Welcome To My ”俺の感性”

墓っ地・ざ・ろっく!

黄金の精神

Alcest 『シェルター』 レビュー

Artist Alcest
Alcest

Album 『Shelter』
Shelter

Tracklist
01. Wings
02. Opale
03. La Nuit Marche Avec Moi
04. Voix Sereines
05. L'Eveil Des Muses
06. Shelter
07. Away [feat. Neil Halstead]
08. Délivrance
09. Into The Waves

【元々ブラックメタルなんか興味なかったのさ、あの頃の僕はどうかしてたんだ】・・・そんなネージュのホンネが込められているような、先行シングルとなる”Opale”をこの世に解き放ち、自身が生み出したポストブラックなる一つのジャンルに終止符を打った、ポストブラ界のアイドルことネージュ率いるAlcestの約二年ぶり通算四作目となる『Shelter』がリリースされた。まず、この実にShoegazer然としたラブいジャケが暗示するとおり、あのANATHEMAとのツアーを経験し、あの名盤Weather Systemsが発する黄金色に光り輝く生命エネルギーをズキュゥゥゥン!!と浴びてしまったLove & Peaceなアートワークから全てを察する事ができるんだが、結論から言ってしまうと→ネージュ「俺はポストブラックをやめるぞジョジョー!」と高らかに宣言するような、いわゆるポストブラックと称されるジャンルの一時代を築き上げてきた自身の過去との決別を宣言するかのような、北国からの風をうけて新たに生まれ変わったアルセストが奏でる極上のサウンドスケープが、そよ風にのって優しく心の中に吹き込んでくるかのような一枚となっている。



【Post-Black is DEAD】
・・・まず、翼の生えた天使が舞い降りてくるかのような、まるで気分は「パトラッシュ、僕はもう疲れたよ...」な神々しいイントロの#1で幕を開け、その流れで始まる#2”Opale”が今作の『シェルター』を象徴していると言っても過言じゃあない。”オパール”という名の【幸運の石】が意味する→【人生の暗闇に希望をもたらすような明るさに満ちた石であり、憂鬱を払い、何事にも囚われない柔軟さや人に左右されない自分自身の核を作る】・・・そんなオパールに秘められたヒーリング効果をフルに発揮するかのような、これまでの少し内向的だったAlcestとは一線を画した、まるでSigur Rós直系の優雅なグロッケンシュピール(鉄琴)を用いたポストロッキンな音使いと、まるでANATHEMAヴィンセント&リー・ダグラス黄金コンビを想起させる、貴公子Neige【幸福】を呼び寄せる清らかな歌声とBillie Lindahlの天使のようなコーラスが織りなす黄金のハーモニーと共に、まるで生まれたての赤子のように純粋無垢なメロディとLove & Peaceな多幸感に満ち溢れた、眩いくらいの音の洪水にMy Heart is Happy!! しかし、なぜこの『シェルター』がここまでシガロリスペクトなのか?その答えは至って簡単だ→なんと今作のミキシング&プロデューサーには、数多くのシガロ作品を手がけてきた重鎮Birgir Jón Birgissonを迎え、そのシガロをはじめSólstafirKontinuumらのアイスランド勢の作品を世に送り出してきた、アイスランドが誇るSundlaugin Studioでレコーディングされた作品だからだ。更に、チェロやヴァイオリンなどのストリングス勢もヨンシーの親衛隊として知られるAmiinaの4人組を起用しており、様々な面においてシガロ界隈でお馴染みの人材で揃えてきている所に、もうワンランク上のおっさんを目指したいという、アルセすなわちネージュのクリエイティヴ!!な音楽に対する貪欲な姿勢と揺るぎない強い意志、そして今作に対する本気度を伺わせる。ちなみに、今作のマスタリングにはDIR EN GREYやくしまるえつこの新曲でも知られる、世界一の売れっ子エンジニアことテッド・ジェンセン擁する世界最高峰のマスタリングスタジオ、STERLING SOUNDJoe LaPortaが担当している。まさしく最強の布陣だ。

 地球のみんな!オラに力を分けてくれ!

【最後のノイズ・・・そんな、今作を象徴する”オパール”が解き放つ、まるで水晶球のように一点の曇りのない光がこの世界を明るく照らし出しながら、次の”La Nuit Marche Avec Moi”へと物語は続いていく。この曲では、ほのかに前作の匂いを感じさせるアンニュイでありながら優しく繊細なメロディをもって、極上のリヴァーヴを効かせた美しきドリーム・スケープを展開していく。そして、今作のハイライトであり、アルセストの過去と今を象徴かつ証明するかのような#4の”Voix sereine”は、まるで朝日が登り始める合図(イントロ)から、情緒感に溢れたネージュの歌声とヨンシー親衛隊による優美なストリングスや鉄琴、それらの繊細なタッチで丁寧に紡がれていくリリカルなメロディをもって、まるで「地球のみんな!オラに力を分けてくれ!」と言わんばかりの『愛』『勇気』『希望』が込められた活力みなぎる力強い音の生命エネルギーを蓄積させながら、まるで過去との別れを惜しむかのような、まるで『ジョジョ』のツェペリ一族が最期に「JOJOーーーおれの最後の波紋(ノイズ)だぜーーーうけとってくれーーッ」という魂の叫びが込められた『人間の魂』と、まるでX次元へようこそでネコ化したやくしまるえつこと同調するかのようなネージュの「ニャ~ニャ~ニャ~♪」というコーラスを交えながら、押し寄せる恍惚感とepicッ!!な胸の高鳴りと共に、中盤からクライマックスにかけてエモーショナルな感情を爆発させていく圧倒的なダイナミズムは、まさしくANATHEMAの名曲”Untouchable, Part 1”に直結するドラマティックでシネマティックなソウル・ソサエティを形成し、この世の【不幸】を洗い流し、そして全てを浄化していく...。この世界中から呼び込んだ生命エネルギーを一つにした元気玉こそ、ネージュが歩んできた音楽人生すなわち物語の一つの終着点であり、この北風と太陽のような『光』の塊こそネージュの黄金の精神』なんだと僕は悟った。

メディアブック

黄金期のジャンプ】・・・あらためて、この#4”Voix sereine”で披露している、初期のポストメタルミュージックへの回帰が込められた、これまで内側に溜め込んでいたヒキコモリエネルギーを、これみよがしに一気に外側に解放するかの如しノイジーなギターは、過去の自分を捨てて、『希望』に向かって未来へと一歩前へ踏み出すような、今にも溢れ出しそうなネージュの内向きではなく前向きな願いと想いが込められている。僕はこのノイズという名の幸福の渦に身を任せ、そのノイズの渦に贅沢に溺れる中で、Alcestとの出会いから今までの思い出が走馬灯のように頭を駆け巡り、そして気づくと僕は→「ありがとう」...それしか言う言葉が見つからない...と呟きながら、ただただ流れる涙を抑えることができなかった。それほどまでに、今までネージュが心の奥底に密かに封印しておいた『シェルター』という名の『ココロのトビラ』を開き、ネージュが求めていた輝かしき栄光の光を掴み取る瞬間・・・すなわちナポレオンの復活!を目の当たりにしているような感動すら憶えた。そして僕は、この”Voix sereine”が解き放つ恍惚感あふれるエモーションと「左手はそえるだけ...」みたいな桜木花道的なアートワークに、ジョジョ8部『ジョジョリオン』の最終話もしくはラストシーンを垣間見たような気がした。要するに、今作のテーマは→さしずめ黄金期のジャンプ』ミュージックといった所か。

【Shoegazerへの憧憬】・・・過去のAlcestに別れを告げ、リバーブの効いた冷たい北風が地肌を儚く刺激するドリーム・ハウスの中で、再びネージュとBillie Lindahlによる黄金のハーモニーを披露する#5”L'Eveil Des Muses”、まるで太陽のような輝きを放つイントロからアコースティックな音色を使ってハートフルなエネルギーを放出する表題曲の#6”Shelter”、そしてネージュのShoegazerに対する意識の高さ、すなわち『LOVE』を#7の”Away”で再確認する事となる。デフヘヴンの2nd『サンベイザー』にネージュを迎え入れたように、それこそネージュの『シェルター』を開く鍵すなわち黄金の回転エネルギーとして、マイブラと並んでShoegazerというジャンルの絶対的アイコンである伝説のシューゲイザー・バンド、Slowdiveニール・ハルステッドをリードボーカルとして迎え、ヨンシーの追っかけことAmiinaの優美なストリングスとアコースティックなフォーキーな音色を引き連れて、アイスランドの雄大な大地と情緒に溢れた自然豊かな『メランコリア』を描き出している。その、まるでネージュが「貴方が僕の『シェルター』の鍵です。私の心の扉を開くのはあな~た~♪」と言わんばかりのエモい流れから、本編ラストの約10分ある大作の”Délivrance”へと物語は進んでいく。終盤のハイライトを飾るこの曲は、まるで映画『メランコリア』の壮大かつ壮絶なラストシーンをリアルに体感しているかのような、それこそネージュという一人の人間の『真実の物語』を深裂に描き出すかのような名曲で、ネージュによる民謡風のコーラスや真綿のように繊細緻密なメロディをもってリリカルに展開しながら、特にクライマックスを飾る終盤での壮観なスケールを目の前にした僕は為す術がなく、燃えさかる灼熱の太陽に手をかざしながら、一刻一刻と迫りくる感動の渦にただただ身を委ねるしかなかった。まるで、この世に蠢く全てのカタストロフィを『無』にするかのような、それこそ『清らか』な遺体で構築された賛美歌を最期に、これにてネージュという名の聖人が後世に残した『人間賛歌』は堂々の完結を迎える。

【キーワードはJulianna Barwick】・・・主に#1,#2,#5,#8でコーラスを担当している、スウェーデン出身のインディ・フォーク系SSWPromise and the MonsterBillie Lindahlをリードボーカルとして迎えた、世界で3000枚限定のハードカバーブック盤に収録されているボートラの#9”Into The Waves”の破壊力ったらない。本編ではネージュと共に崇高なコーラス/ハーモニーを披露することで、今作をより映画のサントラ的なスケールを与え、その聖歌隊の如し神聖なるコーラスが一つのキモとなっている所からも、USのJulianna Barwickを想起させるヒーリング・ミュージック的な意識が強い作品と言える。なんつーか、インディ寄りとでも言うのかな。そんな彼女の歌声だが、このボートラではチャーチズローレンたそを少しウィスパーにした天使のような萌声を全面にフューチャーしており、それこそCD一枚に一曲という贅沢させちゃうのにも十分納得してしまうほどの良曲となっている。正直、このボートラを聴くか聴かないかによって、今作に対する評価が180度変わってしまうんじゃあないか?ってレベル。なんにしても、アルセストの新譜といいウォーペイントの新譜といい、それらを紐解く鍵となるのが、この『シェルター』と同じBirgir Jón Birgissonがエンジニアとして携わった、新作(2nd)を昨年リリースしたジュリアナ・バーウィックってのが俄然面白いね。いつぞやに彼女のデビュー作をレビューした記憶があるが、まさかそれがこの伏線()だったなんて・・・。

  シェルター
 
【ネージュの『ユメ』『夢』】・・・あらためて、今作の『シェルター』ではBlackgaze特有の無骨なブラストやノイジーなギター、そしてネージュの怒りが込められたスクリームやプログレスな展開力も影を潜め、ありのまま素直にShoegazerやってる。まるで一種の桃源郷、いや黄金にでも迷い込んだかのような幻夢的(二次元的)な世界観は皆無に近く、その薄霧がかった幻想的な森を抜けると『シェルター』という名の現実空間(三次元)への入り口が目の前に現れ、その扉を黄金の回転を使ってこじ開けると、そこには『ユメ』ではなく『夢』の世界が広がっていたんだ。それこそ、初期作品で空想という名の『ユメ』の中で『夢』を一貫して描き続け、子供の頃から憧れ続けていたネージュの『夢』が真の意味で現実となった瞬間なんだと。正直、この『シェルター』を解き放つことを使命に、ネージュはこの世に生を受けたんだと思う。しかも、かつて”オパール”【不幸の石】と呼ばれた時代もあったってんだから尚さら面白い。この言葉の意味が、ネージュの音楽人生の全てを象徴していると言っても過言じゃあない。これぞ『人間賛歌』だと。

【Pitch-Blackへの憧憬】・・・そんなネージュのアツい想いが込められた『シェルター』だが、彼らの最も身近なピッチミュージックといえば...そう、今やiPhoneの広告塔にまで成り上がった、いわゆるファッション・サブカル系男子のアイドルことDEAFHEAVENが存在する。昨年、そのD F H V Nサンベイザーが大手音楽メディアPitchforkに高く評価された結果→言わば後輩であるハズのデフヘヴン人気が、先輩のアルセスト人気を大きく上回るという逆転現象が起こった。少なくとも前作までは、根暗のニワカブラックメタラーを相手に阿漕な商売をしながら自身の立ち位置を確立してきたアルセストだが、このまさかの逆転現象に流石のネージュも「アカン」と感づいたらしく、今作ではD F H V Nに負けじと音響ライクな音作りやメロディの質、プロデューサーやゲスト陣から録音面まで全てがリア充仕様もといメジャー仕様に合わせてきてる。この変化をナニかに例えるなら→あの頃のヒキコモリ系男子がシュガーロス・ダイエットによって生まれ変わり、まるでアニヲタが脱ヲタに成功したような、まるで田舎から上京したての大学生のような、まるでキョロ充のような雰囲気すら漂っている。要するに→いくら来日公演ができるほどの人気があると言ったって、所詮はニッチな界隈でしか評価されない...そんなインディ界隈すなわちピッチメディアに対してサイレント・ジェラシーを感じていたネージュの”メタラーとしてのコンプレックス”が炸裂してしまった作品、そんな皮肉めいた受け取り方もできなくないわけだ。あらためて、”コンプレックス”というモノは人をクリエイティヴッ!!にする大きな源だと再認識した次第で。なお、ピッチのレビューではボロクソの模様。

【Post-Black is Not DEAD】・・・自分の中で、ずっとアルセストとデフヘヴンって”全くベクトルの違うポストブラック”という認識があったから、この両者の関係を考察しようなんて気持ちは微塵も湧かなかったけれど、昨年の『サンベイザー』と今作の『シェルター』を聴き比べてみたら、その愚かな考えを改めざるを得なくなった。デフへが二作目で、アルセストがその倍の四作目にしてようやくポストブラックというジャンルにおける最終目的地『メイド・イン・デフヘヴン』に到達し、お互いに引かれ合い、影響を受け与えながらも最後は互いに笑顔で歩み寄った、その良きライバルであると同時に良き理解者、もはや師弟や兄弟というような概念を超越した関係性こそ、まるでディオとジョジョのような黄金の関係性』と言えるのかもしれない。そうなんだ、『シェルター』の中で『サンベイザー』というサウンドスケープに包まれている瞬間だけが、ぼっちの僕がリア充気分になれる唯一の瞬間なんだ。僕は今、浜辺でいちゃつくリア充カップルのようにウキウキでラブラブなんだ...。というわけで、一時はポストブラックは終焉を迎えたように見えた・・・が、どうやら間違いだったようだ→俺たちポストブラックの戦いはこれからだッ!

遠回りこそ一番の近道

【遠回りこそ一番の近道】・・・正直、前作を聴いて”終わりの始まり”を感じたというか(だから年間BESTにも入れてない)、曲展開やメロディそのものが少しあざとく聴こえてしまい、その漠然としたポストブラックやめたい感・・・そんなネージュの心の揺らぎが顕著に表れてしまった前作は、初期の名作と比べるとどうしてもネタ切れ感が拭いきれなかった。しかし、そのメロディに込められた黄金の音エネルギーは着実に今作の楽曲に活かされていて、例えばOpethで言うところのWatershedを深く突き詰めた結果がHeritageである事と全く同じように、前作のLes voyages de l'âmeがあってこその『シェルター』だと僕は思う。だから、今作を聴いて「初めからShoegazerやっとけばよかったのに」というクソみたいなニワカ発言には一切興味なくて、それこそジョジョ7部のジャイロが放った名言のように、ネージュにとっても【遠回りこそ一番の近道】だったんだ。事実、前作と同じ意識のままだったら駄作しか生まれなかった、つまりオワコン化不可避だっただけに、そんな中で吹っ切れた、潔い行動を取ったアルセストを僕は素直に正しく評価したい。そして何よりもネージュの覚悟に敬意を表したい。

【引かれ合い】・・・このように、全ては”俺の界隈”の頂点に君臨するANATHEMA黄金の精神、すなわち俺の界隈の中心へと”引かれ合う”ように集まってくる。昨年のKATATONIAも、今年のAlcestも必然的に...いや、運命的にね。なんにせよ、後輩のD F H V Nの奇跡の再来日(伝説の名古屋公演)が再び決まったからには、このアルセストにも来日して頂かないとナニも始まらないしナニも面白くならない・・・と思った矢先に来日キター!
 
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ANATHEMAのライブ作品『Universal』を観た。

       Universal

ANATHEMAWeather Systems『ジョジョ』

                    ・・・誰かがそう言った。


正直迷った、「いいのだろうか、来年のサマソニにANATHEMAが出演する前に(なぜか既に俺の中で勝手に出ると決まっているw)コレを観てしまって・・・」という、謎の罪悪感がひしめき合いながら、心の中で二人の自分が葛藤していた。

黄金の精神』を持つ僕→「押しちゃダメだ押しちゃダメだ押しちゃダメだ」

『漆黒の意思』を持つ僕→「あっ、ふーん。ポチー」

僕は再生ボタンを押した

 気を取り直して、本作品は昨年の9月にブルガリアの古代劇場Ancient Theatre Of Philippopolisで行われたライブを収めた映像作品で、地元のプロヴディフ・フィルハーモニー管弦楽団(Plovdiv Philharmonic Orchestra)と共演し、ミキシングには名盤Weather Systemsのプロデューサーとして知られるChrister André Cederberg氏を、映像監督にはSteven WilsonPorcupine TreeOpethDream Theaterのライブ作品でも知られるLasse Hoile氏を迎えた世界最強の布陣。気になるセットリストはここ最近の二作、彼らの存在を天までブチ上げた最新作の9th『Weather Systems』SW先生が携わった8thWe're Here Because We're Hereの楽曲を中心に、そこへ過去の名曲を惜しげもなく贅沢に盛り込んだ、これ以上ないってほどBEST of BESTなセトリとなっている。ちなみに、ブルーレイ盤には特典としてA NIGHT AT THE UNION CHAPELの模様が追加で収録されている。

Track List
Untouchable, Part 1
Thin Air
Dreaming Light
Lightning Song
The Storm Before the Calm
Everything
A Simple Mistake
The Beginning and the End
Closer
A Natural Disaster
Deep
One Last Goodbye
Flying
Fragile Dreams

【ENCORE】
Panic
Emotional Winter / Wings of God
Internal Landscapes
Fragile Dreams

【A NIGHT AT THE UNION CHAPEL
Kingdom
Angels Walk Among Us
A Natural Disaster
Fragile Dreams

 本公演黄金体験』の幕を切り拓くのは、今のANATHEMAを代表する名曲Untouchable, Part 1で、終盤クライマックスに向かうにつれて徐々にファッキンエモーショナル(くそエモい)感情という名のリミッターを解除(起爆)させていく、フロントマンヴィンセント・キャバナー黄金の精神』が込められた歌声から溢れだす”生命エネルギー”が、ズキュウウゥンという擬音とともに僕の身体を一直線に貫いたその瞬間ッ、遂に僕はアヘ顔デフヘヴン状態に・・・。その流れから組曲の後編となるUntouchable, Part 2では、つい先ほど『灼熱の魂』を燃えたぎらせたヴィンセントと真っ赤な衣装を身にまとった俺たちのリー・ダグラス姐さんが引力、即ち愛(ラブ)!!を語り合うかのような、まるで『ジョジョ』一部ジョナサン・ジョースターエリナ・ペンドルトンのような関係性、すなわちLOVEPEACE黄金の関係性』を見せつける(なんて...なんてエモいんだ...)。そんな黄金体験』の入り口をくぐり抜けた先に待ち受ける→8th『We're Here Because We're Here』から黄金の風』が緩やかになびく”Thin Air”からの名曲バラードDreaming Lightときてリー姐さん主演の”Lightning Song”まで、もはや【多幸感】とかいう臭い言葉では言い表せないぐらいの、まるで黄金長方形の軌跡を描き出すかのような一連の流れを目の当たりにした僕は、ただ一言「クッソLOVEいッ!」。特に”Dreaming Light”のクライマックスで見せるヴィンセントのパフォーマンス(仕草)があまりにもエモ過ぎて・・・観てるコッチが”エモ死”するかと思ったし、お次の”Lightning Song”で天を仰ぐ聖母マリアの如しリー姐さんの美声と”完熟おはDボディ”を目の前にしたら→My Heart is 色々な意味で震えた。なんつーか、流石に『WHBWH』の曲は演り慣れてるなぁと感心したというか、生のオケアレンジが入った事で過去の曲が”完全究極体”に化けてて、これは凄いと思った。で、ここまでのLOVEPEACEな雰囲気から一転して、9th『Weather Systems』でも台風の目として異色の存在感を放っていた長尺の”The Storm Before the Calm”を披露。この曲はオリジナルの音源にはない、ダニーによるギターソロ/アレンジが聴きどころ。そして再び『WHBWH』からヴィンセントとリー姐さんによる黄金のハーモニーを聴かせる”Everything”からの名曲”A Simple Mistake”という、人間が内に秘めた狂気や人類の幸不幸を容赦なく深裂に、それこそ人間世界の悲惨の『線』をいともたやすく描き出すエゲツナイ行為は超絶epicッ!!で、間違いなく本公演のハイライトだと断言できる。特に”A Simple Mistake”は生オケとの相性が驚くほど抜群で、そのオケが与える音エネルギーによって、この曲が持つ崇高さとスケール感が著しく増し、そして新たに品格が芽生えた結果→より(悲)劇的な曲として、まさに完全究極体として大化けしている。中でもクライマックスでIt's never too late!と繰り返し叫ぶヴィンセントの鬼気迫る表情は→まるで「なっ! 何をするだァーーーーッ ゆるさんッ!」と激怒したジョナサン・ジョースターばりに迫真で、本公演一番のエモさのピークを迎えると同時に、これまでに蓄積された怒りや悲しみ、そして痛みという名の感情(エモーション)を爆発させ、極上のカタルシスを産み落とす・・・。本当に、この瞬間は英国人のヴィンセント・キャバナー英国人のジョナサン・ジョースターが完全に一致した瞬間で、まるで「ふるえるぞハート!燃えつきるほどヒート!おおおおおっ 刻むぞ血液のビート!」という『灼熱の魂』の叫び、それこそバンド発足から20年以上に渡って築き上げてきたANATHEMAの歴史という名の『人間賛歌』、その集大成をまざまざと見せつけられた気がした。正直、ANATHEMAが今までやってきた事の全てが、この時この一瞬に集約されていると言っても過言じゃあない。また、この時のカメラワークによる演出が俄然そのエモさに拍車をかけていて、それこそジョナサン・ジョースター「き…切れた ぼくの体の中で何かが切れた…決定的な何かが…」と最後の波紋を放出した時のような、全身全霊をかけて全ての生命エネルギーを捧げた結果→燃え尽きて灰(ハイ!)になったような、まさにファッキンエモーショナル(くそエモい)界の『神』が降臨した瞬間だった。その只ならぬ”凄み”に圧倒された僕は→為す術もなくただただ「ヘヘヘ・・・エッモwエッモw」とかアホなこと呟きながら、呆然とした中でほぼイキかけました(昇天)。なんかもうこれを観てるだけで、この世の全てのカタストロフィから救われる気がしてくるし、なんかもうこの世の全ての懺悔を赦してしまいたくなるレベル。とにかくメンのパフォやオケ、カメラワーク/演出の全てが完璧だ。あと中盤のヘヴィパートに突入する前に、ダニーが「シーッ...」みたいな吐息をシッカリと再現してる細かな所はマニアなポイント(でも原曲を聴き直してみたらそんなパートなかった・・・じゃあなんだこのデジャブみたいな感じ)

      ジョナサン・ジョースター

 その壮絶的なカタルシスを超越した先に待ち受けていたのは、一時の安息を与えるかのようなピアノメインの”The Beginning and the End”、そしてタイトルトラックとなる”Universal”は原曲との印象がまるで違って、重厚な生オケを全面に展開する事によって、より荘厳かつ神妙な雰囲気がダイレクトに伝わってきて素直に感動的だし、色々な意味で彼らの人気を確固たるものとした8th『WHBWH』から9th『WS』までの流れを総括するに相応しい一曲となっている。で、ここからは過去の名曲集的な、ある意味本公演のメインディッシュ→まずは7th『A Natural Disaster』からレディへライクなボコーダーを駆使した”Closer”、同じく7thから”リー・ダグラス”といえばこの名曲”A Natural Disaster”、中期の名盤と名高い5th『Judgement』から代表曲の”Deep”からの名曲”One Last Goodbye”という、まさに神がかり的な流れを目の当たりにした僕は再びアヘ顔石仮面状態となり人間を超越する・・・ッ。そして”Flying”から本編ラストの”Fragile Dreams”で、本公演黄金体験』は一旦幕を閉じる。特に”Flying”はオーディエンスが一体となって合唱する場面とか最高にLOVEいし、この時のヴィンセントの感極まった表情や仕草を目にしたら反射的に「エモすぎィ!」って声が出ちゃったほど。その合唱の後に、この伝統的な劇場を美しく彩るかのような打ち上げ花火が華を添え、その流れから指揮者と奏者の紹介があり、そして本編ラストの”Fragile Dreams”(『Hindsight』Ver)へと繋がって感動のラストを迎える。ここでオケと指揮者が退場し、観客もメンバーもリラックスした雰囲気と『幸福』に満ち溢れた表情で、遂にアンコールが始まる・・・と同時にダニーが「ロックするぜ!」という言葉どおり、6th『A Fine Day to Exit』から”Panic”のまるでロックバンドのようなノリや疾走感を聴いて、ふとある事に気づく→「あっ、そういえばANATHEMAってロックバンドなんじゃん!」って。お次は5thから”Emotional Winter / Wings of God”を立て続けに披露し、あの語りから始まる”Internal Landscapes”、そしてラストの”Fragile Dreams”(『Alternative 4』Ver)で感動的なエンディングを迎える。全20曲トータル約2時間20分、全てを見終えた率直な感想としては→画面越しにも関わらずここまで胸に迫るものがあるってんだから、実際に生で観たら僕は一体どうなってしまうんだろう・・・という謎の恐怖を感じた。しかも鑑賞してる最中は、なんかもうANATHEMA is LOVE...ANATHEMA is PEACE...ANATHEMA is Make Me Happy...そんなワケワカラン言葉しか出てこなかったし、ただただ見入ってしまった。少なくとも言えるのは、この時この空間は『天国』すなわち『メイド・イン・ヘブン』だったに違いない、ということ。

        き…切れた ぼくの体の中で何かが切れた…決定的な何かが…

 正直ここまでエモいライブは、ゲスエモアイドルとして知られるBiSのライブでも経験できないだろう。つい先月、名古屋で行われたBiSのミチバヤシ生誕ワンマンライブBiSそして終わりのない悲しみに参戦して”エモ慣れ”していなかったら、間違いなく”エモ死”してた自信ある。大袈裟じゃなしに、それぐらいアイドルのライブを超える【多幸感】がこの『Universal』にはあった。と同時に、ANATHEMAのライブ日本のアイドル(Japanese idol)のライブの親和性の高さを垣間見た(確信した)決定的瞬間でもあった。それこそ24時間テレビもビックリ...いや、そんな茶番とは比べ物にならない本物のLOVEPEACEな空間がそこには広がっていたんだ。そして、もはや”俺の解釈”からすれば→ANATHEMA is IDOLという解釈が成立し、そのANATHEMAというIDOLの存在を更により深く理解ッするためには、やはり日本のアイドルのライブを観ることが一番の近道なんだと、あらためて再確認する事となった。それにしても、まさかBiSの名古屋ワンマンが今回の伏線()になっていたとは・・・。そもそも、ナゼ自分がここまでBiSとかいうアイドルみたいなナニかにハマっているのかというと→それはBiSの”Praimal.という曲に、ANATHEMAの”Untouchable, Part 1直系の超絶epicッ!!なエモーションを感じ取ったからであって、もしサウンドPの松隈さんがBiSに”Praimal.”を書き与えていなかったら、自分はここまでBiSにハマる事は絶対になかったって、はっきりわかんだね。それがANATHEMA is IDOLだという一つの根拠・・・となっているかは正直わかんないけど、少なくとも日本一のアナシマニアを自称している僕は、今のANATHEMAをそういったブッ飛んだ視点から楽しんでいたりするわけ。要するに→世界一エモいバンドANATHEMAの精神性と世界一エモいアイドルBiS(黄金期)が持つ精神性は、一見真逆のように見えて実は紙一重にある関係性、というわけです。何はともあれ、是非ともBiSメンには本作を観て”本物のエモとはナニか”を学んでもらいたい。それでもやっぱりワッキーがナンバーワン!

 話を元に戻して、遂に実現したANATHEMAとオーケストラの共演(融合)、それに至るまでの経緯を軽く説明すると→初期から弦楽器と相性のいいバンドではあったが、ストリングスを大々的に取り入れたリメイク作の『Hindsight』を皮切りに、重鎮デイヴ・スチュワートを従えて本格的にストリングスを応用し始めた8thの『WHBWH』、その流れを確信的なモノへと変えたのが9thの『Weather Systems』というわけ。で、そういった流れを踏まえた上で、もはや必然的と言えるこの度の【ANATHEMA×オーケストラ】の共演は、個人的にメタリカの『S&M』を超えるエモーショナルな衝撃を受けた。なんつーか、下手にシンフォニックな印象を与えていないのが良い。あくまでも”味付け”程度に、原曲の良さを殺すことなく至極丁寧に丁寧にその存在感を発揮していて、さっきも書いたように近年ANATHEMAの音楽性とオーケストラの相性は抜群と言える。やっぱり生オケは迫力と雰囲気があって良いね。また古代ロマン溢れる劇場とバンドの相性も抜群で、特に中期の楽曲は流石に雰囲気出るし、単純に映える。

 パフォーマンス面については、とにかくフロントマンヴィンセント・キャバナーの一挙一動がエモ過ぎるのと、ちょくちょく観客をわりと適当な感じに煽るダニーが面白かった。二人のメインボーカルの歌やバックの演奏は言うことなし。ただ、最近のリー姐さんは度重なるライブで酷使され過ぎなイメージが自分の中にはあって、加入時と比べると声が大幅に劣化してるキライがあるというか...ヘタしたらそろそろ脱退もあるんじゃあないか?って、漠然としながらもそんな風に思っていた面があった。しかし、このライブを観たら一瞬でもそんな風に思った自分をブッ飛ばしてやりたくなった。だって、リー姐さんが主演の”Lightning Song””A Natural Disaster”での歌声を聴いて、あらためて確信したんだ→この声はANATHEMAが発掘した最大の宝だと、俺たちのビッグママだと・・・。そしてノルウェイの森(Ulver)のクマさんとも関わりのある、知る人ぞ知る新メンバーのタンバリン担当もとい鍵盤奏者ダニエル・カルドーソは”デキる男”の雰囲気というか、ナニか独特の雰囲気を持った人で、終始曲に合わせて口パクしながら演奏する姿からも、ANATHEMAの存在を非常にリスペクトしているのがよく分かる。単純に”絵”になる人物だと思うし、恐らく・・・というか間違いなく、次の新作の大きなキーマンとなる重要人物だろうからね。あとベースのジミーちゃんは相変わらず地味ーちゃん。

 そしてこの『Universal』を観て、今のANATHEMAがなぜここまでエモいのか?なぜここまでLOVEいのか?あのWeather Systemsが何故『ジョジョ』すなわち黄金の精神』なのか?ここ数年疑問に感じていた問に対する答え、それを裏付けるかのような長兄ダニー・キャバナーのインタビューを発見した。それはシリアの首都ダマスカスのラジオ番組『Souriali』によるインタビューで、その内容としては→昨今のシリア問題/中東問題に関するお話の中で、ANATHEMAのファンとシリア市民へのメッセージを記録したもの↓↓



 ・・・以上のとおり、ダニーの口からLOVE”PEACE”といったエモい言葉がひっきりなしに出てきて、これを聞いた僕は(もはやプログレ界のジョン・レノンだな・・・)とか思いつつ、でもこの”アツいキモチ”を持っているからこそ、その『灼熱の魂』を一つの曲として形にした結果が、あの『Weather Systems』という十年に一度の傑作に繋がったんだなぁと、ただただ納得する事しかできなかったし、もはや『ANATHEMAという存在の耐えられないエモさ』とかいうタイトルで映画化したくなるぐらいエモい気分になった。しかも、シリアの人々に対するメッセージビデオをYoutubeにアップしたり、自身の公式Twitterでロシアに対する怒りをぶちまけていたりと、ハッキリ言って一般人がこんな発言してたらドン引くレベルなんだけど、これはダニーがミュージシャンすなわちクリエイティヴ・ヒューマンだからこそ許される発言というか、それらの反テロリズム/反プロパガンダ的なメッセージは、ANATHEMAの存在その音楽が”説得力”となる事で、半ば強制的に全てを納得させてしまう。このインタビューにもあるように、現代のジョン・レノンであるダニーを”核”としたANATHEMAの音楽性も→【The Beatles×Pink Floyd】みたいなもんだから、そもそも意外でも何でもないし、あのイギリスがシリアへの軍事介入を事実上断念した本当の理由も、このダニーが裏で黄金の精神』を発揮していたからに違いない、きっとそうだ。で、こういったLOVEPEACEな思想は、この手の界隈の音楽を聴いてると嫌でも耳に入ってくるし、特に最近の『WHBWH』『Weather Systems』の中で書かれている歌詞なんかは、そのANATHEMA(ダニエル)の思想その信条というのが惜しげもなく反映された結果で、そのアツいエモーションすなわち『灼熱の魂』をANATHEMAの曲にズキュウウゥンと注入して世界中に拡散している、というわけ。要するに→そういったメッセージ性の強いリリックを大事にするダニー・キャバナーの音楽に対する姿勢は、まさしく同郷リヴァプール出身のビートルズ(ジョン・レノン)イマジン思想を直に受け継いでいる唯一の存在なんじゃあないか、ってね。

 どうしても極東の島国に住んでいると、そういった世界情勢的な情報が極端に少ない中で生活することに慣れ過ぎてしまって、極端な話だが非現実的な出来事のように感じてしまう。しかし、こうやってダニーの話を聞いたりすると、これは実際に起こっている現実問題なんだと考えさせられる。それと全く同じ現実問題として、この日本という国が抱えているのが原発問題だ。はたして今の日本人に、2020年の東京五輪を開催するに相応しい精神、その心はあるか?と誰かに聞かれたら、少なくとも今の僕は安倍総理のように「あっ大丈夫っす・・・原発事故はコントロールしたんで大丈夫っす・・・」と(震え声)で逃げ出すことしかできない。だから人としてまだまだ未熟な僕は、このANATHEMAから黄金の精神』とはナニか、ビートルズ直系のイマジン思想とはナニかを、これからも学び続ければならないんだと思った。その学びの一つとして、この『Universal』は大変いい教材になったし、今まで体験したことのない無限の生命エネルギーを感じるライブだった。なんにせよ、このダニーのインタビューを聞いて、やはり今の僕は日本一のアナシマニアとして、今のANATHEMAを徹底的に理解ッできていると同時に、彼の思想その信条を言葉ではなく心で理解ッできた気がする。そして遂に、ここ数年疑問に思い続けていた事が確信へと変わった→世界一エモーショナルなバンドANATHEMA=世界一エモーショナルな漫画『ジョジョ』なんだという事を...ッ!!

 だから僕は、本作品を荒木飛呂彦先生に観て感じてもらいたい、ただその想いだけなんだ。飛呂彦に対して、「この作品から溢れだす『幸福』という名の『黄金の精神』は『ジョジョ』そのものなんです」という想い(エモーション)を伝えたい、ただそれだけなんだ。

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Acid Black Cherry 『Recreation 3』 レビュー

Artist Acid Black Cherry
yasu

Cover Album Recreation 3
Recreation 3

Track List
1. 恋におちて
3. 上・京・物・語
4. 悲しみがとまらない
5. 時の流れに身をまかせ
6. Stop it love
7. BELIEVE
8. 愛を語るより口づけをかわそう
9. 最後の雨
10. ふられ気分でRock’n’Roll
11. 「男」
12. 少年時代

本作品は、『ジョジョ』の作者荒木飛呂彦先生と共に、いわゆる”俺の界隈”の共同創設者であるyasu(Janne Da ArcAcid Black Cherry)による、時代を彩ってきた往年の名曲をカバーするという【カバー・アルバム企画】の第3弾『Recreation 3』で、昨年の3rdフル2012”俺の感性の一巡”すなわち黄金体験』するほどの”衝撃”を受けたその勢いで、カバー第一弾の『Recreation』と第二弾『Recreation 2』も同時に聴いた結果→特に『レクリ1』の方は原曲のチョイスとyasuの歌声との相性が抜群の内容で、ヘタしたら2012よりも多く聴いてるんじゃあないか?ってぐらい、まるで『℃-uteよ、これがカバーだ』と言わんばかりの圧倒的なポテンシャルを感じさせるその内容その完成度だった。その傑作『レクリ1』の中で(全曲好きなんだが)個人的に一番気に入ったカバーは中村雅俊さんの”心の色”で、原曲は今まで一度も聴いたことがなかったから、このカバーで初めて聴いた時は「うわっ!!なんやコレ...シブカッコ良すぎィ!」って感激した。おいら、yasuの歌声の一番の”魅力”って”高音”じゃあなくて、”中音から低音”にかけての艶のあるエロぃ歌声だと思ってて(もちろん高音も魅力だが)、その傑作『レクリ1』ではその”中音から低音”がキモティィ!!ぐらいに堪能できるのが高評価なトコロなんだが、その”中低音”を中心に歌う”心の色”なんかは特に顕著で、言うなればJDAの”ACID BREATH”の感覚に近い”二段階サビ”的な展開が激シブカッコ良かった。兎に角、おいらが生前の70年代と80年代の昭和歌謡が中心の第一弾は全曲名曲かつyasuとの相性も素晴らしく良かった、というわけ。続く第二弾は、比較的ポップなアレンジ中心かつ明るい雰囲気の原曲が多く、yasuが神と崇めるHYDE作曲の”GLAMOROUS SKY”や個人的に一番好きな”会いたい”は『レクリ1』の”あなた”直系のバラードで、この手のバラードこそyasuの本領発揮ってトコロやと思ったし、yasuの歌声って基本オールラウンダーなんだけど、ドチラかというならハードロック系よりもシットリ系バラードのが映えるよなぁ、と(確信)。まぁ流石に『レクリ1』の破壊力には劣るというか、『レクリ2』は”名曲に歌わされてる感”みたいな妙な粗さがあったのは確かで、選曲も個人的な嗜好とズレがあった。

  『yasu×荒木飛呂彦=Welcome To My ”俺の感性”』

 さて、ここからが本題なんだが、本作『Recreation 3』は過去最多となる全13曲収録で、70年代80年代歌謡中心の『レクリ1&2』とは少し毛色が違い、今回は比較的新しい...言わば俺たち世代=90年代の楽曲を中心に、シットリ系のバラード~キャッチーなポップソング~ハード&ヘヴィなロック系まで、年代も曲調も幅広くバランスよく選曲されている。今回も「あっ、この曲どっかで聴いたとことある!」ってなる感じの絶妙な選曲がニクい。個人的に『レクリ 3』で一番注目してたというか、yasuにカバーされると知って大歓喜したのはテレサ・テン時の流れに身をまかせで、どちらかと言えば”つぐない””愛人”のがyasu(ABC)寄りの歌詞と世界観を持ってる気がするけど、テレサ・テンが残した名曲の中でも一番有名というか、(原曲やテレサを知らない人など)より多くの人の耳に馴染みやすい(聴きやすい)という意味では、この”時の~”は一番ベターなチョイスだとスグに納得ッした。で、さっそくyasuがカバーした”時の~”をウキウキワクワクドキドキ気分で聴いたわけなんだけど、原曲と比較するとkiyoの肉球もとい腕による落ち着いた感じのオーケストラアレンジと力強くそして丁寧に歌い上げるyasuの歌声が心地良い塩梅でスッと耳に入り込んできて、「なるほど~こうきたか~」とニヤケながら聴かせてもらった。そして何よりも原曲を大切に歌っている感じがスゴく伝わってくるトコロに好感。yasuにはこの曲をカバーしてくれて本当に...『ありがとう』...それしか言う言葉が見つからない...。ちなみに、おいらがテレサ・テンの曲で一番好きなのは”つぐない”ですw ところで最近、ネトゲリの親父のブログで偶然テレサ・テンについての記事を興味深く読んだ事もあって、少しだけ昔の記憶を思い出した。子供の頃、ワイのパッパ(関西人)がテレサ・テンの曲をしょっちゅう車の中で流してて、選曲はもっぱら”時の流れに身をまかせ”と”つぐない”そして”愛人”の三曲が鉄板だったんだが、そのせいか今でもテレサ・テンの曲を聴くとスゴ~く懐かしいキモチになるし、極端な話、もはや”俺の感性”の”原点”はテレサ・テンの曲にあるといっても過言じゃあない、それぐらい”俺の感性”は昭和歌謡から強い影響を受けている(おいらがいわゆる洋楽厨やメタラーになりきれない理由がココにある。別になるつもりもないけどw)。つまり当然、往年の昭和歌謡からの音楽的バックグラウンドを持つyasuおよびJDAと”俺の感性”が引かれ合うのは必然であり、【~次の世代へ名曲を歌い継ぐ~】というカバー・アルバムのコンセプトと『過去に敬意を払う』というyasuの謙虚な姿勢に確かな黄金の精神』を感じると共に、昨年の5th Anniversary LIVE“Erect”のMCでyasuが語ったなるべく近くで唄い、触れ合いたいというその思いその黄金の精神』がより鮮明に具現化した結果が、まさに今夏から始まるABCの新プロジェクトShangri-Laが掲げる君が笑顔になるなら唄いたいという大きな”コンセプト”に繋がってくるわけで、結論として...やはりyasuという人物は俺(俺の感性)が尊敬する人物の一人だという事を改めて実感させると共に、いわゆる”俺の界隈”の創設者たる所以を改めて理解ッした。要するに、『yasu(歌謡嗜好)×荒木飛呂彦(洋楽嗜好)=Welcome To My ”俺の感性”』という結論で、どうぞ。うーんこの実にまさしく俺の感性ィ~♪♪ ある意味、このカバー・アルバムも昨年から続く”おれかん!”の”原点回帰”の一つと言える。話がだいぶ逸れたけども、もし本当にテレサ・テンが今でも生きているとするならば、あの名曲を一度でいいから生で聴いてみたい。

 まず一曲目は小林明子さんの名曲中の名曲”恋に落ちて”のカバーで、あの歌詞「ダイヤル(ドジャーン)回して(ドジャーン) 手を止めた~(ドジャーン)」というベタ過ぎるクッサい盛り上がりには、頭で分かっていてもゾクゾクするw 二曲目はアニメ『るろうに剣心』をリアルタイムで見てた俺たち界隈および世代の人で知らない人はいないであろうSIAM SHADEの名曲”1/3の純情な感情”で、この曲は流石に原曲のクソアツい印象が強すぎて...w てかBuono!カバーしてるらしく聴いてみたらもはやワロタレベルではなかった。三曲目は我らがつんくボーイ率いるシャ乱Qの名曲”上・京・物・語”で、基本的には原曲に忠実だけど若干ロック寄りのアレンジ。そーえばボーイが本作=yasuへと宛てたメッセージを読んだんだけど、「yasuとは顔が似てるとかツイッターで書き込みされる事も多いが、まあ、それはそうとして」のくだりにワロタ。(関西人顔的な)顔が似てるのは分かったから、そんな事より早いとこボーイはyasuから℃に(ツインボーカル向けの)楽曲を提供してもらって(100歩譲って共同作曲もあり)、ついでにTEAM-ABCに援軍要請しよう(提案) もしチームABCとチーム℃-uteがタイマンした場合の現場...想像しただけで地獄絵図だわ...。何にしても、シャ乱Qといったら”シングルベッド”かこの曲かって感じだし、やっぱはたけってスゲーわ。...あっ。続く四曲目は杏里”悲しみがとまらない”で、yasuってこの手の可愛い系のロリポップナンバーとも相性バツグンだよなぁ...と、聴いててツクヅク思った。そして...この曲がyasuにカバーされると知った時点で本作の”買い”が確定したテレサ・テン”時の流れに身をまかせ”で、実にkiyoちゃんらしいオケアレンジが予想以上にハマってるし、自分がイメージしたとおりyasuとの相性もバツグン。六曲目の”Stop it love”はyasuがラジオ番組の企画で某アイドルのために作った曲のセルフカバー(企画曲の割にいい曲なんだよなぁ)。って...なんだ、スデにアイドル×yasuの前科あるんだね。じゃあ新曲Crazy 完全な大人になった結果→ドエロ化した℃-ute×ドエロの貴公子yasuが実現する可能性も微粒子レベルに存在するね(ニッコリ) で、TK作曲の渡辺美里さんの#7”BELIEVE”、これまた俺たち界隈で知らない人はいないWANDSの#8”愛を語るより口づけをかわそう”ときてからの~そして...そして『レクリ1』の”あなた”&『レクリ2』の”会いたい”という名バラードに対する本作『レクリ3』が導き出した”答え”が中西保志さんの名曲”最後の雨”で、おいらみたくyasuの中低音厨チュウテイオンチューが歓喜&声を張り上げて歌うyasuの情熱的な歌声にナニがグショグショに濡れること請け合いの一曲。個人的に”時の~”と同じぐらい好き。11曲目の久宝留理子さんの”男”はABC風ヘヴィロック的なアレンジで面白い。やっぱり井上陽水”少年時代”は至ってシンプルな名曲で、もうなんかyasuの迫り来るナマ声ッ吐息ナマ声ッ吐息ナマ声ッ吐息って感じがJDAの”カーネーション”をチョットだけホウフツ~。ラストはもはや説明不要のドリカムの名曲未来予想図II。てか少年時代より未来予想図IIのが古い曲と知って驚いた。マジか。という感じで、これまでの『Recreation』と比較しても、露骨に大衆受けを狙った今回のジャケやドリカムの”未来予想図II”のカバーなど、(90s中心の)選曲的な意味でも(落ち着いたオケ)アレンジ的な意味でも(変なクセや嫌味を感じさせない)yasuの原曲リスペクト的な意味でも、新規や一般層を明確に意識した、要するに新プロジェクト『Shangri-La』に先駆けて、”TEAM-ABC”の更なる拡大を狙った作品だという事が理解ッできる。しかしながら本作を聴いても、あらためて『レクリ1』のガチっぷりというか、作品に対する気の入りようがまるで違った傑作だと再確認するばかりだったけど、今回の『レクリ3』は個人的に『レクリ2』よりは好きな曲が多いし、yasuとの相性グッドッ!!な曲が多い(スデにレクリ2の再生数はとっくに超えている)。なにはともあれ、yasuによる”時の流れに身をまかせ”が聴けただけで感動モンだし、しばらくはコレばっか聴いてると思う。もし『Recreation 4』が出るとするならば、イルカの”なごり雪”やレイジー・ルーズ・ブギーの”いつもそこに君がいた”や荻野目洋子の”ダンシング・ヒーロー”なんかをyasuにカバーしてほしい(願望) ここで気になる新プロジェクト『Shangri-La』について少し。特設HPによると”新曲&接触イベント&全都道府県ライブ”を並行していくという、想像しただけでなかなかハードなプロジェクトなんだが、オレェ...?どうせまた一般でチケットが取れなかった結果→「くっそ!こうなったらマドモアゼルの出番や!」という展開になる事はスデに予測してるんで、今のうちにネーちゃんからの~マドモア勢にお願いしときます。だっておいら、シスコンだからね、しょうがないね。

 ちなみに、DVDの内容は未来予想図II1/3の純情な感情のMVと本作についてyasuのコメントやジャケ/ブックレットの子供たちとの撮影風景、そして”未来予想図II”のMVの裏側をヤス子ちゃん視点から楽しめるオフショ/メイキングを収録。あのフ◯ラシーンの裏側もッ!?ホント、いい年したオッサンがなにやってだ...としか言い様がない超ばくわら内容なんだけど、そんな事よりもYUKI君のJK姿が似合いすぎてて吹いた。リアルに居そうな感じがアレw ちなみに、実話を元にしたとされる未来予想図IIの田所はるか役を演じたのは早瀬かなって子らしく(おっ、2月生まれだ)、なんか学園ドラマの主役の親友or友達役の立場だったんだけど、徐々に増していく主役の存在感と人気に嫉妬して最終的に裏切る感じの”役”が似合いそうな雰囲気と愛嬌があって、要するにカワイイです。今後要注目の女優さんかも。なんつーか、フジTV系のドラマと相性が良さそうな顔やねw か、日テレw
 


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