Welcome To My ”俺の感性”

音楽のレビューというか感想をてけとーに書き殴るブログです。

Post-Hardcore

Periphery 『Juggernaut: Alpha & Omega』

Artist Periphery
Periphery

Album 『Juggernaut: Alpha』
 Juggernaut: Alpha

Tracklist
01. A Black Minute
02. MK Ultra
03. Heavy Heart
04. The Event
05. The Scourge
06. Alpha
07. 22 Faces
08. Rainbow Gravity
09. Four Lights
10. Psychosphere

Album 『Juggernaut: Omega』
Juggernaut: Omega

Tracklist
01. Reprise
02. The Bad Thing
03. Priestess
04. Graveless
05. Hell Below
06. Omega
07. Stranger Things

二作目のジンクス ・・・いわゆるDjent界隈には"二作目のジンクス"なる迷信が存在しており、この手の重鎮であるAnimals as LeadersCyclamenですらその"ジンクス"を破ることができなかったが、何を話そう、その"二作目のジンクス"をジェント界隈に確立させた張本人こそ、"Bulb"ことミーシャ・マンソー率いるUSはベセスダ出身のPeripheryだ。彼らの約三年ぶりとなるフルアルバムは、なんとポケモンリスペクトな『Juggernaut: Alpha』『Juggernaut: Omega』という二枚同時リリース(二枚組とは言ってない)。いわゆる"二作目のジンクス"と言ってみても、その呪縛を破れなかったAALは、三作目のThe Joy of Motionで見事な復活を遂げており、この手のジャンルの最先駆者であるPeripheryとしても、その威信をかけて名誉挽回といきたい所なのだが・・・さてさて。

『Periphery II』 ・・・21世紀、次世代のメタルシーンを担う新星としてセルフタイトルを冠したPeripheryをドロップし、華々しくデビューを飾ったかのように見えた彼らだが、王者Dream Theaterジョン・ペトルーシをゲストに迎えた2ndアルバムPeriphery II: This Time It's Personalは、デビュー作にあった破天荒で初期衝動的な勢いやイケイケなノリが削がれ、一転して大衆性や構築力を高めた至って普通のプログレ・メタルに歩み寄ってて、あのセルフタイトルに衝撃を受けた身としては、悪くはないんだけど→「いや、お前らに求めてるのそんなんちゃうから・・・」みたいな、妙な肩透かしを食らったってのが正直な感想だった。そんな悪い流れもあって、いわゆる"Djent"の未来を賭けて、絶体絶命の状況の中での二枚同時リリース(二枚組とは言ってない)・・・というわけだ。

アルファ ・・・まずは『Juggernaut: Alpha』だ。オープニングを飾る#1”A Black Minute”から、
Devil Sold His Soulをはじめ、*Shelsや惜しくも解散したThe ElijahなどのUKポスト-ハードコア勢を連想させるシンガロングや過去最高に"emo"-ティヴな旋律を奏でるスペンサー・ソーテロのボーカル・パフォーマンスが、
あらゆる
"Post"を飲み込んだリリシズムとキッズ特有の焦燥感をもって壮大なスケールで送り出すドラマティックな
曲調で、俺たちペリフェラーのド肝を抜いてくると同時に、これまでのペリフェリーとの明確な違いを感じ取ることができる。しかし、二曲目の”MK Ultra”を聴けば、「あっ、こいつらDjentlmenだったんだ!ただのポケモンマスターじゃなかったんだ!」って目が醒めるような、それこそDjentの生みの親である(本人はDjentではないが)メシュガニキリスペクトなゴリゴリのヘヴィネスと凶悪なスクリームでカオティックにゴリ押していき、中盤からは一転してファンキー&ファニーなパートへと急転直下に場面が切り替わる展開力は、一種のコント番組を見ているかのようで、そのユニークさは彼らならではの特権だ。で、今度はCoheed and Cambriaリスペクトなメジャー級あるいはアリーナ級のキャッチーなボーカル・メロディが売れ線全開の#3”Heavy Heart”、ベースのバッキバキな低音を効かせたダーティなインストナンバーの#4”The Event”、そのダークな流れを汲み、メロトロンを使ったレトロフューチャーなイントロからUKポスト-ハードコア然とした演劇的かつ激情的な展開力を発揮する#5”The Scourge”、そしてファミコンBGM的な8ビット風のイントロで始まる、それこそ「ポケモンゲットだぜ!」みたいなノリで始まる表題曲の#7”Alpha”は、初期BFMVのマット顔負けのドチャクソemoいメインストリーム級のキャッチーなボーカルを聴かせる・・・これが、これこそ新時代のメインストリーム系アリーナ・ジェントだッ!

Djent界のA7X ・・・遡ること21世紀初頭、Killswitch EngageAs I Lay Dying、あるいはA7XBFMV"Metalcore"なるジャンルをメジャーにブチ上げたように、今やオワコン化したメタルコアと入れ替わるように、これまでは"アンダーグラウンド"な存在だった"Djent"とかいうジャンルを"メインストリーム"にブチ上げたと言っても決して過言じゃあないだろう。この『Juggernaut: Alpha』は、わかりやすく言えば【エモ/ポスト-ハードコア×ジェント】で、音使いから曲調までポストハードコア然とした演劇的なソレをベースにしてて、いわゆる"プログレ・メタル"とは一線を画している。確かに、元からモダンなエレクトロやアンビエントを駆使した近未来型ジェントで、同時に”エモ”的な要素を持ち合わせていたけど、今作では"emo"というジャンルに振り切った、要するに『ポケモン』と同じくらい身近なキング・オブ・キッズ・ミュージックへと変貌を遂げている。いわゆる超えちゃいけないラインを超えてきた"emo"というわけだ。しかし、超えちゃいけないラインを超えなきゃメインストリーム・シーンに立つ資格すら与えられないとすれば、ペリフェリーが今作で示した選択は何一つ間違っちゃあいないし、むしろ"Djent界のA7X"あるいは"Djent界のBFMV"としてやっていくには必要不可欠な『覚悟』だったのかもしれない。なんというか、このタイミングで先日Vampsフェスで来日したNothing Moreと対バンしている事実が全てを物語っていて、彼らの存在と共に"Djent"とかいうジャンルが"アンダーグラウンド"から"メインストリーム"の仲間入りを果たした感あって、そう考えるとペリフェリーってやっぱスゲーと思うし、ダテにこの界隈のトップ張ってないなって。実際、"Djent界のA7X"になれるバンドってペリフェリー以外存在しないし、むしろそうなった方が界隈的に面白くなりそうだから、今後もこの路線を突き進んで欲しいとは思う。

『オメガ』 ・・・一枚目の『Juggernaut: Alpha』がキッズ向けのアルバムだとするなら、この『Juggernaut: Omega』はコア寄りのメタラーおよびDjentlmen向けのアルバムだ。音使いや激情的なスクリームにしてもエモ/ポスト-ハードコア寄りの作風だった『アルファ』とは一転して、Gojiraメシュガニキのエクストリーム界の二強からの影響を巧みに昇華しつつ、これまでの路線を踏襲したいわゆるアンビジェントな楽曲がメインとなっている。とはいえ、幕開けを飾る#1からして『アルファ』"emo"い流れを着実に汲んでいて、Texturesばりにポスト-ジェント・リーなマスいリズムを刻んでいくリフ主体の#2”The Bad Thing”、アルペジオ・ギターを主体とした曲調と暗鬱なアウトロがOpethリスペクトな曲で、初期BFMVのマットのものまね王座決定戦で一位取れるレベルのボーカルを披露する#3”Priestess”、カオティック・ハードコアばりにアグレッシブな#4”Graveless”Gojiraばりにヘヴィなグルーヴを轟かせる前半と一転してオシャンティーな後半に別れた#5”Hell Below”、そして今作のハイライトを飾る約12分の大作で表題曲の#6”Omega”は、まるで宇宙空間にほっぽり出されたような、目まぐるしく緩急を効かせながらほとばしる緊張感を持続させていき、そしてクライマックスを飾る”Alpha”のサビメロを引用したドラマティックな展開には、深く眠りについていたキッズ魂に再び火が点くほどブチアガるし、このパートには彼らの"売れたい"という明確な『意思』と『覚悟』が込められているんじゃあないかってくらい、同時に"Djent"とかいうジャンルをNEXT-ステージにブチ上げている。これは赤い公園猛烈リトミックDIR EN GREY『ARCHE』も同じで、更なる高みへ向かおうとする確固たる意思が音に込められている。大切なのは『真実に向かおうとする意志』だ。

ミーシャ脱退(フラグ) ・・・この『アルファ』『オメガ』、一見差別化されているように見えるが、実はペリフェリーがやりたい事は二枚とも共通していて、それは"emo"やポスト-ハードコアであったり、そして何よりも"アンダーグラウンド"から"メインストリーム"への移行を最大の目的としているわけです。じゃあ二枚に別ける必要なくね?って疑問に思わなくもないが、正直ペリフェリーのアルバムって毎回6曲目くらいでお腹いっぱいになる冗長感あったから、結果的に2枚に別けたことが功を奏しているというか、よりドラマ性が増して良いんじゃあないか(適当) 結局の所、こいつらのナニが凄いって、この手のシーンにおける自らの役割というものを明確に理解している事で、かつソレを現に実行してみせる勇気に僕は敬意を表したい。そもそも、ペリフェリーがジェントやってたのって1stだけじゃん、って言われたらそれまでの話なのだけれど。しかし何事にも役割分担というのがあって、いわゆる"Djent"とかいうジャンルを激ロック系エモ・キッズに広める役割はこのPeripheryNothing Moreに任せて、従来のDjentlmenすなわちガチ勢はダニエル君が復帰したTesseractAALに任せるという形で、仲良く棲み分けすれば良いんじゃあないかって。しかしペリフェリーという大きな犠牲を払って、すっかり停滞気味のメタルシーンにニューウェーブすなわちジェントウェーブを生み出すことができるか・・・?ともあれ見ものであるし、自分自身そろそろDjentにも飽きてきた頃合いだったが、「まだまだDjentは面白くなりそうだ」・・・そんな予感をさせる二発のソーラービームだった。でもこれでミーシャが脱退したら笑う。まぢ笑う。

Juggernaut: Omega
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凛として時雨 『i'mperfect』 レビュー

Artist 凛として時雨
凛として時雨
Mixed (#6) Jens Bogren
Jens Bogren

Album 『i'mperfect』
i'mperfect

Track List
1. Beautiful Circus
2. abnormalize
3. Metamorphose
4. Filmsick Mystery
5. Sitai miss me
6. make up syndrome (album mix)
7. MONSTER
8. キミトオク
9. Missing ling

凛として時雨×イェンス・ボグレン=フェッ!?』

おいら、この凛として時雨の思い出は、時雨の【初期衝動】という名の【中二病精神】が暴走した2nd『Inspiration Is Dead』と続く3rd『just A moment』の頃が最もネツを上げていた時期で、思い返してみると約4年前の2009年上半期ベストにもちゃっかり3rdの名を挙げてたりするんだけど、しかし明らかに初期の衝動的な勢いが消え失せ、これまでとは違って【experimentalism】を押し出した4th『still a Sigure virgin?』以降はTKソロを含め時雨の動きも一切追っていなかった。そして今回、約三年ぶり通算五作目となる新作『i'mperfect』で遂に実現してしまった、まさか...まさかの凛として時雨×イェンス・ボグレンという今世紀最大のビッグサプライズに対して→「これが”虫の知らせ”ならぬ”イェンスの知らせ”ってやつか...『ありがとうイェンス...それしか言う言葉が見つからない...」←リアルにこんな状態になったんだけども、まぁ、わかりやすい話、今年の初めからボグボグボグボグ...と散々煽りに煽って伏線()立てまくった結果→その極めつけがまさかの『凛として時雨×イェンス・ボグレン=フェッ!?』だったというわけ。こんなん俺のキング・クリムゾンでも予測できなさすぎて、この”引かれ合い”を知った時は只々アヘ顔で笑うしかなかったわ。もうなんかThe Ocean×イェンスの衝撃を軽く超えたわ。それにしても、まさかあの伏線()回収者が凛として時雨TKだったとは・・・これには感動を超えたナニかを憶えたし、マジでTK is God...としか。というわけで、本当にあのイェンス・ボグレン凛として時雨の楽曲を手がけているのかを確認するため、さっそくクレジットを確かめた結果↓

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお?」
クレジット
                   ↓
Ling tosite sigure×イェンス・ボグレン
この瞬間の俺→ヤッダーバアアアアアアアアァァァァァァァァ!!しかもFascination Street StudioswwwwwwwwwwFascination Street StudioswwwwwwwwwwFascination Street Studioswwwwwwwwwwwファーーーーーーーーーーwwwwwwwwww」とアヘ顔デフヘヴン状態に。

 俺の中で、イェンスと意味深な関係を持ってる国産のバンドと言ったら当然DIR EN GREYの一択なんだけど、そのDIR EN GREY凛として時雨ってナニかしらの関係性があるというか、両者が創り出す音楽の根底には【中二病精神】という絶対的な共通部分があったりする。だから冷静に考えてみると、今回の凛として時雨×イェンス・ボグレン』は意外でもサプライズですらない、むしろ”必然的”な”引かれ合い”だったのかもしれない。しかしながら、間違いなく2013年度上半期の大きな流れを作ったイェンス・ボグレンという俺の界隈の裏方に目をつけたTKってやっぱスゲーわ。 なにはともあれ、割りとマジでこれから【邦楽バンド×イェンス・ボグレン】ってケース増えてくると思うよ←これ予言ね。

DT×イェンス・ボグレン】←わかる
The Ocean×イェンス・ボグレン】←まぁわかる
Ling tosite sigure×イェンス・ボグレン】←フェッ!?


僕のなかで、ミックスは曲作りと完全にいっしょなんですけど、僕はプロのエンジニアではないので、自分が作業することによって失われる部分があったとしたら、それは単純に嫌だなって。自分を疑うことは、自分を信じることと同じか、それ以上に大事なことだと思うんです・・・と、WEBのインタビューでこのように語るTK、そんなパーフェクト超人である彼が選んだ”プロ”の海外エンジニアがイェンス・ボグレンだった、というわけ。で、このインタビューを見ても「やっぱTKって神だわ」としか言いようがないんだが、なんだかんだ今でもメタル界隈に目を向けてくれてるんだなって、妙な安心感というか安堵感がこれにはあったし、#6のクレジットにシッカリとFascination Street Studiosと明記している所からも、やっぱTKわかってんなぁ...って、なんか泣きそうになった。要するに、時雨よりもまずイェンス・ボグレンという名前を目当てにコレを聴いてる奴って、ひょっとして世界中でWelcome To My ”俺の感性”の管理人すなわちただ一人だけなんじゃねーか・・・?というお話。つうか、どういった経緯でミックスをイェンスに任せる事になったんだろう?その辺チョ~知りたい件。

 話を戻して、この凛として時雨の音楽性といえば、【シューゲ/ポストロック/オルタナ/インディ/マスロック/メタル/カオティックHC/Post-V系】など多彩な要素を、DIRの京も驚愕するレベルのTKによる中二病精神全開のカオティックなスクリーム、345の青臭くてエモーティヴな歌声、まるでXのヨシキが憑依したかのようなピエール中野のツーバスドコドコ系ドラム、このスリーピースが織りなす激情系ポストハードコアに落としこみ、それぞれの音にズキュウウゥンと込められた刹那的な感情が真正面からぶつかり合い、そこへプログレッシヴな感度が重なり合ってトライアングルに交錯した瞬間に解き放たれる轟音ノイズという名の・・・そう、『人間の魂』だッ!!←というような音楽性。で、本作『i'mperfect』でもその根本的な部分は不変で、混沌と静寂の間で揺れ動くセンチメンタルな感情がまるでエヴァのシンジ君のように暴走する、実に凛として時雨らしい激しくも繊細な音世界を繰り広げているんだけど、意識的にexperimentalismを高めた前作とは一味違い、本作は2ndや3rdの頃の激情系ポストハードコアに回帰してる面も確かにあって、洗練された繊細なメロディとメタリックな激しさとのバランス的な意味でも、個人的に時雨の最高傑作だと思ってる3rdを彷彿とさせる感じが好き。当然、初期の頃の勢いや良い意味で青臭い中二病精神はもはや皆無に近いけど、相変わらず一曲一曲に凝縮された情報量の多さにチビる。特に#5”Sitai miss me”から#6”make up syndrome”そして#7”MONSTER”までの流れは本作のハイライトで、#5は初期に通じるカオティックな攻撃性と前作の”this is is this?”に通じる独特のexperimentalismがあるし、イェンスが手がけた#6はイェンスらしいバランスの良いミキシングで新鮮に聴けたし(どうしよう...他の曲のミックスと全く区別がつかなかったなんて言えない...でもドラムの音は独特かも...うん、きっとそうだ(震え声))、初期の時雨らしいプログレスな感覚が蘇る#7もノスタルジックな感覚とTKの歌い始めすき。そしてラストを飾るバラード調の#9”Missing ling”の存在も初期への回帰感に拍車をかける。全9曲トータル38分。なんかもの凄いオーソドックスで分かりやすいスタイルというか、無駄な音や臭みというのが一切ない、存外アッサリとした過去最高に耳馴染みがよくて聴きやすい作風、そんな印象。

 おいら、今や武道館で演れる所まで彼らをのし上げた大きな源である初期の名作を語る上で最も欠かせないモノもしくは人物って、バンドの心臓部であるTKでもなくピエールでもなく345の存在だと思うんだけど、極端な話、初期の1stから3rdまでは345がカギを握るバンドというイメージがあって、しかし4thは意識的に”TK中心”のサウンドへとシフトした感が猛烈にあったから(今思うとこの”変化”が時雨に対するネツが冷めた要因なのかもしれない)、今回は「じゃあ本作は?」という観点から聴いたナニもあったわけなんだけど、結局この『i'mperfect』でもその”TK中心”という4thからのイメージが覆ることはなかった。だからどうというわけではないけど。。。要するに、初期の”形だけのプログレッシヴ”ではなく、今の時雨は本来の意味での”プログレッシヴな音楽”やってるんだと、前作そして本作を聴いて確信した。けど個人的には、2ndと3rdは甲乙つけがたいんだけど、椎名林檎直系のメンヘラ精神とノルウェイの22を彷彿とさせるウェットにヌレたマスロック的な音の質感、そして過去最高にメタル色が濃かった3rdの『just A moment』が一番のお気に入りだということに変わりはないし、やっぱ初期の名作と比較すると天と地の差が明確にあったりするけど、しかし今回ばかりは内容どうこうよりも【イェンス・ボグレン】という一人の男の存在が”俺の感性”の全てを納得ッさせてくれた。だから、少なくとも前作よりは良作だということは確か。あと相変わらず中二臭全開のオサレな歌詞カードも◯
 
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KEN mode 『Entrench』 レビュー

Artist KEN mode
KEN mode

Album Entrench
Entrench

Track List
02. No; I'm In Control
03. Your Heartwarming Story Makes Me Sick
04. The Terror Pulse
05. The Promises Of God
06. Romeo Must Never Know
07. Secret Vasectomy
08. Figure Your Life Out
09. Daeodon
10. Why Don't You Just Quit
11. Monomyth

今や、かの”ぴっちゅふぉーく”に見っかっちゃった状態の、”テンガロンハットニキ”ことフロントマンのジェシー・マシューソン率いるカナダの三人トリオ、KEN modeの約二年ぶり通算五作目『Entrench』なんだけど、俺的2011年度BESTにも堂々ランクインした前作の4thVenerableが、その手のメディアや好き者に高く評価された結果→(新作を控えた)かのKylesaと同レーベル霧の季節からのリリースが本作で目出度く実現したという事で、個人的に大変嬉しく思っている。つうか、今さらKENちゃん推しとか...どんだけ鈍感なんだよピカチューふぉーくw あの名盤の前作を推してない時点でピッチャーフォーク厨のミーハー具合が分かっちゃうんだが(やピ糞)、まぁ、それはステレオガム厨の陰謀という事にして、確かに本作はIsisMastodonを筆頭に幾多のビッグネームを手がけたMatt Baylesがプロデュースを担当ってトコロからしてスデに、マチュピチュフォーク厨がこぞって擦り寄ってきそうな感じ全開なんだが(案の定である)、しかし基本的には前作を素直に踏襲した上で、そこへTrap ThemConverge直系のキレまくりのカオティック/ハーコーパンク的なノリとデロデロデロデロデロレロレロレロレロレロ♪とかいうキモ過ぎるほど複雑怪奇なマス/テクニカルなリフをブッ込んだ感じのエクストリーム・メタルやってる。なんつーか、前作みたくスラッジ/ドゥーム大好きな”ヘヴィ”な部分と”メロディック”な部分が絶妙なバランスで共存した作風じゃあなくて、俄然今風のハードコア的な勢い/バカノリ重視の”至ってシンプル”な作風、といった印象。要するに、俺たちスラッジボーイよりもハーコーキッズにアピールした作品、というわけ。Kylesaの作品で例えると、名盤Static Tensionsが前作のVenerableで、本作『Entrench』がKylesaのSpiral Shadowに当たる作品、みたいな。なんつーか、「あっ、なんかコイツら垢抜けたな」って感覚ね。で、初っ端の#1”Counter Culture Complex”や#3”Your Heartwarming Story Makes Me Sick”そして同じくMatt Bayles繋がりのNarrowsのVoをゲストに迎えた#5”The Promises Of God”を筆頭に、前作の名曲”Batholith”がまさしく”Converge化”したような感じのド直球の爆走ハーコーやってのけ、MelvinsHelms Aleeを連想させる#2や#4、Isis風ポストメタルの#6”Romeo Must Never Know”は新機軸って感じの曲で聴き応えあるし、ポストハードコア然とした#8”Figure Your Life Out”の後半にかけての展開も見事だし、Earthを彷彿とさせる曲調から荘厳なストリングスを使ったラストの#11”Monomyth”もなかなか新鮮。といった感じで、本作を聴いても改めて前作の唯一無二っぷりを再確認するばかりなんだが、少なくとも音質は絶対に前作のが良い。今回のはちょっと軽いというか、妙にモダンさを意識した感がある。”重さ”という概念を”あえて”削ぐかのような音というか。今回はその辺りの変化も面白く聴けた。まぁ個人的には、ジェシーのとマジキチ染みたキレ芸および咆哮が聴けただけで大満足なんだけどね。

 結論として、全体を通してみても、やはり前作を基調にしているため、多少の既聴感は否定できないし、作品のインパクトという点でも、まさしく”初期衝動”が込められた前作に大きく劣る。しかし、この手の界隈の名プロデューサーの腕により一皮も二皮も剥けた、馬鹿でも猿でも分かる爆熱ハードコアは聴いてて素直にキモティィ!!し、完成度という点では前作並み、いや、それ以上か。ちなみに、今回のバンドロゴは前作同様にIsisアーロン・ターナーが手がけたもの。というトコロからも、あらゆる面においてメジャー嗜好の強い作風だという事が理解ッできる。だから今回のブッチャーフォークの擦り寄りも納得ッ~。あと相変わらずジャケ/ブックレットの粘土アートもセンスいい。今年、この手のハーコー好きなら当然のようにマスト。これはオススメ。



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The Elijah 『I Loved I Hated I Destroyed I Created』 レビュー

Artist The Elijah
The Elijah

Album 『I Loved I Hated I Destroyed I Created』
I Loved I Hated I Destroyed I Created

Track List
1. In Misery
2. I Loved
3. In Fear
5. In Regret
6. I Destroyed
7. In Death
8. I Created

真夏のハーコー祭り第八弾はコイツら→UKはシュロップシャー出身の五人組、The Elijahの1stフルデビュー作『I Loved I Hated I Destroyed I Created』が、Devil Sold His Soulを筆頭とするアンビエント/ポストロック的な質感を身に纏ったUKポストハードコアの王道をやっててなかなかハイクオリティな件。で、まるでシガーロスやJuniusを想起させるオーケストラやピアノによるシンフォニックで壮麗な演出と共にAthleticsバリの純粋でエモーショナルな”泣き”の感情が溢れ出す、正直ここまでドラマティックで美しすぎるハードコアは他探してもない。分かりやすい話、単純にメロディの質が高い。フロントマンのVoダンの力強い咆哮と(Gt,Vo)のマイケルによるあまりにも美しすぎィ!なemoいクリーン・ボーカルとのギャップ、そしてフワッフワとしたアトモス/アンビエント的音響空間と壮麗優美なオーケストラという、要するに”大正義”な組み合わせが織りなす、これはもはや芸術とも呼べる神々しいほど神聖で超スケールな音世界が解き放つ刹那的なエモーションに、全世界のエモ厨が嬉しさのあまり発狂するレベルの、衝撃的過ぎるデビューを飾った彼らに僕は敬意ッを表するッ!! 中でも、ピアノのイントロの泣きメロからして美しすぎる#2” I Loved ”、おいおいANATHEMAWeather Systemかと思うほど優美なオーケストラに痺れる#5” In Regret ”はインストながらクッソ美しいッ。

 そんなわけで、先日記事にしたAthleticsや、いわゆる”引かれ合い”によりKATATONIAのEUツアーに目出度く参加する事が決まったJuniusの名前にビビッとキタ人は聴いてみればいいと思うよ。正直今年のBESTに入ってもおかしくないレベルですわ。

Powder! go away 『we don't know when it has begun, but we know that it will never end』 レビュー

Artist Powder! go away
Powder! Go Away

Album we don't know when it has begun, but we know that it will never end
we don't know when

Track Litst
1. That Is What Everybody Fears And Wants
2. It Will Never End
3. 10 July 2011. Storm.
4. 37th Parallel
5. The Universe Is A Huge Black Square
6. Hindenburg 1937
7. Listen To This Track When You Are Left Alone 
At Least For 3 Minutes And 28 Seconds 
8. Stories Told By The Falling Autumn Leaves
9. Storm Warning!
10. File-Open-Trojan32.exe

ロシアはモスクワ州ルホヴィツィ出身の四人組、その名もPowder! go awayの二作目『we don't know when it has begun, but we know that it will never end』が、黒歴史として記憶の底に閉まっておいたハズの中二病精神がふつふつと湧き上がりそうな、大荒れの大海原へと真っ向から挑むオトコ達の熱き航海を、ロシア特有の可憐なるピアノの美メロや壮麗なストリングス、超絶エピックにかき鳴らす激情ギターやリバーヴを効かせた切ないメロディで色鮮やかに演出しながら、時にオルタナやポスト・ハードコアからの”疾走感”や”ロック”なアグレッシブなノリを持って荒々しく激情し、時にロシアという土地柄を肌から感じる冷たくも繊細なメロディを持ったエモーショナルな静寂を・・・その緊迫した空気の中で力強い意志を叫び続ける硬派な音世界に只々昂揚しきった俺たちの魂は、荒波のように激しく揺れ続け、そのポストロック然としたスケール感とファンタジックな物語を劇的なリリシズムを持ってドラマティックに描き写す、昨年のBESTにも選んだSleepmakeswavesOur Ceasing Voiceバリにシネマティックな胸熱中二病ポストロックは、要するにこれ以上ないほど”俺好み”で、早くも今年のポストロックではBESTと呼べる素晴らしき内容なんだ。つうか、今年のBESTに入ってもおかしくないレベルで、中でも#3,#4,#5での大航海という名の熱き音旅を鮮やかに表現するepicッかつドラマティックな展開に、俺たちは胸の高鳴りを鎮めることができない。いや、まるで邪気眼のように、俺たちは鎮める術を知らない。

 ・・・というわけで、昨今のロシア界隈の盛り上がりっぷりを証明するこのバンド、かなり”ロック”で”硬派”なアプローチを持ったポストロックではあるが、昨年のSleepmakeswavesやOur Ceasing Voiceが気に入ったなら、まず間違いないです。それは保証します。ちなみに本作品は彼らのBandcampにてフリーDLできるので是非。しかし注意してほしいのは、本作をDLするとトロイの木馬に感染するので、その辺は自己責任でお願いします。
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