Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

Dream-Pop

℃-ute解散がショック過ぎるので更新停止します

Pinkshinyultrablast 『Everything Else Matters』

Artist Pinkshinyultrablast
Pinkshinyultrablast

Album 『Everything Else Matters』
Everything Else Matters

Tracklist
01. Wish We Were
02. Holy Forest
03. Glitter
04. Metamorphosis
05. Umi
06. Land's End
07. Ravestar Supreme
08. Marigold
09. Glitchy Kiss Goodnight
10. Sparkle Outburst
11. Marshmallow Ghost

Pinkshinyultrablast ・・・2009年にEP『Happy Songs for Happy Zombies』でデビューを飾った、紅一点のVoリュボーフィ率いるロシアはサンクトペテルブルク出身の5人組、Pinkshinyultrablast(ピンクシャイニーウルトラブラスト)の1stフルアルバム『Everything Else Matters』が、初期WhirrNothingに真っ向からケンカ売りにキテる件。



・・・まるでJulianna Barwick顔負けの賛美歌の如し聖なる歌声が天から舞い降りてくるかのような、すこぶる神聖な幕開けを飾る#1”Wish We Were”から、シアトリカルなシンセやスタイリッシュなエレクトロを織り込みながら、マイブラに代表される90年代シューゲイザーの流れを汲んだ紅一点ボーカリストリュボーフィによる透明感溢れるゆるふわ系の歌声とロシアとかいう極寒の地に降り注ぐ雪の結晶のように煌めくエピカルなメロディとノイジーな轟音が雪崩のように襲いかかり、そのバンド・サウンド然とした衝動的な勢いにノッて甘酸っぱい疾走感と焦燥感を内包したエモーショナルなビートを刻んでいく。その「LOVE!LOVE!Lovelessズッキュン!」なユラメキ☆トキメキ☆キラメキ☆は、まさしくWhirrの名盤『桃尻女とシューゲイザー』に追従する勢いだ。マスロック的ミニマルなリフ回しで始まる#2”Holy Forest”は、オリエンタルなシンセ・ポップ風のメロディやノイジーなギター、そしてクラップをフューチャーしながらアップテンポに展開していき、クライマックスでは美しすぎる轟音の渦に飲み込まれ、気がつくと「パダーチャ!ミャ~~~チ!」とかいう意味不明な言葉を叫びながら恋のSOS信号を発信している。で、ハードコアなリフの反復によるラウド感とライブ感が気持ちいい#3”Glitter”、まるでスウェーデンのPostiljonenを彷彿とさせるドリーム・ポップ・チューンの#4”Metamorphosis”、リヴァーヴを効かせたドリーミーなイントロから青々とした海のように澄み切ったメロディとリュボーフィのポップなボーカル・メロディが織りなすラブモーションにズキュウウウン!!とハート射抜かれる日本語タイトル曲の#5”Umi”、イタリアのKlimt 1918を彷彿とさせるオルタナティブなメロディやマスロック然としたリフ回し、そして予測不可能かつ劇的な展開を繰り広げる#6”Land's End”、約9分ある本編ラストの#8”Marigold”のクライマックスでは、それこそAlcest”Délivrance”に匹敵する謎の神々しさ解き放ってて笑うし、もうなんかこいつらマジスゲーですとしか。で、Vinyl Junkieからリリースされた国内盤にはボートラが3曲追加で収録されてて、その中でも#9は敬愛する宮﨑駿に愛を込めて日本語に挑戦した曲らしく、『魔女の宅急便』の主題歌”やさしさに包まれたなら”の一節を引用しているが、正直なんとも言えない気分になった。他の二曲は本格的にエレクトロ色の濃い打ち込み曲となっている。これは次作でシューゲイザーやめるフラグか・・・?

シューゲイザー×?? ・・・なんというか、一見ありがちなシューゲイザーかと思いきや、初期WhirrNothingを連想させるUSハードコア精神、スウェーデンの新星Postiljonenを彷彿とさせる80年代シンセ・ポップ/ドリーム・ポップや同郷のPowder! Go Awayを彷彿とさせるスーパー・シネマティック・ポストハードコア系ポストロック、後期WhirrRingo Deathstarrを連想させるノイズ・ポップ然としたkawaiiポップネスがクロスオーバーしたハイブリットなプーチン・サウンド、要するに"美味しいとこ取り"なオルタナやってて、それこそロシアにはない幻の海(Umi)という『夢』を描き出すようなサウンドスケープに胸キュン死不可避だ。時にダイナミック、時にドラマティック、そして時に初期赤い公園ばりのPost-Progressiveな展開力を目の当たりにすれば、このピンクシャイニーウルトラブラストが他のシューゲイザーバンドとは一線を画した存在だという事がわかるし、この手のジャンルにありがちな単調なイメージとは無縁だ。とにかく、そのメロディセンスが非凡で、懐かしのシンセ・ポップ的なメロディとシューゲイザー・サウンドの掛け合いはとてもユニークだし、聴いていて素直に楽しい。この"オルタナティブ"な音使いは、赤い公園津野米咲が好きそうなソレだし、【シューゲイザー×??】のハイブリットという意味では、日本のThe fin.きのこ帝国とやってることは同じかもしれない。



彼らのセルフライナーノーツによると、ステレオ・ラブやコクトー・ツインズ、ポニーテールやアストロブライトをはじめ、90年代のヒップホップやデスメタルからも影響されているとの事で、歌詞の大部分は映画『燃えよドラゴン』や『スネーキーモンキー 蛇拳』に影響を受けているらしく、実際にMVを見れば彼らのユニークな嗜好回路が理解できるハズだ。かなりの日本贔屓という事もあって、とにかくライブ観たさしかない。
 
EVERYTHING ELSE MATTERS
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Whirr 『Sway』

Artist Whirr
Whirr

Album 『Sway』
Sway

Tracklist
01. Press
02. Mumble
03. Dry
04. Clear
05. Heavy
06. Sway
07. Lines
08. Feel

Deafheaven VS, ex-Deafheaven ・・・昨年、メタルシーンを最も賑わせたアルバムといえばDEAFHEAVEN『サンベイザー』だ。最近では、その現DEAFHEAVENex-DEAFHEAVENの派閥争いが激化し始めていて、大手音楽メディアピッチフォークをパトロンとする現デフヘヴンに対抗する組織、言うなれば”アンチピッチフォーク界のアイドル”ならぬex-DEAFHEAVEN側の首謀者であるニック・バセットくんが今年新たにNothingDeath Of Loversなる新バンドを立ち上げたが、そんな彼が以前より在籍していたシューゲイザーバンド、Whirrの約二年ぶりとなる2ndフル『Sway』がリリースされた。

原点回帰 ・・・このWhirrといえば→2010年作のEP『桃尻女とシューゲイザー』がマイブラ直系の甘~いシューゲイズ・サウンドに胸キュン不可避な傑作で華々しいデビューを飾り、誰しもが将来を期待するバンドに思えた。がしかし、その後は紅一点の女性VoのByanca Munozたそを皮切りに、遂には後任ボーカルのKristina Esfandiariまでも脱退し、その作風もよく分からない方向に迷走し始め、デビュー当時のバンドの勢いは作品を追う毎に右肩下がりに、巷じゃ「デビューEPで終ったバンド」...そんな悪評が広まっていた。そんな彼らが放つ2ndフル『Sway』は、あの迷走していた時期とは一体なんだったのか?ってくらい、AlcestLantlosあるいはHammockを連想させるドリーム・ポップ系の儚いメロディをフューチャーした轟音ヘヴィロックやってて、このデフヘヴンからシューゲ部分をザックリと抜き出したような、シューゲイザー・リバイバル感あふれる萌え萌え胸キュンサウンドこそWhirrの真骨頂であり、ここ最近のアルバムでは最も桃尻女とシューゲイザーに近い作風、つまり”原点回帰”と呼べる一作となっている。ひとえに”原点回帰”と言っても厳密には違うくて、ニックの影に隠れたWhirrの実質最高権力者ことLoren Riveraがメインボーカルを張っている所やオルタナティブなアプローチを強めている所からも、どちらかと言えばNothingや盟友Anneに引っ張られる形となっている。ドラムをはじめ全体的に音がメタリックで、そういった意味でもNothingの影響というか、近年のニックの嗜好が顕著に出た作風と言える。それはさしずめ女子禁制の『鮫肌男とシューゲイザー』といった所か。

???「ファッ◯ン ピッチ!」 ・・・ローレンというヤンデレ系男子の憂鬱な歌と焦燥感を煽るメロディを乗せてパンキッシュに疾走する#1”Press”は、1stEPの”Meaningless”や1stフルから”Junebouvier”の流れにあるハードコアな曲で、それこそ”原点回帰”を宣言するに相応しいオープニングナンバーと言える。続く#2”Mumble”では、音響意識の高いドリーミーなメロディとノイジーなギター、そして胸キュン不可避なボーカル・ハーモニーを聴けば名盤桃尻女とシューゲイザーの再来を予感させる。そして、その予感は#3”Dry”で確信へと変わる。この曲は、Alcestの2ndを彷彿とさせる幻夢的なメロディとポストメタリックな轟音ヘヴィネスが美しくも激しく交錯していく。深いリヴァーヴを効かせた幻想的なメロディと身が竦むほどノイジーな轟音が雪崩のように押し寄せる#4”Clear”、まるで鮫肌のようなギター・ノイズと甘味なボーカル・ハーモニーが織りなす、エベレストの山頂で恋の遭難信号を発しながら息絶えるような胸キュンボンバーの#5”Heavy”Hammockばりのアンビエンス音響空間を形成しつつローテンポで進む表題曲の#6”Sway”、それ以降も最後までメロディ重視の作風といった印象で、その量は過去最高と言っていい。確かに、Nothingほどのインパクトはないかもしれないが、少なくともちょっとオサレなノイズ・ポップと化した1stフルやポストロック化した2ndEPよりは、彼らの原点である『桃尻女とシューゲイザー』を感じる事のできる、それと対になる王道的なシューゲイズ作品で、個人的にも『桃尻』の次に好きなアルバムとなった。そして、ようやく長い迷走期間から抜け出す事ができたんだってね。

デフヘヴン包囲網 ・・・この”大シューゲイザーの時代”の草分け的な存在であるWhirr”原点回帰”したことにより、俄然デッへ界隈の権力争いが面白くなってきた所で→現Deafheavenのメンバーによる新バンドCreepersがデビュー、からのByanca Munozたそ率いるNight Schoolが電撃参戦!というシナリオ。正直、デッへ界隈だけでここまで楽しめるのは全てニックのお陰というか・・・ハッ!まさかニックはこの未来を描くためにデッへから脱退した可能性が・・・ッ!? な...なんてエモーショナルな人なんだ・・・。
 
Sway
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Crosses 『†††』

Artist Crosses
†††

Album 『†††』
†††

Tracklist
01. †his Is a †rick
02. †elepa†hy
03. Bi†ches Brew
04. †hholyghs†
05. †rophy
06. †he Epilogue
07. Bermuda Locke†
08. Fron†iers
09. Nine†een Nine†y Four
10. Op†ion
11. Nine†een Eigh†y Seven
12. Blk S†allion
13. †
14. Prurien†
15. Dea†h Bell
 
【ベビメタ大好きおじさん】・・・VersaEmerge改めVERSAのプロデューサーでも知られるFarShaun Lopezと、今年のSonisphereBABYMETALとの共演を果たし、晴れて”ベビメタ大好きおじさん”の仲間入りを果たしたDeftonesのクソデブことチノ・モレノによるプロジェクト、Crossesの1stフルでセルフタイトルの『†††』なんだけど、意外や意外かのSumerian Recordsからリリースされた本作品は、2011年と2012年にリリースされた二枚のEPを含めた(新録曲は実質5曲)初のフルアルバムとなっている。

主な流れとしては、EP1→EP2→新録曲→EP1→EP2→新録曲→EP1→EP2→新録曲・・・といった構成で、過去作のEPは置いといて、新曲の感想を述べると→まず#3の”Bi†ches Brew”からチノのフェミニンな妖しい歌声とダウナーかつヘヴィなムードが織りなす、まさに†††節全開のエレクトロ・ロックで、ラストのチノのシャウトやヌ~・メタル的なヘヴィネスはデフトーンズを彷彿とさせる。#6”†he Epilogue”は比較的ポジティヴ な曲、#9”Nine†een Nine†y Four”は仄かにノスタルジックなレトロ感を纏ったアンニュイな曲、#12”Blk S†allion”はファンキーなギターをフューチャーした曲、ラストの#15”Dea†h Bell”はグリッチ感を押し出したピアノ主体のアンビエントナンバー。といった感じで、新録曲はどれも個性のある曲で、特に#3が自分は好き。で、あらためてEPの曲を聴いてみても、#5や#10の名曲っぷりを再確認したり、#14に至ってはVERSAに通じる音使いを感じたりする。要するに→時にレトロホラー映画のように不穏で陰気な空気を漂わせ、時に淫夢を見ているかのような錯覚を憶えたり、時に椎名林檎ばりのアンニュイなオルタナやってみたりと、今にもとろけて、どこまでも堕ちてしまいそうな艶かしいエロスを内包し、それでいてポップな美狂乱を繰り広げる幻想的かつ中二病的なトリップ世界は†††ならではだ。これが”ベビメタ大好きおじさん”がやってる音楽だなんて想像できないよ!
 
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Nothing 『Guilty of Everything』 レビュー

Artist Nothing
Nothing

Album Guilty of Everything
Guilty of Everything

Tracklist

01. Hymn to the Pillory
02. Dig
03. Bent Nail
04. Endlessly
05. Somersault
06. Get Well
07. Beat Around the Bush
08. B&E
09. Guilty of Everything

【血迷ったRelapse】・・・昨年、True Widowの3rdCircumambulationがかのRelapseからリリースされて驚いていたのも束の間、今年も何を血迷ったのか、少しコジャレたエクストリーム系をウリとしているハズのRelapseから、WhirrDeath Of Loversのギタリストであり元DEAFHEAVENニック・バセット君率いるUSはフィラデルフィア出身の4人組、Nothingのデビュー・アルバム『Guilty of Everything』がリリースされた。まずはオープニングを飾る#1”Hymn to the Pillory”を聴けば、彼らがどのような時代の音楽から影響を受けているのかが理解できるハズ。帯のアオリ文句に【My Bloody Valentine with Jesu】と謳っているとおり、CDを再生すると同時に90sオルタナティブ風のギター・メロディやJesu直系の幻想的な轟音ノイズ、そしてドリーミーかつビューティフォーなボーカルとハーコーイッシュなヘヴィネスとダイナミズムがクロスオーバーした、要するにマイブラやSlowdiveそしてスパマンなどの伝統的なShoegazer/AlternativeとJesu直系の現代的なPost-Metalをエクストリームさせた魅惑のドリーム・スケープを展開している。

【F◯◯k Pitchfork】・・・Whirrデッヘボン界隈を追いかけている人なら既に認知してたと思うけど、前作のEPDownward Years to Comeが巷で話題を呼んだ結果が、今回の【血迷ったRelapse事件】というわけ。とは言っても、まだまだ無名な彼らのデビュー・アルバムが一体何故大手のRelapseからリリースされるに至ったのか、その理由→「これはRelapseが血迷うのもしゃーない」と納得してしまった曲がシングルの#2”Dig”だ。実にDoomgaze然とした美轟音と淡~い蒸気を発する叙情性が描き出す仄暗いモノクロ世界の中で、儚くも美しい甘味なボーカルに胸キュン死不可避な名曲で、それこそWhirrの傑作EP桃尻女とシューゲイザーの再来を予感させるほどのドキドキ♥だった。その流れからWhirr”Meaningless”を彷彿とさせる、爽やかなノイズ・ポップチューンの#3”Bent Nail”、マイブラばりの轟音ノイズに耳が殺られる#4”Endlessly”、今年度の【BEST of ATMS】大賞待ったなしの超絶ドリーミーなイントロから、Alcestシェルターに通じるアンニュイなメロディが空間を支配していく#5”Somersault”、再びノイズ・ポップ風のパンキッシュなビートを刻む#6”Get Well”、ドリーミーに始まって後半からモグワイもビックリのけたたましい轟音ノイズ地獄に溺れる”B&E”、そしてラストを飾る表題曲の”Guilty of Everything”まで、全9曲トータル約39分の美轟音に酔いしれること必須。なお、ピッチフォークのレビューで6.9点という中途半端な低評価を受けて→自身のFBで「F◯◯k Pitchfork.」と直球過ぎるディスりをぶちかました彼らの根幹にあるアツい『メタル精神』に敬意を表して、年間BEST確定です。この”F◯◯k”には、サンベイザーがピッチに評価されて”売れる前”のデッヘボンの元メンバーが在籍するバンドだからこその説得力とリアルな憎しみが込められているw

ブックレット

【打倒DEAFHEAVEN】・・・感覚的にはJesuの音でオルタナ/ノイズ・ポップやってるイメージだが、それと同時にレーベルメイトのDeftonesJuniusを連想させる、いわゆるオルタナティブ・ヘヴィっぽい存外メタリックなノリやポストロック然としたリリカルな展開力も持ち合わせてたりして全然退屈しない。正直、今のWhirrよりも傑作桃尻女とシューゲイザーの頃のWhirrやってます。少なくとも#2”Dig”は聴いて損はない。この曲は傑作。で、再び話はRelapseの件に戻るが→そもそもDeftonesが所属している事を考えれば、一見血迷ったかのようにも見えた今回のRelapseの行為は意外でもなんでもないし、むしろデブ豚の正統な後継者と言える存在なのかもしれない。それは廃れた精神病棟に隔離された患者(ヤク中)を陰鬱(モノクロ)に描いた、ヤケに凝ったブックレットのデザインやシンボルマークなどのオサレな刻印を見れば、このNothingがどれだけレーベルから期待され推されているのかが明白だ。昨年のTrue Widowといい、どうやらRelapseDoomgazeという新興ジャンルに早くも目をつけたのかもしれない。この日本でもRelapse JAPANから国内盤がリリースされる予定だが、これにはあのDaymare Recordingsが悔しがっている様子が思い浮かぶほど。なんにしても、WhirrがEPAroundで方向性を変えてオワコン化した今、今やファッション・サブカル系男子のアイドルことDEAFHEAVENというBlackgazeに対抗する唯一の手段が、このNothingDeath Of LoversというDoomgazeなわけだから、こうやって【打倒DEAFHEAVEN】的な視点からデフへ周辺界隈を楽しめちゃうってのは、Whirrや初期デッヘボン好きの隠れニック・バセットファンとして素直に喜ばしい限りです。そして最後に、今ここに宣言しよう→「Nick Bassett is Back...」と。

Guilty of Everything
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Nothing
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Phantogram 『Voices』 レビュー

Artist Phantogram
Phantogram

Album 『Voices』
Voices

Tracklist
1. Nothing But Trouble
4. Never Going Home
5. The Day You Died
6. Howling at the Moon
7. Bad Dreams
8. Bill Murray
9. I Don’t Blame You
10. Celebrating Nothing
11. My Only Friend

【三姉妹】・・・The Flaming LipsのカキタレもといChvrchesの姉貴分として知られる、ギタリストのJoshua CarterSarah BarthelによるNYはロス出身の男女デュオ、Phantogramの新作『Voices』がリリースされた。デビュー作の『Eyelid Movies』こそ、ギタリストジョシュアによるメロディアスなギター・リフを中心としたオルタナティブ・ロックをベースに、そこへグリッチやトリップ・ホップ、シンセ・ポップやドリーム・ポップなどの要素をクロスオーバーさせた、まだ少し青臭いダンサンブルなインディトロニカやってた彼らだが、その翌年にリリースされたEP『Nightlife』を聴いた時の衝撃は今でも忘れない。よりShoegazer/Post-Rockライクなギターのメロディ主体のオルタナ・サウンドはそのままに、サラのShoegazer風のエロティックなボーカルを絶対的な存在としながら、彼らの持ち味の一つであるヒップ・ホップ風のアブストラクトな音使いを強める事により、まるで夢精不可避な淫夢を見ているかのような、よりオリエンタルかつアヴァンギャルド、そしてよりセクシャルでハラスメントな世界観を生み出すことに成功していた。それが顕著に表れたのがDon't Move”Make A Fist”だった。そして、表題曲の”Nightlife”がアコギをフューチャーしたガチのトリップ・ホップだった所で全部持ってかれた。それぐらい、このEPがリリースされた2011年のクリスマスシーズンは、同じくShoegazerのWhirrの傑作EP『桃尻女とシューゲイザー』と一緒に繰り返しリピートしまくって一人で泣いていたのを思い出す。要するに→長女のWarpaintが陰の存在ならば、この次女のPhantogramは陽の存在。国内のフェスで例えると→三女のCHVRCHESがサマソニ向きで、姉のウォーペイントやファントグラムがフジロック向き、というわけ。この三姉妹感ホント好き。



【ローレン・メイベリー「お姉ちゃん凄杉内...」】・・・そんな傑作EPを経て、フルアルバムとしては約四年ぶりとなる今作の『Voices』は、一言でいえばそのEPNightlifeのエレクトロ路線を更に突き詰めた作風となっていて、まずはオープニングを飾る#1”Nothing But Trouble”こそ実にファントグラムらしい、体を左右に小刻みに振り乱したくなる90s風のダンサンブルなエレクトロニカとサラのダウナー系ボーカルが妖艶かつ淡然たるムードを高め、そしてガリガリとノイジーに歪ませたジョシュアのGソロで最後を締めくくる感じの、わりと無難なエレクトロ・ロックで幕開けを飾るが、次の「エーエーエーエーエーエーエーエーエーエー」というグリッチ節全開のノッリノリなイントロからサラの自由奔放な歌声をアブストラクトな音色に乗せてグルーヴィに展開していく#2”Black Out Days”、まるでレイトショーを観ているかのようなレトロ感を醸し出すサイケデリックかつファンキーなメロディと、ズッシリと重いビートを刻んでいくダーティなシンセをバックにサラのアダルティなボーカルが90年代のR&B的なムードを形成していく#3”Fall in Love”の流れを聴けば分かるように、EPの延長線上にあるHip-Hop特有の独特のリズム感やアブストラクトな音使いをはじめ、EPのセクシャルなトリップ感は少し影を潜めたが、よりアダルティな力強い重低音を効かせたダーティなシンセをダイナミックにクロスオーバーさせた、(これは長女のウォーペイントでも思ったけど)それこそ昨年の年間BESTの実質一位にランクインしたSadistikFlowers for My Father伏線()であったかのような感覚を憶えた。それと同時に、サラの”ボーカリスト”としてのポテンシャルが過去最高に発揮された作品だという事が理解できる。特に#2はEPの名曲”Don't Move”にオトナのダンディズムを施した感じで素直にカッコイイし、エクスペリメンタル/インディ風のMVも前衛的で見応えある。シングルの#3のMVもエジプトのファラオみたいな、サラのオリエンタルな衣装デザインがジョジョキャラみたいで好き。



【ブリブリ三姉妹】・・・ここまではサラの歌声を中心とした、今作を象徴するかのような正統なEP路線だったが、次の#3”Never Going Home”では一転してサラのパートナーであるジョシュアがメインボーカルを務め、イントロの緩やかな優しいギターのメロディから、M83顔負けのヤケにスケールのデカいシンセの波が押し寄せる。で、その流れで1stを彷彿とさせるジョシュアのGリフを主体に展開していくオルタナ・ロック然とした#5”The Day You Died”、次の#6”Howling at the Moon””Bad Dreams”ではGrimesElsianeもしくはM.I.Aを連想させるkawaii電子音やサラのファンキーでユニークな歌声をフューチャーした、ここにきて露骨にインディ界隈を意識したような、それこそ映画『ブレードランナー』の如し東アジア的なオリエンタリズムを見せつける、言わば新機軸的な楽曲を披露している。当ブログの読者は既にご存知→長女の『ウォーペイント』にもGrimesを思わせる流行りの音を取り入れた曲があったが、まさか次女のファントグラムの新譜でもその”インディ”を強く意識させられるとは...。こうやって作品を重ねる毎に、初期のオルタナっぽさが徐々に薄まっていき、音の方向性が自然とインディ方面へと向かっていく事に対して、音楽シーンの移り変わりと時代の流れを感じてしまう。この序盤の流れや今作のハイライトを飾る#6と#7を聴いても、やはり今作はサラの”ボーカリスト”としての才能(センス)がフルに発揮された作風、それこそ『Voices』というタイトルが示すように、まるで妹のローレン・メイベリーに対して「サラの歌を聴けえええええええええええええええええええええ!」と叫ばんばかりの、絶対的な姉としての威厳を見せつけている。なんつーか、1stの『Eyelid Movies』が三女のチャーチズ寄りだとするなら、今作は長女のウォーペイント寄りの作風、そんな印象。つまり、初期の垢抜けない処女性が失われた結果→Universal Recordsの傘下にあるメジャーのRepublic Recordsにレーベル移籍したのも相まって、単純に音のメジャー感が増し、俄然オトナのエロスを身にまとった骨太なサウンドへと正統進化している。そして、やっぱりこのファントグラムにも、デヴィッド・ボウイに通じるそこはかとないブリティッシュ感あるよなぁと再確認。よし、今度からはこの三姉妹を【ブリブリ三姉妹】と呼ぶことにしよう(妙案) それでは、ここでピッチフォークによるブリブリ三姉妹の新作レビューを振り返ってみましょう。

(長女) Warpaint 『ウォーペイント』→5.7点
(次女) Phantogram 『Voices』→6.0点
(三女) CHVRCHES 『The Bones Of What You Believe』→8.5点


【悲報】 ピッチフォーク、ロリコンだった・・・というのは冗談で、それ以降は落ち着きを取り戻し、ドリーミーなギターのイントロから子守唄のようなサラの歌声がチルいムードを形成していく、俳優ビル・マーレイの謎タイトルを掲げた#8”Bill Murray”、再びジョシュアがメインボーカルを担う#9”I Don’t Blame You”は、それこそ妹のチャーチズで言うところの”Under The Tide”に通じるエモーショナルなビートを刻むナンバー。その流れで、今作の中では最もEPのShoegazer路線ど真ん中の#10”Celebrating Nothing”、そして静寂的な幕開けから徐々に幻想的なキーボードとポストロッキンなギターのアレンジを際立たせながらクライマックスへと盛り上げていく#11”My Only Friend”を最後に、ドス黒い淫夢に取り憑かれた僕は永久に目覚めることのない永遠の眠りにつく・・・。こんな感じで、序盤から中盤のダイナミックな勢いと比べて後半は少し尻すぼみするし、約4年ぶりのフルアルバムだという事を踏まえると、決して「期待以上の内容」と自信を持って言えるわけではないが、それでもファントグラムらしいアブストラクト・ヒップ・ホップ/ドリーム・ポップ/エクスペリメンタル/Shoegazer/トリップ・ホップ/エレクトロニカ/インディ/R&B/グリッチ/ニューウェーブまで、もうなんでもござれなオルタナティブ・ボンバーは不変で、さすがに傑作EPの完成度には及ばないけれど、なんだかんだ言っても僕は1stフルより全然好きですね。少なくとも、1stフルから二枚のEPを経て、キッカリ四年分の経験と成長がありのまま素直に音に反映された結果であるのは確かです。



【采配ミス】
・・・おいら、このシアトルのラジオ局KEXPで収録したライブ・セッション映像のオープニングを飾る”Intro”が、てっきり今作にも収録されるものだと勘違いしてた。どうやらこの曲は、昨年リリースされたセルフタイトルのEP『Phantogram』のvinyl盤のB面にしか収録されてない楽曲らしく、正直コレを今作『Voices』のオープニングに持ってくるのと持ってこないとでは全然印象が違ったと思う。こんな良い曲なのに、なぜvinyl盤限定でフルアルバムに収録されない理由がホント謎。これは大きな采配ミスだと思う。もし今作の国内盤を出すならボートラに収録して欲しいレベル。とにかく、この幻の”Intro”はジョシュアの【ATMS】に対する意識の高さが伺えるギタープレイがドツボなわけで。しかし今作の2ndフルでは、デビュー当初とは違ってジョシュアのギター/リフ主体ではなく、明らかに流行りのエレクトロニカ重視の作風となっているが、パートナーであるサラのボーカルを最大限に活かすべく、シンセやニカなど数ある音の一つとして、絶妙なアクセントとして数多くの楽曲を時にミステリアスに時にロマンティックに彩り、その存在感を遺憾なく発揮している。今作では1stフルの名曲であり、彼らの代表曲であるWhen I'm Smallのようなグルーヴを意識したファンキーなリフが少ない分、言うなれば完全な裏方として【ATMSフィールド】の形成に注力していて、主に#2,#6,#7,#10,#11などでさり気なく垣間見せる儚くも幽玄なメロディには、僕がこのファントグラムにハマった最大の理由が込められている。

【ワンチャン、フジロックで初来日】・・・姉のウォーペイントと同じく、ピッチメディアすなわちインディ界隈で流行りの音を大胆に取り入れてきた本作品。USビルボード初登場9位も納得というか当然でしかない。もう既にウォーペイントと妹のチャーチズが二度(二度)も来日しているのにも関わらず、この本命のファントグラムが新作をリリースした今年来日しない意味がわからないので、是非ともフジロック運営には”俺の界隈”枠としてANATHEMADEAFHEAVENも一緒に呼んで頂いて、僕の長年の『淫夢』を叶えてくださるよう切にお願いしたいです。ん?ワイはサラのピッチピチなレギンスが拝みたいだけなんや!ただそれだけなんや!
 
Voices
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Phantogram
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