Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

Djent

Persefone 『Aathma』

Artist Persefone
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Mixing/Mastering Jens Bogren
Jens Bogren

Album 『Aathma』
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Tracklist

01. An Infinitesimal Spark
02. One Of Many...
03. Prison Skin
04. Spirals Within Thy Being
05. Cosmic Walkers
06. No Faced Mindless
07. Living Waves
08. Vacuum
09. Stillness Is Timeless
10. Aathma
    1 - Part I. Universal Oneness
    2 - Part II. Spiritual Bliss
    3 - Part III. One With The Light
    4 - Part IV. ...Many Of One

昨年、フランスの貴公子ネージュ率いるAlcest宮﨑駿の映画『もののけ姫』からインスパイアされたKodamaという名の「ビッグ・イン・ジャパン」アルバムをドロップしたことが記憶に新しいが、このフランスとスペインに挟まれた国家アンドラ公国出身のPersefoneも、2009年に発表された『真剣 / Shin-ken』という「ジャパニーズ・サムライ魂」をテーマにしたアルバムが、この日本でもネタ的な意味で話題を呼んだ。一見、辺境の地に生息するB級メタルバンドにありがちな典型的なネタバンドかと思いきや、その音楽性はドチャクソ大真面目なエクストリーム・メロデスやってて、そんな彼らが俺たちのイェンス・ボグレンを迎えて約4年ぶりに放つ通算5作目となる『Aathma』がイェンス節全開で笑う。

とりあえず、『Aathma』というタイトルが『ANATHEMA』に空耳したって話はわりとどうでもいい、それよかモダン・プログレ界のLGBT代表ことCynicポール・マスヴィダルLeprousのギタリストØystein Landsverkをゲストに迎えた今作は、Cynicの2ndアルバム『Traced In Air』を彷彿させるボコーダーを効かせたポール・マスヴィダルによるナレーションから幕を開ける一曲目の”An Infinitesmal Spark”から察するとおり、これまでの典型的な辺境脳筋メロデスから一転して、2015年にイェンス・ボグレンとの邂逅が実現したBTBAMComa Eclipticみたいな音の変化というか、それこそ2ndアルバムのCitadelネ・BTBAM化した、つまり「コア化」したイェンス界隈でお馴染みのNe Obliviscaris(ネ・バブリシャス)的なプログレ・メタルへと鞍替えしている。

その言うなれば音の「インテリ化」は4曲目の”Spirals Within Thy Being”を聴けば明白で、Gojira”Toxic Garbage Island”を彷彿させるテクニカルなパートを皮切りに、他にもMastodonMachine Headを代表するアメリカのプログレ・メタル/グルーヴ・メタルやMeshuggahTexturesライクなDjent/テクニカル・メタルからの強い影響を伺わせる、いわゆる変拍子マシマシな「リズム重視」のインテリ系プログレ・メタル特有の知的アピールを惜しげもなく披露している。それ以降も、イェンス・ボグレンOpethの初邂逅によって生まれた名盤『Ghost Reveries』を彷彿させる、ピアノの美メロをフィーチャーしたジャズのアプローチを覗かせるATMS系インストの5曲目”Cosmic Walkers”、ゲストに迎えたポール・マスヴィダルによるLGBTボイスと持ち前のギターソロをフィーチャーした曲で、間奏部ではAnimals As Leadersばりのキレッキレなインテリジェンスを堪能させる7曲目の”Living Waves”Riversideあるいはマリウス・デューダ君のソロ初期を彷彿させるインストの8曲目”Vacuum”、Djent然としたモダンなイントロから今度は「Persefone」「Periphery」を空耳する9曲目の”Stillness Is Timeless”、ここまではDream Theaterを長とするプログレ・メタル勢をはじめ、シニックを長とするゴジラ&メシュガー=メシュゴジ系のテクニカル・メタル、そしてペリフェリーやAALを代表とするDjent系のモダンなバンド達が一同に会するような、よりモダンでタイトな、よりピアノの美メロをフィーチャーした「メロディ重視」の洗練されたサウンドを展開していく。そして最後は全4部構成となる20分ジャストの大作で表題曲の”Aathma”で、まず幕開けを飾るパート1はボーカルのエイナル歌唱やポリリズムを駆使したPost-Djentなサウンドまで全てがLeprousリスペクトな曲で(もしかしてシークレットゲストとしてマリウス・デューダ君が参加してる?)、パート2はアトモスフェリックかつスピリチュアルな雰囲気で聴かせ、パート3は持ち前のクラシカルなギターワークを垣間見せ、ラストのパート4はノルウェーの女性ボーカリストMerethe Soltvedtによるバラードタッチな美しい歌声とピアノの音色で感動的なラストを迎える。

実は、AlcestKodamaよりもだいぶ先に『もののけ姫』のスピリチュアルな世界観に精通するコンセプチュアルな音楽アルバムって、他ならぬCynic『Traced In Air』だと思うのだけど、その神々しいアートワークや一種の民族的な世界観まで全てがシシ神様をモチーフにしていると言っても過言じゃあなくて、そのスピリチュアルな世界観にも精通する「東洋哲学」をバックグラウンドに持つこのPersefoneが今回、Cynicポール・マスヴィダルを迎えて意図的に『Traced In Air』の世界観を踏襲したのは、とても大きな意味があったと言える。

確かに、これまでのシンフォニックがかったテクデス/メロデスのブルータルな殺傷力はないし、いわゆる速弾き系ギタリストならではのクラシカルなフレーズも影を潜め、その代わりにジャズ/フュージョン的なインテリジェンス方面への意識を高めたスタイルへと変化している。だからメロデサーには受けが悪いかもしれない、しかしメシュゴジラをはじめ今流行のDjent系のモダンなプログレ/テクニカル・メタルが好きな人には、特にイェンサーにはこれ以上ないほどの傑作に聴こえるハズだ。個人的に、この路線変更は全然Welcomeだし、むしろ今のメタルシーンを的確に捉えた結果と解釈すれば、至極正しい方向性のように思う。

Aathma
Aathma
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Persefone
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Animals as Leaders 『The Madness of Many』

Artist Animals as Leaders
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Album 『The Madness of Many』
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Tracklist

02. Ectogenesis
03. Cognitive Contortions
04. Inner Assassins
05. Private Visions Of The World
06. Backpfeifengesicht
07. Transcentience
08. The Glass Bridge
10. Aepirophobia

昨今の洗脳ブームの火付け役といえば、M A S A Y Aに洗脳されたX JAPANToshiこと出山ホームオブハート利三だが、最近では朝ドラ女優の能年玲奈が生ゴミおばさんこと女版M A S A Y Aに洗脳されて「のホームオブハートん」に改名した事が記憶に新しい。その能年玲奈「のホームオブハートん」に改名したことで、能年玲奈と今や世界的なギタリストとなったトシン・アバシのジェントユニット「あにまるず・あず・りーだーずっ!」はコンビ解消を余儀なくされ、その傷心した想いをアルバムに込めたと語る、トシン・アバシ率いるAnimals as Leadersの通算4作目となる『The Madness of Many』は、「生身の人間は裏切る!二次元なら・・・いや、AI(アンドロイド)なら僕を裏切らない!」という、数理物理学を極めすぎて頭がおかしくなった天才物理学者の歪んだ愛情と苦悩が、まるで古代エジプトの迷宮の如し複雑怪奇に描かれている。

その天才物理学者の「数字恐怖症」が臨界点に達する時、出口のない迷宮の入り口が開かれる#1Arithmophobia、今度は8bit系レトロゲームみたいな電脳世界へと誘うミニマルなエレクトロニカがヒトの脳幹部に侵入し、そこから身体の神経回路へと、そしてヒトの遺伝子情報を書き換えていく、それこそ「遺伝子組み換え音楽」としか例えようがない#2”Ectogenesis”、更に深いところでスピリチュアルな電脳世界を構築していく#3”Cognitive Contortions”、前作The Joy of Motion”Ka$cade”をPost-Djent化したような#4”Inner Assassins”、気分を一転して西海岸系の爽やかでオシャンティなギター・メロディの中にMeshuggahGojiraばりの鬼グルーヴ/モダン・ヘヴィネスを織り込んだ#5”Private Visions of the World”、基本的なジェント・リフとモダン・ヘヴィネス、エレクトロニカとアトモスフェリックなATMSフィールドを駆使して目まぐるしくスリリングに展開する#6”Backpfeifengesicht”、前半プログレ・メタルっぽくて後半ジャズっぽくオシャンティに展開する#7”Transcentience”トシン・アバシの流麗なソロワークが際立つ#8”The Glass Bridge”、アコギの流麗なメロディをフィーチャーした#9The Brain Dance、この出口のない迷宮の中で深層心理を操られ記憶も遺伝子も書き換えられた天才物理学者は、「この世界はループループしているのか?」という宇宙の真理にたどり着き、絶望した彼は「無限恐怖症」へと陥り、そしてゴールド・エクスペリエンス・レクイエムのスタンド攻撃を喰らって「終わりがないのが終わり」と悟り精神崩壊してしまう最後の”Aepirophobia”まで、まるでヒト=ニンゲンがAIチップならぬ音チップを脳に埋め込まれ、ヒトからアンドロイドへと変わっていく様を精密機器の如く繊細緻密に描き出していく、それこそ人工知能の脅威をリアルに描いたアリシア・ヴィキャンデルちゃん主演の傑作SF映画『エクス・マキナ』を彷彿とさせる、人工知能の発達によりニンゲン社会が徐々に侵食され、徐々に歪んでいく一種の恐怖映像を見せられているかのよう。

AALって、奇数ナンバリングの比較的わかりやすい(わかるとは言ってない)プログ・メタル/ジェント主体のパワー系路線と2ndアルバムWeightlessみたいな難解至極なインテリキチガイ系路線に分類できるのだけど、偶数ナンバリングとなる本作は、2ndアルバムのPost-Djentならぬソフト-ジェント路線を素直にアップデイトさせた作風で、エレクトロ志向が更に強まった事で俄然ゲーム音楽っぽくなってる。コンセプティブなギミック面とジェント/モダン・ヘヴィネス成分のバランスとまとまりが良くて、ハッキリ言って2ndよりも格段に完成度が高いです。とにかく、某都市伝説芸人が「信じるか信じないかはあなた次第です」とか言いながら聴いてそうな音楽ですw
 
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Periphery 『Periphery III: Select Difficulty』

Artist Periphery
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Album 『Periphery III: Select Difficulty』
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Tracklist

01. The Price is Wrong
02. Motormouth
03. Marigold
04. The Way The News Goes…
05. Remain Indoors
06. Habitual Line-Stepper
07. Flatline
08. Absolomb
09. Catch Fire
10. Prayer Position
11. Lune
 
21世紀のメタルシーンに突如として現れた「Djent」とかいう新興界隈にも「変化」が訪れつつある。このPeripheryは、Djent界の第一人者で知られる”Bulb”ことミーシャ・マンソー率いる6人組で、彼らは2010年にセルフタイトルのPeripheryで颯爽とメタルシーンに登場すると、その緻密に構成されたテクニカルでメカニカルな、インテリジェンスに溢れた近未来型のメタル・サウンドで、それこそ今までになかった「メタルの新しい形」をシーンに提示し、瞬く間に「テクニカルなメタル」が好きなオタクを中心に多くの支持を集めることに成功し、そして今に至る。

このPeripheryもその音楽性から垣間見れるように相当頭のいいスマートなバンドで、というより、自分たちが置かれた立場とDjent界の第一人者としての役割というのをよく理解していて、2012年作の2ndアルバムPeriphery IIでは「ジェントってなんぞ?」ってなってる、イマイチDjentのことをよく理解していない、主にDream Theaterが好きな老害プログレ・メタラーに擦り寄ったかと思えば、ポケモンシリーズをオマージュした2015年作のダブルアルバムJuggernaut: Omega&Alphaでは、Djentの可能性を広げるエモキッズ向けのポストハードコア然とした作風で、 今度はオッサンから一転してティーンエージャーに擦り寄った作品を発表した。そして、再びバンド名を冠した本作の『Periphery III: Select Difficulty』は、その2ndアルバムとダブルアルバムで釣り上げた、1stアルバムの『Periphery』を知らないオッサンとキッズをドン引きさせると同時に、2ndとダブルアルバムで(ジェントとかいうジャンルに)馴れさせたオッサン&キッズに、何度目の正直じゃあないが、あらためてDjentの素晴らしさを知らしめるかのような作品となっている。

その老害プログレ親父やエモキッズにDjentたるやをガツンと叩き込むかの如し、幕開けを飾る#1”The Price Is Wrong”から、1stアルバム『Periphery』をよりゴリゴリかつアグレッシヴかつカオティックにアップデイトしたエクストリーム・ジェントとフロントマンのスペンサー・ソテロのキレッキレなブチギレボイスが、「これがジェントや」と言わんばかり、それこそジェント・リーばりの百烈拳を叩き込むかのような曲で、これにて『Periphery』のカムバックを堂々宣言する。引き続きジェント・リーの激しい攻撃で畳みかける#2”Motormouth”、前作のダブルアルバムを彷彿とさせるキャッチーなメロディ重視の曲かと思いきや、中盤以降は壮大なクワイヤやストリングスを織り交ぜつつ、アウトロでは「宇宙すごい」としか言いようがないUneven Structureばりの超宇宙空間を形成し始める#3”Marigold”、一転してイントロからフュージョンチックな雰囲気でオシャンティでムーディに聴かせながら、ブラストで突っ走りながらスペンサーがメロディックに歌い上げるサビへと怒涛の展開を見せる#4”The Way The News Goes...”、ゲーム音楽的なピコピコアレンジがもはや狂気的なナニかにしか聞こえない#5”Remain Indoors”、2ndアルバムのストリングスをより上品に完成させたのが#6”Habitual Line-Stepper”、前作のダブルアルバムで培ったスペンサーのエモキッズ歓喜なボーカルが冴え渡る#7”Flatline”、アルバムのハイライトを飾る#8”Absolomb”、一転してメロウに聴かせる#9”Catch Fire”、映画『セッション』のフレッチャー先生が「これがジェントのファッキン・テテテテンポだ!」とキッズに説教するかのような#10”Prayer Postion”、そしてクライマックスを飾るは#11”Lune”で、ANATHEMA”Distant Satellites”ばりの壮麗優美なオーケストラとグルーヴィなドラミングが、超絶スケールの宇宙を描きながらアツいビートを刻んでいく。

セルフタイトルを冠した1stアルバムの近未来型ジェントと2ndアルバムのDTリスペクトな王道プログレ・メタルとダブルアルバムのエモ/ポップなそれぞれの要素をエクストリーム合体させたような、とにかく2ndアルバムとダブルアルバムという異種目の界隈で培った経験が揺るぎない糧となって本作に現れている。勿論、ジェント・リーの部分だけじゃなくて、スペンサーのボーカル面をはじめ、イントロやアウトロでのストリングスを擁したギミックも2ndアルバムを俄然スケールアップさせた感じで、要するにバンドの集大成的なアルバムと呼べるし、これはもう最高傑作と言っても過言じゃあない。

彼らと並んでDjent界を代表するUKのTesseracTは、ご存じスティーヴン・ウィルソンが取り仕切るPost-Progressive/Kscope界隈の方面へと向かい、一方で一躍世界的なギタリストとなったトシン・アバシ率いるAnimals As Leadersトシンの独自路線というかアンタッチャブルな存在だし、となると、このDjentとかいうジャンルを大衆音楽すなわちメインストリームへと押し上げるため、その布教活動をたった一人で恥を忍んで孤軍奮闘してきた張本人がこのPeripheryだ。彼らはそうして、2ndアルバムと前作のダブルアルバムでプログレ親父とエモキッズに「ジェントとはナニか」を上から目線で優しく説き伏せてあげたつもりだったが、実はそれはむしろ逆で、むしろ逆に彼ら自身がプログレ親父とエモキッズから様々なことを学び、そこで学んだアイデアを吸収して今のPeripheryがあるのだと、そう「気づかされた」一枚でもある。正直、ここまで聴いてて素直に気持ちがいいド直球のジェントは久々かもしれない。最も重要なのは、それをやったのが他ならぬ界隈を最前で牽引してきたペリフェリーってのが何よりも嬉しい。これは、「やるべき奴らがやった結果」です。
 
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BAND-MAID 『Just Bring It』

Artist BAND-MAID
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Album 『Just Bring It』
cover

Tracklist
01. Don't you tell ME
02. Puzzle
03. モラトリアム
04. YOLO
05. CROSS
06. OOPARTS
07. Take me higher!
08. So,What?
09. TIME
10. you.
11. Awkward
12. decided by myself
13. secret My lips

「ベビメタの次はこいつらだ!」・・・と巷で話題を呼んでいる「いま最も蹴られたいメイドさん」こと、BAND-MAIDの1stフルアルバム『Just Bring It』を聴いてみたら、なぜここまでこのメイドさん達が世界中で「キテる!」と叫ばれ続けているのかが理解できた。この可愛らしいメイド姿からはまるで想像できない、想像以上にゴリゴリのオラオラのン゛ヘヴィで骨太なハードロックやってるこのギャップに、世のおじ様たちはブヒってナニをビンビンにさせちゃってるわけだぁ~、なるほどねと。しかし当ブログの読者が求めるのは【BABYMETAL vs. BAND-MAID】の構図だと分かりきっているので、アーティスト順に並べても仲のいいこの二組を様々な比較から、双方の違いや魅力、そして密かな共通点を適度な対立煽りを効かせながら紐解いていこうと思う。

BABYMETALが音楽シーンに突如として現れた時、世界中で「ベビメタはメタルorメタルじゃない論争」が巻き起こったのは今は昔の話で、その数多く存在する争点の例としては、「ただのアイドルだからメタルじゃない」とか「自分たちで演奏してないからメタルじゃない」とか「自分たちで作曲してないからメタルじゃない」とか「本人たちがメタルに興味ないからクソ」だとか「KOBAMETALとかいう現代のMASAYAに操られてるだけ」とか、様々な手厳しい意見が飛び交ったが、そんな批判は物ともせず今やベビメタは東京ドーム2デイズを成功させるまでの人気アイドル(アーティスト)にまで成り上がった。では一方のBAND-MAIDはどうだろう?本作のクレジットを見れば分かるように、全13曲中9曲が作詞作曲演奏からアレンジまでバンドメンバーの手でハンドメイドされた楽曲で、残りの4曲は外部ライター曲というアルバム構成となっている。つまり、自らの手で曲をハンドメイドできるBAND-MAIDと、プロデューサーのKOBAMETALを中心とした裏方による曲提供が主なベビメタとでは、先程の「ベビメタはメタルorメタルじゃない論争」の主な批判者であるメタラーからの評価が最も差がつくポイントかもしれない。更に面白いのは、外部ライターの曲よりもBAND-MAIDがハンドメイドした曲の方がゴリゴリ鳴ってるところで、一方で外部ライター曲はアルバムの流れに絶妙なアクセントを与える大切な役割を担っており、「これ外部曲っぽいな」と思った曲がクレジットを見たらBAND-MAID作曲だったりするから俄然面白い。



では曲の内容ではどうだろう?1stアルバムのBABYMETALでデビューしたベビメタは【アイドルとメタルの融合】をコンセプトに、日本のアイドル(J)ポップスとX JAPANなどの国産ラウドロックをミクスチャーした、海外のメタルシーンにはなかったその奇抜で個性的なメタルが世界中で話題を呼んだ。2016年に発表された2ndアルバムのMETAL RESISTANCEでは、それこそ「ベビメタはメタルorメタルじゃない論争」に終止符を打つかのような、まだ国産ラウドロックの影響下にあった前作とは一転して、海外メタルシーンで主流の【Djent】【ハーマン・リ】【ヴァイキング・メタル】【プログレ・メタル】【エクストリーム・メタル】【モダン・ヘヴィネス】をはじめとしたメタルのサブジャンルをベースに強力な作曲能力を発揮し、【アイドルとメタルの融合】という本来のコンセプトから逸脱するレベルのメタル然としたアルバムをドロップした。その海外メタル勢やX JAPANからのオマージュ的なアプローチが色濃いベビメタと比べると、このBAND-MAIDには特定の音楽的なバックグラウンドはなく、比較的ストレートなラウドロックあるいはハードロックやってて、この手のガールズバンドにありがちな下手なストリングスやキーボードでアレンジした曲とかも一切なくて、あくまでもオリジナルの原音勝負にこだわってるのはとても好感が持てる。



このBAND-MAIDBABYMETAL、その魅せ方や楽しみ方だったり楽しませ方もまるで違う。ベビメタはSU-YUI-MOA-METALのキツネ様信仰からその徹底した世界観をはじめ、ライブでの演出から神バンドを擁するステージング/パフォーマンスまで、言うなれば表立った努力は見せず、あらかじめ裏で完成されたエンタテインメント作品をステージで披露する優等生がベビメタなら、ステージの上で等身大の姿をありのまま表現し一歩一歩成長することで、一から自身の『未来』を自らでハンドメイドしていく庶民派がBAND-MAIDだ。つまり「一からハンドメイドしていく」のと「あらかじめ作られたモノを提供する」←この違いというのは、この二組を比べる上で最も大きな違いだ。ベビメタは三人の少女の発育的な意味での成長(期)を楽しませる一方で、メイドは等身大のバンドの成長をリアルタイムで楽しませる。例えば、ベビメタが強くてニューゲームの設定なら、メイドは初期装備がメイド服とギター一本だけ、みたいな。そういった意味では、アイドルを自称しているベビメタよりもメイドの方が本来のアイドルオタク的な目線で楽しめるかもしれない。

ベビメタはその【アイドルとメタルの融合】を根幹のコンセプトに、キツネ様信仰の世界観やフアンの事を「メイト」と呼んだりと、細部に至るまで様々なギミックと演出を用意周到に準備しているが、一方のバンメは「衣装はメイド服、ライブを「お給仕」、ファンを「ご主人様」または「お嬢様」と呼んでメイドの世界観を演出しながらもビジュアルとは相反するハードロックを基調としたツインボーカルと確かな演奏が織り成す重厚なサウンドを武器に激しいライヴパフォーマンスを繰り広げる」とWikiにもあるように、ギミック的な部分のウリは言葉の語尾に「~ぽー」を付ける、もの凄い『闇』を感じるキャラ設定を持つメイド服の女の子がゴリゴリのハードロックやってるという「ギャップ萌え」のみで、それも同じ事務所のSilent Suicide SirenPASSPO☆には入れないレベルのブスもとい微妙なルックスしか持ち合わせていない余り者が付加価値としてメイド服を着て演奏してる感は否めなくもないというか、「メタル系のガールズバンドできたけどブスやしこれじゃ売れへん・・・せや!メイド服着せたろ!」の精神みたいなノリある。要するに、ベビメタほど徹底した世界観があるというわけではなく、特に縛りがないのはリリック面でも同様だ。一見、メイドだからメイドの奉仕活動というかマナーを歌っていると勘違いしがちだが、決してそういうわけではなくて、主にギター&ボーカルの小鳩ミクとボーカルの彩姫が手がける歌詞も骨太で真っ直ぐなロックサウンドと同調するように、反骨心(精神)が込められた力強く前向きな言葉が多く、意外っちゃ意外かもしれないがいわゆるJ-POP的な歌詞を並べている。

ガチャ歯対決

最後はお待ちかねの「ガチャ歯対決」もとい「ボーカル対決」だ。まずベビメタのSU-METALといえば、今でこそアイドル界では指折りの歌唱力を持つボーカリストとして高く評価されているが、1stアルバムの時点ではまだあどけなさが残るアイドル的なイメージがあった。しかし、一転して2ndアルバムでは「出山ホームオブハートすず香」もとい「メタルボーカリスト」としての才能を開花させ、今やメタルゴットロブ・ハルフォードと共演するまでの世界的なボーカリストとなった。そのメタルゴッドから伝授されたハイトーンボイスを武器とするSU-METALに対して、バンメのボーカル担当の彩姫というのは、言うなれば藍井エイルと絢香を足して2で割ったような感じの、主に低域を魅力とする声質で、それこそSHOW-YA寺田姐さんの後継者と言ってしまいたくなるくらい情熱的な彩姫さんの歌声は、個性と個性のぶつかり合いが過ぎる楽器隊が放つごっついサウンドに負けじとボーカル一本で引っ張っていく頼もしさがある。とにかく、このちょっと育ちの悪そうなヤンキー女っぽいドSな声質はM男にはサイコーだ。なんだろう、なんか淫語で罵声を浴びせられながら「踏まれたい」と思っちゃったんだからしょうがないというか、正直ここまで「いま最も顔面騎乗位されたいボーカリスト」って初めてかもしれない(運命の出会い的な)。本作を例として挙げるなら、6曲目の”OOPARTS”のメロコア風の曲調に合わせてちょっと無理して可愛い感じの声出してる感じはクソ萌えるし、その流れでSHOW-YAリスペクトな80年代ハードロックやってる8曲目の”So, What?”では一転して寺田姐さんばりにダーティな歌声を聴かせ、正直このギャップ萌えを見てブヒらないご主人様はいないと思うし、俄然「蹴られたい」衝動に駆られる。まぁ、それは兎も角として、この二人はまだまだ全然ボーカリストとして伸びシロあります。しかしあれだな、SU-METAL彩姫さんのガチャ歯コンビによって、海外のフアンから「Japanese GIRL is GACYA-GACYA Tooth!!」って思われないか心配だ・・・。でももし彩姫さんが矯正とか初めたら推し変します。

「どうせ形だけのハッタリだろ?」という聴く前のネガティブな予想を覆すように、幕開けを飾る#1”Don't you tell ME”からツインギターだからこそ成せる男勝りの鬼ごっついヘヴィネスに度肝を抜かれ、特にギターソロの導入部の空気感を見れば「ただのメイドさんじゃない」ってことが嫌でも分かるし、更にゴッリゴリな「存在の耐えられない重さ」でゴリ押していく#2”Puzzle”、モダン・メタルコア風のテクニカルなリフから疾走する#3”モラトリアム”でのDjent的なウネリを効かせたブレイクダウンからフレドリック・トーデンダルばりのスリリングなギターソロに繋がる展開とか、これもう完全に「メイド界のメシュガーじゃん」ってなるし、そして疾走感あふれるキャッチーなシングルの”YOLO”から彩姫さんのボーカル主体の”CROSS”、ここまでのモダンな音の出し方に抜群のセンスを感じさせるサウンド面だけを聴けば、まさか可愛いメイド服着た女の子が演奏してるなんて到底思えないし、アルバム序盤はゴリゴリなモダン・ヘヴィネスや歌モノ系のアッパーな疾走感溢れる曲で畳み掛けるように、バンドの自己紹介の挨拶がてら、アルバムのツカミとしては完璧な流れだ。

イェンス・タッコマン

アルバム中盤以降は、一転してそれぞれアレンジとバラエティに富んだ楽曲や外部ライターの曲を織り交ぜながらアルバムの流れに的確な「変化」を与えつつ、バンドとしての柔軟性と同時に一体感、そしてメンバー個々のポテンシャルを爆発させていく。まずはバンメの武器でもあるミクちゃん彩姫さんのツインボーカルが冴え渡る#6”OOPARTS”でバンドの側面的な部分を覗き見せたかと思いきや、次の#7”Take me higher!!”ではベースのMISAとギターの遠乃歌波によるアツいソロバトルを披露してみせたり、一転して80年代のハードロックにタイムスリップさせる#8”So, What?”では彩姫さんの格好良さに俄然「蹴られたい」願望が増すばかりだし、このタイミングでギタボのミクちゃんメインの#9”TIME”を挟んでくる構成とか本当にニクい演出というか、これもう「メイド界のデイブ・ムステインかよ」ってなるし、これにはマーティ・フリードマンも「サイコーじゃ~ん」と大喜び。そしてアルバムのハイライトを飾る曲でイントロから名曲臭しかしない#10”you.”、西海岸のエモ系インスト風のメロディと彩姫さんの美少女感溢れる作り声でまったりと始まる#11”Awkward”は、途中からギターが合流して緩やかにテンポアップしていき、そして後半からはストリングス・アレンジを加えたバンド・サウンドとともに、それこそプログレ・メタル的とも言えるドラマティックな展開力を爆発させる。正直、このレベルの曲をオリジナルでハンドメイドできちゃうのは素直に凄いというか、そう簡単に書ける曲じゃないのは確かだ。その勢いのまま、鬼ごっついギターを鳴らしつつアップテンポに展開する#12”decided by myself”、教科書どおりのHR/HMリフ主体の王道的なハードロックかと思いきや急にオシャいパートから最後はミク大佐にバトンタッチする展開がクソエモい#13”secret My lips”まで突っ切る。捨て曲ないし、どっかのタイアップ拾ってこれそうなキャッチーなシングル曲から、一方で玄人向けとしか思えないようなコアな曲まで幅広くハンドメイドできる強さは、並のメイドじゃないバンメのガチっぷりを証明している。なによりもアルバム後半に山場を持って来れる強みは単純に「いいバンド」の証でもある。

ハッキリ言ってプロダクション自体はまだまだB級だが、そのバンド-メイドがハンド-メイドした楽曲や随所にテクいパートや耳寄りなフレーズを差し込んでくるメンバー個々の技量その実力やポテンシャルは想像した以上のモノがある。ヘタしたらベビメタの1stアルバム並み、いやそれ以上のポテンシャルと確かな凄みがある。そのB級感も含めてベビメタの1stアルバムと共通する所があって、それは本作にはバラード曲がない、というか厳密には本作にはバラードが付け入る隙なんて全くなくて、最初から最後までノンストップで気持ちのいいロックをブチかましている。正直、彩姫さんって今にも絢香の「三日月」歌い出しそうなくらい「バラード映え」しそうな声してると思うんだけど、それなのにバラードがないのはバンメがハッタリではなく、いかに本気と書いてガチで音楽やってるかの証明でもある。いや、それとも単純にバラードが書けないだけか・・・?ともあれ、この手のいわゆる「嬢メタル(死語?)」と呼ばれる勢力の立ち位置とは一線を画した存在なのは確かだし、何よりもベビメタに対する明確な「カウンター」と呼べる立ち位置が、唯一このBAND-MAIDに許された立ち位置なんだ。しっかし、ここまでモダンな音ってそう簡単に出せる音じゃないというか、つまるところ我々「イェンス会」はあなた方バンド-メイド一同の「イェンス会」への加入を心からお待ちしております。さすれば、汝には黄金のヘヴィネス』を授けよう・・・。

つうか、これ聴いたらガチでハマるから聴かないほうがいいかもです。聴けば聴くほど徐々にその面白さが分かってきて、終いには「うわスゲーなにこれ」ってなるくらい衝動的なアルバムです。それで、これもしかしてもしかするとミク大佐彩姫さん以外の3人がバンメの本体なんじゃ...って気づいちゃったら終わりです。もう二度と抜け出せない。少し気が早いかもしれないが、バンメ的にはサマソニはまだしも今年のラウパくらいには出て爪痕残しておきたい思惑があるだろうし、実際にそれが実現する可能性というのは大いにあると思う。もしラウパに出たら出たで、果たして日本のメタラーに受け入れられるのか?そしてベビメタとの反応の違いに注目したい所だ。当然、そんな遠い話は5月から始まる初のワンマンお給仕ツアーを成功させてからだろうし、そのライブを自称「日本一のベビメタ」である僕が直々にこの目で確かめに行ってきます。つーか、5月のツアーまで新作に伴うイベントとか、そういった例えば握手会ならぬ「蹴られ会」とかはやってらっしゃらない?えっ、やってないの?! もっと欲を言うなら、鬼バンドを迎えたBiSHと対バンして「ベビメタ包囲網」的なことやって欲しいというか、名付けて「B(iSH)B(AND-MAID)A(and)B(ABYMETAL)大作戦」みたいな、とにかくベビメタをヒールに持っていく展開を希望。だから渡辺マネ頼むw
 
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日本クラウン (2017-01-11)
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BABYMETAL 『METAL RESISTANCE』

Artist BABYMETAL
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Album 『METAL RESISTANCE』
Metal-Resistance-artwork

Tracklist
01. Road of Resistance
02. KARATE
03. あわだまフィーバー
04. ヤバッ!
05. Amore-蒼星-
06. META!メタ太郎
07. シンコペーション
08. GJ!
09. Sis.Anger
10. NO RAIN, NO RAINBOW
11. Tales of The Destinies
12. THE ONE

久しくベビメタを追ってなかった僕が、偶然話題になっていたYUI-METALの激痩せ画像を目にした時は、それはそれは「もうYUIちゃんを解放してやれよ・・・いい加減に朝ドラヒロイン路線に進ませてやれよ・・・」と切実に思った次第で、そんなBABYMETALといえば→2013年のサマソニ大阪のライブで「いま最も勢いのあるアイドル」だと確信させる圧倒的なパフォーマンスを見せつけ、そして2014年には「デビュー・アルバムにして最高傑作」と名高いBABYMETALをドロップした。それと同時に、極東の島国を震源地に各所で「ベビメタはメタルorメタルじゃない論争」を巻き起こし、またたく間にその名を世界中に轟かせた。それなのに今のベビメタときたら、まるで誰にでも股を開くクソビッチのように海外アーティストとのチェキ会ならぬ媚を売っているときた。確かに、いわゆる「アイドル」っつー職業自体、キモヲタと握手するか業界のお偉いさんのナニと握手するかの違いでしかなくて、ところでおいら、この手の「私たち有名人と仲いいですよ、認められてますよ」と半ば脅しに近いような、全方位に媚を売っていくスタイルの事を「クソビッチ型マーケティング」と呼んでて、シンプルな話、国民的アイドルのももクロが日本で展開してきたその「クソビッチ型マーケティング」をそのまま海外で展開して成功した例がこのベビメタだ。その誰にでも股を開く姿は、まさしくイエローキャブさながらだ。おいら、この手の「クソビッチ型マーケティング」って生理的に受け付けなくて、しかし今のベビメタは全盛期のももクロ以上に度が過ぎる下賤なイエローキャブっぷりで、ただただ嫌悪感しか沸かなかった。しかしプロデューサーのコバメタルは、なぜここまでマーケティングに力を入れ始めたのか?ふと僕は考えた。真っ先に思いついたのが、デビュー・アルバムにして最高傑作のBABYMETALを超える「曲が書けなくなった」、あるいは「書くことを放棄」したんじゃあないかって。それなら、今のベビメタが執拗に海外アーティストに認められてますよアピールに勤しむのにも合点がいく。まぁ、こうやってディスるにしても、約二年ぶりに発表された2ndアルバム『METAL RESISTANCE』を聴いてからでも決して遅くはないんじゃあないか?ということで、全世界同時発売となる4月1日=FOX DAYに買って聴いてみた。

『ベビメタ軍VS.アグネス(ラム)軍』
kannsei

この『METAL RESISTANCE』というアルバムタイトルを司る”Road of Resistance”から、極東の島国を舞台に約300人のロリコンモッシュメイト率いるベビメタ軍と国内最大のアンチベビメタ勢力であり俺の感性率いる約一万のアグネス(ラム)軍が睨み合い、両軍の怒号や咆哮が激しく飛び交う中、「さあ、時は来た」とばかり法螺を吹き上げる宣戦布告の合図、そしてSU-MOA-YUI-METALの三姉妹の『母』=『マザー』であり、映画『300(スリーハンドレッド)』のレオニダス王の『王妃』すなわち『クイーン』、あるいは今最も面白い海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のサーセイ役ことレナ・ヘディの顔芸を合図に、この「ロリコンの威信」もとい「メタルの威信」を賭けた戦いの火蓋は切って落とされる。この曲は、まずベビメタ軍の援軍として、BPM最大で颯爽と戦場に現れたDragonForceのイケメンことハーマン・リサムによる中華風ツインギター・メロディ、ついつい合間にビール瓶を片手に一気飲みしたくなるGソロがミョ~ンミョ~ンと炸裂する典型的なメロスピなのだが、そもそも前作の『BABYMETAL』が世界で高く評価された理由及び「ベビメタの面白さ」って、海外のメタルバンドとは一線を画したJ-POPと国産ラウドロックを融合させたミクスチャー、その他にはないユニークさだったと考えているのだけど、しかしこの曲に限っては露骨に欧州メタルというかドラフォリスペクトな曲だ。・・・戦況は、俺の感性率いるアグネス(ラム)軍の一万の矢にも勝る先制dis攻撃により、ベビメタ軍を一瞬にして壊滅状態に追いやる。しかし瀕死状態のベビメタ軍は、スパルタ王と王妃の娘であり随一の戦乙女であるSU-METALによるウォーオーオーオー!ウォーオーオーオー!という雄叫び(シンガロング)からのイケメンGソロによって再びモッシュメイトを鼓舞し、そして命が続く限り 決して 背を向けたりはしないという最後まで諦めないスパルタの不屈の精神と戦う『勇気』が込められた『魂』のリリックが、北欧神話の『神』オーディンを深い眠りから呼び覚まし、北欧イエテボリ・スタイル直系の殺傷リフが古代の聖剣『ヴァルハラソード』へとその姿を変え、右手にその聖剣を授かりし戦乙女は、アグネス(ラム)軍の屈強な兵士たちをバッタバッタとなぎ倒し、そして狂喜乱舞する。戦場に取り残されたSUMETALYUIMETALMOAMETALの三人は、レジスタンス!レジスタンス!ジャスティス!フォーエバー!と戦場の中心で高らかにメタル愛を叫び、『マザー』であるヘナ・レディとの約束と使命を果たす・・・。
 

ベビメタが2ndアルバムをリリースするとの情報を得た僕は、この”KARATE”トレイラーで初めて「セイヤ!ソイヤ!」という掛け声を耳にした時は「ベビメタ終わってた...」と呟いた。まず曲が書けていないという致命的な要素から、まるで(空手が正式種目として採用された)2020年の東京五輪を見据えた【五輪マーケティング】安倍マリオ率いる日本政府主導のクールジャパンに陽動されて【クソビッチ型マーケティング】せざるを得ない状況にまでベビメタ軍は追い詰められていた。それこそ「メタルレジスタンス」が政府の傀儡化するなんて最高の皮肉だな!って。しかし、フル音源で聴いてみたらそのネガティヴなイメージが一転した。欧州メタル、ドラフォ然とした一曲目とは打って変わって、「海外」は「海外」でもメタルの暗黒期と呼ばれた90年代のUSメタルバンドが得意とするミドル・テンポの曲調で、全世界で初めて【アイドル×Djent】をやってのけた前作の”悪夢の輪舞曲”みたいなPeripheryライクなイマドキのDjentではなく、そのDjentの生みの親として知られるMeshuggahリスペクトな鬼グルーヴと重厚なモダン・ヘヴィネス主体で展開していく。この手の「捨て曲」になりがちな曲を、アリーナ級それこそ東京ドーム級のライブ会場に響き渡るかのような、それこそアミューズの先輩であるPerfumeリスペクトなアトモスフェリックな空間/残響表現を意識したアレンジで化かしている。この曲をアルバムのリード曲としてMVカット&二曲目に持ってきたのは、もはや今のベビメタは日本ではなく「海外」が主戦場であること・・・いや、「ガラパゴス」という言葉を隠れ蓑に世界と「戦う」ことから逃げ続けている企業や国内アーティストに向けて、セイヤ!ソイヤ!と日本人としての誇りを胸に世界で戦っていく、そんな五輪選手ばりに強い『意志』『覚悟』を見せつけるような曲でもあるし、同時にメタル暗黒期と呼ばれた時代に一世を風靡したグランジやモダン・ヘヴィネスを意図的に排除してきた日本の某メタル雑誌を皮肉るかのような曲でもある。正直、深刻な「ライティング不足」により話題性や【五輪マーケティング】にぶん投げする路線にしか見えなくて「ベビメタ終わってた」とドヤ顔でdisったら違った、むしろ「曲が書け過ぎ」てて笑った。

「ベビメタのピーク」っていつ?と聞かれたら、誰もが「ギミチョコのMVがyoutubeにアップされた時」と答えるのが容易に想像できるくらい、正直あれが世界中のベビメタ人気に火をつけた感あるし、正直あれがなかったらベビメタの現状はありえなかっただろうし、事実それ以降のベビメタは誰も手が届かない『メイド・イン・ヘブン』ばりの勢いとスピードで世界中を駆け抜けていったのは、既に読者もご存じのことだろう。その同作曲者である上田剛士氏が手がけたガムソングこと”あわだまフィーバー”は、その”ギミチョコ”を踏襲したサイバーパンク/インダストリアルな曲調で、結局のところ「ギミチョコというピーク」を超えられない二番煎じソングかと思いきや...バッキングのクリーン・トーンのギター・フレーズをはじめ、次作でベビメタがポスト・ブラック化する事を示唆するかの如し、それこそ今をトキメクDEAFHEAVENばりのノイジーなアウトロを耳にした時は「ン゛ン゛ッ゛!?」って変な声が漏れた。”KARATE”と同様、細部にまで”こだわり”が行き渡った音のアレンジやメロディ/フレーズにここでも驚かされ、それは依然曲が書けているという一つの大きな根拠にも繋がっている。

一転して、いい意味で小学校低学年レベルのkawaii歌詞やクラップを取り入れた、ついついサイリウムを振り回しながら振りコピ不可避なファンキーでファニーなノリで展開する”ヤバッ!”は、まるで中年のオッサンがデリヘル呼んでホテルで嬢と初対面した時→「なんか(パネルと)違う なんか(パネルと)違う」みたいな刹那的かつ切実なキモチを謳ったサビも然ることながら、ピコリーモ風のアレンジや極悪なブレイクダウンを織り交ぜながら展開するパリピチューンで、特にラストの「でもね 違うー!」と連呼しまくるセンセーショナルな怒涛の展開力には脳天ブチヌカれること必須。

アンチ・ベビメタ軍の指揮官である僕がベビメタを認めるライン、それは過去にベビメタを初めて記事にした時既に書き記していて、それこそメタル界屈指のエンジニアとして知られるイェンス・ボグレンBABYMETALの邂逅だ。その時はきたのが今回の『METAL RESISTANCE』であり、この”アモーレ長友”もとい”Amore-蒼星-”だ。そのタイトルから想像できるように、この曲は前作の”紅月-アカツキ-”と対になる曲で、”紅月”といえばX JAPANをオマージュした疾走ナンバーだが、この”アモーレ長友”もメロスピの元祖であるHalloweenの名曲”Eagle Fly Free”をはじめ、X JAPAN”Silent Jealousy””Dahlia”を筆頭とした疾走曲の系譜を受け継ぐ曲と言える。アモーレ感あふれる叙情詩的な歌詞の中に「24時間走り続ける」、それを有言実行してきた今のベビメタを示唆する前向きな歌詞を、また一段と”ボーカリスト”としての才能を開花させた感のあるSU-METALの歌声、その存在感にひれ伏す曲だ。SU-METALがここまで素直なボーカル・メロディを歌うことって恐らく初めてだと思うし、特に中盤の見せ場である「もしも君を~」のパートは、彼女のベビメタ史上最も美しく自然体の「いい声」が録音されている。当然、彼女の「いい声」の魅力を最大限に引き出した功労者であり、SU-METALを一人のボーカリストとして、大人だから子供だからって、男だから女だからって、イエローだからって関係ない、SU-METALを「一人のメタルボーカリスト」としてリスペクトした、何よりも「神バンドのフロントマン」としてフォーカスしたイェンス・ボグレンのエンジニア技術に、そして彼の黄金のリベラリズム」を感じ取った僕は涙で明日が見えなくなった。国内エンジニアがミックスした他の楽曲と比較しても一目瞭然で、単純に場数と経験の差が音に現れている。それはSU-METALの歌声と神バンドの絶妙な距離感だったり、声をイタズラに加工せずまさに素材の良さを活かすような、とにかく歌い手の『声』を第一に考えたイェンス・ミックスの特徴が最大限に活かされている。そういった意味でも、この曲はSU-METALが生まれて初めて「VOCALIST」として認められた歴史的瞬間と言えるのかもしれない。

あらためてBABYMETALイェンス・ボグレンが、SU-METALイェンス・ボグレンが邂逅した歴史的事実に猛烈な感動を憶えながらも、僕はもう一つ忘れてはならない「ある事実」に気がついた。これは実質的に【BABYMETAL(≒X JAPAN)×イェンス・ボグレン=『夢』】なんじゃあないか、ということ。今年に入って、なぜX JAPANが日本人初となるウェンブリー・アリーナ公演のライブを急遽キャンセルし、本来は3.11にリリースされるハズだった新作までお流れする事になったのか?なぜ日本人初のウェンブリー・アリーナ公演を実現させるハズだったX JAPANを差し置いて、言わばその代役としてこのBABYMETALが選ばれたのか?なぜこのタイミングでベビメタがアルバムをリリースしたのか?それはある意味、いや実質的にYOSHIKIがベビメタをX JAPANの後継者として正式に認めたことを意味していて、その真実に気づいた僕は、なぜベビメタがBABYMETAL JAPANを襲名したのか、その意味を心の底から『理解』することができた。つまり、日本人初のウェンブリー公演を行ったのがBABYMETAL JAPANであればこそ、それは実質的にX JAPANが演った事と同意で、むしろそうじゃなきゃX JAPANとコルセットクソ野郎ことYOSHIKIのメンツは保たれないし、そうじゃなきゃまたYOSHIKIがヘラって「I leave X JAPAN...」とか言い出しかねない。まぁ、それはともかくとして、この曲はイェンス・ボグレン×実質X JAPANという僕が28年間生きてきた中で『夢』にまで見たコラボを擬似的に、いや奇跡的に実現させている。
 
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まるで「ベビメタのマーチ」と言わんばかりの#6”META!メタ太郎”は、高校野球の応援歌みたいな某行進曲を北欧ヴァイキングメタル的な民謡風アレンジで仕立てあげた、これまでのガチメタった流れとは一転してベビメタらしい”kawaii”を押し出した、今作の中で唯一ソングライティングよりもユーモラスを優先した曲だ。再びイントロからSOILWORKばりのブラストと叙情的なギターで疾走する#7”シンコペーション”は、まるでアニメ『バジリスク』の神OPでお馴染みの陰陽座の神曲”甲賀忍法帖”をオマージュしたかのような、それこそSU-METALがニャンニャン♪と黒猫のように凛々しくも妖艶に歌い上げるファストナンバーで、それと同時に高鳴るビート 燃えるほど 震えて ほどけないというアツい歌詞からは、ジョジョ一部の主人公ジョナサン・ジョースターの名言を彷彿とさせ、そして曲の方でも隙あらば間奏でPeriphery型のハーマン・リーもといジェント・リーなパートをぶっ込んでくるという隙のなさ。

一般ピープルの世界では、いわゆる「GJ!」と言ったら「Good Job!」の略が定説だが、しかしこの鋼鉄世界の「GJ!」は欧州の破壊神「GoJira」「GJ!」であることを、まるで伝説の巨大クジラ『白鯨』が起こす巨大津波の衝撃波のような「バンッバンッバンッ!!」から「キュルルゥゥ!!」とかいう白鯨がモリにぶっ刺された時の鳴き声オマージュのイントロからGojiraリスペクトな#8”GJ!”、某レジェンドの”St. Anger”をオマージュした#9”Sis.Anger”は、それこそブルデス然とした暴虐性とYUI-MOAが持つ"kawaii"をフューチャーしたギャップ萌えがハンパない曲で、正直いまのGojiraよりもGojiraやってるエクストリーム・メタルナンバー。

『ぼくマシュー・マコノヒー』
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「セイヤ!ソイヤ!」
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「東京ドーム2デイズい゛ぎま゛ずぅ゛...」
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前作の不満点として槍玉に挙げられたのは、他ならぬバラードの不在で、ベビメタが「本物のメタルバンド」を名乗るにはX JAPAN”Forever Love””Endless Rain”に匹敵するメタルバラードの存在が不可欠だった。これが「ベビメタなりのラストソング」とでも言うのか、それはX JAPAN”The Last Song”の歌詞にある終わらない雨すなわち”Endless Rain”を、この”NO RAIN, NO RAINBOW”の中で止まない雨という歌詞を擁してXに対するリスペクト&オマージュを実行している。それこそ”Endless Rain”を彷彿とさせるピアノとストリングスが織りなす美旋律から始まり、まるで出山ホームオブハート利三ことTOSHIの魂が乗り移ったかのような、それこそSU-METAL中元ホームオブハートすず香となって魂を込めて歌い上げ、そして今は亡きPATAHIDEの魂が神バンドに乗り移ったかのような”Say Anything”をオマージュしたGソロ、そしてクライマックスを飾る”Tears”をオマージュしたGソロまで、これはもう天国のPATAHIDEへの鎮魂歌だと解釈した僕は「もうこれわかんねぇ・・・」と小声で呟きながら、それこそ映画『インターステラー』マシュー・マコノヒーばりに咽び泣いていた。もっとも「面白い」のは、X JAPANの疾走ナンバーの系譜にある”Amore-蒼星-”Xのバラード曲をオマージュした”NO RAIN, NO RAINBOW”イェンス・ボグレンがエンジニアとして関わっている所で、ここでも僕の『夢』が叶っている。しかし、この曲が本当に凄いところって、それは1番のサビが終わった後の「二度と会えないけど 忘れないでいたいよ」の裏で聴こえるバッキングのヘヴィネスで、それこそイェンス・ボグレンAmorphisの引かれ合いが実現した昨年の『Under the Red Cloud』の中で描かれた黄金のヘヴィネス』そのもので、そのヘヴィネスはまるでイェンス・ボグレン黄金のリベラリズム」に共鳴したかのような音だった。ただでさえ再び僕の『夢』が叶った名曲なのにも関わらず、それ以上に驚くようなフレーズやギミックをさり気なく取り入れられている今作のライティングセンスはちょっと異常だし、普通のメタルチューンならまだしもバラード曲のバッキングでサラッと聴かせちゃう訳の分からなさに、とにかく脱帽。僕には見える、ベビメタのラストライブでこの曲で三人が抱き合う姿を・・・ッ!

「僕らは思い出す、BABYMETALがアイドル界のDIR EN GREYだということを」

最近のYOSHIKIは頻りにDIR EN GREYに対する感謝の言葉を述べていて、その想いはベビメタだって同じだ。アルバムのクライマックスを飾る最後の二曲には、DIR EN GREYの近作でもお馴染みのチュー・マッドセンをミックスとして迎えている。そもそも初めて日本の【アイドル】【プログレ・メタル】を融合させた曲って、某マーティ・フリードマンがゲストで参加したももクロ”猛烈宇宙交響曲”だと思うんだが、しかしベビメタの”Tales of The Destinies”は、所詮は「ニセモノ」のももクロに対して「ホンモノ」のプログレ・メタルとはなんたるかを見せつけるような曲となっていて、それこそTDEPProtest the Heroをはじめ、USプログレ・メタル界の頂点に君臨するDream Theaterばりのテクニカルでアヴァンギャルドな変態神バンドと新生アイドル3376ばりのアイドル・パワーがエクストリーム合体した凄まじい曲だ。これまた驚かされるのがSU-METALの歌で、通常ならボーカリストとしてプログレ・メタルとかいう変拍子を駆使したオタク・ジャンルを歌うことなんてありえないわけで、その難題とも呼べる課題および試練をSU-METALは若干17歳にして神から与えられ、しかし彼女はそれを難なく歌いこなしていて、あらためて今作のSU-METALは、ボーカリストとしてどれだけ成長したのか、どれだけの試練を乗り越えたのか、もはや想像を絶するものがある。

BABYMETAL『鋼鉄神』から託された使命、それはバラバラになった「世界を一つ」にすること。この”THE ONE”は、Arch Enemy”Nemesis”でも有名なONE FOR ALL,ALL FOR ONEの精神を謳った曲で、それこそ【メロスピ】【Djent】【インダストリアルメタル】【プログレ・メタル】【ヴァイキングメタル】【ヌーメタル】【ブルデス】という鋼鉄世界の7大ジャンル+【V系】【アイドル】【J-POP】という日本三大珍味を「一つ」に、そしてメタル発祥の地である【イギリスのメタル】から始まり、【北欧のメタル】【欧州のメタル】【アメリカのメタル】【アジアのメタル】、そして【日本のメタル】という6王国を一つにする壮大な旅の目的地に辿り着き、そしてBABYMETALによって「一つ」に統一されたこの世界で、BABYMETALの三人が『鉄の王座』へと腰を下ろし、『鋼鉄の処女』として鋼鉄世界の新皇帝に即位する。

 ok

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このレビューを書く上で、一つのキーワードとして掲げたのがアンチベビメタ」なる存在で、今回はその「アンチ」の目線に立ってイエローキャブという言葉が閃いた瞬間、このレビューの勝機が見えた気がする。このように、いわゆるアンチの目線を通して聴いてもベタ褒めせざるを得ない傑作ですこれ。正直、このアルバムをディスれる人って、それこそピーター・バラカンみたいな批評家くらいです。少なくとも、X JAPAN『JEALOUSY』のカセットテープを音楽の原点および俺の感性の原点としている僕みたいなネットの末端で活動するレビュアーごときが叩けるようなシロモノじゃあないです。しかしどうだろう、バラカン氏がこのBABYMETALを批評する上で、今のベビメタに対する知識やメタルというジャンルに対する知識や知性、そして物事を「正当に評価」できる感性を持ち合わせているのか?と懐疑的になってしまうのも事実だ。例えば、ベビメタとX JAPANの関係性をはじめ、四年後の東京五輪を見据えた今回の「五輪マーケティング」や現代のメタルシーンを深いところまで理解しているとは到底思えない。結局のところ一体ナニが言いたいかって、この『METAL RESISTANCE』を全世界で最も正当に評価しているのは他ならぬ僕で、もはや「ベビメタの文句は俺に言え」とばかり、気づくと僕は「日本一のジョジョオタ兼日本一のBABYOTA(通称俺メタル)」を襲名していた。 

いま思うとデビュー作の『BABYMETAL』って、あくまでも【メタルとアイドルの融合】をコンセプトにしていたこともあって、単一メタルとして聴くとどうしても未熟な部分が露見してたし、イザとなったら「私たちアイドルですから!」みたいに誤魔化しが効く状態だったのも事実で、同時にアイドル/J-POPと国産ラウドロックのミクスチャーみたいなB級コミックソング感が海外でウケた大きな理由だったのも事実だ。しかし、今作は『METAL RESISTANCE』という名に相応しいクソマジメなメタルやってて、これ聴いちゃったら1stアルバムには二度と戻れないくらい、ソングライティングやアレンジをはじめ、神バンドおよびSU-METALYOSHIKIにダメ出し食らいそうな英詩の発音をはじめとした”ボーカリスト”としての著しい成長、そしてテッド&イェンスらのエンジニア面まで、一枚の「メタルアルバム」として一切隙のない完成度を誇っている。とにかく、今作はメタル>>>アイドルってくらいにメタル方面に全ソースを集中している。その中でも、単純に一つのフレーズで聴かせる余裕というか、いい意味で”アソビ”を覚えた事が前作との大きな違いで、アイドルとして誤魔化すことなく単純に曲の良さで勝負してきている。曲調やアルバム構成などの前作の良さを素直に踏襲しつつ、ハーマン・リーやらジェント・リーやらのモダン・ヘヴィネスをはじめ、五輪競技のように多種多様な「世界のメタル」を余すことなく盛り込んで、全ての面に置いて前作から格段にアップデイトされている。

今作、そのSU-METALの歌い手としての成長も然ることながら、もはや今作における1番の立役者と言っても過言じゃあないのが、他ならぬ神バンドの存在だ。今作がいかに曲が書けているのかを裏付けるような、「おっ」と聴き手の耳を引き寄せる楽器隊の一つ一つのフレーズや各ソロパートを筆頭に、個人の技術力の向上や俄然「(神)バンド」としての一体感(アンサンブル)すなわち音の厚みとスケール感/重厚感がマシマシ、それ故にあらゆるメタルのサブジャンルに柔軟に対応できたからこそ、実質神バンドのお陰で自由に曲が書けているとも言える。その神のバンド・サウンドの完成度を含めて、今のベビメタをB級メタルからA級メタルの極上クオリティへと導いている。だてに「神バンド」名乗ってないなという「プロフェッショナル」な職人芸を披露している。あとはやっぱり、ドラフォやSOILWORKをはじめ、近年のイェンスがプロデュースしたバンドの影響がピロピロ系のメロディや要所のフレーズに表れている気がする。つまり、神バンドのサウンドがイェンスの上質なミキシングに耐えうる極上レベルまで到達したというわけでもあって、どうせならDIR EN GREY『UROBOROS』みたいに、1stアルバムを全曲イェンスにミックスさせた「イェンス盤」リリースして欲しいくらい。

『KOBAMETAL=MASAYA説』

いま思うと、前作の時に「2ndアルバムはカレーが辛くてブチギレた人にプロデュースさせろ!」と言った自分がいかに馬鹿で間違っていたのかがわかる。このアルバムで分かった、違う、そうじゃない、KOBAMETALがYOSHIKIだったんだ、コバメタルこそシン・ヨシキだったんだって。今作のコンセプト・ワードでもある「世界を一つにする」という『野望』の中に、まさか「世界のメタルを一つにする」という意味と「東京五輪で世界を一つにする」という2つの意味が込められていたなんて想像もしてなかった。コバメタルの意識は既に四年後の東京五輪に向かっていたんだ。そしてコバ自身が実質MASAYAもとい実質YOSHIKIすなわちシン・ヨシキとなって、実質MASAYAプロデュースもとい実質YOSHIKIプロデュースとして、このBABYMETALBABYMETAL(X)JAPANとして、この『METAL RESISTANCE』を本来は3.11にリリースされるはずだったX JAPANの幻の復活アルバムとして全世界にドロップしたんだ。その結果が、X JAPANYOSHIKIが志半ばで断念した世界進出、そして坂本九『スキヤキ』以来約53年ぶり、坂本龍一以来約33年ぶりの米ビルボードTOP40入りという快挙を、その「坂本姓」の系譜を継ぐものである坂本三姉妹a.k.aBABYMETALa.k.aBABYMETAL(X)JAPANが成し遂げた事実に、再び僕は涙を禁じ得なかった。そして僕のスタンド能力『キング・クリムゾン』は、四年後に開催される東京五輪の開会式で坂本九&坂本龍一&坂本三姉妹=坂本一家&YOSHIKI&シン・ゴジラで何かしらのアクションを起こす『未来』を予測してしまった・・・というのは冗談で、でもリオ五輪の閉会式で披露された「トーキョーショー」の演出にベビメタが出なかったのは、まだ「KARATE」が完成してなかった頃に企画されたからだと思うし、きっと今ごろ総合演出の椎名林檎は後悔してるに違いない。もはや今のベビメタは日本という国を語る上で欠かせない『日本の象徴=アイコン』になってしまったのだから。いや、しかし本当にコバ凄い。そのうちアミューズの社長やるんじゃねーかレベル。だから今のうちにコバにゴマすっとこ!

正直、前作で「デビュー作にして最高傑作」を作って、後はどうベビメタを終わらせるか?を考える時期に入ると思ってただけに、このアルバムを聴いたらむしろ逆にその勢いは増すばかりで、まるで留まることを知らなかった。このままベビメタは四年後の東京五輪までノンストップで走り続けるんだと思う。当然、ベビメタがNEXTステージに進むには『ゲーム・オブ・スローンズ』の壮大なスケールおよび重厚な世界観との結合ならびに坂本三姉妹『母』であるレナ・ヘディ『マザー』として迎え入れることが必要不可欠だ。そして、2020年に極東の島国でバラバラになったこの世界を「一つ」にする救世主こそ、このBABYMETALという三人の美少女たちなのかもしれない。だからYUIちゃん!まだまだ「朝ドラヒロイン」路線には行かせませんよ~~~!!

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