilliaとの初邂逅となった"lilac"の時点で、その異常な相性の良さを垣間見せていたが、その相性の良さは今作および新曲を聴けば確信へと変わるし、目出度く出演が決まった今年のフジロックでは、この音源以上の「はみ出し者」with「はみ出し者」によるブルータルな喜劇舞踏を見せてくれるに違いない。でもちょっと待って欲しい、今年のフジロックにMONDO GROSSO戸川純 with Vampilliaの出演が決まったとなると...もしや満島ひk...いや、ねーか...。

とにかく、12年ぶりの新曲は"lilac"の延長線上にある名曲なんで、これだけのために今作を聴く価値は十分にあります。ちなみに、ネクロ魔ことNECRONOMIDOLと同じように、今作をBandcampで買うとflacが24bitのハイレゾ仕様になってるので、普通に国内のハイレゾ配信サイトで同じ仕様の音源を買うよりもチョトだけオトクです。

わたしが鳴こうホトトギス
戸川純 with Vampillia
Virgin Babylon Records (2016-12-14)
売り上げランキング: 5,924

VERSA 『Neon EP』

Artist VERSA
VERSA

EP Neon EP
Neon EP

Tracklist
01. Neon
02. Illusion
03. Wanderlust

【Versa Emerge→VersaEmerge→VERSA】・・・その年の俺的BESTでも名前が挙がった、VersaEmerge名義でリリースされた2010年作の1stフルFixed at Zero以降まったく音沙汰がなく、調べてみたらメンバーの一人が脱退して、新たにVersaEmergeから後ろのEmergeを取ってVERSAに改名して、更には音楽性もガラッと変わっててリアルに「!?」って驚いたけど、大して期待せずに音源を聴いてみたら前身バンドより自分好みで再び「!?」ってなった。



【女版†††】・・・なにが驚いたって、デビュー作のFixed at Zeroでは後藤久美子系女子のフロントマンSierra Kusterbeckをフューチャーした”ポストハードコア化したパラモア”もしくは”ミューズ化したパラモア”やってたけど、VERSAに改名後初の音源となるEP『Neon』ではレトロ感あふれる打ち込み系のエレクトロ・ポップ/シンセ・ポップやってて、とりあえず”Wanderlust”のMVで初めて音源を聴いて感じた事は→「この感覚、UKのChvrchesでもないしUSのPhantogramともちょっと違うし...この懐かしいレトロ感はスウェーデンのPostiljonenかな?でも、それよりもどっかで聴いたことあるような謎のデジャブ感・・・」という風に丸一日悩んだ挙句、遂に→「ああああああああああああ!!これってカナダの誕生日に大虐殺(The Birthday Massacre)のソレだ!!」って気づいた時は、なんとも言えないカタルシスを感じた。それと同時に、アイドルのライブでは必須アイテムとなるジャケのサイリウムもとい夜の街を彩るネオンのように妖しく煌めく、ほのかにゴシック/ダークなATMSテイストやフェミニンな空間形成は、まるでFarShaun LopezDeftonesチノ・モレノによるプロジェクト†††の女版みたいな”ナイトメアポップ”感を第一印象として持ったわけなんだけど、その後に今作『Neon』のプロデューサーがFarShaun Lopez本人だと知った時はドヤ顔でニヤリとせざるを得なかった。

【Trip-Hop化したThe Birthday Massacre】・・・とにかく、このVERSAは中心人物であるブレイクによるギターやストリングス、シンセ/キーボードやダブステップなどのインダストリアルな要素を取り入れた妖艶なATMS空間の中で、シエラのアダルティでありながら気だるさを持つ歌声がダンサンブルに繰り広げる、非常に魅惑的なオルタナであるのは確かだ。元々、シンガーとしてのポテンシャルはFixed at Zeroで既に証明していたし(それ故の良作だった)、このEPでもジャンルは違えど、その”emo”をルーツとする質の高いボーカルのメロディは不変で、オープニングを飾る表題曲ではR&Bちっくな歌を披露していたり、#2Illusionではセクシャルな一面を垣間みせたり、#3の名曲”Wanderlust”では『Fixed at Zero』譲りのポップなメロディを少しダウナー寄りにした歌声を聴かせている。正直どれもシングル化できそうなくらいの良曲なんだけど、その中でも”Wanderlust”The Birthday Massacre『Walking With Strangers』を初めて聴いた時と同じデジャブを感じたというか、大袈裟じゃなしにそれくらい久々に”俺の感性”がピクピクと反応した。特に”Like a dream disappears Just a memory I’m already gone You’re a blessing and a curse Just a memory”って部分のトリップ感はホントすき。

見てのとおり、もはや”バンド”としての体をなしておらず、VersaEmerge改めVERSAサウンドの中核を担うブレイクシエラの二人組ユニットだが、Farの中の人がガッツリ関わっている事もあって、今回のEPを聴く限りでは正直前身バンドよりも期待できそうな感じだし、個人的には今更ポップ・パンクやるのもアレだし、このままChvrchesPhantogramをはじめとした、そして何よりも女版†††としてこのオルタナ路線を突き進んで欲しい次第。今ならこのEP、彼らのBandcampNYP!NYP!NYP!なんで是非とも。

Vampillia 『my beautiful twisted nightmares in aurora rainbow darkness』 レビュー

芸人 Vampillia
Vampillia

Album 『my beautiful twisted nightmares in aurora rainbow darkness』
my beautiful twisted nightmares in aurora rainbow darkness

Tracklist
1: my beautiful twisted nightmares in aurora rainbow darkness
2: ice fist
3: hiuta
4: seijaku
5: storm of the snow
6: anata ni kakaru niji
7: draumur
8: von
9: tui

【Vampillia=お笑い芸人】・・・僕は未だに、このVampilliaという名の得体のしれない集団が一体何者なのか?ただのAlcestのカキタレなのか?その実態をまるで理解していないので、数年前から1stアルバムが出る出る言いながら全然リリースされる気配のなかった、彼らの1stフル『my beautiful twisted nightmares in aurora rainbow darkness』が遂にリリースされたという事で、さっそく聴いてみた。僕の中で、アルセストの初来日ツアーで初めてその存在を知った時から→”ヴァンピリア=お笑い芸人”というイメージしかなくて、そんな僕に”Vampilliaの楽曲”というのを初めて意識させ、初めて”お笑い芸人”ではなく”アーティスト”として認識させた”endless summer”には驚かされた。が、それですらアナログ限定のリリースで、そんなこんなでまともに音源を聴く機会がないまま今に至る。しかし、その名曲が遂にCDとしてパッケージされた、ex相対性理論真部脩一あらため真部デトックス脩一をフューチャーした日本企画盤the divine moveで、ようやく初めてヴァンピリアの音源をまともに聴いて、それがなかなかどうして素晴らしい内容だった。その言わば序章を経て、満を持してリリースされた本作品は、アイスランドのGREENHOUSE STUDIOでレコーディングされ、プロデューサーにはBen Frostとビョークやシガロ作品のエンジニアで知られるValgeir Sigurðssonを迎えた作品となっている。

【Sunn O)))→Vampillia→Ulver】・・・そんな、自称ブルータル吉本オーケストラのVampilliaがJ-Pop産業に挑戦するコンセプト作品the divine moveの案内人、すなわちストーリーテラーだったツジコノリコを再び迎えた表題曲の#1”my beautiful twisted nightmares in aurora rainbow darkness”から、この物語『アイスランドサガ』は幕を開ける。あのビョークやシガーロスを生み出したアイスランドの豊かな自然と雄大な大地を抒情的かつ繊細に描き出すような優雅なストリングスとピアノ、もはや神々しさすらあるツジコノリコという名の語り部が、”男は狂った鳩のように、ギョロついてアタシ逃げ出す”や”オウムのように着飾った女たちで溢れてる”とかいう歌詞を初めとした、それこそ『本当は恐ろしいグリム童話』の如しオゾマシイ詞を朗読しながら、二次元力の高い幻想的な空間の中で静寂という名の狂気を形成していく。が、その情緒溢れる序盤から一転して、後半に差し掛かると決して目覚めさせてはいけないナニカのドス黒い影が蠢き始める・・・。僕たちは、この”黒い音”を知っている。そう、最近ではSunn O))) & Ulver、そしてアンダーグラウンドシーンの重鎮Kayo Dotのソレだ。特に3:50秒以降の展開は一種異様で、UlverSunn O)))がコラボした『Terrestrials』を彷彿とさせるドローン/ダークアンビエントな音響と歪んだクラシカルなストリングスが重厚に映し出す、それこそUlver”As Syrians Pour In, Lebanon Grapples With Ghosts Of A Bloody Past”で訴えていた人間の内に潜む”静寂の狂気”を、それこそ人間世界の悲惨の「線」を静かに、しかし深裂に描き出していく。その、まさしく秘密結社Kscopeが提唱する”Post-Progressive”な展開力の高さに、まるで一本の欧州映画を観ているかのようなストーリー性の高さに、そしてSunn O)))Ulverを繋ぎ合わせる存在がこのVampilliaだという事に気づいてしまった僕は、その場で狂った鳩のように発狂した。と同時に、あらためて僕がこのヴァンピリアに求めているモノ、それすなわちこの曲や『the divine move』で繰り広げていた→【Post-Progressive×Post-Black=”Post-感”】なんだと理解ッした。



【Kayo Dot→Vampillia→Steven Wilson】
・・・昨年、アンダーグラウンドシーンを最も賑わせたアルバムといえば、Kayo Dot『Hubardo』だろう。こんなバンド、この日本じゃあ出てこないだろうなぁ...なんて思った自分がバカだった。いた、コツラだ。本来の1stフルが様々理由でオジャンになった鬱憤を晴らすかのような、その鬱憤が衝動へと変わり、その初期衝動を激情的な感情とともに爆発させた轟音と静寂を奏でるピアノが織りなす”ice fist”は、まるでオワコン化した邦楽界の救世主がこの世に降り立ったかのような曲だ。アイスランドの聖歌隊による神聖なクワイヤやインテリ系マスロック的なノリで軽快に進み、しかし突如天パクソ野郎のあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛!!という獰猛なグロウルと鬼神の如く打ち鳴らすツインドラムが織りなすKayo Dot顔負けの無慈悲な暴走モードに面食らい、その圧倒的かつ破天荒な展開力を見せつけながら、最後は男の娘のVelladonによるオペラティックな歌声で壮絶的な幕切れを飾る。もはや、あの童話のように優しい空想の世界を繰り広げていた『the divine move』は、このヴァンピリアにとっては文字どおり”お遊び”でしかなかったのかもしれない。これが”my beautiful twisted nightmares in aurora rainbow darkness”の中に蠢いていたドス黒いナニカの正体であり、これがヴァンピリアの本性だと知った時、僕は再び狂った鳩のように発狂した。とにかく、ポストロッキンな繊細さと日本の歌舞伎にも通じるアヴァンギャルド/ブラックメタル然とした音使い、先の展開がまるで予測できない大胆不敵な展開力、音の喜怒哀楽に度肝を抜かれた。

【アイスランドサガ】・・・その#2の流れを引き継いで、北野武映画というか...久石譲ライクなピアノの叙情的な旋律で始まる#3”Hiuta”は、序盤は男女聖歌隊によるクワイヤやジャズ/オルタナ風の音使いを中心に混沌(カオス)の渦に巻き込んでいく。聴きどころとなる中盤からは、ダッチ産ブラゲを彷彿とさせる電子ノイズからのダンサンブルな音を駆使したデジロックな展開、そして最後は前衛的なミュージカル、それこそヴァンピリア流の『暗黒舞踏』であるかの如く怒涛のアヴァンギャリズムを発揮したりと、まさしくこのヴァンピリアのオルタナティブ精神を見せつけるような、これぞヴァンピリアな一曲となっている。で、あらためて、このヴァンピリアが”日本のKayo Dot”だという事を強く印象づける#4”seijaku”、短尺の#5と#6を挟んで、アイスランド語による語り部からピアノとアコギの温かな音色がアイスランドの情緒溢れる壮観な風景を、羊と戯れる遊牧民のように愉快な情景を淡い北風に乗せて連れてくる#7”draumur”、そのあまりにも恍惚たる壮麗な景色が目の前一面に広がっていく#8”von”、その流れから元Swansjarboeの妖艶な歌声をフューチャーした#9”tui”を最後に、この壮絶的かつ壮大な物語『アイスランドサガ』は幕を閉じる。

【ここみんはヌけない】・・・正直、コラボアーティストを含め、個人的な嗜好や音的な意味でも前作の『the divine move』の方が衝撃的だった気がする。事実、自分が求めていた”Post-感”は前作ほどではなくて(だから#1が一番好き)、むしろ本来の”オルタナバンド”としてのヴァンピリア、それを強く印象づけるようなアルバムだ。実際、こんな関西人特有のハッタリかましたバンドに自分が騙されるわけないと思いつつも、こうやってヴァンピリアに対して様々な考察ができてしまうのは、やはりこの”Vampilliaの楽曲”が決してハッタリではなくガチだから、なのかもしれない。しっかし、こうもデビューアルバムの完成度が高いとなると、この1stを超えられないという理由で解散なんて事もあるかもしれないし、この手の大所帯バンドにありがちなメンバーの脱退or加入の繰り返しで自然消滅というパターンだけは回避してもらいたい。とか言うて、個人的には真部ちゃんがこのヴァンピリアという変態集団の中で、どれだけ真部らしさデトックス脩一らしさを発揮するかに一番注目していきたい。それにしても、真部ちゃん抜きで制作され賛否両論を呼んだ相対性理論TOWN AGEでは、”Post-Progressive”なアプローチやシガロライクな音使いをもって新・相対性理論流の”Post-感”を垣間みせていたが、それに対する真部脩一からの回答およびカウンターとして、ヴァンピリアという謎の集団を乗っ取って真部流の”Post-感”を提示してくるなんて・・・正直、今のサブカル界隈ほど面白いものはない。その『TOWN AGE』を聴いて、UKの奇才スティーヴン・ウィルソン氏とコラボして欲しいなぁなんて思ったけど、まさか本家の相対性理論より先にスティーヴン・ウィルソンの存在を意識させるなんて考えてもなかった。その一方で、同じくex相対性理論のドラマー西浦謙助が抜けないAV女優こと”ここみん”とバンドを組んだとなると、”サブカル界のオボちゃん”ことやくしまるえつこが今後どのような反撃にでるのか、俄然楽しみになってくるわけで。頑張れえつこ!負けるなえつこ!

【Sigur Rós→Vampillia→Alcest】・・・スタジオやプロデューサーは違えど、同じく北国アイスランドで制作された盟友アルセストのシェルターも、シガロ界隈のミュージシャンやプロデューサー/エンジニアを迎えた、文字どおり隅から隅までアイスランド産だった。では、それと比較するとどうだろう?さすがにヨンシー親衛隊ではないけれど、アイスランド産の聖歌隊や弦楽器を駆使したシガロリスペクトな音使いを筆頭に、Kayo DotSunn O))) & Ulverなどの前衛集団に決して引けをとらない、和と洋を飲み込んだヴァンピリアの実に変態的なセンスが爆発した作品と言える。前作の『the divine move』を聴いた時に、スティーヴン・ウィルソン氏とKayo Dotを繋ぐ存在と書いたけれど、この1stを聴いたら今度はSunn O)))Ulverを繋ぎ合わせる存在、そしてシガーロスとアルセストを繋ぐ存在...つまり、スラムダンクの「なぜ桜木がそこにいるんだぁ!」ならぬ「なぜヴァンピリアがそこにいるんだぁ!」という”俺の界隈”的に考えて、このヴァンピリアという名の得体のしれない集団が”邦楽界の桜木花道”だという答えにたどり着いてしまった僕は...クルッポー!!クルッポー!!クルッポー!!

【ハイレグ音源】・・・話は大きく変わるけど→おいら、音楽好きの味方ことBandcampがマイスペースの二の舞いを回避し、この先も末永く生き残っていくためには、今流行のハイレゾ音源(24bit/48kHz)に対応できるか否かだと僕は思っていて、当然アンテナの鋭いこのVampilliaも本作品と前作の『the divine move』をハイレゾ音源で配信している。このように、ほんの些細なことからも、やっぱこいつら只者じゃないというか、今の音楽シーンの流れをよく理解しているというか、それこそアンダーグラウンドシーンの異端児、その証明を見せつけているというか。とにかく、今の邦楽界で最も面白いバンドの一つであるのは確かです。

my beautiful twisted nightmares in aurora rainbow darkness
Vampillia
Virgin Babylon Records (2014-04-23)
売り上げランキング: 3,091

Vampillia 『the divine move』 レビュー

Artist Vampillia
Vampillia

Album 『the divine move』
the divine move

Tracklist
1: lilac (bombs 戸川純)
2: mirror mirror (bombs BiS)
3: endless summer (feat. ツジコノリコ)
4: tasogare (feat. 長谷川裕倫)
5: good religion (feat. Mick Barr)
6: dizziness of the sun (feat. ツジコノリコ)
7: oops i did it again (bombs BiS)
8: endless (massaka) summer (feat. ツジコノリコ and 真部脩一)
9: lilac bombs 戸川純 (perfect ending ver)

「相対性理論から真部脩一が脱退!?」←まぁわかる
「真部脩一改め真部デトックス脩一がVampilliaに加入!?」 ←ファーーwww

・・・本作品の『the divine move』は、自称ブルータル吉本オーケストラことVampilliaに正式加入したex相対性理論の行方不明者真部脩一改め真部デトックス脩一が歌詞と歌メロを担当した「bombs」シリーズをフューチャーした日本企画盤、そしてVampilliaがJ-POP産業に挑戦したコンセプトアルバムとなっている。そのオープニングを飾るのは、ゲストに戸川純を迎えた#1”lilac”で、学研の付録楽天のブログなどの相対性理論節全開のユニークな歌詞を摩訶不思議に歌い上げる戸田純と、日本の季節感を彩る情緒豊かなストリングスや琴のような和音が織りなすミニマルかつノスタルジックな、それこそ久石譲を彷彿とさせる映画音楽ライクな美しくも幻想的なメロディを織り交ぜながら、どこか懐かしい、子供の頃に毎朝ポンキッキーズを見ていたあの夏の思い出が甦るような、それこそ『ちびまる子ちゃん』のEDテーマに起用されてもオカシクないほどの2次元力の高さに、まるで童謡『まんが日本昔ばなし』のセカイに迷い込んだかのような、その奇想天外なポップ・ワールドに度肝を抜かれる。相対性理論では女子中高生の甘酸っぱい乙女心を繊細に描き出していたが、この曲では「夏休みの宿題よりも気持ちのいい事しよう...(ムラムラ)」という、まるで稲中卓球部の前野のような男子中学生の煩悩をセキララに描き出している。



【BiSなりの卒業式】・・・おいら、以前から【BiS×非常階段=BiS階段】がありなら【BiS×Vampillia=BiSpillia】【BiS×DEAFHEAVEN=BiSheaven】もしくは【BiS×DIR EN GREY=BiS EN GREY】が実現する可能性もワンチャンあるんじゃあねーか?って密かに期待してたんだけど、その中で最も実現的だったBiSVampilliaのコラボが、この度アッサリと実現して大変嬉しく思っている。まさか対バンだけでなく、花見合コンや遂には楽曲コラボなんて・・・しかもソレ+真部ってのは、まさかまさかのマッサカサマーだった。そんな、解散を間近に控えたアイドル界の最終兵器ことBiSとブルータル吉本オーケストラことVampilliaのコラボが実現した楽曲こそ、ex相対性理論真部脩一あらため真部デトックス脩一が手がけた「bombs」シリーズの二曲目”mirror mirror”だ。まるで『アイドル戦国時代』の殺し合いの螺旋からの卒業もとい解散を祝うかのような、担任の山本先生によるピアノの伴奏とともに、それこそ”BiSなりの卒業式”を祝うかのようなBiSメンの合唱で幕を開け、ココロが力強く弾む扇情的なストリングスや東京都心はパラレルワールドに迷い込んだかのようなメロディ、そしてDEAFHEAVENばりのスクリーモ/デプレッシブ系ブラゲ直系のギターを掻き鳴らしながらリリカルに展開していく。そして最期はBiS下衆の極み乙女の感情とVampilliaのゲスい吉本魂が激しく共鳴し合い、ゲスやビスやブスやクズやカスなど...あらゆる激情的な感情と刹那的なエモーションを爆発させながら、まるでBiSメンが処女喪失する瞬間の衝動を叫ぶような奇声とBiS階段リスペクトな極悪ノイズが蠢く混沌(カオス)の渦へと聴き手を引きずり込んでいく。正直、この曲の展開力には驚かされた。往年の相対性理論を彷彿とさせるシティ・ポップ感と、いわゆるポストプログレッシブ/ポストロッキンな音使いをもって、デプレッシブ系アイドルという名の偶像、その刹那的な人生を振り向かずに駆け抜けてきた一つの『アイドル激情物語』を繊細に紡ぐリリカルな展開力、そのBiSと吉本芸人Vampilliaが持つゲスの極みが一つになることで、それこそSTAP細胞を超える異常な化学反応を起こし、まるでDIR EN GREYの京の自傷行為に匹敵する”この胸に絡みついた灼熱の純情な感情”を爆発させる。この曲は、僕がBiSに対して漠然としたポストブラック精神を感じていたのはコレだったのかと、あの”DiE”はこの曲の伏線()だったんだ、と。正直、この曲だけでBiSのラストアルバムの存在意義を超えちゃってるというか、本家のラストアルバムWHO KiLLED IDOL?よりもBiSメンの個性が活かされているという皮肉(特にプー・カスとカミヤサキ、そしてのぞ氏がいい味出してる)。ある意味、この曲こそ”BiSなりのラストソング”、つまり卒業ソングだと思うわ。正直、真部ちゃんが相対性理論を抜けてVampilliaに正式加入したって聞いた時は→「ゴラアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!真部ええええええええええええええええ!!相対性理論抜けてこんな所でなにやっとんじゃあああああああああああああああ!!」って激おこプンカスだったけど、この「bombs」シリーズ二連発を聴いちゃったら最後→「これが真部ちゃんが相対性理論を抜けてまでやりたかった音楽か...フッ」って、すまし顔で僕はソッと口を閉じた。しっかし、あの真部ちゃんが”アイドル”をどのように料理するのか?最初は全くイメージ出来なかったんだけど、実際聴いてみたら「やっぱ真部ってスゲーわ」ってなった。



【Vampillia=ネタバンド】・・・このヴァンピリア、実はAlcestの初来日公演のサポートで初めてその存在を知ったというか、その破天荒なライブパフォーマンスを観てからは、自分の中で”Vampillia=ネタバンド”というイメージが根強くあったんだけど、その悪いイメージを払拭してくれたのがこの”endless summer”という、ゲストという名の語り部にツジコノリコを迎えた約4分33秒の曲だったんだ。これは以前にアルセスト来日のサポートを経験した影響なのかは定かではないが、正直ここまでポストブラック然とした楽曲が書けるなんて素直に驚いたし、このヴァンピリアというバンドのポテンシャルの高さに面食らったと同時に、この僕に生まれて初めて”ヴァンピリアの楽曲”を意識させた曲でもあり、生まれて初めて”ネタバンド”ではなく一つの”アーティスト”として認識させたほどの曲だった(なお、先日のライブで改めて”ネタバンド”という認識が強くなった模様)。で、この曲は”mirror mirror”の上位互換とも取れる曲で、ツジコノリコという名の語り部が『世にも恐ろしいグリム童話』のような儚くも陰惨な世界観を朗読しながら、優しくも切ないピアノやシガーロス直系の壮麗優美なストリングスを擁したATMS系ポストロックなアプローチをもって繊細かつリリカルに展開し、そしてボーカルの天パクソ野郎によるあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛!!という咆哮と共に、まるでNe Obliviscaris(ネ・バブリシャス)の如し抒情的な旋律を奏でながら天空を駆け巡る超絶epicッ!!なストリングスを凶悪なトレモロ・リフに乗せて、それこそKayo Dot『Hubardo』に匹敵する極悪のアヴァンギャリズムの中で、静かなる狂気を解放し、そして死者の霊魂を浄化していく。この曲調、このMVが醸し出すグリム童話感というのは、まさにスティーヴン・ウィルソン氏がソロ活動で描いている世界観に近く、少し大袈裟かもしれないが、UKの奇才スティーヴン・ウィルソンとアンダーグラウンドシーンの暗黒星Kayo Dotを繋ぐ架け橋的な存在こそ、このブルータル吉本オーケストラのヴァンピリアなのかもしれない。 しっかし、こうも大層なオルタナティブ・ミュージックやってるのにも関わらず、こうも人気が爆発しないのは、そのあまりにもニッチな隙間を狙いすぎている音楽性だから...なんだろう。



【マッサカサマーウイカ】・・・あぶらだこの長谷川裕倫をゲストに迎えた”tasogare”は、静寂の中で独り寂しくこだまする雨漏りのような哀しいピアノと長谷川裕倫のキモい語り部に黄昏れる、まるでアニメ『惡の華』のED曲の”花 -a last flower-”の原曲をオマージュしたかのような前半から一転して、後半からはEfなどの北欧ポストロックライクなアプローチやポップなピアノをフューチャーしながら、マスいリズムをもってまるでカーニバルのように明るく楽しく、そしてカオティックに展開していき、そして最後は男の娘ことVelladonの美輪明宏ばりのオペラティックなボーカルを披露し、まるで一つのミュージカルを観ているかのような、空前絶後の壮大なクライマックスを迎える。これこそヴァンピリアのポテンシャルがフルに発揮された、まさにプログレッシブでアヴァンギャルド、まさしくブルータルオーケストラな楽曲と言える。そして、USBM界のトレモロマスターことKralliceMick Barrがゲスト参加している”good religion”は、本家KralliceLiturgy譲りのハイパー・メガ・トレモロ地獄の中で、優雅なピアノと優美なヴァイオリンがエクストリームに交錯するファストナンバー。再びツジコノリコをゲストに迎えた”dizziness of the sun”は、瀬戸内国際芸術祭関連事業のために書き下ろされたという、ツジコノリコのストーリーテラー感および母性に溢れた歌声とピアノを中心に、緩やかに抒情的な旋律をもって静寂のリリシズムを発揮しながら、内向きだった感情が徐々に外側に解放されていくような、あまりにも芸術的過ぎるナンバー。それこそ先ほどの”endless summer”じゃあないが、それよりもスティーヴン・ウィルソン氏の”The Raven That Refused To Sing”的な、まさしく”Post”な展開力と無限のスケール感を持った曲だ。そして実質本編ラストを飾る、再びBiSをゲストに迎えた「bombs」シリーズの”oops i did it again”は、BiSメンによるゲップや喘ぎ声や泣き声や叫び声などの不快な擬音に重厚なストリングスとピアノを加えた曲で、先ほどの”mirror mirror”をイメージして聴くとあまりのゲスっぷりに吐き気をもよおすこと請け合い。その最後にのぞ氏が「ありがとう」と卒業生からの答辞を述べる辺りも、より”BiSなりの卒業式”を感じさせて面白い。オマケにはマッサカサマーウイカ仕様もとい真部ちゃん仕様の”endless (massaka) summer””lilac”(perfect ending ver.)が収録されている。とりあえず、真部ちゃんはBiSだとウイカパイセン推しなのはわかった(えっ)。”lilac”の(perfect ending ver.)は、より映画音楽的なドローン/ノイズ風のアレンジに惹き込まれる。



【Post-感】・・・僕は、あくまでもアルセストスティーヴン・ウィルソン氏を中心とした”Post-Progressive”な立ち位置からしか、このヴァンピリアの楽曲を紐解くことが出来ないけれど、そんなヴァンピリアが普段から居るちょっとスカした立ち位置とは少し違った”俺の界隈”目線で聴いてみても、予想以上にツボにハマった感あるし、むしろ逆に本作のような本筋から少し逸れた日本企画盤だからこそ、ここまで今作を相対評価以上に楽しめてるんじゃあないか?って。やはり、それは賛否両論を生んだ相対性理論TOWN AGEと同じ”Post-感”だったり、一方で往年の相対性理論を思わせるシティ・ポップ感だったり、自分の好きな音が”ポップ・ミュージック”という枠組みの中で、強引ではなくあくまでも自然な形で一体化し、これはパスピエの楽曲作りの”うまさ”にも繋がってくる話なんだけれど、明らかに”ポップ・ミュージック”ではない音を一つのアルバムにパッケージしてしまうセンス、このヴァンピリアという名のお笑い芸人が持つ底知れぬ”Post-Pop”なセンス、もはや僕たちは新たなるポップ・ミュージックの夜明けを目の当たりにしているんじゃあないか?って。

【総括】・・・もちろん、国内外からのゲストを迎えてコラボした楽曲も素晴らしいが、ポストロックやポストプログレッシブに通じる”ポスト-リリカル”な展開力の高さこそ、このヴァンピリアの真骨頂だと僕は思っていて、そのポテンシャルがフルに発揮された「bombs」シリーズ、特にBiSが参加した”mirror mirror”みたいなリリックを大切にした曲を聴くと、どうしても歌詞カードを見ながらその世界観に没頭したくなるんだけど、いざ歌詞を見ながら楽しもうとしたら、アートワークの裏にクレジットが書いてある紙一枚だけの仕様だった...。一応は真部ちゃんが書いた歌詞を一つのウリとしているわけだし、その歌詞が創り出す独創的な世界観が今作の見せ場になっているからこそ、余計に最低限の歌詞カードは欲しかったなーと。まぁ、レーベルの懐事情がカツカツなのが伝わってきて逆にエモかったけど。あとメイドイン台湾という謎流通も実にエモい。欲を言うなら→(ありえないことだけど)その「bombs」シリーズの歌い手に”サブカル界のオボちゃん”ことやくしまるえつこが参加してたらビバナミダだったわ。これ、もはや今年のBESTアルバムと言っても決して過言じゃあない。しかしこうなってくると、長年の”アルバム出るよ出るよ詐欺”が遂に詐欺じゃなくなる1stフルに対して、更に大きな期待がかかるってもんです。

裏ジャケ

【アイドル×アーティスト】・・・”ポップなんだけどポップじゃない”、”ポップじゃないのにポップ”みたいな不条理な感覚と、一枚のアルバムに”アイドル””ブラックメタル”が何の違和感もなく平然と共存している頭のおかしさ、こんな”いともたやすく行われるえゲスない行為”は世界中探してもこのヴァンピリアにしかできないだろうし、ある意味、こいつらベビメタ以上に革命的なブッ飛んだ事やってるんじゃねーか?って。これはBiSを見れば顕著なんだが、ここ最近、いわゆるアイドルと一般的なアーティストとのコラボという名の”アイドルを利用したカネモウケ”が本当に増えてきている。この現象は、もはやアイドルとアーティストとの壁や垣根がなくなってきた、それこそ昨今の日本の音楽シーンを司る大きな流れなのかもしれない。そういった視点から音楽界隈を眺めてみると、ガラパゴス化したと言われている今の邦楽シーンは本当に面白いし、一方で洋楽がオワコンと呼ばれるのにも納得してしまう。当然、このヴァンピリアも抜け目がないというか、その辺のアンテナがシッカリしているバンドだということは、今作で既に証明済みだ。なにはともあれ、解散を目前にしてもなお僕を色々な意味で驚かせてくれるBiSメンには敬意を表したい。 あと裏ジャケには絵本タッチに可愛くデフォルメされたBiSメンが描かれているんで、これだけで研究員はマストバイなんじゃねーかなぁ。もちろん、”BiSなりの卒業式”的な意味でもね。

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Vattnet Viskar 『Sky Swallower』 レビュー

Artist Vattnet Viskar
Vattnet Viskar

Album 『Sky Swallower』
Sky Swallower

Tracklist
01. New Alchemy
02. Fog Of Apathy
03. Monarch
05. Ascend
06. Mythos
07. As I Stared Into The Sky
08. Apex

【VV】・・・チェコの新星██████、またの名をnicも今年のポストブラック界隈では要注目のバンドだったが、USはニューハンプシャーにも、かの老舗レーベルCentury Mediaから1stフル『Sky Swallower』をリリースした、その名もVattnet Viskarという四人組が存在する。先に言っておくけど、映画のV for Vendettaでもサブカル御用達のVillage Vanguardでも、もちろんVやねん!でもないよ。ちなみに、今作のジャケはWhirrのシングル『June』を手がけた人らしいよ。

【持ち味】・・・その音楽性としては→初期のAltar of Plagues直系のATMS系ポストブラックや、NeurosisUlcerateを連想させる渦々しく蠢くスラッジーな轟音を織り交ぜた激動パートから、今はなきIsisや初~中期Cult of Lunaを連想させるポストロッキンな静寂パートへと、あくまでも自然な流れで緩やかかつ靭やかに交錯していく、いわゆる”ポスト”スタイルで、もはやこのVattnet Viskarの本質や曲作りに対する意識の比重は9割方静寂パートにあると断言できるほど、今はなきIsisなどの王道的ポストメタルがウリとしている”静と動”の対比およびコントラストを持ち味とした、一言でいえば意識の高いポストブラックをやってるんだ。

【意識の高い静寂パート】・・・彼らの”静寂”に対する異常なまでの執着心は、幕開けを飾る#1から顕著だ。再生すると同時に、雄々しい勇壮成分配合のトレモロンDと猛獣じみた凶悪な咆哮を乗せた粗暴なブラストで疾走し、そして全てをなぎ倒すようなスラッジーな轟音から、寂寥感を煽るポストロックライクな静寂パートへと移り変わっていく。この、まるでIsis顔負けの静から動へと美しく流れるようにスムーズな場面の切り替えから、彼らのATMS空間作りに対する意識の高さが伺えると同時に、このVVが決して並みのバンドじゃあないという事が理解できる。次の#2は、イントロからアンビエンス効果を加えたエモーショナルな静寂を生み出し、そして突如トレモロリフと共に凶暴な咆哮から、再び寂寥感を煽る儚いメロディが織りなす静寂パートへと交互に交錯していく。彼らの”持ち味”が冴えわたる#4は、中盤からのニューロシス直系のダーティな静寂パートから、突如破天荒な轟音をブッ放す混沌とした音塊に飲み込まれる。

【インストも聴きどころ】・・・今作では、#3,#5,#7に短いインストを挟んで作品に小気味よいメリハリを与えている。Jesu風の#3をはじめ、#5ではリバーブを効かせた儚くも美しいメロディを聴かせ、次のブラゲ然とした#6へと繋ぐ重要な架け橋となっている。そして、和楽器の琴を使った#7の聞き手の意表をつく和風な演出に、そこはかとないファッションセンスを感じさせながら、メロドゥーム風のメロディをフューチャーしたラストの#8を迎える。この曲はアウトロの荒涼としたアコギをはじめ、終始ドゥーミッシュな音の感触はUSBM界のレジェンドことAgallochさんを彷彿とさせる。

【俺は今、最高の静寂の中にいるんだ...】・・・要するに→Isisやニューロシスがブラックメタル化したのがこのVVで、ポストブラックというよりはATMSブラック寄りのスタイルだが、そのわりに存外シンプルに聴かせる。ヘタに10分を超えるような長尺曲がないのは、かの大手メタルレーベルCentury Media所属だからなのかと邪推。兎にも角にも、けたたましい轟音から限りなく無音に近い静寂の隙間に入り込む、いや溶け込む瞬間の意識の高さが異常なんで、一度だけでも聴いてみる価値はあります。

 
Sky Swallower
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