CDジャーナル9月号

あの音楽雑誌『クロスビート』が休刊したりと、いつにも増して音楽不況を実感する今日この頃、皆さんいかがお過ごしですか?

 ・・・まぁ、そんな前置きは置いといて・・・おいら、普段はあまり音楽雑誌とか買わないし読まない人で(ビューンを三年間購読してたのは黒歴史)、最近では能年玲奈ちゃんが表紙を飾った『CUT』『ダ・ヴィンチ』を買ったぐらいなんだが(『CUT』は京(DIR EN GREY)のインタビューが載ってて笑った)、まぁ、それはともかくとして、今月の20日に発売された『CDジャーナル』の9月号に、約三年ぶりの新作TOWN AGEをリリースした相対性理論や来月に初の武道館公演を控えた℃-uteそして俺たちのあまちゃん(大友良英)とかいう、これ以上ないほど俺得なメンツが名を連ねてるというんで、それらを目当てに買ってみた。で、さっそく読んでみた軽い感想なんだけど・・・

 とりあえず、(わりとシッカリとした紙質だな)とか思いながらパラパラとページをめくると、鬼才やくしまるえつこちゃんが描いたラクガキもとい可愛らしい絵が巻頭を飾る相対性理論からの~フランツ・フェルディナンドからの~℃-uteという、「これもうわかんねぇな...」としか言いようがないカオスな流れにまず笑う。で、初めに約三年ぶりの新作『TOWN AGE』について、やくしまるえつこが質問形式で答えるインタビューを読んだ。いくつかの質問の中でも特に興味深かったのは→「求められている相対性理論」に応えることと、ヒット曲としてのポップスを作るというふたつのテーマは矛盾しないものでしたか?という問に対して、えっちゃんは→純粋に「求められている相対性理論」が果たして存在するのかわかりませんが、その言葉の裏にこぼれ落ちたのもひっくるめて、相対性理論は「相対性理論」の理に則って存在するだけです。矛盾するかどうかはそもそも考えません。・・・と答えていて、(なんか荒木飛呂彦でも言いそうにないことを実際に言う奇妙な人だなぁ...というよりも、イメージどおりのキャラだなぁ)という印象を持ちつつ、ずぶんのTOWN AGEのレビューでも俺たちが”相対性理論に対して求めているもの”は皆無に等しいとかナントカ書いてたりしたから、このえっちゃんのアンサーを聞いたら妙に”納得”できたというか、要するに新体制の相対性理論が「相対性理論」の理に則って、”なるようになった”結果がこの『TOWN AGE』というわけなんだ。更に→やくしまるえつこのボーカルも今までよりも生っぽく、息遣いを含めて感情を残したのは意図していたか?という質問に、息づかい等はいくらでもコントロールできるものなので、実際的な感情との関連はわかりませんが、そのように聞こえるレコーディングというのは「今まで」や「これから」といった括りに関わらず、曲に対する最良の音として必然的に選ばれた結果です。あとは聞く人の体調次第です。・・・と答えるやくしまるのえっちゃん。確かに、『TOWN AGE』では「俺(私)の歌をきけえええええええええええええええええ」と言わんばかりの、過去最高に感情(エモーション)という名の”えつこのエゴ”が込められたボーカルが過去作との決定的な違いだったから、このえっちゃんのアンサーを聞いて僕は(なるほど、体調のせいだったのか・・・じゃなくて、必然的か・・・)と俄然”納得”できた。そして最後に→新作『TOWN AGE』に記録されているのは、相対性理論の”変化”でしょうか? それとも”継続”でしょうか?という問いに、「報告です。」とたった一言でシメたやっぱえっちゃんカッコイイ!ヒュウィゴー!・・・その他の質問には、元素やら水素などの言葉を用いた(おいおい科学者か)と思うほど理論的な答えや(それこそNHKの無機物ドキュメンタリ―の語りに採用されるのも納得)、(なにいってだこいつ・・・)と言いたくなるような実に奇妙な回答を導き出していて、全二ページに記録された短すぎるインタビューでありながらも、”やくしまるえつこ”という人物像や思考回路を色濃く垣間見せている。それらの質問に対するえっちゃんのアンサーは不思議と”説得力”があって、自分が新作に対して感じていた漠然としたギモンに自然と”納得”が生まれたというか、半ば強制的に”納得”させられた自分がいた。

 そのインタビューの後に4コマ漫画(えつこ作)からの~音楽評論家の湯浅学氏と松村正人氏による新作『TOWN AGE』をめぐる対談がなかなか面白かった(むしろこの対談が本誌のメインディッシュかも)。その対談内容を掻い摘んで説明すると→まず初めにメンバーチェンジ(流動性)についてだったり、新作と過去作の比較だったり、その流れで新作のプロダクションやアレンジを高く評価していたり、相対性理論=大衆ポップスだと説いていたり、大友良英さん文脈で聴いてる奴批判だったり、ギタリスト永井聖一に対する評価だったり、シティ・ポップ視点から見る”TOWN”や”AGE”という解釈についてだったりと...、全体的にかなり新作に対して好意的な見方をしてて、さすが評論家ってな感じの対談で興味深かった。けど、最後らへんはイマイチ何が言いたいのかよく分からなかった。申し訳ないが評論家の自分語りオナニーはNG。何にせよ、松村氏の次作に早くとりかかったらいいんじゃないかと思いましたには同意。

    『えつこ、それ相対性理論やない、プログレや』

 で、やくしまるえつこのインタビューや評論家の対談を見て思った→結局、新作の『TOWN AGE』に否定的な人って、相対性理論の”楽曲そのもの”を評価しているんではなくて、真部さんによる真部さんのための”相対性理論という名の雰囲気バンド”が好きなんだな...って。そら真部さんが抜けた今の相対性理論に対して否定的になるのも仕方ないな...って。つまり僕が言いたいのは、ハスピエ大好きハナエ大好きサブカル豚野郎は、もうちょっとだけでいいから相対性理論の”雰囲気”だけじゃなく”楽曲”を素直に正しく評価してやってもいいんじゃあないか?ということ。とかエラそうなこと言うても、真部さんを中心とした相対性理論にしか創れない、それこそえっちゃんが描く絵本のようなパラレルワールドの存在が前提にあって、その前提(オリジナリティ)があって初めて楽曲の方が評価される、ということは百も承知なんだけど...ね。おいら、真部さん至上主義の人には#4”キッズ・ノーリターン”にある”凄み”を正しく評価できるわけない!できるわけない!できるわけない!と思ってて、だってこの曲は俺たちプログレ厨に向けてえっちゃんが直々に書いてくれた曲だからね。これには「サンキューえっこ」としか言いようがないんだけど、今回のインタビューや対談内容を踏まえて、あらためて新作の『TOWN AGE』を聴いた結果→やはりイイ。実に馴染む。あらためて、新作はサブカル豚野郎だけでなく、むしろこれまでの中心支持層=ヲタ層よりも、一般層を中心としたより幅広い層にアピールできそうな、これぞまさしく”キング・オブ・ポップス”だと確信したと同時に、過去最高に”バンドサウンド”というイメージが色濃い作風だということを再認識した。そして何よりも、新作で【相対性理論=雰囲気バンド】という従来のイメージからの脱局に成功した結果→このたび俺たちファッキンプログレ厨に見つかっちゃったわけで、もはや俺たちのプログレ耳からすれば新作の『TOWN AGE』”プログレ”として聴けちゃう代物なんだ。当然、いわゆる”プログレ”という言葉からイメージされるソレではなくて、例えるなら→スティーヴン・ウィルソン先生の関連プロジェクトBlackfieldのような、あくまでも”ポップス”をベースとしながらプログレやオルタナ的な解釈/アレンジを加えたポップ・ロック、つまり”至ってシンプル”でありながらもどこか”深み”のある音楽、という点では共通する面が少なからずあると思う。だから、早くえっちゃんはスティーヴン・ウィルソン先生と”LOVEずっきゅん”して第二のオノ・ヨーコになって、どうぞ。要するに→【すてぃーゔん・うぃるそん×やくしまるえつこ=えつこ・うぃるそん】はよ!・・・まぁ、そんな冗談は程々にして、マジで来年ぐらいにプログレアルバム出してほしい・・・えっちゃん頼む!

 ちなみに、個人的に新作で好きなギターを挙げるとするなら・・・まずは#2”BATACO”の3:33秒からのティッティキティッティキティッティキティッティキ♪というアウトロ、#4”キッズ・ノーリターン”の2:42秒からジュワジュワ~っと”ずっきゅん”される感じの淡いシューゲ風ギターは好き。このシューゲっぽいアプローチを感じさせるギターを聴けば、この度のマイブラ再来日のゲストに相対性理論が選ばれた理由が分かるような気がする。あと#8”ほうき星”のアコギね。

 お次は℃のインタビューに目を通した。まずは7月に行われたフランス公演の感想や音霊ライブについてのお話、その流れからモー娘。のフォーメーションダンスに対する印象を語る中で→萩「うちらが一番意識してるのはモーニング娘。かも岡井「もし一般の人だったら、ダンスも歌もうまいから気になると思う。だから一気にいっちゃうかと思って、こわい萩「で、℃-uteがまた落ちちゃったりしてねという、この辺の会話は妙なリアリティがあって良かった。その次に武道館2デイズが実現したことに対する会話の中で→岡井「とんでもねーことが起きたっぺ萩「誰(笑)!?中島「起きたなという、(うーんこの黒い三連星ならぬアフォい三連星・・・)としか言いようがない流れはこのインタビューのハイライト。で、ここらで(なんかもう中萩岡しか喋ってねーじゃねーか...なんなんだ...なんなんだこのインタビュー...なにがなんだかわからない・・・)と気づく。その後は9日の日が埋まるor埋まらないかという不安と不満を愚痴ってたり、新作8thフル『Queen of J-POP』に収録された曲の解説をメンバーがそれぞれ答えるといった内容。そんな感じで、脳細胞を一切使わない会話というかダベリというか、あっ・・・(℃コンのMCって大体こんなノリだったよな...察し)という風に、どこか懐かしい気持ちにさせるインタビューだった。とにかく、最年少の萩がまるでリーダーかと思うほど一番喋りまくってて笑った。あと愛理の存在感が皆無で笑った。けどインタビューよりもナカGが描いた漫画の方が面白かったのは内緒。総括すると→「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!『おれは910の日の武道館公演の話を聞いていたと思ったら いつのまにかnkskは九九ができない話になっていた』 な…何を言ってるのか わからねーと思うが(ry」

 で、今月の推奨盤のコーナーで℃の新作『Queen of J-POP』のレビューが記載されていて、その内容としては→”マイナー調”で”セクシー”なダンスナンバーが℃の十八番だという疑いようもない正し過ぎる認識や、モー娘。がEDM路線を突き詰めてるように、℃もある道を追求し続けたという前置きから(恐らく、その”ある道”とはキング・オブ・歌謡アイドル路線)、愛理と岡井の表現力の高さや着実な進化を評価しつつ、まさに”誰でもセンターに立てる感”という℃の最大の強みを体現したかのような、メンバー一人一人がそれぞれフューチャーされたアルバム曲の解説を中心に、結論として→「メンバーはパフォーマンス、キャラ、ルックスも抜群で、ファンも国内外で加速度的に増加中。アルバムも及第点を余裕でクリアする充実の出来。あとは誰もが認める決定的なヒット作を待つのみ、というところまで来た。(南波一海)」・・・だってよ、つんくw とりあえず、うーんこの不安感しか抱かないレビューなんだけど、結論にあとは誰もが認める決定的なヒット作を待つのみという、世界中の℃ヲタの意見を代弁してくれただけで最高のレビューだと思う。個人的にも、先行MVで公開された#1ハムとベーグルチーズサンドを聴いて→あっ・・・(ここ最近の中でも一番アカンやつや...察し)ってなって、今後の℃の命運を左右するであろう新作の内容にわりとマジで期待してたから、この曲を聴いた時のショックはデカかった。だから、まだ新作ポチってないし、その新作を引っさげての秋公演に参戦するかもまだ決めかねてる状態。つまり、その#1以外のアルバム曲の出来に全てがかかってるというわけ。しっかし、このレビュー(特にアルバムも及第点を余裕でクリアする充実の出来という濁した表現)を見る限り、全く期待できそうにないんだよなぁ・・・。まぁ、萩メインの#2に期待しとく。

 で、特別企画で大友良英が語る『あまちゃん』の歌を読んだ。劇中で知られる”暦の上ではディセンバー”や”潮騒のメモリー”がどのようにして書かれたのか、その過程や裏話が聞けて面白かった。本編の方もいよいよクライマックスを迎えるあまちゃんマニアは必読!? あと最後らへんのCDカタログに、ABRやデッドロックやマスタープランなどのメタル系の新作も取り扱ってて謎の好感を持った。以上。