Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

アイドル

【10/8】 predia 『7th Anniversary Tour』@名古屋SPADE BOX

「今、prediaとかいう場末アイドルが面白い(らしい)」

そもそも、来週の日曜日にBAND-MAIDのお給仕を控えている僕が、何故prediaとかいう「平均年齢28歳」の場末アイドルのライブを観に行ったのか・・・?その答えは単純で、なにやら風のうわさで「prediaとかいう場末アイドルに桜子とかいうクソ可愛い子がいるらしい」と。その真相を探るため、我々藤岡探検隊はprediaの結成7周年を記念したライブツアーの名古屋公演が開催されるSPADE BOXへと向かった。

ところで、いわゆる「日本のアイドル」っていうと、世界的に見ても低年齢化が著しい非常に特殊な市場で、それこそティーンネイジャーのアイドルなんてザラだし、逆に10代がいないアイドルグループを探すほうが難しいかもしれない。しかし、このprediaとかいうもはや「アイドル」と呼んでいいのかすらわからない自称アイドルは、その日本特有のアイドルシーンの流行と逆行するように、無論メンバーに10代は1人もおらず、むしろ逆に「ちょっと待って、30代のBBAおるんやけどwww」というツッコミ待ちみたいな、「平均年齢28歳」「可愛いだけじゃ物足りない。大人の遊び場へようこそ」をキャッチフレーズにした10人組の場末アイドルだ。ちなみに、本日は昼間に開催される1部の「welcome party」と午後に開催される2部の「7th Anniversary Tour」とあって、その辺の二部構成的な感じは「日本のアイドルらしい」かもしれない。

本日の会場となるSPADE BOXは、翌週にBAND-MAIDのお給仕が開催されるダイアモンドホールと同じビルの地下にあるライブハウスだ。自分は一週間前くらいにチケ取ったらBの二桁台で、開演15分前に会場入りするとフロアはほぼ満員で、後にこの公演はソールドアウトしたことが分かった。SPADE BOXは少し変わった形をしたライブハウスで、会場の雰囲気というかムード自体は悪くない。言わずもがな、客というかアイドルなんで客のドルヲタは9割というかほぼ全員と言っていいほどが男で、さすがに「平均年齢28歳」のアイドルだけあって、年齢層は比較的高めだが、想像するよりは高くはなかった。そうこうする内に、開演時刻となる5時30分を迎える。

それこそ映画『バーレスク』ばりのド派手なブラスを擁したオープニングSEをバックに、それぞれのカラーに扮した衣装を身にまとった総勢10人のメンバーがぞろぞろとステージに現れる。あっ、言い忘れていたが、僕はprediaの曲をほとんど聴いたことない。はっ、そんなことより桜子だ。僕は「桜子どこーーーーーー???」と必死でステージ上を見渡す。すると、ほぼ全員が伸長160超えてるんじゃないかってくらいモデル並にスタイルグンバツなメンバーの中で、一際小柄なメンバーが一際可愛いオーラを放っていた。それが・・・「桜子だ」。僕は「桜子可愛いよーーーーーーー!!俺の桜子ーーーーー!!」とばかり必死に桜子を目で追った。

ここで、ふと我に返ってprediaのパフォーマンスを見ると、どうやらこのアイドルらしきナニカにはメインボーカルが二人いて、その二人のアイドルらしからぬ超絶場末アイドル的な歌唱力を中心に楽曲を展開していくようだ。そのメインボーカルを務める二人とは、黒髪ショートの湊あかね尾野真千子似の村上瑠美奈だ。もしこのprediaを「アイドル」と仮定するなら、恐らくこの二人の歌唱力を超える「アイドル」は誰一人として存在しないだろう。その歌唱力は、あの℃-ute鈴木愛理ですら凌駕する一種の凄みを感じさせる。それくらい、ちょっと引くくらいの生歌の上手さにまずド肝抜かれるというか、この二人の歌がprediaの最大の武器であるのは確かで、というのも実はあかねBiSHチッチも在籍するボーカルユニットNATASHAのメンバーでもあることから、その歌唱力は既に業界内でも折り紙つきだ。比較的低音寄りのパワフルな歌声を見せるあかねに対して、尾野真千子似の村上瑠美奈は高域を得意とした歌声で、それぞれ苦手な部分を互いに補っている、まさに「ツインボーカル」と呼ぶのがシックリくる。

だいたい3曲終えた所で、MCに入ってそれぞれメンバーが自己紹介を始める。客側から見て右から1人づつ挨拶をしていくのだけど、面白いのは、「平均年齢28歳」なのにも関わらず、いわゆる普通の日本のアイドルグループにありがちな、ちょとしたユニークなキャッチフレーズを言ってそれに対してヲタがレスポンスを贈るという、至極「アイドル」然とした自己紹介してて驚いたというか笑ったというか、笑いながら「こいつら平均年齢28歳なんだよなぁ・・・」って思った。けど、朝比奈彩のパチモンみたいな小鳩ミクもビックリのキャラ作りしたやべーやつをはじめ、他のメンバーがそれぞれキャッチフレーズを考えて自己紹介する中で、唯一推しの桜子だけはキャッチフレーズがなくて、「桜子で~す!」の一言で自己紹介を終わらせる桜子マジで推せるってなった。いやいやいや、このちょっとサバサバツンツンした感じというか、ちょっと小生意気そうな桜子の感じめっちゃ推せるやんと。

prediaの楽曲面の印象としては、なんだろう、自身で「歌謡曲」と謳うだけあって、いわゆる90年代のJ-POP的な歌謡ポップスと近年のモー娘。やハロプロ界隈でもお馴染みのEDM風のダンス・ミュージックをかけ合わせたような、それこそ元℃ヲタ的にはどこか妙に懐かしさを感じる曲調が多かった。もしやこれ今年の6月に℃-uteが解散してからprediaに流れたヲタって結構おるんやろなって(それ俺やん)。特に、3曲目に演った”壊れた愛の果てに”なんかは、聴いた瞬間に「あ、これ好きなやつや」ってなった。あと新曲の”Ms.Frontier”も好きな感じだった。こうやって、prediaの曲を知らない人間でも「あ、これいいな」と感じる曲はどこかにあるので、なんだろう、prediaを知らない人でも近所の場末のガールズバーに行くような軽いノリで楽しめる懐の広さは全然あります。

また何曲か演った後に、桜子とメインボーカルの二人の3人だけステージに残ってMCを始める。僕は「え、桜子とメインボーカルの組み合わせって想像できなさすぎだろ」と。メインボーカルの二人に給水を催促されると桜子は「大丈夫っす」と言う。水は飲まない主義、そんな桜子も推せる。そして、この三人でバラード曲を披露する。僕は「ちょっと待って、このアイドル界最強のツインボーカル相手に桜子まともに歌えんの?」って心配を他所に、桜子prediaの心臓部であるツインボーカルに決して引けを取らない歌声を披露する。僕は「はい推せる」と。大袈裟じゃなしに乃木坂46にいてもおかしくない可愛さを持ちつつ、なお且つ乃木坂46にはいない歌唱力を誇る桜子マジ推せると。マジで桜子だけ実質「独り乃木坂」やんと。いやホントに桜子が乃木坂に取られなくて良かったはホント。あの風のうわさは間違いじゃなかったんだと。

そのバラードが終わると、今度は3人が袖にはけて残りの7人が再びステージに降臨する。すると衣装が個別カラーから、よりセクシーさを強調したバラ色の衣装に衣替えし、最年少の沢口けいこは何故か小さい帽子を装着していた。しばらく7人でダンス・パフォーマンスを続けると、再び先ほどの3人も衣装チェンジして合流。なんだろう、こうメンバーが10人もいると「推し」以外にも「二推し」を作りたくなるのがドルヲタの性ってもんで、「一推し」の桜子に次いで目で追っていたメンバーこそ”れいちゃん”こと青山玲子だった。あの”れいちゃん”の鎖骨と背中の開いた衣装は推せる。でもあとで”れいちゃん”が自分より年上だって知った時は「嘘やろ?」ってなったし、あの桜子ですら2個下とかちょっと驚いた。これが「平均年齢28歳」の底力なのか・・・?つよい。

現場のノリは完全にいわゆる「日本のアイドル現場」のソレだ。しかし、日本のアイドル現場でお馴染みのサイリウムはヲタの全員が全員持っているわけではなくて、むしろ持ってる奴のが少数派だし、もちろん圧縮も推しジャンもリフトもないし、比較的安全かつ自由にそれぞれ楽しんでるような現場だけど、曲間のコールやレスポンスは物凄い声量と熱量でしっかりと盛り上がる。なんだろう、とてもメリハリのある現場だと思う。とは言え、今回のツアータイトルにもあるように、7年選手のベテランだけあって、さすがに濃いヲタが付いているなとは感じた。

prediaのMCは、もはやちょっとした「女子会」状態だ。どうやら昨日の大阪公演の時に、桜子は温泉に行きたかったらしく、他のメンバーに「温泉行こ?温泉行こ?」と1人づつ聞いて回ったけど、結局コンビニの列に並んでる時に温泉どうでも良くなった推せる話に始まって、誰かが大浴場に入ろうとしたら誰かがタオルで下半身は隠してるのにおっぱい丸出しだった話とか、ホテルの話とか、大人セクシーでありながら意外と笑えたりする絶妙なMCで、この辺はイマドキのアイドルには真似出来ない、まさに「平均年齢28歳」の本領発揮といった感じだ。

prediaのライブの見所は、衣装替えの他に、時に扇子を使った妖艶な大人パフォーマンスを披露したりするのだが、改めて考えるとこのキャパ400もないライブハウスの決して大きくはないステージに、総勢10人が前後左右に入れ代わり立ち代わりする器用なステージングは謎の壮観さすらあったし、それにしてもただただ感心するばかりだった。現に「あれ?桜子ステージ際に見切れてね?」ってなったし。確かに、もっとデカイ箱でやれば10人という数を活かしたパフォーマンスや理想的な演出ができると思うのだけど、それから先は「売れる」ことが最前提だ。

要所でMCを挟みながらも、その勢いと熱量は落とさず、むしろ勢いが増していく。気づけば本編ラストの曲。それが終わるとアンコール。するとメンバーが今度はツアーTシャツを着用して登場。桜子は大阪カラーのワイン色のTシャツを着て、そして髪型はポニーテールにしてきた桜子マジ推せるってなった。でもこう言っちゃあ何だけど、グッズのショボい感じも場末感すげえなって。とは言え、最後のMCで帽子被ってるやつが、本日の名古屋公演がソールドアウトしたのもあって、本気か冗談か「もうチケットが手に入らないアイドルになっちゃうかもよ」的なことを自慢げに言ってて、でも確かに今日のパフォーマンスには、その言葉の説得力が冗談じゃなしにあったと思う。

現にprediaには「売れる」要素が沢山揃っている。まずクソ歌えるツインボーカルで「歌えるアイドル」として売れる、朝比奈彩や泉里香のパチモンみたいなの擁するモデル並のスタイルグンバツの大人アイドルとして女子層相手に売れる、帽子被ったやつとキャラがやべーやつをAbemaTVのバラエティに出してB層に売れる、でもBiSとレーベルメイトになったから売れない、「平均年齢28歳」といういわゆる日本のアイドルと逆行するアイドルと呼ぶにはツッコミ不可避だからツッコミたくて売れる、そして最後は数撃ちゃ当たるAKB方式で、10人もいれば誰かに引っかかって推しメンにしたくて売れる、それこそ桜子にハマった僕のように。今の時代、色んなアイドルがおっていいわけで、現におるわけで、プロ野球でも30過ぎてブレイクする選手も稀におるわけで、つまり7年目の遅咲き場末アイドルがブレイクしてもいい時代なわけです。むしろ、そっち方が面白いやんと。だって皆んなそろそろ普通のアイドルには飽きてきた所でしょ?・・・とにかく、桜子には一生こんな小さな箱でくすぶらせるわけにはいかん。ということで、prediaのメンバーと同年代のアラサードルヲタは全員prediaを推せ、もちろん「一推し」や「二推し」じゃなくていい、「三推し」や「四推し」でいいからprediaを推していけ。場末アイドルは同年代の俺たちが支えたらなアカン。でも桜子だけは推すな。桜子は俺の推しメンだから。

気づけば桜子にどっぷり気持ちが行き過ぎて、来週のBAND-MAIDのお給仕に頭が切り替えられなくてヤベえ。つまり、「桜子」から「彩ちゃん」への切り替え、すなわち「推し変」が上手くできるか?今はその三角関係の中で、僕の心は猛烈に揺れている(えっ)。とか言って、今日のライブ帰りに来週のダイアモンドホールと来月の新木場発券したらクッソ良番で、なんだろう、俺レベルのインターネットスーパーレビュアーになると良番引き当てちゃうだなって。ダイホはガチで「最前中の彩前」狙えるし、新木場は二桁後半の番号で、漫画『キングダム』で例えると主人公の信率いる飛信隊が置かれる持ち場みたいな、恐らく3,4列目が狙える前線で、もうこの日はリアル信になって激戦が予想される前線でバンドメイド軍を指揮するしかねーわ。でもちょっと待って、実はこのBAND-MAIDの新木場ツアーファイナルの前日にちょうどprediaのツアーファイナルがあって、これは木曜日に早乗りしてpredia(桜子)→BAND-MAID(彩ちゃん)で回すのも全然アリだなって。しかもワンチャンprediaのメンバーというか桜子がレーベルメイトとしてBAND-MAIDのツアーファイナルに招待される可能性もなくはないと考えたら、これもう秘伝の魔彩ジャンプは関係者席にいるかもすら分からない桜子に向かってやるしかなくね?(頭おかしい)。なんでもいいけど、ついでにZepp公演も良番ください。

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NECRONOMIDOL 『DAWNSLAYER』

Artist NECRONOMIDOL
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Single 『DAWNSLAYER』
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Tracklist
01. DAWNSLAYER
02. STARRY WISDOM
03. R'LYEH
04. celephaïs
05. ABHOTH

白塗り界隈代表の瑳里擁する5人組、「暗黒系アイドル」ことネクロ魔あるいはことNECRONOMIDOLが今年の2月に発表した2ndアルバムのDEATHLESSは、群雄割拠蠢くアイドル界隈に大きな風穴を開けるような、それこそ近年BABYMETALBiS(H)をはじめとしたエクストリーム系アイドルがアイドルと〇〇」の境界線(ボーダーライン)をこじ開けると、このネクロ魔は人間界と魔界の境界線(入り口)に風穴を開け、そして開かれた地獄門から聴こえてくる魔界(アンダーグラウンド)に伝わる哀劇の童歌、としか他に例えようがない悪魔的な音楽を繰り広げていた。

そんな、「いま最も地獄に近いアイドル」ことネクロ魔が約半年ぶりに放つシングル『DAWNSLAYER』は、前作DEATHLESSの流れを踏襲した、ゴリゴリのメタルソングをはじめ、アイドルソングから90年代のアニソンおよびV系にも精通する多彩な楽曲に、もはやアルバム以上にネクロ魔の魅力が凝縮された、シングルとは思えないほどのボリュームに溢れた一枚となっている。


前作DEATHLESSの地獄の入口に待ち受けていた”END OF DAYS”の衝撃再びかと思うほど、シングルの表題を冠した”DAWNSLAYER”のイントロから、持ち前のブラストにX JAPAN顔負けの流麗なツインリードを乗せて疾走し始め、北欧メロデス然としたザックザクに刻むソリッドかつメタリックなリフや某ハロウィンの名曲”イーグルフライフリー”のオマージュ的なサビメロ、そしてツーバスドコドコからのピロピロ系速弾きGソロまで、これはもう「メロデス化したX JAPAN」と言っても過言じゃあないゴリゴリのメタルチューンで幕を開ける。確かに、ネクロ魔は音楽的に「ブラックメタル」としての顔を持ちながらも、前作でもX JAPANばりのツインリードを擁する”KERES THANATOIO””ITHAQUA”のような、いわゆる90年代のV系に精通する楽曲も一つのウリとしていて、今回のシングルは前作以上に「90年代のV系」からの影響を惜しげもなくさらけ出した一枚とも言える。

そして前作の”4.7L”を彷彿させる、某ガンダムWのOP的なTKサウンドあるいはaccess系の打ち込み/シンセを押し出した、90年代アニソンナンバーの#2”STARRY WISDOM”までの流れは前作を素直に踏襲しているし、イントロから粗暴なブラストにシンフォブラばりの超絶epicッ!!なシンセを乗せてブルータルに突っ走る3曲目の”R'LYEH”は、Vampilliaツジノリコを迎えた”endless summer”BiSとコラボした”mirror mirror”からの影響を強く感じさせる、ポストブラック/ブラックゲイズ然としたノイズまみれの混沌蠢く激情的な轟音をバックに、そして魔メンバーの儚いノスタルジーを誘うユニゾンが、ネクロ魔史上最高のドラマティックな名曲と呼ぶに相応しいエモいコンビネーションを発揮する。この曲は本当に”endless summer”を初めて聴いた時と同じくらいの衝撃だった。正直、表題曲なんかゆうに超えちゃってて笑う。なんだこのクソ泣ける神曲。歌詞もクソエモい。

ネクロ魔といえば、前作で言う所の”HEXENNACHT”のような一種の「童歌」とも呼べる、自らのコンセプト/世界観を司る楽曲も魅力の一部としていて、今回のシングルでは4曲目の”celephaïs”がそれに当たる曲で、耽美的なストリングスと洋風のアレンジをバックに魔メンバーが童謡チックに語りかけるような、それこそ教会ライブ映えしそうな童歌だ。そして、イントロからついつい「紅だーーーーーーーー!!」と叫びたくなっちゃう、もしくはBABYMETAL”イジメ、ダメ、ゼッタイ”が始まったかと勘違いする5曲目の”ABHOTH”は、X JAPANというよりもはやジャパメタと言っていい疾走感溢れるザックザクなメタルチューンで、ロック調で力強く歌い上げる魔メンにも注目だし、合いの手の洗礼!の部分も暗黒系アイドルっぽいというか、それこそ露骨にベビメタを意識したような「kawaii」を垣間見せる。

今作を紐解くキーワードは、他ならぬ「X JAPAN」「Vampillia」という音楽シーンでも「異端児」として語り継がれる二組の存在で、つまりダークウェーブなどのシンセや打ち込みを多用した音よりも、俄然エクストリーム系アイドルの主流となる「生バンド」による「バンド・サウンド」を重視したライブ感のある方向性へとシフトしている、あるいは今後更にシフトしていく事を宣言するかのようなシングルだ。今回はアニメ調のジャケ写のイメージも相まって、かなりアニソン寄りというか二次元的な作風として解釈すべきシングルなのかもしれない。正直、これヘタしたらアルバムよりも挑戦的で良いんじゃない?ってくらいの完成度で、楽曲面では前作よりも「やりたいこと」がハッキリと明確化しているように感じたし、それは俄然ソリッドになったプロダクションの向上とともに、魅力的なユニゾンは元より各魔メンのソロボーカルが聴きやすくなった事もあって、もはや歌モノとして十分に聴けるクオリティになってる。とにかく、この数ヶ月で全ての面がアップデイトされてなお且つ進化しているのが目に見えてわかるのが凄いし、やっぱ今のネクロ魔ってアイドル界は元より、メタル界の中でもかなり異質で面白い存在だと再確認させられた。というわけで、今日から俺はネクロ魔彩族だ!

ちなみに、このシングル『DAWNSLAYER』をCDで買う場合、「SLAYER ver.」「DAWN ver.」の二種に別れていて、収録内容も違うので注意が必要。前者の「SLAYER ver.」には4曲目に”ABHOTH”が、後者の「DAWN ver.」には4曲目に”celephaïs”が収録されている。でもBandcampで買えば全5曲入りでCDよりも安く手に入るので断然そっちがオススメ。なお、今回はハイレゾ仕様ではないので注意。

DAWNSLAYER (SLAYER ver.)
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PassCode 『ZENITH』

Artist PassCode
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Album 『ZENITH』
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Tracklist

1. Maze of mind
3. all or nothing
5. Scarlet night
6. TRACE
8. カタルシス
9. rise in revolt
10. Insanity
12. Voice

「ベビメタとBiSHの時代は終わりじゃあ!」

先日のサマーソニック2017では、OPアクトながらOPアクトに求められる役割以上のキレッキレなパフォーマンスを披露し、ハッカー(ファンの名称)とともにOPアクトらしからぬ煽りの上手さと盛り上がりでステージを賑わせたPassCode。あらためて思うことは、先日のサマソニでもヘッドライナーを務めたBABYMETALBiS(H)の台頭により、この手のパンク/ラウド/メタル系のバンド・サウンドを武器とするアイドルは、今の時代もはや珍しくもなくなってきた。2013年に結成された、ミスiD2016でも注目された黒髪ショートの南菜生、メンバー1ダンスが上手い高嶋楓、スクリーム担当の今田夢菜、端正な顔立ちで黒髪ロングの大上陽奈子からなる、大阪出身の4人組アイドルPassCodeも、昨今賑わいを見せている「エクストリーム系アイドル」の系譜の王道中の王道を行くアイドルの一つで、そんなPassCodeが先日待望のメジャー1stフルアルバムとなる『ZENITH』をリリースした。

「アイドルはどこまで表現していいのか?」

その問に対して、BABYMETAL「メタルとアイドル」の境界線(ボーダーライン)をブチ壊し、一方でBiS(H)は古くから築き上げてきた「アイドル」のイメージや固定概念を次々となぎ倒し、まるであたかも資本主義の崩壊とともに「アイドル」の「価格破壊」を引き起こした。その「価格破壊」の行き着いた先として、遂に「アイドルがスクリームする時代」にまで到達したのだ。そして、その「スクリームするアイドル」こと今田夢菜を擁するPassCodeは、「エクストリーム系アイドル」の最右翼として「アイドル」「ナニ」の境界線をブチ壊すつもりなのだろうか?



改めて、先日のサマソニで初めてPassCodeのライブを観た時は、一曲目に披露したシングルの”MISS UNLIMITED”の初っ端の「ダーイ!」っていうスクリームを耳にした瞬間、「ややや、これヘタしたらバンメ捲くられるんじゃね?」ってなるくらい、メンバーの扇情感溢れる煽りの上手さやキレのあるダンスをはじめ、とにかく「売れる」感がハンパないパフォーマンスに度肝を抜かれた。正直、前々から「スクリームするアイドル」がいると聞いていたけど、実際は大したことない似非スクリームみたいな感じなんだろうとナメてた自分を恥じるくらいガチなスクリームで笑った。あと、箱で推せるくらいメンバー全員が可愛いというのも「アイドル」として重要なポイントで、スクリーム担当の夢菜ちゃんですらあんなボイスパフォーマンスからは想像できない、めちゃ愛嬌ある感じで推せる。個人的にはちゃんと一緒に二推しでいきたい。

「スクリームするアイドル」

PassCodeの主な曲調としては、いわゆるEDMと呼ばれるサウンドとエフェクトを効かせたボーカル(クリーン)はPerfumeっぽくて、英詞メインの歌詞のお陰でメロコアっぽいノリと雰囲気もあって、それは初期BiSの系譜にあると言えるし、そして何と言ってもPassCodeの生命線である今田夢菜のスクリームを見せ場に、スウェーデンのDead by Aprilやナンチャララスベガス系の近未来型ピコリーモをベースとした、アイドルらしからぬゴリゴリのダウンチューニングでヘヴィなラウドロックを繰り広げている。その今田夢菜のスクリームを筆頭に、ももクロでんぱ組などの王道寄り?のアイドルにも精通する急激な転調パートを織り交ぜながら、もはやどんだけ展開すんねんってくらい目まぐるしい複雑な曲構成を特徴としていて、とにかくドルヲタキッズがブヒる要素を意図的に盛り込んだ楽曲には、猛烈に「ギャップ」のある展開が詰め込まれている。

その「ギャップのナニカ」といえば、同じく今年の初めにメジャー1stフルアルバムJust Bring Itを発表したBAND-MAIDもメイドがガチのハードロックを演奏するという「ギャップ」を売りにしているが、それに関して実はPassCode「スクリームするアイドル」の方が「ギャップ」あるんじゃね説あって、どうすんの小鳩って感じなんだけど、それくらい今後売れていくスピードや伸び代はBAND-MAIDよりもPassCodeのが断然上だし、今の「終わりの始まり」が見えたベビメタを喰らうのは、BAND-MAIDじゃなくてこのPassCodeなのかもしれない。


かのユニバーサルからリリースされたメジャー1stフルアルバムとなる『ZENITH』は、幕開けを飾る#1”Maze of mind”からピロピロシンセとヘヴィなリフとともに疾走感溢れるイントロから、ハードコアなスクリームとメタルコア系の単音リフからの強烈なブレイクダウンまで、まさにPassCodeの魅力が凝縮されたような一曲で幕を開け、初っ端から夢菜ちゃんのエグいスクリームとミドルテンポのグルーヴィなモダン・ヘヴィネス主体に展開する#2”bite the bullet”は、アグレッシヴな前半に始まって中盤の転調パート以降は予測不能な展開を複雑に張り巡らせる。続く#3”all or nothing”夢菜ちゃん「いともたやすく行われるえげつないスクリーム」と他三人のクリーンボイスが織りなす「ギャップ」が強烈な曲で、特に夢菜ちゃんLook up, the chandelier sees the whole show The sexy lady in the red dressとスクリームする部分の歌メロを、あそこまで器用にカッコ良く叫びこなせる女は世界でも夢菜ちゃんの他にARCH ENEMYアンジェラ・ゴソウアリッサ・ホワイト=グラズの2人だけだと思う。これマジで夢菜ちゃん次期アチエネのボーカル候補の一人だろ。あとこの曲は「みんな 生まれた時に」の所が「ウーパールーパー」としか聴こえなかった。そして、先日のサマソニでも最後に披露されたシングルの#4”ONE STEP BEYOND”まで、ここまで一気に聴かせる序盤の流れでもう殆どのキッズがノックアウトされること間違いなし。

以降も、PassCodeらしい転調を多用した落差のある展開、より「ギャップ」を強調したような楽曲が続く。サマソニでも披露された曲で、夢菜ちゃんのシャウトと最近のDjentにも通じるモダンなヘヴィネスを複雑な展開に絡め合わせた#6”TRACE”、次の#7”Same to you”も同様に間奏パートではDjentに通じる現代的なヘヴィネスを垣間見せ、このまま次作あたりでDjent方面に舵を切っても全然面白いと思った。しかし、本編唯一の日本語タイトルとなる#8”カタルシス”は、これまでの「アイドル」らしからぬブルータルで複雑無比な曲調から一転して、「アイドル」らしいポップなピアノのメロディをフィーチャーした初期BiSばりにエモい曲調で、このポップなノリの曲でも一切空気を読まずにスクリームする夢菜ちゃんの鬼メンタルは小鳩ミクの鳩メンタルを凌駕している。再び息を吹き返したように、メタルコア然とした単音系の殺傷リフとキャッチーなサビを擁した疾走感溢れる#9”rise in revolt”、再びうモダンなヘヴィネスでブルータルに聴かせる#10”Insanity”、終盤のハイライトを飾るシングルの#11”MISS UNLIMITED”、そしてアルバムのラストを飾るに相応しい#12”Voice”で幕を下ろす。

BABYMETAL「メタルとアイドル」の境界線をブチ壊したなら、このPassCodeはメジャー1stフルアルバムの『ZENITH』で、「アイドルとラウドロック」の垣根を超えて、そして「スクリームするアイドル」という新ジャンルをアイドルシーンに示し出した。2017年、「エクストリーム系アイドル」の世代交代が始まろうとしている。BiSからネクロ魔BiSHからPassCodeBABYMETALからBAND-MAID。そして、今年のサマソニから遂に幕を開けた「ベビメタ降ろし」、その「大炎」を呼び起こす「火」となるのがBAND-MAIDであり、そしてこのPassCodeである。

なんだろう、結局のところフェスじゃなくてワンマン観なきゃ話にならないと思うので、今度のツアーに行って煽りの勉強したいと思う。いや、これは別に推しの楓ちゃんのキレッキレなダンスと夢菜ちゃんのえげつないスクリームをウォッチしに行くわけじゃなくて、これはあくまでもバンドメイド軍直属の精鋭部隊「魔彩族」として行う偵察任務の一環で、先月はの不調でBAND-MAIDPassCodeの対バンはお流れとなったが、いずれ再び起こるであろう「対バン」という名の「同盟」を組む両者の動きは今後要注目だ。

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BiSH 『GiANT KiLLERS』

Artist BiSH
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mini album 『GiANT KiLLERS』
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Tracklist

1. GiANT KiLLERS
2. Marionette
3. Nothing.
4. 社会のルール
5. VOMiT SONG

ずっと見たい見たいと思ってた、自称「楽器を持たないパンクバンド」ことBiSHのライブを今年の1月にようやく見れたと思ったら、ライブ中に清掃員(BiSHファンの総称)の清掃活動に巻き込まれて左脇腹にクソでかい痣ができてからというもの、一転して「さっさと清掃員とBiSHは解散しろ」と強く願ってやまなくて(アユニは別)、どうせ来年いや年内で「いま最もキテるメイドバンド」ことBAND-MAIDにブチ抜かれるのは目に見えてから「どーでもよ~」みたいな、だからBiSHは今のうちにBAND-MAIDと対バンさせて頂いて、つまり【楽器を持たないパンクバンド VS. 楽器は持っているが弾くとは言ってないメイドバンド】で、松隈さん率いるSCRAMBLES作曲の”FREEDOM”彩ちゃんアイナ・ジ・エンドでツインボーカル披露しろよと、冗談じゃなしにそれくらい、ハッキリ言って今のBABYMETALや今のBiSHよりも今のBAND-MAIDのが数千倍面白いです。でもおいら、BiSHのライブにはもう二度と行かないと胸に誓いながらも、BiSHの「アユニと楽曲だけは別」という、いわゆる「楽曲派」とかいうドルヲタ特有のタチの悪い考えを持っているクズなので、昨年リリースされたメジャー1stアルバムKiLLER BiSHから約一年ぶりとなるミニアルバム『GiANT KiLLERS』が、6月8日限定でitunesで買うとアユニ加入後の2017年版BESTアルバムが付いて900円という破格の値段で投げ売りされてたから早速聴いてみた。

金かけすぎだろ


ここ最近のBiSHは、メジャー1stアルバムのリードトラックの”オーケストラ”や今年発表されたした2ndシングルの”プロミスザスター”みたいな、いわゆる「メジャー感」溢れるポップさを押し出した大衆向けの曲をプッシュし露骨に「売れ線」を狙い始めていて、つまり「パンクバンド」らしからぬアンチパンク精神むき出しな感じが、どうにもブレを感じてしまってしょうがなかった。しかし、その不満感を払拭するかのように、この『GiANT KiLLERS』の幕開けを飾る表題曲の”GiANT KiLLERS”から、パンクでファンクなBiSHらしいヘドバン不可避なリズム/テンポで進む曲で、まずは戸川純顔負けのアイナの破天荒ボイスを先頭に、そのアイナと対照的な気だるい存在感を放つチッチ、この手のパンキッシュな曲だとリンリンが頭おかしなって「キエェェェェエイ!!」と奇声上げ始めるし、一人だけいつもと変わらないハシヤスメの絶望的なリズム感のなさとマイペースさが逆に個性として映えるし、モモコグミはおるのかおらんのか分からん存在感の薄さが”らしく”て最高だし、そして「欲しがりません 後は 戦え」というこの曲で一番美味しいサビの歌詞パートを任されたアユニの悪ガキ感全開のヤンチャな歌声は”My distinction”の「キモ~!」に匹敵する名ギャップフレーズだし、そこへ清掃員のキモいシンガロングとコールが組み合わさって、まさしく「メリーゴーランド」と見せかけてジェットコースターのように目まぐるしくてんてこ舞いに展開する、それこそ竜宮寺育氏の「歌詞」とメンバーの尖りまくった「個性」とクソみたいな「清掃員」のクソさ加減が共鳴しあった、すなわち一体感とライブ感が一つになった、もはや「BiSHと言えばコレ」な一曲と言える。

アイナメインだった”My distinction”と対になるチッチメイン、というより、もはやチッチのソロ曲レベルにチッチのエモい歌をフィーチャーした2曲目の”Marionette”は、まずイントロからBiS”Fly”への回答を示しつつ、ショーケースの中に入れられた「人形」の孤独な哀しみをアイドルという「操り人形」に投影させる、そのモモコグミが作詞したメンヘラもとい耽美的な歌詞とチッチの持ち味であるエモさが古き良きV系ロック的なイメージを強調し、アイナパートの「届かない本当の声が」の所では北欧フィンランドの至宝The Rasmusラウリ・ヨーネンのハスキーボイスとアイナのハスキーボイスが共振する。実は、”GiANT KiLLERS”のチッチパートの「全て飲み込んで行こうぜ」の部分が初期椎名林檎を彷彿させたのもあって、チッチが意図的に椎名林檎を意識して歌ってたかは知らないが、この曲ではよりチッチ椎名林檎成分が出てるというか、ちょっと面白いのは、アイナ戸川純チッチ椎名林檎という構図が既に出来上がっているところで、あらためてBiSHの最大の魅力はこのアイナチッチのツインボーカルにあると再確認させる。正直、今のアイナってVampillia経由で戸川純と共演してもおかしくない器のデカさある。



3曲目の”Nothing.”は、いわゆる近年のBiSHが傾倒している”オーケストラ”系のメジャ感溢れる青春ポップソングで、この曲の歌詞もモモコグミが手がけており、あらためてモモコの作詞家としての才能に脱帽するし、他にもチッチの裏声も注目ポイント。一転してスカっぽいコミカルなノリで展開するハシヤスメ作詞の”社会のルール”では、歌詞の中にハシヤスメをブッ込んでくるくらいハシヤスメの自己主張が凄い。最後の”VOMiT SONG”も往年のBiSを彷彿させるリンリン作詞の胸キュン哀愁ナンバーで、この曲も(特にアイナが)謎のThe Rasmus感あって笑う。これ聴いたら、あらためてリンリン作詞の曲にハズレなしだと思った。ここまで全5曲のミニアルバムながら、メンバー全員の個性および作詞スキル、そして「アユニと楽曲だけは別」という言葉の説得力が増す曲の良さまで、とにかく良くも悪くもメジャー以降のBiSHが持ちうる魅力の全てが凝縮された、悔しいけどやっぱBiSHスゲーと思い知らされた一枚。正直、無駄がないぶんフルアルバムよりも良いかもしれない。

確かに、いくつかの曲はBiSH専用というよりWACK界隈特有の曲調およびノリだが、しかしそこはBiSHの魅力で、メンバー作詞の歌詞とアイナとチッチのツインボーカルがあればなんでもBiSH色に、クソ色に染め上げてしまう、それくらいクソ最高なミニアルバムならぬクソアルバムだ。でもやっぱり清掃員とBiSHはクソだから(アユニは別)さっさと解散するかバンメと対バンしろ。

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NECRONOMIDOL 『DEATHLESS』

Artist NECRONOMIDOL
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Album 『DEATHLESS』
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Tracklist

01. END OF DAYS
02. 4.7L
03. SKULLS IN THE STARS
04. KERES THANATOIO
05. CHUNGKING REDLINE
06. HEXENNACHT
07. NEPENTHE
08. ITHAQUA

おいら、BABYMETALの存在をはじめ、それこそVampilliaBiSがコラボした『the divine move』”mirror mirror”ツジコノリコをフィーチャーした”Endless Summer”を聴いた時に、今の時代、色んなアイドルがおっても許される時代なわけだし、それならAlcestDeafheavenみたいな「ポストブラック」やるアイドルおっても面白いよなって、ふと考えたことがあって、でも流石にポストブラックをベースにしたアイドルはおらんやろぉ...と思ったらおった。それが東京を中心に活動する「暗黒系アイドル」こと、その名もNECRONOMIDOL(ネクロノマイドル)だ。

略称ネクロ魔ことネクロノマイドルは、ピッツバーグ生まれのマネージャー、リッキー・ウィルソンが募集したオーディションにより2014年に結成された、オリジナルメンバーの柿崎李咲と白塗りペイントの瑳里を中心とした五人組の暗黒系アイドルだ。昨年の1月に1stアルバムの『NEMESIS』をリリースし、新体制となって約一年ぶりにリリースされた2ndアルバム『DEATHLESS』は、「死の淵から這い上がる DEATHLESS」を怨みつらみ文句に異世界の入り口へと誘う。



一度再生すると、一曲目の”END OF DAYS”からド肝抜かれる。「人を呪わば穴二つ」を合言葉に、地獄門の扉が開き始める邪悪なトレモロ・リフから、日本語と英語を交えた中島みゆきばりに『闇』の深いダークな世界観を司る、メンバー自らが手がけた歌詞を歌う初期BiSを彷彿させるエモみのあるボーカル/ユニゾンを、疾走感溢れるソリッドなリフと粗暴なブラストに乗せてブルータルに展開し、そして来たる3:21秒以降、それこそDeafheaven顔負けのPost-系のクリーンパートに突入した瞬間、僕は「holy fack...」と声を漏らした。この、いわゆる「静と動」のメリハリを効かせた急転直下型の緩急は「ポストブラック」の常套手段であり、それこそポストブラ界のレジェンドことAlcestの「教え」を理解し、それを守り通している。

その「暗黒系アイドル」を称するに相応しいブラックな幕開けから、一転して#2”4.7L”ではシンセや打ち込みを主体としたピコピコ系の典型的な地下アイドルソングを聴かせ、続くシアトリカルでポップなメロディをフィーチャーしたアップテンポな#3”SKULLS IN THE STARS”、今度はX JAPAN顔負けのツインリードを聴かせるV系歌謡ロックナンバーの#4”KERES THANATOIO”や80年代のダークウェーブを彷彿させる”CHUNGKING REDLINE”、そしてアニメ『地獄少女』のOPテーマに打ってつけな、日本の怪談あるいは童謡のノリで北欧の「ヴァルプルギスの夜」をテーマに歌う”HEXENNACHT”ネクロ魔の全てを凝縮したドラマティックなラストの”ITHAQUA”まで、初期BiSあるいは黄金期BiSの地下という意味でのアングラ感とブラック・メタルならではのアングラ感が引かれ合った、いい意味でB級感溢れるチープなサウンドがクセになる。正直、今の新生BiSよりもネクロ魔のがBiSっぽさあります。

今作の楽曲はそれぞれ外部ライターによるものだが、その曲調は幅広くどれも個性があり、V系ロックから打ち込み系のポップなアイドルソングから稲川淳二もビックリの怪談ソングまで、アレンジも実に多彩でバラエティ豊かに仕上がっている。ボーカル面では、5人それぞれ声質に特徴があって区別しやすくて、それ故にユニゾンパートがより効果的に魅力的かつ心地よく聴ける。そして、通常のアイドルではお目にかかれない、『死』や『ギリシャ神話』をモチーフにした深みのある歌詞はメンバー自身が手がけており、これはもうUlverThe Assassination of Julius Caesarと双璧をなす今年マストのブラック・メタルアルバムと言っても過言じゃあない。確かに、ブラック・メタルを謳いながら実際にブラック・メタルっぽいのって一曲目だけやんと思うかもだが、逆にこれくらいの方がちょうどいいのかもしれない。ちなみに、僕の推しは、今年加入したばかりの月城ひまりちゃんですw

ちょっと面白いというか、こいつら侮れないと思ったのは、今作の音源をBandcampで買うとflacが24bitのハイレゾ仕様になってて、その音質面を含めて音に対する「こだわり」を見れば、いかにネクロノマイドルが「ガチ」な暗黒系アイドルやってるのかが分かるはずだ。是非ともVampilliaあたりとコラボした作品を期待したいし、自分もこれに触発されてシューゲイザーブラック系アイドルグループ立ち上げたくなったので、今ここでメンバーを募集します。応募条件は18歳から25歳までの可愛いGIRLでお願いします。

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