Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

Djent

【次回予告】ゴジラゴジラゴジラがやってきた♪

Intervals 『The Shape of Colour』

Artist Intervals
バルス

Album 『The Shape of Colour』
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Tracklist
01. I'm Awake
02. Sure Shot
03. Fable
04. Sweet Tooth
05. Black Box
06. Slight Of Hand
07. Meridian
08. Libra

バルス! ・・・カナディアンジェント、Intervalsの2ndアルバム『The Shape of Colour』。2014年に発表したデビュー作A Voice Withinは、現Raunchyのボーカリストでex-The Haarp Machineで知られるマイクのUKメロコア然としたハスキーでエモーショナルなボーカル・パフォーマンスと、ジャズ/フュージョンやPost-系をはじめ多彩なアレンジを効かせたオシャンティなプログレッシブ系ジェントが高次元で融和した、それこそ2015年に解散を発表したUKエモ/ポストハードコア界のレジェンドFuneral for a Friendをジェント化したような、すこぶる良質なジェントコア作品だった。

雇われ ・・・オワコンと囁かれる昨今のジェント界を盛り上げるウレピー出来事といえば→界隈を牽引するUKのTesseracTが”ジェントは雇われ”というオキテを忠実に守り、目出度くダニエル・トンプキンス君が復帰したことだ。そんな追い風を受けて、そのジェント界で引っ張りダコの雇われ系男子ことMichael "Mike" Semesky擁するIntervalsの新作には俄然期待がかかる。まず1曲目の”I'm Awake”から、現代のギターヒーロートシン・アバシ率いるAnimals As Leadersをソフト&カジュアルにしたような、スタイリッシュなリフ回しで聴かせる爽やかなインストで、次の曲に期待がかかる。2曲目の”Sure Shot”は、前作でも垣間見せた静と動のコントラストを効かせたソリッドなインストで、次の曲に俄然期待がかかる。3曲目の”Fable”は、いわゆる「3度目の正直」ということで、今度こそマイクの歌声が入ってきた思ったらケニー・Gもビックリのサックスだった。4曲目の”Sweet Tooth”は、バケツ野郎ことBuckethead顔負けのユニークなギターの中にアコースティックなアレンジが光るインストで、次の曲に期待がかかる。5曲目の”Black Box”は、メロデスばりのハモリを見せる叙情的なツインギターが聴きどころのインストで、次の曲に期待がかかる。6曲目の”Slight of Hand”は、再び音のメリハリとアコギを取り入れた、そして見せ場のGソロからのアウトロの美メロという繋ぎの展開が見所のインストで、次の曲に期待がかかる。7曲目の”Meridian”は、まるで真っ白なキャンパスにアー写のようにカラフルな絵の具をぶち撒けたようなドチャクソエピカルなインストで、次こそはボーカル入の曲に期待がかかる。ラストを飾る”Libra”は、中盤のアトモスフェリックな音響パート以降の展開が素晴らしいインストで・・・

「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!」

バルス

オシャの会 ・・・気づくのおせーよって?へへへ。とにかく、またしてもジェントのボーカルは雇われの身であることを裏付けるような脱退劇で、しかもボーカルのマイクだけに留まらず他のメンバーも脱退し、残るは中心人物であるギタリストのアーロンただ独り。今作は、そのアーロンによるインストアルバムで、言うなればScale the Summitをはじめ、ジャニーズ系インストのPolyphiaPomegranate Tiger、今作にもゲスト参加しているPliniSithu Aye、そしてCHONなど、近頃賑わいを見せ始めているこの手のインスト集団、すなわち"オシャ会"の仲間入りを果たした一枚であると同時に、歌なしのインストでもイケちゃうバルス!のポテンシャルを垣間見せた一枚でもある。まるで十人十色ならぬの百人百色な図形が積み重なって、シャープなデザインと現代的な音像をもってカラフルなモダンアートを、それはまるで希望の虹を白いキャンパスに描き出し、そして万華鏡の如し無限に輝き放つ。とにかく純粋で前向きなメロディ、とにかく明るい安村ばりのメロディ重視のメロコア系インストで、確かにジェント成分は控えめだが、オシャフレーズや前作で随所に垣間見せていた流麗なソロワークを織り交ぜながら、約34分一気に駆け抜ける様は爽快感しかない。それもそもはず、Protest The Heroで知られるベーシストとex-Periphery現Darkest Hourのドラマーという実績のあるメンツをスタジオメンバーとして迎えているだけあって、音のグルーヴやアンサンブル、キレと疾走感を生み落とすその演奏技術にはぐうの音も出ない。正直なところ、ジェント界の良作請負人またの名をジェントクラッシャーことマイクがバンドを去って、一時はどうなるかと思ったけど、いざ蓋を開けてみると「安心してください、普通にカッコええインストやってますよ」。

SikTh 『Opacities』

Artist SikTh
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EP 『Opacities』
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Tracklist
01. Behind The Doors
02. Philistine Philosophies
03. Under The Weeping Moon
04. Tokyo Lights
05. Walking Shadows
06. Days Are Dreamed

復活 ・・・2001年にイギリスはワトフォードで結成された6人組のSikThは、2002年にEPの『How May I Help You?』で鮮烈なデビューを飾り、2003年には1stフルアルバム『The Trees Are Dead & Dried Out Wait for Something Wild』を発表、そして2006年に傑作と名高い『Death of a Dead Day』をリリースし、その破天荒で複雑怪奇な展開とラップ&ハイトーンのツインボーカルを駆使した、言うなればハチャメチャごった煮エクストリームおっぱいサウンドでリスナーのド肝を抜き、一瞬にしてその名をアンダーグラウンド・メタルシーンに轟かせた。しかし2008年に解散。今なお一部のフアンの中ではカルト的な、一種のレジェンド的なバンドとして崇拝されている。そんなドチャクソ変態クソ野郎が解散から約7年の時を経て、かのPeacevilleから奇跡の復活作となるミニアルバム『Opacities』を発表した。



音合せ ・・・幕開けを飾る#1”Behind The Doors”からして、Textures顔負けのグルーヴィなヘヴィネスを乗せてメタルコアっぽく始まり、ドレッドヘアをチャームポイントとするミキー・グッドマンのラップとバンドの中心人物であるジャスティン・ヒルによるエモいハイトーンボイスが奇妙奇天烈に絡み合い、転調を効かせた中盤以降の展開もSikThらしさに溢れている。次の#2”Philistine Philosphies”では、俄然USヌー・メタル的な縦ノリグルーヴを効かせたモダン・ヘヴィネスとミキーのアヴァンギャルドなラップ、そして今世紀最大のエモーションをブチかますジャスティンの超絶ハイトーン・ボイスに胸を打たれ、そして全盛期のSikThがカムバックしたような転調以降のテクデス然とした展開は、これは紛れもなくシクス、変わらないシクスの完全復活を宣言するかのよう。その後も、今作をリリースした直後に来日公演を行うほどの親日家ぶりを垣間見せる#4”Tokyo Lights”を織り込みながら、初期のマスコア的な要素とアトモスフィアを取り入れた#5”Walking Shadows”、バンドの新機軸を予感させるPost-的要素を取り入れた#6”Days Are Dreamed”まで、流石に復活前のメカニカル感やドが付くほどぶっ飛んだ変態度こそ薄いが、全盛期のシクスと比べると比較的素直というかマジメなグルーヴ・メタルやってて、でも中には新しい試みを垣間見せたりして、そう遠くない未来に出るであろうフルアルバムに俄然期待を持たせる、この全6曲トータル27分に凝縮された音から次作を無限大に妄想させるような一枚だ。というより、彼らにとってこのEPはあくまでも顔合わせ、すなわち音合せ(サウンドチェック)程度の実力に過ぎないのかもしれない。

元祖 ・・・解散から7年の間、この手の界隈には様々な変化が起きた。中でも筆頭なのはDjentの台頭で、シーンを代表するUSのペリフェリーやUKのテッセラクトをはじめ、この手のジャンルやテクデス界隈のバンドでシクスの影響を受けていないバンドなんてこの世に存在しないんじゃないかってくらい(その影響は日本のマキシマム・ザ・ホルモンにまで及ぶ)、スウェーデンのメシュガーとともにDjentの元祖であり、Djentの原型を作り出した偉大なバンドである。彼らが冬眠する間、ペリフェリーやテッセラクトがシーンを牽引し、共に3作目でこれまで"アンダーグラウンド"なジャンルだったジェントを"メインストリーム"にブチ上げることに成功した。もはやシクスが産み落とした子(後継者)が親から授かった使命を貫き通し、切磋琢磨し合いシーンの『未来』を切り拓いていく姿に、子が親という偉大な存在を超えていく姿に、僕はマシュー・マコノヒーばりに咽び泣いていた。

新世界の神 ・・・テッセラクトのフロントマンことダニエル君が『惑星ポラリス』の中で「俺がジェント界の夜神月だ」とシーンに宣言したこのタイミングで、夜神月の「新世界の神」となる『野望』を阻止するため、ニアとメロのツインボーカル率いるシクスは復活したんだ、という風に考察すると俄然この手の界隈が面白く見えてくるかもしれない。ともあれ、このEPは「フルいけるやん!」と確信させるような、文句のつけようがない復活作です。
 
Opacities
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Sikth
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Earthside 『A Dream in Static』

Artist Earthside
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Producer/Mixing David Castillo
David Castillo
Mixing/Mastering Jens Bogren
Jens Bogren

Album A Dream in Static
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Tracklist
01. The Closest I've Come 
03. A Dream In Static
04. Entering The Light
05. Skyline
06. Crater
07. The Ungrounding
08. Contemplation Of The Beautiful

勝利の方程式 ・・・ここ最近のメタル界隈には→「今の時代、イェンス・ボグレン単体じゃありきたりだし物足りない...せや!相棒のデイビッド・カスティロも一緒に指名すれば優勝間違いなしや!」みたいな風潮あって、そのいわゆる【Jens Bogren×David Castillo=勝利の方程式】を、なんとデビュー作で説き伏せる掟破りのクソ野郎が現れた。何を話そう、【US】【ニューヘイブン出身】【四人組】ということ以外全てが謎に包まれた、その名もEarthsideの1stアルバム『A Dream in Static』は、その「勝ちたいんや!」精神に溢れた、まるで全てのプログレッシブ・メタルを過去の物にするかのような、そしてオルタナティブ・ヘヴィ界およびプログレッシブ・ヘヴィ界に真正面から殴りこみをかけるような一枚となっている。

「こいつら一体ナニモノなんだ!?」 ・・・その謎は一向に解決せず、こうなったら音源を聴いてみるしか他ない、というわけで、今作の一曲目である”The Closest I've Come”を聴いたら今世紀最大の衝撃が走った。もはやポストロック的ですらあるドリーミーで幻想的なイントロで幕を開け、まるで全盛期のDaniel Liljekvist顔負けのタイム感を刻むドラミングを筆頭に、Tool直系の理知的なキザミリフと世界で初めて【勝利の方程式】が解かれたKATATONIAの歴史的名盤『The Great Cold Distance』直系のオルタナティブ・ヘヴィネス、OSIを彷彿とさせるモダンでダーク・アンビエントな音色を奏でるATMS系キーボード、そして初期Riverside顔負けの薄暗い叙情性が、それこそEarthsideというバンド名が示すとおり地球規模で展開する圧倒的な音のスケールをもって、シネマティックかつドラマティックな無駄のない展開力を爆発させる。少なくとも、このオープニングの一曲だけでこいつらがどれだけヤバいのか、タダモノじゃないのが理解できる。一見「インストバンド?」と思いきや、イントロからThe Moscow Studio Symphony Orchestraによる映画『レ・ミゼラブル』あるいは『指輪物語』ばりの壮大で喜劇的なオーケストレーションを全面にフューチャーした#2”Mob Mentality”では、ゲストにSevendustラジョン・ウィザースプーンを迎え、彼のエモーショナルなボーカル・メロディや絶妙にハスキーな声質も相まって、イギリスのポストハードコアバンドっぽい雰囲気というか、IntervalsThe HAARP Machineでお馴染みのMichael Semeskyを彷彿とさせる。#2を聴いて、「インストバンドじゃない?!」と意表を突かれ、そしてマス系のオシャンティなイントロで始まる#3”A Dream In Static”を聴いたら自分の耳を疑った。なんかTesseractダニエル・トンプキンズ君にクリソツな美しすぎるハイトーンボイスが聴こえてきて笑ったんだが、それがどうやらマジでダニエル君らしいと分かった時が個人的なハイライトで敗北宣言、というか、ダニエル君の声がデイビッドとイェンスという黄金のスウェーデンコンビ】にミックス/マスターされた事の方が地味に凄くね。要するに→【Jens Bogren×David Castillo×Daniel Tompkins=yes!!yes!!Jens!!。再び北野映画すなわち久石譲的な、ゲスト・ミュージシャンのMax ZTが奏でるダルシマーのオリエンタルな音色をフューチャーした#4”Entering The Light”、そして今作のハイライトを飾る#5”Skyline”では、AlcestGod Is an AstronautもビックリのATMS系ポストメタルを展開し、まるで気分は映画『インターステラー』で娘達のビデオメッセージに号泣するマシュー・マコノヒーの如く、宇宙空間(ワームホール)の中に放り出されたような美メロの洪水に涙不可避だ。
 


・・・で、流石にもうこれ以上驚く要素ないでしょと気を抜いた矢先、「なんかビョーンっぽいな...でもビョーンより上手いな」と思ったらマジでSoilworkのビョーンがゲスト参加してた#6”Crater”、ポーランドのWidekを彷彿とさせるATMS系DjentにKATATONIAのセッション・ミュージシャンでお馴染みのJP AsplundによるパーカッションやHenrik Gennertによる流麗なGソロをフューチャーした#7”The Ungrounding”、そしてUSオルタナFace the KingEric Zirlingerをゲストに迎えた曲で、今やエクストリーム・ミュージック界の頂点に君臨するLeprousばりのシンフォニック狂騒曲の#8”Contemplation Of The Beautiful”まで、Dream TheaterToolをはじめとしたUSプログレッシブ/オルタナティブ・ヘヴィ界隈、ToolフォロワーのSoenや皇帝KATATONIAをはじめ、AtomaEnshineを筆頭としたスウェーデン産ATMSの新興勢力、そしてTesseractTo-MeraなどのUKモダン・ヘヴィ/アンダーグラウンド・メタル界隈からRiversideをはじめとした辺境プログレ界隈まで、ポストロックやジェントなどのモダンな音像から往年のプログレ・メタルならではの泣きのメロディまで全てを飲み込み、まるで一本の大作映画を観ているかのような、いわゆる"プログレ・メタル"と呼ばれるジャンルの醍醐味が一つに凝縮された、一切の隙も妥協もない実にProgressiveなアルバムだ。

メタル界のタブー ・・・ここにきてデビュー作から【勝利の方程式】を解くという、言わば"メタル界のタブー"を犯した彼ら自身相当な批判を受ける『覚悟』があったはずだ。しかし、それらの批判やヒネクレ野郎ばかりのプログレ界隈の住人に有無を言わせず『納得』させてしまうこのアルバムは、Soilworkなど今年イェンスが関わった作品は元より、ダニエル君が復帰したTesseractRiversideの新作に喰ってかかるほど、正体不明の出自も相まって未知数なポテンシャルに溢れている。普通にInside Out辺りからリリースされてもおかしくない傑作だ。 しかし、こう言っちゃあアレだが、無名バンドでも「kawaiiは作れる」ならぬ流行りの【勝利の方程式】は作れる、という真実が暴かれたのはプログレ・メタル界にとって大きな損失、はたまた大きな収穫か・・・?
 
A Dream in Static
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Boom Boom Satellites 『Shine Like a Billion Suns』

Boom Boom Satellites

Album 『Shine Like a Billion Suns』
Shine Like a Billion Suns

Tracklist
01. Shine
02. Only Blood
03. Complicated
05. Vanishing
06. Back In Black
07. The Moth (Attracted to the Flame)
08. Blind Bird
09. Overcome
10. Stain
11. Emergence
 
BBS≒NEXT-ANATHEMA ・・・俺的ラブメイト・ランキング暫定トップのヒロミ・ヒロヒロ擁するtricotを目当てに行った、Boom Boom SatellitesのライブツアーFRONT CHAPTER Vol.4を観たことで、最新作の『Shine Like a Billion Suns』がいかに驚異的で先進的なアルバムだったのかを、心の底から理解することができた。まず何が驚いたって、ライブでもその幕開けに相応しい神秘的な存在感を放っていた、アルバムのオープニングを飾る”Shine”からして、それこそANATHEMAの10thアルバム『Distant Satellites』の表題曲、あるいは7thアルバムの『A Natural Disaster』を彷彿とさせるレディオ・ヘッド流れのUKサウンドにニヤリとさせ、まずここで「ANATHEMAの『Distant Satellites』はPost-JPOPだッ!」という俺の解釈を暗に証明してみせる。そして、先日のライブでも序盤のハイライトを飾った”A Hundred Suns”では、それこそ【テクノ×Djent】の融合という他に類を見ない前代未聞の事をやってのけ、これだけでBBSが只者じゃないバンドだという事を証明する。実際に、先日のライブで聴いても「やっぱこれDjentだわ」って思ったのだけど、あらためて音源で聴いてもDjent以外ナニモノでもない名曲で、しかもこのCynicTexturesを連想させる"ジェント・リーズム"を叩いてるのが福田洋子さんとかいう女性ドラマーってのが更に驚きで、どうせだから今回の縁を機にtricotの次のアルバムに参加してガチのDjentやって欲しいと思っちゃったんだからしょうがなくない?・・・で、続く5曲目の”Vanishing”では、スティーヴン・ウィルソン”Harmony Korine”を彷彿とさせる、空間の響きを意識した轟音的なダイナミズムを展開し、今作で最もヘヴィなリフを主体としたインダストリアル・ロックの”Back In Black”、そして”Only Blood””A Hundred Suns”とともにライブのハイライトを飾った”Blind Bird”では、それこそSWのサイドプロジェクトNo-Man等のPost-Progressive勢をはじめとした、いわゆるPost-Musicに精通する幽玄かつ繊細緻密な展開力を発揮していき、このアルバムのハイライトとしてその絶対的な存在感を誇示する。で、まるでCynicばりの恍惚感溢れる神秘的な輝きを解き放つボーカル曲の”Stain”、その流れを汲んだアルバムの終わりを迎えるに相応しい”Emergence”まで、個々の楽曲で聴かせる部分は勿論のこと、【神秘的な序盤/ハイライトを飾る中盤/恍惚と余韻を残す終盤】という起承転結を効かせた一つの作品としての完成度は、活動休止を余儀なくされた彼らが復活を遂げるまでのエモい物語とオーバードライブするかのような、その圧倒的な音(生命)エネルギーに集約されている。
 

引力、即ち音楽ッ! ・・・ロックバンドとしてのドライブ感かつタイトな側面とエレクトロ使いとしてのシャレオツなグルーヴ&ダンス・ビート感を絶妙なバランスで両立させた、実に巧妙かつポスト-センスフルなオルタナティブ・ミュージックを展開している。このアルバム、とにかく”Post-Progressive”に精通する要素が驚くほど多くて、それこそKscopeに所属してても全くおかしくない内容で、もはやANATHEMAと対バンしても違和感ないくらいだ。しかしこうなってくると、このアルバムのサウンド・コンセプトというか、音のバックグラウンドが気になって気になってしょうがない小宮山。そして何よりも、随所で垣間見せる福田洋子さんのDjent然としたドラム・ビートにド肝を抜かれること請け合いの一枚だ。つまるところ、表向きは(そのサウンド・ステージには違いはあるが)いわゆる"踊らせ系"同士の共演でありながら、裏では"Post-系"同士の共演でもあった、だからBBSのライブにtricotが呼ばれるのは必然的な出来事だったと、このアルバムを聴いたら妙に納得してしまった。そして、そのライブに日本における”Post-Progressive”界の宣教師()である僕が導かれた、というのは果たして偶然だろうか・・・?いや...引力、即ち音楽だッ!

・・・これは余談だけど、あのねごともソニー関連でこのBBSもソニーで、ANATHEMAも過去にソニー傘下のMFNに在籍していたって事を考えると、何か面白い事実が見えてくるんじゃないかって。ちなみにおいら、ねごとがここから更に化けるには、ANATHEMA”Distant Satellites”みたいな徹底してミニマル宇宙な曲が書けるかがカギになると思ってて、今のねごとにはそれが実現可能な高いポテンシャルに満ち溢れている。
 
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【5/13】 Boom Boom Satellites 『FRONT CHAPTER Vol.4』@名古屋CLUB QUATTRO

Boom Boom Satellites 『FRONT CHAPTER Vol.4』

ほんの少しタイミングが合わなかったばかりに、「雨が降ってる」とか「音源の予習ができなかった」とか「平日ライブに行きたくない病」など様々な事情が重なった結果、tricotの4月のワンマンツアーを発券したのにも関わらずスルーしてしまった事は、実際に音源を聴いてドハマりした今となっては悔やんでも悔やみきれない大失態で、しかし赤い公園のマンマンツアー前にどうにかしてtricotのライブが観たい・・・と思った矢先に、Boom Boom Satellitesのツアーのゲストにトリコが出演するとの情報を小耳に挟み、この上ないタイミングでトリコのライブが観れる事になり、トリコ参戦が決定した瞬時に二度目の正直的な勢いでチケットを取って、色々な意味で晴れて念願のトリコのライブを名古屋クワトロで観てきた、というわけ。

で、「遂に俺的ラブメイトランキング暫定トップのヒロミ・ヒロヒロが生で拝めるぜ!!」というウッキウキ気分のまま、本公演の会場となる名古屋クワトロを擁する栄のパルコに6時50分に到着。7時の開演前に何としても間に合わせねばと、急ぎ足で会場がある8階(最上階)へと階段を使って上る俺。1階...2階...3階...4階...着実に階を重ねて行く俺。その決死の姿はまるで『24』のジャック・バウアーさながらだ。しかし、ここで妙な出来事が起こる。5階から6階にかけて長蛇の列ができているではないか。はじめは「妙に変だなぁ?まだ入場終わってないのか?でもツイッターによるとSOLDOUTしたらしいし、ちょっと時間押してんのかなー?」という割りと呑気な事を考えながら、その長蛇の列の最後列に並んだんですよ。しかし一向に列が進まない。妙に変だなぁ・・・この列の人みんなタワレコの袋持ってる。しかも袋持ってる人が再び最後列に並び始めている。妙に変だなぁ・・・。気づくと開演時間の7時。そろそろ本格的に稲川淳二ばりに険しい顔をしながら「妙に変だなぁ・・・」って思い始めたんですよ。ここでふと耳を澄ますと、最上階からtoricot”E”らしきライブの音漏れが耳を優しく刺激した。その瞬間、そこで私、気づいちゃったんですよ→あっ、これクワトロ行きの列じゃないわ。これアイドルの複数買いの列だわ」って。この驚愕の事実に気づいた瞬間の俺→「ちょっとまってちょっとまってお兄さーーーーんwwwwwwwwファッ◯ンゴレライwwwwwwwファッ◯ンゴレライwwwwwww」とナニカに対してツッコミながら、あるいは「こんな階段付近でCD即売なんかするんじゃあない!このクソカスがああああああああああああ!!」とか心の中で叫びながら人混みを回避して急いでクワトロへと向かい、遂に入場するが・・・時スデにお寿司!この日はSOLD OUTというだけあって、会場は既に後方まで観客でギッシリ、ステージではトリコが”E”を演奏している真っ最中! 「うおおおおおお!!近くて遠い俺とヒロミ・ヒロヒロの距離ッ!!まるで一次元(俺)と五次元(ヒロミ・ヒロヒロ)の関係の如く永遠に届くことのない距離!!クソおおおおおおおおおおおおおおおお!!タワレコ許すまじ!」。おいおいマジでギャグ漫画の主人公かナニカかよ・・・我ながら笑ったわ。

tricot
セットリスト
01. E
02. ぱい~ん
03. アナメイン
04. おちゃんせんすぅす
05. おもてなし
06. pool side
07. POOL
08. 庭
09. 99.974℃
10. Break

話を戻して、まず気になるのはセトリだ。ワンマンツアーではないし、BBSのファンに対してどんなセトリを組むのか俄然気になる所だ。言わずもがな、最新作となる『A N D』のリードトラックでもある”E”でスタートダッシュを決め込み、同じく『A N D』からシングル版の”ぱい~ん”というアルバムの中でもキーマンを担う楽曲で怒涛な勢いで攻め立てる。ここでギアチェンジして、1stミニ・アルバム『爆裂トリコさん』からインストの”アナメイン”と1stアルバム『T H E』から”おちゃんせんすぅす”の二曲を続けて披露し、トリコのユニークなライティングセンスとオシャンティなメロディセンス、そして遊び心に満ち溢れた、と同時に憎たらしくもある"ライブバンド"としての演出力の高さを垣間見せ、目の前のBBSフアンをトリコワールドにグッと引き込んでいく。再びギア・チェンジして始まる”おもてなし”以降は、”pool side""POOL”という1stアルバムの名曲をブチかまし、会場が程よく温まってきた所でイッキュウが「普段はカッコつけてるけど、この曲はそうじゃない」的なたどたどしいMCを引き継いで、キダモティフォの「長澤まさみがハマっているらしい・・・サンバ!」という合図で一旦メンバーが袖にはけて、サポートドラマーの山口美代子さんの紹介から再びメンバーが戻ってきたと思ったら、そこには信じられない光景が広がっていた。ホイッスルを咥えたモティフォが「ピーピーピピッ!ピーピーピピッ!」とか吹きながら登場すると同時に、中嶋イッキュウはマラカスをフリフリシェイクし始めたりと、とにかくモティフォのインパクトが出オチ過ぎて→「なんやこいつら・・・アホすぎる・・・アホすぎて最高だ・・・」ってなった。もはや推しメンであるヒロミ・ヒロヒロの存在を忘れるくらいだった。音源だとノリがロキノン系クサ過ぎるけど、ライブだとパフォーマンスの"面白さ"が最優先になるから、この曲はライブで演ってナンボだなーと。で、ライブも終盤、中嶋イッキュウの「本性見せちゃっていいすか?名古屋かかってこいよぉぉーー!!」とかいう煽りから、”MATSURI”の轟音イントロから繋いでトリコ屈指の名曲”99.974℃”を披露し、それこそ会場のボルテージを”99.974℃”までブチアゲる。ラストはお馴染みの”Break”でユルリと締める。記憶違いじゃないければ全10曲でジャスト45分キッカリだった。セトリは新旧織り交ぜた、初めてトリコのライブを観るであろうBBSフアンに向けて、トリコの魅力を45分に凝縮して伝えるのに最も適したバランスの良いセトリで、トリコ目当ての自分としても(初ライブにしては)十分満足のいくセトリだった。正直”アナメイン”は予想外の選曲だったし、イッキュウの「ウオーオーオーオーオー」とかいうボイスも迫力あったし、とにかくライブのアレンジが異常にカッケーかった。もはやキダモティフォの独壇場と言っても過言じゃあない”おもてなし”は、モティフォのキッレキレなパフォーマンスに目が釘付けになったし、特に例のプログレッシブ・デスメタル・リフの部分はヤバい。というか、基本的にライブだとモティフォがヤバい。推しメンのヒロミ・ヒロヒロそっちのけで、モティフォキモティフォな動きを目で追ってしまうくらいにヤビャい。ステージのド真ん中に構えるヒロミ・ヒロヒロは終始ピョンピョンしてた。バンドの演奏やイッキュウのボーカルも終始安定してたし、そして何よりも山口美代子さんのドラム鬼スゲーと思った。あとイッキュウはMCで「BBSのライブに呼んでもらえて、他のバンドに羨ましがれてる」的な事を、ツイッターのツイートとほぼ同じことを何度も繰り返し言っていた。対バン相手に対するリスペクトを忘れない姿勢は好印象。当然、会場にいる大半はブンブン目当てってのもあって、いわゆる暴れ系の曲でもモッシュやダイバーなどはなく、比較的大人しめに盛り上がっていた。欲を言うなら”走れ””slow line”も聴きたかった感。

自分の中で、Boom Boom Satellitesという名前から連想されるイメージっつーと→主要な邦楽フェスの常連で、今回のようにイケイケな若手バンドとも積極的に対バンしたり、ニコ生でキッズに媚び売ったり、最近では日テレに特集組まれた?りと、要するに最近の邦楽バンドにありがちな"節操ないバンド"の一つ、みたいなネガティブなイメージが少なからずあって、思うに『邦楽ロックバンドはダサい』と言われる理由の一つに、その"節操のなさ"が根底にあると思うのだけど、その"節操ないバンド"が量産された結果、どのフェスも結局は似たり寄ったりなメンツになる、というダサさスパイラル。

そもそも、このライブでBBSのフアンがtricotの音源を予習するという行為は至って普通の行為だが、でも自分はtricot目当てで逆にメインのBBSを予習してきた圧倒的少数派の人間で、予習と言っても今年リリースされた最新作の『Shine Like a Billion Suns』だけ、しかも時間の都合で一周しか聴けなかった自分が、先述したようにBBSに対してあまり良いイメージを持っていない僕が、初めてBBSのライブを観て一体何を感じ取ったのか?結論から言っちゃえば→「近年ANATHEMA感すごい」だ。

このツアーは最新作の『Shine Like a Billion Suns』に伴うツアーとのことで、そのアルバムのオープニングを担う”Shine”という、このライブの幕開けに相応しい曲でスタートする。この曲では、まるでANATHEMA『A Natural Disaster』『Distant Satellites』”Distant Satellites”のような、というより往年のレディオ・ヘッドを彷彿とさせるコテコテのUKサウンドを展開していき、その流れでエレクトロなビート感とエモーショナルなボーカル、そしてバンドのダイナミクスが激しく共鳴する”Only Blood”へと繋ぐ。序盤は最新作の曲を立て続けに披露し、その中でもテクノ調のシャレたサウンドに心躍る”A Hundred Suns”からアルバムのカギを握る”Blind Bird”へと繋がる展開は個人的なハイライトで、特に前者の”A Hundred Suns”はDjentに精通するドラム・パートが異様にカッコよくて、しかもブンブンのドラマーもtricotと同じく女性と知って更に驚いたのだけど、つまり今日の演者8人中5人が女性と考えたら何かスゲーなって。ハッ!これが女性Shine!のチカラなのか・・・ッ!?

いかんせん新作しか予習してこなかった自分は、どうしても後半の常連曲とかになると反応が鈍りがちで、とは言え基本的に、というか、それこそANATHEMAと同じく何よりも"メロディ"を大切にした楽曲が中心で、初見でもそれなりにノレちゃう懐の深い音楽性を垣間見せていた。一瞬にして会場をダンスフロアへと変える一方で、シッカリと聴かせる場面もあって、かなりメリハリの効いたライブだったように思う。終盤あたりは恍惚感溢れるサウンドスケープに溺れるようにして、気づけば身を任せるようにしてドップリと浸かっていた。ライブだと俄然ロック・バンドとしての側面が浮き彫りとなって、音のダイナミクスがより表面化していくイメージ。

しかし今まで全く意識したことなかったBoom Boom Satellitesのライブで、ANATHEMAの未来?を予感させるなんて思っても見なかった。もし4月のtricotのワンマンツアーに行ってたら、この日こうやってBBSの音楽に触れることはなかったと思うと、トリコのワンマンをスルーした失態がむしろポジティブな出来事に見えてくる不思議!でもガチでANATHEMAが次作でブンブン化したらクソ面白くなりそうだし、むしろ今日の出会い即ち引かれ合いはその伏線()だった!?そんな妄想が捗るくらい、もはや「アナセマならどんなボーカル乗っけるかなー?」とか想像しながら聴いていた。

結果として、予想だにしない収穫を得ることができた。ある意味、Boom Boom Satellites(未来のANATHEMA?)=と日本のPost-Progressive界を代表する新鋭tricotの次元を超えた対バンが実現したというわけだから。むしろブンブンとアナセマの対バン形式でいいから日本に呼んで欲しい。ナニワトモアレ、この出会いという名の引かれ合いの機会を与えてくれたトリコには感謝しかない。唯一悔いが残る事と言えば→”E”の例の「デッ デッデッデッデーンwwwwwwwww」をリアルタイムで目撃できなかったこと。でもヒロミ・ヒロヒロがピョンピョンが観れたのでセーフ(えっ)
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