Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

赤い公園

赤い公園 『純情ランドセル』

Artist 赤い公園
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Album 『純情ランドセル』
20160223-akaikoen02

Tracklist

01. ボール
02. 東京
03. Canvas
04. 西東京
05. ショートホープ
06. デイドリーム
07. あなたのあのこ、いけないわたし
08. 喧嘩
09. 14
10. ハンバーグ!
11. ナルコレプシー
12. KOIKI
14. おやすみ

aaaa

最近は、いわゆる「超えちゃいけないラインを超えちゃったゲスの極みZ女男子」『一本』で満足しちゃった事で世間を賑わせているが、この音楽業界でも「超えちゃいけないラインを超えちゃった系ゲスの極み乙女」が話題を呼んでいる。ガールズ・ロックバンドの赤い公園が2014年に発表した2ndアルバム『猛烈リトミック』は、その「超えちゃいけないライン」の線上に立った傑作で、つまり「アンダーグラウンド(クソ)」「メジャー(ポップ)」「境界線」、すなわちボーダーラインの上を津野米咲が命がけで綱渡りするかのようなアルバムだった。

前は『闇
一色だったが、今は『光
が優勢だ

その境界線という言葉に関して最近考え事をしていて、それというのは→荒木飛呂彦の漫画ジョジョ8部ジョジョリオン』でも、主人公の東方定助『誰か』『誰か』が融合した、言うなれば「ハーフ」という人物設定がなされていて、その定助の身体の中心には『ナニか』『ナニか』を繋ぎとめる「つなぎ目(境界線)」がある。話は変わるが→俺たちのマシュー・マコノヒー主演の『トゥルー・ディテクティブ』という海外ドラマは、一見硬派な刑事モノと見せかけた、人間の『善(人)』『悪(人)』の境界線(ボーダーライン)を問う複雑かつ濃厚な人間描写に惹き込まれるサスペンスドラマの傑作だ。おいら、このドラマを見て東方定助の身体の中心に刻まれた「つなぎ目」が意図する本当の意味って、一方で『誰か』『誰か』が混ざり合ったという一般的な意味合いの他に、一方で『光』すなわち黄金の精神』『闇』すなわち『漆黒の意志』の境界線(ボーダーライン)でもあるんじゃあないか、という解釈が生まれた。この『TRUE DETECTIVE』、タイトルを直訳すると『本当の刑事』なんだが、改めてこのドラマは刑事という本来は『善意』の象徴とされる存在、その心にもドス黒い『闇』すなわち『漆黒の意志』が潜んでいる事を、シリーズ(1,2)を通して登場人物のキャラクター像が重厚な物語の根幹として至極丁寧に描き出されている。当然、日本一のジョジョヲタである僕からすれば、飛呂彦も観ている海外ドラマだと断言できる作品で、特にマシュー・マコノヒーウディ・ハレルソンをバディに迎えたシーズン1は、『過去』に起こった事件の『謎』と月日が経過した『現在』の供述を緻密に交錯させた演出をはじめ、マコノヒーとハレルソンの少し歪で奇妙なバディコンビという点からも、より現在進行形で展開する『ジョジョリオン』空条仗世文吉良吉影の少し歪で奇妙な相棒関係を描き出す『過去』を演出として盛り込んだ、それこそミステリー/サスペンス然とした複雑怪奇なストーリーからも、むしろ逆に飛呂彦がこのドラマを観ていないと考える事の方が難しい。しかし、『ジョジョリオン』『トゥルー・ディテクティブ』の影響がある...とは流石に断言こそできないが、要するに先ほどの「アンダーグラウンド」「メジャー」境界線は一体どこにあるのか?刑事(人間)の『光』『闇』、東方定助の『善』『悪』境界線は一体どこにあるのか?に注目して、あるいは考察しながら音楽/漫画/ドラマ/映画をはじめとしたクリエイティブな創作物に触れると、よりその作品の世界観に入り込むことが出来るのではないか、ということ。

境界線

そもそも『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズというのは、『人間』を超越しちゃった吸血鬼とか、一般的に『悪』の象徴とされるギャングがマフィアのボスという『悪』にトラウマを植え付けたり、ヤンキーという反社会的なイメージを持つ人間が街のリーマンと言う名の『悪』を倒したり、歩けないクズが某トランプ大統領候補にソックリな奴を倒したりする漫画で、一貫して『トゥルー・ディテクティブ』と同じように、人間の「境界線」を問いかけるようなキャラクター像を描き出している。もはや『トゥルー・ディテクティブ』のマコノヒーは、映画『インターステラー』『本棚の裏』という『四次元空間』に導かれたマコノヒーが時空を超越してパラレルワールドで刑事に輪廻転生したマコノヒーみたいな奴で、要するに、これはもう『ジョジョドラマ』と言い切っても過言じゃあないし、もはやマコノヒーはジョジョ俳優の一人として認識すべき役者だ。

十二支ん会議

俺は一体ナニを書いているんだ!?・・・というわけで、話を元に戻して→前作の猛烈リトミックでその境界線上に立った赤い公園は、約二年ぶりとなる3rdアルバムの『純情ランドセル』でどうなったか?果たして超えちゃいけないライン(境界線)を超えてしまったのか?結局のところ、「ネットにはじかれたテニスボールはどっち側に落ちるのか誰にもわからない」、それこそ『神』のみぞ知る世界だ。まずアルバムの幕開けを飾る”ボール”からして、上記のプログレ界の「十二支ん会議」を見れば分かるように、津野米咲椎名林檎と並んで秘密結社KことKscope主宰のPost-Proguressive界を取り仕切る幹部であることを裏付けるような、本格的に赤い公園がPost-Pの世界に入門してきた事を意味するような、言うなればANATHEMAWe're Here Because We're Hereから”Get off, Get Out”を彷彿とさせる、いわゆるミニマルな「繰り返し」を駆使したオルタナティブらしいリフ回しや津野米咲スティーヴン・ウィルソンの傀儡化したことを暗示する間奏部のギター・フレーズ、初期のねごとをフラッシュバックさせる近未来感あふれるファンタジックなキーボード、赤い公園のバックグラウンドの一つである歌謡曲を経由したフロントマン佐藤千明の情感あふれる歌メロ、ヘヴィな重みを乗せたうたこすのどすこいドラミング、そして転調を織り込んだPost-Progressive然とした展開力、この一曲だけで津野のズバ抜けたライティングセンスと彼女たちが如何に才能に溢れたバンドなのかを証明している。面白いのは、前作の一曲目を飾った名曲”NOW ON AIR”の「これぞメジャー」なイメージとは一転して、初期を彷彿とさせる「アンダーグラウンド」な懐メロ風の、それこそ「意外性」のある展開とメロディに良い意味で期待を裏切られたと同時に、俄然アルバムに対する期待度を押し上げているし、只々この”ボール”を一曲目に持ってきた赤い公園『勇気』と確かな『成長』に僕は敬意を表したい。

僕に「東京コワイ」というトラウマを植え付けた某きのこ帝国YUIのように、『東京』の名を冠した名曲は世にたくさん溢れていて、津野米咲は「真の”じぇいぽっぱー”を名乗るなら”東京”を書かなきゃ説得力がない」とばかり、まるで某ネコ型ロボット映画の主題歌に使われてそうなくらいの力強いエネルギーと前向きなメッセージが込められた”東京”は、良くも悪くも赤い公園というバンドにしては、一曲目の”ボール”みたいな奇をてらった『意外性』は皆無で、想像した以上に『平凡』で『普通』だった。その謎というか違和感の答えは、2ndシングルの”Canvas”を挟んだ三曲目の”西東京”にあった。ご存じ、赤い公園は東京は東京でも”西東京”は多摩地域に位置する立川が地元のバンドで、某政治家の「友達の友達は~」の迷言をモジッた歌詞をはじめ、田舎のクッソブサイクなカッペJKが雨の日に学校まで鼻水撒き散らしながら自転車でかっ飛ばす様子が浮かんでくるような、それこそ立川の象徴である赤い公園メンバー自身を投影したかのような、こいつらにしか書けない説得力に溢れたユニークな歌詞を、”東京”という大衆的(メジャー)なイメージからかけ離れた、赤い公園の本性を表したようなファンキーかつヤンキーな、ノイズ/インダストリアルなサウンドに乗せたハードコア・パンクチューン。それにしても、この曲の佐藤千明はなんだ...おめーは「平成のカルメン・マキ」かよw

初期の黒盤こと『透明なのか黒なのか』”潤いの人”を彷彿とさせるスローなファッキン・テンポで始まり、90年代のJ-POPを彷彿とさせるキーボードとジャジーなピアノが織りなす、さっきまでのクソカッペJKから一転してオシャンティなアレンジで聴かせる”ショートホープ”は、前作の”TOKYO HARBOR”で培った「オトナ女子」的な素直にアップデイトしたかのようなシティ・ポップ風の演出がポイント。6曲目の”デイドリーム”は、その名の通り津野米咲のシューゲイザーに対する嗜好が著しいドリーミーな音響と、前作の”私”を彷彿とさせる佐藤千明のエモーショナルな歌声と”ドライフラワー”を想起させるストリングス・アレンジ、そして一種のカタルシスを呼び起こすアウトロの演出まで、もはや今作のハイライトと言っても過言じゃあない名曲だ。この手の儚さ満開、エモさ爆発の曲を書かせたらこいつらの右に出るバンドはいないこと改めて証明している。

そのの中で目覚めた四人のクソカッペJKは、気づくとハロプロ・アイドルと化していた”あなたのあのこ、いけないわたし”は、それこそ赤い公園のラジオで何故℃-ute心の叫びを歌にしてみたがジングルで使用されていたのか?その伏線を回収するような、90年代のシンセ・ポップ風のキーボード・アレンジを効かせたkawaii系ポップ・チューンで、まるで佐藤千明「#ガールズ・ロック界の矢島舞美なの私だ」とハッシュタグ付けてツイッターに連投してそうな、それこそ津野がこの度モーニング娘。に楽曲提供したことに対する理解と納得が得られる曲でもある。遂にアイドルという『夢』から目覚め、自らの素性がマイルドヤンキーであることを自覚したクソカッペJKは、他校の女ヤンキーに対して「かかって来いやオラァ!」と威勢のいいメンチを切って、”カウンター”を交えながら素っ頓狂な”喧嘩”を始める。その”喧嘩”の後に、お互いに爽やかな友情が目覚めていた”14”は、前作の”サイダー”を彷彿とさせるシンプルなメロコアチューン。10曲目はキテレツ大百科ばりの”ハンバーグ”を作るような、名曲”め組のひと”を津野流に料理したポップチューンから、5曲目の”デイドリーム”の系譜にあるドリーミーなサウンドにクリック音と藤本ひかりのあざといコーラスがひかる”ナルコレプシー”、そして1stシングルの”KOIKI”は、去年の『ま~んま~んツアー』で初めて聴いた時は「モー娘。っぽい」って漠然と思ったけど、実際にスタジオ音源で聴いてみたら大して似てなくて笑った。けど、津野がモー娘。に楽曲提供することを予測していたと考えたらセーフ(なにが)。

本作を象徴する一曲と言っていい”黄色い花”を初めて聴いた時、厳密にはJ-POPの常用手段であるストリングスを聴いた時、僕は「あ、津野変わったな」って思った。自分の記憶が正しければ、津野って過去にインタビューか何かで「J-POPにありがちなチープなストリングス」を否定してた憶えがあって、だからこの曲を聴いた時は本当に「あ、赤い公園が目指すところってそこなんだ」って思った。けれど、きのこ帝国が新作でJ-POPの常用手段であるストリングスとピアノを擁してメジャー行きを宣言したたように、現代の流行りのJ-POPを象徴するような曲調に、この手のJ-POP特有のストリングスを入れるのは至極当然というか、この曲で遂に赤い公園「超えちゃいけないライン」「境界線」を超えてしまったんだと、そう僕は理解した。僕は「境界線」を超えるのと破るのは違うと思ってて、赤い公園はこのアルバムで「アンダーグラウンド(クソ)」「メジャー(ポップ)」「境界線」を超えたんじゃあない、その「境界線」を破って「アンダーグラウンド(クソ)」でも「メジャー(ポップ)」でもない、それこそ「ローカル」なクソカッペJKへと変身する事に成功したんだってね。

ぼくフレッチャー
jii「ゴラァァァァァァァァあああ!!津野おおおオオお!!」

津野米咲
津野米咲「・・・は?」

ぼくフレッチャー
new_d923ad829cdaa748bc2f3beaaeb15c16「なーに楽しそうにキーボード弾いてんだコラァァァァ!!」

津野米咲
津野米咲「うるせぇシネ」

ぼく元℃ヲタフレッチャー
new_session2-e1426367009736「なんで℃-uteに楽曲提供しねぇんだゴラァァァぁああ!!」 

津野米咲
津野米咲「知らねぇよハゲ」

ぼくフレッチャー
new_CPD904lUkAA4Otz「なーに超えちゃいけないライン超えてんだゴラぁぁぁ!!」 

津野米咲
津野米咲「うるせぇシネ」 

極端な話、今作は赤い公園バンドというより「津野プロデュース」感がハンパない。なんだろう、某深っちゃんの「今時、まだギター使ってんの?」という例の発言に触発されたのか、なんて知る由もないが、とにかく今作は虹のようにカラフルなキーボード・アレンジが際立っていて、それは津野米咲が楽しそうに鍵盤を弾き鳴らしている様子が浮かんでくるほどで、あまりにもノリノリに弾き倒す津野に対して、僕は映画『セッション』のフレッチャー先生ばりに鬼のような形相で「オメー楽しそうにキーボードなんか弾いてんじゃねーよ」とツッコミを入れたほどだ。それこそ80年代の歌謡曲や90年代のJ-POPやシンセ・ポップなどの懐メロ風アレンジ、そして現代風の鍵盤アレンジに注力しているのが分かるし、前作以上に津野米咲が自由に好き放題やってる。しかし、一方のアレンジに重きを置きすぎて、肝心のメロディが蔑ろになっているんじゃあないか?いくら凝ったアレンジでも肝心なメロディが貧弱じゃあ本末転倒なんじゃあないか?という疑問が残る。おいら、津野米咲をリスペクトできると思ったキッカケの一つに、某インタビューで津野が「大事なのは力強いメロディとソングライティング」と発言した所にあって、その「メロディとソングライティング」を大事にする姿勢というのは、奇しくも僕が大好きなANATHEMAのヴィンセント兄弟も全く同じことを言っている。この言葉は、DIR EN GREYのリーダー薫にも通じる話でもあるのだが、結局のところ一体ナニが言いたいって、要するにこの『純情ランドセル』でその発言の信憑性および説得力というのが少し揺らいだんじゃあないかって。その点で前作の『猛烈リトミック』は、アレンジやメロディ、そしてソングライティングの全てが両立した奇跡のアルバムだったんだと再確認させられた。

anasema
 
なんやかんや、初期や前作に通じる”らしさ”のあるリズムやメロディ、そして強力なアレンジを巧みな技術で「ローカル」なポップスに落とし込んでいるのは実に小粋な演出だし、その辺のセンスは初期の頃から不変だ。その中でも、完全にメジャーのポップスに振り切ったアレンジは過去最高にバラエティ豊か、前作以上にバラエティ豊かと言い切れるかもしれないが、如何せんアルバムの流れが悪すぎる。いや、始まりこそキライじゃあない、むしろ【ラジオネーム スティーヴン・ウィルソン】こと某レビューブログの管理人が嬉しさのあまり咽び泣き出しそうなくらい大好きな始まりなんだが、その始まりの”ボール”と終わりの”黄色い花”だけは共存してはならない、つまり一つにパッケージングしてはならない、その曲と曲の間にはそれこそ「超えちゃいけないライン」という明確な「境界線」が存在する。つまり「バラエティ豊か」という表現は、曲と曲に「境界線」が存在しないクリーンな状態で、一つにパッケージングされた状態で初めてその言葉の意味を成すんだってね。

超えちゃいけないラインああ

このアンチ「バラエティ豊か」は、今作の曲を多人数にプロデュースさせた弊害でもあって、面白いのは、本当に面白いのは、昨年にガールズ・バンドのねごとが発表した3rdアルバム『VISION』は年間BEST入り間違いなしの傑作で、奇しくもねごと赤い公園も世界的なマスタリングスタジオSTERLING SOUNDを率いる(ねごとは)Ted Jensenと(赤い公園は)Tom Coyneという二大エンジニアにマスタリングを依頼して、双方ともに『音』に対する”こだわり”を伺わせるばかりでなく、一方のねごとはセルフプロデュースで新作を、一方で赤い公園は五人のプロデューサーを迎えて新作を発表するに至ったこと。もう一つ面白いのは、昨年にきのこ帝国が発表したメジャー1stアルバム猫とアレルギーも年間BEST行きの傑作で、おいら、きのこ帝国に関する記事の中で「きのこ帝国に足りないのは津野米咲だから津野米咲をプロデューサーに迎えろ!」みたいな戯れ言を書いてて、本当に面白いのは、きのこ帝国は『猫とアレルギー』の中で佐藤千亜妃「#椎名林檎の後継者なの私だ」宣言をはじめ、エンジニアに井上うに氏を迎えることで「超えちゃいけないライン」の境界線上に立って、つまり津野米咲の生首を片手に佐藤千亜妃なりの『勝訴ストリップ』あるいは『猛烈リトミック』を描き出していたこと。その『猛烈リトミック』でやられた事の仕返しとばかり、新作で赤い公園がやりたかったことを一足先にやり返されて、今では綺麗に立場が逆転してしまったこと。

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【祝】Apple Musicサービス開始!

2015年6月30日、日本では7月1日、遂にApple Musicのサンビスが開始された。そこには、新しい音楽の未来が広がっていた。

さて、近頃はゴネ得ババアもといアメリカの歌姫テイラー・スウィフトと収益についてアツいプロレスを繰り広げていたApple Musicさんだが、この日本でも何事もなく無事にサンビスが開始されたということで、さっそくApple Musicを使ってみた。まずApple Musicを利用するには、初めにクレカの登録もしくはitunesの残高が980円以上ある人しか利用できないという若干ハードルを設けており、サンビス開始から三ヶ月間無料なのにも関わらずバリバリ課金させる前提のApple Musicさんだが、まぁ、それは仕方がないとして、とりあえずどんな音楽が配信されてるのか、一番に気になる所だ。手始めに当ブログでもお馴染みのスティーヴン・ウィルソンANATHEMA率いるPost-Progressive勢をチェックした結果、当然のように最新作以外のほぼ全アルバム配信されてて素直に驚いたというか、「海外の人はこんなバケモンチートツールを数年前から日常的に使ってたのか・・・」みたいな、なんかスゲー時代というか世界に取り残された感あったし、それこそ「音楽界の夜明けぜよ...」的な坂本龍馬もビックリの衝撃を受けた。でもなにか足りないことに気づいた、ANATHEMAがソニー傘下のMusic for Nationsからリリースした『Judgement』『A Fine Day to Exit』『A Natural Disaster』、通称Fine Days 1999 - 2004だけピンポイントで配信されてない!ソニー許すまじ!

JDAとABCのトップソングに連なる月光花とイエスを見たyasu→「俺たちはバラードバンドじゃない!」

勿論、洋楽はほぼほぼ揃ってる。それなら邦楽およびV系界隈はどうか調べてみた。まず驚いたのは、Janne Da ArcAcid Black Cherryがほぼ全アルバム、ABCに至ってはカバーアルバムまで配信されてたのは予想外だった。Janne Da Arcはまだしも、というかJDAはエイベが仕掛けた国産定額制ストリーミングサービスAWAの広告塔になってたから、てっきりAWA独占かと思ってた。それよりも驚いたのはABCの方だ。イメージ的に、yasuってこの手のサンビスにどちらかと言えば否定的な人間だと思ってたから、余計に驚いたというか、やっぱJanne Da Arcyasuって本当にリスペクトできる存在だなって、考えが改まった。しかもka-yuのソロプロジェクトであるDAMIJAWkiyoのソロ・アルバムまで配信されてるってんだから、ジャンヌメンバーには本当に頭が上がらない。だってさ、腐っても一応は海外でも活動しているDIR EN GREYXなんかは一切配信されていないし、やっぱ俺の中でDIR EN GREYJanne Da Arcを超えることはないなって、この出来事からも再認識した次第だ。正直、Xに至ってはヨシキがツイッターで「俺たちは世界で人気だぜ!」みたいなハッタリかましといて、こういう音楽シーンの動きには全く疎いから俄然日頃の発言に説得力が生まれないというか、しかーし、X JAPANの約20年ぶりとなる新作の発表コメントに→YOSHIKI「今後音楽がストリーミングに移行していく中、なぜフルアルバムが必要なのかと考え...」とあって、これから日本にも『大ストリーミング時代』がやって来ることをきちんと理解してるみたいだから許した。ついでにX JAPAN主宰の『Xフェス』『救世主復活』させたらもっと許す。とは言え、楽曲を配信するor配信しないなんてのは所属レーベルの方針だってのは百も承知だし、配信しているアーティストが偉いだとか配信してないアーティストがダメとかの話ではないけど、それでもやっぱり配信してないアーティストってちょっとダサいと思う。皮肉なもんで、活動休止状態のJanne Da Arcが定額制に積極的な未来志向を持ったバンドで、今現在活動中のDIR EN GREYが旧来志向であるという逆転現象は何とも皮肉な面白さしかない。というか、むしろV系みたいなバンギャ主導のニッチな界隈にこそ、定額制ストリーミングを積極的に使ってパンピーを引っ張って来るべき、そういう時代だと思うんだけど。ともあれ、やっぱりJanne Da Arcがナンバーワン!林LOVE!


もう一つ気になったのは→「CDはもうダメでしょ」の名言で知られる椎名林檎の動向で、それが物の見事に配信してなくて正直「ん?」ってなった。まさかあんな発言しといて配信なしとか→「なに?日出処のジャケみたいにテイラー・スウィフトごっこでもしてんの?lol」って、あの発言からこの動きはちょっと説得力に欠けるなって、ちょっと皮肉交じりに小言を言いたくなった。とは言え、何度も言うけど配信するしないはアーティストの意向というより各レーベルの方針でしかなくて、実際に大手のソニーはApple Musicに楽曲提供しないことを以前から表明していて、事実ソニー系列のねごとは一曲も配信されていなかった(LINE MUSIC独占?)。しかし近い世代のtricot赤い公園tricotに至ってはシングルを含め(つまりヒロミ・ヒロヒロ作曲のダイバーまで!)最新作やEP含む全アルバム配信していてサスガだなと関心した。意外だったのは相対性理論が全アルバム配信してた事(さすが俺たちのえつこ!LOVEズキュウウウン!!)。で、今年メジャー移籍組のShiggy Jr.きのこ帝国はメジャー移籍後の最新シングルのみ配信されている所を見るに、やっぱり以前まで所属していた各レーベルに大きな権限があるのだと理解できる。最も関心したのは、tricotに至ってはいち早くApple Musicを利用したライブの宣伝をツイッターに投下していて、それは「今なら無料だから予習してライブに来てね」という趣旨の話だ。個人的にタイムリーな話になるんだが、おいら、今年に入ってtricotのワンマンライブを「音源の予習ができなかったから」という理由でチケを発券したにも関わらず行かなかった、という苦い経験がある。つまり、もしApple Musicのサンビス開始があと数カ月早まっていたなら、このようにApple Musicで音源を予習してtricotのワンマンを観に行ったという、そんな"もう一つの未来"もあったかもしれないわけだ。しかし、このApple Musicの登場によって、もう二度と僕のような過ちを犯す人はまず大幅に軽減されるだろうし、CDは買わないけどApple Music含む定額制音楽サンビスで音源を聴いて、そして気に入ったからライブへ足を運ぶ(運んでみよう)とする、この【CD→ライブ】という一連の流れこそ新時代の音楽体験、この【CD→ライブ】への移行こそ今後の主流となってくるのではないか?というお話。というより、このやり方が新時代を迎えた日本の音楽シーンで、バンドおよびアーティストが生き残っていく唯一の方法なんじゃあないかって。これも皮肉なもんで、椎名林檎の影響を受けた赤い公園tricotが常に邦楽界の最先端を歩んできた椎名林檎を追い抜いて、既に定額制音楽サービスを駆使した最先端の音楽活動を始めている、この逆転現象は皮肉と面白さしかない。だから今の若い子やキッズは、椎名林檎ねごとよりも、tricot赤い公園のライブに、それこそ上記ツイートのライブに率先して行ってやって欲しい。そして、他でもないこいつらが新時代の音楽シーンに生きる最先端のバンドだって、そう信じてサポートしてやって欲しい。さすれば君は、晴れて俺たちペリー提督率いる黒船団の新たな一員として仲間入りを果たすだろう。まぁ、それは冗談として→そんな事よりテメーらApple Musicヒロミ・ヒロヒロ”ダイバー”を聴いて萌死ね!

おいら、『創作の価値』なんて小難しい話ができるほど頭が良くないので、その辺の議論は知識人に任せます。一つ要望を挙げるとすれば、プレイリスト機能を使って『◯◯の曲で打線組んだ』シリーズ作りたいんで、プレイリストをブログに埋め込みできるようにして欲しい。ともあれ、これからは配信していないアーティスト=時代遅れのダサいアーティストみたいな角印を押されかねない時代になってくるんじゃあないかって。だから今の林檎、ちょっとダセーなw そしてソニー、やっぱりダセーなw

【5/18】 赤い公園 『マンマンツアー 2015 初夏 ~迫る!初っ夏ー!』@名古屋CLUB QUATTRO

マンマンツアー 2015 初夏 ~迫る!初っ夏ー!

そろそろ巷で赤い公園は津野米咲が亀田誠治とつるんで"椎名林檎ごっこ"し始めてから終わった」という声が聞こえてきそうな、そんな赤い公園の約半年ぶりとなるマンマンツアー『マンマンツアー 2015 初夏 ~迫る!初っ夏ー!』を名古屋クワトロで観てきた。

まさか、昨年の歴史的名盤猛烈リトミックをリリースして以降、今年に入って新曲も発表されぬままツアーに突入するとは思っても見なくて、月曜パーソナリティを務めたANN0も俺たちの池田智子に追いやられるような形で降板したりと、「こいつらマジで解散すんじゃネーの?」みたいな雰囲気すらあって、むしろ今解散したらガールズ・ロック界のちょとしたレジェンドになれそうだし、万が一解散するならドラマーのうたこすtricotに明け渡してくれれば万々歳だよなって。まぁ、それは冗談として→とにかく今年の赤い公園は、あの『猛烈リトミック』を作った赤い公園とはまるで別人のようなニートっぷりを見せつけていた。そんな沈黙期間が続く中、突如発表された今回のツアーというわけで、一言でツアーと言ってみても、先述のとおり新曲を発表したわけでもないし、つまり「一体ナニを目的としたライブなのか?」が甚だ疑問な所で、自分自身なんでチケット取ったんだろう・・・って、チケを発券してからふと思ったりした。むしろ逆に、予想できないからこそ面白いことやってくれるんじゃあないか?と前向きに考えられなくもなくて、そんなドキドキ・ワクワク感をもってライブ会場へと向かった。

まず前回のツアーとは違って、今回のツアーは7時半開演とのことで、これは素直にありがたい(でも500円値上がりしてる)。で、自分は開演15分前に入場したのだけど、すると前回の公演と比べると明らかに客入りが悪い事に気づく。まさかこのままフロアの中央がスッカスカのまま開演するわけないよな?という心配を他所に、ちょっと寂しい客入りのままメンバーが登場。気になるオープニングを飾ったのは、なんと意外や意外、フロントマン佐藤千明をはじめバンドのエモーションが暴発する名曲”ふやける”で、本来ならばライブ終盤のハイライトを飾る場面で演奏するこの曲を一発目に持ってくる所からして、このライブは「そういう(通常の)ライブじゃないですよ」というメッセージを暗に、佐藤千明津野米咲によるツイン・ギターが解き放つケタタマシイ轟音に乗せて会場のフアンに肌で伝える。そのまま佐藤千明はギターを抱えながら、その流れで”サイダー”を披露する。三曲目は恐らく最初期の曲だと思う。それ以降も、いわゆる白盤から”血の巡り””ナンバーシックス””何を言う”を、いわゆる黒盤からは定番の”塊”や”透明”を、1stアルバムからは”交信””のぞき穴”、そして定番曲の”今更”を披露していく。前回は猛烈リトミックに伴うツアーで、当然アルバム曲が中心のセトリだったから、逆に今回のセトリは初期の曲で固めてくるかと思いきや、なんだかんだ終わってみると『猛烈リトミック』からは計8曲も披露していて、あらためて『猛烈リトミック』の曲が持つ柔軟性、その完成度の高さに唸らされた。中でも”108”の課題だった"タイト感"を意識的に合わせていた印象。

このように、一発目から”ふやける”という”まさか”の展開をはじめ、今回のセトリからも分かるように、初期中心のセトリで古参フアンにサービスするというわけでもなくて、それではこのライブの目的、目玉って一体ナニ?っつー話で、その問に対する答えはツアータイトルの『初っ夏ー!』が大きな鍵を握っている。新旧の曲を織り交ぜた前半を終えると、ここで先ほどの『初夏』にちなんだ、パフィーやZONEなどの有名な夏曲をカバーするカラオケ大会が始まった。このカラオケ大会では、ドラマーのうたこすがハモリで参加したりと、良くも悪くも赤い公園らしいユッルユルなステージングを魅せていく。計3曲カバーし終えると、着席スタイルのまま”いちご”を披露し、そのまま後半戦に突入。後半戦は黒盤の曲を中心にダークに聴かせる。ここで再びブレイクを挟み、佐藤千明がステージの袖に姿を消したと思ったら、暫くするとアフロヘアー&サングラス姿で、それこそ平井堅のポップスターさながらの仮装でポップスターをカバーし始める。そのわけわからん光景を目の当たりにした僕→「こ、これが赤い公園の本性・・・だとッ!?」。ライブ終盤は本当にユルユルなステージングで、もはや僕みたいなニワカは来ちゃいけないライブだったんじゃあないか?って、もし今回のツアーで赤い公園を初めて観る人が居るとして、その人の気持ちを考えたら夜も眠れなくなりそうなくらい、前回のツアーで見せた研ぎ澄まされた硬派なライブバンドが、一転してモノマネ芸人と化していたんだ。自分は前回のツアーで(通常のライブ)を観ているので、これはこれでもう一つの赤い公園として楽しめなくはないけど、まだ赤い公園のライブを観たことがない人には、今回のツアーだけは個人的にオススメはしない。もし初めて観る赤い公園のライブがコレだと、例えば曲を聴いて硬派で根暗なイメージを持っている人に、赤い公園がただのコミックバンドあるいは文化祭バンドと勘違いさせる恐れがある。でもコッチが赤い公園の本性だとすると・・・。ともあれ、今回のツアーの集客が見込めないのはバンド自身で分かっていたはずだろうし、つまり観客の大半が赤い公園ガチ勢になる事を見越していたからこそ、このような通常のライブとは違った、悪く言えば内輪ノリでユルユルなライブを狙ってやったんだと思う。しかし”ユルすぎる”のも大概かもしれない。ガチ勢はそれで納得するのかもしれないが、初めて赤い公園を観た人に誤解させる危険性(リスク)も忘れてはならない。バンド側が「ウェーーーーーーイwwwwwwwww」とやるのが望みと言うなら、それはそれでバンドの意思だし、僕は一切否定しない。確かに、白黒盤の如くどっちでもやれるのは強みかも知れないが、裏表があるからこそヘタに誤解を生む可能性もあるわけで、とにかく赤い公園には昨今の邦楽ロック界に蔓延る”節操ないバンド”と同じ輩にだけはなって欲しくないんだ。それらはバンドにとって大きな損失を与えかねない。確かに、ANN0で培ったネタをライブに取り入れる試みは新しいし面白いかもしれないが、しかし見る人によってはスベって目に映るかもしれない。元リスナーとして、僕はこの(試行錯誤の末の)失敗をラジオで勘違いしちゃったパティーンとは思いたくない。勿論、何か新しいことをしなきゃフアンは増えていかないが、しかし初見の人が今回のライブを観てリピーターになるとは到底思えなかった。たかが知れているとはいえ金を取っているからには、それなりの"プロフェッショナルさ"を見せて欲しかった、というのが本音だ。

終始カラオケ大会みたいなノリで、リトミックのリードトラックとなる”NOW ON AIR”を最後に本編は終了する。間もなくアンコールを受けて再登場し、このツアーでフアンが期待していた待望の新曲”こいき”を披露。この新曲は、Bメロは初期相対性理論あるいはモーニング娘の”One・Two・Three”みたいな可愛げのあるリズム感、というより津野米咲の音楽的嗜好が全面に押し出された曲調で、サビは若干アニソンっぽいというか佐藤千明の力強いボーカルが印象的だった(アニメタイアップ付くのか知らんけど)。実際にマスターアップされた曲を聴いてみないと何とも言えないが、良くも悪くも『猛烈リトミック』を通過した赤い公園の曲、といった感じ。あと米咲ソロもあるよ。最後は100秒ソングこと”絶対的な関係”で終了。新旧の曲を織り交ぜながら約1時間40分やりきった。特に目ぼしいようなMCもなく、男マネージャーの話や藤本ひかりがしゃちほこネタやったり、その流れで津野米咲がおっぱいがどうとか言ってたくらい。

前回の公演と比較しちゃいけないのは分かってはいながらも、やはり初見だった前回ほどの衝撃や凄みというのは感じられなかった。それは当然、このツアーの目的が「そういう(通常の)ライブじゃない」わけだから、比べること自体がナンセンスだ。通常と違うと言っても、当然手を抜いてパフォーマンスするというわけじゃないし、確かに音やバンドの気の入りようは前回のが凄かった気がするけど、少なくとも佐藤千明の歌やモノマネは文句のつけようがないパフォーマンスを披露していた。もはやほぼ佐藤千明の為のツアーと言っても過言じゃあないかもしれない。それこそANN0で培った、お笑い芸人としての佐藤千明をフアンに生でお披露目するかのような、音楽のライブでありながらも通常の音楽ライブから少し逸脱したコメディ要素、それこそマジな要素とクソな要素を両立させた、良くも悪くも赤い公園らしいメリハリの効いたライブだった。しかし、何かと"もったいなさ"の残るライブだったのも確かだ。

厳しい話、今年に入って新曲すらマトモに出せていないバンドのテンションがそのまま集客に現れている。その集客や話題性からしても、今年に入って俄然ねごとtricotとの勢いの差が顕著で、なかなか窮地に立たされている現状を、この赤い女たちは如何にして自身の音楽道を切り拓いていくか、正直なかなかハードモードではあるが、あの名盤『猛烈リトミック』を作ったバンドとしての底力と意地を見せてもらいたい。そう口で言うのは簡単だが、実際『猛烈リトミック』の次の新曲って本当に難しい事案だと思う(だから解散説も現実的になってしまう)。しかし、『猛烈リトミック』という名の呪いを乗り超えられるよう、これからの赤い女たちの活躍を願ってやまない。しかし僕は、ここいらで赤い女たちから少し距離を置こうと思っている。あの『猛烈リトミック』を超える作品が生まれる、その時まで・・・。


というわけで、ここで俺的ラブメイト・ランキングを発表します! 

1位 ヒロミ・ヒロヒロ(tricot)
ヒロミ・ヒロヒロ
評価
【推しメン+3ポイント
【カレーにジャガイモ肯定派
+2ポイント
ピョンピョン
可愛い】+2ポイント
【トリコキテる感+1ポイント
総合8ポイント

2位 沙田瑞紀(ねごと)
沙田瑞紀
評価
【推しメン+3ポイント
【日本のオリアンティ+1ポイント
【あがり症キャラ設定+1ポイント
【ドレスコーズ選抜+1ポイント
【ねごとキテる感+1ポイント
総合7ポイント

3位 澤村小夜子(ねごと)
澤村小夜子
評価
【無駄にテクいドラム
+2ポイント
【GLAYの曲に参加+1ポイント
【足の裏から変な汁+2ポイント
【ねごとキテる感+1ポイント
総合6ポイント

4位  キダモティフォ(tricot)
キダ モティフォ
評価
 【キレッキレのパフォーマンス
+2ポイント
【プログレッシブ・デスメタラー】+1ポイント 
【サンバ隊長+1ポイント
【トリコキテる感+1ポイント
総合5ポイント

5位 中嶋イッキュウ(tricot)
中嶋イッキュウ
評価
【関西のオカン顔
+1ポイント
【DV中嶋】+1ポイント 
【煽っていくスタイル+1ポイント
【トリコキテる感+1ポイント
総合4ポイント

6位 藤咲佑(ねごと)
藤咲佑
評価
【リーダーシップ
+1ポイント
【女性/子供への優しさ+1ポイント
【ねごとキテる感+1ポイント
総合3ポイント

6位 蒼山幸子(ねごと)
蒼山幸子
評価
【優等生
+1ポイント
【クサいMC+1ポイント
【ねごとキテる感+1ポイント
総合3ポイント

7位 歌川菜緒(赤い公園)
歌川菜緒
評価
【推しメン
+3ポイント
【いつもよりカウベルマシマシ+1ポイント
【ハモリ微妙-1ポイント
【オワかい公園感-1ポイント
総合2ポイント

8位 佐藤千明(赤い公園)
佐藤千明(
評価
【モノマネ女王
+2ポイント
【体張ったパフォーマンス+2ポイント
【同姓同名の佐藤千亜妃(きのこ帝国)が可愛い+3ポイント
【ブサイク-5ポイント
【オワかい公園感-1ポイント
総合1ポイント

8位 藤本ひかり(赤い公園)
藤本ひかり
評価
【鯱おっぱい
+2ポイント
【オワかい公園感-1ポイント
総合1ポイント

最下位 津野米咲(赤い公園)
津野米咲
評価
【新曲出さないニート
-1ポイント
【亀田誠治と椎名林檎ごっこ-1ポイント
【NO OPPAI】-1ポイント 
【オワかい公園感-1ポイント
【雨女】-1ポイント
【メンヘラクソ女+5ポイント
総合0ポイント


あれ・・・?これ下位のがオイシくね?

tricot 『A N D』

Artist tricot
tricot

Album 『A N D』
A N D

Tracklist
1. Noradrenaline
2. 走れ
3. E
4. 色の無い水槽
5. 神戸ナンバー
6. 消える
7. ぱい~ん (A N D ver.)
8. 食卓
9. 庭
10. CBG
11. QFF
12. Break

ガールズ・ロック界のメタリカ ・・・自分の中で、京都発の変拍子大好きスリーピース・ガールズ・ロックバンドことtricotは、先日のライブツアーのチケットを発券したにも関わらず、音源を事前に予習できなかったり平日だったりというしょーもない理由で結局行くのやめたレベルの関心しかなくて、そもそもパンクというジャンルが好きじゃあないので、これからも一生聴くことはないんだろうと思った矢先、最近ようやく1stアルバムのT H Eと約二年ぶりとなる2ndアルバム『A N D』を聴く時間ができて、しかもこれが思いのほか良くて、「あ~やっぱり無理してでもライブ行っときゃよかった・・・」って後悔させるほどの内容なのだ。まず何が驚いたって→今作のリード・トラック担う”E”の冒頭部分が、あまりにもメタリカ”Master of Puppets”の「デッ デッデッデーンwwwwwwwwwwwww」という、あの世界的に有名な冒頭を彷彿とさせたもんだから、僕は思わず・・・

こんな風に↓↓
ベビメタ大好きおじさん

あるいはこんな風に↓↓
ベビメタ大好きおじさん2

・・・まるで"ベビメタ大好きおじさん"ことラーズ・ウルリッヒばりに高らかにガッツポーズしていた。つまり何を隠そう、メタリカがヘヴィメタルにパンクを持ち込んだ偉大なバンドならば、このtricotは日本のガールズ・ポップに80年代初期スラッシュ・メタルのハードコア・パンク精神を持ち込んだ偉大なバンドなのかもしれない、ということ。
 


デッ デッデッデーン ・・・この『A N D』は、1stアルバムT H Eのように初期衝動的な勢いで最初から最後まで青臭く駆け抜ける作風ではなくて、想像した以上にアレンジ面に力を入れたアルバムとなっていて、これぞヘタウマな中嶋イッキュウの刹那的な爆裂ボーカルをはじめ、キダ モティフォの俄然マスロック/ポストハードコア然としたリフ回し、ヒロミ・ヒロヒロによるガチ恋不可避なベースプレイ、そしてプログレ度マシマシな楽曲展開まで、ありとあらゆる面でバンドの進化と個人の成長が著しい作品となっている。で、オープニングを飾る#1”Noradrenaline”こそ1stアルバムの流れを素直に踏襲した、持ち前のコーラスを駆使した比較的ストレートな疾走感溢れるセカイ系の青春パンクではあるが、次の”走れ”以降はtricot"進化"をまざまざと見せつけられる事になる。この”走れ”は、1stアルバムの中でも一際異彩を放っていたトリコ屈指の名曲”art sick”を彷彿とさせるリヴァーヴィな雰囲気とオルタナティブ/アート・ロック的なアレンジが光る曲で、イントロからヒロミ・ヒロヒロのガチ恋不可避な妖しいベースが冴え渡り、特に2:13秒の不意をつくベースの絶妙な入り以降に繰り返されるミニマルな曲展開は、トリコの魅惑的な作曲センスと"Post-Progressive"に対する意識の高さを伺わせるし、同時に1stアルバムとの明確な違いと着実な進化を確信づけるような一曲と言える。で、例の「デ...デッデッデーンwwwwwwwwww」を合図に、トリコ流のマスパペやってのける”E”では、トリコの純粋な変拍子愛を適度な緊張感とタイトな疾走感を伴って爆発させる。俄然ポストハードコア然としたリフ回しでノリよく展開する”色の無い水槽”相対性理論”品川ナンバー”ならぬ”神戸ナンバー”では、一転してイッキュウの「アタシ超サブカルkawaii」アピールがウザいくらいに光るシティ・ポップ的な一面を垣間見せ、そして再びさり気ないアレンジや予測不能な展開力を発揮する”消える”で前半の流れを締めくくる。

スティーヴン・ウィルソン
スティーヴン・ウィルソン・・・「WOW!! I Like Ikkyu Nakajima. Welcome to Kscope!!」

中嶋イッキュウ
中嶋イッキュウ・・・「Kyaaaaaaa----(照)」 

   ぼく
ゲスニックマガジンの西条・・・「OK. I Like Hiromi Hirohiro」

ヒロミ・ヒロヒロ
ヒロミ・ヒロヒロ・・・「No Thank You」

キダ モティフォ
キダ モティフォ・・・「LOL」

   ぼく
ゲスニックマガジンの西条・・・「LOL」 

おっぱい~ん ・・・ここまではtricotの持ち味を活かした楽曲が続いたが、しかしこの『A N D』がより面白く、トリコの"進化"が顕著に表れるのは後半からで、まずジャズィでエレガントなピアノを大胆に取り入れ全面にフューチャーした”ぱい~ん”は、一瞬スティーヴン・ウィルソン”Luminol”が始まったのかと錯覚するレベルのスリリングなドラミングへと繋がる幕開けから、再びトリコのArt-Rock/Post-Progressiveに対する見識の広さを垣間見せ、そして1stアルバムの”おちゃんせんすぅす”の流れを汲んだ、ジェント/フュージョン然としたオシャンティーなアプローチを効かせた”食卓”までの流れは今作のハイライトで、そのセンスフルなアレンジ力およびユニークな作曲能力の高さを実証している。で、一転して「サンバ!」という掛け声を合図に、中嶋イッキュウがシュールなリリックを激しくまくしたてながら、リズミカルなサウンドにノッてロキノン系キッズがバカになって踊り狂うような”庭”は、それこそ自称"非・踊らせ系"がメジャーな大衆性を帯びたイマドキの踊らせ系に擦り寄った一曲で、一種のヌー・ロック的な曲調は面白いけど、このロキノン系みたいなノリだけは賛否両論ありそう。なんかもう「もうどうにでもなれ」感すごい、エモい。で、一際バッキングのコーラスがカッコイイ”CBG”、雰囲気のあるスロー・バラードかと思ったら後半からピアノを使って軽快にテンポアップする”QFF”、そしてシングルの”Break”まで、後半の曲は新機軸とも取れる流行りのノリやオシャンティーな雰囲気重視の曲が中心で、持ち前の粗暴な勢いは少し抑えられて比較的ゆったりと"音楽的"に"曲"を聴かせにくる。


プログレ界のBABYMETAL ・・・光の戦士こと南條愛乃やBSニュースの堤真由美キャスター、そして中嶋イッキュウみたいなこの手のダメ男にDVされてそうな絵面が似合う、俗にいう"DV映え"する顔に弱い男って僕だけじゃないと思うのだけど(中嶋イッキュウが可愛いという風潮)、その中嶋イッキュウが自身で赤い公園ファン担当と謳っているだけあって、初期の赤い公園をはじめ椎名林檎や初期の凛として時雨ライクな少しシニカルな雰囲気もあるのだけど、それこそ1stアルバムの『T H E』赤い公園の通称をリスペクトしたような、時にシュールに、時にカオティックに、時にエモーショナルに、時にションベン臭い青春パンクみたいな、ちょっとサブカル入った特に珍しくもない音楽性で、なんというか初期の赤い公園を洋楽視点で捉えるとこうなる、みたいな雰囲気すらあった。しかし、メンバーの技量的にも音的にもまだまだ未熟な所が多々あって、執拗に騒がれるようなバンドではなかった。で今作、衝動的な勢いに身を任せて、やりたいことが明確化していた1stアルバムとは違って、何を血迷ったのか結構突拍子もない事やってる、悪く言えば流れもクソもない阪神タイガースの打線ばりにチグハグでまとまりのないアルバムなのだけど、でもそれはドラムが辞めて解散一歩手前の危機的状況を打開するための、バンドの可能性を模索し色々と試行錯誤した結果と思うので、これはこれで納得できるし、むしろ逆に"もがいてる"感あってスゲーエモいです。だから完成度という点では『T H E』の方が上だし、本能的というより理性的、しかし野性的なのは相変わらずだが、持ち前の粗暴な勢いは抑制されてリズム重視の作曲意識が強く、同時にトリコの一つの魅力だった"エモさ"も減ったが、今作での中嶋イッキュウは"ボーカリスト"としての自覚が芽生え始めているし、その表現力は幾倍にも増している。個々の技量的な意味でも楽曲のアレンジ的な意味でもその成長は顕著だ。しかしまだアレンジの単調さは否めないし、あらゆる面で成長段階といった感じだが、”走れ””消える”のような聴き手の意表を突く予測不能な曲展開だったり、おっ”ぱい~ん””QFF”で聴けるようなアート志向の強いピアノの導入だったり、とにかく”Post-Progressive”然とした作曲センスに終始驚かされっぱなしで、正直ここまで次作への期待がかかるバンドは他にないってくらい、クソ面白いアルバムだと思う。もしこの流れでメジャー行ったら絶対に面白くなるというか、むしろトリコみたいなバンドが、逆にこういうバンドこそメジャーに行って化けるパターンを期待したい。同時に海外からも注目を集めるトリコだが、そろそろKerrang!あたりに取り上げられて、ダウンロード・フェス参戦からのKscopeデビューして欲しいと思っちゃったんだからしょうがない。そしてガールズ・バンド初のDjentやって欲しい。というか、これはマジにメタリカのマスパペカバーして欲しい。まぁ、それは冗談として→海外メディア的にはメルトバナナの後釜にしたい所だろうし、今後の海外展開の行末も俄然楽しみでしょうがない。目指すは"プログレ界のBABYMETAL"だ!

   ぼく
ゲスニックマガジンの西条・・・「おいイッキュウ!トリコは”art sick”みたいな曲も書けるのが強みだって事を忘れるんじゃあない!」 

中嶋イッキュウ
中嶋イッキュウ・・・「庭には二羽のニワトリが踊り続けた!庭には二羽のニワトリがずっとそこで踊り続けた!」 

   ぼく
ぼく・・・「庭には二羽ニワトリがいる!庭には二羽ニワトリがいる!」 

超えちゃいけないライン ・・・驚いた。こんな"音楽的"に面白いバンドやったのかと、聴かず嫌いしていた以前までのイメージとのギャップに驚いた。これは昨年に赤い公園の名盤猛烈リトミックを聴いた時と同じ体験、というかデジャヴだった。その猛烈リトミックのレビューの中で→「僕はtricotなんか聴かない(キリッ)」とか発言してからほんの数ヶ月でトリコの虜になってて笑う。それでは、この『A N D』赤い公園『猛烈リトミック』に取って代わるような名盤かと聞かれたら、その答えはノーだ。このアルバムを聴く限り、中嶋イッキュウ赤い公園の1stアルバム公園デビューが相当好きなんだろうという事が伝わってくる。でも次作の猛烈リトミックで露骨に大衆性を帯びたメインストリーム向けのサウンドに舵を切った事で、初期赤い公園からの影響をモロに受けている中嶋イッキュウは一体ナニを思うのだろう。しかし、この『A N D』から漂う"わてメジャー行きたいどす感"は、どちらかと言えば最近メジャーに行ったきのこ帝国フェイクワールドワンダーランドのソレに近くて、そのフェイクワールドワンダーランドと同じでこの『A N D』は別に”売れなきゃいけないアルバム”ではないけど、恐らく次のアルバムでは"売りにくる"と予測できる。名盤『猛烈リトミック』に習って次作で化けるかどうか、その可能性とバンドのポテンシャルは今作で十二分に証明している。そこでようやくDV中嶋津野米咲とタイマン張れるレベルになるんじゃあないか?だからこそ、このトリコには"エモさ"を忘れたロキノン厨もといニワトリのようなバカにはなって欲しくはないんだ。今後、もし”庭”みたいなロキノン厨に媚びを売るような方向に行ったら、こいつら本当に終わりだと思う。前作の”art sick”を取るか今作の”庭”を取るか、はたまた”超えちゃいけないライン”に入るか、、、色々な意味で今後のトリコに目が離せない。

めちゃ後悔だよなぁ

tricot×sukekiyo ・・・おいら、バンドで一番重要なパートってドラムだと思ってる人で、それこそtricotのドラムが辞めたって風のウワサで聞いた時は、リアルに「こいつら終わったな」って思ったのだけど、どうやらこの『A N D』を聴く限りでは余計な心配だった模様。今作、脱退したドラムに代わって五人のドラマーがゲスト参加していて、そのドラマー陣がまた良い仕事してます。相対性理論との仕事でも知られる千住宗臣氏やex-東京事変で現ニートの刄田綴色氏をはじめとした豪華なメンツの中でも、凛として時雨TKがリミックスしたsukekiyo”zephyr”でドラムを叩いてるBoBo氏が#3#7で叩いてるとのことで、まさかこんな所でsukekiyoと繋がるとは思ってなかったし、とにかく人脈および人選が無駄に面白かった。どうせだからsukekiyotricotで対バンして欲しいと思っちゃったんだからしょうがない。それこそ【変態男VS.変態女】みたいなノリで、頼むぜン゛ギョウ。ともあれ、変拍子とかいうどうでもいいようなギミックに頼らず、この『A N D』で純粋に楽曲で勝負しにきた、しかしそこにはまだ未熟な部分や課題も沢山あるが、ドラマー脱退という鬱屈した状況を打開しようとあらゆる方向性と多方への可能性を模索しながら、ガムシャラにもがき苦しみながらも攻めに攻めてきたトリコに僕は盛大な拍手を送りたい。少なくとも今年のガールズ・ロックでは、ねごとVISIONと並んでマストアイテムです。ちなみに、僕はDV中嶋よりもベースのヒロミ・ヒロヒロ派です(ヒロヒロ派ならシングルカップリング曲の”ダイバー”は必聴です)。
 
A N D 【初回限定盤】2CD仕様
tricot
SPACE SHOWER MUSIC (2015-03-18)
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ねごと 『VISION』

Artist ねごと
ねごと

Album 『VISION』
VISION

Tracklist

01. 未来航路
02. 黄昏のラプソディ
03. endless
04. エイリアンエステート
05. シンクロマニカ
06. コーラルブルー
07. GREAT CITY KIDS
08. 透明な魚
09. 真夜中のアンセム
10. ドリーミードライバー
11. アンモナイト!
12. Time machine
13. 憧憬

ソニーは、ハイレゾ・・・なーんてドヤ顔で言ってみても、ハイレグもといハイレゾなんて所詮は自己満足の世界で、それこそ『高音質SDカード』なんてのはオーディオ・オカルトの極みみたいなもんで、こいつらハイレゾ流行らす気ねーだろ・・・っつーか、そんな事より僕は"ハイレゾリューションおっぱい"、僕はこの"ハイレゾリューションおっぱい"という言葉を、『いま最も声に出して読みたい日本語』として音楽シーンに流行らせたいんだ(だってメチャクチャ強そうじゃない?)。まぁ、それは兎も角として→最近では赤い公園の傑作『猛烈リトミック』を筆頭に、音に"こだわり"を感じさせる邦楽バンドが増えている。この千葉県出身の四人組ガールズロックバンド、ねごとも音に"こだわり"を持つバンドの一つだ。ねごとといえば→デビューシングルの”カロン”が携帯のCMに起用された事でも話題を呼び、その名曲が収録された1stアルバム『ex Negoto』で華々しくデビューを飾ったが、しかしそれ以降は自分の中で特別意識するようなバンドにはならなくて、2ndアルバムの『5』がリリースされた時も「あ~新作出したのか~ふーん...」くらいの関心しかなかった。で、つい最近偶然にyoutubeにアップされていた”endless”を再生してみたらちょっとした衝撃、それこそ昨年の年間BEST1に挙げた赤い公園”NOW ON AIR”を観て聴いた時と同じデジャブを感じた。何が驚いたって、それは先ほどの”こだわり”の話に繋がってくるんだが、まず驚いたのは単純に"音の良さ"で、「これ音いいなぁ!」と思って調べてみたらそれもそのはず、この”endless”が収録された約二年ぶりとなる3rdアルバム『VISION』のマスタリングを手がけたのは、サザンの『葡萄』YMOなどの著名な邦楽アーティストをはじめ、BABYMETALDIR EN GREYの作品でも知られる超売れっ子エンジニア、テッド・ジェンセンを迎えて例のSterling Soundでマスタリングされたってんだから、もうその時点で新譜をハイレゾで手に入れるしか選択枠はなくて、その"音"に対する意識の高さは元より、まず何よりも”曲の良さ”に惹かれたってのが正直なところだ。今作のリード・トラックを担う”endless”からして、デビュー当時からの音楽的コンセプトであるねごとの宇宙大好きなポップ・サウンドは不変で、特にフロントマン蒼山幸子による感情の限界突破した先にある未曾有のエモーションが込められた歌を乗せて、まるで無数の小宇宙が衝突して小規模のビッグバンが巻き起こるような大サビまでの流れ(展開力)、終盤の爆発力はもはやねごとなりの"The Lost Song Part 1"と言っても過言ではなくて、これはANATHEMADistant Satellites"Post-JPOP"であるという"俺の解釈"を裏付ける決定的証拠でもあって、この一曲だけでねごとというバンドがNEXTステージに到達した事を証明していた。そこにはデビュー当時の良くも悪くも初期衝動的で粗暴なねごとの姿はなく、変にヒネクレもせず素直に歲月を重ねて少し落ち着きはらった新しいねごとの姿があった。
 


『2015年宇宙の旅』 ・・・このリードトラックを担う”endless”をはじめ、『VISION』という名の『2015年宇宙の旅』の始まりを告げる#1”未来航路”からイマドキのガールズバンド然とした、「飛び立とう」という歌詞が示すような瞬発力のあるアッパーなポップチューンが全てを物語っていて、今作はねごとの音楽に対する"ひたむき"な姿勢と”ポップ”なエネルギーが超高温度・超高密度に詰まった内容となっている。俄然タイトなリズム&グルーヴとジャズィなオルタナ・サウンドが一体化したような#2”黄昏のラプソディ”で垣間見せる、それこそ"プログレッシブ宇宙"とでも形容したくなるインプロ・パートからは、これまでの"数あるガールズ・バンドの中の一つ"ではなく"ロックバンド"としての確かな成長と著しい円熟を強烈に印象づける。以降もイントロ~Aメロ~Bメロ~サビという音楽の教科書通りに進行するアニメ『ノイタミナ』のOPタイアップ曲の#5”シンクロマニカ”蒼山幸子のクセのある歌い方がクセになる疾走感溢れるギター・ロックナンバーの#6”コーラルブルー”、最高にハイ!ピッチなボーカル・アレンジとバッキング・ギターが突き抜けまくってる#7”GREAT CITY KIDS”、そしてBISの名曲”nerve”さながらの"エモさ"を発揮する#8”透明な魚”は中盤のハイライトで、バンドの著しい成長をお披露目するようなバンド・グルーヴと共に、全盛期のZARD顔負けの哀愁を帯びた旋律を歌いこなす蒼山幸子のボーカルと胸キュンなコーラスが絶妙にエモーショナルな処分だ。再びタイアップ曲のとなる#9”真夜中のアンセム”では、妖艶なムードを醸し出すニューウェーブ・リバイバルな音使いやレトロフューチャーなシンセを聴かせ、ここにきて初めて落ち着いたテンポでじっくり聴かせる某猫型ロボットアニメの主題歌的な#10”ドリーミードライバー”、世が世なら『るろうに剣心』の主題歌に起用されてもおかしくないシングル曲で、これぞ"ザ・メジャー"で川本真琴リスペクトな#11”アンモナイト!”、再びユッタリとプラネタリウムに居るかのようなノスタルジックなムードで聴かせる#12”Time machine”、そしてオリエンタルでファンタジックなシンセ・メロディを全面にフューチャーした#13”憧憬”まで・・・確かに、"オルタナティブ"という音的な側面で語ると1stアルバムの『ex Negoto』に及ばないかもしれないが、今作は"オルタナ"というより"ポップ"の方向に大きく振り切っていて、なんだかんだアッパーな曲調を主体に、序盤の勢いのまま最後まで一気に駆け抜けている。その音エネルギーの凄まじさったらないし、まるで「これがガールズ・ポップじゃゴラあああああああああ!!」とばかりの突き抜けっぷりは聴いてて素直に気持ちがいい。まるでライブを想定して作られたような気がするほどライブ向けの曲が多くて、俄然このアルバムに伴うツアーが楽しみになってくる。



セルフプロデュース ・・・もはや初期の頃の"女版スピッツ"みたいな、ちょっと儚い系のオルタナみたいなイメージは皆無で、既聴感とかそんなレベルの話ではなくて、90年代以降の邦楽シーンの一時代を築いてきた女性アーティストからの影響を巧みに咀嚼して、持ち前のねごとワールドに落とし込んだポップポップアンドポップなポップ・ミュージックを繰り広げていて、それこそ自分が子供の頃に聴いて育ってきた往年のアニソンやJ-POP的な懐かしさと新しさが同居したような、驚くほど素直に耳に浸透していく音の心地よさだったり、ノスタルジックな安堵感に満ち溢れている。良くも悪くも初期の荒削りな勢いだけじゃない、緻密に計算されたセンスフルな作曲センスと確かな経験に裏打ちされたバンド/メンバーのポテンシャル、メジャーバンドとして必要不可欠な"大衆性"を明確に意識する一方でアーティストとしての"音"に対する"こだわり"が合致した末の傑作だ。ところで、よく比較される"ガールズ・ロック界のマイルドヤンキー"こと赤い公園は、2ndアルバムの『猛烈リトミック』で複数の著名なプロデューサーを迎えていたが、それに逆らうようにこのねごとはセルフプロデュースを貫いている。正直、セルフプロデュースでここまでのモノを出してくる時点で、その才能は赤い公園とは比べものにならなくて、なんつーか赤い公園『猛烈リトミック』をセルフプロデュースしてたらこんな感じのアルバムになっていた可能性、、、みたいな妄想すら浮かんでくるほど。『猛烈リトミック』は幅広いジャンルからの影響を赤い公園流に噛み砕いて、メジャーなポップスとして一つにパッケージしたバラエティに富んだアルバムだったが、このねごとはある一定の立ち位置から様々なアレンジとアイデアで一工夫して聴かせる、言うなれば中小企業的な技術力を活かしたスタイルを特徴としていて、この『VISION』でも基本はアップテンポなのに何一つ同じモノにはしないアレンジ力の高さを見せつけていて、あらためてセルフプロデュースという自信と才能が一つになった結果の傑作だと再認識させる。例えるなら→赤い公園がちょっとオラついたマイルドヤンキー校の優等生なら、このねごとは進学校のちょっと成績の良い至って普通の生徒、みたいな。確かに、赤い公園『猛烈リトミック』はJ-POP界を代表する十年に一度の名盤だ。しかしその一方で、自らの音楽的な可能性を狭めてしまったような気がしないでもなくて、皮肉なことにセルフプロデュースを貫いたねごとは、自らの音楽的な可能性を宇宙さながら無限大に広げている。まるで『猛烈リトミック』に対するねごとからの回答であるかの如く。このアルバムは、赤い公園とは一線を画した別ルートへと進んだねごとが見据えた未来への『ヴィジョン』なのかもしれない。とりあえず、『猛烈リトミック』を昨年の年間BESTに挙げたやつ、今年はコレをBESTに挙げなきゃ説得力ねーと思うし、あの『猛烈リトミック』と同じく"売れなきゃいけないアルバム"ですコレ。とはいえ、赤い公園には津野米咲とかいうチートキャラが居るので、一概に誰々と比較するなんて事は相対性理論パスピエを比べることくらいナンセンスだ。どっちかっつーと、この『VISION』パスピエの2ndアルバム幕の内ISMと比較されるべきアルバムなんじゃあないかと。ともあれ、いわゆる”俺の界隈”のガールズ・ロック枠同士、赤い公園ねごとで是非ともツーマンを実現させて欲しい。つうか、このタイミングで対バンしなきゃ何時すんの?って感じじゃん。
 


今最も評価されるべきバンド ・・・今作、何よりもバンドの音、つまりバンド・サウンドおよびバンド・グルーヴがもの凄いアルバムで、過去最高にバンドの音を意識的にフューチャーしている。俄然ライブウケを狙ったアルバムと言えるし、かなりメタル的なアルバムだと思う。個人の音にしてもバンドの音にしても、どの曲にも耳を惹くフレーズや見せ場が存在している。俄然タイトに刻む無駄にテクいドラムとベースのリズム隊という強固な地盤があるからこそ、ボーカル/キーボードとギターが自由に動けるんだろう。個人レベルで言うと、やっぱり小林幸子もとい蒼山幸子が持ち前のマルチな才能を開花させている。バンドのボーカリストでありながらも、同時にキーボーディストとしてのポテンシャルは初期の頃から遺憾なく発揮していたが、今作ではそのセンスが分かりやすく楽曲に組み込まれていて、音やメロディともにJanne Da ArcKiyoがブヒりそう、もとい一目置きそうなフレーズが多く見受けられる。ボーカル面に関しては、自分は1stアルバム振りにねごとの音源を聴いたからか、「この子ってこんなクセの強い歌い方するのか、なんか意外だな」みたいな、"媚びた"という言葉遣いは少し語弊があるかもしれないが、極端な話"アイドルポップス"と言われたら信じちゃいそうな曲もあって、本当に面白いです。もうなんか蒼山幸子に「自称音楽通には海外エンジニアの名前出しときゃチョロい」みたいなこと言われたいと思っちゃったんだからちょうがない。まぁ、それはそうとして→実はそれ以上の収穫だったのは無駄にテクい澤村小夜子のドラミングで、中でも"黄昏のラプソディ"のラスサビのドラミングは笑っちゃうくらいカッコイイし、そりゃGLAYの楽曲に参加するわ・・・ってレベルの謎のテクニシャンっぷりを見せつけていて、要するに今作を聴けば聴くほど「え、ねごとメンバーってこんなに凄かったん・・・」みたいになること請け合いだし、その極めつけにギタリストの沙田瑞紀がドレスコーズバンドに選抜されたという事実が、何よりねごとが"実力派"である事を物語っている。それなのに、パスピエSHISHAMOが武道館で演る時代だってのに、ねごとが未だに"数あるガールズ・ロックの一つ"みたいなポジションに位置づけられているのは本当に不思議でしょうがなくて、僕は今こそ、ねごとはガールズ・ロックは元より邦楽ロックバンドで"今最も評価されるべきバンド"だと声を大にして叫びたい。その言葉が決して大袈裟じゃあない事は、この『VISION』を聴けば嫌でも分かるハズだし、そしてスティーヴン・ウィルソンANATHEMA以外でハイレゾ音源で揃えたいと思った唯一のバンドがねごとだった、というのも自分の中ではあまりにも大き過ぎる理由だ。

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