Artist Whirr
Album 『Sway』
Tracklist
01. Press
02. Mumble
03. Dry
04. Clear
05. Heavy
06. Sway
07. Lines
08. Feel
Deafheaven VS, ex-Deafheaven ・・・昨年、メタルシーンを最も賑わせたアルバムといえばDEAFHEAVENの『サンベイザー』だ。最近では、その現DEAFHEAVENとex-DEAFHEAVENの派閥争いが激化し始めていて、大手音楽メディアピッチフォークをパトロンとする現デフヘヴンに対抗する組織、言うなれば”アンチピッチフォーク界のアイドル”ならぬex-DEAFHEAVEN側の首謀者であるニック・バセットくんが今年新たにNothingとDeath Of Loversなる新バンドを立ち上げたが、そんな彼が以前より在籍していたシューゲイザーバンド、Whirrの約二年ぶりとなる2ndフル『Sway』がリリースされた。
原点回帰 ・・・このWhirrといえば→2010年作のEP『桃尻女とシューゲイザー』がマイブラ直系の甘~いシューゲイズ・サウンドに胸キュン不可避な傑作で華々しいデビューを飾り、誰しもが将来を期待するバンドに思えた。がしかし、その後は紅一点の女性VoのByanca Munozたそを皮切りに、遂には後任ボーカルのKristina Esfandiariまでも脱退し、その作風もよく分からない方向に迷走し始め、デビュー当時のバンドの勢いは作品を追う毎に右肩下がりに、巷じゃ「デビューEPで終ったバンド」...そんな悪評が広まっていた。そんな彼らが放つ2ndフル『Sway』は、あの迷走していた時期とは一体なんだったのか?ってくらい、AlcestやLantlosあるいはHammockを連想させるドリーム・ポップ系の儚いメロディをフューチャーした轟音ヘヴィロックやってて、このデフヘヴンからシューゲ部分をザックリと抜き出したような、シューゲイザー・リバイバル感あふれる萌え萌え胸キュンサウンドこそWhirrの真骨頂であり、ここ最近のアルバムでは最も『桃尻女とシューゲイザー』に近い作風、つまり”原点回帰”と呼べる一作となっている。ひとえに”原点回帰”と言っても厳密には違うくて、ニックの影に隠れたWhirrの実質最高権力者ことLoren Riveraがメインボーカルを張っている所やオルタナティブなアプローチを強めている所からも、どちらかと言えばNothingや盟友Anneに引っ張られる形となっている。ドラムをはじめ全体的に音がメタリックで、そういった意味でもNothingの影響というか、近年のニックの嗜好が顕著に出た作風と言える。それはさしずめ女子禁制の『鮫肌男とシューゲイザー』といった所か。
???「ファッ◯ン ピッチ!」 ・・・ローレンというヤンデレ系男子の憂鬱な歌と焦燥感を煽るメロディを乗せてパンキッシュに疾走する#1”Press”は、1stEPの”Meaningless”や1stフルから”Junebouvier”の流れにあるハードコアな曲で、それこそ”原点回帰”を宣言するに相応しいオープニングナンバーと言える。続く#2”Mumble”では、音響意識の高いドリーミーなメロディとノイジーなギター、そして胸キュン不可避なボーカル・ハーモニーを聴けば名盤『桃尻女とシューゲイザー』の再来を予感させる。そして、その予感は#3”Dry”で確信へと変わる。この曲は、Alcestの2ndを彷彿とさせる幻夢的なメロディとポストメタリックな轟音ヘヴィネスが美しくも激しく交錯していく。深いリヴァーヴを効かせた幻想的なメロディと身が竦むほどノイジーな轟音が雪崩のように押し寄せる#4”Clear”、まるで鮫肌のようなギター・ノイズと甘味なボーカル・ハーモニーが織りなす、エベレストの山頂で恋の遭難信号を発しながら息絶えるような胸キュンボンバーの#5”Heavy”、Hammockばりのアンビエンス音響空間を形成しつつローテンポで進む表題曲の#6”Sway”、それ以降も最後までメロディ重視の作風といった印象で、その量は過去最高と言っていい。確かに、Nothingほどのインパクトはないかもしれないが、少なくともちょっとオサレなノイズ・ポップと化した1stフルやポストロック化した2ndEPよりは、彼らの原点である『桃尻女とシューゲイザー』を感じる事のできる、それと対になる王道的なシューゲイズ作品で、個人的にも『桃尻』の次に好きなアルバムとなった。そして、ようやく長い迷走期間から抜け出す事ができたんだってね。
デフヘヴン包囲網 ・・・この”大シューゲイザーの時代”の草分け的な存在であるWhirrが”原点回帰”したことにより、俄然デッへ界隈の権力争いが面白くなってきた所で→現Deafheavenのメンバーによる新バンドCreepersがデビュー、からのByanca Munozたそ率いるNight Schoolが電撃参戦!というシナリオ。正直、デッへ界隈だけでここまで楽しめるのは全てニックのお陰というか・・・ハッ!まさかニックはこの未来を描くためにデッへから脱退した可能性が・・・ッ!? な...なんてエモーショナルな人なんだ・・・。
Album 『Sway』
Tracklist
01. Press
02. Mumble
03. Dry
04. Clear
05. Heavy
06. Sway
07. Lines
08. Feel
Deafheaven VS, ex-Deafheaven ・・・昨年、メタルシーンを最も賑わせたアルバムといえばDEAFHEAVENの『サンベイザー』だ。最近では、その現DEAFHEAVENとex-DEAFHEAVENの派閥争いが激化し始めていて、大手音楽メディアピッチフォークをパトロンとする現デフヘヴンに対抗する組織、言うなれば”アンチピッチフォーク界のアイドル”ならぬex-DEAFHEAVEN側の首謀者であるニック・バセットくんが今年新たにNothingとDeath Of Loversなる新バンドを立ち上げたが、そんな彼が以前より在籍していたシューゲイザーバンド、Whirrの約二年ぶりとなる2ndフル『Sway』がリリースされた。
原点回帰 ・・・このWhirrといえば→2010年作のEP『桃尻女とシューゲイザー』がマイブラ直系の甘~いシューゲイズ・サウンドに胸キュン不可避な傑作で華々しいデビューを飾り、誰しもが将来を期待するバンドに思えた。がしかし、その後は紅一点の女性VoのByanca Munozたそを皮切りに、遂には後任ボーカルのKristina Esfandiariまでも脱退し、その作風もよく分からない方向に迷走し始め、デビュー当時のバンドの勢いは作品を追う毎に右肩下がりに、巷じゃ「デビューEPで終ったバンド」...そんな悪評が広まっていた。そんな彼らが放つ2ndフル『Sway』は、あの迷走していた時期とは一体なんだったのか?ってくらい、AlcestやLantlosあるいはHammockを連想させるドリーム・ポップ系の儚いメロディをフューチャーした轟音ヘヴィロックやってて、このデフヘヴンからシューゲ部分をザックリと抜き出したような、シューゲイザー・リバイバル感あふれる萌え萌え胸キュンサウンドこそWhirrの真骨頂であり、ここ最近のアルバムでは最も『桃尻女とシューゲイザー』に近い作風、つまり”原点回帰”と呼べる一作となっている。ひとえに”原点回帰”と言っても厳密には違うくて、ニックの影に隠れたWhirrの実質最高権力者ことLoren Riveraがメインボーカルを張っている所やオルタナティブなアプローチを強めている所からも、どちらかと言えばNothingや盟友Anneに引っ張られる形となっている。ドラムをはじめ全体的に音がメタリックで、そういった意味でもNothingの影響というか、近年のニックの嗜好が顕著に出た作風と言える。それはさしずめ女子禁制の『鮫肌男とシューゲイザー』といった所か。
???「ファッ◯ン ピッチ!」 ・・・ローレンというヤンデレ系男子の憂鬱な歌と焦燥感を煽るメロディを乗せてパンキッシュに疾走する#1”Press”は、1stEPの”Meaningless”や1stフルから”Junebouvier”の流れにあるハードコアな曲で、それこそ”原点回帰”を宣言するに相応しいオープニングナンバーと言える。続く#2”Mumble”では、音響意識の高いドリーミーなメロディとノイジーなギター、そして胸キュン不可避なボーカル・ハーモニーを聴けば名盤『桃尻女とシューゲイザー』の再来を予感させる。そして、その予感は#3”Dry”で確信へと変わる。この曲は、Alcestの2ndを彷彿とさせる幻夢的なメロディとポストメタリックな轟音ヘヴィネスが美しくも激しく交錯していく。深いリヴァーヴを効かせた幻想的なメロディと身が竦むほどノイジーな轟音が雪崩のように押し寄せる#4”Clear”、まるで鮫肌のようなギター・ノイズと甘味なボーカル・ハーモニーが織りなす、エベレストの山頂で恋の遭難信号を発しながら息絶えるような胸キュンボンバーの#5”Heavy”、Hammockばりのアンビエンス音響空間を形成しつつローテンポで進む表題曲の#6”Sway”、それ以降も最後までメロディ重視の作風といった印象で、その量は過去最高と言っていい。確かに、Nothingほどのインパクトはないかもしれないが、少なくともちょっとオサレなノイズ・ポップと化した1stフルやポストロック化した2ndEPよりは、彼らの原点である『桃尻女とシューゲイザー』を感じる事のできる、それと対になる王道的なシューゲイズ作品で、個人的にも『桃尻』の次に好きなアルバムとなった。そして、ようやく長い迷走期間から抜け出す事ができたんだってね。
デフヘヴン包囲網 ・・・この”大シューゲイザーの時代”の草分け的な存在であるWhirrが”原点回帰”したことにより、俄然デッへ界隈の権力争いが面白くなってきた所で→現Deafheavenのメンバーによる新バンドCreepersがデビュー、からのByanca Munozたそ率いるNight Schoolが電撃参戦!というシナリオ。正直、デッへ界隈だけでここまで楽しめるのは全てニックのお陰というか・・・ハッ!まさかニックはこの未来を描くためにデッへから脱退した可能性が・・・ッ!? な...なんてエモーショナルな人なんだ・・・。