Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

70s

【次回予告】ゴジラゴジラゴジラがやってきた♪

Opeth 『Pale Communion』

Artist Opeth
Opeth

Mixing/Sexual Steven Wilson
Steven Wilson

Album 『Pale Communion』
Pale Communion

Tracklist
04. Elysian Woes
05. Goblin
06. River
07. Voice Of Treason
08. Faith In Others
 
ミカエル・オーカーフェルトの頭脳

カミングアウト ・・・今年、2014年度のメタル界を最も賑わせた衝撃ニュースといえば→USのレジェンドCynicの頭脳ポール・マスヴィダル”ホモ”をカミングアウトした事だと思うが、まさか北欧スウェーデンが誇るゆるキャラ”オペにゃん”ことOpethも約三年ぶりの11thアルバム『Pale Communion』”ホモ”をカミングアウトするなんて...一足先にリークされたフェイクのアートワークを目にして「パチもんクセぇw」なーんて笑い転げていた当時は、まるで知る由もなかった。で、ここで前回までのOpethをおさらいしてみると、自分の中で前作の10thアルバムHeritageというのは→”9thアルバムWatershedという伏線()があって、結成から20周年を迎えた記念すべき10作目という事から”納得”した作品”だった。では本作の作風はどうだろう?結論から言ってしまえば→問題作となった『Heritage』の流れを踏襲した、言うなれば”70年代回帰路線”である。そんな彼らオペットゥの11作目は、”髭もじゃおじさん”ことペルが脱退して元イングヴェイのヨアキムが正式加入してから初のアルバムで、7thアルバムの『Damnation』以来約10年ぶりの再会となる、いわゆる”俺の界隈”の代表取締役兼CEOとして知られるスティーヴン・ウィルソンをミックスに迎え、そしてバンドのフロントマンミカエル・オーカーフェルトがセルフプロデュースを手がけている。

Opeth is Djent!! ・・・一概に”70年代回帰路線”と言ってみても、前作の『Heritage』のようなディープ・パープル系のヴィンテージ臭あふれるクラシック・ハード・ロックあるいはフォーク・ロックというよりは、これは明らかに盟友スティーヴン・ウィルソンの影響だろうけど、70sは70sでも前作とは一転して今回はインテリ風のモダン・プログレに大きく舵を切っている。その”プログレ大好きおじさん”っぷりは幕開けを飾る#1”Eternal Rains Will Come”からフルスロットルに発揮されていて、まずイントロから「Animals as Leadersかな?」って「遂にオペにゃんがDjent化したか!?」ってくらいのオシャンティでジャジーなリズム&グルーヴに意表を突かれ、前作譲りのクラシックなリフ回しやSWソロの2nd『Grace For Drowning』と3rd『The Raven That Refused To Sing』に通じるユラユラ~~~っとしたメロトロンとピアノが曲全体を一際叙情的に演出しながら、中盤以降はリリカルでヒロイックなメロディと共にミカエルの叙情的なボーカルとウィルソンのコーラスが織りなす黄金のホーモニーからの初期Riversideを思わせる哀愁のGソロという、ベッタベタでありながらも確かな展開力を見せつける。とにかく”プログレ”に特化したレトロ感あふれる少し湿り気のある音使いを中心とした、要するに前作よりは本来のオペットゥらしい音に回帰している事が理解できる、というよりSWソロを嫌でも思い浮かばせる情緒感に溢れた淡い音使いに驚かされる。とにかく”アコースティック”で”メロウ”、そんな印象を聴き手に強く与える。

あのキザミ ・・・今年はホモもといポール・マスヴィダル率いるUSのCynicも3rdアルバムKindly Bent to Free Usの中で古典的なプログレに挑んでいたが、それで言うところの”True Hallucination Speak”を彷彿とさせる、ジュクジュクと前立腺を刺激する”あのキザミ”リフを軸に展開する#2”Cusp Of Eternity”は、そのキザミリフを中心とした申し訳程度の幽玄な世界観からは中期すなわち全盛期のオペットゥをフラッシュバックさせたりして、その”70年代回帰路線”であると同時に今作は”オペットゥ回帰路線”でもある事に気がつくと、無性に(ニヤリ)とせざるを得なかった。元々、4thアルバムの『Still Life』や5th『Blackwater Park』そして8th『Ghost Reveries』の中でも”あのキザミ”の只ならぬセンスを要所で垣間みせていたし、あらためてこうやってガッツリと刻んでくれると素直にブヒれるってもんです。鍵番が主導権を握る今作で唯一”リフ主体”のメタリックなナンバーでもあって、アルバムの二曲目に動きの激しい曲を配置する構成は、Mastodonクラック・ザ・スカイ的な匂いを感じる。

再構築 ・・・10分を超える大作で早くも今作のハイライトを飾る#3”Moon Above, Sun Below”は、再びSW譲りの少し仄暗いサイケデリカやアコースティック中心の情緒豊かな音使い、名盤『Still Life』の流れを汲んだ暗黒リフや『Heritage』譲りのオーガニックなリフが繊細かつ鮮やかに交錯していき、中盤にさしかかると一転して不穏な空気感を纏った漆黒の表情を垣間みせ、来たるクライマックスでは『Watershed』”Heir Apparent””Burden”で聴けたような”繰り返し”の美学、その作法が用いられている。まるで過去のOpetを今の70s型Opethの解釈をもって再構築したような、それこそOpetの”旨味”その全てが凝縮されたような集大成と呼べる楽曲だ。それこそナチスドイツ(ヒトラー)が終戦間際、秘密裏に建設した地下シェルターの最奥部に眠るとされる3つの歴史的な宗教画のように、お馴染みのトラヴィス・スミス氏が手がけたアートワークが醸し出す崇高であり深淵な音世界に不思議と吸い寄せられるようだ。

イタリアン・ホラー ・・・ここでも名盤『Still Life』を思わせる、寂寥感に苛まれそうになるムーディ&フォーキーなアコギがミニマルに響き渡る#4”Elysian Woes”は、”ノルウェイの森のクマさん”ことUlverKristoffer Rygg顔負けの妖艶なダンディズムが込められたミカエルの歌声、そのミカエルのボーカリストとしての才能を再確認させるダーティな一曲だ。そして、もはや本作品の主役と言っても決して過言じゃあない、新メンの鍵盤奏者ヨアキムが奏でる時にユラユラユウゲンと、時にトリトリトリッキーなメロディ、そのヨアキムの腕前が顕著に表れているのが五曲目の”Goblin”だ。その名のとおり、70年代に活躍したイタリアのプログレッシブ・ロック・バンドゴブリンをリスペクトしたインストナンバーで、そのゴブリンが音楽を手がけたイタリアの巨匠ダリオ・アルジェント監督の映画『ゾンビ』『サスペリア』シリーズなどの代表的なイタリアン・ホラーに登場する、主人公の背後に一歩づつ忍び寄る”姿のない恐怖”を主観映像で追体験させるハラハラドキドキした緊迫感とB級ゾンビ映画特有のコミカルでファンキーなノリが融合したような、それこそ70sプログレがソックリそのまま現代に蘇ったかのような楽曲で、まさしく本作の作風を象徴するかのような一曲と言える。そしてこの曲には→??「オペットゥはドラマーが代わって終わった」と言われるほど、??「オペットゥはマーティン(メンデスじゃない方)が辞めて終わった」と言われるまでの人物であり、オペットゥの黄金を支えたドラマーのマーティン・ロペスがゲストで参加している、そんなファン泣かせの粋な計らいがなされている。もしこの曲のMVを作るとしたら→オペットゥが演奏するレトロなジャズバーに(過去メンバーを含む)大量のゾンビがやってきて観客をコミカルに食い荒らしていく映像が浮かんだ。

今年のトレンドはホモ ・・・ここまで散々Cynicポール・マスヴィダルスティーヴン・ウィルソンの面影を感じさせた、それらの伏線()が遂に回収される、満を持して今年のメタル界のトレンドは”ホモ”だと確信させる曲の登場だ。今年の初めにAlcestシェルターの記事の中で、Opethミカエル・オーカーフェルトAlcestネージュの親和性について少し言及したが、この6曲目の”River”という曲は、まるで古代スカンジナビアの遊牧民と化したミカエルとその親友ウィルソンとその仲間たちが青々とした草原の中で仲良く手を繋いでキャッキャウフフ♥と股間辺りを弄り合っている、とっさに目を背けてしまいそうになる危険な情事が瞼の裏に半ば強制的に映し出されるような民謡歌で、つまり晴れて念願のシューゲイザーバンドになれたアルセスト=ネージュのように、子供の頃から憧れていた念願のプログレバンドになれて人生最大の『幸福』を感じているミカエル・オーカーフェルトのリアルな心情を歌ったような、これはもうミカエルとウィルソンとその愉快な仲間たちによる男だらけのミュージカル『愛と哀しみのホモ』あるいはアニメ『月刊少女ミカエルくん』だ。そんな風にミカエルとネージュの親和性を改めて考察させる曲なんだけど、それをより決定的な物にするかの如く、このたび目出度くOpethとAlcestのカップリングツアーが決まったらしい、そんな面白さもある。まぁ、そんな冗談は置いといて→これまでのオペットゥからは想像できないような、温もりのあるホットホットなホモーションもといエモーションに満ち溢れたこの曲では、コーラスを担当する脇役のウィルソン君と主演のミカエル君が織りなす黄金のホーモニーに只ならぬ恍惚感を味わうことができる。それこそ腐女子が大喜びしそうな801展開に絶頂不可避だし、この曲では他の楽曲同様に『Ghost Reveries』を彷彿とさせる”へゔぃ”なリフ回しを台風の目とした怒涛のインストバトルを繰り広げている。

真っ昼間の淫夢 ・・・イントロからサスペンスドラマ風のミステリアスなストリングスを大胆に取り入れた#7”Voice Of Treason”は、その荘厳なストリングスを軸にアラビアン・ミュージックリスペクトなエスニックなアレンジが際立った曲で、中でもクライマックスを飾るミカエルの情感(ホモーション)が溢れ出す歌声は大きなヌキどころ...もとい聴きどころだ。その”クサい”流れを引き継いで始まるラストの#8”Faith In Others”は、悲哀を奏でるストリングスで昼ドラばりにドロドロした悲壮感を演出し、それと同調するかのように、同郷レジェンドABBA直系のスウェディッシュ・ムード歌謡リスペクトなミカエルの通称”ウッフン歌唱”は真骨頂すなわち絶頂を迎え(この瞬間は、ミカエル・オーカーフェルト『世界一美しいデスボイス』『世界一醜いウッフンボイス』に敗北した瞬間でもあった)、歴代のプログレ勢とも決して引けを取らない中盤以降のガチで泣かせにくる感動的なシーンを最後に、このメタルゴッドロブ・ハルフォード主催の恋物語『真っ昼間の淫夢』は盛大に幕を閉じる...(ここでエンドクレジット)。

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ミカエル「俺気づいたんだ、やっぱお前がいないとダメなんだって」

スティーヴン・ウィルソン
ウィルソン「どうやらそうみたいだね(ニコッ)」

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ミカエル「10年も待たせてゴメンな。また俺という名の楽器を奏で...もとい、また俺たちの音をミックスしてくれるかい?」

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ウィルソン「もちろんさ///」

ミカエル・オーカーフェルト
ミカエル「ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-ア-♪」

スティーヴン・ウィルソン
ウィルソン「アーイキソ」

ミカエルバンド ・・・自分の中で、このオペットゥというのは1stの『Orchid』から3rdの『My Arms, Your Hearse』までが初期の第一期で、4thの『Still Life』から8thの『Ghost Reveries』までが第二期つまりオペットゥの全盛期、そして9thの『Watershed』から現在までがプログレ期つまり第三期Opeth・・・そんなザックリした認識を持っているんだけれど、ハッキリ言って9th『Watershed』以降のオペットゥはフロントマンミカエル・オーカーフェルトのワンマンバンド、つまり実質ミカエルのソロバンドすなわち”ミカエルバンド”だという事は否定しようがない事実で、その”ミカエルバンド”感は今作で俄然強くなっている。そして、やはり約10年ぶりの再会を果たした盟友ウィルソンの存在も大きくて、勿論そのSWソロからの影響もそうなんだけど、2012年に発足されたミカエルとウィルソンの”初めての共同作業”ことStorm Corrosionからの影響も隠しきれていなくて、やっぱり二年前の味が忘れられなかったのか?なんて事は知る由もないけど、要するに『Pale Communion』の本質はOpethという名のブヨブヨの皮を被ったSWなんじゃあないか?って。もはや「これオペットゥちゃうやん、SWやん!」って、それくらいスティーヴン・ウィルソンの影が異様にチラつく。そのSWによるミックスだけあって存外アッサリした感じで、前作のように徹底してヴィンテージな雰囲気はないし、どちらかと言えばクラシック・ロックというよりモダンなプログレっつーイメージのが強い。だから変に外れた音は一つもないし、むしろ僕のようなプログレ耳にはドン引きするぐらい馴染みのある音なんだけど、その代わり”意外性”というのは皆無だし、「いや、今更これやるのかよ?それならまだ『ヘリテイジ』のがインパクトあったんじゃねーか?」というような批判にも全然納得できる。結局のところ→前作の鍵を握るのがディープ・パープルなら、今作の鍵を握るのはゴブリンっつー至ってシンプルな話でしかなくて、要するに「プログレ好きによるプログレ好きのためのプログレ」で、もうなんかプログレ好きだけが楽しめればいいじゃん(いいじゃん)的な作品だから、その間口は意外と狭いのかもしれない。けれど『ヘリテイジ』との差別化はハッキリしているんで、ホント、プログレが好きかそうでないかの世界です。ただ一つ僕が心配しているのは、はたしてミカエル・オーカーフェルトは憧れのスティーヴン・ウィルソンになれたのだろうか?という一点だけ。

俺の金玉の方がヘヴィだ! ・・・レーベル側のウリ文句として→【深遠な静けさを感じさせるような曲や、獰猛に炎を吹き出すかのようなヘヴィな曲、さらには、初期オーペスを想起させるようなオールド・スクールなオーペス・サウンド】とのプロパガンダらしき謳い文句があって、とりあえず【深遠な静けさを感じさせるような曲】←わかる、【獰猛に炎を吹き出すかのようなヘヴィな曲】←うーん?、【初期オーペスを想起させるようなオールド・スクールなオーペス・サウンド】←??!!!?!?!!!??といった感想を持った人が大多数だと思われる。これって結局、何をして”ヘヴィ”と捉えるか?の話であって、別にそのプロパガンダを擁護するわけじゃあないけど、事実『Ghost Reveries』や最高傑作『Still Life』をはじめとした、(当然、その音像はいわゆるデスメタル然としたデロデロ感はないが)オペットゥ自らのルーツを廻るような往年のヘヴィなリフ回しを露骨に意識して曲を書いていると率直に感じた、と同時に名盤『Blackwater Park』を彷彿とさせる幽玄な空間形成は全盛期のオペットゥそのもの...と言ってみても完全に別物だし今さら無意味かもしれないけど、あの頃のオペットゥを幾度となく連想させるギターのリフがフレーズが、ユラユラとユラめく鍵番のメロディが、マーティン・ロペスのヤンデレドラミングが、そしてAya-StyleもといOpe-Style然としたドラマティックな展開が、それらに加えてストリングスなどの新要素も積極的に取り込んできているのは確かで、だから【獰猛に炎を吹き出すかのような~】【初期オーペスを想起させる~】とかいう謳い文句もあながち間違っちゃあいないわけです。要するに→所詮”オペットゥ回帰路線”というのはキモチの問題で、あくまでも前作の『ヘリテイジ』を基礎に、過去作のリフやメロディを今のオペットゥで再解釈し、ドヤ顔でオマージュしてみせる一種の余裕というか、実にミカエルらしいユニークな感性ここに極まれりって感じだし、それこそ6部で世界を一巡させた荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』のように、世界が一巡して過去(70s)からリスタートしたパラレル世界のオペットゥを僕たちは目撃しているんじゃあないか?って。あのホモもといCynic『Kindly Bent to Free Us』で21世紀のプログレをクラシックな視点から総括していたが、そのホモと決定的に違うのは→「ポール・マスヴィダルは21位世紀のプログレを総括したが、ミカエルは自身の過去を精算し、そして総括した」ところだ。つまり、これはOpetであってOpethではない、いやOpethであってOpetではない、そんな”一巡説”を考察として織り込みながら本作を聴けば、より一層楽しく面白く聴けるに違いない。これはもはや-君はどれだけオペットゥを理解しているか?君はどれだけプログレを理解しているか?-これはオペットゥからオペサーへの挑戦状です。だから今さらメタルだメタルじゃないなんて言ってる輩には回答権すら与えられていないんです。

・・・しっかし、ミカエルって本当にドSだよなぁって、絶対に”攻め”だよなぁって。ここで、あらためて宣言しよう!今年のトレンドは”ホモ”だ!この『Pale Communion』を今年のBESTに挙げる奴らはホモだ!俺もホモだ!お前ら全員ホモダチだ!

(PS. ミカエルへ、訴えないでください)

ペイル・コミュニオン
オーペス
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Extol 『s/t』 レビュー

Artist Extol
Extol
Producer/Mixed/Mastered Jens Bogren
Jens Bogren

Album 『Extol』
Extol

Track List
01. Betrayal
03. Wastelands
05. Faltering Moves
06. Behold The Sun
07. Dawn Of Redemption
08. Ministers
09. Extol
10. Unveiling The Obscure

MantricBenea Reachのメンバー擁する、今年で結成20周年を迎えたノルウェーはオスロ出身の三人トリオ、Extolの約8年ぶりの復活作で通算五作目となるセルフタイトルの『Extol』なんだけど、これがまたプロデューサー/エンジニアに俺たちのイェンス・ボグレン、アートワークにかのトラヴィス・スミス氏、そして今ッ北欧で最もキテるレーベルIndie Recordingsからのリリースということで、なんかもう以下の条件だけで聴く前から良作が確定してるようなもんで、案の定その内容も凄かった。

 その音楽性としては、同郷のLeprousの3rdBilateralを彷彿とさせる”70s-Prog”成分配合のノルウェイゲン・ブラック/アヴァンギャリズムやゴジラ直系のグルーヴ/スラッシュ成分、Fear Factory風のマシナリーな音の質感やオペにゃん直系の大胆な展開力を兼ね備えたエクストリーム系プログ・メタルやってて、同郷のイーサン叔父貴や魔人EnslavedBorknagarそして同レーベルのIn Vainを筆頭としたその手のイェンス産プログレ・ブラックやPT周辺のUKプログレ勢を連想させる、いわゆる”70s”の香り漂う仄かにサイケでユウゲンな【ATMSフィールド】を展開するクリーン・パートだったり、Cynic風のフュージョンちっくな泣きのGソロだったり、要するにイェンス・ボグレンが大得意とするスタイルそのもの...ってな感じの音楽性。で、ヘタしたら同じくイェンスが手がけたIn Vainの新作Ænigma以上の傑作、ヘタしたら年間BEST行きの可能性も大アリの内容で、これには”やっぱイェンスってスゲーわ”...と同時に”やっぱノルウェイ界隈おもすれー”ってなった。当然、今回はイェンスが手がけてると知って初めて聴いたナニがあったんだけど、これが予想外にツボな音楽性で、その内容もセルフタイトルを掲げるに相応しい良作で大変嬉しく思っている。なんつーか、Leprousが新作Coalで失ってしまったあの頃の”ノルウェイゲン魂”を受け継いでる感あるし、そのレ・プラスよりも変拍子を多用したテクニカルかつブルータルなリフで目まぐるしく複雑に展開していく、メンの確かな技量に裏打ちされた存外タイトでグルーヴィな変態技巧派エクストリーム・ミュージックは凄まじく圧倒的。

 とりあえず頭の#1”Betrayal”と#2”Open The Gates”からして、なんかもう問題『イェンス・ボグレン先生が大好き♥な曲を作りましょう』という問の”答え”みたいなもんで、この二曲を聴いた時点で良作を確信するレベル。で、Gojira直系のスラッシーな鬼グルーヴを発揮する#3やメロデスラッシュな#4、笑えるぐらい泣きまくりのGソロが聴きどころの#5”Faltering Moves”、そしてチェロの音色が優美に彩るシブい良質インストの#7”Dawn Of Redemption”から流れ変わったな。再びチェロ×アコギが織りなす優美なイントロから、レロレロレロレロトレモロ・リフやまるでICS Vortexが憑依したかのようなクリーン/コーラスをブラストに搭載して”ノルウェーサイコーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!”とかいう奇声を発しながら疾走するタイトルトラックの#9”Extol”はバンド名を掲げるに相応しい名曲で、その#9と組曲となる本編ラストの#10”Unveiling The Obscure”まで全10曲トータル約45分、AOR風のクリーン/チェロを擁した泣きメロと変態テク/プログレとエクストリーム/スラッシュのバランス感覚が絶妙で、序盤の勢いを保ったまま頭から尻尾まで、むしろ後半(#7)から本気出してくるという濃すぎるぐらいの内容。しかもボートラの”Sting Of Death”も何故ボートラなのか不思議に思うぐらいの良曲。そんな感じで、もはや当ブログWelcome To My ”俺の感性”の読者のためにあるような作品だし、今ッ最もアツいノルウェイ界隈を象徴するかのような一枚。文句なしにオススメ。 

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Riverside 『Shrine of New Generation Slaves』 レビュー

Artist Riverside
Riverside

Album 『Shrine of New Generation Slaves』
Shrine of New Generation Slaves

Track List
01. New Generation Slave
02. The Depth Of Self - Delusion
04. We Got Used To Us
05. Feel Like Falling
06. Deprived (Irretrievably Lost Imagination)
07. Escalator Shrine
08. Coda

     『NEXT-Riverside』=『70s×70s

初めに、前作Anno Domini High Definitionのレコーディングに全面協力したSzymon Czech氏が昨年お亡くなりになしました。心よりご冥福をお祈りします。

・・・さて、ここからが本題で、ポーランドが世界に誇る現代の”プログレサイボーグ”こと、Riversideの約3年ぶりとなる5thフル『Shrine of New Generation Slaves』通称”SoNGS"なんだけど、日々行き交う人々の背中を痛烈に映し出した前作の4th『Anno Domini High Definition』といえば、アカ色が淡いネオンのように輝くジャケが醸し出す共産主義的な雰囲気やスタイリッシュッ!!かつソリッドッ!!に研ぎ澄まされたリフリフアンドリフそしてマリウス・デューダ君の”ロック・ボーカリスト”としてのポテンシャルを爆発させた歌パートからも理解ッできるように、”楽曲そのもの”の根本的なつくりが過去三部作とは一線を画していた。その”変化”に当初は少し戸惑いもあったが、良い意味でイナカ臭い初期の陰鬱プログレ(1st&2nd)からの脱却を図り、作品を積み重ねるにつれ緩やかにオルタナ/モダン化(3rd)していく流れの中で、その適応力の高さとバンドの底知れぬポテンシャル/エネルギーを爆発させた結果→まさに”新しいRiverside”すなわち”NEXT-Riverside”の幕開けに相応しい傑作(4th)が誕生したわけだ。この4th『ADHD』でやってる”Pink Floyd的70s-Progressive”と今風の”オルタナティブ・モダン・ヘヴィネス”を融合させたバンドって、何気にコイツらが初めてなんじゃねぇ?って気がするし、実際に初めて聴いた時はそらもう『アスペ』になりそうなぐらいの衝撃を受けた。その傑作から約3年半の沈黙を破り、本作で”NEXT-Riverside”その(第二章)が始まるわけなんだけど、とりあえず、デジタルシングルとして先行公開されたCelebrity Touchを聴いて驚愕した。ギタリストピョートル(弟)が奏でるオーガニックなGリフと最年少のMichał Łapajによる鍵盤/ハモンド・オルガンが織りなす”70s大好き♥”な音を基本の世界とした、Deep PurpleRainbowなど往年の”クラシック・ロック”を露骨に彷彿とさせるブルージーな音使いに度肝を抜かれるんだが、その”70sセカイ”に本来のRiversideらしいPink Floyd大好き♥な”モダン・アート/ポスト・プログレッシブ”の感性を自然な形で溶け合わせたような、今までに”ありそうでなかった”斬新な曲調で、コレ聴き終えた後に(なるほど...これが”NEXT-Riverside”の姿かッ・・・!う~ん面白いッ...実に面白いッ!)って、ある種の”カタルシス”を感じたほど。で、この曲自体は”至ってシンプル”な構成なのにも関わらず、ここまで味わい深く、ここまで素直に”interestingッ!!”な気分にさせてくれるんなんて...やっぱ持ってるモノが他と違うんだろうね、って。作品を重ねる毎に着実に深化し、失敗を恐れず常に新しいものへと変化していくクリエイティヴッ!!な姿勢は、まさに”プログレ”と呼ぶ以外他にナニと言っていいのか分からない。平然とした顔で、俺たちの想像を遥かに超えてくる。早くも今年のBESTが確定したようなもんで、今はもうタメ息しかでない・・・。やっぱこの人たちスゲーです、としか。

 『RiversideはPink Floydを超えた(再びッ!!)』

 毎度お馴染みのトラヴィス・スミス氏が手がけた本作の鬱々しいジャケ、一見すると初期三部作の陰鬱kawaii路線に回帰した印象を与える。確かに、初期の名曲”Conceiving You”や”I Believe”を連想させる#4”We Got Used To Us”で聴かせるような、初期を彷彿とさせる儚くも美しいフェミニンなボーカルのメロディは前作よりは豊富に存在する。が、しかし基本的にはあくまでも4th『ADHD』とEPMemories in My Headからの”モダン”な流れを着実に踏襲した、”ジャジー&ムーディ&ロマンティック”そして”モダンアート””70s-Progressive Rock”を繰り広げていて、そんな本作”SoNGS”を象徴するかのような#2”The Depth Of Self - Delusion”と#6”Deprived (Irretrievably Lost Imagination)”には、祝杯をあげながら「俺たちのエロぃRiversideが帰ってキター!」と言わざるを得ない。当然、『ADHD』のような”躁鬱病ばりに派手なノリ”と”オルタナティブ・モダン・ヘヴィネス”成分は大きく影を潜めている。が、より本来のRiversideらしくもあると同時に俄然洗練された”プログレッシブなロック”を、彼ら本来の立ち位置=初心に立ち返ったように活き活きと楽しく音を鳴らしている。なんというか、4th以外の作品のミックス/マスター/プロデュース面を手がけているMagda SrzednickaRobert Srzednickiのコンビが復帰しているトコを見ても、前作からメタリックなリフだけをブッコ抜いたモダンでスタイリッシュなサウンドおよび感性をもって初期作品のイメージへと回帰した作風というか...まぁいつも通りのRiversideですw

         『ノマドと社畜』

 この作品の一つのテーマでもある、所詮人間は『眠れる奴隷』でしかないという本作のタイトル『Shrine of New Generation Slaves』が示すとおり、ハケンや社畜が権力者に支配されるこのクッソみたいな現代の資本主義社会を痛烈に皮肉り、前作に引き続き本作は死神に取り憑かれたような社畜のドス黒い背中を痛烈に描き出している。そして社会/組織という名の鎖に縛られた顔のない奴隷(カオナシ)に対して、まるで「社畜どもーーーーーーーーーーーーーーーーー!!大好きな労働の時間だあああああああああああああああああああああああああああああああああああ」とばかり、言うなればRiverside流の労働讃歌を歌った作品でもあるんだ。本作の大きなリリックテーマである『ノマドと社畜』は、西欧と東欧の文化が行き交い、長きにわたって共産主義の歴史を経験したポーランド=中東欧出身のバンドだからこその説得力があって、より一層その世界観に深く入り込むことができる。そしてマリウス・デューダという人物の『思想』そして『信条』を改めて再確認したと同時に、これぞ本物のアーティストやと(確信) ポニョ、マリウスきゅん、大好きッ!!

『I am a free man, but I can't enjoy my life』

 社畜の朝は早い。その主人公の社畜を叩き起こすかのようなタイトルトラックで、シンプルながらも小気味良くて軽快なプログレを手軽に楽しませる#1”New Generation Slave”、マリウスきゅんの儚くも哀愁を帯びた歌声から溢れ出す”男の色気”もしくは”男のフェミニズム”を中心に、スパニッシュなシブいアコギやウクレレを要所に挟みながらプログレッシブに展開する#2”The Depth Of Self - Delusion”は、後半からのポストロック風味の叙情パートが素晴らしい。冒頭の『70s×70s』セカイにトリップさせる#3”Celebrity Touch”はマリウスきゅんのGoッ!!&Come Onッ!!という威勢のいい煽りからの~ガッツリと音圧を盛ったレトロなヘヴィネスがキモティぃ!!MVの内容は「サイレントヒルのクリチャーの正体は実は社畜ゾンビだった」というお話。 本作の中では一番初期っぽい”哀愁と叙情”の香りを漂わせる#4”We Got Used To Us”、前作のEPに近い曲調およびモダンな雰囲気のある#5”Feel Like Falling”、#2に近い幽玄薄暗ポストロッキンな質感のある#6”Deprived”のソプラノ・サックスを使った後半のダーティっぷりには「シブイねェ… まったくおたくシブイぜ…」としか。そして約13分ある大作の#7”Escalator Shrine”は、2ndの『Second Life Syndrome』を彷彿とさせるイントロからジャジー&ムーディに展開する序盤、4分半以降のプログレメタル化する中盤、まるで新しい門出を祝うかのようなマリウス君の「But we can’t stop But we can't stop,」という言葉に勇気づけられた主人公の社畜は、足の引っ張り合い蹴落とし合いの社会から一足先に脱出し、『自由』と『繁栄』を手に入れた社畜は遂に『ノマド』となるッ!!・・・という感じのクライマックスを迎える。で、本編ラストの#8”Coda”は#5の歌メロをアルペジオに乗せたシンプルな曲。本編全8曲トータル約51分の労働時間で、サービス残業もといボーナス残業を入れると約73分ほど。前作の『ADHD』は全5曲トータル44分で一つの楽曲的なイメージが強かったけど、本作は初期の薄暗系Riversideらしい曲から今までにない斬新な曲まで、過去最高にバラエティに富んだ楽しみ方ができる。Disc 2に収録されたボートラのニカ/アンビエント系インスト”Night Session One&Two”は、ほぼマリウス君のソロプロジェクトLunatic Soulの延長線上にあるモノといっていいぐらいの聴き応え。特に”Night Session - Part Two”の方ではサックスとアンビエンスが織りなす幻想的なセカイに浸れること請け合い。

 もはや”俺の界隈”の”新”二強と呼べる存在、Colt of LunaRiversideが互いに引かれ合い同調するかのように”70s回帰”し、まさかの両者”Pink Floyd超え”したのは実に面白い出来事で、これはもう”俺の界隈”の世代交代がはじまったと言っていいかもしれない。2013年に入って間もないが、今年のワンツーフィニッシュはほぼ確定かッ!? というわけで、このRiversideとかいう”傑作”しか生み出さない現代の”プログレサイボーグ”、僕は好き♥

俺の界隈の再構築...フェーズⅡ...完了

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Riverside
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Cult of Luna 『Vertikal』 レビュー

Artist Cult of Luna
20世紀少年

Album 『Vertikal』
Vertikal

Track List
01. The One
03. Vicarious Redemption
04. The Sweep
05. Synchronicity
06. Mute Departure
07. Disharmonia
08. In Awe Of
09. Passing Through

  『Cult of LunaはPink Floydを超えた』

北欧スウェーデンが誇る”IKEA大好きインテリ集団”もとい”20世紀少年”こと、Cult of Lunaの約五年ぶり通算六作目となる待望の新作で、これまでのEarache Recordsからノルウェイの大手Indie Recordingsへ移籍第一弾ッ!!その名も『Vertikal』なんだけど、本作は1927年に公開されたドイツのフリッツ・ラング監督によるSFサイレント映画『メトロポリス』を題材としたコンセプトアルバムらしく、その劇中で描かれる”ディストピア未来都市”さながらのスピリチュアルかつ近未来的な世界観が、必然的に本作の歌詞や音にまで深く影響している。で、気になるその作風なんだけど、まるでKing Crimson『宮殿』を守護する暗黒魔帝=Cult Of Lunaを地獄の底から呼び起こすかのようなエレクトロニカ系インストの#1”The One”に次ぐ#2”I: The Weapon”を聴く限りでは、感覚として前作の5th『Eternal Kingdom』の延長線上にありながらも、まるで今は亡きポストメタル界の皇帝Isisに捧げるような、”CoL流のあのキザミ”から”70s-Progressive”の異世界へとトリップさせるキーボードの音色まで全てがIsisリスペクトで、もはや皇帝Isisから『ポストメタル界の王』の座を継承するかの勢いで、ドラマティックかつエモーショナルそしてプログレッシブな”覇道のPost-Metal”を、約5年という長いブランクを微塵も感じさせないほど、威風堂々としたたたずまいで唯一無二の存在感を誇示する。が、問題は次の約19分ある超大作#3”Vicarious Redemption”で、漠然とした曲のイメージとしては前作の”Eternal Kingdom”や”Ghost Trail”を連想させる、幽玄かつ荘厳な世界観と宇宙規模で展開される圧倒的なスケール感をありのまま素直に倍増させたような、要するにこれはもうCoLが秘めた音エネルギーの全てを集約したような楽曲で、当然っちゃ当然かもしれないが、まさに一本の映画を観ているかのような超スペクタルな音世界を繰り広げている。つうか、正直なところド低脳のおいらにはちょいと理解ッしがたい、まるで暗黒物質が無数に蠢く宇宙空間を永遠に彷徨い続けるカーズ様になったような気分を疑似体験させ、そして『Cult of Luna(前田敦子)はPink Floyd(キリスト)を超えた』とかいう遺言を残し、カーズは遂に考えるのをやめた...くなるほど知的なインテリDTセカイを構築してて、特に11分から”Wob Wob Wob”と突如ダブステップ化する超展開には”ファッ!?”ってなること請け合いだし、その”Wob Wob”を合図に”漆黒の意志”が込められた”暗黒エネルギー”と”epicッ!!”に瞬き煌めく”生命エネルギー”が混沌と渦巻く、まるでスーパーノヴァッ!!の如し爆発的な展開すなわち”狂気と耽美(ロマン)”が蠢く『暗黒地獄絵巻』...そう、もはやブラックホールに限りなく近い”ナニか黒い玉”=”ガンツ”が突如として目の前に出現し、俺たちの心と身体そして精神の全てを喰らい尽くす・・・(点数 1点 インテリDT)。これ聴いてると、なんかもう『Cult of Lunaは哲学』とでも言いたい気分になる。この#3が表現するように、もう一つの傑作SF映画『2001年宇宙の旅』『惑星ソラリス』を初めて観た時と同じように、一回観て聴いただけでは本作のカラーや全体像は依然ボヤけたままで、これまでの作品の中で最も”ツカミ”づらく難解な作品だという事が理解ッできる。しかし、近年Cult of Lunaを今や北欧一の”インテリ頭脳派集団”へと仕立てあげた一番のキーマンといっていい、2003年に加入したAnders Teglund君によるkey/サンプリングの大胆な起用が、本作のコンセプトである”ディストピア未来都市”その世界観の形成に非常に大きな役割を担っていることは確かな事実で、今までにないくらい特にサンプリングの音を職権乱用した本作における彼の存在感は、もはや今のCoLを語る上で欠かす事のできない、バンドの”絶対的な裏の支配者”その証明と言える。その一つの証明と言っちゃあなんだが、#3の”Wob Wob”は完全に彼の独断によるもの。てか、なんか#3聴いててふと思ったんだけど、CoLとSW先生って結構相性イイんじゃね?って。

インテリ頭脳派集団

 そこはかとなく”クラシック”なニオイが漂う本作品、聴き終えてみると初っ端の#2”I: The Weapon”が一番わかりやすい”プログレッシヴ・ヘヴィ”してたというか、皇帝Isis『Wavering Radiant』を彷彿とさせるメタリックな”あのキザミ”リフやスラッジーな轟音ヘヴィネス、ポストロック然としたリリシズムそしてCoLらしい繊細緻密なメロディが絶妙なバランスで共存した、まさしく”Post-Metal”のお手本のような楽曲で耳によく馴染む。んだけど、個人的には#8”In Awe Of”が一番好きだったりする。この曲は5thの『Eternal Kingdom』に収録されてても別に違和感なくて、なんつーか、俺たちが求めるCoLの全てが詰まってる感じ。で、近未来機械都市にトリップさせるkey/サンプリングとGリフの反復運動が一ミクロンもズレのない精密機械のように動く#5”Synchronicity”、ドローン/ドゥーム/スラッジ大好き♥な轟音の壁を形成する#6”Mute Departure”はアウトロのキザミリフが”ああ~イイっすねえ~”。サイレントヒル系ホラーMVが見どころの本編ラストの#9”Passing Through”は、True Widowを彷彿とさせるヤンデレ系アトモスユウゲンサウンドとギタリストFredrik Kihlberg君のシブエモい歌で展開する曲で、これまでの現代と1920年代を時空を超えて旅するユートピア体験の余韻を残して、この神秘的な『幻想魔伝Cult of Luna物語』の幕を閉じる。なんだかんだ、#2を筆頭に#5&#6そして#8で聴けるような”CoL流あのキザミ”リフを多用してるってトコだけで個人的に大満足だし、それだけで脳汁垂れ流しながら手放しで褒めれます。まさかまさか、CoL君から”あのキザミ”が聴けるとは思わんかった。やっぱコイツらのリフセンスってハンパない。ぶっちゃけると、本作の実質曲数的な意味でも重さ的な意味でも若干の物足りなさを感じるトコもあったが、その不満を絶妙にカバーするかのようなボートラの”The Flow Reversed”も本編に劣らない出来で◯ なにはともあれ、約五年という長い沈黙の間に蓄積された鬱憤を晴らすかのような、北欧に棲む職人芸とやらをまざまざと魅せつけられた気がした。と同時に、こんな美しくも奇怪そして”スゴ味”のある音楽創れるバンドって今やCoL君しかおらんよなぁと、妙に”納得ッ”した一枚でもある。

NEXT-Cult of Luna

 上記の新アー写を見ても分かるとおり、今回はナニカシラの理由により(詳細は不明だが、どうやら本作の歌割りもしくは作風?が気に入らなかったらしいとかなんとか)、専属ボーカリストであるKlas Rydberg君が不在つまり事実上の脱退という結果に。なので本作は今やバンドの”生命線”=”心臓部”であるJohannes Persson君が全てのリードボーカルを担当している。そのJohannes君とデビュー作から本作までほぼ全ての作品のエンジニア/ミックス/マスタリングを手がけているMagnus Líndberg君と並んで貴重なオリメンの一人だったKlas君の脱退は非常に残念な事ではあるが、個人的にJohannes君がギターを抱えながら野獣のように生々しく咆哮する姿が地味に好きだったりするんで、というか、前作の時点で既にリードボーカルの立場変更的なニオイもしくは伏線みたいなのはあったんで、今回の件に対して別段驚いたというわけでもなかった。それは前作に伴うLive映像を観てても顕著に感じた事だし、こういう結果になる事は他のメンバーも何となく予想はしてたんだと思う。何を今更、といった感じで。けど安心して欲しい、彼Klas君は#4”The Sweep”のみではあるが、この魂燃え尽きるまで「JohannesのクソDT野郎おおおおおおおおおおおお」とばかり、その存在感をトータル”10叫び”ぐらいで示している。そして彼Klas君のアツい咆哮を聴くと今でも思い出すんだ、”俺の感性”Cult of Luna”引かれ合い”を。彼らの存在を知るキッカケとなった、名盤3rdに収録されたLeave Me Hereを初めて聴いた時の”衝撃”は今でも忘れられないし、スゴ味のある彼の『魂の雄叫び』はもはやバケモノに近いナニか以外の何者でもなかった。脱退した今はもう「お疲れ様でした...」それしか言う言葉が見つからない...。

   『Vertikal』=『現在進行形プログレ』

 このCult Of Lunaというバンド、初期の頃は”初期衝動”に身を任せた脳筋スラッジだったが、作品を重ねる毎に+新メンバー加入の影響により”知性”が芽生えたオルタナ系ポストメタル/ポストハードコア寄りのサウンドへと緩やかに変化を遂げ、いわゆる”Post-Metal”という界隈およびジャンルの不動の地位を確立する事に成功した3rd『Salvation』と4th『Somewhere Along the Highway』、このポストメタル界を代表する二つの傑作で築き上げた公務員ばりの”安定”を拒絶し、”NEXT-Colt of Lunaのビジョンを貪欲に追い求めた結果→”ポストメタル”という従来の立ち位置から”プログレ”という未知なる無限の”可能性”を見出した彼らが導き出した、”現代的なプログレ”というたった一つのシンプルな”答え”その完成形が本作の『Vertikal』なわけだ。この常にクリエイティヴッ!!なIKEA大好き♥な姿勢すなわち前衛的かつ哲学的なナニかは、まさに”プログレ”と言う他に例えようがないです。今やUlverさんと同じベクトルで語られるべきといっても過言じゃあない、それぐらい”孤高”と呼ぶに相応しいバンドとなった。なんつーか、いわゆる”俺の界隈”に生息するアイツもコイツも最終的に行き着く場所というのは...やはり”プログレ”なんですね、って。もはや本作のコンセプトを理解ッしたかどうかなんてどーでもいい話で、『Vertikal』=『現在進行形プログレ』だという”結果”があれば、全ての物事に対して”納得ッ”は生まれるわけで、要するにそれでいいんです、それで。

     Cult of Luna=『Epic Kings』

 昨年、いわゆる”俺の界隈”の二強その一角を担っていたスウェーデンの皇帝KATATONIAの新作死の王により突如として発生した”サード・インパクト”すなわち”俺の界隈の崩壊”...その補完計画として立ち上げた一大プロジェクト=”俺の界隈の再構築”の手初めに、文句のつけようがない傑作を”俺の界隈”へと送り届けてくれた彼らに感謝すると同時に...これにてCult of Lunaがスウェーデン界隈の新皇帝すなわち『Epic Kings』を襲名するッ!!つーわけで、迫り来るバレンタインに備えて、みんなでカルト君を聴いてインテリDT気取ってモテモテになっちゃおう!どーでもいい事だけど、おいら、数あるアーティストのアー写の中でも、CoL君のこの(一番上の)アー写が一番好きですwつうか、カルト君のアー写はどれも北欧的なセンスというか味があって好き♥

”俺の界隈の再構築”...フェーズⅠ...完了

 
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Witchcraft 『Legend』 レビュー

Artist Witchcraft
Witchcraft

Album 『Legend』
Legend

Track List
01. Deconstruction
02. Flag Of Fate
03. It's Not Because Of You
04. An Alternative To Freedom
05. Ghosts House
06. White Light Suicide
07. Democracy
08. Dystopia
09. Dead End

”スウェーデンのThe Sword”こと、北欧スウェーデンはエレブルー出身の五人組、Witchcraftの約5年ぶりの最新作で、Nuclear Blastへ移籍して初のリリースとなる通算四作目『Legend』なんだけど、何やら”ぼくたちのボグボグお兄さん”ことイェンス・ボグレンがプロデューサーとして本作に携わっているらしいので、さっそく聴いてみた。おいら、彼らの作品を聴くのは初めてで、実際に耳にして驚いた、まんまThe Swordだった。特に70sを意識したボーカルやオーガニックなGリフそして音作りまでソックリさん。どうやら過去にThe SwordとのSplitをリリースしてると知って、納得ッ。ヘタしたらThe Swordの最新作Apocryphonよりも”The Swordらしい”と呼べるサバス直系の伝統的なHR/HMやってる。けど、The Swordよりも露骨にプログレ寄りのレトロな音だったり、北欧生まれらしい哀愁を帯びた歌や仄かに香る独特の情緒感は、The Swordとの差別化というよりも、Witchcraft独自の特徴というか個性として楽しむことができる。先日紹介したYear of the GoatAngels' Necropolisの後に聴くと、アッチがチープに感じるぐらい、コッチのがスゲー本物っぽく聴こえる。それほど本格的な70sサウンドを終始展開している。その中でも、ミドルテンポでズッシリと腰を据えたイントロのリフで始まった直後にボーカルと共に疾走感を増々、中盤からはプログレ/サイケなアプローチを魅せる#1、イェンス産らしいメロドゥーム寄りのリフというかその手の感覚がある#4、場面場面で垣間見せるレトロなプログレ感が小気味良いアクセントとなっている#5、序盤の緩やかな流れから一転して中盤からドゥーミッシュなリフが押し寄せる#6、そしてイントロから70sムードに惹き込まれる#8と唯一の10分超えとなる本編ラストの#9の流れは見事。で、#9はアグレッシヴなキザミリフや情緒のあるアコギなんかは、ココぞとばかりにイェンスの腕の見せ所、って感じ。あと国内盤に収録されたボートラがオルタナ的なアプローチがあって地味にいい。そんなわけで、所々にボグボグ兄さんの存在を意識させる音使いには(ニヤリ)とせざるを得ないが、それを含めて至ってシンプルに質の高い伝統工芸のHR/HMやってるんで、聴いて損はないです。個人的には、The Swordの新譜より好み。

Legend
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