Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

あのキザミ

Opeth 『Pale Communion』

Artist Opeth
Opeth

Mixing/Sexual Steven Wilson
Steven Wilson

Album 『Pale Communion』
Pale Communion

Tracklist
04. Elysian Woes
05. Goblin
06. River
07. Voice Of Treason
08. Faith In Others
 
ミカエル・オーカーフェルトの頭脳

カミングアウト ・・・今年、2014年度のメタル界を最も賑わせた衝撃ニュースといえば→USのレジェンドCynicの頭脳ポール・マスヴィダル”ホモ”をカミングアウトした事だと思うが、まさか北欧スウェーデンが誇るゆるキャラ”オペにゃん”ことOpethも約三年ぶりの11thアルバム『Pale Communion』”ホモ”をカミングアウトするなんて...一足先にリークされたフェイクのアートワークを目にして「パチもんクセぇw」なーんて笑い転げていた当時は、まるで知る由もなかった。で、ここで前回までのOpethをおさらいしてみると、自分の中で前作の10thアルバムHeritageというのは→”9thアルバムWatershedという伏線()があって、結成から20周年を迎えた記念すべき10作目という事から”納得”した作品”だった。では本作の作風はどうだろう?結論から言ってしまえば→問題作となった『Heritage』の流れを踏襲した、言うなれば”70年代回帰路線”である。そんな彼らオペットゥの11作目は、”髭もじゃおじさん”ことペルが脱退して元イングヴェイのヨアキムが正式加入してから初のアルバムで、7thアルバムの『Damnation』以来約10年ぶりの再会となる、いわゆる”俺の界隈”の代表取締役兼CEOとして知られるスティーヴン・ウィルソンをミックスに迎え、そしてバンドのフロントマンミカエル・オーカーフェルトがセルフプロデュースを手がけている。

Opeth is Djent!! ・・・一概に”70年代回帰路線”と言ってみても、前作の『Heritage』のようなディープ・パープル系のヴィンテージ臭あふれるクラシック・ハード・ロックあるいはフォーク・ロックというよりは、これは明らかに盟友スティーヴン・ウィルソンの影響だろうけど、70sは70sでも前作とは一転して今回はインテリ風のモダン・プログレに大きく舵を切っている。その”プログレ大好きおじさん”っぷりは幕開けを飾る#1”Eternal Rains Will Come”からフルスロットルに発揮されていて、まずイントロから「Animals as Leadersかな?」って「遂にオペにゃんがDjent化したか!?」ってくらいのオシャンティでジャジーなリズム&グルーヴに意表を突かれ、前作譲りのクラシックなリフ回しやSWソロの2nd『Grace For Drowning』と3rd『The Raven That Refused To Sing』に通じるユラユラ~~~っとしたメロトロンとピアノが曲全体を一際叙情的に演出しながら、中盤以降はリリカルでヒロイックなメロディと共にミカエルの叙情的なボーカルとウィルソンのコーラスが織りなす黄金のホーモニーからの初期Riversideを思わせる哀愁のGソロという、ベッタベタでありながらも確かな展開力を見せつける。とにかく”プログレ”に特化したレトロ感あふれる少し湿り気のある音使いを中心とした、要するに前作よりは本来のオペットゥらしい音に回帰している事が理解できる、というよりSWソロを嫌でも思い浮かばせる情緒感に溢れた淡い音使いに驚かされる。とにかく”アコースティック”で”メロウ”、そんな印象を聴き手に強く与える。

あのキザミ ・・・今年はホモもといポール・マスヴィダル率いるUSのCynicも3rdアルバムKindly Bent to Free Usの中で古典的なプログレに挑んでいたが、それで言うところの”True Hallucination Speak”を彷彿とさせる、ジュクジュクと前立腺を刺激する”あのキザミ”リフを軸に展開する#2”Cusp Of Eternity”は、そのキザミリフを中心とした申し訳程度の幽玄な世界観からは中期すなわち全盛期のオペットゥをフラッシュバックさせたりして、その”70年代回帰路線”であると同時に今作は”オペットゥ回帰路線”でもある事に気がつくと、無性に(ニヤリ)とせざるを得なかった。元々、4thアルバムの『Still Life』や5th『Blackwater Park』そして8th『Ghost Reveries』の中でも”あのキザミ”の只ならぬセンスを要所で垣間みせていたし、あらためてこうやってガッツリと刻んでくれると素直にブヒれるってもんです。鍵番が主導権を握る今作で唯一”リフ主体”のメタリックなナンバーでもあって、アルバムの二曲目に動きの激しい曲を配置する構成は、Mastodonクラック・ザ・スカイ的な匂いを感じる。

再構築 ・・・10分を超える大作で早くも今作のハイライトを飾る#3”Moon Above, Sun Below”は、再びSW譲りの少し仄暗いサイケデリカやアコースティック中心の情緒豊かな音使い、名盤『Still Life』の流れを汲んだ暗黒リフや『Heritage』譲りのオーガニックなリフが繊細かつ鮮やかに交錯していき、中盤にさしかかると一転して不穏な空気感を纏った漆黒の表情を垣間みせ、来たるクライマックスでは『Watershed』”Heir Apparent””Burden”で聴けたような”繰り返し”の美学、その作法が用いられている。まるで過去のOpetを今の70s型Opethの解釈をもって再構築したような、それこそOpetの”旨味”その全てが凝縮されたような集大成と呼べる楽曲だ。それこそナチスドイツ(ヒトラー)が終戦間際、秘密裏に建設した地下シェルターの最奥部に眠るとされる3つの歴史的な宗教画のように、お馴染みのトラヴィス・スミス氏が手がけたアートワークが醸し出す崇高であり深淵な音世界に不思議と吸い寄せられるようだ。

イタリアン・ホラー ・・・ここでも名盤『Still Life』を思わせる、寂寥感に苛まれそうになるムーディ&フォーキーなアコギがミニマルに響き渡る#4”Elysian Woes”は、”ノルウェイの森のクマさん”ことUlverKristoffer Rygg顔負けの妖艶なダンディズムが込められたミカエルの歌声、そのミカエルのボーカリストとしての才能を再確認させるダーティな一曲だ。そして、もはや本作品の主役と言っても決して過言じゃあない、新メンの鍵盤奏者ヨアキムが奏でる時にユラユラユウゲンと、時にトリトリトリッキーなメロディ、そのヨアキムの腕前が顕著に表れているのが五曲目の”Goblin”だ。その名のとおり、70年代に活躍したイタリアのプログレッシブ・ロック・バンドゴブリンをリスペクトしたインストナンバーで、そのゴブリンが音楽を手がけたイタリアの巨匠ダリオ・アルジェント監督の映画『ゾンビ』『サスペリア』シリーズなどの代表的なイタリアン・ホラーに登場する、主人公の背後に一歩づつ忍び寄る”姿のない恐怖”を主観映像で追体験させるハラハラドキドキした緊迫感とB級ゾンビ映画特有のコミカルでファンキーなノリが融合したような、それこそ70sプログレがソックリそのまま現代に蘇ったかのような楽曲で、まさしく本作の作風を象徴するかのような一曲と言える。そしてこの曲には→??「オペットゥはドラマーが代わって終わった」と言われるほど、??「オペットゥはマーティン(メンデスじゃない方)が辞めて終わった」と言われるまでの人物であり、オペットゥの黄金を支えたドラマーのマーティン・ロペスがゲストで参加している、そんなファン泣かせの粋な計らいがなされている。もしこの曲のMVを作るとしたら→オペットゥが演奏するレトロなジャズバーに(過去メンバーを含む)大量のゾンビがやってきて観客をコミカルに食い荒らしていく映像が浮かんだ。

今年のトレンドはホモ ・・・ここまで散々Cynicポール・マスヴィダルスティーヴン・ウィルソンの面影を感じさせた、それらの伏線()が遂に回収される、満を持して今年のメタル界のトレンドは”ホモ”だと確信させる曲の登場だ。今年の初めにAlcestシェルターの記事の中で、Opethミカエル・オーカーフェルトAlcestネージュの親和性について少し言及したが、この6曲目の”River”という曲は、まるで古代スカンジナビアの遊牧民と化したミカエルとその親友ウィルソンとその仲間たちが青々とした草原の中で仲良く手を繋いでキャッキャウフフ♥と股間辺りを弄り合っている、とっさに目を背けてしまいそうになる危険な情事が瞼の裏に半ば強制的に映し出されるような民謡歌で、つまり晴れて念願のシューゲイザーバンドになれたアルセスト=ネージュのように、子供の頃から憧れていた念願のプログレバンドになれて人生最大の『幸福』を感じているミカエル・オーカーフェルトのリアルな心情を歌ったような、これはもうミカエルとウィルソンとその愉快な仲間たちによる男だらけのミュージカル『愛と哀しみのホモ』あるいはアニメ『月刊少女ミカエルくん』だ。そんな風にミカエルとネージュの親和性を改めて考察させる曲なんだけど、それをより決定的な物にするかの如く、このたび目出度くOpethとAlcestのカップリングツアーが決まったらしい、そんな面白さもある。まぁ、そんな冗談は置いといて→これまでのオペットゥからは想像できないような、温もりのあるホットホットなホモーションもといエモーションに満ち溢れたこの曲では、コーラスを担当する脇役のウィルソン君と主演のミカエル君が織りなす黄金のホーモニーに只ならぬ恍惚感を味わうことができる。それこそ腐女子が大喜びしそうな801展開に絶頂不可避だし、この曲では他の楽曲同様に『Ghost Reveries』を彷彿とさせる”へゔぃ”なリフ回しを台風の目とした怒涛のインストバトルを繰り広げている。

真っ昼間の淫夢 ・・・イントロからサスペンスドラマ風のミステリアスなストリングスを大胆に取り入れた#7”Voice Of Treason”は、その荘厳なストリングスを軸にアラビアン・ミュージックリスペクトなエスニックなアレンジが際立った曲で、中でもクライマックスを飾るミカエルの情感(ホモーション)が溢れ出す歌声は大きなヌキどころ...もとい聴きどころだ。その”クサい”流れを引き継いで始まるラストの#8”Faith In Others”は、悲哀を奏でるストリングスで昼ドラばりにドロドロした悲壮感を演出し、それと同調するかのように、同郷レジェンドABBA直系のスウェディッシュ・ムード歌謡リスペクトなミカエルの通称”ウッフン歌唱”は真骨頂すなわち絶頂を迎え(この瞬間は、ミカエル・オーカーフェルト『世界一美しいデスボイス』『世界一醜いウッフンボイス』に敗北した瞬間でもあった)、歴代のプログレ勢とも決して引けを取らない中盤以降のガチで泣かせにくる感動的なシーンを最後に、このメタルゴッドロブ・ハルフォード主催の恋物語『真っ昼間の淫夢』は盛大に幕を閉じる...(ここでエンドクレジット)。

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ミカエル「俺気づいたんだ、やっぱお前がいないとダメなんだって」

スティーヴン・ウィルソン
ウィルソン「どうやらそうみたいだね(ニコッ)」

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ミカエル「10年も待たせてゴメンな。また俺という名の楽器を奏で...もとい、また俺たちの音をミックスしてくれるかい?」

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ウィルソン「もちろんさ///」

ミカエル・オーカーフェルト
ミカエル「ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-♪」

スティーヴン・ウィルソン
ウィルソン「アーイキソ」

ミカエルバンド ・・・自分の中で、このオペットゥというのは1stの『Orchid』から3rdの『My Arms, Your Hearse』までが初期の第一期で、4thの『Still Life』から8thの『Ghost Reveries』までが第二期つまりオペットゥの全盛期、そして9thの『Watershed』から現在までがプログレ期つまり第三期Opeth・・・そんなザックリした認識を持っているんだけれど、ハッキリ言って9th『Watershed』以降のオペットゥはフロントマンミカエル・オーカーフェルトのワンマンバンド、つまり実質ミカエルのソロバンドすなわち”ミカエルバンド”だという事は否定しようがない事実で、その”ミカエルバンド”感は今作で俄然強くなっている。そして、やはり約10年ぶりの再会を果たした盟友ウィルソンの存在も大きくて、勿論そのSWソロからの影響もそうなんだけど、2012年に発足されたミカエルとウィルソンの”初めての共同作業”ことStorm Corrosionからの影響も隠しきれていなくて、やっぱり二年前の味が忘れられなかったのか?なんて事は知る由もないけど、要するに『Pale Communion』の本質はOpethという名のブヨブヨの皮を被ったSWなんじゃあないか?って。もはや「これオペットゥちゃうやん、SWやん!」って、それくらいスティーヴン・ウィルソンの影が異様にチラつく。そのSWによるミックスだけあって存外アッサリした感じで、前作のように徹底してヴィンテージな雰囲気はないし、どちらかと言えばクラシック・ロックというよりモダンなプログレっつーイメージのが強い。だから変に外れた音は一つもないし、むしろ僕のようなプログレ耳にはドン引きするぐらい馴染みのある音なんだけど、その代わり”意外性”というのは皆無だし、「いや、今更これやるのかよ?それならまだ『ヘリテイジ』のがインパクトあったんじゃねーか?」というような批判にも全然納得できる。結局のところ→前作の鍵を握るのがディープ・パープルなら、今作の鍵を握るのはゴブリンっつー至ってシンプルな話でしかなくて、要するに「プログレ好きによるプログレ好きのためのプログレ」で、もうなんかプログレ好きだけが楽しめればいいじゃん(いいじゃん)的な作品だから、その間口は意外と狭いのかもしれない。けれど『ヘリテイジ』との差別化はハッキリしているんで、ホント、プログレが好きかそうでないかの世界です。ただ一つ僕が心配しているのは、はたしてミカエル・オーカーフェルトは憧れのスティーヴン・ウィルソンになれたのだろうか?という一点だけ。

俺の金玉の方がヘヴィだ! ・・・レーベル側のウリ文句として→【深遠な静けさを感じさせるような曲や、獰猛に炎を吹き出すかのようなヘヴィな曲、さらには、初期オーペスを想起させるようなオールド・スクールなオーペス・サウンド】とのプロパガンダらしき謳い文句があって、とりあえず【深遠な静けさを感じさせるような曲】←わかる、【獰猛に炎を吹き出すかのようなヘヴィな曲】←うーん?、【初期オーペスを想起させるようなオールド・スクールなオーペス・サウンド】←??!!!?!?!!!??といった感想を持った人が大多数だと思われる。これって結局、何をして”ヘヴィ”と捉えるか?の話であって、別にそのプロパガンダを擁護するわけじゃあないけど、事実『Ghost Reveries』や最高傑作『Still Life』をはじめとした、(当然、その音像はいわゆるデスメタル然としたデロデロ感はないが)オペットゥ自らのルーツを廻るような往年のヘヴィなリフ回しを露骨に意識して曲を書いていると率直に感じた、と同時に名盤『Blackwater Park』を彷彿とさせる幽玄な空間形成は全盛期のオペットゥそのもの...と言ってみても完全に別物だし今さら無意味かもしれないけど、あの頃のオペットゥを幾度となく連想させるギターのリフがフレーズが、ユラユラとユラめく鍵番のメロディが、マーティン・ロペスのヤンデレドラミングが、そしてAya-StyleもといOpe-Style然としたドラマティックな展開が、それらに加えてストリングスなどの新要素も積極的に取り込んできているのは確かで、だから【獰猛に炎を吹き出すかのような~】【初期オーペスを想起させる~】とかいう謳い文句もあながち間違っちゃあいないわけです。要するに→所詮”オペットゥ回帰路線”というのはキモチの問題で、あくまでも前作の『ヘリテイジ』を基礎に、過去作のリフやメロディを今のオペットゥで再解釈し、ドヤ顔でオマージュしてみせる一種の余裕というか、実にミカエルらしいユニークな感性ここに極まれりって感じだし、それこそ6部で世界を一巡させた荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』のように、世界が一巡して過去(70s)からリスタートしたパラレル世界のオペットゥを僕たちは目撃しているんじゃあないか?って。あのホモもといCynic『Kindly Bent to Free Us』で21世紀のプログレをクラシックな視点から総括していたが、そのホモと決定的に違うのは→「ポール・マスヴィダルは21位世紀のプログレを総括したが、ミカエルは自身の過去を精算し、そして総括した」ところだ。つまり、これはOpetであってOpethではない、いやOpethであってOpetではない、そんな”一巡説”を考察として織り込みながら本作を聴けば、より一層楽しく面白く聴けるに違いない。これはもはや-君はどれだけオペットゥを理解しているか?君はどれだけプログレを理解しているか?-これはオペットゥからオペサーへの挑戦状です。だから今さらメタルだメタルじゃないなんて言ってる輩には回答権すら与えられていないんです。

・・・しっかし、ミカエルって本当にドSだよなぁって、絶対に”攻め”だよなぁって。ここで、あらためて宣言しよう!今年のトレンドは”ホモ”だ!この『Pale Communion』を今年のBESTに挙げる奴らはホモだ!俺もホモだ!お前ら全員ホモダチだ!

(PS. ミカエルへ、訴えないでください)

ペイル・コミュニオン
オーペス
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Cynic 『Kindly Bent to Free Us』 レビュー

Artist Cynic
Cynic

Album 『Kindly Bent to Free Us』
Kindly Bent to Free Us

Tracklist
01. True Hallucination Speak
02. The Lion's Roar
03. Kindly Bent To Free Us
04. Infinite Shapes
05. Moon Heart Sun Head
06. Gitanjali
07. Holy Fallout
08. Endlessly Bountiful

【レジェンド】・・・2011年にリリースされた前作のEPCarbon-Based Anatomyといえば→伝説の1stアルバム『Focus』から15年ぶりに目覚めた奇跡の復活作『Traced In Air』のファンタジックかつオリエンタルな方向性を更に深く掘り下げたような作風で、サウンド的にも持ち前のボコーダーを駆使したスペーシーかつドリーミーな神秘性や理系くさいメタリックでテクニカルなヲタメタル色は希薄となり、比較的オーガニックな音作りとポストロッキンなアプローチを強めると同時に、より多彩な民族音楽を用いたウッホウッホホなオルタナへと深化した、言うなればポストプログレッシブ的なスタイル、言うなれば『未知なる部族との遭遇』だった。悪く言えば日和ってエモくなった。で、2ndの『Traced In Air』『もののけ姫』のシシ神様をモチーフにした作品だとするならば、このEP『Carbon-Based Anatomy』は同作のタタリ神をモチーフにしたような作品だった。そんな、(今では珍しくも何ともないが)ジャズ/フュージョンとデスメタルをクロスオーバーさせたバンドの先駆けであり、今流行りのDjent界隈に多大なる影響を及ぼしたUSのレジェンドことCynic。フルアルバムとしては約6年ぶりとなる待望の3rd『Kindly Bent to Free Us』は、エンジニアにロブ・ゾンビの作品で知られるJason Donaghyを迎えてレコーディングされている。

【オーガ(シ)ニック】・・・まず、オープニングを飾る#1”True Hallucination Speak”のまるでPorcupine Tree『Fear Of A Blank Planet』ライクなイントロから、この手の好き者ならばニヤリとしてしまうだろう。近年Mastodonライクなジュクジュクしたキザミリフ主体の”オーガニック”なクラシック・ロックに→「ポール・マスヴィダルの新プロジェクトかな?」と面食らい、中盤からジョン・ペトルーシ顔負けのスリリングな速弾きGソロからのツーバスドコドコを使った緩急を織り交ぜながら、実にシニックらしいアート性をもってプログレスに展開していく。もはや、この一曲だけでUKプログレおよびUSプログレを掌握するかのような一曲だ。それぐらい、恐ろしいほどの音の密度を感じる。その流れから、近年Baronessを彷彿とさせるストーナー風の”オーガニック”なリフ回しで始まる#2”The Lion's Roar”は、UKのIt BitesやスウェーデンのA.C.Tらのシンフォ/プログレハードを連想させるコーラスとポップなボーカルが織りなす爽やかなハーモニーとA Kamikaze seedとかいう謎の歌詞がポイントで、これにはA.C.Tも「えっ、僕たちクソ久しぶりに新譜リリースしたんですがそれは・・・」と訴訟不可避。で、ここまでの”オーガニック”な序盤の流れを聴けば分かるように、少なくとも今作は2ndの『Traced In Air』ではなく、前作のEP『Carbon-Based Anatomy』のオルタナ路線を素直に踏襲した作風だと理解できる。当然、2ndみたいなアンビエンスがかった音響ライクな音作りではなくて、とにかくリフからソロからプロダクションまで”オーガニック”を意識したクラシックな音作りで、まるでネフェルピトーの”脳みそクチュクチュ”、もしくは花京院のハイエロファントグリーンが脳幹に侵入して結界を張り巡らせていくような刺激的なキザミリフを主体に、本来のシニックらしいテクニカルなプログ・メタルではなく、いわゆる”クラシック”な”プログレッシブ・ロック”というものを現代風の解釈で描き出している。まさかあのシニックが”あのキザミ”リフを取り入れてくるなんて想像してなかったし、Gソロに関しても大きな特徴だったフュージョン色は皆無で、もはやDTジョン・ペトルーシばりにピロピロ弾きまくってて笑う。

【俺がプログレだ】・・・そして表題曲の#3”Kindly Bent To Free Us”のイントロからテクニカルな低音キザミリフまで、シニックの一番弟子に当たるScale the SummitThe Collectiveライクな小回りの効いたリフ回しを耳にした時は→「まぁ、弟子だから多少はね?」とか思いながら、ここに来てようやく本来のシニックらしいジャジーで幻想的なムードを高めていく。が、ここでも寂寥感を煽るタイトなベースの音使いに、二番弟子であるIntronautを想起させる。で、まるでOpeth『Damnation』ライクな哀愁よろしゅうイントロで始まる#4”Infinite Shapes”は、ポールのサイドバンドÆon Spokeっぽくオルタナ風に仄暗い空間を演出しつつ、トドメにThe Rasmusライクなエモい転調から闇夜に響き渡る狼の鳴き声の如し泣きのGソロまで、トコトンOpethリスペクトな曲。で、ドイツのThe Oceanを筆頭としたポスト界隈からの影響が伺える#5”Moon Heart Sun Head”、遂には兄弟分のExiviousライクな#6”Gitanjali”まで、序盤の”オーガニック”な始まりとは一転して、中盤はシニック自身やポールのサイドプロジェクトを含む現代的なプログレ/オルタナからの影響が顕著に表れた楽曲が続いていく。で、終盤の流れは→いわゆるATMS界の初代王者たる所以を見せつける#7”Holy Fallout”、そして本編ラストを飾るのは#8の”Endlessly Bountiful”で、あのレジェンドがまるでクリスマス・ソングみたいな、ここまであざといぐらいのエモい曲を書くなんて・・・僕はもう何も信じられなくなった。

ピッチフォークとニューヨークタイムズからの寄稿

【プログレッシブ・デス・ピッチ】・・・正直、今作がPitchforkでフルストリーミング配信された時から嫌な予感はしてた。まずリフがクソつまらないです。もう一回言うけど、リフがクソつまらないです。とにかく既聴感しかない。でもリフはパクリだらけだけど、異常に高い曲の構成力に無意識のうちに惹き込まれ、ふと気づいたらその世界に入り込んでいる辺りは、さすがレジェンドらしいシニックの【ATMS】に対する意識の高さゆえだと。これがレジェンドの作品じゃなければ、手放しでプログレマニアに高く評価されたんだろうけど、現にシニックの約6年ぶりのフルアルバムとして考えると、正直物足りなさが否めない。このアルバムで唯一評価できる所を挙げるとすれば→それは「えぇ!?レジェンドがそれやっちゃう!?」という”意外性”だけです。つうか、ある意味”禁じ手”やっちゃってるわけだから、これ以上はもう解散しかなくね?って、そんな一抹の不安を感じてしまった。なんつーか、ピッチみたいなニワカ御用達メディアを口説くには、最近のマストドンみたいなクラシックな音を出しときゃいいんでしょとメタル界隈が学んでしまった感。あらためて、やはり現代アメリカン・ヘヴィメタルの雄であり現代プログレの中心に位置するマストドンの存在は無視できないものがあったんだろう。

ポール・マスヴィダルの脳ミソ

【Post-Progressiveへの憧憬】・・・少し話は戻るが、今作のような”オーガニック”もしくは”クラシック”な変化というと→Opeth『Heritage』を想像してもらうと分かりやすいかもしれない。なんつーか、昨年のRiversideKATATONIAも、ある意味でAlcestもそうなんだけど、ここ最近のメタル界隈、特にベテラン勢の作品には大きな”変化”が巻き起こっている。2ndから約6年間、ポールの意識の中にOpethHeritageMastodonの名盤Crack The Skyeや迷盤The Hunterの存在があったなんて事は知る由もないけど、少なくとも今作はクラシック・ロックに対する敬意とPost-Progressiveに対する憧憬が入り混じった、【Porcupine Tree?SW Teacher?Kayo Dot?Frost?Opeth?DT?A.C.T?Baroness?It Bites?Mastodon?Scale the Summit?Intronaut...?】それら21世紀以降の近代的な”プログレ”と称される全てを網羅した、つまり『勝手に21世紀のプログレ総括しちゃいましたテヘペロ』的な一枚。もはやKscopeに所属する全バンドが「マジかよシニック最低だな」もしくは「汚いなさすがシニックきたない」と阿鼻叫喚する様子が思い浮かぶほど(今作がポストプログレ界隈に与える影響って実は少ないと思うけどね)。そういった意味では→あのピッチフォークが「21世紀におけるアート・ロックの新しいカタチ」と言うのも至極納得できるし、UKのプログレメディアが年間BESTに挙って持ち上げそうな予感はする。しかし、近年のプログレ界隈が徐々に脱ヲタ化もといハードロック化していく流れ・・・正直嫌い。いかんせん、この悪い流れがOpethMASTODONの新作へと繋がっていきそうなのがまた何とも...。

【プログレセンター試験】・・・もはや、これはレジェンドCynicではない、至ってシンプルな”プログレ”なんだ。いい意味でも悪い意味でも”ただのプログレ”、それ以上でもそれ以下でもない。プログレ好きによるプログレ好きのためのプログレだ。どこか新しくもありどこか懐かしくもあるプログレ浪漫飛行、もしくは現代プログレ大全集だ。これは世界中のプログレヲタクが試されているのかもしれない。自分がどれだけ”プログレ通”なのかを測る、言うなれば【プログレセンター試験】だ。聴き手側のプログレに対する意識の高さが問われると同時に、今のレジェンドに対して”らしさ”を求めるか”プログレ”を求めるかによって、どのような嗜好でどのような立ち位置から聴くかによって評価が大きく変わってくる作品だ。この試験の問題を解いてる時は、それこそプログレヲタクの脳みそを断面図にしたようなグロいアートワークのように、脳幹が働きまくって脳汁が溢れ出す勢いだった。自分で言うのもなんだけど、個人的にはB判定くらいは取れたんじゃあないかと。でも、唯一Toolに関する応用問題だけは解けなかったから勉強し直しかな? 何回も言うけど、今作はピッチをも巻き込んだプログレセンター試験です。今作を高く評価する奴はプログレガチ勢であると同時にニワカである証明だという...ね。しかしながら、このレジェンドに対して正しい評価を下せる俺ってやっぱカッケーわ。僕は、今作を無理くり褒め称えるようなニワカプログレヲタだけには絶対なりたくないんだ。もはや「ニワカプログレッシャーよ、俺の感性を超えてみろ」って感じだ。兎にも角にも、まるでハンターのパリストンばりに有能なポールの大胆な発想と器用さに驚きと賞賛を。

【ヒニック】・・・それこそ映画『もののけ姫』のラストでシシ神様が死を迎えたように、これにてレジェンドが築き上げてきた孤高の創造神話は無残にも崩れ落ちてしまった。当然ながら、2010年にグロウル担当のTymon Kruidenierが脱退しているため、初期のデスメタルらしき要素は微塵も存在しない。そして、ただただ驚いた。伝説の1st、15年の眠りから覚めシシ神化した2ndと革命的なスタイルでシーンに多大な影響を与えてきたレジェンドが、今度は逆に影響を与えた弟子から影響を受けていることに対して。例えるなら→銀河の果ての存在であるシシ神様が土臭い地上へと降り立ち、平民と同じ目線で日々の暮らしを体験してみた、みたいな。なんて皮肉なことなのだろう。これぞまさにヒニックだな!

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Inter Arma 『Sky Burial』 レビュー

Artist Inter Arma
Inter Arma

Album 『Sky Burial』
Sky Burial

Track List
01. The Survival Fires
02. The Long Road Home (Iron Gate)
03. The Long Road Home
04. Destroyer
05. 'sblood
06. Westward
07. Love Absolute
08. Sky Burial

2006年にUSはバージニア州リッチモンドで結成された五人組、その名もInter Arma、かのRelapseからリリースされた2ndフル『Sky Burial』が、例えるならスラッジ化したPallbearerのような、70sプログレ/サイケ/ブラック/ポストロックがクロスオーヴァーした暗黒スラッジやってる件について。

 とりあえず、オープニングを飾る大作の”The Survival Fires”から、彼らInter Armaの全てを物語るかのような曲で、再生した瞬間からドス黒いスラッジーな轟音リフとブラック成分配合のキチガイじみた咆哮を乗せたブラストが、ただならぬ妖気および邪気を発しながら混沌としたカオス状態の中でエクストリーム合体し、中盤にはEarth風のポストロッキンな静寂パートすなわち緩急を織り交ぜながら、騒然たる無秩序な暗黒絵巻を描き出し、そして最後はポストメタル然とした重厚感のあるリフが全てをなぎ倒す、なんとも壮絶的な展開・・・これには「インテルアルマ入ってる!」としか言いようがなかった。その自己紹介という名の嵐が過ぎ去りし後の静けさの如し小洒落たアコギインストの#2”The Long Road Home (Iron Gate)”から、まるでKing CrimsonPink Floydを連想させる70sプログレ風のレトロなイントロで幕を開ける#3The Long Road Homeまでの組曲はハイライトで、もはや北風小僧の寒太郎ミュージックもしくはクリント・イーストウッド・ミュージックとでも呼んじゃいたいくらいの、まるで映画『荒野の七人』を音像化したような、荒涼感に溢れたダーティでシブいサザンロックを繰り広げている。特に、中盤の情緒的かつ叙情的な泣きのGソロから、突如「ビイヤアアアアアアアアアアア!!」とかいうクッソ可愛い奇声とともに、Deathspell Omegaばりにブラックメタル化する後半の展開は超絶epicッ!! そしてシングルカットされた#5は【初期マストドン×ブラックメタル】な感じのゴッリゴリなスラッジで、サイケデリックなアプローチを効かせながらニューロシス直系の暗黒ポストメタルリフが轟音の渦に引きずり込む#6、再び静けさと共に寂寥感を漂わせる幽玄なアコギインストの#7、そして”あのキザミ”を擁するプログ・メタル然とした多彩なリフ回しや破天荒な展開、実に大作らしいスケール感を発揮するタイトルトラックのSky Burialまで、全8曲トータル約68分。もはや当然のように【大作志向】が強く、終始ファッキンヘヴィ(くそ重い)リフに圧縮されそうな勢いの中で、ダーティなアコギを使った#2や#7の存在が、このクソ重い作品に絶妙なアクセントを加えている。

 そんなInter Armaをわかりやすく例えるなら→”ブラック””スラッジ”のいいとこ取り、言わば間の子的なブラッケンド・スラッジで、それこそピッチフォーク厨がドヤ顔で高得点を与えちゃいそうな、その手のアンダーグラウンドなスカしたヘヴィ・ミュージックが好きならドツボにハマること必須、少なくとも今年のスラッジ系ではマストな一枚。けどプログレ耳的には、やっぱキンクリっぽい#3MastodonもしくはAnciientsを連想させる#8が美味しかったりする。
 
Sky Burial
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Altar of Plagues 『Teethed Glory and Injury』 レビュー

Artist Altar of Plagues
Altar of Plagues
Mix/Mastering/Recording Jaime Gomez Arellano
Jaime Gomez Arellano

Album 『Teethed Glory and Injury』
Teethed Glory and Injury

Track List
01. Mills
03. A Body Shrouded
04. Burnt Year
05. A Remedy And A Fever
06. Twelve Was Ruin
07. Scald Scar Of Water
08. Found, Oval And Final
09. Reflection Pulse Remains

    『NEXT-AoP』=『アンチクライスト』

かのProfound Loreに所属するアイルランドはコーク出身の三人トリオ、Altar of Plaguesの前作Mammalからは約二年ぶりとなる3rdフル『Teethed Glory and Injury』なんだけど、本作のミックス/マスタリングおよびレコーディングにはCathedralUlver界隈で知られる、UKはロンドンを拠点とする敏腕エンジニアJaime Gomez Arellanoを迎えて製作された結果→”ポストブラック”というジャンルの新たなる【NEXT-セカイ】を切り拓くことに成功している。ちなみに、Profound Lore盤は#5と#6の曲順が表記ミスしてる。うっかり凡ミスしちゃうProfound LoreさんカワイイよProfound Loreさん。

       【ファッションブラック】

 ということで、まるでDIR EN GREY”Sa Bir”を彷彿とさせる、ただならぬ世にも末恐ろしい【漆黒の狂気】を醸し出すノイズ/ダークアンビエント風インストの#1”Mills”に次ぐ#2God Aloneを耳にした瞬間→「あっ、これアカンやつや」と察するぐらい、もはやなんと表現したらよいのか...とにかく「これもうわけわかんねぇな」としか言いようがないほどヤビャい...ナニかヤビャい。皇帝Isis直系の密教系ポストメタルリスペクトなキリキリジリジリとしたモダンな音像から解き放たれる無機質で奇々怪々な変則的キザミリフと粗暴なブラストそしてジェジェジェ...WRYYYYYYッ!!系の奇声がプログレッシブッ!!&スタイリッシュ!!に交錯する、まさに【NEXT-AoP】の姿形がコンパクトにギュッと凝縮された名曲で、この一曲だけで従来の【大作志向】からの脱却に成功したと言える。確かに、デビュー作の『White Tomb』や2ndMammalの時点でスデに”漆黒”と”狂気”が支配する孤高の精神世界を確立してはいたけども、本作ではその世界観をより【インテリ】風に、より【ポストモダン】風に、より【ラース・フォン・トリアー映画】風に深く哲学的に掘り下げた結果→これまでのAgallochさんスキーな比較的スタンダードなポストブラックとは一線を画した、まるで『暗黒舞踏』を音楽的な解釈で表現してみたテヘペロ的な、そして過去最高の【experimentalism】をさらけ出した結果、一皮も二皮も”化け”たカルト新興宗教団体【AoP教(祖)】の創始とその信者たちが”ある(洗脳)儀式”を行うための巨大宗教施設『黒い家』を築き上げている。めっちゃテキトーな例えだけど、『ウロボロス』期のDIR EN GREYが”ポストブラック化”したらこんな感じになりそう。とにかく、それぐらいキチガイじみてるわけ。で、このモード誌顔負けに”オサレ”な、『ももクロ』の百田夏菜子も『プラトーン』のチャーリー・シーンも『ジョジョ』のディオも驚愕のエビ反りジャケットからしても、これはもはや”アート”のセカイであり...そう、”芸術”は爆発だッ!! もうなんかAlcestdeafheavenがやってることは全てキッズによる”オママゴト”すなわち”ヒップスター”だと蔑むかのような、これが正真正銘本物の”ポストブラック”だと、「ククク...Alcestやdeafheavenは【ポストブラック四天王】の中でも最弱、我こそがヒップスター・ミュージック界の【真の帝王】や」と言わんばかりの【最もドス黒い悪】に限りなく近いナニかを感じる。これにはあまりにもガチ過ぎてドン引くレベル。もはや完全に【ファッションサブカル】ならぬ【ファッションブラック】だわコレ。なんかもう【今最も『あまちゃん』のヒロイン能年玲奈ちゃんに聴いていてほしい(願望)ブラックメタルッ!という風なキャッチセールスでコレを売り出したい、そんな気分だ。てかいつからだろう、ポストブラックとかいうジャンルが「自分、ポストブラック聴いてるんで(キリッ)」と言われるまでの、そんな能年玲奈ちゃん向けの、もといインテリ向けのジャンルになったのって(えっ、なってないって?)。で、ここまでの結論として、そらビッチフォークも擦り寄ってくるわな(納得)、というお話。

          【オサレ対決】

 全9曲トータル約48分、特に#1~#3までのインパクトからの~#5と#6の流れは超絶オサレだし今作のハイライト。なんつーか、全体的にポストブラックというよりはモダンスラッジ/ポストメタル流オルタナティブ・モダンヘヴィネス&グルーヴィな極上の音中心+【ambient/Noise/Electronic/experimental/Alterna-Tool】成分を高めた感。個人的には、”ビチビチ”じゃあなくてしっかりと”固形状”になったリフで重く、そして何よりも黄金長方形』を描くように”あのキザミ”ってくれてるのが一番に嬉しかった(特に#2や#5な)。つうか、まさかAoPから”あのキザミ”らしきナニかが拝めるとは全く想像もしてなかった、だからこその【最高傑作認定】=【BEST確定】というか、まぁ、つまりはそういう事ですw あと完全に”音”で聴かせる言わばdjentタイプの音楽になってるから(#2とかHD25で聴いてみ、イケるで)、今回はその”音”だけでも最高にンキモティィイッ!!し、極端な話だけど、もはや”おれかん!”的にはポストブラック好きよりもまずdjent好きの人に聴いてもらいたい、そんなジェントリーな一枚。コイツらマジで【ポストブラック界のメシュガー】やと思うよ(ドヤァ)・・・とまぁ、ワーワー言うとりますけども、あまりにもスゴすぎて反射的に体がエクストリームエビ反りからのエクストリーム土下座するぐらいカッケーです。やっぱ今年は”Post-系”がキテると確信。さーて、来月に控えたデフヘヴンの新作ジャケとAoPのエビ反りジャケによる【オサレ対決】の勝者はどっちッ!?・・・僕?僕は能年玲奈ちゃん!!

そしてこの「伸身の新月面が描く放物線は、漆黒への架け橋だ!」とでも実況したくなるぐらいの【謎の感動】と【謎のカタルシス】が得られるラストな。


俺の界隈の再構築...フェーズⅤ...完了

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Kongh 『Sole Creation』 レビュー

Artist Kongh
Kongh

Album 『Sole Creation』
『Sole Creation』

Track List
1. Sole Creation
2. Tamed Brute
3. The Portals
4. Skymning

北欧スウェーデンはヨンショーピング県ネッシェー出身の三人組、Konghの約四年ぶり通算三作目『Sole Creation』なんだけど、本作のミックス/マスタリングを同郷の頭脳派集団Cult of Lunaで知られるMagnus Lindberg君が手がけたと知って初めて聴いてみたらビックリ、かなりハイセンスなゴリラドゥーム/スラッジをやってた件。まずはタイトルトラックの#1”Sole Creation”からして凄い。ブラックサバスの影響を露骨に伺わせるグルーヴィなドゥームリフとジュクジュクジュクと細かく刻み込む”あのキザミ”リフが、プログレッシブかつサイケデリックな感度と緩急をもって圧倒的な展開力を見せつける、まさにキングコングばりの筋肉モリモリ低音モリモリなサウンドなんだけども、このバンド...とにかく”リフ”のセンスがハンパない。今回、CoLのマグナス・リンドバーグ君による音作りも相まってか、全てを薙ぎ倒すかのような”ドゥーム”リフと”あのキザミ”リフの組み合わせがここまでの相性を見せるなんて...なんか素直に感動した。ひたすら重厚なリフでゴリ押すサイケ・ドゥームな#2”Tamed Brute”と#3”The Portals”、そして40 Watt Sunっぽいフューネラル系でイントロからEarthばりの神秘的な異空間へトリップさせる#4”Skymning”まで、一曲が約10分程度で全4曲トータル約45分。自分はマグナス君繋がりという軽いキモチで聴いたつもりだったが、それが思いの外気に入った。というわけなんで、ゴリラドゥーム好きなら聴いて損はないと思う。過去作はBandcampで聴けます。

Sole Creation
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