Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

Dream-Pop

サマソニ大阪タイテ【PassCode】→【NAMBA】→【BAND-MAID】→【ROYAL BLOOD】→【ホルモン】→【BABYMETAL】→【FF】

Cigarettes After Sex 『Cigarettes After Sex』

Artist Cigarettes After Sex
new_95cda063d0485c76afa7bc35f809e81a

Album 『Cigarettes After Sex』
5d53d7e6aad2f08c464e301d3bab6e96

Tracklist

01. K.
02. Each Time You Fall In Love
03. Sunsetz
04. Apocalypse
05. Flash
06. Sweet
07. Opera House
08. Truly
09. John Wayne
10. Young & Dumb

今年の5月、22年ぶりに奇跡の復活作を発表したシューゲイザー界のレジェンドことSlowdive。そのSlowdiveが90年代以降の音楽シーンに与えた影響は計り知れず、2014年作の『シェルター』ニール・ハルステッドとコラボしたAlcestネージュもその内の一人だが、このブルックリンにもスロウダイヴからの影響を隠しきれない「スロウダイバー」が存在するのをご存知だろうか。2012年に発表されたデビューEP『I.』が瞬く間に話題を呼ぶやいなや、収録曲のNothing's Gonna Hurt You BabyがYoutubeで4000万再生を記録し(現在は6200万)、そして今年の5月には初来日公演を果たした、【テキサス出身】と【ブルックリンを拠点に活動している】こと以外全てが謎に包まれたバンドが今世界中から注目を浴びている。その名もCigarettes After...



『SEX』



よく「SEXの後のタバコは格別にウマい」って話を聞くけれど、しかし俺たち「童貞」には一生理解できないその謎の価値観と疑問に、音楽という名の疑似SEXを通じて「童貞」にも理解できるようにレクチャーしてくれるのが、このもはや「究極の童貞煽り」みたいなバンド名を冠した、フロントマンのグレッグ・ゴンザレス率いるCigarettes After Sexだ。実は彼ら、2011年にも同じようなセルフタイトルを冠したフルアルバムをリリースしているが、今はその存在自体が完全になかったことになっている。この度、再びセルフタイトルのアルバムを出したということは、これが彼らの本当の姿だという二度目の正直的な意味が込められているのかもしれない。

このCigarettes After Sex(セックスの後のタバコ)「Sex=セックス」に対して、いわゆる主にベッドの上で行われる「Sex=セックス」を想像した奴は間違いなくほぼ100パーセント「童貞」だ。何故なら、ここでのこの場合のこのバンドでの「Sex=セックス」は、パスポートなどでお馴染みの「性別」という意味で使われる「Sex」を表現していて、それはバンドの中心人物であるグレッグ・ゴンザレス「性別」の垣根を超えた女性的かつ官能的な歌声を聴けば分かるように、つまり彼らの奏でる音楽には「Sex」≒「Gender」すなわち「ジェンダーフリー」の精神が宿っており、そのグレッグのセンチメンタルなウジウジ気分にさせる内向的な歌声をはじめ、女々しくて女々しくて辛すぎるメロマンティックな歌詞世界、スロウダイヴ直径のシューゲイザー/ドリーム・ポップ然としたアトモスフィア/フィードバック・ギターが奏でる魅惑のリフレイン、そしてスロウコアならではのミニマルなサウンド・スケープならぬドリーム・スケープを、Cigarettes=煙草のケムリのようにモクモクと展開していく。あのスロウダイヴを「天上の音楽」と表現するなら、このCigarettes After Sexはまさに映画『コーヒー&シガレッツ』のような雰囲気映画ならぬ雰囲気音楽、すなわち「ベッドルームの音楽」だ。


彼らは、幕開けを飾る一曲目の”K.”からこの世のものとは思えない官能的な「Slowsex」を披露する。それこそスロウダイヴ”Altogether”を彷彿させる、儚さちょちょ切れるようなイントロのリフレインから「スロウダイヴ愛」に満ち溢れたスロウナンバーで、今のLGBT時代を象徴するようなジェンダーレスかつフェミニンなグレッグの歌声とギターの「Slowsex」の如しメロゥなリフレインとアコギが織りなす、セクシャルでハラスメントな、ムーディでアダルティな世界観をミニマルに描き出していく様は、もはやSlowdiveではなく「Slowsex」と呼称すべき音楽だ。昭和の歌謡曲やテレサ・テンばりに哀愁よろしゅうなキーボードのメロディと可愛げのあるグレッグの甘味な歌をフィーチャーした#2”Each Time You Fall In Love”、再びギターのメランコリックかつミニマルなリフレインをフィーチャーした#3”Sunsetz”と#4”Apocalypse”、トリップホップ感を醸し出す#5”Flash”、タイトルどおり甘いSexのようなメロディに溺れる#6”Sweet”、白昼夢を彷徨うかのようなリヴァーヴィなアトモスフィアが広がる#7”Opera House”、アメリカの映画俳優ジョン・ウェインの名を冠した今作のハイライトSexを飾る#9”John Wayne”、リア充過ぎる歌詞に耳を塞ぎたくなること請け合いなラストの#10”Young & Dumb”まで、もはや「儚くも甘味なグレッグの歌声とコク旨なギターのリフレインがあればそれでいい」みたいな、それこそ22年ぶりに本家のスロウダイヴがセルフタイトル作で奇跡の復活を宣言したこのタイミングで、その約一ヶ月後に最高のスロウダイバーが最高のSEXミュージックを最初から最後まで一貫して繰り広げるセルフタイトル作で最高のアルバムデビューを飾るという神展開。これ聴き終えたら「童貞卒業」したも同然です。それくらい、「いま最も童貞にオヌヌメしたい最高のSEXミュージック」だ。

シガレッツ・アフター・セックス
シガレッツ・アフター・セックス
Hostess Entertainment (2017-06-09)
売り上げランキング: 22,996

Pinkshinyultrablast 『Everything Else Matters』

Artist Pinkshinyultrablast
Pinkshinyultrablast

Album 『Everything Else Matters』
Everything Else Matters

Tracklist
01. Wish We Were
02. Holy Forest
03. Glitter
04. Metamorphosis
05. Umi
06. Land's End
07. Ravestar Supreme
08. Marigold
09. Glitchy Kiss Goodnight
10. Sparkle Outburst
11. Marshmallow Ghost

Pinkshinyultrablast ・・・2009年にEP『Happy Songs for Happy Zombies』でデビューを飾った、紅一点のVoリュボーフィ率いるロシアはサンクトペテルブルク出身の5人組、Pinkshinyultrablast(ピンクシャイニーウルトラブラスト)の1stフルアルバム『Everything Else Matters』が、初期WhirrNothingに真っ向からケンカ売りにキテる件。



・・・まるでJulianna Barwick顔負けの賛美歌の如し聖なる歌声が天から舞い降りてくるかのような、すこぶる神聖な幕開けを飾る#1”Wish We Were”から、シアトリカルなシンセやスタイリッシュなエレクトロを織り込みながら、マイブラに代表される90年代シューゲイザーの流れを汲んだ紅一点ボーカリストリュボーフィによる透明感溢れるゆるふわ系の歌声とロシアとかいう極寒の地に降り注ぐ雪の結晶のように煌めくエピカルなメロディとノイジーな轟音が雪崩のように襲いかかり、そのバンド・サウンド然とした衝動的な勢いにノッて甘酸っぱい疾走感と焦燥感を内包したエモーショナルなビートを刻んでいく。その「LOVE!LOVE!Lovelessズッキュン!」なユラメキ☆トキメキ☆キラメキ☆は、まさしくWhirrの名盤『桃尻女とシューゲイザー』に追従する勢いだ。マスロック的ミニマルなリフ回しで始まる#2”Holy Forest”は、オリエンタルなシンセ・ポップ風のメロディやノイジーなギター、そしてクラップをフューチャーしながらアップテンポに展開していき、クライマックスでは美しすぎる轟音の渦に飲み込まれ、気がつくと「パダーチャ!ミャ~~~チ!」とかいう意味不明な言葉を叫びながら恋のSOS信号を発信している。で、ハードコアなリフの反復によるラウド感とライブ感が気持ちいい#3”Glitter”、まるでスウェーデンのPostiljonenを彷彿とさせるドリーム・ポップ・チューンの#4”Metamorphosis”、リヴァーヴを効かせたドリーミーなイントロから青々とした海のように澄み切ったメロディとリュボーフィのポップなボーカル・メロディが織りなすラブモーションにズキュウウウン!!とハート射抜かれる日本語タイトル曲の#5”Umi”、イタリアのKlimt 1918を彷彿とさせるオルタナティブなメロディやマスロック然としたリフ回し、そして予測不可能かつ劇的な展開を繰り広げる#6”Land's End”、約9分ある本編ラストの#8”Marigold”のクライマックスでは、それこそAlcest”Délivrance”に匹敵する謎の神々しさ解き放ってて笑うし、もうなんかこいつらマジスゲーですとしか。で、Vinyl Junkieからリリースされた国内盤にはボートラが3曲追加で収録されてて、その中でも#9は敬愛する宮﨑駿に愛を込めて日本語に挑戦した曲らしく、『魔女の宅急便』の主題歌”やさしさに包まれたなら”の一節を引用しているが、正直なんとも言えない気分になった。他の二曲は本格的にエレクトロ色の濃い打ち込み曲となっている。これは次作でシューゲイザーやめるフラグか・・・?

シューゲイザー×?? ・・・なんというか、一見ありがちなシューゲイザーかと思いきや、初期WhirrNothingを連想させるUSハードコア精神、スウェーデンの新星Postiljonenを彷彿とさせる80年代シンセ・ポップ/ドリーム・ポップや同郷のPowder! Go Awayを彷彿とさせるスーパー・シネマティック・ポストハードコア系ポストロック、後期WhirrRingo Deathstarrを連想させるノイズ・ポップ然としたkawaiiポップネスがクロスオーバーしたハイブリットなプーチン・サウンド、要するに"美味しいとこ取り"なオルタナやってて、それこそロシアにはない幻の海(Umi)という『夢』を描き出すようなサウンドスケープに胸キュン死不可避だ。時にダイナミック、時にドラマティック、そして時に初期赤い公園ばりのPost-Progressiveな展開力を目の当たりにすれば、このピンクシャイニーウルトラブラストが他のシューゲイザーバンドとは一線を画した存在だという事がわかるし、この手のジャンルにありがちな単調なイメージとは無縁だ。とにかく、そのメロディセンスが非凡で、懐かしのシンセ・ポップ的なメロディとシューゲイザー・サウンドの掛け合いはとてもユニークだし、聴いていて素直に楽しい。この"オルタナティブ"な音使いは、赤い公園津野米咲が好きそうなソレだし、【シューゲイザー×??】のハイブリットという意味では、日本のThe fin.きのこ帝国とやってることは同じかもしれない。



彼らのセルフライナーノーツによると、ステレオ・ラブやコクトー・ツインズ、ポニーテールやアストロブライトをはじめ、90年代のヒップホップやデスメタルからも影響されているとの事で、歌詞の大部分は映画『燃えよドラゴン』や『スネーキーモンキー 蛇拳』に影響を受けているらしく、実際にMVを見れば彼らのユニークな嗜好回路が理解できるハズだ。かなりの日本贔屓という事もあって、とにかくライブ観たさしかない。
 
EVERYTHING ELSE MATTERS
EVERYTHING ELSE MATTERS
posted with amazlet at 15.02.05
PINKSHINY ULTRABLAST
VINYL JUNKIE (2015-01-14)
売り上げランキング: 54,023

Whirr 『Sway』

Artist Whirr
Whirr

Album 『Sway』
Sway

Tracklist
01. Press
02. Mumble
03. Dry
04. Clear
05. Heavy
06. Sway
07. Lines
08. Feel

Deafheaven VS, ex-Deafheaven ・・・昨年、メタルシーンを最も賑わせたアルバムといえばDEAFHEAVEN『サンベイザー』だ。最近では、その現DEAFHEAVENex-DEAFHEAVENの派閥争いが激化し始めていて、大手音楽メディアピッチフォークをパトロンとする現デフヘヴンに対抗する組織、言うなれば”アンチピッチフォーク界のアイドル”ならぬex-DEAFHEAVEN側の首謀者であるニック・バセットくんが今年新たにNothingDeath Of Loversなる新バンドを立ち上げたが、そんな彼が以前より在籍していたシューゲイザーバンド、Whirrの約二年ぶりとなる2ndフル『Sway』がリリースされた。

原点回帰 ・・・このWhirrといえば→2010年作のEP『桃尻女とシューゲイザー』がマイブラ直系の甘~いシューゲイズ・サウンドに胸キュン不可避な傑作で華々しいデビューを飾り、誰しもが将来を期待するバンドに思えた。がしかし、その後は紅一点の女性VoのByanca Munozたそを皮切りに、遂には後任ボーカルのKristina Esfandiariまでも脱退し、その作風もよく分からない方向に迷走し始め、デビュー当時のバンドの勢いは作品を追う毎に右肩下がりに、巷じゃ「デビューEPで終ったバンド」...そんな悪評が広まっていた。そんな彼らが放つ2ndフル『Sway』は、あの迷走していた時期とは一体なんだったのか?ってくらい、AlcestLantlosあるいはHammockを連想させるドリーム・ポップ系の儚いメロディをフューチャーした轟音ヘヴィロックやってて、このデフヘヴンからシューゲ部分をザックリと抜き出したような、シューゲイザー・リバイバル感あふれる萌え萌え胸キュンサウンドこそWhirrの真骨頂であり、ここ最近のアルバムでは最も桃尻女とシューゲイザーに近い作風、つまり”原点回帰”と呼べる一作となっている。ひとえに”原点回帰”と言っても厳密には違うくて、ニックの影に隠れたWhirrの実質最高権力者ことLoren Riveraがメインボーカルを張っている所やオルタナティブなアプローチを強めている所からも、どちらかと言えばNothingや盟友Anneに引っ張られる形となっている。ドラムをはじめ全体的に音がメタリックで、そういった意味でもNothingの影響というか、近年のニックの嗜好が顕著に出た作風と言える。それはさしずめ女子禁制の『鮫肌男とシューゲイザー』といった所か。

???「ファッ◯ン ピッチ!」 ・・・ローレンというヤンデレ系男子の憂鬱な歌と焦燥感を煽るメロディを乗せてパンキッシュに疾走する#1”Press”は、1stEPの”Meaningless”や1stフルから”Junebouvier”の流れにあるハードコアな曲で、それこそ”原点回帰”を宣言するに相応しいオープニングナンバーと言える。続く#2”Mumble”では、音響意識の高いドリーミーなメロディとノイジーなギター、そして胸キュン不可避なボーカル・ハーモニーを聴けば名盤桃尻女とシューゲイザーの再来を予感させる。そして、その予感は#3”Dry”で確信へと変わる。この曲は、Alcestの2ndを彷彿とさせる幻夢的なメロディとポストメタリックな轟音ヘヴィネスが美しくも激しく交錯していく。深いリヴァーヴを効かせた幻想的なメロディと身が竦むほどノイジーな轟音が雪崩のように押し寄せる#4”Clear”、まるで鮫肌のようなギター・ノイズと甘味なボーカル・ハーモニーが織りなす、エベレストの山頂で恋の遭難信号を発しながら息絶えるような胸キュンボンバーの#5”Heavy”Hammockばりのアンビエンス音響空間を形成しつつローテンポで進む表題曲の#6”Sway”、それ以降も最後までメロディ重視の作風といった印象で、その量は過去最高と言っていい。確かに、Nothingほどのインパクトはないかもしれないが、少なくともちょっとオサレなノイズ・ポップと化した1stフルやポストロック化した2ndEPよりは、彼らの原点である『桃尻女とシューゲイザー』を感じる事のできる、それと対になる王道的なシューゲイズ作品で、個人的にも『桃尻』の次に好きなアルバムとなった。そして、ようやく長い迷走期間から抜け出す事ができたんだってね。

デフヘヴン包囲網 ・・・この”大シューゲイザーの時代”の草分け的な存在であるWhirr”原点回帰”したことにより、俄然デッへ界隈の権力争いが面白くなってきた所で→現Deafheavenのメンバーによる新バンドCreepersがデビュー、からのByanca Munozたそ率いるNight Schoolが電撃参戦!というシナリオ。正直、デッへ界隈だけでここまで楽しめるのは全てニックのお陰というか・・・ハッ!まさかニックはこの未来を描くためにデッへから脱退した可能性が・・・ッ!? な...なんてエモーショナルな人なんだ・・・。
 
Sway
Sway
posted with amazlet at 14.10.04
Whirr
Graveface (2014-09-23)
売り上げランキング: 93,166

Crosses 『†††』

Artist Crosses
†††

Album 『†††』
†††

Tracklist
01. †his Is a †rick
02. †elepa†hy
03. Bi†ches Brew
04. †hholyghs†
05. †rophy
06. †he Epilogue
07. Bermuda Locke†
08. Fron†iers
09. Nine†een Nine†y Four
10. Op†ion
11. Nine†een Eigh†y Seven
12. Blk S†allion
13. †
14. Prurien†
15. Dea†h Bell
 
【ベビメタ大好きおじさん】・・・VersaEmerge改めVERSAのプロデューサーでも知られるFarShaun Lopezと、今年のSonisphereBABYMETALとの共演を果たし、晴れて”ベビメタ大好きおじさん”の仲間入りを果たしたDeftonesのクソデブことチノ・モレノによるプロジェクト、Crossesの1stフルでセルフタイトルの『†††』なんだけど、意外や意外かのSumerian Recordsからリリースされた本作品は、2011年と2012年にリリースされた二枚のEPを含めた(新録曲は実質5曲)初のフルアルバムとなっている。

主な流れとしては、EP1→EP2→新録曲→EP1→EP2→新録曲→EP1→EP2→新録曲・・・といった構成で、過去作のEPは置いといて、新曲の感想を述べると→まず#3の”Bi†ches Brew”からチノのフェミニンな妖しい歌声とダウナーかつヘヴィなムードが織りなす、まさに†††節全開のエレクトロ・ロックで、ラストのチノのシャウトやヌ~・メタル的なヘヴィネスはデフトーンズを彷彿とさせる。#6”†he Epilogue”は比較的ポジティヴ な曲、#9”Nine†een Nine†y Four”は仄かにノスタルジックなレトロ感を纏ったアンニュイな曲、#12”Blk S†allion”はファンキーなギターをフューチャーした曲、ラストの#15”Dea†h Bell”はグリッチ感を押し出したピアノ主体のアンビエントナンバー。といった感じで、新録曲はどれも個性のある曲で、特に#3が自分は好き。で、あらためてEPの曲を聴いてみても、#5や#10の名曲っぷりを再確認したり、#14に至ってはVERSAに通じる音使いを感じたりする。要するに→時にレトロホラー映画のように不穏で陰気な空気を漂わせ、時に淫夢を見ているかのような錯覚を憶えたり、時に椎名林檎ばりのアンニュイなオルタナやってみたりと、今にもとろけて、どこまでも堕ちてしまいそうな艶かしいエロスを内包し、それでいてポップな美狂乱を繰り広げる幻想的かつ中二病的なトリップ世界は†††ならではだ。これが”ベビメタ大好きおじさん”がやってる音楽だなんて想像できないよ!
 
+++
+++
posted with amazlet at 14.07.21
Crosses
Sumerian Records (2014-02-14)
売り上げランキング: 64,506

Nothing 『Guilty of Everything』 レビュー

Artist Nothing
Nothing

Album Guilty of Everything
Guilty of Everything

Tracklist

01. Hymn to the Pillory
02. Dig
03. Bent Nail
04. Endlessly
05. Somersault
06. Get Well
07. Beat Around the Bush
08. B&E
09. Guilty of Everything

【血迷ったRelapse】・・・昨年、True Widowの3rdCircumambulationがかのRelapseからリリースされて驚いていたのも束の間、今年も何を血迷ったのか、少しコジャレたエクストリーム系をウリとしているハズのRelapseから、WhirrDeath Of Loversのギタリストであり元DEAFHEAVENニック・バセット君率いるUSはフィラデルフィア出身の4人組、Nothingのデビュー・アルバム『Guilty of Everything』がリリースされた。まずはオープニングを飾る#1”Hymn to the Pillory”を聴けば、彼らがどのような時代の音楽から影響を受けているのかが理解できるハズ。帯のアオリ文句に【My Bloody Valentine with Jesu】と謳っているとおり、CDを再生すると同時に90sオルタナティブ風のギター・メロディやJesu直系の幻想的な轟音ノイズ、そしてドリーミーかつビューティフォーなボーカルとハーコーイッシュなヘヴィネスとダイナミズムがクロスオーバーした、要するにマイブラやSlowdiveそしてスパマンなどの伝統的なShoegazer/AlternativeとJesu直系の現代的なPost-Metalをエクストリームさせた魅惑のドリーム・スケープを展開している。

【F◯◯k Pitchfork】・・・Whirrデッヘボン界隈を追いかけている人なら既に認知してたと思うけど、前作のEPDownward Years to Comeが巷で話題を呼んだ結果が、今回の【血迷ったRelapse事件】というわけ。とは言っても、まだまだ無名な彼らのデビュー・アルバムが一体何故大手のRelapseからリリースされるに至ったのか、その理由→「これはRelapseが血迷うのもしゃーない」と納得してしまった曲がシングルの#2”Dig”だ。実にDoomgaze然とした美轟音と淡~い蒸気を発する叙情性が描き出す仄暗いモノクロ世界の中で、儚くも美しい甘味なボーカルに胸キュン死不可避な名曲で、それこそWhirrの傑作EP桃尻女とシューゲイザーの再来を予感させるほどのドキドキ♥だった。その流れからWhirr”Meaningless”を彷彿とさせる、爽やかなノイズ・ポップチューンの#3”Bent Nail”、マイブラばりの轟音ノイズに耳が殺られる#4”Endlessly”、今年度の【BEST of ATMS】大賞待ったなしの超絶ドリーミーなイントロから、Alcestシェルターに通じるアンニュイなメロディが空間を支配していく#5”Somersault”、再びノイズ・ポップ風のパンキッシュなビートを刻む#6”Get Well”、ドリーミーに始まって後半からモグワイもビックリのけたたましい轟音ノイズ地獄に溺れる”B&E”、そしてラストを飾る表題曲の”Guilty of Everything”まで、全9曲トータル約39分の美轟音に酔いしれること必須。なお、ピッチフォークのレビューで6.9点という中途半端な低評価を受けて→自身のFBで「F◯◯k Pitchfork.」と直球過ぎるディスりをぶちかました彼らの根幹にあるアツい『メタル精神』に敬意を表して、年間BEST確定です。この”F◯◯k”には、サンベイザーがピッチに評価されて”売れる前”のデッヘボンの元メンバーが在籍するバンドだからこその説得力とリアルな憎しみが込められているw

ブックレット

【打倒DEAFHEAVEN】・・・感覚的にはJesuの音でオルタナ/ノイズ・ポップやってるイメージだが、それと同時にレーベルメイトのDeftonesJuniusを連想させる、いわゆるオルタナティブ・ヘヴィっぽい存外メタリックなノリやポストロック然としたリリカルな展開力も持ち合わせてたりして全然退屈しない。正直、今のWhirrよりも傑作桃尻女とシューゲイザーの頃のWhirrやってます。少なくとも#2”Dig”は聴いて損はない。この曲は傑作。で、再び話はRelapseの件に戻るが→そもそもDeftonesが所属している事を考えれば、一見血迷ったかのようにも見えた今回のRelapseの行為は意外でもなんでもないし、むしろデブ豚の正統な後継者と言える存在なのかもしれない。それは廃れた精神病棟に隔離された患者(ヤク中)を陰鬱(モノクロ)に描いた、ヤケに凝ったブックレットのデザインやシンボルマークなどのオサレな刻印を見れば、このNothingがどれだけレーベルから期待され推されているのかが明白だ。昨年のTrue Widowといい、どうやらRelapseDoomgazeという新興ジャンルに早くも目をつけたのかもしれない。この日本でもRelapse JAPANから国内盤がリリースされる予定だが、これにはあのDaymare Recordingsが悔しがっている様子が思い浮かぶほど。なんにしても、WhirrがEPAroundで方向性を変えてオワコン化した今、今やファッション・サブカル系男子のアイドルことDEAFHEAVENというBlackgazeに対抗する唯一の手段が、このNothingDeath Of LoversというDoomgazeなわけだから、こうやって【打倒DEAFHEAVEN】的な視点からデフへ周辺界隈を楽しめちゃうってのは、Whirrや初期デッヘボン好きの隠れニック・バセットファンとして素直に喜ばしい限りです。そして最後に、今ここに宣言しよう→「Nick Bassett is Back...」と。

Guilty of Everything
Guilty of Everything
posted with amazlet at 14.03.07
Nothing
Relapse (2014-02-27)
売り上げランキング: 9,866
記事検索
月別アーカイブ