Artist So Hideous
Album 『None But a Pure Heart Can Sing』
Tracklist
Album 『None But a Pure Heart Can Sing』
Tracklist
01. Souvenir (Echo)
02. The Emerald Pearl
03. Intermezzo (3)
04. Motorik Visage
05. From Now (Til The Time We're Still)
何やら2021年の「Spotifyまとめ」によると、今年自分が聴いた音楽ジャンルのランキング2位がブラックゲイズとのことで、しかしひとえにブラックゲイズと言ってみても今やブラゲも多様性のあるサブジャンルと化しているのも事実。この手の界隈を代表するDeafheavenのようなポストメタル系ブラックゲイズ、sonhos tomam contaやParanoulのようなサブカル同人系サブラックゲイズ、Portrayal of GuiltやViolet Coldのようなアンチクライスト系ブラックゲイズなど。そんな中、このニューヨークはブルックリン出身のSo Hideousもブラックゲイズの多様性を象徴するバンドの一つと言っても過言ではない。
彼らは2013年にデビュー作となる『Last Poem / First Light』を発表、その二年後にリリースされた2ndアルバム『Laurestine』では、1stアルバムの延長線上にある初期のDeafheavenやInfant Islandを連想させる激情ハードコア/スクリーモ系のブラックゲイズを主体に、彼らのアイデンティティとも呼べるシンフォニックメタル顔負けの壮大なオーケストレーションをはじめ、同郷のLiturgyとシンクロする大聖堂に響き渡るかの如しチェンバーミュージック然としたピアノ/ストリングスが恍惚な旋律を奏でる美しい轟音でブラゲシーンのド肝を抜いた(さしずめブラックゲイズ化したJuniusみたいな)。
そんな前作から約5年ぶりとなる3rdアルバム『None But a Pure Heart Can Sing』は、彼らの長所とも呼べるチェンバーミュージック的な美しさにより磨きをかけながらも、着実な進化を伺わせる俄然ポストメタルとしてのスタイルが強調された作風となっている。それこそアルバムの入りからして、Ulverが地元のオーケストラとコラボした『Messe I.X-VI.X』顔負けの不穏な空気を漂わせる無慈悲なチェンバーミュージック的でありながら、Convergeとチェルシー・ウルフのコラボアルバムを彷彿とさせるポストメタル然とした轟音ヘヴィネスやハードコア/パンクな咆哮が織りなす#1“Souvenir (Echo)”は、プログレッシブな流動性とカオティックな混沌を内包した、少なくとも過去作とは一線を画す一曲となっている。
一転して、ケニー・G顔負けの扇情的かつアヴァンギャルドなサックスを『カウボーイ・ビバップ』ばりにフィーチャーした#2“The Emerald Pearl”、前半パートの俄然ポストロック/ポストメタル然とした轟音からブラックゲイズ界のイコンであるDeafheavenの名盤『サンベイザー』とシンクルするピアノと優雅なストリングスがクソサイテーな世界を美しく彩る後半に分かれた#3“Intermezzo (3)”、ここでようやくブラックゲイズらしさと映画のサントラ並にクラシカルなストリングスが出会い愛憎にまみれた狂奏曲を描き出す大作の#4“Motorik Visage”は本作のハイライトで、その壮絶的な大作のエンディング的な役割を担うイントロのピアノから終始恍惚の旋律を奏でる#5“From Now (Til The Time We're Still)”まで、とにかく「冷静に考えて凄くないかこのアルバム?この5年に一体何があった?」と邪推不可避なくらい、もはや最高傑作だとかそんな生半可な言葉じゃ説明できないくらい、ちょっとバンドとして覚醒しちゃってる気がする傑作。
一転して、ケニー・G顔負けの扇情的かつアヴァンギャルドなサックスを『カウボーイ・ビバップ』ばりにフィーチャーした#2“The Emerald Pearl”、前半パートの俄然ポストロック/ポストメタル然とした轟音からブラックゲイズ界のイコンであるDeafheavenの名盤『サンベイザー』とシンクルするピアノと優雅なストリングスがクソサイテーな世界を美しく彩る後半に分かれた#3“Intermezzo (3)”、ここでようやくブラックゲイズらしさと映画のサントラ並にクラシカルなストリングスが出会い愛憎にまみれた狂奏曲を描き出す大作の#4“Motorik Visage”は本作のハイライトで、その壮絶的な大作のエンディング的な役割を担うイントロのピアノから終始恍惚の旋律を奏でる#5“From Now (Til The Time We're Still)”まで、とにかく「冷静に考えて凄くないかこのアルバム?この5年に一体何があった?」と邪推不可避なくらい、もはや最高傑作だとかそんな生半可な言葉じゃ説明できないくらい、ちょっとバンドとして覚醒しちゃってる気がする傑作。