Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

KATATONIA

℃-ute解散がショック過ぎるので更新停止します

Draconian 『Sovran』

Artist Draconian
draconian-20150726104149

Producer David Castillo
David Castillo
Mixing/Mastering Jens Bogren
Jens Bogren

Album 『Sovran』
_SL1500_

Tracklist

01. Heavy Lies The Crown
02. The Wretched Tide
03. Pale Tortured Blue
04. Stellar Tombs
05. No Lonelier Star
06. Dusk Mariner
07. Dishearten
08. Rivers Between Us
09. The Marriage Of Attaris
10. With Love And Defiance

実質プロデューサー ・・・ゴシック・ドゥーム界を代表するスウェーデンのDraconianも、他に漏れず「イェンスと組んだ一作目は名作になる」という"メタル界の迷信"を、いわゆる"実質プロデューサー"現象を4thアルバムTurning Season Withinという傑作の中で既に証明していて、続く2011年作の5thアルバムA Rose for the Apocalypseでは、念願叶ってイェンス・ボグレンを本当の"プロデューサー"として迎え入れる事に成功していた。しかし、まさかそれが紅一点ボーカルLisa Johanssonの遺作になるなんて想像もしてなかった。正直、このドラコニアンのセールス・ポイントと言ったら、男Voのアンダース・ヤコブソンのデス声とリサ・ヨハンソンの美しすぎる歌声が織りなす、この世の儚くも美しい部分と破滅的な醜い部分の絶妙なコントラスト/コンビネーションで、そのバンドのキモであるリサが脱退したというニュースを聞いた時は、それはもうガチで終わったというか、それこそドラコニアン解散すんじゃねーかくらいの衝撃だった。しかし、新しくドラコニアンの記事を書いているということは、つまりはそういうことで、バンドの希望であったリサを失った彼らは、直ぐさま新しい嬢として南アフリカ出身のSSWで知られるHeike Langhansを迎え入れ、目出度く約4年ぶりとなる6thアルバム『Sovran』をリリースした。

【勝ち確】 ・・・今のメタル界隈には、イェンス・ボグレンという優勝間違いなしの名将だけじゃあ飽きたらず、その相棒であるデイビッド・カスティロも同時に指名して、いわゆる【勝利の方程式】を解き明かそうと必死で、このドラコニアンもこのビッグウェーブを追従するようにプロデューサーとしてデイビッド・カスティロ、録音エンジニアとしてイェンス・ボグレンを起用するという、まさしく【勝ち確】なメンツで制作されている。だけあって、今作は【勝ち確】と評する以外ナニモノでもない模様。それはイントロからEarthらUSドローン/ドゥーム界隈を彷彿とさせる#1”Heavy Lies The Crown”のメロドゥーム然とした慟哭不可避のメロディから、その#1とシームレスで繋がる#2”The Wretched Tide”のストリングスによる耽美的なメロディと紅一点ヘイケによるWithin Temptationのシャロン顔負けの慈悲なる歌声を聴けば分かるように、ウリである泣きのメロディ・センス、バンドの中心人物であるヨハン・エリクソンのライティング能力は4年経っても不変で、もはやリサ脱退の影響を微塵も感じさせない、むしろ冒頭の三曲でリサの存在を忘れさせるくらいの凄みがある。

【KATATONIA feat.】 ・・・そして今作のハイライトを飾る#7”Dishearten”は、リズムやアレンジ、リフから曲調まで、いわゆる【勝利の方程式】の基礎である『The Great Cold Distance』以降のKATATONIA、中でも『死の王』”Hypnone”リスペクトな一曲で、あの頃のKATATONIAを知り尽くしているデイビッドだからこそ『説得力』が生まれる曲でもあるし、もうなんか【KATATONIA feat. シャロン】みたいになっててウケる。ともあれ、一度は誰もが妄想したであろうこのコラボを擬似的ながらもやってのけた彼らの度胸に僕は敬意を表したい。その流れで本当にUKバンドCrippled Black Phoenixのスウェーデン人シンガーDaniel Änghedeとフィーチャリングしてしまう#9”Rivers Between Us”では、ダニエルの色気ムンムンな男性ボーカルとヘイケの美声がアンニュイなハーモニーを聴かせる。新ボーカルのヘイケは、前任者リサのようなオペラティックなソプラノ歌唱ではなくて、その声質やメロディの作り方からも往年のシャロン・デン・アデルを意識したようにクリソツで、それにより俄然ゴシック℃マシマシな印象を受けるし、より大衆的というか、往年のWTに通じる今のWTが失ったいわゆる"female fronted"なメインストリーム系のメタルへとバンドを昇華させている。少なくとも、いわゆるドゥーム・メタルやゴシック・メタルとかいうサブジャンル以前に、バンドのメタルとしての能力を限界まで引き出すイェンス・プロデュースによる特性が(良くも悪くも)顕著に出ていた前作よりは、まるで教科書通りと言わんばかり、これまでの"ゴシック/ドゥーム・メタル"として本来のドラコニアンらしさへ回帰した佳作だと。
 
Sovran
Sovran
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Draconian
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KATATONIA 『サンクティテュード』

Artist KATATONIA
KATATONIA

Live 『サンクティテュード』
サンクティテュード

Tracklist
01. In The White
02. Ambitions
03. Teargas
04. Gone
05. A Darkness Coming
06. One Year From Now
07. The Racing Heart
08. Tonight's Music
09. Sleeper
10. Undo You
11. Lethean
12. Day
13. Idle Blood
14. Unfurl
15. Omerta
16. Evidence
17. The One You Are Looking For Is Not Here

電撃加入 ・・・最近のKATATONIA関連のニュースで驚いた事といえば→昨年、「ギャラの取り分少ねーよ(家族との時間を優先したい)」という理由のため、惜しまれつつKATATONIAを脱退したドラマーのDaniel Liljekvistが、以前から僕が贔屓にしている同郷のIn Mourningに電撃加入!?という今世紀最大のビッグニュースで、てっきりもう二度と彼のドラムを聴くことはないと失望してたもんだから、この衝撃ニュースが飛び込んできた時は大喜びしたと同時にクソ笑った。そんな古参メンバーであるダニエルノーマン兄弟が脱退した後のKATATONIAは、Bloodbathで知られるギタリストのペル・エリクソンとベースのニクラス・サンディンを新メンバーとして迎え入れたが、ダニエルが脱退すると間もなくペルも脱退する事となり、現時点のメンバーはアンダースヨナス、そしてニクラスの三人体制となっている。その三人体制で、昨年にロンドンの歴史的な教会として知られるユニオン・チャペルで行われた、アコースティック・ライブの様子を収めた映像作品『サンクティテュード』が発表された。

KATATONIA第二章 ・・・良くも悪くもKATATONIAに大きな変化をもたらした問題作『死の王』こと『Dead End Kings』を発表した事で、KATATONIA第一章は終わりを告げ、その『死の王』を再解釈/再構築し、新たにKATATONIA第二章として産声を上げた『Dethroned & Uncrowned』に伴うツアーを収めたライブ作品で、その『D&U』の楽曲を中心に、歴代アルバムの名曲がアコースティック・アレンジで甦る、それこそKATATONIAファンが待ち望んだ夢のようなライブとなっている。サポート・メンバーには、ヨナスとのコラボ(Wisdom of Crowds)でも知られ、先日初来日を果たしたThe Pineapple Thiefブルース・ソードとアルバム『D&U』でもお馴染みのJPがパーカッションとして参加している。結果論ではあるが、もしギタリストのペルが脱退していなかったら、今回のブルースとカタトニアによる夢のコラボは実現する事はなかったと思うとアレ。

雰囲気ライブ ・・・まるで聖者(死の王)の復活を祝う信者の集いの如く、リーダーのアンダースはバリトン・アコースティック・ギターを、ヨナスはエレキ・ギターを抱えて椅子に腰掛けながら演奏し、そのメンバーと対等に観客も着席スタイルのライブとなっている。それ即ち、ギターを弾くヨナスの姿がまじまじと見ることができる大変貴重なライブとも言える。ヨナスはMCで「緊張している」と連呼する割には、体形的な意味でも歌声的な意味でも共にベスト・コンディションで、そこにアンダースとブルースのコーラスが重なって、あまりにも贅沢過ぎる絵面が生まれている。で、さすがにユニオン・チャペルという伝統的な教会だけあって、そのステージ上には淡色に揺蕩うキャンドルの灯火と暗闇の中を射すひとひらの光の如しライトアップによって、まるで『ブラッドボーン』の世界の如し荘厳かつ耽美的な世界観をシンプルに演出してみせる。その神聖な会場から醸し出される独特の空気感とアコースティックな楽器の音が繊細かつ優美に、そして生々しく会場に響きわたる。とはいえ、やっぱり基本的に映像は暗いです。それこそ『LIFE!』女優の石橋杏奈ちゃんが嬉し泣きしそうな最高の"雰囲気音楽"、すなわち"雰囲気ライブ"の極みで、しかしその雰囲気をブチ壊すような観客のガヤが時たま入るのが、海外ライブらしいというかフリーダムな感じで嫌いじゃないですw

Unplugged ・・・おいら、何度でも言うけど『死の王』は元々"アンプラグド化"する事を前提に制作されたアルバムだと信じてやまなくて、実際このライブ音源を聴いてしまうと、もうアンプラグド版の方が"オリジナル"にしか聴こえない。それくらい、KATATONIAの楽曲と"Unplugged"の相性はバツグンである事を証明している。そもそもKATATONIAといえば、メタリックなヘヴィネスと儚くも美しいメロディが絶妙なバランスで共存した音楽をウリとするバンドだが、このライブではバンドの一番のウリと言っても過言じゃあない天性のメロディセンス、そしてヨナスによる魅惑的なボーカル・メロディがより鮮明かつ表面的に、より繊細かつ濃厚に堪能することができる。ライブ・アレンジが加えられたヨナスのボーカルをはじめ、五感に沁み渡るようなメロディの洪水に、まるで割礼の儀を受けているかの如し『清らか』な音空間が静かに拡がっていく。あらためて、元々フォーキーで情緒的なメロディを持ち味とするKATATONIAが、このようなアコースティック・ライブを敢行するなんて事は、意外でもない想定内の出来事だった。特に”The Racing Heart”から”Tonight's Music”の流れは本公演のハイライトだし、涙なしには見れない初期の名曲”Day””Idle Blood”→本編ラストを飾る”Unfurl”までの終盤は実に感動的。アンコールの”The One You Are Looking For Is Not Here”では、アルバムにも参加したThe Gatheringのシリエが登場してヨナスとのディエットを披露する。いわゆる"Bサイド"と呼ばれる近年の楽曲や過去の名曲のアコギ・アレンジ、プロフェッショナルな他アーティストとのコラボレーション、そしてカタトニアの"音響"に対する"こだわり"を垣間見せるような、文字どおり"スペシャル"なライブとなっている。それこそ過去のKATATONIA今のKATATONIAを繋ぎ合わせるような、カタトニアの"オルタナティブ"な音楽性に何一つのブレもない、揺るぎない信念が貫かれた音楽であることを証明するかのようなライブだった。アコースティック・ライブとしては十分な曲数と演奏時間だと思うし、何よりもヨナスきゅんのパーカッション姿が見られるのはこのライブだけ!平成ヨナス合戦ぽんぽこ!

ANATONIA ・・・ANATHEMA『Universal』というライブ作品をリリースしているが、音楽的にもバンドイメージ的にも陰と陽を象徴する対極であり対等なバンドが、一方のANATHEMAが大仰なオーケストラを擁し、一方でKATATONIAが静かなアコースティックをフューチャーするという、このようにライブでも対極的な景色を描き出しているのはとても興味深いし、本当に面白いと思う。ANATHEMA『Universal』がロックバンドとしてのダイナミクスを全面に押し出した、圧倒的な多幸感と激情的なエモーションに溢れた世界的なショーなら、このKATATONIAは絶望の中に希望を見出すような、地域密着型の庶民的で温かいアトモスフィアを形成していく。ライブでも双方の違いを証明すると同時に、互いに引かれ合う存在=ANATONIAとして確かに"リンク"する場面が見えてくる。流石に映像の質やカメラワークの演出的な部分ではANATHEMAに劣るが、チョイと酒を引っ掛けながら作業用BGMに近い感覚で気軽に観られるのは断然KATATONIAの方だ。しかし、まさか『Damnation』みたいな作品を出している盟友のOpethより先にアコースティック・ライブを映像化するなんて、10年前じゃまず考えられなかった事だろう。

ドキュメンタリー ・・・ライブ本編以外には、ヨナスとアンダースがインタビューに質問形式で答える、約60分に及ぶドキュメンタリーが収録されている。 今回のアコースティック・ライブについての質問が大半を占める中、数多くある質問の中で、僕が特に興味深いと思ったのは→「ライブが音楽業界の主な収入源となっていること」に対する答えと、「フランク・デフォルトがカタトニアに与えた影響と賛否両論」という鋭い質問で、以前から近年KATATONIAに与えたフランクの影響、その大きさに言及してきた僕としては非常に興味深い話だった。今は関係良好のまま互いに別の道を行くことに決めたらしく、今後はフランクとのコラボの可能性はないとも答えている。確かに、このライブにフランクが参加していない時点でナニか違和感あるし、そのことについてもアンダースは残念だと嘆いている。そして古参メンバーの脱退、特にダニエルの脱退を非常に残念がっていて、あらためてフランクとダニエルがバンドに与えた影響、その存在の大きさが見て取れる。そんな中、既に新作のアイデアを集めているという嬉しい情報もあり、そして作曲における"色"の大事さや、「作曲しながらアニメーションを作っている感覚」というアンダースの創作技術を暴露する回答もあったりして、ファンとしてはとても面白い話ばかりだった。あと「余計なものを削ぎ落した」というヨナスとアンダースの言葉で思い出すのは、昨年リリースされたDIR EN GREY(一巡)の9thアルバム『ARCHE』の存在で、お互いに表現方法こそ明確な違いはあるものの、やはりKATATONIADIR EN GREYは血縁関係にある事を再認識させた。ライブ本編はMCらしいMCはなくテンポよく進むので、ライブ本編だけ観られればいいという人は無理に字幕付きの国内盤を買う必要はないです。でもドキュメンタリーまでジックリ見たいって人は、字幕付きの国内盤をオススメします。本作、本当に素晴らしいライブ作品なのだけど、やはりダニエルがこの夢のような絵面の中に存在しないのが唯一の残念だ。なお、ダニエルはIn Mourningで先輩風吹かせながら音楽活動をエンジョイしている模様w

Ghost Brigade 『IV – One With the Storm』

Artist Ghost Brigade
Ghost Brigade

Album 『IV – One With the Storm』
IV – One With the Storm

Tracklist
01. Wretched Blues
02. Departures
03. Aurora
04. Disembodied Voices
05. Electra Complex
06. Stones And Pillars
07. Anchored
08. The Knife
09. Long Way To The Graves
10. Elämä On Tulta

北欧フィンランドの音楽といえば→Sonata ArcticaStratovariusなどのコッテコテなヘヴィメタルバンドを数多く輩出している国というイメージが強いが、この2005年にフィンランドはユヴァスキュラで結成された6人組のGhost Brigadeは、その名をシーンに知らしめた2ndアルバムIsolation Songsでは、全盛期Opethに匹敵するリフ回しを中心とした幽玄かつ荒涼感のある音使いをもって、同郷のCallistoの影響下にある”静と動”のコントラストで聴かせる美しくも儚い”覇道のPost-Metal”を展開していた。続く3rdアルバムUntil Fear No Longer Defines Usでは、Insomnium直系のエピカルな叙情性やAlcestKATATONIA流れのオルタナ感を高めつつ、ポストメタルはポストメタルでも隣国のCult of LunaNeurosisを連想させる、よりモダンでドゥーミーに洗練された”進撃のPost-Metal”を繰り広げていた。つまり、伝統的なフィニッシュ・メタルと現代的なポストメタルがクロスオーバーした、言うなれば”メロデスラッジ”みたいな面白い立ち位置にいる、自分の中では新世代メタルの一つとして認識しているバンドで、個人的にもフィンランドでは一番お気に入りのバンドだ。そんな前フリがあって、前作の『UFNLDU』から約二年ぶりの4thアルバム『IV - One With The Storm』は、傑作だった『Isolation Songs』を彷彿とさせるアートワークで、その内容も2ndの再来を期待させる。

リッピング失敗したかと思った→オリジナルメンバーのベーシストが脱退し、新しくベーシストとキーボーディストを迎えて6人組体勢になったことが、バンドサウンドに大いに影響している。オープニングナンバーの#1”Wretched Blues”を聴けばわかるように、確かに雪国フィンランドの情緒漂うInsomnium譲りのエピカルな叙情性は不変だが、以前までのスラッジーな重さというより硬くてソリッドな低音リフに、そして高音がキツ過ぎる音質の悪さに嫌な予感が頭をよぎる。なんだろう、次の#2”Departures”を聴いたら納得した。Opeth?Insomnium?Cult of Luna?Neurosis?・・・コイツら一体誰の後継者なんだ?って、この曲でわかった気がする。コイツらKATATONIAの後継者だわ。この高音のシャリシャリ感は『Last Fair Deal Gone Down』リスペクトだと半ば強引に考えれば納得できるし、そうかコイツら”オルタナティブ・ヘヴィ”だったんだな・・・って思い知らされた気分だ。確かに、2ndや3rdの時点でフィンランドらしからぬ”オルタナティブ”なセンスを垣間みせていたし、今作ではそれが表面化してきている。あえりえなくもなかったけど、でも少し意外な方向転換をしてきた。新しくキーボーディストを迎えたことで、音響的(ATMS)なアレンジ面での確かな成長は伺えるし、いい意味でも悪い意味でも音を含めて全ての音がモダンに洗練されている。でもボク思うんスよ、この手の音楽やりたいんならさっさとイェンス・ボグレン引っ張ってこいやって、ボク思うんスよ。いや、僕が言いたいのはただ一つで→隣国Dark TranquillityConstruct聴いてから出直してこい、っつーわけです。なんだろう、フィンランド人って深いところで”オルタナティブ・ヘヴィ”をナメてる気がする。なんだろう、田舎もんの大学生が都会に出てきて大学デビューに失敗したみたいな、こっ恥ずかしいノリすらある。ボートラにドヤ顔でリミックス入れちゃうあたりもうホントにスベってる。なんだろう、全体的に無理しちゃってる感じ。

  「GBよ、お前はANATONIAにはなれない...」


とにかく音の悪さ→それと相性の悪さも相まって、第一印象は過去最悪だった。当然、これは意図的にやってるんだろうけど、いかんせん音が致命的過ぎる。少なくとも、僕にとっては何回も聴きたいと思う音ではなかった。是非ともフィンランドのエンジニアには【オルタナティブ・ヘヴィ 音作り】で検索してほしいって思っちゃったんだからしょうがない。しかし、楽曲自体は前作からスラッジーなヘヴィネスを取り払って、中期ANATHEMAあたりのオルタナ方面へと大きく舵を切ってて、それはむしろ個人的に大好きな方向性ではあるし、メロディの充実度や完成度という点では前作を軽く凌駕しているのは確かだ。でも自分は前々作や前作ほど俺の感性に響かなかった。これはただ音の”進化”からなる音の”変化”に僕が順応できなかっただけかもしれない。それともガチでリッピング失敗しただけなのかもしれない。それでもやっぱり、この手の音楽の最上級はKATATONIAの最高傑作『Last Fair Deal Gone Down』ANATHEMA『Judgement』だと信じてやまない自分としては、頼むからこの手の”オルタナティブ”がやりたかったらイェンス連れてきてくれって、本当にただそれだけなんですね。もしイェンスがミックスしてたらまた違った結果になったのかな~とか、考えるだけ無駄だけど。

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Woods of Desolation 『As the Stars』

Artist Woods of Desolation
Woods of Desolation

Album 『As the Stars』
As the Stars

Tracklist
01. Like Falling Leaves
02. Unfold
03. And If All The Stars Faded Away
04. This Autumn Light
05. Anamnesis
06. Withering Field
07. Ad Infinitum

ぼく「えぇ!?ラントロス君がポストブラックをやめるだってぇ!?」
廃材君「えぇ!?ラントロス君がポストブラックをやめるだってぇ!?」

ぼく「よっしゃ!NEXT-ALCESTは廃材君に決まりや!」 
廃材君「よっしゃ!ラントロス君に習って俺たちも初期アルセ化や!」

ぼく「えっ」
廃材君「えっ」 

【ブラゲの極み乙女】・・・ポストブラック界の皇帝アルセスト『シェルター』でポストブラックを超越したとなると、じゃあその空いたポストに誰が入るの?という話で、その”ポスト-アルセスト”に最も近い存在こそ、このオーストラリア出身のD.氏によるWoods of Desolationなんだ。2011年作の2ndTorn Beyond Reasonを初めて聴いた時の衝撃ったらなくて、正直あのDEAFHEAVENよりも先に激情系ブラゲ/ポストブラックやってたのがこの廃材君なんだ。そのポストブラック界に名を残す名盤だった前作から約三年ぶり通算三作目となる『As the Stars』なんだけど、その幕開けを飾る#1”Like Falling Leaves”を再生すると同時に、無骨で粗暴なブラストとともに解き放たれるジジジ...ノイジーなギターの音使いから確信犯で、続く#2と#3などのポストロック流れにある気品漂うポジティヴなメロディを聴けば分かるように、まるでアルセが”ポストブラックをやめる”ことを予見していたかのような、まるで「俺たちがアルセだ」と言わんばかりの、それこそ初期アルセの代表作である『Le Secret』の再来を予感させる、これぞまさしく”ブラゲの極み乙女”なポストブラックを展開している。

【スーサイド系男子】・・・ふと胸を掻きむしりたくなるほどの衝動に襲われる、自傷行為イイネ☆系デプレブラックだった前作、それを何倍にもキレた印象を与えていた張本人である→時として激情的、時としてビャアアアアアアアアアアアアアア!!とかいう金切り声を聴かせていたTim "Sorrow" Yatras氏が惜しくも脱退し、今回は初期のデモ音源でボーカルを担当していたThrydwulf(Old)がバンドに出戻りした形となっている。彼は前任者のティムと違って、どちらかと言えば高音ではなく低音を効かせたイヴェ゛アアアアアアアアアアアアアア!!みたいな金切り声を特徴としていて、言うなればスウェーデンのShiningのスーサイド系男子ことNiklas Kvarforthを彷彿とさせ、それによってバンドのキモであるデプレッシヴな激情感およびepicッ!!な勇壮感が著しく減退している。このボーカル交代は、バンドの致命傷になるのではないかと少し心配していたが、その躁鬱感溢れる焦燥感と終末感が入り乱れた『幸福』な音世界に触れてしまうと、あたらめてD.氏の音作りと作曲能力の高さに脱帽させられる。確かに、ここ最近のポストブラック界隈で著しく流行っているシューゲイザー化の煽りを多少なりとも食らってはいるものの、しかしこれはポストブラ特有の儚くも淡いメランコリックな一面が露骨に表面化した結果であり、その音の根幹にある精神性は不変で、その著しく洗練された音使いと楽曲からは、少なくともダッチ産あたりのポストブラとは一線を画した確かな説得力がある。それこそ霧の季節20世紀メディアあたりと契約してもオカシクないレベルだと。

【ポストブラックの先駆け】・・・おいら、以前にも少し書いたが→KATATONIA『Brave Murder Day』はポストブラックの先駆けだと確信していて、今作の『As the Stars』では初期アルセは元より、そのKATATONIAの名盤『Brave Murder Day』を彷彿とさせる、ドゥーム/デプレッシブ・ロックな音を積極的に取り入れている所も大きなポイントだろう。それは#6”Anamnesis”を耳にすれば、いかにしてKATATONIA『Brave Murder Day』が、USのレジェンドAgallochをはじめとしたポストブラック界隈に与えた影響、その大きさを痛感する事になるだろう。そんな印象もあって、よりShining (Swe)っぽい鬱系ブラック感を与えている。

【Post-Black is Love】・・・本人達はこう呼ばれる事に不満を持つかもしれないが、このWoods of Desolationこそ”NEXT-ALCEST”と呼ぶに相応しい、その最もたる存在であることを皮肉にも証明してみせた一枚なんじゃあないか、って。現にラストを飾る#7”Ad Infinitum”は、それを確信的なモノにするくらい、とてつもなくラヴリィ♥な多幸感をまき散らしている。その超絶epicッ!!な光景は・・・まるでAlcestの名盤『Souvenirs d'un autre monde』の幼女が浜辺で戯れているかのような、それこそ「Post-Black is Love」のセカイだ。
 
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KATATONIAからドラムのDaniel Liljekvistが脱退

KATATONIA

     「get a normal job


スウェーデンの皇帝KATATONIAからドラマーのDaniel Liljekvistが脱退した。主な理由は、海外のバンドにありがちな『家族』の事を考えた結果、とのこと。約10年間、KATATONIAのドラマーとして人生を捧げてきた彼の存在は、プロデューサーのイェンス・ボグレンと共にこのKATATONIAがここまで大きくなれた理由、言わば裏の立役者だった。そんな彼がそれなりに有名なバンドマンとしての地位よりも、いわゆる”普通の仕事”の方を優先するなんて・・・ダニエルの深い心の内までは知る由もないけど、いま思えば一昨年にノーマン兄弟が似たような理由で脱退したのを皮切りに、同年にリリースされた9thアルバム『死の王』のまるで打ち込みのように生気のないドラミング、そして昨年のリメイク作『Dethroned & Uncrowned』が大きな決め手となったのか、今年このタイミングで脱退する伏線()はこれまでに沢山あった。



確かに、『Dethroned & Uncrowned』の時に音楽に特化したクラウドファンディングPledgeMusicでカンパを募っていたが、その時は「おっ、KATATONIAも流行りに乗って新しい試みに挑戦するのか!」くらいにしか思ってなくて、まさかその裏にこんな事情があったなんて・・・。正直、KATATONIAほどの大物ですらバンド一本で食っていけない現状に、あらゆる意味でショックを隠せない。しかし、これが今の音楽シーンの現状なんだって、無理やり自分を納得させた。確かに、このKATATONIAは音楽性も安定性のない情緒不安定なバンドではあるが、それでもメタル界隈でここまでの地位を築き上げてきたのにも関わらず、”get a normal job(ゲット・ア・ノーマル・ジョブ)”と言えちゃう人生...ステキやん。この脱退劇を見たら、あらためて僕が世界一リスペクトしているドラマー、その推しメンへの想いがより強固なものとなった。しかしノーマン兄弟、そしてドラマーのダニエルが脱退したとなると、今後のKATATONIAの路線に大きな影響を与えることは不可避で、同郷のOpethがミカエルのワンマンバンドになってしまったように、このKATATONIAもオリジナルメンバーのアンダースとヨナスのツーマンバンドになることは容易に想像できる。現に、それはここ最近の作品のクレジットを見れば顕著だ。しっかし、なぜスウェーデン人はそんなところまでインギーリスペクトなのか・・・。なにはともあれ、これにてKATATONIA黄金は終わりを告げ、物語はKATATONIA第二章へと繋がっていく。



約十数年前、鳴り物入りでKATATONIAに加入したダニエル君だが、僕がKATATONIAの最高傑作だと思っている2001年作の5thアルバム『Last Fair Deal Gone Down』から、持ち前のタイトでグルーヴ感のあるドラミング、そのポテンシャルを遺憾なく発揮していた。その時から既に、まだ少しあどけなさ(絶妙な不安定さ)を残しながらもどこか妖艶な雰囲気を醸し出していた。続く6thアルバム『Viva Emptiness』では、前作の倍ほどの手数の多さと俄然メタリックでアグレッシヴなドラミングを聴かせ、7thの『The Great Cold Distance』では5thの頃のタイト感から更に上品かつ献身的なプレイを身につけていた。そしてダニエルのドラマー人生、KATATONIA人生の集大成を飾る8thアルバム『Night Is the New Day』では、只ならぬ凄艶さと謎の貫禄を身につけ、もはや今作一番の聴きどころと言っていいほどのダーティ&アダルトなドラミングを披露していた。しかし、実質的に彼の遺作となった『Dead End Kings』では、これまでの色気のあるイキイキとしたドラミングは跡形もなく消え、その生気を失ったドラミングと比例するように、作品の完成度も決していい内容とは言えなかった。そもそもKATATONIAの曲って、基本的にダニエル君のドラムが発するタイトなリズム&グルーヴ中心に作られていて、その独特のリズム&ビートに合わせてアンダースのギターとヨナスのボーカルで肉付けしていくスタイル、つまりダニエル君のドラムがダメだと作品そのものがダメになってしまう。それを皮肉にも証明したのが『Dead End Kings』で、この作品だけドラムが後付っぽいというか、それまでの名作陣と比較しても唯一ドラムが主導権を握っていない作品なんだよね。つまり、この作品がダニエルの脱退を予言していた説。



僕は思う、違法ダウンロードを規制したらCDが売れるなどという幻想を追いかけているこのガラパゴス日本じゃあ、クラウドファンディングなんか一生かかっても根付かないし、そもそもその考え自体が根本的に間違ってるんじゃあないか?ってね。この話とは全然関係ないけど、この日本にも上陸間近と噂されるSpotify(スポティファイ)は非常に便利な音楽ツールだが、では作り手側がスポティファイを利用するメリット、利益って果たしてあるんだろうか?って。損得の比率が聴き手側に傾きすぎているんじゃあないか?決して作り手側の利益にはならないんじゃあないか?という疑いが晴れない。これはトム・ヨークの言葉にも繋がってくるんだけど、それはここでは割愛して・・・今回の件を踏まえて考えると、僕は現状のままではスポティファイの存在には反対だ。そのスポティファイやクラウドファンディングを利用した音楽の新しいカタチが徐々に広まっていき、音楽シーンおよび音楽制作の現場の変化が著しい昨今だが、今後の音楽シーン、特に聴き手側は”聴き手という名の支援者”と”聴き手という名の聴き手”の2つに大きく分かれていくだろう。そして今一度、日本の音楽好きに考えてほしい、「誰が音楽を殺すの?」かを。もしかするとそれが自分かもしれない、ということを。・・・という風に、自身に対する自虐や皮肉で話をまとめながらも、結局僕たちリスナー(聴き手側)がアーティストに対してできる主な事といえば→ライブを観に行ったり、音源(CDやBandcamp)やグッズを買って支援するくらいしかなくて、要するに僕が言いたいことはたった一言・・・

             get a normal job

                         もとい... 

ダニエル君の時として激しく、時として堅実(タイト)に、時として官能的(エロス)なドラミングを聴けええええええええええええええええええええええ!!(いともたやすく行われるえげつないアフィ)

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