Artist Messa
Album 『Close』
Tracklist
追い込み馬並にスロースターターなドゥームメタル然とした冒頭から一転して、逃げ馬のごとしBPMのギアを上げてストーナーロック然とした「動き」のあるムーブで砂を駆ける#2“Dark Horse”、ゲストミュージシャンによるイントロのサックスソロを皮切りに、アラブ諸国の民族楽器であるウードやダルシマー、そしてアルメニアやアゼルバイジャンの民族楽器であるドゥドゥクが織りなす、それこそジャバンノリもといJambinaiを想起させる民族音楽的なトライバリズムを垣間見せる#3“Orphalese”、MastodonやBaronessを連想させるプログレッシブな展開力を発揮するストーナーロックの#4“Rubedo”、短尺インストの#5“Hollow”のオリエンタルな流れを引き継いで、そして本作のハイライトを飾る#6“Pilgrim”では、アマゾンの奥地に棲む未接触部族に伝承する密教的なリチュアリズム、伝統的なドゥームメタルというよりはThouやニューロシス的なスラッジ/ポストメタル寄りの重厚なヘヴィネスが織りなす、それこそTOOLや在りし日のOpethに肉薄する一般的なドゥームメタルとは一線を画す緩急を効かせたプログレスな展開やドラマ性を孕んだエクストリーミーな楽曲構成は、ただのトラディショナルなドゥームメタルへの回帰にとどまらない、現代的(モダン)なトレンドを正確に捉えた彼らの審美眼の高さを裏付ける一曲となっている。
MastodonやBaronessらのハードコア由来のストーナーロックをはじめ、それこそボストンのConvergeにも精通するハードコア・パンクならではの破天荒なリフメイクはMessaの「めっさいい」ところの一つで、そんなMessaの動的な側面を体現する#8“If You Want Her To Be Taken”のアウトロにおけるブラックメタル然とした悪魔的な黒魔術を唱える勢いに乗って、俄然カオティック/ハードコア・パンク然としたエクストリームーブを1分弱の中に集約した#9“Leffotrak”など、とにかく「めっさイイ」以外の言葉が見つからないくらいの完成度。
Album 『Close』
Tracklist
01. Suspended
02. Dark Horse
03. Orphalese
04. Rubedo
05. Hollow
06. Pilgrim
07. 0=2
08. If You Want Her To Be Taken
09. Leffotrak
10. Serving Him
「Messaめっさ(Messa)いい!」みたいなしょうもないダジャレしか思いつかないくらい、イタリアはヴェネト出身の4人組、Messaの3rdアルバム『Close』がめっさ良い件について。というのも、本作の幕開けを飾る#1“Suspended”からして、古き良きトラディショナルなドゥームメタルを源流としながらも、ネオ・プログレ/サイケやブルース/ストーナー・ロック、そしてダークジャズやフュージョン等の多彩な表情を兼ね備えたヴィンテージなサウンド・スタイルと、いかにもこの手のヘヴィサイケに映える紅一点フィメールボーカルのサラによる呪詛を唱えるかの如し妖艶な歌声が、そのオカルティズムに溢れた(それこそPS版『ワールド・ネバーランド』的な)スピリチュアルでミステリアスな異世界を司(祭)る祈祷師さながらの怪異的な存在感を放っている。なんだろう、例えるならスウェーデンのPaatosやCynicの前身バンドのPortalがドゥームメタル化した感じと言ったら変だけど。
追い込み馬並にスロースターターなドゥームメタル然とした冒頭から一転して、逃げ馬のごとしBPMのギアを上げてストーナーロック然とした「動き」のあるムーブで砂を駆ける#2“Dark Horse”、ゲストミュージシャンによるイントロのサックスソロを皮切りに、アラブ諸国の民族楽器であるウードやダルシマー、そしてアルメニアやアゼルバイジャンの民族楽器であるドゥドゥクが織りなす、それこそジャバンノリもといJambinaiを想起させる民族音楽的なトライバリズムを垣間見せる#3“Orphalese”、MastodonやBaronessを連想させるプログレッシブな展開力を発揮するストーナーロックの#4“Rubedo”、短尺インストの#5“Hollow”のオリエンタルな流れを引き継いで、そして本作のハイライトを飾る#6“Pilgrim”では、アマゾンの奥地に棲む未接触部族に伝承する密教的なリチュアリズム、伝統的なドゥームメタルというよりはThouやニューロシス的なスラッジ/ポストメタル寄りの重厚なヘヴィネスが織りなす、それこそTOOLや在りし日のOpethに肉薄する一般的なドゥームメタルとは一線を画す緩急を効かせたプログレスな展開やドラマ性を孕んだエクストリーミーな楽曲構成は、ただのトラディショナルなドゥームメタルへの回帰にとどまらない、現代的(モダン)なトレンドを正確に捉えた彼らの審美眼の高さを裏付ける一曲となっている。
MastodonやBaronessらのハードコア由来のストーナーロックをはじめ、それこそボストンのConvergeにも精通するハードコア・パンクならではの破天荒なリフメイクはMessaの「めっさいい」ところの一つで、そんなMessaの動的な側面を体現する#8“If You Want Her To Be Taken”のアウトロにおけるブラックメタル然とした悪魔的な黒魔術を唱える勢いに乗って、俄然カオティック/ハードコア・パンク然としたエクストリームーブを1分弱の中に集約した#9“Leffotrak”など、とにかく「めっさイイ」以外の言葉が見つからないくらいの完成度。